JP2003238609A - ラジカル重合性モノマーから成る重合体の製造方法 - Google Patents

ラジカル重合性モノマーから成る重合体の製造方法

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JP2003238609A
JP2003238609A JP2002039560A JP2002039560A JP2003238609A JP 2003238609 A JP2003238609 A JP 2003238609A JP 2002039560 A JP2002039560 A JP 2002039560A JP 2002039560 A JP2002039560 A JP 2002039560A JP 2003238609 A JP2003238609 A JP 2003238609A
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radical
polymer
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JP2002039560A
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Toyoji Kakuchi
豊次 覚知
Osamu Nishizawa
理 西澤
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ラジカル重合性モノマーから成る重合体の製造
方法であって、触媒の取り扱いが容易で且つ開始剤の選
択幅の広い開始系を使用した原子移動型ラジカル重合法
による製造方法を提供する。 【解決手段】重合開始剤として有機ハロゲン化物または
ハロゲン化スルホニル化合物を使用し、以下の一般式
(1)で表される金属錯体から成るレドックス触媒の存
在下、少なくとも1種以上のラジカル重合性モノマーを
重合させる。 【化1】 (M)n+1m ・・・・・・(1) (ただし、Mは周期表7族〜11族から選ばれる少なく
とも1種の遷移金属、nは1以上の整数、mは1〜4の
整数、(M)n+1は還元され得る高原子価状態、Zは、
酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子または炭素原
子で配位する有機配位子を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル重合性モ
ノマーから成る重合体の製造方法に関し、詳しくは、原
子移動型ラジカル重合法を利用した製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機能性高分子の製造のため、分子量、分
子量分布、モノマー種、官能基の分布等の構造を制御す
る重合方法が、各種研究されている。その1つとして、
従来から研究されてきた原子移動型ラジカル重合法に
は、次の2つの開始系が知られている。なお、以下の
(1)及び(2)においては、何れも、高原子価金属と
低原子価金属とは1電子レドックスの関係にある。
【0003】(1)ハロゲン原子を有する低原子価金属
錯体および有機ハロゲン化化合物を使用する開始系。 (2)ハロゲン原子を有する高原子価金属錯体およびラ
ジカル開始剤を使用する開始系。
【0004】しかしながら、上記の何れの開始系におい
てもハロゲン原子を有する金属錯体の触媒しか知られて
おらず、触媒として使用される金属錯体の選択の幅が狭
いという問題がある。
【0005】また、上記(1)の開始系の場合、触媒と
して使用する低原子価錯体化合物が高価かつ比較的不安
定で高原子価状態に酸化され易いため、触媒の取り扱い
が煩雑となるという問題があり、一方、上記(2)の開
始系の場合、開始剤として2官能性以上の開始剤を利用
することが難しく、3個以上のブロック重合体を得るに
は重合工程が3段階以上となる煩雑な製法になるという
問題があり、何れの開始系も工業的には操作性、コスト
等の点で問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、ラジカル重合性
モノマーから成る重合体の製造方法であって、触媒の取
り扱いが容易で且つ開始剤の選択幅の広い開始系を使用
した原子移動型ラジカル重合法による製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、ハロゲン原子を有しない金属錯体から成
るレドックスを触媒を見出し、本発明の完成に至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、重合開始剤と
して有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合
物を使用し、以下の一般式(1)で表される金属錯体か
ら成るレドックス触媒の存在下、少なくとも1種以上の
ラジカル重合性モノマーを重合させることを特徴とする
ラジカル重合性モノマーから成る重合体の製造方法に存
する。
【0009】
【化2】 (M)n+1m ・・・・・・(1) (ただし、Mは周期表7族〜11族から選ばれる少なく
とも1種の遷移金属、nは1以上の整数、mは1〜4の
整数、(M)n+1は還元され得る高原子価状態、Zは、
酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子または炭素原
子で配位する有機配位子を表す。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、原子移動型ラジカル重合法を利用した重合体
の製造方法である。原子移動型ラジカル重合法は、次の
様な図式で表される。
【0011】
【化3】
【0012】上記において、Pはポリマー又は開始剤、
(M)は遷移金属、Xはハロゲンまたは擬ハロゲン、Y
およびLは(M)に配位可能な配位子、nおよびn+1
は遷移金属の原子価であり、低原子価錯体(1)と高原
子価錯体(2)とはレドックス共役系を構成する。
【0013】最初に、低原子価錯体(1)が有機ハロゲ
ン化物P−Xからハロゲン原子Xをラジカル的に引き抜
いて、高原子価錯体(2)及び炭素中心ラジカルP・を
形成する(この反応の速度はKactで表される)。この
ラジカルP・は、図示の様にモノマーと反応して同種の
中間体ラジカル種P・を形成する(この反応の速度はK
ProPagationで表される)。高原子価錯体(2)とラ
ジカルP・との間の反応は、生成物P−Xを生ずると同
時に、低原子価錯体(1)を再生する(この反応の速度
はKdeactで表される)。そして、低原子価錯体(1)
はP−Xと更に反応して新たな反応を進行させる。本反
応においては、成長ラジカル種P・の濃度を低く抑制す
ることが重合を制御することにおいて最も重要である。
【0014】本発明において、重合溶媒としては、水、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエ
ーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル
化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニ
トリル等のニトリル化合物、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢
酸ブチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート等のカルボニル化合物、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール等の
アルコール化合物、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン等の脂肪族及び芳香族炭化水素化合
物、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等の
ハロゲン化化合物が挙げられる。なお、本発明におい
て、重合溶媒の使用は任意である。
【0015】重合溶媒の使用量は、特に限定されない
が、モノマー仕込み量100重量部に対し、通常1〜2
000重量部、好ましくは10〜1000重量部であ
る。
【0016】本発明において、重合開始剤として使用す
る有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物
としては、重合の開始点(重合開始末端または開始末端
ということもある)と成るハロゲンを少なくとも1つ有
する化合物であれば特に制限はないが、通常、開始点と
成るハロゲンを1つ又は2つ有する化合物であり、以下
の一般式(1)〜(19)で表される化合物が好まし
い。但し、一般式(1)〜(19)において、C65
フェニル基、C64はフェニレン基、R1およびR2は、
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基ま
たはアラルキル基であり、それぞれの炭素原子上にアル
コール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル
チオ基などの官能基を有していてもよく、また、同一も
しくは異なっていてもよい。Xは、塩素、臭素またはヨ
ウ素、nは0〜20の整数である。
【0017】<開始点が1つの重合開始剤> (1)C65−CH2X (2)C65C(H)(X)CH3 (3)C65−C(X)(CH32 (4)R1−C(H)(X)−CO22 (5)R1−C(CH3)(X)−CO22 (6)R1−C(H)(X)−C(O)R2 (7)R1−C(CH3)(X)−C(O)R2 (8)R1−C64−SO2
【0018】<開始点が2つの重合開始剤> (9)o−、m−、p−XCH2−C64−CH2X (10)o−、m−、p−CH3C(H)(X)−C64
−C(H)(X)CH3 (11)o−、m−、p−(CH32C(X)−C64
C(X)(CH32 (12)RO2C−C(H)(X)−(CH2n−C
(H)(X)−CO2R (13)RO2C−C(CH3)(X)−(CH2n−C
(CH3)(X)−CO2R (14)RC(O)−C(H)(X)−(CH2n−C
(H)(X)−C(O)R (15)RC(O)−C(CH3)(X)−(CH2n
C(CH3)(X)−C(O)R (16)XCH2CO2−(CH2n−OCOCH2X (17)CH3C(H)(X)CO2−(CH2n−OCO
C(H)(X)CH3 (18)(CH32C(X)CO2−(CH2n−OCO
C(X)(CH32 (19)RC(O)CH(X)2
【0019】一般式(1)で表される重合開始剤として
は、フェニルメチルクロライド、フェニルメチルブロマ
イド、フェニルメチルヨーダイド等、一般式(2)で表
される重合開始剤としては、1−フェニルエチルクロラ
イド、1−フェニルエチルブロマイド、1−フェニルエ
チルヨーダイド等、一般式(3)で表される重合開始剤
としては、1−フェニルイソプロピルクロライド、1−
フェニルイソプロピルブロマイド、1−フェニルイソプ
ロピルヨーダイド等、一般式(4)で表される重合開始
剤としては、2−クロロプロピオン酸、2−ブロモプロ
ピオン酸、2−ヨードプロピオン酸、2−クロロブタン
酸、2−ブロモブタン酸、2−ヨードブタン酸、メチル
−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロ
ピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネート、エチ
ル−2−ブロモプロピオネート、メチル−2−ヨードプ
ロピオネート等、一般式(5)で表される重合開始剤と
しては、2−クロロイソブタン酸、2−ブロモイソブタ
ン酸、2−ヨードイソブタン酸、メチル−2−クロロイ
ソブチレート、エチル−2−クロロイソブチレート、メ
チル−2−ブロモイソブチレート、エチル−2−ブロモ
イソブチレート、メチル−2−ヨードイソブチレート、
エチル−2−ヨードイソブチレート等、一般式(6)で
表される開始剤としては、α−クロロアセトフェノン、
α−ブロモアセトフェノン、α−クロロアセトン、α−
ブロモアセトン等、一般式(7)で表される開始剤とし
ては、α−クロロイソプロピルフェニルケトン、α−ブ
ロモイソプロピルフェニルケトン等、一般式(8)で表
される開始剤としては、p−トルエンスルフォニルクロ
リド、p−トルエンスルフォニルブロミド等、一般式
(9)で表される開始剤としては、α、α’−ジクロロ
キシレン、α、α’−ジブロモキシレン、α、α’−ジ
ヨードキシレン等、一般式(10)で表される開始剤と
しては、ビス(1−クロロエチル)ベンゼン、ビス(1
−ブロモエチル)ベンゼン等、一般式(11)で表され
る開始剤としては、ビス(1−クロロ−1−メチルエチ
ル)ベンゼン、ビス(1−ブロモ−1−エチル)ベンゼ
ン等、一般式(12)で表される開始剤としては、2,
5−ジクロロアジピン酸ジメチル、2,5−ジブロモア
ジピン酸ジメチル、2,5−ジヨードアジピン酸ジメチ
ル、2,5−ジクロロアジピン酸ジエチル、2,5−ジ
ブロモアジピン酸ジエチル、2,5−ジヨードアジピン
酸ジエチル、2,6−ジクロロ−1,7−ヘプタン二酸
ジメチル、2,6−ジブロモ−1,7−ヘプタン二酸ジ
メチル、2,6−ジヨード−1,7−ヘプタン二酸ジメ
チル、2,6−ジクロロ−1,7−ヘプタン二酸ジエチ
ル、2,6−ジブロモ−1,7−ヘプタン二酸ジエチ
ル、2,6−ジヨード−1,7−ヘプタン二酸ジエチル
等、一般式(13)で表される開始剤としては、2,6
−ジクロロ−2,6−ジメチル−1,7−ヘプタン二酸
ジメチル、2,6−ジブロモ−2,6−ジメチル−1,
7−ヘプタン酸ジメチル等、一般式(14)で表される
開始剤としては、3,5−ジクロロ−2,6−ヘプタン
ジオン、3,5−ジブロモ−2,6−ヘプタンジオン
等、一般式(15)で表される開始剤としては、3,5
−ジクロロ−3,5−ジメチル−2,6−ヘプタンジオ
ン、3,5−ジブロモ−3,5−ジメチル−2,6−ヘ
プタンジオン等、一般式(16)で表される開始剤とし
ては、エチレングリコールビス(2−ブロモ酢酸)エス
テル等、一般式(17)で表される開始剤としては、エ
チレングリコールビス(2−ブロモプロピオン酸)エス
テル、エチレングリコールビス(2−クロロプロピオン
酸)エステル、一般式(18)で表される開始剤として
は、エチレングリコールビス(2−ブロモイソ酪酸)エ
ステル、エチレングリコールビス(2−クロロイソ酪
酸)エステル等、一般式(19)で表される開始剤とし
ては、α,α−ジクロロアセトフェノン、α,α−ジブ
ロモアセトフェノン等が挙げられる。
【0020】本発明においては、以下の一般式(1)で
表される金属錯体から成るレドックス触媒を使用する。
【0021】
【化4】 (M)n+1m ・・・・・・(1) (ただし、Mは周期表7族〜11族から選ばれる少なく
とも1種の遷移金属、nは1以上の整数、mは1〜4の
整数、(M)n+1は還元され得る高原子価状態、Zは、
酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子または炭素原
子で配位する有機配位子を表す。)
【0022】上記の高原子価金属(M)n+1としては、
Cu2+、Ni+、Ni2+、Ni3+、Pd+、Pd2+、Pt
+、Pt2+、Pt3+、Rh2+、Rh3+、Rh4+、C
2+、Co 3+、Ir+、Ir2+、Ir3+、Ir4+、Fe
3+、Ru3+、Ru4+、Ru5+、Ru5 +、Os3+、O
4+、Re3+、Re4+、Re5+、Re7+、Mn3+、Mn
4+の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これ
らの中では、Cu2+、Ni+、Ni2+、Ni3+、Pd+
Pd2+、Co2+、Co3+、Fe3+、Ru3+、Ru4+、R
5+、Ru5+、Re3+、Re4+、Re5+、Re7+の群か
ら選ばれる1種が好ましく、Cu2+、Ni3+、Fe3+
Ru3+、Ru4+の群から選ばれる1種が更に好まく、C
2+またはFe3+が特に好ましく、Cu2+が最も好まし
い。
【0023】上記の有機配位子Zの金属への配位原子と
しては、好ましくは、酸素原子または窒素原子である。
また、有機配位子Zは、1〜4座の配位子であり、好ま
しくは1〜2座の配位子である。
【0024】有機配位子Zの具体例としては次のものが
挙げられる。すなわち、1座配位子としては、アセトキ
シ基、トリフルオロアセトキシ基、トルエンスルホニル
オキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ト
リフェニルホスフィノ基、トリブチルホスフィノ基、硫
酸基、リン酸基、ピロリン酸基、水酸基、炭素数1〜1
0の脂肪族または芳香族のアルキル基を含むアルコキシ
基、同様のアルキルチオ基などが挙げられ、2座配位子
としては、アセチルアセトナト基、2,2,6,6−テ
トラトリフルオロアセチルアセトナト基などが挙げら
れ、3座配位子としては、ジエチレントリアミン等が挙
げられ、4座配位子としては、ポルフィリン基、フタロ
シアニン基などが挙げられる。
【0025】一般式(1)の金属錯体の内、Cu2+m
の具体例としては、酢酸第二銅、ビス(トリフルオロメ
タンスルホン酸)銅(II)、ビス(アセチルアセトナ
ト)銅(II)、2,2,6,6−テトラメチル3,5−
ヘプタンジオナト銅(II)、ヘキサフルオロアセチルア
セトナト銅(II)、水酸化銅(II)、ジメトキシ銅(I
I)、ポルフィリン銅(II)及びその誘導体、フタロシ
アニン銅(II)及びその誘導体、ピロリン酸銅(II)、
硫酸銅(II)、トリフルオロ酢酸銅(II)等が挙げられ
る。特にビス(トリフルオロメタンスルホン酸)銅(I
I)が好ましい。
【0026】前記の金属錯体((M)n+1m )には有
機配位子Zと共に他の有機配位子Lを使用してもよい。
斯かる有機配位子Lは、重合溶媒への可溶化およびレド
ックス共役錯体の可逆的な変化をより促進するために使
用される。有機配位子Lの金属への配位原子としては、
酸素原子、窒素原子、リン原子または硫黄原子が挙げら
れるが、好ましくは、酸素原子、窒素原子またはリン原
子である。また、有機配位子Lは、配位原子を2種以上
有していてもよく、特に、配位原子が3個以上で且つ2
種以上であることが好ましい。前記の金属錯体が銅錯体
の場合は、有機配位子Lとしては、窒素原子のみ、ある
いは、窒素と酸素原子を有する有機配位子が好ましい。
【0027】前記の金属錯体と有機配位子Lを生成する
化合物とを別々に添加して重合系中で金属錯体を生成さ
せてもよいし、予め有機配位子Zおよび有機配位子Lを
有する金属錯体を合成して重合系中へ添加してもよい。
特に、銅の場合は前者の方法が好ましく、ルテニウム、
鉄、ニッケルの場合は後者の方法が好ましい。
【0028】有機配位子Lを生成する化合物の具体例と
しては、配位原子が1種の場合では、2,2’−ビピリ
ジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及び
その誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメ
チルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−
アミノエチル)アミン、トリフェニルホスフィン、トリ
ブチルホスフィン等が挙げられ、配位原子が2種以上の
場合では、トリエタノールアミン、2−ピリジノール、
6’−{2−exo−ヒドロキシ−1,7,7−トリメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−end−イル}
2,2’−ビピリジン等が挙げられる。
【0029】予め合成される有機配位子Zおよび有機配
位子Lを有する金属錯体の内、ルテニウム、鉄、ニッケ
ル錯体の具体例としては、トリス(2,2,6,6−テ
トラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム
(III)、トリアセチルアセトナト鉄(III)、ビス(ア
セチルアセトナト)ニッケル(II)等が挙げられる。
【0030】本発明において使用されるラジカル重合性
モノマーは、通常のラジカル重合可能なモノマーであれ
ば制限なく利用できる。斯かるモノマーとしては、アク
リレートモノマー、メタクリレートモノマー又はスチレ
ン誘導体が好適に使用される。
【0031】上記のモノマーの具体例としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、n−オクチル
(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)ア
クリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メ
トキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シ3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミ
ノ)エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
クリルアミド、N−メチロールア(メタ)クリルアミ
ド、N−ビニルピロリドン、スチレン、o−、m−、P
−メトキシスチレン、o−、m−、P−t−ブトキシス
チレン、o−、m−、P−クロロメチルスチレン等が挙
げられる。これらは、2種類以上のモノマーでランダム
共重合またはブロック共重合されてもよい。更に、重合
の途中でモノマーを徐々に添加して共重合してもよい。
【0032】リビングラジカル重合は、通常−50〜2
00℃、好ましくは0〜150℃の温度で行われる。そ
して、レドックス触媒におけるレドックス共役錯体の可
逆的変化は、前記の金属錯体(高原子価錯体)に重合開
始剤およびラジカル重合性モノマーを添加することによ
り開始される。この際、高原子価金属の使用量は、特に
限定されないが、反応系中の濃度として、通常10-4
10-1モル/l、好ましくは10-3〜10-1モル/lで
ある。そして、開始剤に対し、通常0.01〜100
(モル比)、好ましくは0.1〜50(モル比)であ
る。
【0033】本発明においては、重合開始時に低原子価
金属(M)nが共存してなくてもよく、重合開始時にお
ける低原子価金属(M)nと高原子価金属(M)n+1との
モル比(M)n/(M)n+1は、70/30〜0/10
0、好ましくは50/50〜0/100、更に好ましく
は20/80〜0/100の範囲内とされる。すなわ
ち、低原子価金属(M)nは、金属および有機配位子の
種類によって不安定な場合や組み合わせる開始剤の種類
によって重合開始効率が低い場合には、重合開始時に存
在しない方が好ましい。
【0034】本発明においては、重合後、周知の方法に
従って、残存モノマー及び/又は溶媒の留去、適当な溶
媒中での再沈殿、沈殿したポリマーの濾過または遠心分
離、ポリマーの洗浄および乾燥を行うことが出来る。遷
移金属化合物は、重合溶液から、アルミナ、シリカ又は
クレーのカラム若しくはパッドに通すことにより除去す
ることが出来る。その他、重合溶液に金属吸着剤を分散
させて処理する方法も採用し得る。必要ならば金属成分
は重合体中に残っていてもよい。得られた重合体は、周
知の手法に従って、サイズ排除クロマトグラフィ、NM
Rスペクトル等により分析することが出来る。
【0035】再沈殿に使用する溶媒としては、水;ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等のC5−
C8アルカン;C5〜C8シクロアルカン;メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のC1〜C6アル
コール等が挙げられる。これらの中では、水、ヘキサ
ン、メタノール又はこれらの混合物が好適である。
【0036】本発明で得られる重合体の数平均分子量
は、通常250〜500000、好ましくは500〜2
50000であり、分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)は、通常1.8以下、好ましくは1.5以下
である。
【0037】本発明においては、リビング重合であるこ
とから、重合を自由自在に開始し且つ終了させることが
出来る。更に、重合体は、更なる重合を開始するために
必要な官能基"X"を有しているため、第1のモノマーが
重合で消費された後、第2のモノマーは成長するポリマ
ー鎖上の第2のブロックを形成するために添加すること
が出来る。同一の又は異なるモノマーを加えることで、
マルチ−ブロックコポリマーを調製することが出来る。
【0038】本発明で得られる重合体は、直接的には、
エラストマー、エンジニアリング樹脂、塗料、接着剤、
インク及び画像形成組成物などとして使用される他、セ
メント調整剤、分散剤、乳化剤、界面活性剤、粘性係数
向上剤、紙添加剤、静電気防止剤、被覆剤、樹脂調整剤
などの添加剤として使用される。また、本発明で得られ
る重合体は、ポリウレタン等のより大きな高分子製品の
中間体として、水処理化学物質、複合部品、化粧品、毛
髪用品、腸内拡張剤、診断剤、持続放出組成剤などの製
薬剤などとして使用することが出来る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。以下の諸例において
は、分子量の測定は、ポリスチレン標準試料で校正した
ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して行った。
【0040】実施例1 10mL−バイヤルに、メチル−2−ブロモイソブチレ
ート(23.9mg、0.132mmol)、銅(II)
トリフルオロメタンスルホネート(95.1mg、0.
263mmol)、6’−{(1R,2R,4R)−2
−exo−ヒドロキシ−1,7,7−トリメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2−endo−イル}2,2’−
ビピリジン(24.2mg、0.0526mmol)、
アニソール(2.6mL)を入れ、約10分間撹拌し
た。この溶液に1−フェニルエチルメタクリレート(5
00mg、2.68mmol)を加えて撹拌した。この
反応溶液を撹拌子の入った10mL−スクリュー付き試
験菅10本に0.3mLずつ入れてキャップをした後、
90℃に加熱して反応を行なった。
【0041】反応終了後、メタノールを加えて重合を停
止しガスクロマトグラフィーを使用してモノマー転化率
を求めたところ、40%であった。残りの重合溶液は短
い活性アルミナカルムに通して金属塩を除き、溶媒を減
圧留去し、クロロホルム−メタノールで再沈殿を2回行
ってポリマーを精製し、減圧乾燥した。得られたポリマ
ーの分子量は12200、分子量分布は1.42であっ
た。
【0042】実施例2 窒素置換されたコンデンサー、窒素導入管、撹拌機およ
び温度計付きの反応フラスコに、ビス(トリフルオロメ
タンスルホネート)銅(II)542mgを入れ、別途、
フラスコ内にて、アニソール30g、n−ブチルアクリ
レート38.4g、トリエタノールアミン(配位子)2
24mg、メチルブロモイソブイチレート(重合開始
剤)272mgの混合溶液を15分間窒素バブリングし
た後、上記の反応フラスコ内に仕込み、105℃で3時
間重合を行った。重合終了後、テトラヒドロフラン(T
HF)100mlで希釈し、活性アルミナ30gが充填
されたカラムを通過させて銅成分を除去した。次いで、
水/メタノール=1/5の混合溶媒に滴下して再沈殿を
行い、乾燥して無色透明なポリマー20.1gを得た。
得られたポリマーの数平均分子量は17200、分子量
分布は1.21であった。
【0043】実施例3 窒素置換されたコンデンサー、窒素導入管、撹拌機およ
び温度計付きの反応フラスコに、ビス(トリフロオロメ
タンスルホン酸)銅(II)542mg(1.5ミリモ
ル)を仕込み、別途、フラスコ内にて、アニソール30
g、2−エチルヘキシルアクリレート55.3g(0.
3モル)、トリエタノールアミン224mg(1.5
ミリモル)、2,6−ジブロモ1,7−ヘプタン二酸ジ
メチル260mg(0.75ミリモル)の混合溶液を1
5分間窒素バブリングした後、上記の反応フラスコ内に
仕込み、100℃で6時間重合を行った。重合終了後、
THF100mlで希釈し、活性アルミナ50gが充填
されたカラムを通過させて銅成分を除去した。次いで、
メタノールに滴下して再沈殿を行い、乾燥して無色透明
なポリマー25.2gを得た。得られたポリマーの数平
均分子量は24500、分子量分布は1.42であっ
た。
【0044】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、ラジカル
重合性モノマーから成る重合体の製造方法であって、触
媒の取り扱いが容易で且つ開始剤の選択幅の広い開始系
を使用した原子移動型ラジカル重合法による製造方法が
提供され、本発明の工業的価値は大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合開始剤として有機ハロゲン化物また
    はハロゲン化スルホニル化合物を使用し、以下の一般式
    (1)で表される金属錯体から成るレドックス触媒の存
    在下、少なくとも1種以上のラジカル重合性モノマーを
    重合させることを特徴とするラジカル重合性モノマーか
    ら成る重合体の製造方法。 【化1】 (M)n+1m ・・・・・・(1) (ただし、Mは周期表7族〜11族から選ばれる少なく
    とも1種の遷移金属、nは1以上の整数、mは1〜4の
    整数、(M)n+1は還元され得る高原子価状態、Zは、
    酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子または炭素原
    子で配位する有機配位子を表す。)
  2. 【請求項2】 高原子価金属(M)n+1が、Cu2+、N
    +、Ni2+、Ni3+、Pd+、Pd2+、Pt+、P
    2+、Pt3+、Rh2+、Rh3+、Rh4+、Co2+、Co
    3+、Ir+、Ir2+、Ir3+、Ir4+、Fe3+、R
    3+、Ru4+、Ru5+、Ru5+、Os3+、Os4+、Re
    3+、Re4+、Re5+、Re7+、Mn3+、Mn4+の群から
    選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 高原子価金属(M)n+1が、Cu2+、N
    3+、Fe3+、Ru3 +、Ru4+の群から選ばれる1種で
    ある請求項1又は2に記載の製造方法。
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