JP2003245076A - 新規タンパク質およびそのdna - Google Patents

新規タンパク質およびそのdna

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JP2003245076A
JP2003245076A JP2002019703A JP2002019703A JP2003245076A JP 2003245076 A JP2003245076 A JP 2003245076A JP 2002019703 A JP2002019703 A JP 2002019703A JP 2002019703 A JP2002019703 A JP 2002019703A JP 2003245076 A JP2003245076 A JP 2003245076A
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protein
disease
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JP2002019703A
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Atsushi Nakanishi
淳 中西
Yoji Sagiya
洋司 鷺谷
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 神経伝達物質作動性チャネル活性を有する新
規タンパク質、該タンパク質をコードするDNA、該タ
ンパク質の活性を制御する化合物のスクリーニング方
法、該スクリーニング方法で得られる化合物などの提
供。 【解決手段】 特定のアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質は例えば、
中枢神経疾患、消化器疾患、肝臓疾患、循環器疾患、炎
症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患、胸腺疾患、
脾臓疾患、免疫不全および癌など、臓器移植後の拒絶反
応、または抗癌剤治療による副作用などの診断マーカー
等として有用であり、該タンパク質の活性を制御する化
合物などは、例えば、中枢神経疾患、消化器疾患、肝臓
疾患、循環器疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、アレル
ギー疾患、胸腺疾患、脾臓疾患、免疫不全および癌の予
防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制剤、または抗癌
剤治療による副作用の抑制剤などとして有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な神経伝達物
質作動性チャネルタンパク質、該タンパク質をコードす
るDNA、該タンパク質の活性を促進または阻害する化
合物のスクリーニング方法、該スクリーニング方法で得
られる化合物などを提供する。
【0002】
【従来の技術】神経伝達物質作動性チャネルのファミリ
ーにはセロトニン3型(5−HT3)受容体、ニコチン
性アセチルコリン受容体(nAChR)、GABA−A
受容体、GABA−C受容体、グリシン受容体、グルタ
ミン酸受容体などが含まれる。これらの多くはN末とC
末が細胞外に存在する4回膜貫通型タンパク質が5量体
を形成するもので、シナプスにおいて神経伝達物質によ
り作動するイオンチャネルとして知られる。5−HT3
受容体は、7つのファミリー(5−HT1〜5−HT
7)からなるセロトニン(5−HT)の受容体の一種
で、5−HT3受容体はリガンド作動性チャネルである
が、その他の5−HT受容体はGタンパク共有型受容体
である。5−HT3受容体は、現在までに、2種のサブ
ユニット5−HT3A受容体(Mol. Pharmacol. 、第48
巻、407頁、1995年)と5−HT3B受容体がクローニ
ングされている(Nature、第397巻、359頁、1999年)。
5−HT3受容体は、リガンド作動性の非選択的カチオ
ンチャネルであり、生理的条件下では一過性の膜の脱分
極を引き起こす。5−HT3受容体遮断薬であるグラニ
セトロンは嘔吐中枢を抑制することから、シスプラチン
などの抗癌剤による悪心、嘔吐の抑制に用いられる。ま
た、薬理学的解析から5−HT3受容体が白血球上に存
在することが知られていることや(Proc. Natl. Acad.
Sci. U.S.A.、第85巻、4557頁、1988年)、5−HT3
受容体が免疫細胞の増殖の制御に関わること(Biochem.
J.、第344巻、199頁、1999年)などから、5−HT3
受容体は神経伝達のみならず免疫系の制御にも関与して
いると考えられている。ニコチン性アセチルコリン受容
体(nAChR)は、ニコチン受容体とも呼ばれるもので、
これまでに9種類のサブユニットの存在が知られている
(Prog. Neurobiol.、第61巻、75頁、2000年)。神経筋
接合部に存在する筋肉型と自律神経節や中枢神経に存在
する神経型は薬理学的性質が異なっており、これはサブ
ユニット構成の違いに起因する(Annu. Rev. Pharmaco
l. Toxicol.、第40巻、431頁、2000年)。ニコチン性ア
セチルコリン受容体はニコチン依存症、アルツハイマー
病、パーキンソン症候群、精神分裂病などの重要な薬剤
ターゲットに成り得ると考えられている。また、活性化
リンパ球においてアセチルコリンの合成や分泌が増加す
ること、リンパ球にはニコチン性アセチルコリン受容体
が発現しており、ニコチン性アゴニストの刺激によりリ
ンパ球で細胞内カルシウムの上昇がみられること(Phar
macology & Therapeutics、第86巻、29頁、2000年)な
どから、ニコチン性アセチルコリン受容体は免疫系の制
御にも関与していると考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】神経伝達物質作動性チ
ャネルは、神経伝達に重要な役割を果たしている。さら
に免疫細胞で発現し免疫系の制御にも関わるものもある
と考えられている。神経伝達物質作動性チャネルのサブ
ユニットが会合してチャネルを形成する詳しいメカニズ
ムや、その活性化によるイオン透過が各組織においてシ
グナル伝達に結びつく詳しいメカニズムは不明である。
類似の神経伝達物質作動性チャネルの中から、厳密に単
一のチャネルに選択性を持つアゴニスト・アンタゴニス
トの創生が、そのチャネルの性質を解明するのに役立つ
とともに、各種疾患の治療に結びつくと考えられる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、新規神経伝
達物質作動性チャネルタンパク質を見出した。該タンパ
ク質はアミノ酸レベルで、神経伝達物質作動性チャネル
タンパク質のひとつであるヒト5−HT3A受容体と約
20%の相同性を示し、4回膜貫通型の構造を有してお
り、神経伝達物質作動性チャネルタンパク質(例、5−
HTの受容体)として機能し得るものである。該タンパ
ク質を抑制する方法としては、例えば、リガンドと該タ
ンパク質との結合を阻害したり、該タンパク質による神
経伝達物質作動性チャネル活性を阻害したり、該タンパ
ク質の転写を抑制して発現レベルを低下させることが考
えられる。該タンパク質を賦活化する方法としては、例
えば、該タンパク質による神経伝達物質作動性チャネル
活性を促進したり、該タンパク質のプロモーターを活性
化したり、mRNAを安定化することで発現レベルを亢
進することが考えられる。本発明者らは、これらの知見
に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩、
(2)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有す
る上記(1)記載のタンパク質またはその塩、(3)上
記(1)記載のタンパク質の部分ペプチドまたはその
塩、(4)上記(1)記載のタンパク質または上記
(3)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドを含有するポリヌクレオチド、(5)DNAである上
記(4)記載のポリヌクレオチド、(6)配列番号:2
で表わされる塩基配列を含有する上記(5)記載のDN
A、(7)上記(5)記載のDNAを含有する組換えベ
クター、(8)上記(7)記載の組換えベクターで形質
転換された形質転換体、(9)上記(8)記載の形質転
換体を培養し、上記(1)記載のタンパク質または上記
(3)記載の部分ペプチドを生成、蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とする上記(1)記載のタンパク質
もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の
製造法、(10)上記(1)記載のタンパク質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩を含有して
なる医薬、(11)上記(5)記載のDNAを含有して
なる医薬、(12)上記(1)記載のタンパク質もしく
は上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩に対する
抗体、(13)上記(1)記載のタンパク質もしくは上
記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩を用いること
を特徴とする、上記(1)記載のタンパク質もしくは上
記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進
または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
法、(14)上記(1)記載のタンパク質もしくは上記
(3)記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してな
る、上記(1)記載のタンパク質もしくは上記(3)記
載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻害
する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(15)上記(13)記載のスクリーニング方法または
上記(14)記載のスクリーニング用キットを用いて得
られる、上記(1)記載のタンパク質もしくは上記
(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進ま
たは阻害する化合物またはその塩、(16)上記(1
5)記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(17)上記(4)記載のポリヌクレオチドを用いるこ
とを特徴とする、上記(1)記載のタンパク質遺伝子の
発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法、(18)上記(4)記載のポリヌクレオ
チドを含有してなる、上記(1)記載のタンパク質遺伝
子の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング用キット、(19)上記(17)記載のス
クリーニング方法または上記(18)記載のスクリーニ
ング用キットを用いて得られる、上記(1)記載のタン
パク質遺伝子の発現を促進または阻害する化合物または
その塩、(20)上記(19)記載の化合物またはその
塩を含有してなる医薬、(21)上記(12)記載の抗
体を含有してなる診断薬、(22)上記(12)記載の
抗体を含有してなる医薬、(23)上記(12)記載の
抗体を用いることを特徴とする上記(1)記載のタンパ
ク質の定量方法、(24)上記(23)記載の定量方法
を用いることを特徴とする上記(1)記載のタンパク質
の機能が関連する疾患の診断法、(25)上記(12)
記載の抗体を用いることを特徴とする、上記(1)記載
のタンパク質の発現を促進または阻害する化合物または
その塩のスクリーニング方法、(26)上記(12)記
載の抗体を含有してなる、上記(1)記載のタンパク質
の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスク
リーニング用キット、(27)上記(25)記載のスク
リーニング方法または上記(26)記載のスクリーニン
グ用キットを用いて得られる、上記(1)記載のタンパ
ク質の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(28)上記(27)記載の化合物またはその塩を含有
してなる医薬、(29)中枢神経疾患、消化器疾患、肝
臓疾患、循環器疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、アレ
ルギー疾患、胸腺疾患、脾臓疾患、免疫不全若しくは癌
の予防・(及び/又は)治療剤、臓器移植後の拒絶反応
抑制剤、または抗癌剤治療による副作用の抑制剤である
上記(10)、(11)、(16)、(20)、(2
2)または(28)記載の医薬、(30)哺乳動物に対
して、上記(15)、(19)または(27)記載の化
合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする
中枢神経疾患、消化器疾患、肝臓疾患、循環器疾患、炎
症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患、胸腺疾患、
脾臓疾患、免疫不全若しくは癌の予防・(及び/又は)
治療方法、臓器移植後の拒絶反応抑制方法、または抗癌
剤治療による副作用の抑制方法、(31)中枢神経疾
患、消化器疾患、肝臓疾患、循環器疾患、炎症性疾患、
自己免疫疾患、アレルギー疾患、胸腺疾患、脾臓疾患、
免疫不全若しくは癌の予防・治療剤、臓器移植後の拒絶
反応抑制剤、または抗癌剤治療による副作用の抑制剤を
製造するための上記(15)、(19)または(27)
記載の化合物またはその塩の使用などを提供する。さら
に、本発明は、(32)外来性の、上記(1)記載のタ
ンパク質をコードするDNAまたはその変異DNAを有
する非ヒト哺乳動物、(33)非ヒト哺乳動物がゲッ歯
動物である上記(32)記載の非ヒト哺乳動物、(3
4)ゲッ歯動物がマウスまたはラットである上記(3
3)記載の非ヒト哺乳動物。(35)上記(1)記載の
タンパク質をコードするDNAが不活性化されたDNA
発現不全非ヒト哺乳動物、(36)非ヒト哺乳動物がゲ
ッ歯動物である上記(35)記載の非ヒト哺乳動物、
(37)ゲッ歯動物がマウスまたはラットである上記
(35)記載の非ヒト哺乳動物、(38)上記(5)記
載のDNAを含有してなる診断薬などを提供する
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる配列番号:1
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質(以下、本発明のタ
ンパク質または本発明で用いられるタンパク質と称する
こともある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモッ
ト、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊
維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファ
ージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)もしくはそれらの
細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下
部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵
臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血
管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾
丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来す
るタンパク質であってもよく、合成タンパク質であって
もよい。
【0007】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と約30%以上、好ましくは約5
0%以上、より好ましくは約70%以上、特に好ましく
は約80%以上、最も好ましくは約90%以上の相同性
を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:1
で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するタンパク質としては、例えば、前記の配列番
号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を含有し、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタン
パク質などが好ましい。実質的に同質の活性としては、
例えば、神経伝達物質作動性チャネル活性などが挙げら
れる。実質的に同質とは、それらの性質が性質的に
(例、生理学的に、または薬理学的に)同質であること
を示す。したがって、神経伝達物質作動性チャネル活性
が同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.
1〜10倍、より好ましくは0.5〜2倍)であること
が好ましいが、これらの活性の程度、タンパク質の分子
量などの量的要素は異なっていてもよい。神経伝達物質
作動性チャネル活性などの活性の測定は、公知の方法に
準じて行うことができ、例えば、J. Biol. Chem. 275
巻, 5620-5625頁, 2000年に記載の方法またはそれに準
じる方法に従って測定することができる。
【0008】また、本発明で用いられるタンパク質とし
ては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
中の1または2個以上(例えば1〜200個程度、好ま
しくは1〜150個程度、好ましくは1〜100個程
度、好ましくは1〜50個程度、好ましくは1〜30個
程度、好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数
(1〜5)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
配列番号:1で表されるアミノ酸配列に1または2個以
上(例えば1〜200個程度、好ましくは1〜150個
程度、好ましくは1〜100個程度、好ましくは1〜5
0個程度、好ましくは1〜30個程度、好ましくは1〜
10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミ
ノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表され
るアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1〜200
個程度、好ましくは1〜150個程度、好ましくは1〜
100個程度、好ましくは1〜50個程度、好ましくは
1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さらに好
ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が挿入されたアミ
ノ酸配列、配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の
1または2個以上(例えば1〜200個程度、好ましく
は1〜150個程度、好ましくは1〜100個程度、好
ましくは1〜50個程度、好ましくは1〜30個程度、
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜
5)個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ
酸配列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列を
含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含まれ
る。上記のようにアミノ酸配列が挿入、欠失または置換
されている場合、その挿入、欠失または置換の位置は、
とくに限定されない。
【0009】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明で用いられるタンパク質は、C末端がカ
ルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−C
OO-)、アミド(−CONH2)またはエステル(−C
OOR)のいずれであってもよい。ここでエステルにお
けるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチルなどのC1-6アルキル
基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC
3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチ
ルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネ
チルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナ
フチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基な
どのC7-14アラルキル基、ピバロイルオキシメチル基な
どが用いられる。本発明で用いられるタンパク質がC末
端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を
有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエス
テル化されているものも本発明で用いられるタンパク質
に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記
したC末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発
明で用いられるタンパク質には、N末端のアミノ酸残基
(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基(例えば、
ホルミル基、アセチル基などのC 1-6アルカノイルなど
のC1-6アシル基など)で保護されているもの、生体内
で切断されて生成するN末端のグルタミン残基がピログ
ルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置
換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール
基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基
(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカ
ノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されている
もの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質な
どの複合タンパク質なども含まれる。本発明で用いられ
るタンパク質の具体例としては、例えば、配列番号:1
で表されるアミノ酸配列を含有するヒト由来のタンパク
質などがあげられる。
【0010】本発明で用いられるタンパク質の部分ペプ
チドとしては、前記した本発明で用いられるタンパク質
の部分ペプチドであって、好ましくは、前記した本発明
で用いられるタンパク質と同様の性質を有するものであ
ればいずれのものでもよい。例えば、本発明で用いられ
るタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20
個以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは70
個以上、より好ましくは100個以上、最も好ましくは
200個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用
いられる。また、本発明で用いられる部分ペプチドは、
そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)の
アミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1また
は2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好まし
くは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個)のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列に
1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜
5)個)のアミノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程
度、より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5個程
度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよ
い。本発明の部分ペプチドとしては、配列番号:1で表
されるアミノ酸配列において、例えば第24番目〜第2
30番目のアミノ酸配列を有するペプチドなどがあげら
れる。なかでも、好ましくは第100番目〜第120番
目、第210番目〜第230番目、第391番目〜第4
11番目のアミノ酸配列を有するペプチドなどがあげら
れる。
【0011】また、本発明で用いられる部分ペプチドは
C末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカル
ボキシレート(−COO-)であるが、前記した本発明
で用いられるタンパク質のごとく、C末端がアミド(−
CONH2)またはエステル(−COOR)であっても
よい。さらに、本発明で用いられる部分ペプチドには、
前記した本発明で用いられるタンパク質と同様に、C末
端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を
有しているもの、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニ
ン残基)のアミノ基が保護基で保護されているもの、N
端側が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピロ
グルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の
置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは
糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチド
なども含まれる。本発明で用いられる部分ペプチドは抗
体作成のための抗原としても用いることができる。たと
えば、後述する本発明の抗体を調製する目的には、配列
番号:1で表されるアミノ酸配列において配列番号:1
で表されるアミノ酸配列において、例えば第24番目〜
第230番目のアミノ酸配列を有するペプチドなどがあ
げられる。なかでも、好ましくは第100番目〜第12
0番目、第210番目〜第230番目、第391番目〜
第411番目のアミノ酸配列を有するペプチドなどがあ
げられる。
【0012】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などと
の塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明で用い
られるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩は、前述したヒトや温血動物の細胞または組織から公
知のタンパク質の精製方法によって製造することもでき
るし、タンパク質をコードするDNAを含有する形質転
換体を培養することによっても製造することができる。
また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもで
きる。ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場
合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズし
た後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマト
グラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロ
マトグラフィーを組み合わせることにより精製単離する
ことができる。
【0013】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩、またはそのアミド体の合成に
は、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることがで
きる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル
樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチ
ル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフ
ェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを
挙げることができる。このような樹脂を用い、α−アミ
ノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的と
するタンパク質の配列通りに、公知の各種縮合方法に従
い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパ
ク質または部分ペプチドを切り出すと同時に各種保護基
を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結
合形成反応を実施し、目的のタンパク質もしくは部分ペ
プチドまたはそれらのアミド体を取得する。上記した保
護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用で
きる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カ
ルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、D
CC、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、N−
エチル−N'−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボ
ジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラ
セミ化抑制添加剤(例えば、HOBt,HOOBt)と
ともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対
称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBt
エステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行な
った後に樹脂に添加することができる。
【0014】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応
を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基
の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することによって、後の反応に影響を与えないようにす
ることができる。
【0015】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソ
ボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カル
ボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もし
くは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化
(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエス
テル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベン
ジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシ
ルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒ
ドラジド化などによって保護することができる。セリン
の水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によ
って保護することができる。このエステル化に適する基
としては、例えば、アセチル基などの低級(C1-6)ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t−ブチル基などである。チロシンの
フェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bz
l、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、
t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾー
ルの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、
ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fm
ocなどが用いられる。
【0016】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタン
ジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなリ
ガンド作動性カチオン捕捉剤の添加が有効である。ま
た、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる
2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理によ
り除去され、トリプトファンのインドール保護基として
用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオー
ル、1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理に
よる脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモ
ニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
【0017】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質または部分ペプチドの
アミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化し
て保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖
を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端の
α−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部
分ペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除
去したタンパク質または部分ペプチドとを製造し、これ
らのタンパク質またはペプチドを上記したような混合溶
媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同
様である。縮合により得られた保護タンパク質またはペ
プチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質またはペプチドを得ること
ができる。この粗タンパク質またはペプチドは既知の各
種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥する
ことで所望のタンパク質またはペプチドのアミド体を得
ることができる。タンパク質またはペプチドのエステル
体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−
カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸
エステルとした後、タンパク質またはペプチドのアミド
体と同様にして、所望のタンパク質またはペプチドのエ
ステル体を得ることができる。
【0018】本発明で用いられる部分ペプチドまたはそ
れらの塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるい
は本発明で用いられるタンパク質を適当なペプチダーゼ
で切断することによって製造することができる。ペプチ
ドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法
のいずれによっても良い。すなわち、本発明で用いられ
る部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミ
ノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する
場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製
造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離と
しては、例えば、以下の(a)〜(e)に記載された方法
が挙げられる。 (a)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・
シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publi
shers, New York (1966年) (b)SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Pepti
de), Academic Press, New York (1965年) (c)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善
(株) (1975年) (d)矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、
タンパク質の化学IV、205、(1977年) (e)矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチ
ド合成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明で用いられる部分ペ
プチドを精製単離することができる。上記方法で得られ
る部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること
ができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変
換することができる。
【0019】本発明で用いられるタンパク質をコードす
るポリヌクレオチドとしては、前述した本発明で用いら
れるタンパク質をコードする塩基配列を含有するもので
あればいかなるものであってもよい。好ましくはDNA
である。DNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNA
ライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前
記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成D
NAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクタ
ーは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、フ
ァージミドなどいずれであってもよい。また、前記した
細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製
したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymera
se Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)
によって増幅することもできる。本発明で用いられるタ
ンパク質をコードするDNAとしては、例えば、配列番
号:2で表される塩基配列を含有するDNA、または配
列番号:2で表される塩基配列とハイストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明
で用いられるタンパク質と実質的に同質の性質を有する
タンパク質をコードするDNAであれば何れのものでも
よい。
【0020】配列番号:2で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNA
としては、例えば、配列番号:2で表される塩基配列と
約30%以上、好ましくは約50%以上、さらに好まし
くは約60%以上、より好ましくは約70%以上、特に
好ましくは約80%以上、最も好ましくは約90%以上
の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用い
られる。ハイブリダイゼーションは、公知の方法あるい
はそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,
Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法
などに従って行なうことができる。また、市販のライブ
ラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法
に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイス
トリンジェントな条件に従って行なうことができる。ハ
イストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃
度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mM
で、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃
の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温
度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的には、
配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質をコードするDNAとしては、配列番号:2で表さ
れる塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0021】本発明で用いられる部分ペプチドをコード
するDNAとしては、前述した本発明で用いられる部分
ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであれば
いかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲ
ノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のc
DNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリ
ー、合成DNAのいずれでもよい。本発明で用いられる
部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配
列番号:2で表される塩基配列を有するDNAの一部分
を有するDNA、または配列番号:2で表される塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を含有し、本発明のタンパク質と実質的に同
質の活性を有するタンパク質をコードするDNAの一部
分を含有するDNAなどが用いられる。配列番号:2で
表される塩基配列とハイブリダイズできるDNAは、前
記と同意義を示す。ハイブリダイゼーションの方法およ
びハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用
いられる。
【0022】本発明で用いられるタンパク質、部分ペプ
チド(以下、これらをコードするDNAのクローニング
および発現の説明においては、これらを単に本発明のタ
ンパク質と略記する場合がある)を完全にコードするD
NAのクローニングの手段としては、本発明のタンパク
質をコードする塩基配列の一部分を有する合成DNAプ
ライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または
適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパク
質の一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしく
は合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼ
ーションによって選別することができる。ハイブリダイ
ゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,
Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法
などに従って行なうことができる。また、市販のライブ
ラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法
に従って行なうことができる。DNAの塩基配列の変換
は、PCRや公知のキット、例えば、MutanTM-superExp
ress Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))
等を用いて、ODA-LAPCR法やGapped duplex法やKunkel法
等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行
なうことができる。クローン化されたタンパク質をコー
ドするDNAは目的によりそのまま、または所望により
制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用
することができる。該DNAはその5'末端側に翻訳開
始コドンとしてのATGを有し、また3'末端側には翻
訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有
していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コ
ドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加する
こともできる。本発明のタンパク質の発現ベクターは、
例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードするDNA
から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA
断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連
結することにより製造することができる。
【0023】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘ
ドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好まし
い。
【0024】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル
配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−ア
ミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列
などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配
列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞であ
る場合には、インシュリン・シグナル配列、α−インタ
ーフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列な
どがそれぞれ利用できる。このようにして構築された本
発明のタンパク質をコードするDNAを含有するベクタ
ーを用いて、形質転換体を製造することができる。
【0025】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕な
どが用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチ
ルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114
〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,A
H22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピキア パストリス(Pichia pastoris)KM71
などが用いられる。
【0026】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞などが用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換する
には、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69
巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,1
07(1982)などに記載の方法に従って行なうことが
できる。
【0027】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(197
8)などに記載の方法に従って行なうことができる。昆
虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ
/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))
などに記載の方法に従って行なうことができる。動物細
胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細
胞工学実験プロトコール.263−267(1995)
(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,
456(1973)に記載の方法に従って行なうことがで
きる。このようにして、タンパク質をコードするDNA
を含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体を
得ることができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス
属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される
培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質
転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が
含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源と
しては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーン
スチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大
豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無
機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0028】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞または昆
虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grac
e's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Natur
e),195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の
添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpH
は約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通
常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や
撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養
する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛
血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),12
2巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジ
ー(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・
メディカル・アソシエーション(The Journal of the A
merican Medical Association)199巻,519(19
67)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソ
サイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding ofthe Society for the Biological Medi
cine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃
〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気
や撹拌を加える。以上のようにして、形質転換体の細胞
内、細胞膜または細胞外に本発明のタンパク質を生成せ
しめることができる。
【0029】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変
性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含ま
れていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場
合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と
上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られ
た培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタンパク質の
精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行な
うことができる。これらの公知の分離、精製法として
は、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透
析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差
を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの
荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラ
フィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液
体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方
法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法
などが用いられる。
【0030】かくして得られるタンパク質が遊離体で得
られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法
によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場
合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊
離体または他の塩に変換することができる。なお、組換
え体が産生するタンパク質を、精製前または精製後に適
当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾
を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもで
きる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キ
モトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテ
インキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。かく
して生成する本発明のタンパク質の存在は、特異抗体を
用いたエンザイムイムノアッセイやウエスタンブロッテ
ィングなどにより測定することができる。
【0031】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明で用い
られるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩を
認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノク
ローナル抗体の何れであってもよい。本発明で用いられ
るタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以
下、抗体の説明においては、これらを単に本発明のタン
パク質と略記する場合がある)に対する抗体は、本発明
のタンパク質を抗原として用い、公知の抗体または抗血
清の製造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血
動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標
識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1
975)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが
用いられる。
【0032】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれ
に準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および
育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるもの
ならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜2
0%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRP
MI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドー
マ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0033】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0034】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(タン
パク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質と
の複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法
と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発
明のタンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の
分離精製を行なうことにより製造することができる。温
血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリア
ー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類お
よびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに
架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くで
きれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよ
いが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブ
リン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約
0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせ
る方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカ
プリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、
グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性
エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活
性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動
物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは
担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産
生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完
全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、
通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行な
われる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫され
た温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取
することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の
測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモ
ノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの
分離精製法に従って行なうことができる。
【0035】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドをコードするDNA(以下、アンチセンスヌク
レオチドの説明においては、これらのDNAを本発明の
DNAと略記する場合がある)の塩基配列に相補的な、
または実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有す
るアンチセンスヌクレオチドとしては、本発明のDNA
の塩基配列に相補的な、または実質的に相補的な塩基配
列またはその一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る
作用を有するものであれば、いずれのアンチセンスヌク
レオチドであってもよいが、アンチセンスDNAが好ま
しい。本発明のDNAに実質的に相補的な塩基配列と
は、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列(すな
わち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あるいは
部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以
上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約9
5%以上の相同性を有する塩基配列などが挙げられる。
特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、本発
明のタンパク質のN末端部位をコードする部分の塩基配
列(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖
と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好まし
くは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同
性を有するアンチセンスヌクレオチドが好適である。具
体的には、配列番号:2で表わされる塩基配列を有する
DNAの塩基配列に相補的な、もしくは実質的に相補的
な塩基配列、またはその一部分を有するアンチセンスヌ
クレオチド、好ましくは例えば、配列番号:2で表わさ
れる塩基配列を有するDNAの塩基配列に相補な塩基配
列、またはその一部分を有するアンチセンスヌクレオチ
ドなどが挙げられる。アンチセンスヌクレオチドは通
常、10〜40個程度、好ましくは15〜30個程度の
塩基から構成される。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素
による分解を防ぐために、アンチセンスDNAを構成す
る各ヌクレオチドのりん酸残基(ホスフェート)は、例
えば、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホス
ホロジチオネートなどの化学修飾りん酸残基に置換され
ていてもよい。これらのアンチセンスヌクレオチドは、
公知のDNA合成装置などを用いて製造することができ
る。本発明に従えば、本発明のタンパク質遺伝子の複製
または発現を阻害することのできるアンチセンス・ポリ
ヌクレオチド(核酸)を、クローン化した、あるいは決
定されたタンパク質をコードするDNAの塩基配列情報
に基づき設計し、合成しうる。かかるポリヌクレオチド
(核酸)は、本発明のタンパク質遺伝子のRNAとハイ
ブリダイズすることができ、該RNAの合成または機能
を阻害することができるか、あるいは本発明のタンパク
質関連RNAとの相互作用を介して本発明のタンパク質
遺伝子の発現を調節・制御することができる。本発明の
タンパク質関連RNAの選択された配列に相補的なポリ
ヌクレオチド、および本発明のタンパク質関連RNAと
特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオ
チドは、生体内および生体外で本発明のタンパク質遺伝
子の発現を調節・制御するのに有用であり、また病気な
どの治療または診断に有用である。用語「対応する」と
は、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列または核酸
の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であるこ
とを意味する。ヌクレオチド、塩基配列または核酸とペ
プチド(タンパク質)との間で「対応する」とは、ヌク
レオチド(核酸)の配列またはその相補体から誘導され
る指令にあるペプチド(タンパク質)のアミノ酸を通常
指している。タンパク質遺伝子の5'端ヘアピンルー
プ、5’端6−ベースペア・リピート、5’端非翻訳領
域、ポリペプチド翻訳開始コドン、タンパク質コード領
域、ORF翻訳終止コドン、3’端非翻訳領域、3’端
パリンドローム領域、および3’端ヘアピンループは好
ましい対象領域として選択しうるが、タンパク質遺伝子
内の如何なる領域も対象として選択しうる。目的核酸
と、対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオ
チドとの関係は、対象物とハイブリダイズすることがで
きるポリヌクレオチドとの関係は、「アンチセンス」で
あるということができる。アンチセンス・ポリヌクレオ
チドは、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポ
リヌクレオチド、D−リボースを含有しているポリヌク
レオチド、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシ
ドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは
非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例え
ば、市販のタンパク質核酸および合成配列特異的な核酸
ポリマー)または特殊な結合を含有するその他のポリマ
ー(但し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出される
ような塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置を
もつヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それ
らは、二本鎖DNA、一本鎖DNA、二本鎖RNA、一
本鎖RNA、さらにDNA:RNAハイブリッドである
ことができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非
修飾オリゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加
されたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるも
の、キャップの付いたもの、メチル化されたもの、1個
以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分
子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合
(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、
ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、
電荷を有する結合または硫黄含有結合(例えば、ホスホ
ロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持つも
の、例えばタンパク質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・
インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポ
リ−L−リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライド
など)などの側鎖基を有しているもの、インターカレー
ト化合物(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を持つ
もの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ
金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、ア
ルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの
(例えば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。
ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」および「核
酸」とは、プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみ
でなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつような
ものを含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化さ
れたプリンおよびピリミジン、アシル化されたプリンお
よびピリミジン、あるいはその他の複素環を含むもので
あってよい。修飾されたヌクレオチドおよび修飾された
ヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例え
ば、1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで
置換されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官
能基に変換されていてよい。
【0036】本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド
(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸
(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例と
しては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そ
してポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミ
ドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定さ
れるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のよ
うな方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内で
のアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセ
ンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス
鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし
毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなも
のにする。こうした修飾は当該分野で数多く知られてお
り、例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vo
l. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Cr
ooke et al. ed., Antisense Research and Applicatio
ns, CRC Press, 1993 などに開示がある。本発明のアン
チセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、
塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロス
フェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療
により適用されたり、付加された形態で与えられること
ができうる。こうして付加形態で用いられるものとして
は、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジ
ンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高め
たり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例え
ば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎水
性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質として
は、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリ
ルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こ
うしたものは、核酸の3'端あるいは5'端に付着させる
ことができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介し
て付着させることができうる。その他の基としては、核
酸の3'端あるいは5'端に特異的に配置されたキャップ
用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌク
レアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられ
る。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレング
リコール、テトラエチレングリコールなどのグリコール
をはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙
げられるが、それに限定されるものではない。アンチセ
ンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の
生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発明のタン
パク質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることが
できる。該核酸は公知の各種の方法で細胞に適用でき
る。
【0037】以下に、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略
記する場合がある)、本発明のタンパク質または部分ペ
プチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略
記する場合がある)、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩に対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)、および本発明のDNAのア
ンチセンスヌクレオチド(以下、本発明のアンチセンス
ヌクレオチドと略記する場合がある)の用途を説明す
る。本発明のタンパク質の活性を阻害する化合物もしく
はその塩を含有する医薬は、例えば、神経伝達物質作動
性チャネル活性を抑制することで、例えば、中枢神経疾
患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神
分裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物依存症など)、
消化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸
症候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循
環器疾患(例、心不全、不整脈、QT延長症候群な
ど)、炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患など)、自己
免疫疾患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性硬化
症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿病、慢
性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、アレ
ルギー疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻
炎、アナフィラキシーショック、アトピー性皮膚炎な
ど)、胸腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症など)、
免疫不全(例、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常
にともなう免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎
臓癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃
癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌など)
などの予防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制剤、抗
癌剤治療による副作用の抑制剤などとして使用すること
ができる。一方、本発明のタンパク質の活性を促進する
化合物もしくはその塩を含有する医薬は、例えば、神経
伝達物質作動性チャネル活性を促進することで、例え
ば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソ
ン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物
依存症など)、消化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クロー
ン病、過敏性腸症候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝
硬変など)、循環器疾患(例、心不全、不整脈、QT延
長症候群など)、炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患な
ど)、自己免疫疾患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、
多発性硬化症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性
糖尿病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスな
ど)、アレルギー疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレ
ルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、アトピー性
皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症
など)、免疫不全(例、白血球異常、脾機能不全または
胸腺異常にともなう免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、
肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)などの予防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制
剤、抗癌剤治療による副作用の抑制剤などとして使用す
ることができる。
【0038】〔1〕本発明のタンパク質が関与する各種
疾病の治療・予防剤 本発明のタンパク質は、神経伝達物質作動性チャネル活
性を有し、神経伝達物質によるシグナル伝達に重要な役
割を果たしている。したがって、本発明のタンパク質を
コードするDNAに異常があったり、欠損している場合
あるいは本発明のタンパク質の発現量が減少している場
合には、例えば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー
病、パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭
痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾患(例、潰
瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など)、肝臓
疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患(例、心不
全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性疾患(例、
慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患(例、重症筋無
力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェーグレン症候
群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リウマチ、全身
性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾患(例、気管
支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー
ショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾
患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全(例、白血球異
常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な
ど)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの種々の疾患が発症
する。したがって、本発明のタンパク質および本発明の
DNAは、例えば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー
病、パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭
痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾患(例、潰
瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など)、肝臓
疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患(例、心不
全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性疾患(例、
慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患(例、重症筋無
力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェーグレン症候
群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リウマチ、全身
性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾患(例、気管
支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー
ショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾
患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全(例、白血球異
常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な
ど)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予防・治療剤、臓
器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療による副作用の
抑制剤などの医薬として使用することができる。例え
ば、生体内において本発明のタンパク質が減少あるいは
欠損しているために、神経伝達物質作動性チャネル活性
が十分に、あるいは正常に発揮されない患者がいる場合
に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与し、生体内で
本発明のタンパク質を発現させることによって、(ロ)
細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明のタンパク質を
発現させた後に、該細胞を患者に移植することによっ
て、または(ハ)本発明のタンパク質を該患者に投与す
ることなどによって、該患者における本発明のタンパク
質の役割を十分に、あるいは正常に発揮させることがで
きる。本発明のDNAを上記の治療・予防剤として使用
する場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベ
クター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソ
シエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに
挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは温血動物に
投与することができる。本発明のDNAは、そのまま
で、あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に
認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロ
ゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与でき
る。本発明のタンパク質を上記の治療・予防剤として使
用する場合は、少なくとも90%、好ましくは95%以
上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99
%以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
【0039】本発明のタンパク質等は、例えば、必要に
応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、
マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶
液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用
できる。例えば、本発明のタンパク質等を生理学的に認
められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安
定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に
要求される単位用量形態で混和することによって製造す
ることができる。これら製剤における有効成分量は指示
された範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加
剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラ
ガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロー
スのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギ
ン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムの
ような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような
甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのよ
うな香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセル
である場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のよう
な液状担体を含有することができる。注射のための無菌
組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻
油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解また
は懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ
とができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食
塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例え
ば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリ
ウムなど)などが挙げられ、適当な溶解補助剤、例え
ば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアル
コール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポ
リソルベート80TM、HCO−50など)などと併用し
てもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油な
どが挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベ
ンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤
(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液な
ど)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は、通常、適当
なアンプルに充填される。本発明のDNAが挿入された
ベクターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口的に
使用される。
【0040】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、温血動物(例えば、ヒト、ラ
ット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。本発明のタンパク
質等の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、自己免疫疾患の治療目的
で本発明のタンパク質等を経口投与する場合、一般的に
成人(60kgとして)においては、一日につき該タン
パク質等を約0.1mg〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
投与する。非経口的に投与する場合は、該タンパク質等
の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異な
るが、例えば、自己免疫疾患の治療目的で本発明のタン
パク質等を注射剤の形で成人(体重60kgとして)に
投与する場合、一日につき該タンパク質等を約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を患部に注射す
ることにより投与するのが好都合である。他の動物の場
合も、60kg当たりに換算した量を投与することがで
きる。
【0041】〔2〕疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質の活性を促
進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
のための試薬として有用である。本発明は、1)本発明
のタンパク質を用いることを特徴とする本発明のタンパ
ク質の活性(例えば、神経伝達物質作動性チャネル活性
など)を促進または阻害する化合物またはその塩(以
下、それぞれ促進剤、阻害剤と略記する場合がある)の
スクリーニング方法を提供する。より具体的には、例え
ば、(2)(i)本発明のタンパク質を産生する能力を
有する細胞の神経伝達物質作動性チャネル活性と(ii)
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞と試験
化合物の混合物の神経伝達物質作動性チャネル活性の比
較を行なうことを特徴とする促進剤または阻害剤のスク
リーニング方法を提供する。具体的には、上記スクリー
ニング方法においては、例えば、(i)と(ii)の場合
において、神経伝達物質作動性チャネル活性をパッチ・
クランプ法で測定し、神経伝達物質作動性チャネル活性
の指標として比較することを特徴とするものである。
【0042】試験化合物としては、例えば、ペプチド、
タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙
げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。上記のスクリーニン
グ方法を実施するには、本発明のタンパク質を産生する
能力を有する細胞をスクリーニングに適したバッファー
に浮遊して調製する。バッファーには、pH約4〜10
(望ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファー、ほ
う酸バッファーなどの、本発明のタンパク質の神経伝達
物質作動性チャネル活性を阻害しないバッファーであれ
ばいずれでもよい。本発明のタンパク質を産生する能力
を有する細胞としては、例えば、前述した本発明のタン
パク質をコードするDNAを含有するベクターで形質転
換された宿主(形質転換体)が用いられる。宿主として
は、例えば、CHO細胞などの動物細胞が好ましく用い
られる。該スクリーニングには、例えば、前述の方法で
培養することによって、本発明のタンパク質を細胞膜上
に発現させた形質転換体が好ましく用いられる。
【0043】本発明のタンパク質の神経伝達物質作動性
チャネル活性は、公知の方法、例えば、J. Biol. Chem.
275巻, 5620-5625頁, 2000年に記載の方法あるいはそ
れに準じる方法に従って測定することができる。例え
ば、上記(ii)の場合における神経伝達物質作動性チャ
ネル活性を、上記(i)の場合に比べて、約20%以
上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以
上促進する試験化合物を本発明のタンパク質の活性を促
進する化合物またはその塩として選択することができ
る。また、例えば、上記(ii)の場合における神経伝達
物質作動性チャネル活性を、上記(i)の場合に比べ
て、約20%以上、好ましくは30%以上、より好まし
くは約50%以上阻害(または抑制)する試験化合物を
本発明のタンパク質の活性を阻害する化合物またはその
塩として選択することができる。また、本発明のタンパ
ク質遺伝子のプロモーター下流に分泌型アルカリホスフ
ァターゼ、ルシフェラーゼなどの遺伝子を挿入し、上記
の各種細胞に発現させ、該細胞に上記試験化合物を接触
させた場合における酵素活性を賦活化または阻害する化
合物またはその塩を探索することによって本発明のタン
パク質の発現を促進または抑制(すなわち、本発明のタ
ンパク質の活性を促進または阻害)する化合物またはそ
の塩をスクリーニングすることができる。
【0044】本発明のタンパク質をコードするポリヌク
レオチドは、本発明のタンパク質遺伝子の発現を促進ま
たは阻害する化合物またはその塩のスクリーニングのた
めの試薬として有用である。本発明は、(3)本発明の
タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いること
を特徴とする本発明のタンパク質遺伝子の発現を促進ま
たは阻害する化合物またはその塩(以下、それぞれ促進
剤、阻害剤と略記する場合がある)のスクリーニング方
法を提供し、より具体的には、例えば、(4)(iii)
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞を培養
した場合と(iv)本発明のタンパク質を産生する能力を
有する細胞と試験化合物の混合物を培養した場合との比
較を行うことを特徴とする促進剤または阻害剤のスクリ
ーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法にお
いては、例えば、(iii)と(iv)の場合における、本
発明のタンパク質遺伝子の発現量(具体的には、本発明
のタンパク質量または前記タンパク質をコードするmR
NA量)を測定して、比較する。試験化合物としては、
例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、
合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動
物組織抽出液などが挙げられ、これら化合物は新規な化
合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
上記のスクリーニング方法を実施するには、本発明のタ
ンパク質を産生する能力を有する細胞をスクリーニング
に適したバッファーに浮遊して調製する。バッファーに
は、pH約4〜10(望ましくは、pH約6〜8)のリ
ン酸バッファー、ほう酸バッファーなどの、本発明のタ
ンパク質の神経伝達物質作動性チャネル活性を阻害しな
いバッファーであればいずれでもよい。本発明のタンパ
ク質を産生する能力を有する細胞としては、例えば、前
述した本発明のタンパク質をコードするDNAを含有す
るベクターで形質転換された宿主(形質転換体)が用い
られる。宿主としては、例えば、CHO細胞などの動物
細胞が好ましく用いられる。該スクリーニングには、例
えば、前述の方法で培養することによって、本発明のタ
ンパク質を細胞膜上に発現させた形質転換体が好ましく
用いられる。本発明のタンパク質量の測定は、公知の方
法、例えば、本発明のタンパク質を認識する抗体を用い
て、細胞抽出液中などに存在する前記タンパク質を、ウ
ェスタン解析、ELISA法などの方法またはそれに準
じる方法に従い測定することができる。本発明のタンパ
ク質遺伝子の発現量は、公知の方法、例えば、ノーザン
ブロッティングやReverse transcription-polymerase c
hain reaction(RT−PCR)、リアルタイムPCR
解析システム(ABI社製、TaqMan polymerase chainr
eaction)などの方法あるいはそれに準じる方法にした
がって測定することができる。例えば、上記(iv)の場
合における本発明のタンパク質遺伝子の発現量を、上記
(iii)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは3
0%以上、より好ましくは約50%以上促進する試験化
合物を本発明のタンパク質遺伝子の発現を促進する化合
物またはその塩として選択することができる。例えば、
上記(iv)の場合における本発明のタンパク質遺伝子の
発現量を、上記(iii)の場合に比べて、約20%以
上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以
上阻害する試験化合物を本発明のタンパク質遺伝子の発
現を阻害する化合物またはその塩として選択することが
できる。さらに、本発明の抗体は、本発明のタンパク質
の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスク
リーニングのための試薬として有用である。
【0045】本発明は、(5)本発明の抗体を用いるこ
とを特徴とする本発明のタンパク質の発現を促進または
阻害する化合物またはその塩(以下、それぞれ促進剤、
阻害剤と略記する場合がある)のスクリーニング方法を
提供し、より具体的には、例えば、(6)(v)本発明
のタンパク質を産生する能力を有する細胞を培養した場
合と(vi)本発明のタンパク質を産生する能力を有する
細胞と試験化合物の混合物を培養した場合との比較を行
うことを特徴とする促進剤または阻害剤のスクリーニン
グ方法を提供する。上記スクリーニング方法において
は、例えば、(v)と(vi)の場合における、本発明の
タンパク質の発現量(具体的には、本発明のタンパク質
量)を抗体を用いて測定(例、本発明のタンパク質の発
現を検出、本発明のタンパク質の発現量を定量等)し
て、比較する。試験化合物としては、例えば、ペプチ
ド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発
酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液な
どが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であっても
よいし、公知の化合物であってもよい。上記のスクリー
ニング方法を実施するには、本発明のタンパク質を産生
する能力を有する細胞をスクリーニングに適したバッフ
ァーに浮遊して調製する。バッファーには、pH約4〜
10(望ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファ
ー、ほう酸バッファーなどの、本発明のタンパク質の神
経伝達物質作動性チャネル活性を阻害しないバッファー
であればいずれでもよい。本発明のタンパク質を産生す
る能力を有する細胞としては、例えば、前述した本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターで
形質転換された宿主(形質転換体)が用いられる。宿主
としては、例えば、CHO細胞などの動物細胞が好まし
く用いられる。該スクリーニングには、例えば、前述の
方法で培養することによって、本発明のタンパク質を細
胞膜上に発現させた形質転換体が好ましく用いられる。
本発明のタンパク質量の測定は、公知の方法、例えば、
本発明のタンパク質を認識する抗体を用いて、細胞抽出
液中などに存在する前記タンパク質を、ウェスタン解
析、ELISA法などの方法またはそれに準じる方法に
従い測定することができる。例えば、上記(vi)の場合
における本発明のタンパク質の発現量を、上記(v)の
場合に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、
より好ましくは約50%以上促進する試験化合物を本発
明のタンパク質の発現を促進する化合物またはその塩と
して選択することができる。例えば、上記(vi)の場合
における本発明のタンパク質の発現量を、上記(v)の
場合に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、
より好ましくは約50%以上阻害する試験化合物を本発
明のタンパク質の発現を阻害する化合物またはその塩と
して選択することができる。
【0046】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたは
その塩、または本発明で用いられるタンパク質もしくは
部分ペプチドを産生する能力を有する細胞を含有するも
のである。本発明のスクリーニング方法またはスクリー
ニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物またはその塩であり、本発明のタンパク
質の活性(例、神経伝達物質作動性チャネル活性など)
を促進または阻害する化合物またはその塩である。該化
合物の塩としては、前記した本発明のタンパク質の塩と
同様のものが用いられる。本発明のタンパク質の活性を
促進する化合物またはその塩は、例えば、中枢神経疾患
(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分
裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物依存症など)、消
化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症
候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環
器疾患(例、心不全、不整脈、QT延長症候群など)、
炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾
患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シ
ェーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節
リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、アレルギー
疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、ア
ナフィラキシーショック、アトピー性皮膚炎など)、胸
腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全
(例、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともな
う免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝
臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱
癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予
防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療
による副作用の抑制剤などの医薬として有用である。ま
た、本発明のタンパク質の活性を阻害する化合物または
その塩は、例えば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー
病、パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭
痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾患(例、潰
瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など)、肝臓
疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患(例、心不
全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性疾患(例、
慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患(例、重症筋無
力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェーグレン症候
群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リウマチ、全身
性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾患(例、気管
支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー
ショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾
患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全(例、白血球異
常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な
ど)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予防・治療剤、臓
器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療による副作用の
抑制剤などの医薬として有用である。本発明のタンパク
質遺伝子の発現を促進する化合物またはその塩は、例え
ば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソ
ン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物
依存症など)、消化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クロー
ン病、過敏性腸症候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝
硬変など)、循環器疾患(例、心不全、不整脈、QT延
長症候群など)、炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患な
ど)、自己免疫疾患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、
多発性硬化症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性
糖尿病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスな
ど)、アレルギー疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレ
ルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、アトピー性
皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症
など)、免疫不全(例、白血球異常、脾機能不全または
胸腺異常にともなう免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、
肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)などの予防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制
剤、抗癌剤治療による副作用の抑制剤などの医薬として
有用である。また、本発明のタンパク質遺伝子の発現を
阻害する化合物またはその塩は、例えば、中枢神経疾患
(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分
裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物依存症など)、消
化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症
候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環
器疾患(例、心不全、不整脈、QT延長症候群など)、
炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾
患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シ
ェーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節
リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、アレルギー
疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、ア
ナフィラキシーショック、アトピー性皮膚炎など)、胸
腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全
(例、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともな
う免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝
臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱
癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予
防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療
による副作用の抑制剤などの医薬として有用である。本
発明のタンパク質の発現を促進する化合物またはその塩
は、例えば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パ
ーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭痛、うつ
病、薬物依存症など)、消化器疾患(例、潰瘍、大腸
炎、クローン病、過敏性腸症候群など)、肝臓疾患
(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患(例、心不全、
不整脈、QT延長症候群など)、炎症性疾患(例、慢性
閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患(例、重症筋無力
症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェーグレン症候群、
インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リウマチ、全身性エ
リテマトーデスなど)、アレルギー疾患(例、気管支喘
息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーショ
ック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾患
(例、脾機能亢進症など)、免疫不全(例、白血球異
常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な
ど)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予防・治療剤、臓
器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療による副作用の
抑制剤などの医薬として有用である。また、本発明のタ
ンパク質の発現を阻害する化合物またはその塩は、例え
ば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソ
ン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物
依存症など)、消化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クロー
ン病、過敏性腸症候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝
硬変など)、循環器疾患(例、心不全、不整脈、QT延
長症候群など)、炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患な
ど)、自己免疫疾患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、
多発性硬化症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性
糖尿病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスな
ど)、アレルギー疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレ
ルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、アトピー性
皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症
など)、免疫不全(例、白血球異常、脾機能不全または
胸腺異常にともなう免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、
肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)などの予防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制
剤、抗癌剤治療による副作用の抑制剤などの医薬として
有用である。
【0047】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に
従って製剤化することができる。例えば、錠剤、カプセ
ル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶
液、懸濁液剤などとすることができる。このようにして
得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒト
または温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チ
ンパンジーなど)に対して経口的にまたは非経口的に投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどに
より差異はあるが、例えば、自己免疫疾患治療の目的で
本発明のタンパク質の活性を促進する化合物またはその
塩を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgと
して)においては、一日につき該化合物またはその塩を
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経
口的に投与する場合は、該化合物またはその塩の1回投
与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例
えば、自己免疫疾患治療の目的で本発明のタンパク質の
活性を促進する化合物またはその塩を注射剤の形で通常
成人(体重60kgとして)に投与する場合、一日につ
き該化合物またはその塩を約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0048】〔3〕本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはその塩の定量 本発明の抗体は、本発明のタンパク質を特異的に認識す
ることができるので、被検液中の本発明のタンパク質の
定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使
用することができる。すなわち、本発明は、(i)本発
明の抗体と、被検液および標識化された本発明のタンパ
ク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化さ
れた本発明のタンパク質の割合を測定することを特徴と
する被検液中の本発明のタンパク質の定量法、および
(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および
標識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的
に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定
することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の
定量法を提供する。上記(ii)の定量法においては、一
方の抗体が本発明のタンパク質のN端部を認識する抗体
で、他方の抗体が本発明のタンパク質のC端部に反応す
る抗体であることが望ましい。
【0049】また、本発明のタンパク質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともで
きる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いても
よく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるい
はFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本
発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきもの
ではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素とし
ては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活
性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダ
ーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用い
られる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。
【0050】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の結合す
る部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわ
ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例え
ば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗
体が用いられる。
【0051】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈
降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用する
レーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0052】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質を感度良く定量す
ることができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発
明のタンパク質の濃度を定量することによって、本発明
のタンパク質の濃度の減少が検出された場合、例えば、
中枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症
候群、精神分裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物依存
症など)、消化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クローン
病、過敏性腸症候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬
変など)、循環器疾患(例、心不全、不整脈、QT延長
症候群など)、炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患な
ど)、自己免疫疾患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、
多発性硬化症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性
糖尿病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスな
ど)、アレルギー疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレ
ルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、アトピー性
皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症
など)、免疫不全(例、白血球異常、脾機能不全または
胸腺異常にともなう免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、
肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)など、臓器移植後の拒絶反応、抗癌剤治療による
副作用などが発症している可能性が高いと診断すること
ができる。反対に、例えば、本発明のタンパク質の濃度
の上昇が検出された場合、例えば、中枢神経疾患(例、
アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分裂病、
記憶障害、頭痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾
患(例、潰瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群な
ど)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患
(例、心不全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性
疾患(例、慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患
(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェ
ーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リ
ウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾
患(例、気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナ
フィラキシーショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺
疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全
(例、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともな
う免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝
臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱
癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などであ
る、または、臓器移植後の拒絶反応、抗癌剤治療による
副作用などが発症している可能性が高いと診断すること
が出来る。また、本発明の抗体は、体液や組織などの被
検体中に存在する本発明のタンパク質を検出するために
使用することができる。また、本発明のタンパク質を精
製するために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分
画中の本発明のタンパク質の検出、被検細胞内における
本発明のタンパク質の挙動の分析などのために使用する
ことができる。
【0053】〔4〕遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードす
るDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出す
ることができるので、例えば、該DNAまたはmRNA
の損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたは
mRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤と
して有用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子
診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),
第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of t
heNational Academy of Sciences of the United State
s of America),第86巻,2766〜2770頁(1
989年))などにより実施することができる。例え
ば、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現増加が
検出された場合、例えば中枢神経疾患(例、アルツハイ
マー病、パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障害、
頭痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾患(例、潰
瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など)、肝臓
疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患(例、心不
全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性疾患(例、
慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患(例、重症筋無
力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェーグレン症候
群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リウマチ、全身
性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾患(例、気管
支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー
ショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾
患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全(例、白血球異
常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な
ど)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などである、または、臓
器移植後の拒絶反応、抗癌剤治療による副作用などが発
症している可能性が高いと診断することが出来る。反対
に、発現低下が検出された場合やPCR−SSCP法に
よりDNAの突然変異が検出された場合は、例えば、中
枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候
群、精神分裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物依存症
など)、消化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クローン病、
過敏性腸症候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬変な
ど)、循環器疾患(例、心不全、不整脈、QT延長症候
群など)、炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患など)、
自己免疫疾患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性
硬化症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿
病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスな
ど)、アレルギー疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレ
ルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、アトピー性
皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症
など)、免疫不全(例、白血球異常、脾機能不全または
胸腺異常にともなう免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、
肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)などである、または臓器移植後の拒絶反応、抗癌
剤治療による副作用などが発症している可能性が高いと
診断することができる。
【0054】〔5〕アンチセンスヌクレオチドを含有す
る医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができる本発明のアンチセンスヌクレオチド
は低毒性であり、生体内における本発明のタンパク質ま
たは本発明のDNAの機能(例、神経伝達物質作動性チ
ャネル活性)を抑制することができるので、例えば、中
枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候
群、精神分裂病、記憶障害、頭痛、うつ病、薬物依存症
など)、消化器疾患(例、潰瘍、大腸炎、クローン病、
過敏性腸症候群など)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬変な
ど)、循環器疾患(例、心不全、不整脈、QT延長症候
群など)、炎症性疾患(例、慢性閉塞性肺疾患など)、
自己免疫疾患(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性
硬化症、シェーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿
病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスな
ど)、アレルギー疾患(例、気管支喘息、花粉症、アレ
ルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、アトピー性
皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症
など)、免疫不全(例、白血球異常、脾機能不全または
胸腺異常にともなう免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、
肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)などの予防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制
剤、抗癌剤治療による副作用の抑制剤などとして使用す
ることができる。上記アンチセンスヌクレオチドを上記
の治療・予防剤として使用する場合、公知の方法に従っ
て製剤化し、投与することができる。例えば、該アンチ
センスヌクレオチドを用いる場合、該アンチセンスヌク
レオチドを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデ
ノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッド
ウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、
常套手段に従って、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、
ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)
に対して経口的または非経口的に投与することができ
る。該アンチセンスヌクレオチドは、そのままで、ある
いは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められ
る担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテ
ーテルのようなカテーテルによって投与できる。該アン
チセンスヌクレオチドの投与量は、対象疾患、投与対
象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、自己
免疫疾患の治療の目的で本発明のアンチセンスヌクレオ
チドを関節に局所投与する場合、一般的に成人(体重6
0kg)においては、一日につき該アンチセンスヌクレ
オチドを約0.1〜100mg投与する。さらに、該ア
ンチセンスヌクレオチドは、組織や細胞における本発明
のDNAの存在やその発現状況を調べるための診断用オ
リゴヌクレオチドプローブとして使用することもでき
る。
【0055】さらに、本発明は、 本発明のタンパク質をコードするRNAの一部とそれ
に相補的なRNAを含有する二重鎖RNA、 前記二重鎖RNAを含有してなる医薬、 本発明のタンパク質をコードするRNAの一部を含有
するリボザイム、 前記リボザイムを含有してなる医薬、 前記リボザイムをコードする遺伝子(DNA)を含有
する発現ベクターなども提供する。 上記アンチセンスポリヌクレオチドと同様に、二重鎖R
NA、リボザイムなども、本発明のDNAから転写され
るRNAを破壊またはその機能を抑制することができ、
生体内における本発明で用いられるタンパク質または本
発明で用いられるDNAの機能を抑制することができる
ので、例えば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー病、
パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭痛、う
つ病、薬物依存症など)、消化器疾患(例、潰瘍、大腸
炎、クローン病、過敏性腸症候群など)、肝臓疾患
(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患(例、心不全、
不整脈、QT延長症候群など)、炎症性疾患(例、慢性
閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患(例、重症筋無力
症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェーグレン症候群、
インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リウマチ、全身性エ
リテマトーデスなど)、アレルギー疾患(例、気管支喘
息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーショ
ック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾患
(例、脾機能亢進症など)、免疫不全(例、白血球異
常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な
ど)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予防・治療剤、臓
器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療による副作用の
抑制剤などとして使用することができる。二重鎖RNA
は、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)
に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計
して製造することができる。リボザイムは、公知の方法
(例、TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 20
01年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基
に設計して製造することができる。例えば、公知のリボ
ザイムの配列の一部を本発明のタンパク質をコードする
RNAの一部に置換することによって製造することがで
きる。本発明のタンパク質をコードするRNAの一部と
しては、公知のリボザイムによって切断され得るコンセ
ンサス配列NUX(式中、Nはすべての塩基を、XはG
以外の塩基を示す)の近傍の配列などが挙げられる。上
記の二重鎖RNAまたはリボザイムを上記予防・治療剤
として使用する場合、アンチセンスポリヌクレオチドと
同様にして製剤化し、投与することができる。また、前
記の発現ベクターは、公知の遺伝子治療法などと同様
に用い、上記予防・治療剤として使用する。
【0056】〔6〕本発明のDNAを有する動物の作出 本発明は、外来性の本発明のタンパク質をコードするD
NA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)または
その変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する
場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。すな
わち、本発明は、(1)本発明の外来性DNAまたはそ
の変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、(2)非ヒト哺
乳動物がゲッ歯動物である上記(1)記載の動物、 (3)ゲッ歯動物がマウスまたはラットである上記
(2)記載の動物、および(4)本発明の外来性DNA
またはその変異DNAを含有し、哺乳動物において発現
しうる組換えベクターなどを提供する。本発明の外来性
DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物
(以下、本発明のDNA導入動物と略記する)は、未受
精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞
などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生にお
ける胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受
精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸
カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝
集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン
法、DEAE−デキストラン法などにより目的とするD
NAを導入することによって作出することができる。ま
た、該DNA導入方法により、体細胞、生体の臓器、組
織細胞などに目的とする本発明の外来性DNAを導入
し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さ
らに、これら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融合法
により融合させることにより本発明のDNA導入動物を
作出することもできる。非ヒト哺乳動物としては、例え
ば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いら
れる。なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体
発生および生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容
易なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系とし
て、C57BL/6系統,DBA2系統など、交雑系と
して、B6C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1
統,BALB/c系統,ICR系統など)またはラット
(例えば、Wistar,SDなど)などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける
「哺乳動物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒ
トなどがあげられる。
【0057】本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動
物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん
哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩
基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、
具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換など
が生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含
まれる。該異常DNAとしては、異常な本発明のタンパ
ク質を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発
明のタンパク質の機能を抑制するタンパク質を発現させ
るDNAなどが用いられる。本発明の外来性DNAは、
対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物
由来のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物
に導入するにあたっては、該DNAを動物細胞で発現さ
せうるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラ
クトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発
明のヒトDNAを導入する場合、これと相同性が高い本
発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、
イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス
など)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの
下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンスト
ラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、
例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションする
ことによって本発明のDNAを高発現するDNA導入哺
乳動物を作出することができる。
【0058】本発明のタンパク質の発現ベクターとして
は、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、
ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイル
ス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイ
ルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモ
ーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の
プロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、
ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、
エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸
性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、
血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK
14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAM
P依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロ
フィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房
ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナー
ゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウム
アデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPas
e)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインI
およびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビタ
ー、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レ
ニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダ
ーゼ(TPO)、ポリペプチド鎖延長因子1α(EF−
1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシ
ン軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロ
ブリン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(V
NP)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビ
ン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケ
ファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用
いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサ
イトメガロウイルスプロモーター、ヒトポリペプチド鎖
延長因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよ
びニワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、DNA導入哺乳動物において目的とす
るmRNAの転写を終結する配列(一般にターミネター
と呼ばれる)を有していることが好ましく、例えば、ウ
イルス由来および各種哺乳動物由来の各DNAの配列を
用いることができ、好ましくは、シミアンウイルスのS
V40ターミネターなどが用いられる。
【0059】その他、目的とする外来性DNAをさらに
高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナ
ル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部
などをプロモーター領域の5’上流、プロモーター領域
と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流 に連結する
ことも目的により可能である。正常な本発明のタンパク
質の翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウ
サギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、
マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細
胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリ
ーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または
肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公
知の方法により調製された相補DNAを原料として取得
することが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記
の細胞または組織より得られた正常なポリペプチドの翻
訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作
製することができる。該翻訳領域は導入動物において発
現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモー
ターの下流および所望により転写終結部位の上流に連結
させる通常のDNA工学的手法により作製することがで
きる。受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの
導入は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべて
に存在するように確保される。DNA導入後の作出動物
の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在する
ことは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および
体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持すること
を意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種
の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本
発明の外来性DNAを有する。本発明の外来性正常DN
Aを導入した非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DN
Aを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物
として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。受
精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの導入は、
対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存
在するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚
芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在する
ことは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細
胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを
意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の
動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明
の外来性DNAを過剰に有する。導入DNAを相同染色
体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄
の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを
過剰に有するように繁殖継代することができる。
【0060】本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に
本発明のタンパク質の機能亢進症を発症することがあ
り、その病態モデル動物として利用することができる。
例えば、本発明の正常DNA導入動物を用いて、本発明
のタンパク質の機能亢進症や、本発明のタンパク質が関
連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療
方法の検討を行なうことが可能である。また、本発明の
外来性正常DNAを導入した哺乳動物は、遊離した本発
明のタンパク質の増加症状を有することから、本発明の
タンパク質に関連する疾患に対する治療薬のスクリーニ
ング試験にも利用可能である。一方、本発明の外来性異
常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配により外来性
DNAを安定に保持することを確認して該DNA保有動
物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。
さらに、目的とする外来DNAを前述のプラスミドに組
み込んで原科として用いることができる。プロモーター
とのDNAコンストラク卜は、通常のDNA工学的手法
によって作製することができる。受精卵細胞段階におけ
る本発明の異常DNAの導入は、対象哺乳動物の胚芽細
胞および体細胞の全てに存在するように確保される。D
NA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の異常
DNAが存在することは、作出動物の子孫が全てその胚
芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有す
ることを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだ
この種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全
てに本発明の異常DNAを有する。導入DNAを相同染
色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌
雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNA
を有するように繁殖継代することができる。
【0061】本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に
本発明のタンパク質の機能不活性型不応症となることが
あり、その病態モデル動物として利用することができ
る。例えば、本発明の異常DNA導入動物を用いて、本
発明のタンパク質の機能不活性型不応症の病態機序の解
明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能
である。また、具体的な利用可能性としては、本発明の
異常DNA高発現動物は、本発明のタンパク質の機能不
活性型不応症における本発明の異常タンパク質による正
常タンパク質の機能阻害(dominant negative作用)を
解明するモデルとなる。また、本発明の外来異常DNA
を導入した哺乳動物は、遊離した本発明のタンパク質の
増加症状を有することから、本発明のタンパク質または
その機能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング
試験にも利用可能である。また、上記2種類の本発明の
DNA導入動物のその他の利用可能性として、例えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA導入動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析する、またはDNAにより発現されたポ
リペプチド組織を分析することによる、本発明のタンパ
ク質により特異的に発現あるいは活性化するタンパク質
との関連性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異タンパク質を単離精製およびその抗体作
製などが考えられる。 さらに、本発明のDNA導入動物を用いて、本発明のタ
ンパク質の機能不活性型不応症などを含む、本発明のタ
ンパク質に関連する疾患の臨床症状を調べることがで
き、また、本発明のタンパク質に関連する疾患モデルの
各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、新し
い治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的疾患
の研究および治療に貢献することができる。また、本発
明のDNA導入動物から各臓器を取り出し、細切後、ト
リプシンなどのタンパク質分解酵素により、遊離したD
NA導入細胞の取得、その培養またはその培養細胞の系
統化を行なうことが可能である。さらに、本発明のタン
パク質産生細胞の特定化、アポトーシス、分化あるいは
増殖との関連性、またはそれらにおけるシグナル伝達機
構を調べ、それらの異常を調べることなどができ、本発
明のタンパク質およびその作用解明のための有効な研究
材料となる。さらに、本発明のDNA導入動物を用い
て、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症を含む、
本発明のタンパク質に関連する疾患の治療薬の開発を行
なうために、上述の検査法および定量法などを用いて、
有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供す
ることが可能となる。また、本発明のDNA導入動物ま
たは本発明の外来性DNA発現ベクターを用いて、本発
明のタンパク質が関連する疾患のDNA治療法を検討、
開発することが可能である。
【0062】〔7〕ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された上記(1)記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である上記(1)記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記(1)記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである上記(4)記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる上記(6)記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記(6)記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
上記(8)記載の非ヒト哺乳動物、および(10)上記
(7)記載の動物に、試験化合物を投与し、レポーター
遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDN
Aに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合
物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。本発
明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞と
は、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAに人為的
に変異を加えることにより、DNAの発現能を抑制する
か、あるいは該DNAがコードしている本発明のタンパ
ク質の活性を実質的に喪失させることにより、DNAが
実質的に本発明のタンパク質の発現能を有さない(以
下、本発明のノックアウトDNAと称することがある)
非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記す
る)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のも
のが用いられる。
【0063】本発明のDNAに人為的に変異を加える方
法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA
配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入または置換
させることによって行なうことができる。これらの変異
により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プ
ロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することによ
り本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。本発
明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞
(以下、本発明のDNA不活性化ES細胞または本発明
のノックアウトES細胞と略記する)の具体例として
は、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAを単離し、そのエキソン部分にネオマイシン耐
性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表とする薬
剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガラクトシダー
ゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポーター遺伝
子等を挿入することによりエキソンの機能を破壊する
か、あるいはエキソン間のイントロン部分に遺伝子の転
写を終結させるDNA配列(例えば、polyA付加シ
グナルなど)を挿入し、完全なmRNAを合成できなく
することによって、結果的に遺伝子を破壊するように構
築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、ターゲッテ
ィングベクターと略記する)を、例えば相同組換え法に
より該動物の染色体に導入し、得られたES細胞につい
て本発明のDNA上あるいはその近傍のDNA配列をプ
ローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるい
はターゲッティングベクター上のDNA配列とターゲッ
ティングベクター作製に使用した本発明のDNA以外の
近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR法によ
り解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別するこ
とにより得ることができる。
【0064】また、相同組換え法等により本発明のDN
Aを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述
のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知
のEvansとKaufmanの方法に準じて新しく樹立したもので
もよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般
的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学
的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で
免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するな
どの目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL
/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善
したBDF1マウス(C57BL/6とDBA/2との
1)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。B
DF1マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫である
という利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持
つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマ
ウスを作出したとき、C57BL/6マウスとバックク
ロスすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウス
に代えることが可能である点で有利に用い得る。また、
ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の
胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚
盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期
胚を取得することができる。また、雌雄いずれのES細
胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列
キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の
手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行
なうことが望ましい。ES細胞の雌雄の判定方法として
は、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の
遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例としてあげる
ことができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析
をするのに約106個の細胞数を要していたのに対し
て、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むの
で、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを
雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の
選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削
減できる。
【0065】また、第二次セレクションとしては、例え
ば、G−バンディング法による染色体数の確認等により
行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常
数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の
関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウト
した後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n
=40である細胞)に再びクローニングすることが望ま
しい。このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その
増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすい
ので、注意深く継代培養することが必要である。例え
ば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上
でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス
培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気また
は5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で
培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、ト
リプシン/EDTA溶液(通常0.001−0.5%トリ
プシン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約0.1
%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化
し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法な
どがとられる。このような継代は、通常1−3日毎に行
なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細
胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが
望まれる。ES細胞は、適当な条件により、高密度に至
るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで
浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの
種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M.
J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第
292巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシーディン
グス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)
第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschmanら、ジャー
ナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメ
ンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本
発明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発
現不全細胞は、インビトロにおける本発明のタンパク質
の細胞生物学的検討において有用である。本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公
知方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較する
ことにより、正常動物と区別することが可能である。該
非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられ
る。
【0066】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティン
グベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入
し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のD
NAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えに
より、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の
本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることに
より、本発明のDNAをノックアウトさせることができ
る。本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発
明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブと
したサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッ
ティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティング
ベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の
近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法に
よる解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹
細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明
のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、そ
の細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動
物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠
させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された
動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変
異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成さ
れるキメラ動物である。該キメラ動物の生殖細胞の一部
が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキ
メラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体
群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のD
NA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コート
カラーの判定等により選別することにより得られる。こ
のようにして得られた個体は、通常、本発明のタンパク
質のヘテロ発現不全個体であり、本発明のタンパク質の
ヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本
発明のタンパク質のホモ発現不全個体を得ることができ
る。卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマ
イクロインジェクション法でDNA溶液を注入すること
によりターゲッティングベクターを染色体内に導入した
トランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、
これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、
遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異のある
ものを選択することにより得られる。このようにして本
発明のDNAがノックアウトされている個体は、交配に
より得られた動物個体も該DNAがノックアウトされて
いることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行なう
ことができる。さらに、生殖系列の取得および保持につ
いても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの
保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化D
NAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取
得しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に
対して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような
状態で飼育することにより効率的に得ることができる。
ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該
不活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイ
ゴート動物を繁殖継代する。本発明のDNAが不活性化
された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のDNA発現
不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用であ
る。また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、
本発明のタンパク質により誘導され得る種々の生物活性
を欠失するため、本発明のタンパク質の生物活性の不活
性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これら
の疾病の原因究明及び治療法の検討に有用である。
【0067】〔7a〕本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予
防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることが
できる。すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を
観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠
損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を
有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供
する。該スクリーニング方法において用いられる本発明
のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様
のものがあげられる。試験化合物としては、例えば、ペ
プチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽
出液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合
物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。具
体的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、
試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動
物の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として
試験化合物の治療・予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、例え
ば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症
状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択すること
ができる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試
験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができ
る。
【0068】例えば、慢性関節リウマチに対して予防・
治療効果を有する化合物をスクリーニングする場合、本
発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投
与し、該動物の関節の腫れの体積などを経時的に測定し
たり、エックス線、MRI、組織学的手法などにより関節
破壊の程度を経時的に評価する。該スクリーニング方法
を用いて得られる化合物は、上記した試験化合物から選
ばれた化合物であり、本発明のタンパク質の欠損や損傷
などによって引き起こされる疾患に対して予防・治療効
果を有するので、該疾患に対する安全で低毒性な予防・
治療剤などの医薬として使用することができる。さら
に、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導され
る化合物も同様に用いることができる。
【0069】該スクリーニング方法で得られた化合物は
塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理
学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸など)や塩基
(例、アルカリ金属など)などとの塩が用いられ、とり
わけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様
な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン
酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸
(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレ
イン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸
など)との塩などが用いられる。該スクリーニング方法
で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記
した本発明のタンパク質を含有する医薬と同様にして製
造することができる。このようにして得られる製剤は、
安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたはその他の
哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、該化合物を経口投与する
場合、一般的に成人(体重60kgとして)の慢性関節
リウマチの患者においては、一日につき該化合物を約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、
より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的
に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、
対象疾患などによっても異なるが、例えば、該化合物を
注射剤の形で通常成人(60kgとして)の慢性関節リ
ウマチの患者に投与する場合、一日につき該化合物を約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈
注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0070】〔7b〕本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物のスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものがあげられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子
またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
【0071】本発明のDNAをレポーター遺伝子で置換
された本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レ
ポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーター
の支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードす
る物質の発現をトレースすることにより、プロモーター
の活性を検出することができる。例えば、本発明のタン
パク質をコードするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している
場合、本来、本発明のタンパク質の発現する組織で、本
発明のタンパク質の代わりにβ−ガラクトシダーゼが発
現する。従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドリル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)
のようなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用い
て染色することにより、簡便に本発明のタンパク質の動
物生体内における発現状態を観察することができる。具
体的には、本発明のタンパク質欠損マウスまたはその組
織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝
生理食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色
液で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間
反応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶
液で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応
を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従
い、lacZをコードするmRNAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物または
その塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であ
り、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進ま
たは阻害する化合物である。
【0072】該スクリーニング方法で得られた化合物は
塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理
学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有
機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に
許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、
例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、
硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用
いられる。本発明のDNAに対するプロモーター活性を
促進する化合物またはその塩は、本発明のタンパク質の
発現を促進し、該タンパク質の機能を促進することがで
きるので、例えば、中枢神経疾患(例、アルツハイマー
病、パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障害、頭
痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾患(例、潰
瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など)、肝臓
疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患(例、心不
全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性疾患(例、
慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患(例、重症筋無
力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェーグレン症候
群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リウマチ、全身
性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾患(例、気管
支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー
ショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾
患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全(例、白血球異
常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な
ど)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予防・治療剤、臓
器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療による副作用の
抑制剤などの医薬として有用である。
【0073】また、本発明のDNAに対するプロモータ
ー活性を阻害する化合物またはその塩は、本発明のタン
パク質の発現を阻害し、該タンパク質の機能を阻害する
ことができるので、例えば中枢神経疾患(例、アルツハ
イマー病、パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障
害、頭痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾患
(例、潰瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群な
ど)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患
(例、心不全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性
疾患(例、慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患
(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェ
ーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リ
ウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾
患(例、気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナ
フィラキシーショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺
疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全
(例、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともな
う免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝
臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱
癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予
防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療
による副作用の抑制剤などの医薬として有用である。さ
らに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導さ
れる化合物も同様に用いることができる。該スクリーニ
ング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬
は、前記した本発明のタンパク質またはその塩を含有す
る医薬と同様にして製造することができる。このように
して得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例え
ば、ヒトまたはその他の哺乳動物(例えば、ラット、マ
ウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウ
マ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することがで
きる。該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投
与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、
本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化
合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg
として)の慢性関節リウマチ患者においては、一日につ
き該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.
0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与
する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与
量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例え
ば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進す
る化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)の
慢性関節リウマチ患者に投与する場合、一日につき該化
合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1
〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程
度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動
物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与するこ
とができる。
【0074】一方、例えば、本発明のDNAに対するプ
ロモーター活性を阻害する化合物を経口投与する場合、
一般的に成人(体重60kgとして)の慢性関節リウマ
チ患者においては、一日につき該化合物を約0.1〜1
00mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好まし
くは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する
場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患な
どによっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対す
るプロモーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通
常成人(60kgとして)の慢性関節リウマチ患者に投
与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30m
g程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ま
しくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与す
るのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当た
りに換算した量を投与することができる。このように、
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する
化合物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有
用であり、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患
の原因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献する
ことができる。また、本発明のタンパク質のプロモータ
ー領域を含有するDNAを使って、その下流に種々のタ
ンパクをコードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細
胞に注入していわゆるトランスジェニック動物(遺伝子
導入動物)を作出すれば、特異的にそのポリペプチドを
合成させ、その生体での作用を検討することも可能とな
る。さらに上記プロモーター部分に適当なレポーター遺
伝子を結合させ、これが発現するような細胞株を樹立す
れば、本発明のタンパク質そのものの体内での産生能力
を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合
物の探索系として使用できる。
【0075】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0076】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2-Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0077】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒトTCH065タンパク質のアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を含有するTCH065タンパク質をコードするDNA
の塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕実施例1で用いられたプライマーA7
の塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕実施例1で用いられたプライマーB5
の塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕実施例1で用いられたプライマーA6
の塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例1で用いられたプライマーSP
6の塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕実施例1で用いられたプライマーT7
の塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕実施例1で用いられたプライマーA2
の塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕実施例1で用いられたプライマーB2
の塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕実施例1で用いられたプライマーF
1の塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕実施例1で用いられたプライマーF
2の塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕実施例1で用いられたプライマーR
1の塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕実施例1で取得したヒトTCH06
5全長遺伝子を含むcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕実施例2で用いられたプライマーA
8の塩基配列を示す。 〔配列番号:15〕実施例2で用いられたプライマーB
8の塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕実施例2で用いられたTaqMan
プローブT1の塩基配列を示す。
【0078】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)TOP10/pC
R−BluntII−TCH065は、2002年1月
23日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6
(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術
総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM
BP−7862として、2002年1月10日から大
阪府大阪市淀川区十三本町2丁目17番85号(郵便番
号532−8686)の財団法人発酵研究所(IFO)
に受託番号IFO 16743として寄託されている。
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載され
ている方法に従った。 実施例1 ヒトTCH065遺伝子cDNAのクローニング 2種のプライマーDNA、プライマーA7(配列番号:
3)およびプライマーB5(配列番号:4)を用いて、
ヒト胸腺Marathon-Ready cDNA(クロンテック社製)に
対して、まず、Advantage 2 DNA Polymerase(クロンテ
ック社製)により、以下の条件(1)〜(5)で一次PCRを
行った。 (1)94℃3分間 (2)94℃5秒間−72℃3分間を5サイクル (3)94℃5秒間−70℃3分間を5サイクル (4)94℃5秒間−68℃3分間を5サイクル (5)70℃10分間 さらに、この一次PCRの産物を鋳型として、プライマ
ーA6(配列番号:5)とプライマーB5(配列番号:
4)を用いて、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社
製)により以下の条件(6)〜(10)でnested PCR
を行った。 (6)94℃2分間 (7)94℃5秒間−72℃4分間を5サイクル (8)94℃5秒間−70℃4分間を5サイクル (9)94℃5秒間−68℃4分間を25サイクル (10)72℃10分間 得られた増幅産物をZero Blunt TOPO Cloning kit(イ
ンビトロジェン社製)を用いてクローニングし、プラス
ミドpCR−BluntII−TCH065を得た。こ
れをプライマーDNA〔プライマーSP6(配列番号:
6)、プライマーT7(配列番号:7)、プライマーA
2(配列番号:8)、プライマーB2(配列番号:
9)、プライマーF1(配列番号:10)、プライマー
F2(配列番号:11)、プライマーR1(配列番号:
12)〕およびBigDye Terminator CycleSequencing Ki
t(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて反応を
行い、挿入されているcDNA断片の塩基配列をDNA
シークエンサーABI PRISM 3100 DNAアナライザ(アプラ
イドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結
果、取得したプラスミドは1429個の塩基配列を有し
ていた(配列番号:13)。該cDNA断片には411
個のアミノ酸配列(配列番号:1)がコードされており
(配列番号:2)、該アミノ酸配列を含有するタンパク
質を、ヒトTCH065タンパク質と命名した。該cD
NA断片を含むプラスミドを有する形質転換体を、エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)TOP10/pC
R−BluntII−TCH065と命名した。Bla
st P〔ヌクレイック アシッド リサーチ(Nucleic
Acids Res.)第25巻、3389頁、1997年〕を
用いてOWLに対してホモロジー検索を行ったところ、
該cDNAは5−HT3受容体またはニコチン性アセチ
ルコリン受容体に属する新規遺伝子であることが判明し
た(図1および図2)。ヒトで報告されている5−HT
3受容体である5−HT3A受容体(Mol. Pharmaco
l.、第48巻、407頁、1995年)とはアミノ酸レベルで2
0%、5−HT3B受容体(Nature、第397巻、359頁、
1999年)とはアミノ酸レベルで17%の相同性を示し、
ヒトで報告されているニコチン性アセチルコリン受容体
の一種であるnAChRα7受容体(FEBS Lett.、第40
0巻、309頁、1997年)とはアミノ酸レベルで17%の相
同性を示し、該タンパク質は4回膜貫通型の構造を有す
ると推測された。
【0079】実施例2 ヒトTCH065遺伝子産物の組織分布の解析 ヒトTCH065の配列から設計した、2種のプライマ
ーDNA、プライマーA8(配列番号:14)およびプ
ライマーB8(配列番号:15)と、TaqManプロ
ーブT1(配列番号:16)を用いて、ヒトの各組織の
cDNAにおけるヒトTCH065の発現量をTaqM
an PCRにより測定した。反応は、TaqMan Universa
l PCR Master Mix(アプライドバイオシステムズ社製)
を用いて、ABI PRISM 7900 sequence detection system
(アプライドバイオシステムズ社製)にて最初50℃2
分間、さらに95℃10分間おいた後で、95℃で15
秒、60℃で1分を1反応サイクルとして40サイクル
繰り返し、同時に検出を行った。測定に用いたヒトの各
組織のcDNAを〔表1〕に示す。
【表1】 結果を図3、図4および図5に示す。ヒトTCH065
遺伝子産物(mRNA)は、Human MTC panel Iおよび
MTCpanel IIにおいては、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、精
巣、卵巣でわずかな発現が見られ、心臓、脳、胸腺で若
干の発現が見られ、小腸、大腸、白血球で強い発現が見
られた。Human digestive system MTC panelにおいて
は、食道でわずかな発現が見られ、胃から直腸まですべ
ての部位で強い発現が見られた(回腸で特に強い発現が
見られた)。また、肝臓でも発現が見られた。Human bl
ood fractions MTC panelにおいては、いずれの休止状
態の白血球でも強い発現が見られた。CD4+ T細胞では活
性化に伴う顕著な発現の上昇が見られた。単核球、CD8+
T細胞、CD19+細胞では活性化により発現の減少が見ら
れた。Human fetal MTC panelにおいては、胎児心臓で
わずかな発現が見られ、胎児脳、胎児肺、胎児肝臓、胎
児腎臓、胎児骨格筋、胎児脾臓で若干の発現が見られ、
胎児胸腺で強い発現が見られた。Human tumor MTC pane
lにおいては、肺癌、結腸癌、前立腺癌で若干の発現が
見られた。Human immune system MTC panelにおいては
脾臓、扁桃、骨髄で若干の発現が見られ、リンパ節、胸
腺、胎児肝臓で強い発現が見られ、末梢血白血球で特に
強い発現が見られた。
【0080】
【発明の効果】本発明のタンパク質、ポリヌクレオチド
および抗体などは、例えば中枢神経疾患(例、アルツハ
イマー病、パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障
害、頭痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾患
(例、潰瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群な
ど)、肝臓疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患
(例、心不全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性
疾患(例、慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患
(例、重症筋無力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェ
ーグレン症候群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リ
ウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾
患(例、気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナ
フィラキシーショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺
疾患、脾臓疾患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全
(例、白血球異常、脾機能不全または胸腺異常にともな
う免疫不全など)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝
臓癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱
癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌など)など、臓
器移植後の拒絶反応、抗癌剤治療による副作用などの診
断マーカー等として有用である。該タンパク質、ポリヌ
クレオチドまたは抗体などを用いるスクリーニング法に
より得られる該タンパク質の活性を促進または阻害する
化合物は、該タンパク質遺伝子の発現を促進または阻害
する化合物、該タンパク質の発現を促進または阻害する
化合物などは、例えば、中枢神経疾患(例、アルツハイ
マー病、パーキンソン症候群、精神分裂病、記憶障害、
頭痛、うつ病、薬物依存症など)、消化器疾患(例、潰
瘍、大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など)、肝臓
疾患(例、肝炎、肝硬変など)、循環器疾患(例、心不
全、不整脈、QT延長症候群など)、炎症性疾患(例、
慢性閉塞性肺疾患など)、自己免疫疾患(例、重症筋無
力症、糸球体腎炎、多発性硬化症、シェーグレン症候
群、インスリン抵抗性糖尿病、慢性関節リウマチ、全身
性エリテマトーデスなど)、アレルギー疾患(例、気管
支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー
ショック、アトピー性皮膚炎など)、胸腺疾患、脾臓疾
患(例、脾機能亢進症など)、免疫不全(例、白血球異
常、脾機能不全または胸腺異常にともなう免疫不全な
ど)、癌(例、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、非小細
胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮
頸部癌、結腸癌、直腸癌など)などの予防・治療剤、臓
器移植後の拒絶反応抑制剤、抗癌剤治療による副作用の
抑制剤などとして使用することができる。
【0081】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemicals Industries, Ltd. <120> Novel Protein and its DNA <130> P02-0001 <150> JP 2001-022505 <151> 2001-01-30 <150> JP 2001-390239 <151> 2001-12-21 <160> 16 <210> 1 <211> 411 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Ala Leu Trp Ser Leu Leu His Leu Thr Phe Leu Gly Phe Ser Ile 1 5 10 15 Thr Leu Leu Leu Val His Gly Gln Gly Phe Gln Gly Thr Ala Ala Ile 20 25 30 Trp Pro Ser Leu Phe Asn Val Asn Leu Ser Lys Lys Val Gln Glu Ser 35 40 45 Ile Gln Ile Pro Asn Asn Gly Ser Ala Pro Leu Leu Val Asp Val Arg 50 55 60 Val Phe Val Ser Asn Val Phe Asn Val Asp Ile Leu Arg Tyr Thr Met 65 70 75 80 Ser Ser Met Leu Leu Leu Arg Leu Ser Trp Leu Asp Thr Arg Leu Ala 85 90 95 Trp Asn Thr Ser Ala His Pro Arg His Ala Ile Thr Leu Pro Trp Glu 100 105 110 Ser Leu Trp Thr Pro Arg Leu Thr Ile Leu Glu Ala Leu Trp Val Asp 115 120 125 Trp Arg Asp Gln Ser Pro Gln Ala Arg Val Asp Gln Asp Gly His Val 130 135 140 Lys Leu Asn Leu Ala Leu Thr Thr Glu Thr Asn Cys Asn Phe Glu Leu 145 150 155 160 Leu His Phe Pro Arg Asp His Ser Asn Cys Ser Leu Ser Phe Tyr Ala 165 170 175 Leu Ser Asn Thr Ala Met Glu Leu Glu Phe Gln Ala His Val Val Asn 180 185 190 Glu Ile Val Ser Val Lys Arg Glu Tyr Val Val Tyr Asp Leu Lys Thr 195 200 205 Gln Val Pro Pro Gln Gln Leu Val Pro Cys Phe Gln Val Thr Leu Arg 210 215 220 Leu Lys Asn Thr Ala Leu Lys Ser Ile Ile Ala Leu Leu Val Pro Ala 225 230 235 240 Glu Ala Leu Leu Leu Ala Asp Val Cys Gly Gly Leu Leu Pro Leu Arg 245 250 255 Ala Ile Glu Arg Ile Gly Tyr Lys Val Thr Leu Leu Leu Ser Tyr Leu 260 265 270 Val Leu His Ser Ser Leu Val Gln Ala Leu Pro Ser Ser Ser Ser Cys 275 280 285 Asn Pro Leu Leu Ile Tyr Tyr Phe Thr Ile Leu Leu Leu Leu Leu Phe 290 295 300 Leu Ser Thr Ile Glu Thr Val Leu Leu Ala Gly Leu Leu Ala Arg Gly 305 310 315 320 Asn Leu Gly Ala Lys Ser Gly Pro Ser Pro Ala Pro Arg Gly Glu Gln 325 330 335 Arg Glu His Gly Asn Pro Gly Pro His Pro Ala Glu Glu Pro Ser Arg 340 345 350 Gly Val Lys Gly Ser Gln Arg Ser Trp Pro Glu Thr Ala Asp Arg Ile 355 360 365 Phe Phe Leu Val Tyr Val Val Gly Val Leu Cys Thr Gln Phe Val Phe 370 375 380 Ala Gly Ile Trp Met Trp Ala Ala Cys Lys Ser Asp Ala Ala Pro Gly 385 390 395 400 Glu Ala Ala Pro His Gly Arg Arg Pro Arg Leu 405 410 <210> 2 <211> 1233 <212> DNA <213> Human <400> 2 atggccctat ggtccctgct ccatctcacc ttcctggggt tcagcattac cttgctgttg 60 gtccacgggc agggcttcca agggacagca gccatctggc catccctctt caacgtcaac 120 ttgtccaaga aggttcagga aagcatccag atcccgaaca atgggagtgc gcccctgctc 180 gtggatgtgc gggtgtttgt ctccaacgtg tttaatgtgg acatcctgcg atacacaatg 240 tcctccatgc tgctgcttag gctgtcctgg ctggacactc gcctggcctg gaacactagt 300 gcacacccgc ggcacgccat cacgctgccc tgggagtctc tctggacacc aaggctcacc 360 atcctggagg cgctctgggt ggactggagg gaccagagcc cccaggctcg agtagaccag 420 gacggccacg tgaagctcaa cctggccctc accacggaga ccaactgcaa ctttgagctc 480 ctccacttcc cccgggacca cagcaactgc agcctcagct tctacgctct cagcaacacg 540 gcgatggagt tagagttcca ggcccacgtg gtgaacgaga ttgtgagtgt caagagggaa 600 tacgtagttt atgatctgaa gacccaagtc ccaccccagc agctggtgcc ctgcttccag 660 gtgacgctga ggctgaagaa cacggcgctc aagtccatca tcgctctctt ggtgcctgca 720 gaggcactgc tgttggctga cgtgtgcggg gggttgctgc ccctccgggc cattgagcgc 780 ataggctaca aggtgacatt gctgctgagt tacctcgtcc tccactcctc cctggtgcag 840 gccctgccca gctcctcctc ctgcaaccca ctgctcattt actacttcac catcctgctg 900 ctgctgctct tcctcagcac catagagact gtgctgctgg ctgggctgct ggcccggggc 960 aaccttgggg ccaagagcgg ccccagccca gccccgagag gggaacagcg agagcacggc 1020 aacccagggc ctcatcctgc tgaagagccc tccagaggag taaaggggtc acagagaagc 1080 tggcctgaga ctgctgaccg catcttcttc ctcgtgtatg tggttggggt gctgtgcacc 1140 caattcgtct ttgcaggaat ctggatgtgg gcagcgtgca agtctgacgc agcccctgga 1200 gaggctgcac cccatggcag gcggcctaga ctg 1233 <210> 3 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 3 caagtgcacg gccccaaagt cctt 24 <210> 4 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 4 ggtggcttaa tccagaggcc ctgtca 26 <210> 5 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 5 gcagctgcct ctggctaatt gctcag 26 <210> 6 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 6 atttaggtga cactatag 18 <210> 7 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 7 aatacgactc actataggg 19 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 8 ctggaacact agtgcacacc 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 9 gtaaatgagc agtgggttgc 20 <210> 10 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 10 acacggcgct caagtccatc a 21 <210> 11 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 11 accgcatctt cttcctcgtg t 21 <210> 12 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 12 cgtgggcctg gaactctaac t 21 <210> 13 <211> 1429 <212> DNA <213> Human <400> 13 gcagctgcct ctggctaatt gctcagctgc cagagaagtg actggaatag aggttgtagc 60 ttaggcaccg ctgctccctc cagtccctcc gtgcagccga tgatggccct atggtccctg 120 ctccatctca ccttcctggg gttcagcatt accttgctgt tggtccacgg gcagggcttc 180 caagggacag cagccatctg gccatccctc ttcaacgtca acttgtccaa gaaggttcag 240 gaaagcatcc agatcccgaa caatgggagt gcgcccctgc tcgtggatgt gcgggtgttt 300 gtctccaacg tgtttaatgt ggacatcctg cgatacacaa tgtcctccat gctgctgctt 360 aggctgtcct ggctggacac tcgcctggcc tggaacacta gtgcacaccc gcggcacgcc 420 atcacgctgc cctgggagtc tctctggaca ccaaggctca ccatcctgga ggcgctctgg 480 gtggactgga gggaccagag cccccaggct cgagtagacc aggacggcca cgtgaagctc 540 aacctggccc tcaccacgga gaccaactgc aactttgagc tcctccactt cccccgggac 600 cacagcaact gcagcctcag cttctacgct ctcagcaaca cggcgatgga gttagagttc 660 caggcccacg tggtgaacga gattgtgagt gtcaagaggg aatacgtagt ttatgatctg 720 aagacccaag tcccacccca gcagctggtg ccctgcttcc aggtgacgct gaggctgaag 780 aacacggcgc tcaagtccat catcgctctc ttggtgcctg cagaggcact gctgttggct 840 gacgtgtgcg gggggttgct gcccctccgg gccattgagc gcataggcta caaggtgaca 900 ttgctgctga gttacctcgt cctccactcc tccctggtgc aggccctgcc cagctcctcc 960 tcctgcaacc cactgctcat ttactacttc accatcctgc tgctgctgct cttcctcagc 1020 accatagaga ctgtgctgct ggctgggctg ctggcccggg gcaaccttgg ggccaagagc 1080 ggccccagcc cagccccgag aggggaacag cgagagcacg gcaacccagg gcctcatcct 1140 gctgaagagc cctccagagg agtaaagggg tcacagagaa gctggcctga gactgctgac 1200 cgcatcttct tcctcgtgta tgtggttggg gtgctgtgca cccaattcgt ctttgcagga 1260 atctggatgt gggcagcgtg caagtctgac gcagcccctg gagaggctgc accccatggc 1320 aggcggccta gactgtaaag gggcagggcc tgggctgcac accttaggat gaagtttgct 1380 ttcccatggc tgggggcggg ccatgacagg gcctctggat taagccacc 1429 <210> 14 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 14 tccctcttca acgtcaactt gtc 23 <210> 15 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 15 acaaacaccc gcacatcca 19 <210> 16 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Probe <400> 16 caggaaagca tccagatccc gaacaat 27
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトTCH065、nAChR α7受容体お
よび5−HT3受容体(5−HT3Aおよび5−HT3
B)のアミノ酸配列の比較を表す図である。図中、TCH0
65はヒトTCH065のアミノ酸配列を、nAChR alpha7
はnAChRα7受容体のアミノ酸配列を、5-HT3Aは5
−HT3A受容体のアミノ酸配列を、5-HT3Bは5−HT
3B受容体のアミノ酸配列を、Sはシグナル配列を、M
1〜M4は膜貫通領域を示す。□は、ヒトTCH065
に一致するアミノ酸を示す。(図2へ続く)
【図2】ヒトTCH065、ニコチン性アセチルコリン
受容体および5−HT3受容体(5−HT3Aおよび5
−HT3B)のアミノ酸配列の比較を表す図である。図
中、TCH065はヒトTCH065のアミノ酸配列を、nACh
R alpha7はニコチン性アセチルコリン受容体のアミノ酸
配列を、5-HT3Aは5−HT3A受容体のアミノ酸配列
を、5-HT3Bは5−HT3B受容体のアミノ酸配列を、S
はシグナル配列を、M1〜M4は膜貫通領域を示す。□
は、ヒトTCH065に一致するアミノ酸を示す。(図
1の続き)
【図3】ヒトTCH065遺伝子産物の各組織における
発現量を表す図である。ヒトの各組織cDNA(Hum
an MTC panel IおよびMTC panel
IIおよびhuman digestive syste
m MTC panel:クロンテック社製)におけるヒ
トTCH065の発現量をTaqManPCRにより測
定した結果を示す。発現量はcDNA溶液1μl当たり
のコピー数で表した。
【図4】ヒトTCH065遺伝子産物の各組織における
発現量を表す図である。ヒトの各組織cDNA(Hum
an blood fractions MTCpane
lおよびhuman fetal MTC panel:
クロンテック社製)におけるヒトTCH065の発現量
をTaqMan PCRにより測定した結果を示す。発
現量はcDNA溶液1μl当たりのコピー数で表した。
【図5】ヒトTCH065遺伝子産物の各組織における
発現量を表す図である。ヒトの各組織cDNA(Hum
an tumor MTC panelおよびhuman
immune system MTC panel:クロ
ンテック社製)におけるヒトTCH065の発現量をT
aqMan PCRにより測定した結果を示す。発現量
はcDNA溶液1μl当たりのコピー数で表した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/04 A61P 1/16 4C084 1/16 3/10 4C085 3/10 9/00 4H045 9/00 9/04 9/04 9/06 9/06 11/02 11/02 11/06 11/06 13/12 13/12 17/00 17/00 19/02 19/02 21/04 21/04 25/00 25/00 25/16 25/16 25/18 25/18 25/24 25/24 25/28 25/28 29/00 29/00 101 101 31/18 31/18 35/00 35/00 37/00 37/00 37/06 37/06 37/08 37/08 C07K 14/705 C07K 14/705 16/28 16/28 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 M 33/53 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 CA09 CA12 HA14 HA17 4B063 QA08 QA18 QA19 QQ08 QQ43 QQ53 QQ79 QR32 QR36 QR48 QR55 QR62 QR77 QS25 QS34 4B064 AG20 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA93Y AB01 CA24 CA44 CA46 4C084 AA17 NA14 ZA012 ZA022 ZA122 ZA152 ZA162 ZA182 ZA342 ZA362 ZA382 ZA592 ZA662 ZA682 ZA752 ZA812 ZA892 ZA942 ZA962 ZB052 ZB072 ZB082 ZB112 ZB132 ZB152 ZB262 ZC352 4C085 AA13 AA14 BB11 DD62 DD63 EE01 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 EA20 EA50 FA74

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質またはその塩。
  2. 【請求項2】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
    を含有する請求項1記載のタンパク質またはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のタンパク質の部分ペプチ
    ドまたはその塩。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のタンパク質または請求項
    3記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを
    含有するポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 DNAである請求項4記載のポリヌクレ
    オチド。
  6. 【請求項6】 配列番号:2で表わされる塩基配列を含
    有する請求項5記載のDNA。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の組換えベクターで形質転
    換された形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の形質転換体を培養し、請
    求項1記載のタンパク質または請求項3記載の部分ペプ
    チドを生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
    する請求項1記載のタンパク質もしくは請求項3記載の
    部分ペプチドまたはその塩の製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項3記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してなる
    医薬。
  11. 【請求項11】 請求項5記載のDNAを含有してなる
    医薬。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項3記載の部分ペプチドまたはその塩に対する抗体。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項3記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを
    特徴とする、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    3記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項3記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してな
    る、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項3記載の
    部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻害する
    化合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  15. 【請求項15】 請求項13記載のスクリーニング方法
    または請求項14記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    3記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  17. 【請求項17】 請求項4記載のポリヌクレオチドを用
    いることを特徴とする、請求項1記載のタンパク質遺伝
    子の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のス
    クリーニング方法。
  18. 【請求項18】 請求項4記載のポリヌクレオチドを含
    有してなる、請求項1記載のタンパク質遺伝子の発現を
    促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
    グ用キット。
  19. 【請求項19】 請求項17記載のスクリーニング方法
    または請求項18記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、請求項1記載のタンパク質遺伝子の発現を
    促進または阻害する化合物またはその塩。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  21. 【請求項21】 請求項12記載の抗体を含有してなる
    診断薬。
  22. 【請求項22】 請求項12記載の抗体を含有してなる
    医薬。
  23. 【請求項23】 請求項12記載の抗体を用いることを
    特徴とする請求項1記載のタンパク質の定量方法。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の定量方法を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のタンパク質の機能が関連
    する疾患の診断法。
  25. 【請求項25】 請求項12記載の抗体を用いることを
    特徴とする、請求項1記載のタンパク質の発現を促進ま
    たは阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
    法。
  26. 【請求項26】 請求項12記載の抗体を含有してな
    る、請求項1記載のタンパク質の発現を促進または阻害
    する化合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  27. 【請求項27】 請求項25記載のスクリーニング方法
    または請求項26記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、請求項1記載のタンパク質の発現を促進ま
    たは阻害する化合物またはその塩。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  29. 【請求項29】 中枢神経疾患、消化器疾患、肝臓疾
    患、循環器疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギ
    ー疾患、胸腺疾患、脾臓疾患、免疫不全若しくは癌の予
    防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制剤、または抗癌
    剤治療による副作用の抑制剤である請求項10、請求項
    11、請求項16、請求項20、請求項22または請求
    項28記載の医薬。
  30. 【請求項30】 哺乳動物に対して、請求項15、請求
    項19または請求項27記載の化合物またはその塩の有
    効量を投与することを特徴とする中枢神経疾患、消化器
    疾患、肝臓疾患、循環器疾患、炎症性疾患、自己免疫疾
    患、アレルギー疾患、胸腺疾患、脾臓疾患、免疫不全若
    しくは癌の予防・治療方法、臓器移植後の拒絶反応抑制
    方法、または抗癌剤治療による副作用の抑制方法。
  31. 【請求項31】 中枢神経疾患、消化器疾患、肝臓疾
    患、循環器疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギ
    ー疾患、胸腺疾患、脾臓疾患、免疫不全若しくは癌の予
    防・治療剤、臓器移植後の拒絶反応抑制剤、または抗癌
    剤治療による副作用の抑制剤を製造するための請求項1
    5、請求項19または請求項27記載の化合物またはそ
    の塩の使用。
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