JP2003249238A - 溝付き板材の製造方法、その方法で製造された溝付き板材 - Google Patents
溝付き板材の製造方法、その方法で製造された溝付き板材Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 破断の発生が抑制される、溝付き部材の製造
方法が提供される。 【解決手段】 表面が平坦な面になっている複数の溝部
を金属板1Aに形成する溝付き板材の製造方法であっ
て、波形形状の型面20a,20bを有する第1金型2
0A,20Bで金属板1Aを予備成形して波形形状に変
形した板材とし、ついで、形成目標の溝部と同一形状の
型面を有する第2金型で板材を本成形する溝付き板材の
製造方法。
方法が提供される。 【解決手段】 表面が平坦な面になっている複数の溝部
を金属板1Aに形成する溝付き板材の製造方法であっ
て、波形形状の型面20a,20bを有する第1金型2
0A,20Bで金属板1Aを予備成形して波形形状に変
形した板材とし、ついで、形成目標の溝部と同一形状の
型面を有する第2金型で板材を本成形する溝付き板材の
製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溝付き板材とその
製造方法に関し、更に詳しくは、例えば燃料電池に組み
込まれる金属セパレータとして使用可能な溝付き板材
と、それを高い歩留まりの塑性加工で製造する方法に関
する。
製造方法に関し、更に詳しくは、例えば燃料電池に組み
込まれる金属セパレータとして使用可能な溝付き板材
と、それを高い歩留まりの塑性加工で製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】クリーンエネルギ源として期待を集めて
いる燃料電池は、概ね、次のようにして組み立てられ
る。まず、電解質層を燃料極と空気極で挟み込んで発電
要素とする。そして燃料極には、一方の表面に燃料通路
が形成され、他方の表面に空気通路が形成されているセ
パレータの前記燃料通路側の表面を重ね合わせ、また空
気極には、別のセパレータの空気通路側の表面を重ね合
わせる。そして、前者のセパレータの空気通路側の表面
に別の発電要素の空気極側を配置し、後者のセパレータ
の燃料通路側の表面に更に別の発電要素の燃料極側を配
置する。
いる燃料電池は、概ね、次のようにして組み立てられ
る。まず、電解質層を燃料極と空気極で挟み込んで発電
要素とする。そして燃料極には、一方の表面に燃料通路
が形成され、他方の表面に空気通路が形成されているセ
パレータの前記燃料通路側の表面を重ね合わせ、また空
気極には、別のセパレータの空気通路側の表面を重ね合
わせる。そして、前者のセパレータの空気通路側の表面
に別の発電要素の空気極側を配置し、後者のセパレータ
の燃料通路側の表面に更に別の発電要素の燃料極側を配
置する。
【0003】このようにして、セパレータを介して発電
要素が次々と積層されて所定段数の燃料電池が組み立て
られる。このような燃料電池に組み込まれるセパレータ
の材料としては、電解質に対する耐食性が優れ、低抵抗
で導電性が優れているということから、従来、黒鉛材料
が主流であった。
要素が次々と積層されて所定段数の燃料電池が組み立て
られる。このような燃料電池に組み込まれるセパレータ
の材料としては、電解質に対する耐食性が優れ、低抵抗
で導電性が優れているということから、従来、黒鉛材料
が主流であった。
【0004】ところで最近は車搭載用の燃料電池の開発
研究も盛んに行われているが、その場合、燃料電池の小
型化ということが重要な課題になっている。そしてその
ためには、前記した発電要素やセパレータの薄形化が必
要になる。しかしながら、黒鉛セパレータを薄くしてい
くと、燃料である水素が透過してしまい、セパレータと
しての機能喪失を招くので、その厚みは5mm程度が限界
であるとされている。同時に、燃料や空気の通路の加工
が非常に困難となって非常に高コスト化するという問題
がある。
研究も盛んに行われているが、その場合、燃料電池の小
型化ということが重要な課題になっている。そしてその
ためには、前記した発電要素やセパレータの薄形化が必
要になる。しかしながら、黒鉛セパレータを薄くしてい
くと、燃料である水素が透過してしまい、セパレータと
しての機能喪失を招くので、その厚みは5mm程度が限界
であるとされている。同時に、燃料や空気の通路の加工
が非常に困難となって非常に高コスト化するという問題
がある。
【0005】このようなことから、最近では、薄い金属
板で製造したセパレータが提案されはじめている。代表
的な金属セパレータの1例を図10に示す。この金属セ
パレータは、1枚の金属板1Aの周縁部を枠状に残し、
その周縁部を除いた箇所に、後述する複数の溝部と台形
部が交互に平行配列した構造になっている。
板で製造したセパレータが提案されはじめている。代表
的な金属セパレータの1例を図10に示す。この金属セ
パレータは、1枚の金属板1Aの周縁部を枠状に残し、
その周縁部を除いた箇所に、後述する複数の溝部と台形
部が交互に平行配列した構造になっている。
【0006】図10のXI−XI線に沿う断面の一部を図1
1に示す。なお、図11では、金属セパレータ1の両面
にそれぞれ発電要素が積層された状態を仮想線で示して
いる。この金属セパレータ1は溝部Aと台形部Bを有し
ている。溝部Aと台形部Bの断面形状は同じになってい
て、これらは紙面と直交する方向に互いに平行に延びて
いる。そして、燃料電池の組み立て時にあっては、溝部
Aの開口は燃料極で封じられ、台形部Bの頂部b1は燃
料極と接触している。また台形部Bの開口は空気極で封
じられ、溝部Aの底部a1は空気極と接触する。したが
って、溝部Aは燃料通路として機能し、台形部Bの内部
は空気通路として機能する。
1に示す。なお、図11では、金属セパレータ1の両面
にそれぞれ発電要素が積層された状態を仮想線で示して
いる。この金属セパレータ1は溝部Aと台形部Bを有し
ている。溝部Aと台形部Bの断面形状は同じになってい
て、これらは紙面と直交する方向に互いに平行に延びて
いる。そして、燃料電池の組み立て時にあっては、溝部
Aの開口は燃料極で封じられ、台形部Bの頂部b1は燃
料極と接触している。また台形部Bの開口は空気極で封
じられ、溝部Aの底部a1は空気極と接触する。したが
って、溝部Aは燃料通路として機能し、台形部Bの内部
は空気通路として機能する。
【0007】ここで、溝部Aの底部a1と台形部Bの頂
部b1は、いずれも、発電要素のそれぞれの極との接触
面積を大きくして発電要素からの電流を効率よく取り出
すために平坦な面になっている。また溝部Aの側面a2
は底部a1から角度θで立ち上がる平坦な傾斜面になっ
ている。この金属セパレータは金型を用いた塑性加工で
製造することができる。例えば、図12で示したよう
に、型面2a,2bが目的とする金属セパレータの溝部
(または台形部)と同じ形状になっている一対の金型2
A,2Bの間に所望厚み(例えば2μm)の金属板1A
を配置したのち、金型2A,2Bで1度にプレス成形す
ればよい。
部b1は、いずれも、発電要素のそれぞれの極との接触
面積を大きくして発電要素からの電流を効率よく取り出
すために平坦な面になっている。また溝部Aの側面a2
は底部a1から角度θで立ち上がる平坦な傾斜面になっ
ている。この金属セパレータは金型を用いた塑性加工で
製造することができる。例えば、図12で示したよう
に、型面2a,2bが目的とする金属セパレータの溝部
(または台形部)と同じ形状になっている一対の金型2
A,2Bの間に所望厚み(例えば2μm)の金属板1A
を配置したのち、金型2A,2Bで1度にプレス成形す
ればよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した製
造方法の場合、次のような問題がある。図12の金型成
形(以後、一発成形という)においては、図13で示し
たように、まず、金型2Bの台形部が金型2Aの溝部に
位置する金属板1Aの部分と接触する。ついで、その部
分を金型2Aの溝部に一気に押し込んで目的とする凹凸
形状が成形される。
造方法の場合、次のような問題がある。図12の金型成
形(以後、一発成形という)においては、図13で示し
たように、まず、金型2Bの台形部が金型2Aの溝部に
位置する金属板1Aの部分と接触する。ついで、その部
分を金型2Aの溝部に一気に押し込んで目的とする凹凸
形状が成形される。
【0009】その場合、金属板1Aにおける部分1aは
大きく延伸されて図11で示した溝部A(台形部B)に
おける傾斜面a2(b2)に成形され、また部分1bはあ
まり延伸されずに溝部A(台形部B)における底面a1
(頂部b1)に成形される。すなわち、一発成形時にあ
っては、金属板1Aは全体として一様に延伸されている
のではなく、傾斜面に成形される箇所を中心にして局部
的な伸びが発生している。
大きく延伸されて図11で示した溝部A(台形部B)に
おける傾斜面a2(b2)に成形され、また部分1bはあ
まり延伸されずに溝部A(台形部B)における底面a1
(頂部b1)に成形される。すなわち、一発成形時にあ
っては、金属板1Aは全体として一様に延伸されている
のではなく、傾斜面に成形される箇所を中心にして局部
的な伸びが発生している。
【0010】そのため、傾斜面に成形される箇所には歪
みが集中し、そこに局部的な伸びが集中し、破断が発生
しやすい。とくに、図10で示した金属セパレータの場
合、枠状の周縁部を残した状態で複数の溝部Aと台形部
Bを一発成形で形成するので、金属板1Aの上記した局
部的な伸びは顕著となり、破断が頻発してくる。
みが集中し、そこに局部的な伸びが集中し、破断が発生
しやすい。とくに、図10で示した金属セパレータの場
合、枠状の周縁部を残した状態で複数の溝部Aと台形部
Bを一発成形で形成するので、金属板1Aの上記した局
部的な伸びは顕著となり、破断が頻発してくる。
【0011】また、用いる金属板1Aが冷間圧延材であ
る場合には、圧延時の歪みは残留していてその変形能が
低いので、1発成形時に破断が起こりやすく、目的とす
る金属セパレータの製造歩留まりが低くなる。本発明は
一発成形で溝付き板材を製造する際の上記した問題を解
決し、成形時における金属板の破断はほとんど発生せ
ず、高い歩留まりで溝付き板材を製造する方法と、その
方法で製造された溝付き板材を提供する。
る場合には、圧延時の歪みは残留していてその変形能が
低いので、1発成形時に破断が起こりやすく、目的とす
る金属セパレータの製造歩留まりが低くなる。本発明は
一発成形で溝付き板材を製造する際の上記した問題を解
決し、成形時における金属板の破断はほとんど発生せ
ず、高い歩留まりで溝付き板材を製造する方法と、その
方法で製造された溝付き板材を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、表面が平坦な面になってい
る複数の溝部を金属板に形成する溝付き板材の製造方法
であって、波形形状の型面を有する第1金型で前記金属
板を予備成形して波形形状に変形した板材とし、つい
で、形成目標の溝部と同一形状の型面を有する第2金型
で前記板材を本成形することを特徴とする溝付き板材の
製造方法が提供される。
ために、本発明においては、表面が平坦な面になってい
る複数の溝部を金属板に形成する溝付き板材の製造方法
であって、波形形状の型面を有する第1金型で前記金属
板を予備成形して波形形状に変形した板材とし、つい
で、形成目標の溝部と同一形状の型面を有する第2金型
で前記板材を本成形することを特徴とする溝付き板材の
製造方法が提供される。
【0013】その場合、前記第1金型の波形形状におけ
る山部と谷部との高さ距離は、形成目標の溝部の深さよ
りも大きくなっており、また、前記第1金型の波形形状
における前記山部の頂点と前記谷部の最低点の近傍は、
いずれも、曲率0.3mm以上の曲線形状になっている。
また、本発明においては、上記した方法で製造された溝
付き板材であって、底面と側面がいずれも平坦な面にな
っている複数の溝部が互いに平行して金属板に形成され
ており、前記溝部の折曲部位近傍における硬度が、平均
硬度の−40%〜+40%の範囲内にあることを特徴と
する溝付き板材が提供される。
る山部と谷部との高さ距離は、形成目標の溝部の深さよ
りも大きくなっており、また、前記第1金型の波形形状
における前記山部の頂点と前記谷部の最低点の近傍は、
いずれも、曲率0.3mm以上の曲線形状になっている。
また、本発明においては、上記した方法で製造された溝
付き板材であって、底面と側面がいずれも平坦な面にな
っている複数の溝部が互いに平行して金属板に形成され
ており、前記溝部の折曲部位近傍における硬度が、平均
硬度の−40%〜+40%の範囲内にあることを特徴と
する溝付き板材が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は金属板に2段階の金型成
形を行って、当該金属板に底面と側面がいずれも平坦な
面になっている複数の溝部を形成する方法である。ま
ず、図1で示したように、型面20a,20bが同一の
波形形状になっている一対の第1金型20A,20Bの
間に金属板1Aを配置したのち、第1金型20A,20
Bで1度にプレス成形する(予備成形)。
形を行って、当該金属板に底面と側面がいずれも平坦な
面になっている複数の溝部を形成する方法である。ま
ず、図1で示したように、型面20a,20bが同一の
波形形状になっている一対の第1金型20A,20Bの
間に金属板1Aを配置したのち、第1金型20A,20
Bで1度にプレス成形する(予備成形)。
【0015】この予備成形時においては、図2で示した
ように、まず金型20Aの波形形状の型面20aにおけ
る山部20a1の頂点20a2が、金型20Bの型面20
bにおける谷部20b1の最低点20b2の直上に位置す
る金属板1Aの部分と接触し、ついで、その部分を一気
に谷部2b1に押し込んで成形が終了する。その結果、
金属板1Aは、図3で示したように、金型の型面と同じ
波形形状をした板材1A1に変形する。
ように、まず金型20Aの波形形状の型面20aにおけ
る山部20a1の頂点20a2が、金型20Bの型面20
bにおける谷部20b1の最低点20b2の直上に位置す
る金属板1Aの部分と接触し、ついで、その部分を一気
に谷部2b1に押し込んで成形が終了する。その結果、
金属板1Aは、図3で示したように、金型の型面と同じ
波形形状をした板材1A1に変形する。
【0016】この予備成形において、金型20Aの型面
20aにおける山部20a1の頂点20a2の両脇に位置
する金属板の部分1a,1aが両金型の型面に沿う状態
で比較的均一に延伸されるので、図13で示した従来の
一発成形の場合のような局部的に集中した伸びは発生し
ていない。したがって、図3で示した板材1A1は、一
対の第1金型の型面と同一形状になっているが、そこで
は伸びが局部的に集中した状態になっておらず、全体と
して均一な伸び加工が施されており、破断の発生が抑制
されている。
20aにおける山部20a1の頂点20a2の両脇に位置
する金属板の部分1a,1aが両金型の型面に沿う状態
で比較的均一に延伸されるので、図13で示した従来の
一発成形の場合のような局部的に集中した伸びは発生し
ていない。したがって、図3で示した板材1A1は、一
対の第1金型の型面と同一形状になっているが、そこで
は伸びが局部的に集中した状態になっておらず、全体と
して均一な伸び加工が施されており、破断の発生が抑制
されている。
【0017】予備成形で得られた板材1A1を、次に、
図4で示したように、目標形状の溝部(または台形部)
が型面2a,2bに形成されている一対の第2金型2
A,2Bの間に配置してプレス成形する(本成形)。そ
の場合、板材1A1の山部は金型2Aの溝部に、また板
材1A1の谷部は金型2Aの山部を受容するように位置
合わせをする。
図4で示したように、目標形状の溝部(または台形部)
が型面2a,2bに形成されている一対の第2金型2
A,2Bの間に配置してプレス成形する(本成形)。そ
の場合、板材1A1の山部は金型2Aの溝部に、また板
材1A1の谷部は金型2Aの山部を受容するように位置
合わせをする。
【0018】この本成形においては、均一な伸び加工状
態にある板材1A1は金型2A,2Bで圧縮成形される
ので、板材の破断は全く起こらないで成形が進み、図1
1で示したように、底面a1(頂部b1)と傾斜面a
2(b2)がいずれも平坦な面になっている溝部A(また
は台形部B)が形成される。ここで、予備成形で用いる
第1金型の型面における波形形状の山部20a1の頂点
20a2(または谷部20b1の最低点20b)の近傍
は、曲率が0.3mm以上である曲面形状となるように設
計される。
態にある板材1A1は金型2A,2Bで圧縮成形される
ので、板材の破断は全く起こらないで成形が進み、図1
1で示したように、底面a1(頂部b1)と傾斜面a
2(b2)がいずれも平坦な面になっている溝部A(また
は台形部B)が形成される。ここで、予備成形で用いる
第1金型の型面における波形形状の山部20a1の頂点
20a2(または谷部20b1の最低点20b)の近傍
は、曲率が0.3mm以上である曲面形状となるように設
計される。
【0019】曲率が0.3mmより小さい場合は、鋭角で
ありすぎて、予備成形時に金属板を突き破るという事態
が起こりやすいからである。また、第1金型の波形形状
においては、谷部20b1の最低点20b2と山部20a
1の頂点20a2との垂直方向における高さ距離(h)
は、目標とする溝部の深さ(または台形部の高さ):H
に対し、50〜150%程度の値に設計される。本成形
に板材1A1の頂部近傍は幅方向に張り出して例えば山
部の高さは低くなるからである。
ありすぎて、予備成形時に金属板を突き破るという事態
が起こりやすいからである。また、第1金型の波形形状
においては、谷部20b1の最低点20b2と山部20a
1の頂点20a2との垂直方向における高さ距離(h)
は、目標とする溝部の深さ(または台形部の高さ):H
に対し、50〜150%程度の値に設計される。本成形
に板材1A1の頂部近傍は幅方向に張り出して例えば山
部の高さは低くなるからである。
【0020】第1金型の型面における波形形状の好適例
としては、sin曲線に類似した形状をあげることができ
る。本発明を適用することにより、金属板の変形能が小
さく、かつ薄い冷間圧延材である場合であっても、破断
の発生を抑制して、微細で多数の溝部を形成することが
できる。例えば、オーステナイト系の薄いSUS板にA
u,Pd、またはPtから成る数10nm程度の薄層をめ
っき形成したのち5%以上の圧下率で冷間圧延して製造
した厚み0.15mm程度のクラッド板に対しても、複数
の溝部を形成して燃料電池用の金属セパレータを製造す
ることができる。
としては、sin曲線に類似した形状をあげることができ
る。本発明を適用することにより、金属板の変形能が小
さく、かつ薄い冷間圧延材である場合であっても、破断
の発生を抑制して、微細で多数の溝部を形成することが
できる。例えば、オーステナイト系の薄いSUS板にA
u,Pd、またはPtから成る数10nm程度の薄層をめ
っき形成したのち5%以上の圧下率で冷間圧延して製造
した厚み0.15mm程度のクラッド板に対しても、複数
の溝部を形成して燃料電池用の金属セパレータを製造す
ることができる。
【0021】ところで、図11で示したような底面a1
と傾斜面a2のいずれもが平坦な面になっている溝部
(または台形部)を金型で一発成形すると、溝部(また
は台形部)における折曲部位は強加工されるため、当該
部位の硬度は他の箇所に比べて非常に高くなり、全体と
しての硬度のばらつきは大きくなる。しかしながら、本
発明の場合のように、一旦、予備成形を行ってから本成
形で上記した形状の溝部(または台形部)を形成する
と、溝部(または台形部)における折曲部位は上記した
ような強加工を受けることがないため、当該部位の硬度
は、他の箇所の硬度より高いとはいえ、上記した一発成
形時の場合よりも低く、したがって、全体としての硬度
のばらつきは小さくなる。
と傾斜面a2のいずれもが平坦な面になっている溝部
(または台形部)を金型で一発成形すると、溝部(また
は台形部)における折曲部位は強加工されるため、当該
部位の硬度は他の箇所に比べて非常に高くなり、全体と
しての硬度のばらつきは大きくなる。しかしながら、本
発明の場合のように、一旦、予備成形を行ってから本成
形で上記した形状の溝部(または台形部)を形成する
と、溝部(または台形部)における折曲部位は上記した
ような強加工を受けることがないため、当該部位の硬度
は、他の箇所の硬度より高いとはいえ、上記した一発成
形時の場合よりも低く、したがって、全体としての硬度
のばらつきは小さくなる。
【0022】本発明方法を適用すると、最終的に成形さ
れた溝部(または台形部)において、その折曲部位の硬
度は、板材全体の硬度の平均値に対し−40%〜+40
%の範囲内にあり、ばらつきは小さくなっている。
れた溝部(または台形部)において、その折曲部位の硬
度は、板材全体の硬度の平均値に対し−40%〜+40
%の範囲内にあり、ばらつきは小さくなっている。
【0023】
【実施例】実施例1〜4,比較例1,2
次のような金属セパレータを成形目標とした。まず、成
形する溝部は、図5で示したように、溝部A−A間のピ
ッチは2.7mm,溝部Aの深さH(および台形部Bの高
さ)は0.7mm,溝部Aの底部a1と台形部Bの頂部b1
の幅はいずれも0.9mm,傾斜面の角度θはtan-1(0.
7/0.45),溝部Aの折曲部位の曲率は0.05mm,
台形部Bの折曲部位の曲率は0.25mmとする。
形する溝部は、図5で示したように、溝部A−A間のピ
ッチは2.7mm,溝部Aの深さH(および台形部Bの高
さ)は0.7mm,溝部Aの底部a1と台形部Bの頂部b1
の幅はいずれも0.9mm,傾斜面の角度θはtan-1(0.
7/0.45),溝部Aの折曲部位の曲率は0.05mm,
台形部Bの折曲部位の曲率は0.25mmとする。
【0024】一方、金属板として、板厚が0.2mmで硬
度(HV)が170〜180であるSUS316板と、
SUS316板に厚み40nmのAuをめっきしたのち1
5%の圧下率で冷間圧延し、板厚が0.2mmで、硬度
(HV)が310〜330であるクラッド板の2種類を
用意した。また、予備成形用の第1金型として、型面が
図6で示した波形形状になっている一対の金型(1),
型面が図7で示した波形形状になっている一対の金型
(2)、および型面が図8で示した波形形状になってい
る一対の金型(3)を用意した。
度(HV)が170〜180であるSUS316板と、
SUS316板に厚み40nmのAuをめっきしたのち1
5%の圧下率で冷間圧延し、板厚が0.2mmで、硬度
(HV)が310〜330であるクラッド板の2種類を
用意した。また、予備成形用の第1金型として、型面が
図6で示した波形形状になっている一対の金型(1),
型面が図7で示した波形形状になっている一対の金型
(2)、および型面が図8で示した波形形状になってい
る一対の金型(3)を用意した。
【0025】各第1金型で金属板を予備成形したのち、
得られた板材に、型面が図5で示した形状になっている
一対の金型で本成形を行って溝付き板材を成形した。比
較のために、型面が図5と同じ形状の金型を用いて一発
成形を行い、溝付き板材を製造した。得られた板材につ
き、溝部(および台形部)における破断の有無を目視観
察した。1個も破断が認められない場合を○,1個でも
破断が認められた場合を×とした。
得られた板材に、型面が図5で示した形状になっている
一対の金型で本成形を行って溝付き板材を成形した。比
較のために、型面が図5と同じ形状の金型を用いて一発
成形を行い、溝付き板材を製造した。得られた板材につ
き、溝部(および台形部)における破断の有無を目視観
察した。1個も破断が認められない場合を○,1個でも
破断が認められた場合を×とした。
【0026】その結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、HV:170〜
180のSUS316板に対しては、いずれの金型を用
いた場合であっても破断を生ずることなく目標とする溝
付き板材を製造することができる。一方、HV:310
〜330と高硬度のクラッド板に対しては、金型(1)
を用いた予備成形を行っても、その山部の頂点が鋭角で
あるため破断が生じている。しかしながら、山部の頂点
の曲率が大きい金型(2)と金型(3)を用いれば、破
断を生ずることなく、目的とする溝付き板材を製造する
ことができる。
180のSUS316板に対しては、いずれの金型を用
いた場合であっても破断を生ずることなく目標とする溝
付き板材を製造することができる。一方、HV:310
〜330と高硬度のクラッド板に対しては、金型(1)
を用いた予備成形を行っても、その山部の頂点が鋭角で
あるため破断が生じている。しかしながら、山部の頂点
の曲率が大きい金型(2)と金型(3)を用いれば、破
断を生ずることなく、目的とする溝付き板材を製造する
ことができる。
【0029】次に、厚みが0.2mmでHV値が248で
あるSUS316板を用い、図5で示した型面の金型を
用いた一発成形を行って板材(比較例2)を製造し、ま
た図7で示した型面の金型を用いた本発明方法を行って
板材(実施例4)を製造し、各板材につき、5本の溝部
と5本の台形部の各箇所における硬度(HV)を測定し
た。全ての箇所で測定された硬度の平均値を図9に示し
た。また、板材の平均硬度,(最大硬度−平均硬度)×
100/平均硬度,(最小硬度−平均硬度)×100/
平均硬度を表2に示した。
あるSUS316板を用い、図5で示した型面の金型を
用いた一発成形を行って板材(比較例2)を製造し、ま
た図7で示した型面の金型を用いた本発明方法を行って
板材(実施例4)を製造し、各板材につき、5本の溝部
と5本の台形部の各箇所における硬度(HV)を測定し
た。全ての箇所で測定された硬度の平均値を図9に示し
た。また、板材の平均硬度,(最大硬度−平均硬度)×
100/平均硬度,(最小硬度−平均硬度)×100/
平均硬度を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】図9と表2から明らかなように、本発明方
法は、従来の一発成形に比べて、製造された板材におけ
る折曲部位の硬度は低く、かつ、そのばらつきが小さく
なっている。
法は、従来の一発成形に比べて、製造された板材におけ
る折曲部位の硬度は低く、かつ、そのばらつきが小さく
なっている。
【0032】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、底面と側面がいずれも平坦な面になっている溝部と
台形部を1枚の金属板に成形する際に、波形形状の型面
を有する金型を用いて金属板を一旦予備成形したのち、
正規形状の型面の金型で本成形を行っているので、溝部
の傾斜面における伸びの集中が抑制されて従来の一発成
形で起こっていた金属板の破断は発生しなくなり、設計
目標の溝付き板材を高い歩留まりで製造することができ
る。
は、底面と側面がいずれも平坦な面になっている溝部と
台形部を1枚の金属板に成形する際に、波形形状の型面
を有する金型を用いて金属板を一旦予備成形したのち、
正規形状の型面の金型で本成形を行っているので、溝部
の傾斜面における伸びの集中が抑制されて従来の一発成
形で起こっていた金属板の破断は発生しなくなり、設計
目標の溝付き板材を高い歩留まりで製造することができ
る。
【0033】本発明は、燃料電池に組み込まれる金属セ
パレータの製造に適用して極めて有効である。
パレータの製造に適用して極めて有効である。
【図1】本発明の予備成形時に用いる金型例を示す断面
図である。
図である。
【図2】予備成形によって得られた板材を示す断面図で
ある。
ある。
【図3】予備成形時に金属板の破断が抑制される理由を
説明するための説明図である。
説明するための説明図である。
【図4】本発明の本成形を示す断面図である。
【図5】実施例で目標とする溝部と台形部の寸法形状の
仕様を説明する説明図である。
仕様を説明する説明図である。
【図6】予備成形で用いる金型(1)の型面の波形形状
を示す図である。
を示す図である。
【図7】予備成形で用いる金型(2)の型面の波形形状
を示す図である。
を示す図である。
【図8】予備成形で用いる金型(3)の型面の波形形状
を示す図である。
を示す図である。
【図9】実施例4の板材と比較例2の板材の硬度分布を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図10】金属セパレータの1例を示す斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】従来の一発成形を示す断面図である。
【図13】一発成形で傾斜面に伸びが集中する理由を説
明する説明図である。
明する説明図である。
1A 金属板
1A1 予備成形で得られた板材
A 溝部
B 台形部
2A,2B 目標形状の型面を有する金型
2a,2b 金型2A,2Bの型面
20A,20B 型面が波形形状をしている金型
20a,20b 金型20A,20Bの型面
20a1 山部
20a2 山部20a1の頂点
20b1 谷部
20b2 谷部20b1の最低点
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 久田 建男
愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地
大同特殊鋼株式会社技術開発研究所内
(72)発明者 高木 忍
愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地
大同特殊鋼株式会社技術開発研究所内
Fターム(参考) 5H026 AA02 BB02 BB04 CC03 CC05
EE02 HH00 HH03 HH05
Claims (7)
- 【請求項1】 表面が平坦な面になっている複数の溝部
を金属板に形成する溝付き板材の製造方法であって、 波形形状の型面を有する第1金型で前記金属板を予備成
形して波形形状に変形した板材とし、ついで、 形成目標の溝部と同一形状の型面を有する第2金型で前
記板材を本成形することを特徴とする溝付き板材の製造
方法。 - 【請求項2】 前記第1金型の波形形状における山部と
谷部との高さ距離は、形成目標の溝部の深さよりも大き
くなっている請求項1の溝付き板材の製造方法。 - 【請求項3】 前記第1金型の波形形状における前記山
部の頂点と前記谷部の最低点の近傍は、いずれも、曲率
0.3mm以上の曲線形状になっている請求項1または2
の溝付き板材の製造方法。 - 【請求項4】 前記溝部は、前記金属板の周縁部を除く
箇所に形成されている請求項1〜3のいずれかの溝付き
板材の製造方法。 - 【請求項5】 前記金属板は、Au,Pt、またはPd
から成る薄層が表面に形成され、かつ、5%以上の圧下
率で冷間圧延されたクラッド板である請求項1〜4のい
ずれかの溝付き板材の製造方法。 - 【請求項6】 底面と側面がいずれも平坦な面になって
いる複数の溝部が互いに平行して金属板に形成されてお
り、前記溝部の折曲部位近傍における硬度が、平均硬度
の−40%〜+40%の範囲内にあることを特徴とする
溝付き板材。 - 【請求項7】 燃料電池に組み込まれる金属セパレータ
である請求項6の溝付き板材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002048391A JP2003249238A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 溝付き板材の製造方法、その方法で製造された溝付き板材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002048391A JP2003249238A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 溝付き板材の製造方法、その方法で製造された溝付き板材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003249238A true JP2003249238A (ja) | 2003-09-05 |
Family
ID=28661204
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002048391A Pending JP2003249238A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 溝付き板材の製造方法、その方法で製造された溝付き板材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003249238A (ja) |
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2372824A1 (fr) * | 2010-03-30 | 2011-10-05 | L'AIR LIQUIDE, Société Anonyme pour l'Etude et l'Exploitation des Procédés Georges Claude | Plaque de pile à combustible, cellule et pile correspondantes |
| JP2013008701A (ja) * | 2012-10-05 | 2013-01-10 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池用セパレータの製造方法 |
| US8895208B2 (en) | 2009-12-22 | 2014-11-25 | Topsoe Fuel Cell A/S | Manufacture and calibration process for an interconnect for a fuel cell or a cell stack |
| JP2014231075A (ja) * | 2013-05-29 | 2014-12-11 | トヨタ自動車株式会社 | プレス成形方法 |
| WO2014196277A1 (ja) * | 2013-06-04 | 2014-12-11 | 日産自動車株式会社 | セパレータの歪みを除去する成形方法およびセパレータの歪みを除去する成形装置 |
| JP2017001072A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 株式会社三井ハイテック | 金属板の成形方法及びこれに用いる成形装置 |
| JP2017064775A (ja) * | 2015-10-02 | 2017-04-06 | 株式会社三井ハイテック | プレス加工装置及びプレス加工方法 |
| DE112016004387T5 (de) | 2015-09-28 | 2018-06-21 | Mitsui High-Tec, Inc. | Separatorherstellungsverfahren |
| CN110125249A (zh) * | 2018-02-09 | 2019-08-16 | 株式会社三井高科技 | 金属成形体的制造方法 |
| CN116154208A (zh) * | 2022-12-11 | 2023-05-23 | 同济大学 | 燃料电池用高精度高耐蚀钛双极板及其制备方法、模具组件 |
| US12311425B2 (en) | 2020-06-29 | 2025-05-27 | Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha | Workpiece production apparatus |
-
2002
- 2002-02-25 JP JP2002048391A patent/JP2003249238A/ja active Pending
Cited By (18)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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