JP2003251801A - インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置

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JP2003251801A
JP2003251801A JP2002057144A JP2002057144A JP2003251801A JP 2003251801 A JP2003251801 A JP 2003251801A JP 2002057144 A JP2002057144 A JP 2002057144A JP 2002057144 A JP2002057144 A JP 2002057144A JP 2003251801 A JP2003251801 A JP 2003251801A
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Japan
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ink jet
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recording head
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JP2002057144A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kamei
宏行 亀井
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子の湿気等の外部環境に起因する動作
不良を防止したインクジェット式記録ヘッド及びその製
造方法並びにインクジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通する圧力発生室12が
形成される流路形成基板10と、流路形成基板10の一
方面側に設けられて圧力発生室12内に圧力変化を生じ
させる圧電素子300とを具備するインクジェット式記
録ヘッドにおいて、流路形成基板10の圧電素子300
側に接合されて圧電素子300の運動を阻害しない程度
の空間を確保する圧電素子保持部31と、圧電素子保持
部31と外部とを連通する少なくとも一つの連通孔32
とを有する封止基板30を具備し、封止基板30の連通
孔32の開口部を含む領域に圧電素子300を駆動する
駆動IC110を接合すると共に、この駆動IC110
によって連通孔32を封止することによって、圧電素子
保持部31が確実に密封状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに圧電素子を圧電材料のスパッタリングにより構成し
た場合には、グリーンシートを焼成して構成されたもの
と略同一電圧で駆動すると、圧電素子が薄い分だけ高い
電界が印加され、大気中の湿気を吸収した場合には駆動
電極間のリーク電流が増加しやすく、ついには絶縁破壊
に至るという問題を抱えている。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、圧電素
子の湿気等の外部環境に起因する動作不良を防止したイ
ンクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにイン
クジェット式記録装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側
に設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる
圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにお
いて、前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合されて
当該圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保する
圧電素子保持部と該圧電素子保持部と外部とを連通する
少なくとも一つの連通孔とを有する封止基板を具備し、
該封止基板の前記連通孔の開口部を含む領域に前記圧電
素子を駆動する駆動ICが接合されると共に該駆動IC
によって前記連通孔が封止されていることを特徴とする
インクジェット式記録ヘッドにある。
【0010】かかる第1の態様では、圧電素子を圧電素
子保持部内に比較的容易に密封することができ、外部環
境に起因する圧電素子の動作不良を防止したインクジェ
ット式記録ヘッドを実現できる。また、連通孔を封止基
板の駆動ICが接合される領域に形成すればよいため、
ヘッドを小型化することができる。
【0011】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記駆動ICが前記封止基板に接着剤によって接合
され、且つこの接着剤が前記連通孔内に充填されている
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0012】かかる第2の態様では、接着剤によって連
通孔が確実に封止されるため、圧電素子保持部内を容易
且つ確実に密封することができる。
【0013】本発明の第3の態様は、第2の態様におい
て、前記圧電素子保持部が、大気圧よりも低い気圧で密
封されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
【0014】かかる第3の態様では、連通孔を封止する
封止部材の一部が連通孔内に引き込まれるため、圧電素
子保持部をより確実に密封することができる。
【0015】本発明の第4の態様は、第3の態様におい
て、前記連通孔の一部が、前記封止基板の前記流路形成
基板との接合面に形成される溝部で構成されていること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0016】かかる第4の態様では、溝部の形状及び長
さを調整することにより、封止部材が連通孔内に引き込
まれる量が制御される。
【0017】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記圧電素子保持部に、乾燥流体が充
填されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
【0018】かかる第5の態様では、圧電素子が乾燥流
体雰囲気中に保持されるので、外部環境の変化に起因す
る動作不良がより確実に防止される。
【0019】本発明の第6の態様は、第5の態様におい
て、前記乾燥流体が、不活性ガスであることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0020】かかる第6の態様では、圧電素子が不活性
ガス雰囲気中に保持され、外部環境変化の影響を受ける
ことがない。
【0021】本発明の第7の態様は、第5の態様におい
て、前記乾燥流体が、酸化性ガスを含有することを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0022】かかる第7の態様では、主に酸化物から形
成される圧電体層の劣化が防止される。
【0023】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板
に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各
層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであ
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0024】かかる第8の態様では、高密度のノズル開
口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比
較的容易に製造することができる。
【0025】本発明の第9の態様は、第1〜8何れかの
態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特
徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0026】かかる第9の態様では、ヘッドの信頼性を
向上したインクジェット式記録装置を実現できる。
【0027】本発明の第10の態様は、ノズル開口に連
通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路
形成基板の一方面側に設けられて前記圧力発生室内に圧
力変化を生じさせる圧電素子とを具備するインクジェッ
ト式記録ヘッドの製造方法において、前記流路形成基板
の前記圧電素子側に当該圧電素子の運動を阻害しない程
度の空間を確保した圧電素子保持部と該圧電素子保持部
と外部とを連通する連通孔を有する接合基板を接合して
接合体を形成する第1の工程と、該接合体を所定の密封
空間に配置すると共にこの密封空間の湿度を低下させる
第2の工程と、前記接合体を構成する前記封止基板上の
前記連通孔の開口部を含む領域に前記圧電素子を駆動す
る駆動ICを接着すると共に該駆動ICによって前記連
通孔の開口部を封止する第3の工程とを有することを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法にあ
る。
【0028】かかる第10の態様では、駆動ICの接合
と同時に連通孔が封止されるため、圧電素子保持部が容
易且つ確実に封止されると共に、製造工程が簡略化され
る。
【0029】本発明の第11の態様は、第10の態様に
おいて、前記第2の工程では、前記密封空間内を真空状
態とすることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
の製造方法にある。
【0030】かかる第11の態様では、圧電素子保持部
内が低湿度に保持される。また、駆動ICを接着する際
に接着剤が連通孔内に引き込まれるため、連通孔がより
確実に封止される。
【0031】本発明の第12の態様は、第10又は11
の態様において、前記第2の工程では、前記密封空間内
に乾燥流体を充填することを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドの製造方法にある。
【0032】かかる第12の態様では、圧電素子保持部
内に乾燥流体が充填されるため、圧電素子が乾燥流体雰
囲気中に保持され、外部環境に起因する圧電素子の動作
不良が防止される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0034】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドの概略を示す分解
斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図であ
る。
【0035】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸
化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形
成されている。
【0036】この流路形成基板10には、シリコン単結
晶基板をその一方面側から異方性エッチングすることに
より、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室1
2が幅方向に並設されている。また、その長手方向外側
には、後述する封止基板30のリザーバ部35と連通さ
れる連通部13が形成されている。また、この連通部1
3は、各圧力発生室12の長手方向一端部でそれぞれイ
ンク供給路14を介して連通されている。
【0037】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われ
る。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をK
OH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて
(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1
の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(11
0)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが
出現し、(110)面のエッチングレートと比較して
(111)面のエッチングレートが約1/180である
という性質を利用して行われる。かかる異方性エッチン
グにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第
2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加
工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室
12を高密度に配列することができる。
【0038】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
【0039】なお、このような圧力発生室12等が形成
される流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配
設する密度に合わせて最適な厚さを選択することが好ま
しい。例えば、1インチ当たり180個(180dp
i)程度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形
成基板10の厚さは、180〜280μm程度、より望
ましくは、220μm程度とするのが好適である。ま
た、例えば、360dpi程度と比較的高密度に圧力発
生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さ
は、100μm以下とするのが好ましい。これは、隣接
する圧力発生室12間の隔壁11の剛性を保ちつつ、配
列密度を高くできるからである。
【0040】この流路形成基板10の開口面側には、各
圧力発生室12とインク供給路14とは反対側で連通す
るノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接
着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10
と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよ
い。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート
20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の
接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0041】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
【0042】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をい
う。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を
共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発
生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここ
ではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層
70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪
みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
【0043】また、圧電素子300の上電極膜80の長
手方向一端部近傍から流路形成基板10の端部近傍ま
で、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が延
設されている。そして、このリード電極90は、その端
部近傍で後述する駆動ICと電気的に接続されている。
【0044】また、流路形成基板10の圧電素子300
側には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間
を確保した状態でその空間を密封可能な圧電素子保持部
31を有する封止基板30が接着されている。
【0045】封止基板30としては、例えば、ガラス、
セラミック材料等の流路形成基板10の熱膨張率と略同
一の材料を用いることが好ましく、本実施形態では、流
路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用い
て形成した。
【0046】この封止基板30には、圧電素子保持部3
1と外部とを連通する連通孔32が設けられ、本実施形
態では、この連通孔32の一部は、封止基板30の流路
形成基板10との接合面に設けられた溝部33で構成さ
れている。
【0047】また、封止基板30上には、圧電素子30
0を駆動するための駆動IC110が接着剤120によ
って固定されており、連通孔32の開口部は、この駆動
IC110によって封止されている。なお、この駆動I
C110は、封止基板30の圧電素子保持部31の外側
に設けられた貫通孔34を介して延設されたボンディン
グワイヤ等からなる駆動配線(図示なし)によって、各
リード電極90とそれぞれ電気的に接続される。
【0048】また、このように駆動IC110で封止さ
れた連通孔32内には、詳しくは後述するが、駆動IC
110を封止基板30に接着するための接着剤120が
入り込んでおり、連通孔32はこの接着剤120によっ
て完全に密封されている。
【0049】また、圧電素子保持部31内には、例え
ば、不活性ガス等の乾燥流体が充填されており、且つ大
気よりも低い気圧で密封されている。これにより、圧電
素子300は圧電素子保持部31内の乾燥流体雰囲気中
に確実に密封されて外部環境と完全に遮断される。
【0050】乾燥流体としては、不活性ガスの他、還元
性ガスを用いることもできるが、逆に、酸化性ガスを含
有させることにより、圧電体層の劣化を防止する環境を
形成することができる。また、このような不活性ガスを
用いる場合には、その中の水の蒸気圧(分圧)をできる
だけ低くするのが望ましい。
【0051】ここで、圧電素子保持部31内へ乾燥流体
を充填して連通孔32を密封する手順について説明す
る。
【0052】まず、ヘッドを所定の乾燥流体130が充
填された密封空間内に配置しその空間を減圧する。この
際、圧電素子保持部31内も減圧され、図3(a)に示
すように、連通孔32を介して圧電素子保持部31内の
空気140が外部に排出される。次いで、密封空間内に
さらに乾燥流体130を導入することにより、図3
(b)に示すように、連通孔32を介して乾燥流体13
0が圧電素子保持部31内に流入して充填される。すな
わち、圧電素子保持部31内の空気140と乾燥流体1
30とが置換される。
【0053】次に、図4(a)に示すように、封止基板
30上に接着剤120を介して駆動IC110を接着す
る。次いで、密封空間内を常圧に戻すことにより、図4
(b)に示すように、接着剤(未硬化樹脂)120の一
部が連通孔32内に引き込まれる。なお、接着剤120
が引き込まれる量は、溝部33の形状及び長さを調整す
ることによって制御することができる。
【0054】その後、この接着剤120を硬化させるこ
とにより、駆動IC110が封止基板30上に固定され
ると共に連通孔32が完全に封止される。これにより、
圧電素子保持部31は、内部に乾燥流体が充填された状
態で確実に密封される。
【0055】以上説明した本実施形態の構成では、圧電
素子保持部31と外部とを連通する連通孔32が、封止
基板30に接合される駆動IC110によって封止され
ているため、連通孔32を確実に封止することができ
る。すなわち、連通孔32の周縁部の比較的広い範囲が
駆動IC110によって封止されるため、連通孔32を
確実に封止することができる。したがって、圧電素子3
00、特に圧電体層70の外部環境に起因する破壊を確
実に防止することができる。
【0056】また、連通孔32の開口部が封止基板30
の駆動IC110が接合される領域に設けられていれば
よく、封止基板30の駆動IC110が接合される領域
以外に、連通孔32を形成する領域を確保する必要がな
いため、封止基板30を小型化することができ、ヘッド
の小型化を図ることができる。
【0057】さらに、駆動IC110を封止基板30に
接合する工程と、連通孔32を封止する工程とを同時に
行うことができるため、製造工程が簡略化され、製造コ
ストを低減することができる。
【0058】なお、封止基板30の流路形成基板10の
連通部13に対応する領域には、複数の圧力発生室12
の共通のインク室であるリザーバ100の少なくとも一
部を構成するリザーバ部35が形成されている。このリ
ザーバ部35は、本実施形態では、封止基板30を厚さ
方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成さ
れている。そして、リザーバ部35が、流路形成基板1
0の連通部13と弾性膜50に形成された貫通孔51を
介して連通されてリザーバ100を構成している。
【0059】また、この封止基板30上には、封止膜4
1及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40
が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く
可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、こ
の封止膜41によってリザーバ部35の一方面が封止さ
れている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料
(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)
等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に
対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部4
3となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性
を有する封止膜41のみで封止されている。
【0060】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0061】例えば、上述の実施形態では、圧電素子保
持部31内に乾燥流体を充填するようにしたが、勿論、
乾燥流体を充填させずに空気が存在していてもよいが、
空気中の水分を減少させておくことが好ましい。
【0062】また、例えば、上述の実施形態では、圧電
素子保持部31と外部とを連通する連通孔32を一つ設
けるようにしたが、これに限定されず、勿論、複数個設
けるようにしてもよい。
【0063】また、例えば、上述の実施形態では、成膜
及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型
のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これ
に限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを
貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェ
ット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0064】また、これら各実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、
そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図であ
る。
【0065】図5に示すように、インクジェット式記録
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0066】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、乾燥流
体が充填された圧電素子保持部内に圧電素子が封止され
るため、圧電素子、特に圧電体層の外部環境に起因する
破壊を防止することができる。また、圧電素子保持部に
連通する連通孔を未硬化樹脂を用いて封止するようにし
たので、比較的容易且つ確実に圧電素子保持部を封止す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 12 圧力発生室 13 連通部 14 インク供給路 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 封止基板 31 圧電素子保持部 32 連通孔 33 溝部 35 リザーバ部 40 コンプライアンス基板 50 弾性膜 60 下電極膜 70 圧電体層 80 上電極膜 300 圧電素子 110 駆動IC 120 接着剤

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室が形成
    される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に設
    けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電
    素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおい
    て、 前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合されて当該圧
    電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保する圧電素
    子保持部と該圧電素子保持部と外部とを連通する少なく
    とも一つの連通孔とを有する封止基板を具備し、該封止
    基板の前記連通孔の開口部を含む領域に前記圧電素子を
    駆動する駆動ICが接合されると共に該駆動ICによっ
    て前記連通孔が封止されていることを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記駆動ICが前記
    封止基板に接着剤によって接合され、且つこの接着剤が
    前記連通孔内に充填されていることを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記圧電素子保持部
    が、大気圧よりも低い気圧で密封されていることを特徴
    とするインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記連通孔の一部
    が、前記封止基板の前記流路形成基板との接合面に形成
    される溝部で構成されていることを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記圧
    電素子保持部に、乾燥流体が充填されていることを特徴
    とするインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記乾燥流体が、不
    活性ガスであることを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記乾燥流体が、酸
    化性ガスを含有することを特徴とするインクジェット式
    記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記圧
    力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングによ
    り形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフ
    ィ法により形成されたものであることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッド。
  9. 【請求項9】請求項1〜8何れかのインクジェット式記
    録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式
    記録装置。
  10. 【請求項10】 ノズル開口に連通する圧力発生室が形
    成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に
    設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧
    電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドの製造
    方法において、 前記流路形成基板の前記圧電素子側に当該圧電素子の運
    動を阻害しない程度の空間を確保した圧電素子保持部と
    該圧電素子保持部と外部とを連通する連通孔を有する接
    合基板を接合して接合体を形成する第1の工程と、該接
    合体を所定の密封空間に配置すると共にこの密封空間の
    湿度を低下させる第2の工程と、前記接合体を構成する
    前記封止基板上の前記連通孔の開口部を含む領域に前記
    圧電素子を駆動する駆動ICを接着すると共に該駆動I
    Cによって前記連通孔の開口部を封止する第3の工程と
    を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記第2の工程
    では、前記密封空間内を真空状態とすることを特徴とす
    るインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11において、前記第
    2の工程では、前記密封空間内に乾燥流体を充填するこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008068526A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置
JP2010214633A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Ricoh Co Ltd 圧電型アクチュエータ、液適吐出ヘッド、液滴ヘッドカートリッジ、液滴吐出装置、マイクロポンプ及び圧電型アクチュエータの製造方法

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