JP2003253100A - ポリエステル組成物及びそれよりなる繊維 - Google Patents

ポリエステル組成物及びそれよりなる繊維

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い吸水性と熱安定性とを兼ね備えたポリエ
ステル組成物及びそれよりなる繊維を提供すること。 【解決手段】 アルキレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とするポリエステルに特定の有機スルホン酸金
属塩及びポリアルキレングリコールを共重合させると共
に、有機カルボン酸金属塩を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い吸水性と熱安
定性とを兼ね備えたポリエステル組成物及びそれよりな
る繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは、多くの優れた特性を有しているため、各種
衣料用途等に広く利用されている。しかし、綿、絹、羊
毛のような天然繊維、レーヨン、アセテートのような半
合成繊維に比べると、吸水性、吸汗性が低いという機能
面での欠点を有している。この課題を改良する目的で、
有機スルホン酸金属塩を添加したポリエステルからなる
中空繊維をアルカリ水溶液で処理することによる、一部
が中空部まで連通している微細孔を繊維表面に有する吸
水性ポリエステル繊維が提案(特公昭61−60188
号公報、特公昭62−44065号公報等)されてい
る。
【0003】しかしながら、繊維表面を微多孔化した中
空ポリエステル繊維は、毛細管現象を利用した吸水機構
であるが故に、天然繊維や半合成繊維に比べると吸水性
が低く、必ずしも満足すべき水準には到達していなかっ
た。
【0004】一方、有機スルホン酸金属塩、ポリアルキ
レングリコールなどの親水性成分をポリエステルに共重
合させることにより、吸水性能を高めたポリエステル繊
維(特開平7−150468号公報)が提案されてい
る。この方法では、吸水性能が大幅に改善されている
が、有機スルホン酸金属塩、ポリアルキレングリコール
の共重合ポリエステルは熱安定性が低いといった課題を
抱えていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
吸水性と熱安定性を兼ね備えたポリエステル組成物を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明の目的は、アルキレンテ
レフタレートを主たる繰り返し単位とし、下記式(I)
で示される有機スルホン酸金属塩(A)と下記式(I
I)で示されるポリアルキレングリコール(B)とが共
重合されたポリエステルに、下記式(III)で示され
る有機カルボン酸金属塩(C)が配合されてなる、ポリ
エステル組成物によって達成することができる。
【0008】
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明において、後述する成分(A)及び
成分(B)が共重合されるポリエステルは、アルキレン
テレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエ
ステルである。ここで言う「主たる」とはアルキレンテ
レフタレート単位以外の繰り返し単位を、ポリエステル
を構成する全繰り返し単位を基準として、20モル%以
下、好ましくは15モル%以下、特に好ましくは10モ
ル%以下の共重合成分を含有してもよいことを意味す
る。なお、アルキレンテレフタレート単位のグリコール
成分としては、炭素数2〜4のアルキレングリコールが
好ましく、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコールなどを例示することがで
きる。
【0013】共重合し得るテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息
香酸、P−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような芳香族、
脂環族、脂肪族の二官能性カルボン酸を挙げることがで
きる。
【0014】また、共重合し得るアルキレングリコール
以外のジオール成分としては、例えば、シクロヘキサン
−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールSのような脂肪族、脂
環族、芳香族のジオール化合物を挙げることができる。
【0015】さらに、本発明の目的の達成が実質的に損
なわれない範囲内であれば、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸のような三官能性以上のポリカルボン酸、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
のような三官能性以上のポリオールを共重合成分として
用いてもよい。
【0016】上記ポリエステルに共重合される成分
(A)は前記式(I)で示される有機スルホン酸金属塩
であり、式中、R1は芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化
水素基、X1はエステル形成性の官能基、X2はエステル
形成性官能基又は水素原子である。ここでいうエステル
形成性の官能基とは、反応してエステル結合を介してポ
リエステルに結合され得る官能基であり、一般にはヒド
ロキシル基、カルボキシル基又はそれらのエステルであ
る。Mは、Na、K、Liなどのアルカリ金属又はM
g、Caなどのアルカリ土類金属であり、なかでもN
a、Kが好ましい。このような有機スルホン酸金属塩
は、1種でも2種以上の混合物としても使用でき、好ま
しい具体例としては、5−ナトリムスルホイソフタル酸
ジメチル、5−カリウムスルホイソフタル酸ジメチル、
5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸ビス(β−ヒドロキシエチル)
エステル、5−カリウムスルホイソフタル酸ビス(β−
ヒドロキシエチル)エステル、5−リチウムスルホイソ
フタル酸ビス(β−ヒドロキシエチル)エステル等を挙
げることができる。
【0017】有機スルホン酸金属塩のポリエステルへの
共重合量は、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成
分を基準として、0.1〜15モル%であることが好ま
しく、特に0.1〜10モル%であることが好ましい。
【0018】次に、上記式(II)で示される成分
(B)としてのポリアルキレングリコールは、ポリエス
テルの吸水性能を向上させる目的で共重合させるが、ポ
リエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準とし
て、0.1〜20重量%共重合することが好ましく、特
に好ましくは0.2〜15重量%である。
【0019】かかるポリアルキレングリコールとして
は、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル(分子量1000、2000、4000、8000、
20000、50000)などを例示することができ、
特に分子量が1000〜8000のポリエチレングリコ
ールが好ましい。
【0020】次に、上記共重合ポリエステル中に配合さ
れる前記式(III)で示される成分(C)としての有
機カルボン酸金属塩としては、安息香酸ナトリウム、安
息香酸カリウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸リチ
ウム、安息香酸亜鉛、トルイル酸ナトリウム、トルイル
酸カリウム、トルイル酸リチウムなどが挙げられる。こ
のうち、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息
香酸マグネシウムが特に好ましく、該有機カルボン酸金
属塩は、1種でも2種以上併用してもよい。また、該有
機カルボン酸金属塩の配合量は、ポリエステル組成物中
に0.01〜5重量%占めるように配合することが好ま
しく、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。
【0021】過少の配合では、ポリエステル組成物の結
晶性促進効果や吸水性能改善効果が発現しない。一方、
過剰の配合は製糸時のパック圧力上昇及びポリマーの強
度低下という問題が生ずる。
【0022】本発明のポリエステル組成物は、その固有
粘度は通常0.3〜1.0の範囲、特に0.4〜0.7
の範囲が好適である。固有粘度が0.3未満であると、
衝撃強度が低下したり、延伸成形性が低下したりするな
どの物性低下が起こりやすく、一方、固有粘度が1.0
を越えると、生産性が悪化するとともに、延伸などの成
形性が低下しやすい。
【0023】なお、本発明のポリエステル組成物は、上
述の3つの成分割合を本発明の範囲内で適宜変更すると
共に、固有粘度を調整することにより、250℃、剪断
速度1000sec-1における溶融粘度を100〜50
0Pa・Sと設定することが好ましい。上記の範囲内に
あるときには、該組成物を溶融紡糸する際の曳糸性と連
続製糸安定性とを高い水準にて両立することができる。
【0024】次に、本発明のポリエステル組成物の製造
方法につき、エチレンテレフタレート単位を主たる繰返
し単位とするポリエステルを例として、以下に説明す
る。先ず、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール
とを、エステル交換触媒の存在下のエステル交換反応さ
せるか、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エ
ステル化反応させるか又はテレフタル酸とエチレンオキ
サイドとを反応させるかして、ビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレ−ト及び/又はそのオリゴマ−を形成
させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減
圧下に溶融重縮合を行って、ポリエチレンテレフタレー
トを得るにあたり、下記(I)、(II)及び(II
I)成分をポリエステルの合成が完了する以前の任意の
段階で反応系内に添加することによって達成される。好
ましくは、(I)及び(II)成分はビス(β−ヒドロ
キシエチル)テレフタレ−ト及び/又はそのオリゴマ−
を形成させる前の段階、(III)成分は重縮合反応中
に添加するのが好ましい。
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】これらの反応には必要に応じて任意の触媒
を使用することができるが、なかでもエステル交換反応
させる際に用いる触媒としては、マグネシウム、カルシ
ウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、亜鉛、マンガン
等の金属化合物を使用するのが好ましく、重縮合触媒と
しては、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタ
ン化合物、コバルト化合物、錫化合物を使用するのが好
ましい。
【0029】触媒の使用量は、エステル交換反応、重縮
合反応を進行させるために必要な量であるならば特に限
定されるものではなく、また、複数の触媒を併用するこ
とも可能である。
【0030】また、安定剤としては、トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート等のリン酸エステル類、トリフェニルホスファイ
ト、トリスドデシルホスファイト等の亜リン酸エステル
類、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート酸性リン酸エステル、リン
酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸等のリン化合物
を用いることが好ましい。
【0031】エステル交換反応触媒の供給は、原料調製
時の他、エステル交換反応の初期の段階において行うこ
とができる。また、安定剤の供給は、重縮合反応初期ま
でに行うことができるが、エステル交換反応終了時に添
加することが好ましい。さらに、重縮合触媒は重縮合反
応工程の初期までに供給することができる。
【0032】エステル交換反応時の反応温度は、通常2
00〜260℃であり、反応圧力は常圧〜0.3Mpa
である。また、重縮合時の反応温度は、通常250〜3
00℃であり、反応圧力は通常60〜0.1kpaであ
る。この様なエステル交換反応及び重縮合反応は、一段
で行っても、複数段階に分けて行ってもよい。
【0033】得られたポリエステル組成物は常法により
チップ化される。該チップの平均粒径は、通常2.0〜
5.5mm、好ましくは2.2〜4.0mmの範囲とさ
れる。
【0034】本発明のポリエステル組成物は、幅広い成
形条件下で安定して成形することができ、通常の溶融紡
糸方法を適用することができる。繊維の横断面形状は丸
断面に限定されるものでは無く、扁平形状、三角断面及
び多葉断面形状などの異形断面としてもよく、さらに、
中空部を設けても何等問題は無い。本発明のポリエステ
ル組成物を溶融紡糸する際の温度は、200〜270
℃、好ましくは220〜250℃が適当である。ここで
200℃未満では温度が低すぎて安定した溶融状態とな
り難く、また270℃を越えるとポリエステル組成物の
熱分解が生じ、また紡出糸の冷却が不足するために、単
糸同士での融着が発生する等の問題が発生する。次い
で、紡出糸は所定の速度で引き取った後、一旦巻き取
り、得られた未延伸糸を別途延伸機で延伸してもよい
し、紡出糸を引き取った後、巻き取ること無く連続して
延伸を行い巻き上げる直接紡糸延伸法を適用してもよ
い。直接紡糸延伸法としては、例えば紡出糸を1000
〜4000m/分の速度で引き取り、続いて1500〜
5000m/分の速度で延伸・熱セットする方法が挙げ
られる。ここで熱セットのローラー温度としては130
〜170℃が好ましく、この範囲にあると、熱セット性
が十分であるとともに繊維が溶融切断することもない。
また、5000m/分以上の高速で紡糸し、用途によっ
ては延伸工程を省略する方法などの製糸条件も採用する
ことができ、いずれの方法であっても安定して製糸する
ことができ、上述の方法に従って得られる繊維は、吸水
率が30〜500%、35℃95%RH環境下24時間
保持後の吸湿率が12〜50%の範囲にある。
【0035】このようにして得られた本発明の繊維の糸
条形態は、フィラメント、ステープルのいずれでもよ
く、総糸繊度、単糸繊度、撚数、交絡数などは繊維の使
用目的に応じて適宜設定することができる。
【0036】更に、本発明の繊維を布帛となすにあたっ
ては、本発明の繊維100%使いとしてもよく、他の繊
維と併せて使用してもよい。ここで、他繊維と併用する
にあたって、複合糸として使う場合には、混繊糸、複合
仮撚糸とすればよく、このような併用できる繊維として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アク
リル、パラ型又はメタ型アラミド、およびこれらの改質
及び/又は複合繊維、さらには天然繊維、再生繊維、半
合成繊維などから自由に選択して用いることが出来る。
【0037】なお、本発明のポリエステル組成物をフィ
ルムやシートに成形してもよく、製膜後一方向のみに張
力をかけて異方性を持たせる方法、同時に又は任意の順
序で二方向に延伸する方法、二段以上の多段延伸する方
法などに所望の条件を何等支障なく採用することができ
る。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれによって何等限定を受ける
ものでは無い。なお、例中の特性は下記の方法で測定し
た。
【0039】(1)固有粘度(以下、IVと略記す
る):ポリマーを一定量計量し、35℃のo−クロロフ
ェノールに0.012g/mlの濃度に溶解してから、
常法に従って求めた。
【0040】(2)Col−b:160℃、60分間、
乾燥機中で乾熱処理したポリマーを、ミノルタ(株)社
製CR−200型色彩色差計を用いて求めた。
【0041】(3)末端カルボキシル基濃度:Makr
omol.chem.,26,226(1958)記載
の方法に準拠して求めた。
【0042】(4)ジエチレングリコール(以下、DE
Gと略記する)含有量:サンプルをヒドラジンにて分解
し、ガスクロマトグラフィーにて求めた。
【0043】(5)引張伸度、引張強度:JIS L1
070記載の方法に準拠して求めた。
【0044】(6)熱安定性(乾熱収縮率):サンプル
原糸を筒状の編物にした後、120℃で10分間加熱乾
燥し、筒編布の収縮率を求めて、熱安定性の指標とし
た。
【0045】(7)吸水速度:サンプル原糸を筒状の編
物にした後、常法に従って精練、プリセットを施し、1
%水酸化ナトリウム水溶液を用いて120℃で減量処理
を実施した。このようにして得られた筒編地を105℃
で2時間乾燥した後、水吸い上げ法により吸水性能を評
価した。
【0046】(8)吸水率:サンプル筒編地を105℃
で2時間乾燥した後、水中に1時間浸漬し、家庭用電気
洗濯機の脱水機で5分間脱水した。乾燥後の筒編地と脱
水後の筒編地の重量より、下記式に従って求めた。
【0047】
【数1】吸水率(%)=(脱水後筒編地重量−乾燥後筒
編地重量)/乾燥後筒編地重量
【0048】(9)吸湿率:サンプル筒編地を105℃
で2時間乾燥した後、35℃95%RHの環境に保った
デシケーター中に24時間放置した。放置前後の筒編地
の重量より、下記式に従って求めた。
【0049】
【数2】吸湿率(%)=(放置後筒編地重量−放置前筒
編地重量)/放置前筒編地重量
【0050】(10)溶融粘度:定荷重押出し形 細管
式レオメータ フローテスター((株)島津製作所社製
CFT−500D 使用ダイ直径0.5mm、ダイ長さ
1mm)を用いて、温度250℃で試験圧力0.98M
Pa、1.96MPa、2.94MPaでの溶融粘度を
測定し、剪断速度に対する溶融粘度をプロットした。こ
のプロットから剪断速度に対する溶融粘度の近似式を算
出し、剪断速度1000sec-1における溶融粘度を算
出した近似式から求めた。
【0051】[実施例1]テレフタル酸ジメチル100
重量部、エチレングリコ−ル64重量部、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸10重量部(成分(A))及びポ
リエチレングリコール(分子量:4000)5重量部
(成分(B))を、エステル交換反応触媒として酢酸マ
ンガン4水和塩を用い、副生するメタノールを系外に留
去しつつ、エステル交換反応を実施する。
【0052】さらに、重合触媒として二酸化ゲルマニウ
ムを添加したのちに、285℃まで加熱昇温しながらエ
ステル交換反応させ、メタノールの留去がほぼ終了した
段階で、安定剤として正リン酸、結晶化促進剤として安
息香酸ナトリウム1重量%(成分(C))を添加して、
エステル交換反応を終了させた。
【0053】次いで、反応生成物を高温高真空下で重縮
合反応させて、固有粘度0.40、Col−b値17.
8、末端カルボキシル基濃度38eq/ton、DEG
3.2wt%、溶融粘度140Pa・Sの改質ポリエチ
レンテレフタレ−ト組成物を得た。
【0054】得られたポリエチレンテレフタレ−トを乾
燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、24ホールの
口金を装備した溶融紡糸装置にて、ポリマー温度280
℃、吐出速度400m/分で溶融紡糸を行い、引き続い
て、加熱ローラーで110℃、プレートヒーターで16
0℃に予熱し、小型延伸機にて延伸倍率3.4倍で延伸
して、93dtex/24フィラメントの延伸糸を得
た。
【0055】得られた延伸糸を筒編み布となしたとこ
ろ、120℃における乾熱収縮率は20%であり、熱安
定性は良好であった。また、延伸糸の筒編み布の吸水速
度は28mm/10分、吸湿率は1.7%、吸水率0.
6%であり、吸水性、吸湿性ともに良好なものであっ
た。
【0056】[実施例2]実施例1において、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸の添加量を10重量部から5
重量部に変更したこと以外は同様の操作を行ったとこ
ろ、固有粘度0.54、Col−b値16.9、末端カ
ルボキシル基濃度29eq/ton、DEG2.7wt
%、溶融粘度135Pa・Sの改質ポリエチレンテレフ
タレ−ト組成物を得た。
【0057】実施例1と同様に紡糸、延伸して得られた
延伸糸を筒編みとしたところ乾熱収縮率は23%で、熱
安定性は良好であった。また、吸水速度は75mm/1
0分、吸水率は0.5%、吸湿率は1.5%であり、吸
水性吸湿性ともに良好なものであった。
【0058】[比較例1]実施例1において、ポリエチ
レングリコールを添加しなかったこと以外は同様の操作
を行ったところ、固有粘度0.33、Col−b値1
7.7、末端カルボキシル基濃度39eq/ton、D
EG3.2wt%、溶融粘度155Pa・Sの改質エチ
レンテレフタレ−ト組成物を得た。
【0059】実施例1と同様に紡糸、延伸して得られた
延伸糸を筒編みとしたところ、120℃における乾熱収
縮率は45%で、熱安定性は不十分であった。また、筒
編み布の吸水速度は17mm/10分、吸水率は0.6
%、吸湿率は1.7%であり、必ずしも十分ではなかっ
た。
【0060】[比較例2]実施例2において、ポリエチ
レングリコール、安息香酸ナトリウムを添加しなかった
こと以外は同様の操作を行ったところ、固有粘度0.4
3、Col−b値5.0、末端カルボキシル基濃度37
eq/ton、DEG4.0wt%、溶融粘度150P
a・Sの改質エチレンテレフタレ−トを得た。
【0061】実施例1と同様に紡糸、延伸して得られた
延伸糸を筒編みとなしたところ、120℃における乾熱
収縮率は78%で、熱安定性は不十分であった。また、
筒編み布の吸水速度は15mm/10分であり、吸水率
は0.4%、吸湿率は1.5%であり、必ずしも十分で
はなかった。
【0062】[実施例3]テレフタル酸ジメチル90重
量部、テトラメチレングリコール68重量部、エチレン
グリコ−ル20重量部、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸16重量部(成分(A))及びポリエチレングリコ
ール(分子量:4000)120重量部(成分(B))
を、エステル交換反応触媒として酢酸マンガン4水和塩
を用い、副生するメタノールを系外に留去しつつ、エス
テル交換反応を実施する。
【0063】さらに、重合触媒として二酸化ゲルマニウ
ムを添加したのちに、285℃まで加熱昇温しながらエ
ステル交換反応させ、メタノールの留去がほぼ終了した
段階で、安定剤として正リン酸、結晶化促進剤として安
息香酸ナトリウム1重量%(成分(C))を添加して、
エステル交換反応を終了させた。
【0064】次いで、反応生成物を高温高真空下で重縮
合反応させて、固有粘度0.82、Col−b値4.
5、末端カルボキシル基濃度45eq/ton、溶融粘
度180Pa・Sの改質ポリエチレンテレフタレ−ト組
成物を得た。
【0065】得られた改質ポリエチレンテレフタレ−ト
を乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、24ホー
ルの口金を装備した溶融紡糸装置にて、紡糸温度230
℃、紡糸速度3000m/分の条件で溶融紡糸した後、
冷却固化、油剤付与し、引き取りローラーを介して引き
取って、135dtex/36フィラメントの繊維を安
定して得た。得られた繊維の筒編地の吸水速度は75m
m/10分、吸水率は68%、吸湿率は14%であり、
吸水性吸湿性ともに良好なものであった。
【0066】[実施例4]実施例3において、5−ナト
リムスルホイソフタル酸の量を16重量部から代えて7
重量部としたこと以外は同様の操作を行ったところ、固
有粘度0.76、Col−b値5.5、末端カルボキシ
ル基濃度35eq/ton、溶融粘度140Pa・Sの
改質ポリエチレンテレフタレ−ト組成物を得た。また、
筒編地の吸水速度は70mm/10分、吸水率は59
%、吸湿率は12%であり、吸水性吸湿性ともに良好な
ものであった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、高い吸水性と熱安定性
とを兼ね備えたポリエステル組成物を提供することがで
き、さらに、該組成物を溶融紡糸することによって、高
い吸水性と吸湿性とを有する繊維を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 亮二 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 (72)発明者 牧野 昭二 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 Fターム(参考) 4J002 CF141 EG076 EW047 FD137 GK01 4J029 AA01 AB01 AB07 AC02 AE02 BA03 BA05 BA08 BF17 BF25 CB05 CB06 CH06 DB02 HA01 HA02 HB02 JB17 JC54 JF02 JF03 JF04 JF13 JF14 KE02 4L035 BB77 BB89 BB91 EE02 EE05 GG03 JJ15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキレンテレフタレートを主たる繰り
    返し単位とし、下記式(I)で示される有機スルホン酸
    金属塩(A)と下記式(II)で示されるポリアルキレ
    ングリコール(B)とが共重合されたポリエステルに、
    下記式(III)で示される有機カルボン酸金属塩
    (C)が配合されてなる、ポリエステル組成物。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 有機スルホン酸金属塩の共重合量が、ポ
    リエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準とし
    て、0.1〜15.0モル%である、請求項1記載のポ
    リエステル組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアルキレングリコールの共重合量
    が、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準
    として、0.1〜20重量%である、請求項1記載のポ
    リエステル組成物。
  4. 【請求項4】 有機カルボン酸金属塩の配合量が、ポリ
    エステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として、
    0.01〜5重量%である、請求項1記載のポリエステ
    ル組成物。
  5. 【請求項5】 250℃、剪断速度1000sec-1
    おける溶融粘度が100〜500Pa・Sである、請求
    項1記載のポリエステル組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか記載のポリエス
    テル組成物を溶融紡糸して得られる、吸水率が30〜5
    00%、35℃95%RH環境下24時間保持後の吸湿
    率が12〜50%である、繊維。
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