JP2003257622A - 有機elディスプレイとその製造方法 - Google Patents

有機elディスプレイとその製造方法

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JP2003257622A JP2002053194A JP2002053194A JP2003257622A JP 2003257622 A JP2003257622 A JP 2003257622A JP 2002053194 A JP2002053194 A JP 2002053194A JP 2002053194 A JP2002053194 A JP 2002053194A JP 2003257622 A JP2003257622 A JP 2003257622A
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light emitting
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Katsuhiko Yanagawa
克彦 柳川
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機EL発光層とカラーフィルタとの正確な位
置合わせを行い、短時間硬化が可能な外部封止と、発光
層からの光を反射させずにカラーフィルタに伝える内部
封止とを可能にする。 【解決手段】基板上に形成された薄膜トランジスタ、陽
極、発光層、陰極、保護層を積層して構成された有機発
光素子と、透明基板に形成されたカラーフィルタとブラ
ックマスクとの積層体とを、有機EL発光層とカラーフ
ィルタとの位置を合わせて封止接合する有機ELディス
プレイで、基板と透明基板との間を、外周封止層と内部
封止層とにより封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精細で、耐環境
性ならびに生産性に優れ、携帯端末機や産業用計測器の
表示など、広範囲な用途に応用可能な有機ELディスプ
レイに関し、特に、いわゆるトップエミッション型の有
機ELディスプレイとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報通信の高速化と応用範囲の拡
大が急速に進んでいる。この中で、表示デバイスには携
帯性や動画表示の要求に対応可能な低消費電力・高速応
答性を有する高精細な表示デバイスについて、数々の発
明がなされている。中でも、カラー化方式に対して、薄
膜トランジスタ(以下でTFTともいう)を用いた駆動
方式のカラー表示装置が考えられている。この場合、T
FTが形成されている基板側に光を取り出す構成では、
配線部分の光の遮光効果により、開口率が上がらないた
め、最近ではTFTが形成されている基板とは反対側に
光を取り出す構成、すなわちトップエミッション型の表
示装置の開発が進んでいる。
【0003】トップエミッション型の場合でも、赤、
青、緑の3原色の発光体をマトリクス状に分離配置する
構成では、RGB用の発光材料をマトリクス状に高精細
に配置しなくてはならないため、効率的かつ安価に製造
することは困難であり、同時に、3種の発光材料の輝度
変化特性や駆動条件が異なるために、色再現性を長時間
確保することが困難であるなどの欠点が残されている。
【0004】また、白色で発光するバックライトにカラ
ーフィルタを用い、3原色を透過分離させる構成でも、
バックライトの高効率化といった問題点は残されてい
る。分離配置した蛍光体に吸収させ、それぞれの蛍光体
から多色の蛍光を発光させる色変換型においては、TF
T駆動方式を用いたトップエミッション型を採用するこ
とで、高精細で高輝度の有機ELディスプレイを提供で
きる可能性を有するものであり、特開平11−2510
59号公報、特開2000−77191号公報に開示さ
れている。
【0005】従来のトップエミッション型の有機ELデ
ィスプレイの例を、断面概略図として図2に示す。基板
1の上に、TFT2、陽極3、有機EL発光層4、陰極
5形成する。続いて、透明基板11の上にカラーフィル
タ12、ブラックマスク13を形成する。次に、基板1
の周辺を、例えば室温硬化型2液エポキシ系接着剤を使
用して封止層31を形成し、透明基板と貼り合わせを行
う。この時、2枚の基板の間には内部空間32が形成さ
れる。封止層31の硬化時間は室温で24時間とかなり
の長時間が必要で、有機EL発光層とカラーフィルタと
の位置合わせを行った場合、室温硬化の間、固定して位
置ずれを起こさないようにする必要がある。
【0006】図2に示すディスプレイでは、詳細なカラ
ー表示機能を有するとともに、EL素子が色再現性を含
め長期間安定性を有し、かつ短時間で製造可能である必
要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図2の構成のような有
機ELディスプレイでは、有機EL発光層4とカラーフ
ィルタ12との精密な位置合わせが必要で、アライメン
トが完了するまでは、封止層31に使用した接着剤は粘
度変化やゲル化等の性状変化が起こらずに自由にアライ
メント調整が行えることが求められる。一方、アライメ
ントが完了した時点では、早く硬化を完了しなければな
らないという相反した硬化特性が求められる。
【0008】また、2枚の基板間に形成された内部空間
32の影響で、有機EL発光層4からの発光が屈折率の
大きく異なる空気層界面で反射してしまう問題がある。
この問題を解決するため、内部空間32に屈折率の大き
な材料を充填し硬化することが考えられる。しかし、例
えば充填する材料の弾性率が高いと、使用環境の温度変
化により発生する熱応力により、有機EL発光層やカラ
ーフィルタ層から、剥離が発生するという重大な問題が
ある。
【0009】尚、ここで、特開平3−190084号公
報には、2枚の基板を接着部でエポキシ樹脂を用い接着
し、内部空間には絶縁性材料を充填するという記載があ
る。しかし、この特開平3−190084号公報に記載
された発明においては、トップエミッション型有機EL
ディスプレイ特有の課題の解決はなされていない。第1
に、有機EL発光層とカラーフィルタとの正確な位置合
わせを行う必要から、位置合わせのあいだは接着剤が硬
化を開始してはならない点であり、なおかつ位置合わせ
が完了した時点では、接着剤の短時間硬化が外周封止層
に求められる点である。第2は、有機EL発光層からの
光を反射させずにカラーフィルタに有効に光を伝える機
能として、屈折率が高く、熱応力による剥離を緩和する
機能がある材料が、内部封止層に求められる点である。
【0010】本発明の目的は、有機EL発光層とカラー
フィルタの正確な位置合わせを行い、かつ短時間硬化が
可能な外周封止の構成と、有機EL発光層からの光を反
射させずにカラーフィルタに有効に伝え、外部環境から
の水分等の浸入を防止し、長期にわたって安定した発光
特性を維持可能な有機ELディスプレイとその製造方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明によれば、基板上に形成されたソース及び
ドレインを有する薄膜トランジスタと、この薄膜トラン
ジスタの上部に前記ソースまたはドレインに接続された
導電性薄膜材料からなる第1の電極、有機EL発光層、
及び少なくとも透明導電性材料を備えてなる第2の電極
と、保護層とを積層して構成され、前記薄膜トランジス
タによって駆動される有機EL発光素子と、透明基板
と、この透明基板に形成された色変換フィルタ層とを有
する積層体とを、前記有機EL発光層と前記色変換フィ
ルタ層との位置を合わせて封止接合する有機ELディス
プレイにおいて、基板と透明基板とを封止接合する外周
封止層と、この外周封止層の内側に有機EL発光層の発
光の内部空間界面における反射を抑制するために充填さ
れる内部封止層とを設けたこととする。
【0012】ここで、外周封止層に紫外線硬化型接着剤
もしくは可視光硬化型接着剤を使用し、内部封止層に屈
折率が1.3から2.5の弾性透明封止剤を使用するこ
とが好ましい。弾性透明封止剤として透明シリコーンゴ
ム材料もしくは透明シリコーンゲル材料を使用すること
がよい。一方、本発明の製造方法は、基板上に形成され
たソース及びドレインを有する薄膜トランジスタと、こ
の薄膜トランジスタの上部に前記ソースまたはドレイン
に接続された導電性薄膜材料からなる第1の電極、有機
EL発光層、及び少なくとも透明導電性材料を備えてな
る第2の電極と、保護層とを積層して構成され、前記薄
膜トランジスタによって駆動される有機EL発光素子を
形成する工程と、透明基板と、この透明基板に形成され
た色変換フィルタ層とを有する積層体を形成する工程
と、前記基板と前記透明基板との外周を、一部に未塗布
部分を有する外周封止層により正確な位置合わせを行な
って接着する工程と、この未塗布部分より、基板と透明
基板と外部封止層とにより囲まれた空間に内部封止層を
充填する工程と、前記外周封止層の未塗布部分を塞ぐ工
程と、を有することとする。
【0013】外周封止層には、有機EL発光層とカラー
フィルタとの正確な位置合わせを行い、かつ短時間に硬
化する機能と、硬化後の外部環境からの水分等の浸入を
防止する機能が求められるので、上記材料が適してい
る。内部封止層には、有機EL発光層からの光をカラー
フィルタに伝えるため、屈折率が高く、硬化時の硬化収
縮による剥離の防止と環境温度からの熱応力による剥離
を緩和する機能がもとめられるため、屈折率が1.3か
ら2.5で、圧縮弾性率が50kg/mm2(490M
Pa)以下の上記の材料が適している。屈折率は、有機
発光素子の他の構成要素(例えば陰極)の屈折率が1.
3〜2.5の範囲なので、この範囲の材料を充填するこ
と、すなわち屈折率の差を小さくすることが、光のロス
の低減につながる。また、圧縮弾性率の上記範囲は、経
験的に求められた値である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の有機ELディスプレイに
ついて以下に説明する。図1は、本発明の実施形態を示
す有機ELディスプレイの構成断面図である。以下の説
明では、第1の電極が陽極3である場合を説明するが、
第1の電極を陰極とすることも可能である。
【0015】A.有機EL発光素子 本発明の有機EL発光素子は、基板1と、基板1上に形
成されるTFT2と、図示しない平坦化絶縁膜と、陽極
3と、有機EL発光層4と、陰極5と、保護層6とを含
む。 1:TFT部 本発明の有機ELディスプレイのTFT部は、基板1
と、TFT2と、平坦化絶縁膜と、陽極3とを含む。
【0016】ガラスやプラスチックなどからなる絶縁性
基板、または、半導電性や導電性基板に絶縁性の薄膜を
形成した基板1上に、TFT2がマトリクス状に配置さ
れ、各画素に対応した陽極3にソース電極が接続され
る。TFT2の上部には、平坦化された絶縁膜が形成さ
れる。この絶縁膜は、ソース電極と陽極3との接続およ
びその他の回路の接続に必要な部分以外に設けられ、基
板1表面を平坦化して、引き続く層の高精細なパターン
形成を容易にする。ソース電極と陽極3とは、平坦化絶
縁膜内に設けられたコンタクトホールに充填された導電
性プラグにより接続されてもよい。
【0017】陽極3は、TFT2上に形成された平坦化
絶縁膜上に形成される。正孔の注入を効率よく行うため
に、陽極3には仕事関数が大きい材料が用いられる。本
発明のトップエミッション方式の場合、陽極3は透明で
ある必要は無いが、ITO、IZOなどの導電性金属酸
化物を用いることができる。さらに、ITOなどの導電
性金属酸化物を用いる場合、その下に反射率の高いメタ
ル電極(アルミ、銀、モリブデン、タングステンなど)
を用いることが好ましい。このメタル電極は、導電性金
属酸化物より抵抗率が低いので、補助電極として機能す
ると同時に、有機EL発光層4にて発光される光をカラ
ーフィルタ12側に反射して、光の有効利用を図ること
が可能となる。
【0018】第1の電極を陰極として用いる場合、TF
T2のドレインと接続される。また、導電性金属酸化物
に代えて、仕事関数が小さい材料であるリチウム、ナト
リウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、また
はこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その
他の金属との合金や化合物を用いる。 2:有機EL発光層および陰極 TFT2と陽極3がパターン形成されたTFT2部上
に、有機EL発光層4および陰極5を設ける。色変換方
式を用いる場合、有機EL発光層4から発光される近紫
外から可視領域の光、好ましくは青色から青緑色領域の
光を色変換フィルタ層に入射させて、所望の色を呈する
可視光を放出する。
【0019】有機EL発光層4は、陽極3と陰極5とを
併せた構成で表現すると、必要に応じて、正孔注入層、
正孔輸送層、および/または電子注入層を介在させた構
造を有し、具体的には下記のような層構成からなるもの
が採用される。 陽極、有機EL発光層、陰極 陽極、正孔注入層、有機EL発光層、陰極 陽極、有機EL発光層、電子注入層、陰極 陽極、正孔注入層、有機EL発光層、電子注入層、陰極 陽極、正孔注入層、正孔輸送層、有機EL発光層、電子
注入層、陰極 上記の各層の材料としては、公知のものが使用される。
青色から青緑色の発光を得るためには、有機EL発光層
4中に、例えばベンゾチアゾール系等の蛍光増白剤、金
属キレート化オキソニウム化合物等が好ましく使用され
る。
【0020】陰極5に用いる材料は、電子を効率よく注
入するために仕事関数が小さいことが求められる。さら
に、本実施形態のトップエミッション色変換方式では、
有機EL発光層4からの光が陰極5を通して放出される
ので、この光の波長域において透明であることが必要で
ある。この2つの特性を両立するため、本発明において
陰極5を複数層からなる積層構造とすることが好まし
い。何故なら、仕事関数の小さい材料は、一般的に透明
性が低いからである。すなわち、有機EL発光層と接触
する部位に、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、
カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム
等のアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等から
なる電子注入性の金属、その他の金属との合金や化合物
の薄膜を用いる。仕事関数の小さい材料を用いるもとに
より効率のよい電子注入を可能とし、さらに薄膜とする
ことにより、これらの材料による透明性低下を最低限と
することが可能となる。この薄膜の上には、ITOまた
はIZO等の透明導電膜を形成する。これらの導電膜は
補助膜として機能し、陰極5全体の抵抗値を減少させ有
機EL発光層に対して十分な電流を供給できる。
【0021】第2の電極を陽極として用いる場合、正孔
注入効率を高めるために仕事関数の大きな材料を用いる
必要がある。また、有機EL発光層4からの発光が第2
の電極を通過するために、透過性の高い材料を用いる必
要がある。ITOやIZOが好ましい。 3:保護層6 以上のように形成される第2の電極以下の各層を覆っ
て、保護層6が設けられる。保護層6は、外部環境から
の酸素、低分子成分、水分の透過を防止し、それらによ
る有機EL発光層4の機能低下の防止に有効である。保
護層6は、その上への他の層の形成を容易にするため、
適当な硬度を有することが好ましい。
【0022】これらの要請を満たすために、保護層6
は、可視域における透明性が高く(400〜700nm
の範囲で透過率50%以上)、電気絶縁性を有し、水
分、酸素等に対するバリア性を有し、好ましくは2H以
上の膜硬度を有する材料で形成される。例えば、SiO
x,SiNx,AlOx,TiOx,TaOx,ZnO
x等の無機酸化物、無機窒化物等の材料を使用できる。
この保護層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、
ディップ法、CVD法等がある。
【0023】また、保護層6として、様々なポリマー材
料を用いることができる。イミド変性シリコーン樹脂、
酸化チタン等の無機金属化合物をアクリル、ポリイミ
ド、シリコーン樹脂等の中に分散した材料等を使用可能
である。上述の保護層6は単層でも良いが、複数の層を
積層するとその効果が大きい。保護層6の厚さは、0.
1〜10μmであることが好ましい。 B.色変換フィルタ 本発明の色変換フィルタは、第2の基板である透明基板
11と、この透明基板11に積層され、所望される各色
に対応するカラーフィルタ12および/またはカラーフ
ィルタ12と図示を省略した蛍光変換層との積層体と、
ブラックマスク13とを含む。尚、本明細書において、
「色変換フィルタ」とは、透明基板と、カラーフィルタ
12、およびカラーフィルタ12と蛍光変換層との積層
体の総称である。 1:透明基板 透明基板11としては、フィルム状をなすプラスチック
材料が好ましい。厚さは20μmから500μmが適当
である。基板としてフィルム状をなすプラスチック類を
用いると、本発明の有機ELディスプレイをガラスを用
いる場合に比べ軽量にでき、かつ曲げ応力にも強いもの
にできる。但し、本発明においては、透明基板として、
ガラスを除外するものではない。
【0024】尚、本明細書において「透明」とは、可視
光を10〜100%透過するものを言うが、可視光透過
率は、蛍光変換層で使用される蛍光色素の変換性能にも
依存するが、好ましくは40〜80%程度である。 2:色変換フィルタ層 本明細書において、色変換フィルタ層とは、カラーフィ
ルタ12、またはカラーフィルタ12と図示しない蛍光
変換層との積層体である。蛍光変換層は、有機EL発光
層で発光される近紫外領域ないし可視領域の光、特に青
色ないし青緑色領域の光を吸収して、異なる波長の可視
光を蛍光として発光するものである。フルカラー表示を
可能にするには、少なくとも青色領域、緑色領域、赤色
領域の光を放出する独立した層が設けられる。
【0025】赤色に関しては、蛍光変換層のみから形成
されても良い。しかし、蛍光色素による変換のみでは十
分な色純度が得られない場合は、蛍光変換層とカラーフ
ィルタとの積層体としても良い。緑色も赤色と同様であ
る。一方、青色に関しては、有機EL発光層から青色光
を発光させる場合、カラーフィルタのみとすることがで
きる。その厚さは1〜10μmが好ましい。
【0026】色変換フィルタ層の形状は、公知のよう
に、各色ごとに分離したストライプパターンとしてもよ
いし、各画素のサブピクセルごとに分離させた構造を有
しても良い。各色に対応する色変換フィルタ層のあいだ
の領域には、ブラックマスク13を形成することが好ま
しい。ブラックマスクを設けることにより、隣接するサ
ブピクセルの色変換フィルタへの光の漏れを防止して、
にじみの無い所望の蛍光変換色のみを得ることが可能と
なる。ブラックマスクは好ましくは1〜6μmの厚さを
有する。 C.封止層 1:内部封止層 内部封止層22は、従来法のディスプレイにおいて形成
される内部空間32を充填して、有機EL発光層4の発
光の内部空間界面における反射を抑制し、発光をカラー
フィルタ12へと効率良く透過させるために設ける。内
部封止層22は、波長400〜800nmの光に対して
10〜100%、好ましくは50%以上の可視光透過率
と、1.3〜2.5の屈折率とを有する材料から形成さ
れる。そのような材料の例は、透明シリコーンゴム、透
明シリコーンゲルのような有機材料が挙げられる。
【0027】充填剤は、2つの基板を外周封止層により
貼りあわされた後に、外周封止層21に設けられた注入
口を通して、基板間に充填されるとよい。このような充
填剤を用いることにより、有機EL発光層4からの発光
の伝達経路の屈折率差を小さくすることができ、各界面
における反射を抑制し、カラーフィルタ12への光の伝
達をより効率的に行うことが可能となる。 2:外周封止層 外周封止層21は、基板外周部に設けられ、基板1と透
明基板11とを接着するとともに、内部の各構成要素を
外部環境の酸素、水分等から保護する。外周封止層21
は、可視光硬化型接着剤もしくは紫外線硬化型接着剤か
ら形成され、内部に、直径3〜50μmのビーズを含む
こともできる。この場合、ビーズにより、基板間距離を
規定するとともに、接着のために印加される圧力を負担
できる。さらに、ディスプレイ駆動時に発生する応力も
負担して、この応力によるディスプレイの劣化を防止す
る。
【0028】内部封止層22が基板1と透明基板11と
の貼り合わせ後に注入により形成される場合、外周封止
層21の一部に未塗布部分を設けて、この未塗布部分を
内部封止層の注入口として使用できる。この注入口は、
注入終了後に、外周封止層材料を付着および硬化させ
て、塞ぐことができる。 実施例1 以下に、本発明の実施例を具体的に述べる。
【0029】基板1(本実施例ではガラス基板)の上
に、TFT2、陽極3、有機EL発光層4、陰極5、保
護層6を順次形成する。次に、透明基板11(本実施例
では透明ガラス基板)の上に、カラーフィルタ12、ブ
ラックマスク13を順次形成する。このようにして形成
された2枚の基板をグローブボックス内の乾燥窒素雰囲
気下(酸素および水分濃度ともに1ppm以下)で次の
工程を行う。
【0030】有機EL発光層側のガラス基板1の外周部
分にディスペンサーロボット(接着剤の塗布装置で、X
Yロボットにより駆動される)により、エポキシ系材料
である、紫外線硬化型接着剤(スリーボンド社製、商品
名:30Y−437)を使用した外周封止層21を形成
し、カラーフィルタ12側の透明ガラス基板11を貼り
合わせる。
【0031】この時、外周封止層21の塗布形状は、一
部に未塗布部分(図示せず)を設けた形状(本実施例で
は、四角形のディスプレイ外周の一部に未塗布部分を設
ける)で塗布を行い、未塗布部分を内部封止層22の材
料注入口として後に使用する。その後、有機EL発光層
4とカラーフィルタ12とを対応させるべくアライメン
トを行い、紫外線硬化条件として波長365nm、10
0mW/cm2の照度で30秒間紫外線を照射して外周
封止層21を硬化させる。
【0032】次に、外周封止層21の一部に設けられた
注入口から、ディスペンサーにより屈折率がおよそ1.
45で圧縮弾性率が0.5kg/mm2以下の透明シリ
コーンゴム材料(信越化学工業製、商品名:KE10
3)を注入し、80℃60分で硬化を行い、内部封止層
22を形成する。その後、外周封止層21に設けた材料
注入口を、外周封止層21と同じ紫外線硬化型接着剤を
用いて封止し、有機ELディスプレイが完成する。
【0033】尚、本実施例では、有機EL発光層からは
青色光を発光させている。よって、カラーフィルタ12
のBは、フィルタのみで構成されているが、カラーフィ
ルタ12のGならびにRは、波長変換を行う図示しない
蛍光層がフィルタと積層されている。また、内部封止層
の厚さは、3〜5μm(最大で10μm程度)、外周封
止層の厚さは、5〜30μm(最大で100μm程度)
である。
【0034】以上のようにして、基板1と基板11との
間隔(ギャップ)は、5〜100μmの間隔で固定さ
れ、外部環境からの水分の浸入が防止され、長期信頼性
を有する有機ELディスプレイとなる。ここで、本発明
によれば、上記の実施例のようにディスプレイを形成す
ることにより、有機EL発光層4とカラーフィルタ12
との正確な位置合わせが可能となる。すなわち、基板1
と透明基板11のそれぞれに取り付けられた、図示を省
略したマーカにより位置合わせを行うが、この時、外周
封止層21に使用される接着剤には、次の2つの特性が
求められる。塗布された接着剤は、両方の基板が組み合
わされ、マーカによる位置合わせが完了するまでは、硬
化せずに自由な位置合わせ(微動)が行える必要があ
り、位置合わせが完了した時点では、短時間で硬化を完
了することが求められる。上記のような紫外線硬化型接
着剤、ならびに下記する可視光硬化型接着剤を使用する
ことにより、この2つの特性が満足される。
【0035】実施例2 本実施例の基本構成は実施例1と同様である。ただし、
外周封止層21には可視光硬化型接着剤を使用し、内部
封止層22には透明シリコーンゲル材料を使用する。こ
の可視光硬化型接着剤は、例えば東亜合成製、商品名ラ
ックストラックLCR0275であり、アクリル系材料
である。また硬化条件は、波長400nm、照度100
mW/cm2、照射時間30秒である。可視光硬化型接
着剤は、紫外線硬化型接着剤に比べ、照射装置が安価
で、設備コストが有利である。透明シリコーンゲル材料
は、信越化学工業製、商品名KE104Gelで、屈折
率はおよそ1.45、圧縮弾性率は0.5kg/mm2
以下である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、上記の構成を採用した
結果、外周封止層により、有機EL発光層とカラーフィ
ルタとの正確な位置合わせと短時間での固定が行なえ、
外部環境からの水分等の浸入を防止することが可能とな
った。さらに、内部封止層により、有機EL発光層から
の光の反射を防止し、カラーフィルタに光を有効に伝え
ることができ、併せて、硬化時の硬化収縮による剥離の
防止と環境温度からの熱応力による剥離を緩和するこ
と、ならびに外部環境からの水分等の浸入を防止し、長
期にわたって安定した発光特性を維持することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ELディスプレイの構造を示す断
面図
【図2】従来の有機ELディスプレイの構造を示す断面
【符号の説明】
1:基板 2:薄膜トランジスタ(TFT) 3:陽極 4:有機EL発光層 5:陰極 6:保護層 11:透明基板 12:カラーフィルタ 13:ブラックマスク 21:外周封止層 22:内部封止層 31:封止層 32:内部空間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成されたソース及びドレインを
    有する薄膜トランジスタと、この薄膜トランジスタの上
    部に前記ソースまたはドレインに接続された導電性薄膜
    材料からなる第1の電極、有機EL発光層、及び少なく
    とも透明導電性材料を備えてなる第2の電極と、保護層
    とを積層して構成され、前記薄膜トランジスタによって
    駆動される有機EL発光素子と、透明基板と、この透明
    基板に形成された色変換フィルタ層とを有する積層体と
    を、前記有機EL発光層と前記色変換フィルタ層との位
    置を合わせて封止接合する有機ELディスプレイにおい
    て、基板と透明基板とを封止接合する外周封止層と、こ
    の外周封止層の内側に有機EL発光層の発光の内部空間
    界面における反射を抑制するために充填される内部封止
    層とを設けたことを特徴とする有機ELディスプレイ。
  2. 【請求項2】外周封止層に紫外線硬化型接着剤もしくは
    可視光硬化型接着剤を使用した請求項1記載の有機EL
    ディスプレイ。
  3. 【請求項3】内部封止層に屈折率が1.3から2.5の
    弾性透明封止剤を使用した請求項1または請求項2に記
    載の有機ELディスプレイ。
  4. 【請求項4】弾性透明封止剤として透明シリコーンゴム
    材料もしくは透明シリコーンゲル材料を使用した請求項
    3に記載の有機ELディスプレイ。
  5. 【請求項5】基板上に形成されたソース及びドレインを
    有する薄膜トランジスタと、この薄膜トランジスタの上
    部に前記ソースまたはドレインに接続された導電性薄膜
    材料からなる第1の電極、有機EL発光層、及び少なく
    とも透明導電性材料を備えてなる第2の電極と、保護層
    とを積層して構成され、前記薄膜トランジスタによって
    駆動される有機EL発光素子を形成する工程と、透明基
    板と、この透明基板に形成された色変換フィルタ層とを
    有する積層体を形成する工程と、前記基板と前記透明基
    板との外周を、一部に未塗布部分を有する外周封止層に
    より正確な位置合わせを行なって接着する工程と、この
    未塗布部分より、基板と透明基板と外部封止層とにより
    囲まれた空間に内部封止層を充填する工程と、前記外周
    封止層の未塗布部分を塞ぐ工程と、を有することを特徴
    とする有機ELディスプレイの製造方法。
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