JP2003258281A - 薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池の製造方法

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JP2003258281A JP2002059047A JP2002059047A JP2003258281A JP 2003258281 A JP2003258281 A JP 2003258281A JP 2002059047 A JP2002059047 A JP 2002059047A JP 2002059047 A JP2002059047 A JP 2002059047A JP 2003258281 A JP2003258281 A JP 2003258281A
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solar cell
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film solar
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Shinji Fujikake
伸二 藤掛
Shinji Iwasaki
慎司 岩崎
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユニットセル内の局所的短絡に伴う薄膜太陽
電池の性能低下の防止を図り、樹脂基板を用いたSCA
F型太陽電池の場合には基板のカールの発生も抑止し、
ひいては、太陽電池の性能向上と製造歩留りの向上を図
った薄膜太陽電池の製造方法を提供する。 【解決手段】 片面型薄膜太陽電池の製造方法の場合に
は、複数個のユニットセルを形成後、透明電極層の表面
を、各ユニットセルの一部に電気的な露出部を残して接
着性樹脂で被覆し所定温度で加熱した後、前記露出部を
介して、各ユニットセルに電圧印加処理を行ない、ま
た、SCAF型太陽電池の場合には、複数個のユニット
セルを形成後、透明電極層の表面に接着性樹脂フィルム
をラミネートし所定温度で加熱した後、接続電極層を介
して各ユニットセルに電圧印加処理を行なうこととす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ユニットセルを
複数個直列または並列接続した薄膜太陽電池の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】非単結晶膜を用いた光電変換装置、特に
シリコン系の非単結晶薄膜であるアモルファス(非晶
質)シリコン(a-Si)、多結晶シリコンあるいは微結晶
シリコン等の薄膜を、プラズマ放電によって形成した薄
膜光電変換装置は、単結晶シリコンデバイスと比較し
て、大面積に、低温で、安価に作製できることから、電
力用の大面積薄膜太陽電池への適用において特に期待さ
れている。
【0003】従来の薄膜太陽電池は、後述するガラス基
板を用いるものが一般的であった。近年、軽量化、施工
性、量産性においてプラスチックフィルムを用いたフレ
キシブルタイプの太陽電池の研究開発が進められ実用化
されている。さらに、フレキシブルな金属材料に絶縁被
覆したフィルム基板を用いたものも開発されている。こ
のフレキシブル性を生かし、ロールツーロール方式やス
テッピングロール方式の製造方法により大量生産が可能
となった。
【0004】上記の薄膜太陽電池は、電気絶縁性フィル
ム基板上に第1電極(以下、下電極ともいう)、薄膜半
導体層からなる光電変換層および第2電極(以下、透明
電極ともいう)が積層されてなる光電変換素子(または
セル)が複数形成されている。ある光電変換素子の第1
電極と隣接する光電変換素子の第2電極を電気的に接続
することを繰り返すことにより、最初の光電変換素子の
第1電極と最後の光電変換素子の第2電極とに必要な電
圧を出力させることができる。例えば、インバータによ
り交流化し商用電力源として交流100Vを得るために
は、薄膜太陽電池の出力電圧は100V以上が望まし
く、実際には数10個以上の素子が直列接続される。
【0005】このような光電変換素子とその直列接続
は、電極層と光電変換層の成膜と各層のパターニングお
よびそれらの組み合わせ手順により形成される。上記太
陽電池の構成および製造方法の一例として、本願出願人
により、いわゆるSCAF(Series Connection throug
h Apertures on Film)型の薄膜太陽電池が提案されて
おり、例えば特開平10−233517号公報に記載さ
れている。
【0006】図11は、構造の理解の容易化のために、
前記SCAF型の薄膜太陽電池の構成を簡略化して斜視
図で示したものである。図11において、基板61の表
面に形成した単位光電変換素子62および基板61の裏
面に形成した接続電極層63は、それぞれ複数の単位ユ
ニットに完全に分離され、それぞれの分離位置をずらし
て形成されている。このため、素子62のアモルファス
半導体部分である光電変換層65で発生した電流は、ま
ず透明電極層66に集められ、次に該透明電極層領域に
形成された集電孔67を介して背面の接続電極層63に
通じ、さらに該接続電極層領域で素子の透明電極層領域
の外側に形成された直列接続用の接続孔68を介して上
記素子と隣り合う素子の透明電極層領域の外側に延びて
いる下電極層64に達し、両素子の直列接続が行われて
いる。
【0007】上記薄膜太陽電池の簡略化した製造工程を
図12(a)から(g)に示す。プラスチックフィルム7
1を基板として(工程(a))、これに接続孔78を形
成し(工程(b))、基板の両面に第1電極層(下電
極)74および第3電極層(接続電極の一部)73を形
成(工程(c))した後、接続孔78と所定の距離離れ
た位置に集電孔77を形成する(工程(d))。工程
(c)と工程(d)との間に、第1電極層(下電極)74
を所定の形状にレーザ加工して、下電極をパターニング
する工程があるが、ここではこの工程の図を省略してい
る。
【0008】次に、第1電極層74の上に、光電変換層
となる半導体層75および第2電極層である透明電極層
76を順次形成するとともに(工程(e)および工程
(f))、第3電極層73の上に第4電極層(接続電極
層)79を形成する(工程(g))。この後、レーザビ
ームを用いて、基板71の両側の薄膜を分離加工して図
11に示すような直列接続構造を形成する。
【0009】なお、図12においては、集電孔h2内に
おける透明電極層76と第4電極層79との接続をそれ
ぞれの層を重ねて2層で図示しているが、前記図11に
おいては、電気的に一層として扱い、1層で図示してい
る。
【0010】図10は、図11に示す薄膜太陽電池の構
成を、この発明の説明の便宜上、簡略化し一部を拡大し
て模式的に示す図で、図10(a)は平面図、図10
(b)は図10(a)におけるX−X断面図を示す。
【0011】図10において、図11と同一構成部材に
は同一番号を付して説明を省略する。図10において、
63で示す接続電極層は、図12において説明したよう
に、第1接続電極層(第3電極層)および第2接続電極
層(第4電極層)の2層からなる。また、1hの切断部
は、前述の分離線に相当し、接続電極層のパターニング
用罫書き線部、1gの切断部は、基板表面の光電変換部
のパターニング用罫書き線部を示す。
【0012】なお、上記薄膜太陽電池は、通常、絶縁保
護しモジュール化して使用される。太陽電池モジュール
としては、電気絶縁性を有するフィルム基板上に形成さ
れた薄膜太陽電池を、電気絶縁性の保護材により封止す
るために、太陽電池の受光面側および非受光面側の双方
に保護層を設けたものが知られている。
【0013】図13は、太陽電池モジュールの模式的構
造の一例の側断面図を示す。
【0014】図13において、太陽電池21は、複数個
の太陽電池素子が直列または並列接続されており、その
受光面側にガラス板などの表面保護部材22、裏面側に
アルミ箔の両面に一弗化エチレン(商品名:テドラー,
デュポン社製)を接着した防湿保護シートなどの裏面保
護部材23が設けられ、接着封止性に優れかつ安価なE
VA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)などの接着性
樹脂封止材24により熱融着封止されている。EVAの
厚さは、例えば、受光面側および非受光面側共に、それ
ぞれ0.4mmである。
【0015】また太陽電池21は、そのプラス(+)極と
マイナス(−)極に、内部リード線25、26が電気的に
接続され、この内部リード線25、26は、裏面保護部
材23に接着固定された端子ボックス27に、裏面保護
部材23を貫通して導かれ、端子ボックス27の内部で
外部リード線としてのケーブル28の芯線29、30と
電気的に接続され、これら全体として太陽電池モジュー
ル31を形成している。
【0016】なお、前記表面保護部材22としては、ガ
ラス板などの無機系材料の外に、透光性のアクリル樹脂
板やポリカーボネイト樹脂板などの有機系材料を用いる
こともある。また、裏面保護部材23としては、上記金
属箔入り樹脂以外に、フツ素系フィルムなどの有機系フ
ィルム単体、有機系フィルムと金属箔を貼り合せた複合
材料、もしくは金属板やガラス板などの金属・無機系材
料を用いることもある。
【0017】次に、ガラス基板を用い、その片面側に薄
膜太陽電池を形成する片面型薄膜太陽電池の構成とその
製造プロセスの概要について述べる。図9は、ガラス基
板片面型薄膜太陽電池で典型的に利用される直列接続構
造の製造プロセスの一例を示す。図9の(a)〜(f)
は、それぞれ下記を示す。即ち、(a)は、ガラス基板
51上に、第1電極層52を成膜した状態の断面図。
(b)は、前記第1電極層52を、ライン53において
レーザパターニングした断面図。(c)は、(b)にお
いて非晶質シリコンなどからなる光電変換層54を形成
した断面図。(d)は、(c)においてライン55でレ
ーザパターニングした断面図。(e)は、(d)におい
てSnO2などの透明電極層56を形成した断面図。(f)
は、透明電極層と光電変換層とを一括してライン57で
パターニングし、直列構造を完成させた状態の断面図。
【0018】上記のようなプロセスにより、複数個のユ
ニットセル相互を電気的に直列に接続してなるガラス基
板型太陽電池が形成される。
【0019】なお、ガラス基板型太陽電池の場合、前記
図9に示す構成において、52を透明電極層とし、56
を第1電極層とする場合もある。即ち、この場合には、
ガラス基板の上に、まず透明電極層が形成され、その上
に、光電変換層および第1電極層(裏面電極層)が形成
される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
薄膜太陽電池の製造方法においては、下記のような問題
があった。
【0021】まず、第1の問題として、成膜過程におい
て、基板上に付着しているゴミ等によりピンホールが発
生し、第1電極(下電極)と透明電極が電気的に短絡す
る問題がある。この問題が発生する要因は、透明電極層
の形成時点でピンホール内にも透明電極が延長して形成
されるためと推定されるが、通常は、このピンホールに
よる局所短絡部は、ユニットセルへの数ボルトの逆バイ
アスの電圧印加処理により、電気的に分離(局所短絡部
を除去して絶縁)することができる。
【0022】その理由は、逆バイアスの電圧印加処理に
よるジュール熱の発生により、ピンホール内の透明電極
が焼却除去されるものと推定される。通常、上記電圧印
加処理により、ユニットセル特性は改善するが、あまり
ピンホ−ルの数が多い場合や大きなピンホールが存在す
ると、電圧印加処理を行っても回復できないことがあ
る。特に大電流型の薄膜太陽電池の場合には、ユニット
セル面積が大きくなるため(発電電流はユニットセル面
積に比例するので)、面積に比例してピンホールの数が
増大し、ユニットセル内にこのような回復できないピン
ホ−ルが残存する確率が高くなる。
【0023】また、大きなピンホールがユニットセル内
に存在すると、電圧印加処理時に流れる電流が大きなピ
ンホール部に集中するために、その他の小さなピンホ−
ルも電圧印加処理で回復できなくなり、リーク電流が所
期のレベルまで下がらない、もしくは、セルの破壊によ
りリーク電流の増加に至ることがあった。
【0024】上記問題について、薄膜太陽電池の各種の
具体例について以下に述べる。第1の例として、前記S
CAF型の薄膜太陽電池の例について述べる。この薄膜
太陽電池の場合、基板に開けた集電孔(図10の67)
の側面では、光電変換層65によつて第1電極層64と
透明電極層66および接続電極層63とを絶縁する必要
がある。
【0025】しかしながら、機械加工やレーザー加工に
よって形成した集電孔(図12の77)の側面には、ミ
クロンオーダーの多数のシワやクラツクがある。この部
分では、光電変換層65が極端に薄くなったり、あるい
は、割れなどによりリークが発生しやすい。この種のリ
ークは非常に不安定で、耐圧が2〜4V程度と小さ
い、仮に絶縁が回復したとしても次工程までの間で再
度短絡してしまう等の問題があった。
【0026】第2の例として、SCAF型および片面型
の薄膜太陽電池に共通的に、光電変換層の厚さが薄い場
合(0.3μm以下)である。この場合、耐圧が2〜4
V程度と低く、逆バイアスで素子を破壊してしまう確率
が高い。
【0027】第3の例として厚さ1〜数nmの多結晶あ
るいは微結晶シリコンをi層に用いた場合があげられ
る。a−Siをi層に用いた場合と異なり、比較的抵抗
が低く、リーク発生部分にドーパントや金属が存在する
と著しく抵抗が下がるために、リークレベルを下げるこ
とが困難となる。
【0028】前記ピンホールによる局所短絡の問題の他
に、第2の問題として、プラスチックフィルム(例え
ば、ポリイミドフィルム)のようなフレキシブルな樹脂
基板を適用した薄膜太陽電池の場合、薄膜太陽電池を構
成する材料の内部応力による基板のカールが問題とな
る。内部応力は各層を150〜300℃程度の高温で製膜する
ことによる熱応力およびa-Si系膜製膜時の真性応力から
なる。
【0029】熱応力は、プラスチックフィルム(例え
ば、ポリイミドフィルム)およびa-Si系膜の膨張係数
が、それぞれ1〜3×10-5/℃、2〜5×10-6/℃である
ために発生し、a-Si系膜面が凸となるような応力とな
る。さらに、デバイス性能の観点から良好なa-Si膜は、
200〜500MPaの真性の圧縮応力を有し、熱応力と同様にa
-Si系膜面が凸となるような応力となる。
【0030】これらの作用で、例えば、50μmのポリイ
ミドフィルムフィルム上に形成した厚さ0.3〜0.4μmの
a-Si太陽電池では、a-Si系膜面を凸にして曲率半径15〜
20mmのカールが発生する。この結果、薄膜太陽電池セ
ルを裁断した後に、モジュール化のために、EVAなど
の接着性樹脂封止材を保護層としてラミネートする場
合、配線作業やラミネート作業時に基板を強引に伸ばし
て、前記カールを矯正する必要があり、このカール矯正
は、作業性が極めて悪く、かつ困難であった。また、薄
膜太陽電池セルを引き伸ばした際にデバイスを傷つける
ことがあり、その結果、リークを増大させることがあっ
た。
【0031】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、この発明の課題は、ユニット
セル内の局所的短絡に伴う薄膜太陽電池の性能低下の防
止を図り、また、樹脂基板を用いた薄膜太陽電池の場合
には基板のカールの発生も抑止し、ひいては、太陽電池
の性能向上と製造歩留りの向上を図った薄膜太陽電池の
製造方法を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、この発明においては、片面型薄膜太陽電池の場合
に、電気絶縁性を有する基板の表面に、第1電極層、光
電変換層、透明電極層の薄膜を積層し、単位部分にパタ
ーニングして罫書き線により矩形の単位薄膜太陽電池
(ユニットセル)を複数個形成し、このユニットセル相
互を電気的に直列に接続してなる薄膜太陽電池の製造方
法であって、以下の工程を含むこととする(請求項1の
発明)。 1)前記複数個のユニットセルを形成後、前記透明電極
層の表面を、各ユニットセルの一部に電気的な露出部を
残して接着性樹脂で被覆し、所定温度で加熱する工程。 2)前記各ユニットセル内の局所的短絡を回復するため
に、前記露出部を介して、各ユニットセルに電圧印加処
理を行なう工程。
【0033】また、SCAF型薄膜太陽電池の場合に
は、下記請求項2の発明が好適である。即ち、電気絶縁
性を有する基板の表面に下電極層としての第1電極層,
光電変換層,透明電極層(第2電極層)を順次積層して
なる光電変換部と、前記基板の裏面に形成した接続電極
層としての第3電極層および第4電極層とを備え、前記
光電変換部および接続電極層を互いに位置をずらして単
位部分に罫書き線によりパターニングしてなり、前記透
明電極層形成領域外に形成した電気的直列接続用の接続
孔および前記透明電極層形成領域内に形成した集電孔を
介して、前記表面上の互いにパターニングされて隣合う
複数個の単位光電変換部分(ユニットセル)を電気的に
直列に接続してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、
以下の工程を含むこととする。 1)前記複数個のユニットセルを形成後、前記透明電極
層の表面に接着性樹脂フィルムをラミネートし、所定温
度で加熱する工程。 2)前記各ユニットセル内の局所的短絡を回復するため
に、前記接続電極層を介して、各ユニットセルに電圧印
加処理を行なう工程。
【0034】さらに、前記各発明の実施態様として、下
記の発明が好ましい。即ち、請求項1または2記載の製
造方法において、前記接着性樹脂は、その熱膨張係数を
1〜6×10-4/℃、その膜厚を0.1〜1mmとする
(請求項3の発明)。また、請求項1ないし3のいずれ
かに記載の製造方法において、前記接着性樹脂はEVA
(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)とする(請求項4
の発明)。さらに、請求項1ないし4のいずれかに記載
の製造方法において、前記光電変換層の厚さは、0.3
μm以下とする(請求項5の発明)。さらにまた、請求
項1ないし5のいずれかに記載の製造方法において、前
記光電変換層は、少なくとも一つのpin接合を有し、
かつ前記pin接合におけるi層は、微結晶シリコンま
たは多結晶シリコンからなるものとする(請求項6の発
明)。
【0035】上記各発明によれば、詳細は後述するよう
に、薄膜太陽電池の有効発電領域の全面あるいは大部分
を、EVA等の接着性樹脂で覆って加熱処理した後に、
電圧印加処理(逆バイアス)を行うことにより、太陽電
池のリークレベルが一桁程度下がる。これによりセルの
効率が向上し、かつ安定化する。
【0036】EVA等の接着性樹脂であらかじめ覆った
場合、2つの作用効果により安定化すると考えられる。
まず、第一にEVAが前記光電変換層の割れ等の発生箇
所を保護し、物理的に安定化することが考えられる。さ
らに、第二の作用効果として、逆バイアス印加時にジュ
ール熱によりEVAが溶け出し、リークポイントに流れ
込み絶縁すると考えられる。絶縁のメカニズムに関して
は現時点では推定し難いが、EVAがリークの原因とな
る金属と化学反応を起こして絶縁させるか、あるいは、
シリコンと反応してSiOになり絶縁するものと考えられ
る。
【0037】ところで、EVA等の加熱温度は、架橋温
度(150℃程度)とする必要はなく、100℃以下の
温度で、簡易的に接着するレベルの温度でよい。上記電
圧印加処理後に、後述するように、ユニットセルの特性
評価を行う。その後、薄膜太陽電池をモジュール化する
際に、EVA等の接着性樹脂封止材により封止すること
となるが、この場合には、架橋可能な温度で加熱加圧処
理を行なう。
【0038】なお、接着性樹脂としては、上記EVAに
限定されない。例えば、エチレン・メタクリル酸共重
合体(EAA),ビニルシラングラフト化ポリエチレ
ン,エチレン・メタクリル酸エステル共重合体,ビ
ニルシラングラフト化ポリエチレン・ポリプロピレン共
重合体,テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプ
ロピレン・ビニリデンフロライド共重合体(THV)など
の接着性樹脂を用いることもできる。また、これらの接
着性樹脂には必要に応じてシランカップリング剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤、着色剤、難燃剤を配合
しても良い。
【0039】また、モジュール化前に、熱膨張係数およ
び熱収縮率がプラスチックフィルム基板よりも大きな接
着性樹脂フィルムを、架橋温度よりも低い100℃以下
の温度で、薄膜太陽電池表面に予備的に被着させること
により、結果として、前記カールを打ち消す方向に熱応
力が発生し、カールが緩和される。その際、前記請求項
3の発明のように、接着性樹脂は熱膨張係数が1〜6×
10-4/℃、膜厚0.1〜1mm程度が好ましい。前記E
VA他〜の接着性樹脂の熱膨張係数は、いずれも上
記範囲内である。
【0040】なお、薄膜太陽電池の構成には、種々の構
成があり、例えば、前述のように、図9に示す構成にお
いて、52を透明電極層とし、56を第1電極層とする
構成を含めた種々の構成に対して、本発明の技術思想の
範囲内において、同様の製造方法が採用できる。
【0041】
【発明の実施の形態】図面に基づき、本発明の実施例に
ついて以下に述べる。
【0042】(実施例1)第1の実施例として、図10
ないし図12に示したSCAF型薄膜太陽電池に適用し
た例について説明する。
【0043】図12に示す手順により、あらかじめ機械
加工やレーザー加工により接続孔を開けたポリイミド等
の耐熱性フィルム基板の上に、スパツタリングによりAg
やAl等の第1電極層および第3電極層を製膜し、その
後、機械加工やレーザー加工により集電孔を形成する。
続いてプラズマCVDによりa-Siを主材料としてなる膜厚
0.3〜0. 6μmの光電変換層を形成し、さらにスパツタ
リングによりITOからなる透明電極層を形成し、その
後、第4電極層を形成する。最後にレーザー等によりパ
ターニングを行い、複数個のユニットセルを直列接続し
た薄膜太陽電池を完成する。
【0044】上記薄膜太陽電池は、前記図13に示すよ
うに、電気絶縁性の保護材により封止するために、太陽
電池の受光面側および非受光面側の双方に保護層が設け
られ、太陽電池モジュールとして使用される。図4は、
説明の便宜上、図13を簡略化し、太陽電池のユニット
セル70を3個有する部分を拡大して例示する太陽電池
モジュールの模式図で、太陽電池の受光面側には、耐候
性の表面保護部材3、裏面側には、例えば、アルミ箔の
両面に一弗化エチレン(商品名:テドラー,デュポン社
製)を接着した防湿保護シートなどの裏面保護部材5が
設けられ、太陽電池は、接着封止性に優れかつ安価なE
VA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)などの接着性
樹脂封止材2および4により熱融着封止される。なお、
隣接するユニットセル間の空隙ハッチング部は、最終的
にEVAによりユニットセル間が充填された状態を示
す。
【0045】上記太陽電池モジュールに至る中間工程と
して、この実施例においては、前記複数個のユニットセ
ルを直列接続した薄膜太陽電池を形成後、透明電極層の
表面に、熱膨張係数2〜3×10-4/℃、膜厚0.3mm
の接着性樹脂(EVA)フィルムを予備的にラミネート
し、80℃に加熱した後、各ユニットセル内の局所的短
絡を回復するために、接続電極層を介して、各ユニット
セルに電圧印加処理を行なった。なお、モジュール化後
の保護層としてのEVAの厚さ、例えば0.4mmを加
えると、EVAの厚さは、モジュール化後において、受
光面側は合計0.7mmとなる。
【0046】即ち、前記複数のユニットセルを形成した
薄膜太陽電池の透明電極層側の面にEVAフィルムを予
備的にラミネートして加熱処理し、これを図5に示すよ
うに、ロール状に巻いて次工程に搬入する。このEVA
フィルムは、室温〜60度の範囲で弱い粘着力を有し、
加熱処理によりさらに一部溶融して粘着力を増し、この
粘着力により、薄膜太陽電池セルのフィルムとEVAが
一つのロールセルフィルムとなり、セルをEVAで保護
した状態でロール状にしてハンドリングできる。図5に
おいて、90はそのロールセルフィルムを示し、50は
その巻芯を示す。
【0047】上記中間工程における薄膜太陽電池とEV
Aとの接着は、保護層としての機能を持たせることが主
日的でなく、あくまでも、短絡部除去を良好に行うため
のものであるので、EVAを150℃程度の温度で架橋
させる必要はなく、100℃以下の温度で簡易的に接着
するレベルでかまわない。
【0048】上記ロールセルフィルムを、図1に示すロ
ール方式のセル特性評価装置に装着し、逆バイアス印加
部10で、各ユニットセルに、接続電極層を介して6V
の逆バイアス電圧を印加した後に、セル特性評価部11
でソーラーシミュレーターにより特性評価を行った。な
お、図1において、1は前記ロールセルフィルムに相当
し、8および9はその巻き出し用および巻取り用ロー
ル、12は接続電極層に電気的な接続を行ない電圧を印
加するためのプローブである。
【0049】次に、本発明の効果を調べるために、EV
Aを用いずに単に逆バイアスを印加した場合を比較例と
して比較実験を行った。その結果について以下に述べ
る。
【0050】まず、光電変換層の膜厚が0.5μmのa-Si
/a-Si二層タンデム構造のSCAF型セルを合計40個試
作した。セルのアパーチャー面積は3000cm2、直列段
数は152である。試作したセルの20枚はセル面側の全面
をEVAで被覆し、残りの20枚は被覆しないものとし
た。前者は本発明実施例、後者は比較従来例である。
【0051】図2は、リーク電流の測定結果を示す。図
2の横軸は試作セル番号、縦軸は、各セルのユニットセ
ルについて、逆バイアス印加処理終了直前のリーク電流
(mA)を測定し、セルごとに平均化したものである。
図2によれば、従来例に比べて本発明の方がリーク電流
が大幅に下がっており、安定化していることが分かる。
リーク電流をそれぞれ20セルで平均化すると、本発明は
8.2mAに対して、従来例は89mAとなっており、約1
桁リーク電流が小さくなっていることが確認できた。
【0052】次に、変換効率の測定結果について述べ
る。図3は、横軸を試作セル番号とし、縦軸を変換効率
(%)として、測定結果をプロツトしたものであるが、
リーク低減効果により本発明の方が安定性が高く、か
つ、変換効率の絶対値も高いことが分かる。図3の結果
によれば、本発明および従来例における平均効率は、そ
れぞれ9.0%、8.0%であった。
【0053】さらに、セルを図1に示す評価装置に装着
して、一度巻き取った後に、再度評価したところ、従来
例では5〜10%程度効率が低下したのに対し、本実施例
では全く変化が見られなかった。
【0054】また、カールに関わり、基板の曲率半径を
調べたところ、EVAを被着させていない薄膜太陽電池
セルは15〜20mmであるのに対し、本実施例のセル
はほぼフラットとなり、カールの緩和効果が確認され
た。
【0055】(実施例2)第2の実施例として、図9に
示した片面型薄膜太陽電池に適用した例であって、光電
変換層の膜厚が0.3μm以下の薄い場合について述べ
る。
【0056】セルの構造は図9に示すガラス基板51を
用いた薄膜太陽電池であり、直列接続構造をとってい
る。デバイス構造はa‐Siシングルセル、a‐Si/a‐Siタ
ンデムセルあるいはa‐SiGeセルを用いたタンデムある
いはトリプルセルのいずれかである。光電変換層の膜厚
は、トータルで0.3μm以下とした。
【0057】片面型薄膜太陽電池の場合には、発電領域
全面をEVAで覆うと、電圧印加処理用の電気的露出部
がなくなるので、図6に示すように、一部に電気的露出
部を設ける。即ち、各ユニットセルの一部に電気的な露
出部を残して接着性樹脂で被覆し、所定温度で加熱した
後、この露出部を介して電圧印加処理を行なう。なお、
この露出部は、モジュール化の段階で絶縁処理される。
【0058】図6(a)は、SnO2やZnOからなる透明電
極層56の一部に円形状の露出部13を設けた例を示
し、図6(b)は、透明電極層56の端部に露出部13
aを設け、レーザーパターニングライン14により、透
明電極層56と露出部13aとを電気的に分離する例を
示す。
【0059】逆バイアス条件としては、実施例1と同様
に、6V程度が良い。一例として、セル有効面積1200c
2、直列段数50、光電変換層膜厚0.25μm(i層を0.2
1μm)としたa‐Siシングルセルに関し、開放電圧(Vo
c),短絡電流(Isc),曲線因子(FF),変換効率(Ef
f)について、従来例と比較実験した。その結果を図7
に示す。
【0060】図7の結果によれば、第2の実施例の方
が、曲線因子(FF)が大きく、結果として変換効率(Ef
f)が高くなることが確認された。
【0061】(実施例3)第3の実施例として、図9に
示した片面型薄膜太陽電池に適用した例であって、微結
晶シリコンをi層に用いたタンデムセルに適用した場合
について述べる。セル構造は、a-Si/微結晶シリコンの
タンデム構造であり、トップおよびボトムi層膜厚はそ
れぞれ0.3μm、1.1μmとした。セルの面積および直列
段数は第2の実施例と同様である。
【0062】図8は、上記第3の実施例に関し、開放電
圧(Voc),短絡電流(Isc),曲線因子(FF),変換効
率(Eff)について、本実施例と従来例を比較実験した
結果を示す。6V印加時のリーク電流のユニツトセル平
均値が従来例102mAから11mAに大幅に下がったた
め、変換効率が9.0%から10.2%に向上した。
【0063】
【発明の効果】この発明によれば前述のように、前記片
面型薄膜太陽電池の製造方法の場合には、複数個のユニ
ットセルを形成後、透明電極層の表面を、各ユニットセ
ルの一部に電気的な露出部を残して接着性樹脂で被覆し
所定温度で加熱した後、前記露出部を介して、各ユニッ
トセルに電圧印加処理を行なうこととしたので、また、
前記SCAF型太陽電池の場合には、複数個のユニット
セルを形成後、透明電極層の表面に接着性樹脂フィルム
をラミネートし所定温度で加熱した後、接続電極層を介
して各ユニットセルに電圧印加処理を行なうこととした
ので、各ユニットセル内の局所的短絡を回復して薄膜太
陽電池の性能低下の防止を図り、また、樹脂基板を用い
たSCAF型太陽電池の場合には基板のカールの発生も
抑止し、ひいては、太陽電池の性能向上と製造歩留りの
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に関わる薄膜太陽電池のセル
特性評価装置の概略構成図
【図2】リーク電流の測定結果につき本発明と従来例を
比較して示す図
【図3】変換効率の測定結果につき本発明と従来例を比
較して示す図
【図4】太陽電池モジュールの模式的構成図
【図5】薄膜太陽電池とEVAとをラミネートしたロー
ルセルフィルムを示す図
【図6】片面型薄膜太陽電池に電気的露出部を形成した
状態を示す図
【図7】太陽電池諸特性の測定結果につき第2の実施例
と従来例とを比較して示す図
【図8】太陽電池諸特性の測定結果につき第3の実施例
と従来例とを比較して示す図
【図9】従来のガラス基板片面型太陽電池の構成プロセ
スの一例を示す図
【図10】従来のSCAF型薄膜太陽電池の概略構成を
示す図
【図11】従来のSCAF型薄膜太陽電池の概略構成を
示す斜視図
【図12】従来のSCAF型薄膜太陽電池の製造工程の
概略を示す図
【図13】従来の太陽電池モジュールの模式的構造の一
例の側断面図
【符号の説明】
1,90:ロールセルフィルム、10:逆バイアス印加
部、11:特性評価部、12:プローブ、13,13
a:露出部、14:レーザーパターニングライン、5
1,61,71:基板、52,64,74:第1電極層
(下電極層)、54,65,75:光電変換層、56,
66,76:透明電極層、63:接続電極層、67,7
7:集電孔、68,78:接続孔、73:第3電極層、
79:第4電極層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性を有する基板の表面に、第1
    電極層、光電変換層、透明電極層の薄膜を積層し、単位
    部分にパターニングして罫書き線により矩形の単位薄膜
    太陽電池(ユニットセル)を複数個形成し、このユニッ
    トセル相互を電気的に直列に接続してなる薄膜太陽電池
    の製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とす
    る薄膜太陽電池の製造方法。 1)前記複数個のユニットセルを形成後、前記透明電極
    層の表面を、各ユニットセルの一部に電気的な露出部を
    残して接着性樹脂で被覆し、所定温度で加熱する工程。 2)前記各ユニットセル内の局所的短絡を回復するため
    に、前記露出部を介して、各ユニットセルに電圧印加処
    理を行なう工程。
  2. 【請求項2】 電気絶縁性を有する基板の表面に下電極
    層としての第1電極層,光電変換層,透明電極層(第2
    電極層)を順次積層してなる光電変換部と、前記基板の
    裏面に形成した接続電極層としての第3電極層および第
    4電極層とを備え、前記光電変換部および接続電極層を
    互いに位置をずらして単位部分に罫書き線によりパター
    ニングしてなり、前記透明電極層形成領域外に形成した
    電気的直列接続用の接続孔および前記透明電極層形成領
    域内に形成した集電孔を介して、前記表面上の互いにパ
    ターニングされて隣合う複数個の単位光電変換部分(ユ
    ニットセル)を電気的に直列に接続してなる薄膜太陽電
    池の製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴と
    する薄膜太陽電池の製造方法。 1)前記複数個のユニットセルを形成後、前記透明電極
    層の表面に接着性樹脂フィルムをラミネートし、所定温
    度で加熱する工程。 2)前記各ユニットセル内の局所的短絡を回復するため
    に、前記接続電極層を介して、各ユニットセルに電圧印
    加処理を行なう工程。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の製造方法におい
    て、前記接着性樹脂は、その熱膨張係数を1〜6×10-4
    /℃、その膜厚を0.1〜1mmとすることを特徴とす
    る薄膜太陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の製
    造方法において、前記接着性樹脂はEVA(エチレン−
    酢酸ビニル共重合樹脂)とすることを特徴とする薄膜太
    陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    造方法において、前記光電変換層の厚さは、0.3μm
    以下とすることを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の製
    造方法において、前記光電変換層は、少なくとも一つの
    pin接合を有し、かつ前記pin接合におけるi層
    は、微結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなること
    を特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
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