JP2003258282A - 光吸収層の作製方法 - Google Patents
光吸収層の作製方法Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Cu−Ga合金層およびIn層からなる積層
プリカーサを形成するに際して、エネルギー変換効率の
良い光吸収層を作製するべく、組成が密なIn層をスパ
ッタリングによって容易に形成できるようにする。 【構成】 化合物半導体による薄膜太陽電池における裏
面電極上にCu−Ga合金層およびIn層からなる積層
プリカーサを形成して、Se雰囲気中で熱処理すること
によってCIGS系の光吸収層を作製する方法にあっ
て、酸素を添加したスパッタガスの雰囲気下でIn層を
形成するようにする。
プリカーサを形成するに際して、エネルギー変換効率の
良い光吸収層を作製するべく、組成が密なIn層をスパ
ッタリングによって容易に形成できるようにする。 【構成】 化合物半導体による薄膜太陽電池における裏
面電極上にCu−Ga合金層およびIn層からなる積層
プリカーサを形成して、Se雰囲気中で熱処理すること
によってCIGS系の光吸収層を作製する方法にあっ
て、酸素を添加したスパッタガスの雰囲気下でIn層を
形成するようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体による薄
膜太陽電池における光吸収層の作製方法に関する。
膜太陽電池における光吸収層の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、一般的なカルコパイライト系化
合物半導体による薄膜太陽電池の基本構造を示してい
る。それは、SLG(ソーダライムガラス)基板1上に
裏面電極(プラス電極)となるMo電極層2が成膜さ
れ、そのMo電極層2上に光吸収層5が成膜され、その
光吸収層5上にZnS,CdSなどからなるバッファ層
6を介して、マイナス電極となるZnO:Alなどから
なる透明電極層7が成膜されている。
合物半導体による薄膜太陽電池の基本構造を示してい
る。それは、SLG(ソーダライムガラス)基板1上に
裏面電極(プラス電極)となるMo電極層2が成膜さ
れ、そのMo電極層2上に光吸収層5が成膜され、その
光吸収層5上にZnS,CdSなどからなるバッファ層
6を介して、マイナス電極となるZnO:Alなどから
なる透明電極層7が成膜されている。
【0003】その化合物半導体による薄膜太陽電池にお
ける光吸収層4としては、現在18%を超す高いエネル
ギー変換効率が得られるものとして、Cu,(In,G
a),SeをベースとしたIb−IIIb−VIb2族
系のCu(In+Ga)Se2によるCIGS薄膜が用
いられている。
ける光吸収層4としては、現在18%を超す高いエネル
ギー変換効率が得られるものとして、Cu,(In,G
a),SeをベースとしたIb−IIIb−VIb2族
系のCu(In+Ga)Se2によるCIGS薄膜が用
いられている。
【0004】従来、CIGS薄膜による光吸収層を作製
する方法として、金属プリカーサ(前駆体)薄膜を用い
て、H2Seガス等のSeソースを用いた熱化学反応で
Se化合物を生成するセレン化法がある。
する方法として、金属プリカーサ(前駆体)薄膜を用い
て、H2Seガス等のSeソースを用いた熱化学反応で
Se化合物を生成するセレン化法がある。
【0005】特開平10−135495号明細書には、
図2に示すように、SLG基板1面に形成されたMo電
極層2上に、Cu−Gaの合金ターゲットを用いてAr
ガスの雰囲気下でスパッタリングにより成膜したCu−
Ga合金層31と、その上にInターゲットを用いてA
rガスの雰囲気下でスパッタリングにより成膜したIn
層32との積層構造によるプリカーサ3を形成して、そ
の積層プリカーサ3をSe雰囲気中で熱処理することに
より、CIGS薄膜による光吸収層を作製することが開
示されている。
図2に示すように、SLG基板1面に形成されたMo電
極層2上に、Cu−Gaの合金ターゲットを用いてAr
ガスの雰囲気下でスパッタリングにより成膜したCu−
Ga合金層31と、その上にInターゲットを用いてA
rガスの雰囲気下でスパッタリングにより成膜したIn
層32との積層構造によるプリカーサ3を形成して、そ
の積層プリカーサ3をSe雰囲気中で熱処理することに
より、CIGS薄膜による光吸収層を作製することが開
示されている。
【0006】しかし、このような従来の光吸収層の作製
方法では、スパッタリングによってIn層を形成する
際、Inの持つ低融点で表面張力が大きいといった物性
に起因して、比較的低温においても凝集して、図3に示
すように、粒状に結晶が成長して隙間Sが生じてしま
い、形成されるIn層32の組成が粗になってInの濃
度分布が不均一になってしまう。
方法では、スパッタリングによってIn層を形成する
際、Inの持つ低融点で表面張力が大きいといった物性
に起因して、比較的低温においても凝集して、図3に示
すように、粒状に結晶が成長して隙間Sが生じてしま
い、形成されるIn層32の組成が粗になってInの濃
度分布が不均一になってしまう。
【0007】そのため、積層プリカーサ3のセレン化時
に、隙間Sに対応する箇所がCuリッチとなって局所的
にCu−Se化合物が生成されてしまい、その生成物が
低抵抗を有して障壁部分における光電流のリークの原因
となって、電池特性の劣化をきたしている。
に、隙間Sに対応する箇所がCuリッチとなって局所的
にCu−Se化合物が生成されてしまい、その生成物が
低抵抗を有して障壁部分における光電流のリークの原因
となって、電池特性の劣化をきたしている。
【0008】このような不具合をなくすには、スパッタ
リングによってIn層32を形成するに際して、図4に
示すように、酸化In(O)を堆積させるようにすれ
ば、隙間なく密にIn層32を形成させることができる
ようになる。
リングによってIn層32を形成するに際して、図4に
示すように、酸化In(O)を堆積させるようにすれ
ば、隙間なく密にIn層32を形成させることができる
ようになる。
【0009】その場合、酸化物ターゲットを用いて酸化
In(O)を堆積させることが提案されているが、ター
ゲットコストが高くなって量産には不向になっている。
In(O)を堆積させることが提案されているが、ター
ゲットコストが高くなって量産には不向になっている。
【0010】また、従来の光吸収層の形成方法では、M
o電極層2上にCu−Ga合金層31、In層32を順
次積層したプリカーサ3のセレン化時に、Ga成分がM
o電極層2との界面に偏析して低抵抗のCu−Ga−S
e合金からなる異層が形成されてしまい、Mo電極層2
と光吸収層5との密着不良や光電流のリークの問題をき
たして、電池特性の劣化の要因となっている。
o電極層2上にCu−Ga合金層31、In層32を順
次積層したプリカーサ3のセレン化時に、Ga成分がM
o電極層2との界面に偏析して低抵抗のCu−Ga−S
e合金からなる異層が形成されてしまい、Mo電極層2
と光吸収層5との密着不良や光電流のリークの問題をき
たして、電池特性の劣化の要因となっている。
【0011】また、従来、光吸収層5にNaを拡散させ
た太陽電池のエネルギー変換効率が高くなることが報告
されている。そして、Naを拡散させる方法として、M
o電極上に蒸着法またはスパッタリング法によってNa
の層を形成したうえで、積層プリカーサを形成してセレ
ン化する方法が特開平8−222750号明細書に示さ
れている。しかし、それによれば、NaまたはNa化合
物の層が吸湿性を有しているために、成膜したのち大気
にふれると変質して剥離しやすくなってしまうという問
題がある。
た太陽電池のエネルギー変換効率が高くなることが報告
されている。そして、Naを拡散させる方法として、M
o電極上に蒸着法またはスパッタリング法によってNa
の層を形成したうえで、積層プリカーサを形成してセレ
ン化する方法が特開平8−222750号明細書に示さ
れている。しかし、それによれば、NaまたはNa化合
物の層が吸湿性を有しているために、成膜したのち大気
にふれると変質して剥離しやすくなってしまうという問
題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、化合物半導体による薄膜太陽電池における裏面電
極上にスパッタリングによりCu−Ga合金層およびI
n層からなる積層プリカーサを形成して、Se雰囲気中
で熱処理することによってCIGS系の光吸収層を作製
するに際して、形成されるIn層の組成が粗になって局
所的にCu−Se化合物が生成され、それが光電流のリ
ークの原因となって電池特性の劣化をきたしていること
である。
点は、化合物半導体による薄膜太陽電池における裏面電
極上にスパッタリングによりCu−Ga合金層およびI
n層からなる積層プリカーサを形成して、Se雰囲気中
で熱処理することによってCIGS系の光吸収層を作製
するに際して、形成されるIn層の組成が粗になって局
所的にCu−Se化合物が生成され、それが光電流のリ
ークの原因となって電池特性の劣化をきたしていること
である。
【0013】その際、スパッタリングによって形成され
るIn層の組成を密にするために酸化物ターゲットを用
いるのでは、ターゲットコストが高くなって量産には不
向になってしまうという問題がある。
るIn層の組成を密にするために酸化物ターゲットを用
いるのでは、ターゲットコストが高くなって量産には不
向になってしまうという問題がある。
【0014】また、裏面電極上にCu−Ga合金層、I
n層を順次積層したプリカーサ構造では、そのセレン化
時に、Ga成分が裏面電極との界面に偏析して低抵抗の
Cu−Ga−Se合金からなる異層が形成されてしま
い、裏面電極と光吸収層との密着不良や光電流のリーク
の問題をきたして、電池特性の劣化の要因となっている
ことである。
n層を順次積層したプリカーサ構造では、そのセレン化
時に、Ga成分が裏面電極との界面に偏析して低抵抗の
Cu−Ga−Se合金からなる異層が形成されてしま
い、裏面電極と光吸収層との密着不良や光電流のリーク
の問題をきたして、電池特性の劣化の要因となっている
ことである。
【0015】また、エネルギー変換効率を向上させるた
めに光吸収層にNaなどのアルカリ金属元素を拡散させ
るべく、裏面電極上に蒸着法またはスパッタリング法に
よってNaなどを含む層を成膜するのでは、その成膜さ
れる層が変質して剥離しやすいものになっていることで
ある。
めに光吸収層にNaなどのアルカリ金属元素を拡散させ
るべく、裏面電極上に蒸着法またはスパッタリング法に
よってNaなどを含む層を成膜するのでは、その成膜さ
れる層が変質して剥離しやすいものになっていることで
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、化合物半導体
による薄膜太陽電池における裏面電極上にCu−Ga合
金層およびIn層からなる積層プリカーサを形成して、
Se雰囲気中で熱処理することによってCIGS系の光
吸収層を作製する方法にあって、組成が密なIn層をス
パッタリングによって容易に形成させることができるよ
うにするべく、酸素を添加したスパッタガスの雰囲気下
でIn層を形成するようにしている。
による薄膜太陽電池における裏面電極上にCu−Ga合
金層およびIn層からなる積層プリカーサを形成して、
Se雰囲気中で熱処理することによってCIGS系の光
吸収層を作製する方法にあって、組成が密なIn層をス
パッタリングによって容易に形成させることができるよ
うにするべく、酸素を添加したスパッタガスの雰囲気下
でIn層を形成するようにしている。
【0017】そして、本発明は、積層プリカーサのセレ
ン化時に、Ga成分が裏面電極との界面に偏析して異層
が形成されて裏面電極と光吸収層との密着不良や光電流
のリークをきたして電池特性が劣化することがないよう
にするべく、裏面電極上に、In単体ターゲットを用い
た第1のスパッタリング工程によってIn層を形成した
うえで、Cu−Ga合金ターゲットを用いた第2のスパ
ッタリング工程によってCu−Ga合金層を形成するよ
うにしている。
ン化時に、Ga成分が裏面電極との界面に偏析して異層
が形成されて裏面電極と光吸収層との密着不良や光電流
のリークをきたして電池特性が劣化することがないよう
にするべく、裏面電極上に、In単体ターゲットを用い
た第1のスパッタリング工程によってIn層を形成した
うえで、Cu−Ga合金ターゲットを用いた第2のスパ
ッタリング工程によってCu−Ga合金層を形成するよ
うにしている。
【0018】さらに、本発明は、エネルギー変換効率を
向上させるために光吸収層にIa族元素のアルカリ成分
を拡散させる層を、剥離の問題を生ずることなく、簡単
な工程で得ることができるようにするべく、アルカリ金
属を含む水溶液に裏面電極を浸漬したのち乾燥させて裏
面電極上にアルカリ層を形成するようにしている。
向上させるために光吸収層にIa族元素のアルカリ成分
を拡散させる層を、剥離の問題を生ずることなく、簡単
な工程で得ることができるようにするべく、アルカリ金
属を含む水溶液に裏面電極を浸漬したのち乾燥させて裏
面電極上にアルカリ層を形成するようにしている。
【0019】
【実施例】本発明による光吸収層の作製方法にあって
は、図5に示すように、SLG基板1に成膜されている
Mo電極層2上にCIGS薄膜による光吸収層5を形成
するに際して、まず、Cu−Gaの合金ターゲットT1
を用いた第1のスパッタ工程SPT−1によって、Ar
やN2などの不活性ガスの雰囲気下でCu−Ga合金層
41を成膜している。次いで、InターゲットT2を用
いた第2のスパッタ工程SPT−2によって、ArやN
2などの不活性ガスにO2ガスを混入した雰囲気下でI
n層42を成膜して、Cu−Ga合金層41、In層4
2による積層プリカーサ4を形成するようにしている。
そして、熱処理工程HEATにおいて、その積層プリカ
ーサ4をSe雰囲気中で熱処理することにより、CIG
S薄膜による光吸収層5を作製するようにしている。
は、図5に示すように、SLG基板1に成膜されている
Mo電極層2上にCIGS薄膜による光吸収層5を形成
するに際して、まず、Cu−Gaの合金ターゲットT1
を用いた第1のスパッタ工程SPT−1によって、Ar
やN2などの不活性ガスの雰囲気下でCu−Ga合金層
41を成膜している。次いで、InターゲットT2を用
いた第2のスパッタ工程SPT−2によって、ArやN
2などの不活性ガスにO2ガスを混入した雰囲気下でI
n層42を成膜して、Cu−Ga合金層41、In層4
2による積層プリカーサ4を形成するようにしている。
そして、熱処理工程HEATにおいて、その積層プリカ
ーサ4をSe雰囲気中で熱処理することにより、CIG
S薄膜による光吸収層5を作製するようにしている。
【0020】このように、本発明では、特にIn層42
を成膜させるに際して、InターゲットT2を用いてA
rやN2などの不活性ガスにO2ガスを混入した雰囲気
下でスパッタリングさせるようにしているので、In粒
子の凝集が抑制されて組成が密な酸化In(O)を堆積
させることができるようになる。
を成膜させるに際して、InターゲットT2を用いてA
rやN2などの不活性ガスにO2ガスを混入した雰囲気
下でスパッタリングさせるようにしているので、In粒
子の凝集が抑制されて組成が密な酸化In(O)を堆積
させることができるようになる。
【0021】したがって、積層プリカーサ4のセレン化
時に、In層42の組成の隙間に対応する箇所がCuリ
ッチとなって局所的にCu−Se化合物が生成されるよ
うなことがなくなり、その生成物が低抵抗を有して光吸
収層5上にバッファ層を介して設けられる透明電極との
間における光電流のリークの原因となって電池特性の劣
化をきたすようなことが有効に防止される。
時に、In層42の組成の隙間に対応する箇所がCuリ
ッチとなって局所的にCu−Se化合物が生成されるよ
うなことがなくなり、その生成物が低抵抗を有して光吸
収層5上にバッファ層を介して設けられる透明電極との
間における光電流のリークの原因となって電池特性の劣
化をきたすようなことが有効に防止される。
【0022】具体的には、ArガスにO2ガスを0.5
%〜4.0%の範囲で混入させた雰囲気下で、Inター
ゲットT2を用いたDCスパッタリングを行わせること
によってIn層42を成膜したときに作製される光吸収
層5が、組成およびエネルギー変換効率の点で最適にな
ることが実測データによって確認されている。その際、
ArガスにO2ガスを4.0%以上混入させると、成膜
されるIn層42が変質して剥離しやすくなってしま
う。
%〜4.0%の範囲で混入させた雰囲気下で、Inター
ゲットT2を用いたDCスパッタリングを行わせること
によってIn層42を成膜したときに作製される光吸収
層5が、組成およびエネルギー変換効率の点で最適にな
ることが実測データによって確認されている。その際、
ArガスにO2ガスを4.0%以上混入させると、成膜
されるIn層42が変質して剥離しやすくなってしま
う。
【0023】また、図6は本発明による光吸収層の他の
作製方法を示している。
作製方法を示している。
【0024】ここでは、SLG基板1に成膜されている
Mo電極層2上にCIGS薄膜による光吸収層5を作製
するに際して、まず、InターゲットT2を用いた第1
のスパッタ工程SPT−1によって、ArやN2などの
不活性ガスにO2ガスを混入した雰囲気下でIn層42
を成膜している。次いで、その上に、Cu−Gaの合金
ターゲットT1を用いた第2のスパッタ工程SPT−2
によって、ArやN2などの不活性ガスの雰囲気下でC
u−Ga合金層41を成膜して、In層42およびCu
−Ga合金層41からなる積層プリカーサ4を形成する
ようにしている。そして、熱処理工程HEATにおい
て、その積層プリカーサ4をSe雰囲気中で熱処理する
ことにより、CIGS薄膜による光吸収層5を作製する
ようにしている。
Mo電極層2上にCIGS薄膜による光吸収層5を作製
するに際して、まず、InターゲットT2を用いた第1
のスパッタ工程SPT−1によって、ArやN2などの
不活性ガスにO2ガスを混入した雰囲気下でIn層42
を成膜している。次いで、その上に、Cu−Gaの合金
ターゲットT1を用いた第2のスパッタ工程SPT−2
によって、ArやN2などの不活性ガスの雰囲気下でC
u−Ga合金層41を成膜して、In層42およびCu
−Ga合金層41からなる積層プリカーサ4を形成する
ようにしている。そして、熱処理工程HEATにおい
て、その積層プリカーサ4をSe雰囲気中で熱処理する
ことにより、CIGS薄膜による光吸収層5を作製する
ようにしている。
【0025】このように、本発明によれば、特に、Mo
電極層2上にIn層42を設けたうえで、その上にCu
−Ga合金層41を設けて積層プリカーサ4を形成する
ようにしているので、Mo電極層2との界面における元
素の固層拡散による合金化を抑制することができる。そ
して、その積層プリカーサ4をSe雰囲気中で熱処理し
てセレン化する際に、Mo電極層2との界面におけるG
a濃度を下げて、Mo電極層2側にIn成分を充分に拡
散させることができるとともに、拡散速度の遅いGaが
Mo電極層2との界面に偏析して結晶性の悪いCu−G
a−Se層が形成されることがないようにして、均一な
結晶による高品質なP型半導体のCu(In+Ga)S
e2によるCIGSの光吸収層5を作製することができ
る。
電極層2上にIn層42を設けたうえで、その上にCu
−Ga合金層41を設けて積層プリカーサ4を形成する
ようにしているので、Mo電極層2との界面における元
素の固層拡散による合金化を抑制することができる。そ
して、その積層プリカーサ4をSe雰囲気中で熱処理し
てセレン化する際に、Mo電極層2との界面におけるG
a濃度を下げて、Mo電極層2側にIn成分を充分に拡
散させることができるとともに、拡散速度の遅いGaが
Mo電極層2との界面に偏析して結晶性の悪いCu−G
a−Se層が形成されることがないようにして、均一な
結晶による高品質なP型半導体のCu(In+Ga)S
e2によるCIGSの光吸収層5を作製することができ
る。
【0026】したがって、Mo電極層2と光吸収層5と
の間に、結晶性が悪くて構造的に脆く、かつ導電性を有
する異層(Cu−Ga−Se層)が介在するようなこと
がなくなり、Mo電極層2との密着性が高くて構造的に
強固な、しかも複数のセルを直列接続したときの各セル
間のリークの問題を生ずることのない電池特性の良好な
太陽電池を得ることができるようになる。
の間に、結晶性が悪くて構造的に脆く、かつ導電性を有
する異層(Cu−Ga−Se層)が介在するようなこと
がなくなり、Mo電極層2との密着性が高くて構造的に
強固な、しかも複数のセルを直列接続したときの各セル
間のリークの問題を生ずることのない電池特性の良好な
太陽電池を得ることができるようになる。
【0027】また、この場合にあっても、In層42の
成膜時に、In粒子の凝集が抑制されて組成が密な酸化
In(O)を堆積させることができ、積層プリカーサ4
のセレン化時に、In層42の組成の隙間に対応する箇
所がCuリッチとなって局所的にCu−Se化合物が生
成されるようなことがなくなり、その生成物が低抵抗を
有してMo電極層2に対する光電流のリークの原因とな
って電池特性の劣化をきたすようなことが有効に防止さ
れる。
成膜時に、In粒子の凝集が抑制されて組成が密な酸化
In(O)を堆積させることができ、積層プリカーサ4
のセレン化時に、In層42の組成の隙間に対応する箇
所がCuリッチとなって局所的にCu−Se化合物が生
成されるようなことがなくなり、その生成物が低抵抗を
有してMo電極層2に対する光電流のリークの原因とな
って電池特性の劣化をきたすようなことが有効に防止さ
れる。
【0028】また、図7は本発明による光吸収層のさら
に他の作製方法を示している。
に他の作製方法を示している。
【0029】ここでは、SLG基板1に成膜されている
Mo電極層2上にCIGS薄膜による光吸収層5を作製
するに際して、まず、InターゲットT2を用いた第1
のスパッタリング工程SPT−1によって、ArやN2
などの不活性ガスにO2ガスを混入した雰囲気下でMo
電極層2上にIn層42を成膜している。次いで、その
上にCu−Gaの合金ターゲットT1を用いた第2のス
パッタリング工程SPT−2によってCu−Ga合金層
41を成膜している。そして、さらにその上にInター
ゲットT2を用いた第3のスパッタリング工程SPT−
3によって、ArやN2などの不活性ガスにO2ガスを
混入した雰囲気下でIn層43を成膜して、Cu−Ga
合金層41をIn層42,43によって挟んだ構造の積
層プリカーサ4′を形成するようにしている。そして、
熱処理工程HEATにおいて、その積層プリカーサ4′
をSe雰囲気中で熱処理することにより、CIGS薄膜
による光吸収層5を作製するようにしている。
Mo電極層2上にCIGS薄膜による光吸収層5を作製
するに際して、まず、InターゲットT2を用いた第1
のスパッタリング工程SPT−1によって、ArやN2
などの不活性ガスにO2ガスを混入した雰囲気下でMo
電極層2上にIn層42を成膜している。次いで、その
上にCu−Gaの合金ターゲットT1を用いた第2のス
パッタリング工程SPT−2によってCu−Ga合金層
41を成膜している。そして、さらにその上にInター
ゲットT2を用いた第3のスパッタリング工程SPT−
3によって、ArやN2などの不活性ガスにO2ガスを
混入した雰囲気下でIn層43を成膜して、Cu−Ga
合金層41をIn層42,43によって挟んだ構造の積
層プリカーサ4′を形成するようにしている。そして、
熱処理工程HEATにおいて、その積層プリカーサ4′
をSe雰囲気中で熱処理することにより、CIGS薄膜
による光吸収層5を作製するようにしている。
【0030】このように、本発明によれば、特に、Mo
電極層2上にIn層42を設けたうえで、その上にCu
−Ga合金層41を設けるようにしているので、Mo電
極層2との界面における元素の固層拡散による合金化を
抑制することができる。そして、積層プリカーサ4′を
Se雰囲気中で熱処理してセレン化する際に、Mo電極
層2側にIn成分を充分に拡散させることができるとと
もに、拡散速度の遅いGaがMo電極層2との界面に偏
析して結晶性の悪いCu−Ga−Se層が形成されるこ
とがなくなる。また、表面がIn層43によって被覆さ
れているので、セレン化によって作製される光吸収層5
の表面にCu2Seが生成されることがなくなる。
電極層2上にIn層42を設けたうえで、その上にCu
−Ga合金層41を設けるようにしているので、Mo電
極層2との界面における元素の固層拡散による合金化を
抑制することができる。そして、積層プリカーサ4′を
Se雰囲気中で熱処理してセレン化する際に、Mo電極
層2側にIn成分を充分に拡散させることができるとと
もに、拡散速度の遅いGaがMo電極層2との界面に偏
析して結晶性の悪いCu−Ga−Se層が形成されるこ
とがなくなる。また、表面がIn層43によって被覆さ
れているので、セレン化によって作製される光吸収層5
の表面にCu2Seが生成されることがなくなる。
【0031】したがって、Mo電極層2と光吸収層5と
の間に、結晶性が悪くて構造的に脆く、かつ導電性を有
する異層(Cu−Ga−Se)が介在するようなことが
なく、また光吸収層5の表面に導電性を有する異層(C
u2Se)が生成されることのない、均一な結晶による
高品質なP型半導体のCu(In+Ga)Se2による
CIGSの光吸収層5を作製することができ、Mo電極
層2との密着性が高くて構造的に強固な、しかもリーク
のない電池特性の良好な太陽電池を得ることができるよ
うになる。
の間に、結晶性が悪くて構造的に脆く、かつ導電性を有
する異層(Cu−Ga−Se)が介在するようなことが
なく、また光吸収層5の表面に導電性を有する異層(C
u2Se)が生成されることのない、均一な結晶による
高品質なP型半導体のCu(In+Ga)Se2による
CIGSの光吸収層5を作製することができ、Mo電極
層2との密着性が高くて構造的に強固な、しかもリーク
のない電池特性の良好な太陽電池を得ることができるよ
うになる。
【0032】また、この場合にあっても、In層42、
43の成膜時に、In粒子の凝集が抑制されて組成が密
な酸化In(O)を堆積させることができ、積層プリカ
ーサ4′のセレン化時に、In層42,43の組成の隙
間に対応する箇所がCuリッチとなって局所的にCu−
Se化合物が生成されるようなことがなくなる。
43の成膜時に、In粒子の凝集が抑制されて組成が密
な酸化In(O)を堆積させることができ、積層プリカ
ーサ4′のセレン化時に、In層42,43の組成の隙
間に対応する箇所がCuリッチとなって局所的にCu−
Se化合物が生成されるようなことがなくなる。
【0033】また、本発明は、図8に示すように、Mo
電極層2上に、Cu−Ga合金層をIn層によって挟ん
だ構造を多段に複数設けて、積層プリカーサ4″を形成
するようにしている。
電極層2上に、Cu−Ga合金層をIn層によって挟ん
だ構造を多段に複数設けて、積層プリカーサ4″を形成
するようにしている。
【0034】ここでは、Mo電極層2上に、In層4
2、Cu−Ga合金層41、In層43、Cu−Ga合
金層44、In層45、Cu−Ga合金層46およびI
n層47を順次積層することによって、Cu−Ga合金
層をIn層によって挟んだ構造を3段に設けるようにし
ている。
2、Cu−Ga合金層41、In層43、Cu−Ga合
金層44、In層45、Cu−Ga合金層46およびI
n層47を順次積層することによって、Cu−Ga合金
層をIn層によって挟んだ構造を3段に設けるようにし
ている。
【0035】このように、Mo電極層2側にIn層42
が、表面にIn層47が配され、その間にCu−Ga合
金層41、In層43、Cu−Ga合金層44、In層
45およびCu−Ga合金層46が均等に配分されてい
るので、より均一な結晶による高品質なP型半導体のC
u(In+Ga)Se2によるCIGSの光吸収層5を
作製することができるようになる。
が、表面にIn層47が配され、その間にCu−Ga合
金層41、In層43、Cu−Ga合金層44、In層
45およびCu−Ga合金層46が均等に配分されてい
るので、より均一な結晶による高品質なP型半導体のC
u(In+Ga)Se2によるCIGSの光吸収層5を
作製することができるようになる。
【0036】また、図9および図10は、本発明による
光吸収層の他の作製方法を示している。
光吸収層の他の作製方法を示している。
【0037】ここでは、まず、図9に示すように、SL
G基板1上に、その基板のNa成分が拡散するのをしゃ
断するSiO2からなるバリア層8をCVD法によって
形成したうえで(ステップS1)、そのバリア層8の上
にMo電極層2をスパッタリングによって形成する(ス
テップS2)。
G基板1上に、その基板のNa成分が拡散するのをしゃ
断するSiO2からなるバリア層8をCVD法によって
形成したうえで(ステップS1)、そのバリア層8の上
にMo電極層2をスパッタリングによって形成する(ス
テップS2)。
【0038】次いで、そのMo電極層2上にNa2Sか
らなるアルカリ層9を浸漬法によって成膜する(ステッ
プS3)。
らなるアルカリ層9を浸漬法によって成膜する(ステッ
プS3)。
【0039】そのアルカリ層9の成膜としては、例え
ば、Na2S・9H2O(硫化ナトリウム9水和物)を
重量濃度0.1〜5%で純水に溶かした水溶液にMo電
極層2の成膜基板を浸して、スピンドライ乾燥させたの
ち、膜中残留水分の調整のために、大気中、150℃で
60分間のベーク処理を行う。
ば、Na2S・9H2O(硫化ナトリウム9水和物)を
重量濃度0.1〜5%で純水に溶かした水溶液にMo電
極層2の成膜基板を浸して、スピンドライ乾燥させたの
ち、膜中残留水分の調整のために、大気中、150℃で
60分間のベーク処理を行う。
【0040】そして、図10に示すように、アルカリ層
9上に、先にInターゲットT2を用いた第1のスパッ
タ工程SPT−1によって、ArやN2などの不活性ガ
スにO2ガスを混入した雰囲気下でIn層42を成膜す
る。次いで、その上に、Cu−Gaの合金ターゲットT
1を用いた第2のスパッタ工程SPT−2によって、A
rやN2などの不活性ガスの雰囲気下でCu−Ga合金
層41を成膜して、In層42およびCu−Ga合金層
41からなる積層プリカーサ4を形成する。次いで、熱
処理工程HEATにおいて、その積層プリカーサ4をS
e雰囲気中で熱処理して、CIGS薄膜による光吸収層
5を作製する。その際、アルカリ層9は、そのアルカリ
成分Naが光吸収層5に拡散して消滅する。
9上に、先にInターゲットT2を用いた第1のスパッ
タ工程SPT−1によって、ArやN2などの不活性ガ
スにO2ガスを混入した雰囲気下でIn層42を成膜す
る。次いで、その上に、Cu−Gaの合金ターゲットT
1を用いた第2のスパッタ工程SPT−2によって、A
rやN2などの不活性ガスの雰囲気下でCu−Ga合金
層41を成膜して、In層42およびCu−Ga合金層
41からなる積層プリカーサ4を形成する。次いで、熱
処理工程HEATにおいて、その積層プリカーサ4をS
e雰囲気中で熱処理して、CIGS薄膜による光吸収層
5を作製する。その際、アルカリ層9は、そのアルカリ
成分Naが光吸収層5に拡散して消滅する。
【0041】このように本発明によれば、特に、積層プ
リカーサ4をSe雰囲気中で熱処理するに際して、アル
カリ層9のアルカリ成分Naが有効に拡散してエネルギ
ー変換効率の良いCIGS薄膜による光吸収層5を作製
することができるようになる。
リカーサ4をSe雰囲気中で熱処理するに際して、アル
カリ層9のアルカリ成分Naが有効に拡散してエネルギ
ー変換効率の良いCIGS薄膜による光吸収層5を作製
することができるようになる。
【0042】そして、そのアルカリ層9を、簡単な工程
で容易に得ることができる。また、ウェット処理でMo
電極層2上にアルカリ層9の皮膜を形成するようにして
いるので、初期から水分を含んでいるために、成膜後に
吸湿による剥離の問題が生ずることがない。また、水和
物を使用することにより、膜中の水分を保持でき、ベー
ク処理によって膜中の水分を調整でき、濡れ性にも優れ
ている。
で容易に得ることができる。また、ウェット処理でMo
電極層2上にアルカリ層9の皮膜を形成するようにして
いるので、初期から水分を含んでいるために、成膜後に
吸湿による剥離の問題が生ずることがない。また、水和
物を使用することにより、膜中の水分を保持でき、ベー
ク処理によって膜中の水分を調整でき、濡れ性にも優れ
ている。
【0043】また、Na2S・9H2Oの水溶液を使用
すれば、その濃度をMo電極層2の表面酸化膜をエッチ
ングできる11〜13pHの範囲程度に調整することに
より、Mo電極層2の表面酸化膜を有効に除去すること
ができるようになるとともに、S成分を含有しているた
めにMo電極層2と光吸収層5との密着性が向上する。
すれば、その濃度をMo電極層2の表面酸化膜をエッチ
ングできる11〜13pHの範囲程度に調整することに
より、Mo電極層2の表面酸化膜を有効に除去すること
ができるようになるとともに、S成分を含有しているた
めにMo電極層2と光吸収層5との密着性が向上する。
【0044】浸漬法によってアルカリ層9を成膜する利
点としては、以下のとおりである。
点としては、以下のとおりである。
【0045】(1)スパッタリングや真空蒸着のような
大がかりな装置を必要とせず、比較的簡単な装置で実現
が可能である。また、真空装置を用いる場合にはスパッ
タターゲットや真空蒸着ソース等の品質管理が難しい
が、Na2S等の材料は吸湿性が高いので、浸漬法では
その材料の湿度などの管理が容易である。
大がかりな装置を必要とせず、比較的簡単な装置で実現
が可能である。また、真空装置を用いる場合にはスパッ
タターゲットや真空蒸着ソース等の品質管理が難しい
が、Na2S等の材料は吸湿性が高いので、浸漬法では
その材料の湿度などの管理が容易である。
【0046】(2)光を閉じ込めるためのテクスチャー
構造とした基板や電極表面であっても、その表面によく
適合したアルカリ層9を形成させることが可能である。
また、Na2S・9H2Oの水溶液の浸漬を行う箇所と
しては、Mo電極層2の表面以外に、積層プリカーサ4
の表面、セレン化後における光吸収層5の表面、光吸収
層5上に形成されるバッファ層の表面が考えられるが、
積層プリカーサ4の表面や光吸収層5の表面のようなラ
フネスの極端に大きな表面であっても分子レベルで良好
なカバレッジを確保できるようになる。
構造とした基板や電極表面であっても、その表面によく
適合したアルカリ層9を形成させることが可能である。
また、Na2S・9H2Oの水溶液の浸漬を行う箇所と
しては、Mo電極層2の表面以外に、積層プリカーサ4
の表面、セレン化後における光吸収層5の表面、光吸収
層5上に形成されるバッファ層の表面が考えられるが、
積層プリカーサ4の表面や光吸収層5の表面のようなラ
フネスの極端に大きな表面であっても分子レベルで良好
なカバレッジを確保できるようになる。
【0047】Mo電極層2の表面に対して浸漬を行う場
合には、アルカリ金属の水溶液を用いることでMo電極
層2の表面酸化膜のエッチング効果およびパーティクル
除去効果が得られる。それにより、Mo電極層2のレー
ザスクライプ後の表面洗浄工程を省くことが可能にな
る。また、Mo電極層2の表面洗浄をより効果的に行わ
せるために、アンモニアやNaOHなどを溶液に加える
ことでpHを容易に調整できる。
合には、アルカリ金属の水溶液を用いることでMo電極
層2の表面酸化膜のエッチング効果およびパーティクル
除去効果が得られる。それにより、Mo電極層2のレー
ザスクライプ後の表面洗浄工程を省くことが可能にな
る。また、Mo電極層2の表面洗浄をより効果的に行わ
せるために、アンモニアやNaOHなどを溶液に加える
ことでpHを容易に調整できる。
【0048】水溶液の浸漬によるため、アルカリ層9へ
の酸素や水素の残留があり、その酸素が光吸収層5に取
り込まれることで半導体特性が改善される。
の酸素や水素の残留があり、その酸素が光吸収層5に取
り込まれることで半導体特性が改善される。
【0049】また、本発明では、SLG基板1とMo電
極層2との間にバリア層8を設けるようにしているの
で、熱処理時にSLG基板1のNa成分がMo電極層2
を通して光吸収層5に拡散するのをしゃ断して、SLG
基板1から光吸収層5にNa成分が過剰に供給されるの
を防止できるとともに、SLG基板1の劣化を有効に防
止できる。
極層2との間にバリア層8を設けるようにしているの
で、熱処理時にSLG基板1のNa成分がMo電極層2
を通して光吸収層5に拡散するのをしゃ断して、SLG
基板1から光吸収層5にNa成分が過剰に供給されるの
を防止できるとともに、SLG基板1の劣化を有効に防
止できる。
【0050】浸漬法によってMo電極層2上にアルカリ
層9を成膜したときのNaの析出量の知見結果は、以下
のとおりである。
層9を成膜したときのNaの析出量の知見結果は、以下
のとおりである。
【0051】1Y16−51 Na2S 0.2%およ
び1Y16−52 Na2S 0.8%のそれぞれ希釈
を行った2つの試料を用いて、ICP−MS分析法によ
り、成膜部分に超純水6mlを滴下し、約5分間移液具
により走査しながらNaを回収した。その結果、前者の
試料では単位面積当り2.8E+15(atoma/c
m2)の原子数が得られ、後者の試料では単位面積当り
8,7E+15(atoma/cm2)の原子数が得ら
れた。定量限界は、2E+10程度である。
び1Y16−52 Na2S 0.8%のそれぞれ希釈
を行った2つの試料を用いて、ICP−MS分析法によ
り、成膜部分に超純水6mlを滴下し、約5分間移液具
により走査しながらNaを回収した。その結果、前者の
試料では単位面積当り2.8E+15(atoma/c
m2)の原子数が得られ、後者の試料では単位面積当り
8,7E+15(atoma/cm2)の原子数が得ら
れた。定量限界は、2E+10程度である。
【0052】図11は、Na2S水溶液の濃度を変えて
光吸収層5を作製したときのエネルギー変換効率η
〔%〕S=0.16の測定結果を示す特性図である。複
数の試料を用いたときの測定範囲をw1,w2,w3,
…によってあらわしている。
光吸収層5を作製したときのエネルギー変換効率η
〔%〕S=0.16の測定結果を示す特性図である。複
数の試料を用いたときの測定範囲をw1,w2,w3,
…によってあらわしている。
【0053】この測定結果によれば、Na2S水溶液の
濃度は、エネルギー変換効率ηの点からして、0.01
〜1.0(5)の範囲が適正である。その場合、Na2
S水溶液の濃度が薄いとエネルギー変換効率ηが悪くな
り、濃いとMo電極層2とSLG基板1との間でエッチ
ングによる剥離が生じてしまう。
濃度は、エネルギー変換効率ηの点からして、0.01
〜1.0(5)の範囲が適正である。その場合、Na2
S水溶液の濃度が薄いとエネルギー変換効率ηが悪くな
り、濃いとMo電極層2とSLG基板1との間でエッチ
ングによる剥離が生じてしまう。
【0054】図12は、Na2S水溶液(濃度0.27
%)の液温を変えて光吸収層5を作製したときのエネル
ギー変換効率η〔%〕S=0.16の測定結果を示す特
性図である。
%)の液温を変えて光吸収層5を作製したときのエネル
ギー変換効率η〔%〕S=0.16の測定結果を示す特
性図である。
【0055】この測定結果によれば、Na2S水溶液の
液温は、エネルギー変換効率ηの点からして、常温10
℃〜70℃の範囲が適正である(望ましくは15℃〜4
0℃の範囲)。その場合、Na2S水溶液の液温が低い
とエネルギー変換効率ηが悪くなり、80℃以上だとM
o電極層2とSLG基板1との間でエッチングによる剥
離が生じてしまう。
液温は、エネルギー変換効率ηの点からして、常温10
℃〜70℃の範囲が適正である(望ましくは15℃〜4
0℃の範囲)。その場合、Na2S水溶液の液温が低い
とエネルギー変換効率ηが悪くなり、80℃以上だとM
o電極層2とSLG基板1との間でエッチングによる剥
離が生じてしまう。
【0056】図13は、アルカリ層9をベーク処理(処
理時間60分)するときのベーク温度を変えて光吸収層
5を作製したときのエネルギー変換効率η〔%〕S=
0.16の測定結果を示す特性図である。
理時間60分)するときのベーク温度を変えて光吸収層
5を作製したときのエネルギー変換効率η〔%〕S=
0.16の測定結果を示す特性図である。
【0057】この測定結果によれば、ベーク温度は、エ
ネルギー変換効率ηの点からして、100℃〜400℃
の範囲が適正である(望ましくは100℃〜250℃の
範囲)。その場合、ベーク温度が低いとエネルギー変換
効率ηが悪くなり、高いとアルカリ層9の含水率が減少
して剥離しやすくなってしまう。
ネルギー変換効率ηの点からして、100℃〜400℃
の範囲が適正である(望ましくは100℃〜250℃の
範囲)。その場合、ベーク温度が低いとエネルギー変換
効率ηが悪くなり、高いとアルカリ層9の含水率が減少
して剥離しやすくなってしまう。
【0058】図14は、アルカリ層9を温度150℃で
ベーク処理するときのベーク時間を変えて光吸収層5を
作製したときのエネルギー変換効率η〔%〕S=0.1
6の測定結果を示す特性図である。
ベーク処理するときのベーク時間を変えて光吸収層5を
作製したときのエネルギー変換効率η〔%〕S=0.1
6の測定結果を示す特性図である。
【0059】この測定結果によれば、ベーク時間は、エ
ネルギー変換効率ηおよび作業性の点からして、10〜
60分の範囲が適正である。
ネルギー変換効率ηおよび作業性の点からして、10〜
60分の範囲が適正である。
【0060】本発明は、浸漬法によってアルカリ層9を
形成するのに用いるIa族元素を含む水溶液として、N
a2S・9H2O水和物を用いる以外に、その他のアル
カリ金属またはその硫化物、水酸化物、塩化物等の水溶
液を用いることが可能である。
形成するのに用いるIa族元素を含む水溶液として、N
a2S・9H2O水和物を用いる以外に、その他のアル
カリ金属またはその硫化物、水酸化物、塩化物等の水溶
液を用いることが可能である。
【0061】具体的には、以下の水溶液が用いられる。
Na化合物:Na2SeO3・5H2O、Na2TeO
3・5H2O、Na2SO3・7H2O、Na2B4O
7・10H2O、AlNa(SO4)2・12H2O、
NaCl K化合物:K2TeO3・3H2O、K2Al2O4・
3H2O、AlK(SO4)2・12H2O、KOH、
KFLi
3・5H2O、Na2SO3・7H2O、Na2B4O
7・10H2O、AlNa(SO4)2・12H2O、
NaCl K化合物:K2TeO3・3H2O、K2Al2O4・
3H2O、AlK(SO4)2・12H2O、KOH、
KFLi
【0062】また、本発明では、図15に示すように、
Mo電極層2上にNa2Sからなるアルカリ層9を成膜
したうえで、そのアルカリ層上にIn層42、Cu−G
a合金層41およびIn層43からなる積層プリカーサ
4′を図7の場合と同様に形成するようにしている。
Mo電極層2上にNa2Sからなるアルカリ層9を成膜
したうえで、そのアルカリ層上にIn層42、Cu−G
a合金層41およびIn層43からなる積層プリカーサ
4′を図7の場合と同様に形成するようにしている。
【0063】さらに、本発明では、図16に示すよう
に、Mo電極層2上にNa2Sからなるアルカリ層9を
成膜したうえで、そのアルカリ層上に、Cu−Ga合金
層をIn層に挟んだ構造を多段に複数設けた積層プリカ
ーサ4″を図8の場合と同様に形成するようにしてい
る。
に、Mo電極層2上にNa2Sからなるアルカリ層9を
成膜したうえで、そのアルカリ層上に、Cu−Ga合金
層をIn層に挟んだ構造を多段に複数設けた積層プリカ
ーサ4″を図8の場合と同様に形成するようにしてい
る。
【0064】
【効果】以上、本発明による光吸収層の作製方法にあっ
ては、化合物半導体による薄膜太陽電池における裏面電
極上にCu−Ga合金層およびIn層からなる積層プリ
カーサを形成して、Se雰囲気中で熱処理することによ
ってCIGS系の光吸収層を作製するに際して、酸素を
添加したスパッタガスの雰囲気下でIn層を形成するよ
うにしたもので、組成が密なIn層をスパッタリングに
よって容易に形成して、エネルギー変換効率の良い光吸
収層を作製することができるという利点を有している。
ては、化合物半導体による薄膜太陽電池における裏面電
極上にCu−Ga合金層およびIn層からなる積層プリ
カーサを形成して、Se雰囲気中で熱処理することによ
ってCIGS系の光吸収層を作製するに際して、酸素を
添加したスパッタガスの雰囲気下でIn層を形成するよ
うにしたもので、組成が密なIn層をスパッタリングに
よって容易に形成して、エネルギー変換効率の良い光吸
収層を作製することができるという利点を有している。
【0065】そして、本発明は、特に、裏面電極上にI
nターゲットを用いた第1のスパッタリング工程によっ
てIn層を形成したうえで、Cu−Ga合金ターゲット
を用いた第2のスパッタリング工程によってCu−Ga
合金層を形成するようにしたもので、積層プリカーサの
セレン化時に、Ga成分が裏面電極との界面に偏析して
異層が形成されて裏面電極と光吸収層との密着不良や光
電流のリークをきたして電池特性が劣化することがない
ようにすることができるという利点を有している。
nターゲットを用いた第1のスパッタリング工程によっ
てIn層を形成したうえで、Cu−Ga合金ターゲット
を用いた第2のスパッタリング工程によってCu−Ga
合金層を形成するようにしたもので、積層プリカーサの
セレン化時に、Ga成分が裏面電極との界面に偏析して
異層が形成されて裏面電極と光吸収層との密着不良や光
電流のリークをきたして電池特性が劣化することがない
ようにすることができるという利点を有している。
【0066】さらに、本発明は、特に、アルカリ金属を
含む水溶液に裏面電極を浸漬したのち乾燥させて裏面電
極上にアルカリ層を形成するようにしたもので、エネル
ギー変換効率を向上させるために光吸収層にIa族元素
のアルカリ成分を拡散させる層を、剥離の問題を生ずる
ことなく、簡単な工程で得ることができるという利点を
有している。
含む水溶液に裏面電極を浸漬したのち乾燥させて裏面電
極上にアルカリ層を形成するようにしたもので、エネル
ギー変換効率を向上させるために光吸収層にIa族元素
のアルカリ成分を拡散させる層を、剥離の問題を生ずる
ことなく、簡単な工程で得ることができるという利点を
有している。
【図1】一般的な化合物半導体による薄膜太陽電池の基
本的な構造を示す正断面図である。
本的な構造を示す正断面図である。
【図2】従来の方法によってMo電極層上にCu−Ga
合金層およびIn層からなる積層プリカーサが形成され
た状態を示す正断面図である。
合金層およびIn層からなる積層プリカーサが形成され
た状態を示す正断面図である。
【図3】従来の方法によってMo電極層上に形成された
積層プリカーサにおけるIn層の組成が粗になっている
状態を示す正断面図である。
積層プリカーサにおけるIn層の組成が粗になっている
状態を示す正断面図である。
【図4】Mo電極層上に形成された積層プリカーサにお
けるIn層を酸化させることによってその組成が密にな
っている状態を示す正断面図である。
けるIn層を酸化させることによってその組成が密にな
っている状態を示す正断面図である。
【図5】本発明によるMo電極層上に光吸収層を作製す
るプロセスを示す図である。
るプロセスを示す図である。
【図6】本発明によるMo電極層上に光吸収層を作製す
る他のプロセスを示す図である。
る他のプロセスを示す図である。
【図7】本発明によるMo電極層上に光吸収層を作製す
るさらに他のプロセスを示す図である。
るさらに他のプロセスを示す図である。
【図8】Mo電極層上にCu−Ga合金層をIn層で挟
んだ構造を多段に設けたときの積層プリカーサの構造を
示す正断面図である。
んだ構造を多段に設けたときの積層プリカーサの構造を
示す正断面図である。
【図9】本発明によってSLG基板上にバリア層、裏面
電極およびアルカリ層を順次成膜するプロセスを示す図
である。
電極およびアルカリ層を順次成膜するプロセスを示す図
である。
【図10】本発明によってアルカリ層上に積層プリカー
サを形成して光吸収層を作製するプロセスを示す図であ
る。
サを形成して光吸収層を作製するプロセスを示す図であ
る。
【図11】Na2S水溶液の濃度を変えて光吸収層を作
製したときのエネルギー変換効率の測定結果を示す特性
図である。
製したときのエネルギー変換効率の測定結果を示す特性
図である。
【図12】Na2S水溶液の液温を変えて光吸収層を作
製したときのエネルギー変換効率の測定結果を示す特性
図である。
製したときのエネルギー変換効率の測定結果を示す特性
図である。
【図13】アルカリ層をベーク処理するときの温度を変
えて光吸収層を作製したときのエネルギー変換効率の測
定結果を示す特性図である。
えて光吸収層を作製したときのエネルギー変換効率の測
定結果を示す特性図である。
【図14】アルカリ層をベーク処理するときの時間を変
えて光吸収層を作製したときのエネルギー変換効率の測
定結果を示す特性図である。
えて光吸収層を作製したときのエネルギー変換効率の測
定結果を示す特性図である。
【図15】アルカリ層上にCu−Ga合金層をIn層で
挟んだ構造の積層プリカーサを示す正断面図である。
挟んだ構造の積層プリカーサを示す正断面図である。
【図16】アルカリ層上にCu−Ga合金層をIn層で
挟んだ構造を多段に設けたときの積層プリカーサの構造
を示す正断面図である。
挟んだ構造を多段に設けたときの積層プリカーサの構造
を示す正断面図である。
1 SLG基板
2 Mo電極層
4 積層プリカーサ
41 In層
42 Cu−Ga合金層
43 In層
5 光吸収層
6 バッファ層
7 透明電極層
8 バリア層
9 アルカリ層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 小丸 貴史
埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン
ダエンジニアリング株式会社内
Fターム(参考) 5F051 AA10 CB15 CB24 CB29 FA06
GA03
Claims (5)
- 【請求項1】 化合物半導体による薄膜太陽電池におけ
る裏面電極上にCu−Ga合金層およびIn層からなる
積層プリカーサをスパッタ法により形成して、Se雰囲
気中で熱処理することによってCIGS系の光吸収層を
作製する方法において、酸素を添加したスパッタガスの
雰囲気下でIn層を形成するようにしたことを特徴とす
る光吸収層の作製方法。 - 【請求項2】 裏面電極上に、Cu−Ga合金ターゲッ
トを用いた第1のスパッタリング工程によってCu−G
a合金層を形成したうえで、In単体ターゲットを用い
た第2のスパッタリング工程によってIn層を形成する
ようにしたことを特徴とする請求項1の記載による光吸
収層の作製方法。 - 【請求項3】 裏面電極上に、In単体ターゲットを用
いた第1のスパッタリング工程によってIn層を形成し
たうえで、Cu−Ga合金ターゲットを用いた第2のス
パッタリング工程によってCu−Ga合金層を形成する
ようにしたことを特徴とする請求項1の記載による光吸
収層の作製方法。 - 【請求項4】 裏面電極上に、In単体ターゲットを用
いた第1のスパッタリング工程によってIn層を形成
し、Cu−Ga合金ターゲットを用いた第2のスパッタ
リング工程によってCu−Ga合金層を形成し、In単
体ターゲットを用いた第3のスパッタリング工程によっ
てIn層を形成するようにしたことを特徴とする請求項
1の記載による光吸収層の作製方法。 - 【請求項5】 裏面電極上にアルカリ金属元素を含有す
る層を形成したうえで、その上に積層プリカーサを形成
して、Se雰囲気中で熱処理することによってCIGS
系の光吸収層を作製するようにしたことを特徴とする請
求項1の記載による光吸収層の作製方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002107181A JP2003258282A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 光吸収層の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002107181A JP2003258282A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 光吸収層の作製方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003258282A true JP2003258282A (ja) | 2003-09-12 |
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ID=28672464
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|---|---|---|---|
| JP2002107181A Pending JP2003258282A (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | 光吸収層の作製方法 |
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| JP (1) | JP2003258282A (ja) |
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2002
- 2002-03-05 JP JP2002107181A patent/JP2003258282A/ja active Pending
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