JP2003268444A - 高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法Info
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- JP2003268444A JP2003268444A JP2002064642A JP2002064642A JP2003268444A JP 2003268444 A JP2003268444 A JP 2003268444A JP 2002064642 A JP2002064642 A JP 2002064642A JP 2002064642 A JP2002064642 A JP 2002064642A JP 2003268444 A JP2003268444 A JP 2003268444A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マルテンサイト系析出硬度型ステンレス鋼に
おいて、材料の不均一な熱処理を行うことなく均一でか
つ、従来にない高硬度、好ましくはHV500以上を達
成することを目的としている。 【解決手段】 マルテンサイト系析出硬化型ステンレス
鋼の素材を、固溶化熱処理を行った後、析出硬化熱処理
として、400〜450℃の熱処理炉に在炉させて当該
温度範囲に8時間以上、13時間以下に保持させる加熱
を行うことを特徴とする、高硬度マルテンサイト系析出
硬化型ステンレス鋼の製造方法。
おいて、材料の不均一な熱処理を行うことなく均一でか
つ、従来にない高硬度、好ましくはHV500以上を達
成することを目的としている。 【解決手段】 マルテンサイト系析出硬化型ステンレス
鋼の素材を、固溶化熱処理を行った後、析出硬化熱処理
として、400〜450℃の熱処理炉に在炉させて当該
温度範囲に8時間以上、13時間以下に保持させる加熱
を行うことを特徴とする、高硬度マルテンサイト系析出
硬化型ステンレス鋼の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高硬度マルテンサ
イト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法に関し、特に
プリント回路基板等の製造に使用するプレスプレート用
の高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製
造方法に関する。
イト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法に関し、特に
プリント回路基板等の製造に使用するプレスプレート用
の高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SUS630等のマルテンサイト系析出
硬化型ステンレス鋼はマルテンサイト変態点が室温付近
にあり、固溶化熱処理後はマルテンサイト組織を呈する
ステンレス鋼である。固溶化熱処理時にオーステナイト
地に固溶していた析出硬化元素が、室温ではマルテンサ
イト地に過飽和に固溶することになり、固溶化熱処理後
に続いて時効処理(析出硬化熱処理)を行うことによ
り、過飽和に固溶していた析出硬化元素が析出し、高い
硬度が得られる。鋼の熱処理は材料が均一に所定の温度
及び時間に保持される必要がある。固溶化熱処理に続く
析出硬化熱処理の条件は、従来、480℃以上の温度に
約1時間程度保持される加熱を行うことにより、高い硬
度が得られるとしている。小さな部品は従来の方法のよ
うな短時間の熱処理でも部品全体が均熱し所望の硬度が
得られるが、大きなブロックや板を積層した場合には、
材料内部の温度が所定の温度に到達するまでに長時間を
要し、その間に早く温度が上昇した部分は過時効となり
軟化してしまうという問題がある。また、従来行われて
いる析出硬化熱処理(480℃で1時間程度の保持時
間)で得られる硬度はSUS630の場合、硬度HV4
40程度であり、用途によっては硬度不足となる場合が
ある。特にプレスプレート用のSUS630の場合はよ
り高い硬度が要求され、キズの防止の面からはHV50
0以上の硬度が望まれている。
硬化型ステンレス鋼はマルテンサイト変態点が室温付近
にあり、固溶化熱処理後はマルテンサイト組織を呈する
ステンレス鋼である。固溶化熱処理時にオーステナイト
地に固溶していた析出硬化元素が、室温ではマルテンサ
イト地に過飽和に固溶することになり、固溶化熱処理後
に続いて時効処理(析出硬化熱処理)を行うことによ
り、過飽和に固溶していた析出硬化元素が析出し、高い
硬度が得られる。鋼の熱処理は材料が均一に所定の温度
及び時間に保持される必要がある。固溶化熱処理に続く
析出硬化熱処理の条件は、従来、480℃以上の温度に
約1時間程度保持される加熱を行うことにより、高い硬
度が得られるとしている。小さな部品は従来の方法のよ
うな短時間の熱処理でも部品全体が均熱し所望の硬度が
得られるが、大きなブロックや板を積層した場合には、
材料内部の温度が所定の温度に到達するまでに長時間を
要し、その間に早く温度が上昇した部分は過時効となり
軟化してしまうという問題がある。また、従来行われて
いる析出硬化熱処理(480℃で1時間程度の保持時
間)で得られる硬度はSUS630の場合、硬度HV4
40程度であり、用途によっては硬度不足となる場合が
ある。特にプレスプレート用のSUS630の場合はよ
り高い硬度が要求され、キズの防止の面からはHV50
0以上の硬度が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マルテンサ
イト系析出硬度型ステンレス鋼において、材料の不均一
な熱処理を行うことなく均一でかつ、従来にない高硬
度、好ましくはHV500以上を達成することを目的と
している。
イト系析出硬度型ステンレス鋼において、材料の不均一
な熱処理を行うことなく均一でかつ、従来にない高硬
度、好ましくはHV500以上を達成することを目的と
している。
【0004】
【課題を解決するための手段】一般にSUS630等の
マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼は1020〜
1060℃の温度範囲での固溶化熱処理の後、最も高い
硬度が得られるとしているH900(470〜490℃
(JIS G 4303))の析出硬化熱処理が行われ
ており、固溶化熱処理によってマルテンサイト地に過飽
和に固溶した析出硬化元素が、析出硬化熱処理により析
出する。この温度範囲での析出硬化熱処理では、析出硬
化元素の析出が早く、また成長も著しい。その為、短時
間で熱処理を終了させると、SUS630の場合、ビッ
カース硬度でHV440が得られるが、長時間保持され
ると軟化する。そして、短時間で均一な熱処理が不可能
な大きなブロックや板を積層した材料の析出硬化熱処理
においては、従来の熱処理条件では材料全体に均一な硬
度を得ることが出来ず、また硬度自体も十分とは言えな
い。本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究を進
めた結果、析出硬化熱処理において、熱処理温度を従来
より低くし、且つ熱処理の保持時間を長めに調整するこ
とにより、材料全体が均一な硬度になるとともに、従来
にない高い硬度が得られることを見出した。即ち、本発
明は新規な上記知見に基づくもので、請求項1に記載し
た発明は、マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の
素材を、固溶化熱処理を行った後、析出硬化熱処理とし
て、400〜450℃の熱処理炉に在炉させて当該温度
範囲に8時間以上、13時間以下に保持させる加熱を行
うことを特徴とする、高硬度マルテンサイト系析出硬化
型ステンレス鋼の製造方法である。析出硬化熱処理の温
度を400〜450℃とした理由は、400℃未満とし
た場合には析出が非常に遅い為に生産性が悪く、450
℃より高温とした場合は析出が早く制御が困難である為
であり、析出硬化熱処理の保持時間を8時間以上、13
時間以下とした理由は、8時間未満では十分な硬度が得
られない為であり、13時間を超えると生産性が悪くな
る為である。
マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼は1020〜
1060℃の温度範囲での固溶化熱処理の後、最も高い
硬度が得られるとしているH900(470〜490℃
(JIS G 4303))の析出硬化熱処理が行われ
ており、固溶化熱処理によってマルテンサイト地に過飽
和に固溶した析出硬化元素が、析出硬化熱処理により析
出する。この温度範囲での析出硬化熱処理では、析出硬
化元素の析出が早く、また成長も著しい。その為、短時
間で熱処理を終了させると、SUS630の場合、ビッ
カース硬度でHV440が得られるが、長時間保持され
ると軟化する。そして、短時間で均一な熱処理が不可能
な大きなブロックや板を積層した材料の析出硬化熱処理
においては、従来の熱処理条件では材料全体に均一な硬
度を得ることが出来ず、また硬度自体も十分とは言えな
い。本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究を進
めた結果、析出硬化熱処理において、熱処理温度を従来
より低くし、且つ熱処理の保持時間を長めに調整するこ
とにより、材料全体が均一な硬度になるとともに、従来
にない高い硬度が得られることを見出した。即ち、本発
明は新規な上記知見に基づくもので、請求項1に記載し
た発明は、マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の
素材を、固溶化熱処理を行った後、析出硬化熱処理とし
て、400〜450℃の熱処理炉に在炉させて当該温度
範囲に8時間以上、13時間以下に保持させる加熱を行
うことを特徴とする、高硬度マルテンサイト系析出硬化
型ステンレス鋼の製造方法である。析出硬化熱処理の温
度を400〜450℃とした理由は、400℃未満とし
た場合には析出が非常に遅い為に生産性が悪く、450
℃より高温とした場合は析出が早く制御が困難である為
であり、析出硬化熱処理の保持時間を8時間以上、13
時間以下とした理由は、8時間未満では十分な硬度が得
られない為であり、13時間を超えると生産性が悪くな
る為である。
【0005】以上のように、析出硬化熱処理温度を低下
させ時間を長くすることで、材料の不均一な熱処理を行
うことなく、しかも従来よりも高い硬度を達成できるこ
とが分かった。しかし、後述の実施例に記載しているよ
うに、より高い硬度(例えばHV500以上)を必要と
する場合は、未だ十分とは言えない。そこで、更に鋭意
研究を重ねた結果、更に硬度を高める為には、析出硬化
熱処理前に適当な冷間加工を施すことが有効であること
を見出した。この場合、冷間加工としては冷間圧延或い
は冷間圧延とレベラー処理の組み合わせが好適であり、
またより高い硬度を得る為に冷間圧延の圧延率は10%
以上が好ましい。即ち、請求項2に記載の発明は、マル
テンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の素材を、固溶化
熱処理を行った後、冷間加工を行い、次いで析出硬化熱
処理として、400〜450℃の熱処理炉に在炉させて
当該温度範囲に8時間以上、13時間以下に保持させる
加熱を行うことを特徴とする高硬度マルテンサイト系析
出硬化型ステンレス鋼の製造方法である。また、請求項
3に記載の発明は、冷間加工が冷間圧延である請求項2
記載の高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼
の製造方法。請求項4に記載の発明は、冷間加工が冷間
圧延とその後のレベラー処理からなる請求項2記載の高
硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方
法。請求項5に記載の発明は、冷間圧延の圧延率が10
%以上である請求項3及び4記載の高硬度マルテンサイ
ト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法である。本発明
で使用する素材については、通常の熱間圧延或いは熱間
圧延後、冷間圧延を行ったマルテンサイト系析出硬化型
ステンレス鋼板を使用すればよい。また、固溶化熱処理
は一般的な方法でよく、例えば1020〜1060℃で
加熱後、急冷する方法で実施すればよい。本発明の製造
方法はプリント回路基板の製造に用いるプレスプレート
用ステンレス鋼の製造に特に好適であり、使用するステ
ンレス鋼としてはマルテンサイト系析出硬化型ステンレ
ス鋼のなかでも特にSUS630が適している。以下、
実施例に基づいて、本発明を更に詳しく説明する。
させ時間を長くすることで、材料の不均一な熱処理を行
うことなく、しかも従来よりも高い硬度を達成できるこ
とが分かった。しかし、後述の実施例に記載しているよ
うに、より高い硬度(例えばHV500以上)を必要と
する場合は、未だ十分とは言えない。そこで、更に鋭意
研究を重ねた結果、更に硬度を高める為には、析出硬化
熱処理前に適当な冷間加工を施すことが有効であること
を見出した。この場合、冷間加工としては冷間圧延或い
は冷間圧延とレベラー処理の組み合わせが好適であり、
またより高い硬度を得る為に冷間圧延の圧延率は10%
以上が好ましい。即ち、請求項2に記載の発明は、マル
テンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の素材を、固溶化
熱処理を行った後、冷間加工を行い、次いで析出硬化熱
処理として、400〜450℃の熱処理炉に在炉させて
当該温度範囲に8時間以上、13時間以下に保持させる
加熱を行うことを特徴とする高硬度マルテンサイト系析
出硬化型ステンレス鋼の製造方法である。また、請求項
3に記載の発明は、冷間加工が冷間圧延である請求項2
記載の高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼
の製造方法。請求項4に記載の発明は、冷間加工が冷間
圧延とその後のレベラー処理からなる請求項2記載の高
硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方
法。請求項5に記載の発明は、冷間圧延の圧延率が10
%以上である請求項3及び4記載の高硬度マルテンサイ
ト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法である。本発明
で使用する素材については、通常の熱間圧延或いは熱間
圧延後、冷間圧延を行ったマルテンサイト系析出硬化型
ステンレス鋼板を使用すればよい。また、固溶化熱処理
は一般的な方法でよく、例えば1020〜1060℃で
加熱後、急冷する方法で実施すればよい。本発明の製造
方法はプリント回路基板の製造に用いるプレスプレート
用ステンレス鋼の製造に特に好適であり、使用するステ
ンレス鋼としてはマルテンサイト系析出硬化型ステンレ
ス鋼のなかでも特にSUS630が適している。以下、
実施例に基づいて、本発明を更に詳しく説明する。
【0006】
【実施例1】実機生産ラインで溶製した表1に示す組成
からなるマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼を熱
間加工し、1035℃での固溶化熱処理、急冷後、41
0〜480℃の設定の加熱炉により、0.5〜24時間
の在炉時間の析出硬化熱処理を施した。その後、得られ
た材料の硬度測定を行った。測定結果を表2及び図1に
示す。これらの表、図に示すように熱処理温度が410
〜450℃において、8〜13時間の熱処理を施すと、
従来のH900(480℃設定、1時間保持)の達成硬
度より高い硬度が得られることが分かった。
からなるマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼を熱
間加工し、1035℃での固溶化熱処理、急冷後、41
0〜480℃の設定の加熱炉により、0.5〜24時間
の在炉時間の析出硬化熱処理を施した。その後、得られ
た材料の硬度測定を行った。測定結果を表2及び図1に
示す。これらの表、図に示すように熱処理温度が410
〜450℃において、8〜13時間の熱処理を施すと、
従来のH900(480℃設定、1時間保持)の達成硬
度より高い硬度が得られることが分かった。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】
【0009】
【実施例2】実施例1で用いたのと同様のマルテンサイ
ト系析出硬化型ステンレス鋼を熱間加工、焼鈍、酸洗
後、板厚2.1mmまで冷間圧延して薄板材を作成し、
1050℃で固溶化熱処理後、急冷した。得られた薄板
材を用いて、圧延率5、10、15、25、35%の冷
間圧延(以下、前加工と記す)を行い、固溶化熱処理ま
まの薄板材と共に、430℃の設定の加熱炉により、
0.1〜24時間の在炉時間の析出硬化熱処理を施し
た。その後、得られた材料の硬度測定を行った。表3及
び図2にそれらの結果を示す。これらの表、図に示すよ
うに、析出硬化熱処理前に冷間圧延を行った材料(以
下、前加工材と記す)は、固溶化熱処理まま材に比べ析
出硬化処理後の硬度が高くなることが分かった。この場
合、前加工圧延率5%の前加工材は析出硬化熱処理後の
最高到達硬度がHV500を超えることなく、熱処理時
間とともに過時効となり軟化してしまい、その効果はあ
まり大きくない。一方、前加工の圧延率を10%以上と
すればその後の析出硬化熱処理にてHV500以上を超
える硬度を得ることができ、熱処理時間13時間付近で
最大硬度を示す。
ト系析出硬化型ステンレス鋼を熱間加工、焼鈍、酸洗
後、板厚2.1mmまで冷間圧延して薄板材を作成し、
1050℃で固溶化熱処理後、急冷した。得られた薄板
材を用いて、圧延率5、10、15、25、35%の冷
間圧延(以下、前加工と記す)を行い、固溶化熱処理ま
まの薄板材と共に、430℃の設定の加熱炉により、
0.1〜24時間の在炉時間の析出硬化熱処理を施し
た。その後、得られた材料の硬度測定を行った。表3及
び図2にそれらの結果を示す。これらの表、図に示すよ
うに、析出硬化熱処理前に冷間圧延を行った材料(以
下、前加工材と記す)は、固溶化熱処理まま材に比べ析
出硬化処理後の硬度が高くなることが分かった。この場
合、前加工圧延率5%の前加工材は析出硬化熱処理後の
最高到達硬度がHV500を超えることなく、熱処理時
間とともに過時効となり軟化してしまい、その効果はあ
まり大きくない。一方、前加工の圧延率を10%以上と
すればその後の析出硬化熱処理にてHV500以上を超
える硬度を得ることができ、熱処理時間13時間付近で
最大硬度を示す。
【0010】
【表3】
【0011】
【実施例3】実施例1で用いたのと同様のマルテンサイ
ト系析出硬化型ステンレス鋼を熱間加工、焼鈍、酸洗
後、板厚2.1mmまで冷間圧延して薄板材を作成し、
1050℃で固溶化熱処理後、急冷した。得られた薄板
材を用いて、圧延率5%の冷間圧延を行い、その後、歪
を与える為に板に繰り返し曲げ変形を加えるレベラー処
理を1〜7パス実施した。レベラー処理前後の硬度を測
定した後、各パス回数のレベラー処理を行った板を、4
30℃の温度設定の加熱炉により、13時間の在炉時間
の析出硬化熱処理を施した。そして析出硬化熱処理後に
材料の硬度測定を行った。表4及び図3、4にそれらの
結果を示す。図3はレベラー処理後(析出硬化熱処理
前)の硬度の、レベラーパス回数との関係を示す図であ
り、1パス目にて硬度が上昇し、その後パス回数を増や
していくとバウジンガー効果により軟化していくことが
分かる。しかし、図4の析出硬化熱処理後の硬度に示し
たように430℃、13時間の析出硬化熱処理を行う
と、レベラー処理1パス以降、歪が与えられている為
に、レベラーのパス回数によらず、HV500以上を達
成することが分かる。
ト系析出硬化型ステンレス鋼を熱間加工、焼鈍、酸洗
後、板厚2.1mmまで冷間圧延して薄板材を作成し、
1050℃で固溶化熱処理後、急冷した。得られた薄板
材を用いて、圧延率5%の冷間圧延を行い、その後、歪
を与える為に板に繰り返し曲げ変形を加えるレベラー処
理を1〜7パス実施した。レベラー処理前後の硬度を測
定した後、各パス回数のレベラー処理を行った板を、4
30℃の温度設定の加熱炉により、13時間の在炉時間
の析出硬化熱処理を施した。そして析出硬化熱処理後に
材料の硬度測定を行った。表4及び図3、4にそれらの
結果を示す。図3はレベラー処理後(析出硬化熱処理
前)の硬度の、レベラーパス回数との関係を示す図であ
り、1パス目にて硬度が上昇し、その後パス回数を増や
していくとバウジンガー効果により軟化していくことが
分かる。しかし、図4の析出硬化熱処理後の硬度に示し
たように430℃、13時間の析出硬化熱処理を行う
と、レベラー処理1パス以降、歪が与えられている為
に、レベラーのパス回数によらず、HV500以上を達
成することが分かる。
【0012】
【表4】
【0013】
【発明の効果】以上説明した本発明の高硬度マルテンサ
イト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法によると、請
求項1に記載の発明によれば、大きなブロックや板を積
層した場合にも適用できる、均一で、しかも従来にない
高硬度な材料を効率的に得ることができる。また、請求
項2〜5に記載の発明によれば、析出硬化熱処理前の冷
間加工により更に高い硬度の材料を得ることができる。
特に析出硬化熱処理前の冷間加工として、圧延率10%
以上の加工により、或いは圧延率10%未満でもレベラ
ー処理を追加することにより、硬度HV500以上を得
ることができる。そして析出硬化熱処理としては430
℃、13時間保持することが最も望ましい。
イト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法によると、請
求項1に記載の発明によれば、大きなブロックや板を積
層した場合にも適用できる、均一で、しかも従来にない
高硬度な材料を効率的に得ることができる。また、請求
項2〜5に記載の発明によれば、析出硬化熱処理前の冷
間加工により更に高い硬度の材料を得ることができる。
特に析出硬化熱処理前の冷間加工として、圧延率10%
以上の加工により、或いは圧延率10%未満でもレベラ
ー処理を追加することにより、硬度HV500以上を得
ることができる。そして析出硬化熱処理としては430
℃、13時間保持することが最も望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】固溶化熱処理後の材料を使用し、各設定温度の
析出硬化熱処理を行った時の、熱処理時間と硬度の関係
を表す図。
析出硬化熱処理を行った時の、熱処理時間と硬度の関係
を表す図。
【図2】前加工として各圧延率で冷間圧延を行った材料
を析出硬化熱処理(430℃)した場合の、熱処理時間
と硬度の関係を表す図。
を析出硬化熱処理(430℃)した場合の、熱処理時間
と硬度の関係を表す図。
【図3】前加工として圧延率5%の冷間圧延を行った後
にレベラー処理を実施した材料の、レベラー処理後(析
出硬化熱処理前)における、レベラーパス回数と硬度の
関係を表す図。
にレベラー処理を実施した材料の、レベラー処理後(析
出硬化熱処理前)における、レベラーパス回数と硬度の
関係を表す図。
【図4】前加工として圧延率5%の冷間圧延を行った後
にレベラー処理を実施した材料の、析出硬化熱処理(4
30℃、13時間)後における、レベラーパス回数と硬
度の関係を表す図。
にレベラー処理を実施した材料の、析出硬化熱処理(4
30℃、13時間)後における、レベラーパス回数と硬
度の関係を表す図。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 青山 春男
神奈川県相模原市大山町1番30号 日本金
属工業株式会社相模原事業所内
Fターム(参考) 4K037 EB13 FG00
Claims (5)
- 【請求項1】 マルテンサイト系析出硬化型ステンレス
鋼の素材を、固溶化熱処理を行った後、析出硬化熱処理
として、400〜450℃の熱処理炉に在炉させて当該
温度範囲に8時間以上、13時間以下に保持させる加熱
を行うことを特徴とする、高硬度マルテンサイト系析出
硬化型ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項2】 マルテンサイト系析出硬化型ステンレス
鋼の素材を、固溶化熱処理を行った後、冷間加工を行
い、次いで、析出硬化熱処理として、400〜450℃
の熱処理炉に在炉させて当該温度範囲に8時間以上、1
3時間以下に保持させる加熱を行うことを行うことを特
徴とする、高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレ
ス鋼の製造方法。 - 【請求項3】 冷間加工が冷間圧延である請求項2記載
の高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製
造方法。 - 【請求項4】 冷間加工が冷間圧延とその後のレベラー
処理からなる請求項2記載の高硬度マルテンサイト系析
出硬化型ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項5】 冷間圧延の圧延率が10%以上である請
求項3及び4記載の高硬度マルテンサイト系析出硬化型
ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002064642A JP2003268444A (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | 高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002064642A JP2003268444A (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | 高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003268444A true JP2003268444A (ja) | 2003-09-25 |
Family
ID=29197322
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002064642A Pending JP2003268444A (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | 高硬度マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003268444A (ja) |
-
2002
- 2002-03-11 JP JP2002064642A patent/JP2003268444A/ja active Pending
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