JP2003268452A - 磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製造方法Info
- Publication number
- JP2003268452A JP2003268452A JP2002071427A JP2002071427A JP2003268452A JP 2003268452 A JP2003268452 A JP 2003268452A JP 2002071427 A JP2002071427 A JP 2002071427A JP 2002071427 A JP2002071427 A JP 2002071427A JP 2003268452 A JP2003268452 A JP 2003268452A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- annealing
- oriented electrical
- electrical steel
- annealing separator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 二次再結晶に影響を及ぼさないように下工
程、特に仕上げ焼鈍時に、鋼板に鉄損低減に有効な元素
をドープさせることにより、製品の鉄損の低い方向性電
磁鋼板を安定して製造する方法を提供する。 【解決手段】 方向性電磁鋼板の製造方法において、脱
炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない酸化度の雰囲気ガス
中で行い、鋼板表面にシリカを主成分とする酸化層を形
成させた後に、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布すること、及びこの焼鈍分離剤中にCr,Cu,M
n,Niの金属粉の一種もしくは複数種を添加する磁気
特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製造方法。
程、特に仕上げ焼鈍時に、鋼板に鉄損低減に有効な元素
をドープさせることにより、製品の鉄損の低い方向性電
磁鋼板を安定して製造する方法を提供する。 【解決手段】 方向性電磁鋼板の製造方法において、脱
炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない酸化度の雰囲気ガス
中で行い、鋼板表面にシリカを主成分とする酸化層を形
成させた後に、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布すること、及びこの焼鈍分離剤中にCr,Cu,M
n,Niの金属粉の一種もしくは複数種を添加する磁気
特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として変圧器そ
の他の電気機器等の鉄心として利用される一方向性電磁
鋼板の製造方法に関するものである。特に、その表面を
効果的に仕上げること及び鋼板の比抵抗を高めることに
より、鉄損特性の向上を図るものである。
の他の電気機器等の鉄心として利用される一方向性電磁
鋼板の製造方法に関するものである。特に、その表面を
効果的に仕上げること及び鋼板の比抵抗を高めることに
より、鉄損特性の向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】本発明は、結晶粒がミラー指数で{11
0}<001>方位に集積した、いわゆる方向性電磁鋼
板の製造方法に関するものである。この鋼板は、軟磁性
材料として変圧器等の電気機器の鉄芯として用いられ
る。
0}<001>方位に集積した、いわゆる方向性電磁鋼
板の製造方法に関するものである。この鋼板は、軟磁性
材料として変圧器等の電気機器の鉄芯として用いられ
る。
【0003】方向性電磁鋼板は、先に述べたように{1
10}<001>方位に集積した結晶粒により構成され
た、通常4.8%以下のSiを含有する板厚0.1〜
0.4mmの鋼板である。この鋼板は、磁気特性として
励磁特性と鉄損特性が要求され、この要求に応えるため
には結晶方位を高度に揃えることが重要である。この結
晶方位の集積化は、二次再結晶とよばれるカタストロフ
ィックな粒成長現象を利用して達成される。
10}<001>方位に集積した結晶粒により構成され
た、通常4.8%以下のSiを含有する板厚0.1〜
0.4mmの鋼板である。この鋼板は、磁気特性として
励磁特性と鉄損特性が要求され、この要求に応えるため
には結晶方位を高度に揃えることが重要である。この結
晶方位の集積化は、二次再結晶とよばれるカタストロフ
ィックな粒成長現象を利用して達成される。
【0004】この二次再結晶を制御するためには、二次
再結晶前の一次再結晶組織の調整と、インヒビターとよ
ばれる微細析出物もしくは粒界偏析元素の調整を行うこ
とが必要である。このインヒビターは、一次再結晶組織
の中で一般の粒の成長を抑制し、特定の方位粒のみを優
先的に成長させる機能を持つ。析出物として代表的なも
のとしては、M.F.Littmann(特公昭30−3651号公
報)及びJ.E.Turnbull(Trans.Met.Soc.AIME212 (1958
年) p.769/781 )はMnSを、田口等(特公昭40−1
5644号公報)はAlNを、今中等(特公昭51−1
3469号公報)はMnSeを提示している。
再結晶前の一次再結晶組織の調整と、インヒビターとよ
ばれる微細析出物もしくは粒界偏析元素の調整を行うこ
とが必要である。このインヒビターは、一次再結晶組織
の中で一般の粒の成長を抑制し、特定の方位粒のみを優
先的に成長させる機能を持つ。析出物として代表的なも
のとしては、M.F.Littmann(特公昭30−3651号公
報)及びJ.E.Turnbull(Trans.Met.Soc.AIME212 (1958
年) p.769/781 )はMnSを、田口等(特公昭40−1
5644号公報)はAlNを、今中等(特公昭51−1
3469号公報)はMnSeを提示している。
【0005】一方、粒界偏析型の元素としては、斎藤
(日本金属学会誌27 (1963年) p.186/195 )は、Pb,
Sb,Nb,Ag,Te,Se,S等を提示している
が、工業的には何れも析出物型インヒビターの補助的な
ものとして使用されているにすぎない。
(日本金属学会誌27 (1963年) p.186/195 )は、Pb,
Sb,Nb,Ag,Te,Se,S等を提示している
が、工業的には何れも析出物型インヒビターの補助的な
ものとして使用されているにすぎない。
【0006】これらの析出物がインヒビターとして機能
を発揮する上での必要条件は必ずしも明確ではないが、
松岡(鉄と鋼53 (1967年)p.1007/1023)、黒木等(日本
金属学会誌43 (1979年) p.175/181,同44 (1980年)p.419
/424)の結果をまとめると、次のように考えられる。 (1)二次再結晶前に一次再結晶粒の成長を抑制するに
充分な量の微細析出物が存在すること。 (2)析出物が熱的に安定で、サイズ、量が二次再結晶
時に急激に弱体化しないこと。
を発揮する上での必要条件は必ずしも明確ではないが、
松岡(鉄と鋼53 (1967年)p.1007/1023)、黒木等(日本
金属学会誌43 (1979年) p.175/181,同44 (1980年)p.419
/424)の結果をまとめると、次のように考えられる。 (1)二次再結晶前に一次再結晶粒の成長を抑制するに
充分な量の微細析出物が存在すること。 (2)析出物が熱的に安定で、サイズ、量が二次再結晶
時に急激に弱体化しないこと。
【0007】これらの析出物は、熱間圧延前のスラブ加
熱時に完全固溶させた後に、熱間圧延及びその後の焼鈍
工程で微細析出させる方法がとられている。これらの析
出物を完全固溶させるためには1400℃以上の高温で
加熱する必要があり、これは普通鋼のスラブ加熱温度に
比べて約200℃高く次の問題点がある。 (1)専用の加熱炉が必要。(2)加熱炉のエネルギー
原単位が高い。(3)溶融スケール量が多く、いわゆる
ノロ出し等の操業管理が必要。 これらの問題を解決するための低温スラブ加熱による製
造方法としては、小松ら(特公昭62−45285号公
報)は脱炭焼鈍後に鋼板に窒化処理を行い、(Al、S
i)Nをインヒビターとして用いる方法を開示してい
る。
熱時に完全固溶させた後に、熱間圧延及びその後の焼鈍
工程で微細析出させる方法がとられている。これらの析
出物を完全固溶させるためには1400℃以上の高温で
加熱する必要があり、これは普通鋼のスラブ加熱温度に
比べて約200℃高く次の問題点がある。 (1)専用の加熱炉が必要。(2)加熱炉のエネルギー
原単位が高い。(3)溶融スケール量が多く、いわゆる
ノロ出し等の操業管理が必要。 これらの問題を解決するための低温スラブ加熱による製
造方法としては、小松ら(特公昭62−45285号公
報)は脱炭焼鈍後に鋼板に窒化処理を行い、(Al、S
i)Nをインヒビターとして用いる方法を開示してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電磁鋼板の鉄損を下げ
るための方策として、鋼板の成分系を調整して、例えば
比抵抗を高めることが有効な方策であることが知られて
いる。例えば鋼板のSi量を高めることは、鋼板の比抵
抗を高め、結晶磁気異方性を小さくして鉄損を低減させ
るために有効な方法である。
るための方策として、鋼板の成分系を調整して、例えば
比抵抗を高めることが有効な方策であることが知られて
いる。例えば鋼板のSi量を高めることは、鋼板の比抵
抗を高め、結晶磁気異方性を小さくして鉄損を低減させ
るために有効な方法である。
【0009】しかしながら、Siを高めると上述のイン
ヒビターに影響を及ぼし、二次再結晶による方位制御が
困難となことが知られている。これまで、例えば特開平
6−17129号公報に、仕上げ焼鈍中の窒素分圧を鋼
板のSi量に応じて所定の範囲に制御して析出物を管理
することにより、二次再結晶の方位制御を行う技術が開
示されている。比抵抗を高める元素として、他にCr,
Cu,Mn,Ni等が知られているが、Siと同様に金
属組織やインヒビターに影響を及ぼし、単純に添加した
場合には二次再結晶による方位制御が困難になり、工程
条件等の変更を行うことが必要であることが知られてい
る。
ヒビターに影響を及ぼし、二次再結晶による方位制御が
困難となことが知られている。これまで、例えば特開平
6−17129号公報に、仕上げ焼鈍中の窒素分圧を鋼
板のSi量に応じて所定の範囲に制御して析出物を管理
することにより、二次再結晶の方位制御を行う技術が開
示されている。比抵抗を高める元素として、他にCr,
Cu,Mn,Ni等が知られているが、Siと同様に金
属組織やインヒビターに影響を及ぼし、単純に添加した
場合には二次再結晶による方位制御が困難になり、工程
条件等の変更を行うことが必要であることが知られてい
る。
【0010】本発明の目的は、二次再結晶に影響を及ぼ
さないように下工程、特に仕上げ焼鈍時に、鋼板に鉄損
低減に有効な元素をドープさせることにより、製品の鉄
損の低い方向性電磁鋼板を安定して製造する方法を提供
するものである。
さないように下工程、特に仕上げ焼鈍時に、鋼板に鉄損
低減に有効な元素をドープさせることにより、製品の鉄
損の低い方向性電磁鋼板を安定して製造する方法を提供
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、下記の構成を要旨とする。 (1)質量で、Si:0.8〜4.8%、C:0.00
3〜0.1%含有する電磁鋼帯を冷延・脱炭焼鈍後、焼
鈍分離剤を塗布し仕上げ焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない
酸化度の雰囲気ガス中で行い、鋼板表面にシリカを主成
分とする酸化層を形成させた後に、アルミナを主成分と
する焼鈍分離剤を塗布すること、及びこの焼鈍分離剤中
にCr,Cu,Mn,Niの金属粉の一種もしくは複数
種を添加することを特徴とする磁気特性の良好な鏡面方
向性電磁鋼板の製造方法。 (2)SnまたはSb及びそれらの化合物の一種もしく
は複数種を焼鈍分離剤に添加することを特徴とする前項
(1)記載の磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製
造方法。 (3)鋼中元素としてSnまたはSbを質量で0.03
〜0.15%添加することを特徴とする前記(1)また
は(2)記載の磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の
製造方法。 (4)焼鈍分離剤の仕上げ焼鈍時の持ち込み水分を1.
5%以下とすることを特徴とする前記(1)乃至(3)
のいずれか1項に記載の磁気特性の良好な鏡面方向性電
磁鋼板の製造方法。 (5)Cr,Cu,Mn,Niの金属粉の一種もしくは
複数種を添加した焼鈍分離剤から鋼板中に前期金属元素
を侵入させ、最終製品としてCrを最大3.0%、Cu
を最大0.8%以下、Mnを最大1.5%以下、Niを
最大4.0%以下含有することを特徴とする請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の鉄損の低い鏡面方向性電磁
鋼板の製造方法。
に本発明は、下記の構成を要旨とする。 (1)質量で、Si:0.8〜4.8%、C:0.00
3〜0.1%含有する電磁鋼帯を冷延・脱炭焼鈍後、焼
鈍分離剤を塗布し仕上げ焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製
造方法において、脱炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない
酸化度の雰囲気ガス中で行い、鋼板表面にシリカを主成
分とする酸化層を形成させた後に、アルミナを主成分と
する焼鈍分離剤を塗布すること、及びこの焼鈍分離剤中
にCr,Cu,Mn,Niの金属粉の一種もしくは複数
種を添加することを特徴とする磁気特性の良好な鏡面方
向性電磁鋼板の製造方法。 (2)SnまたはSb及びそれらの化合物の一種もしく
は複数種を焼鈍分離剤に添加することを特徴とする前項
(1)記載の磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製
造方法。 (3)鋼中元素としてSnまたはSbを質量で0.03
〜0.15%添加することを特徴とする前記(1)また
は(2)記載の磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の
製造方法。 (4)焼鈍分離剤の仕上げ焼鈍時の持ち込み水分を1.
5%以下とすることを特徴とする前記(1)乃至(3)
のいずれか1項に記載の磁気特性の良好な鏡面方向性電
磁鋼板の製造方法。 (5)Cr,Cu,Mn,Niの金属粉の一種もしくは
複数種を添加した焼鈍分離剤から鋼板中に前期金属元素
を侵入させ、最終製品としてCrを最大3.0%、Cu
を最大0.8%以下、Mnを最大1.5%以下、Niを
最大4.0%以下含有することを特徴とする請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の鉄損の低い鏡面方向性電磁
鋼板の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者等はまず、下工程で、鋼板に鉄損低減に有効な
元素をドープする方策について詳細な検討を行った。そ
の結果、珪素鋼帯を冷延・脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤を塗
布し仕上げ焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、脱炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない酸化度の雰囲
気ガス中で行い、鋼板表面にシリカを主成分とする酸化
層を形成させた後に、アルミナを主成分とする焼鈍分離
剤を塗布すると、仕上げ焼鈍中の鋼板表面での酸化物形
成が抑制され、焼鈍分離剤中に所定の金属粉を添加する
と、この金属が効率良く鋼板中にドープ可能なことを見
いだした。
本発明者等はまず、下工程で、鋼板に鉄損低減に有効な
元素をドープする方策について詳細な検討を行った。そ
の結果、珪素鋼帯を冷延・脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤を塗
布し仕上げ焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法におい
て、脱炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない酸化度の雰囲
気ガス中で行い、鋼板表面にシリカを主成分とする酸化
層を形成させた後に、アルミナを主成分とする焼鈍分離
剤を塗布すると、仕上げ焼鈍中の鋼板表面での酸化物形
成が抑制され、焼鈍分離剤中に所定の金属粉を添加する
と、この金属が効率良く鋼板中にドープ可能なことを見
いだした。
【0013】質量で、Si:3.3%、C:0.06
%、酸可溶性Al:0.028%、N:0.008%、
Mn:0.1%、S:0.007%、Cr:0.12%
の珪素鋼スラブを1150℃で加熱した後、板厚2.0
mmに熱延した。この熱延板を1120℃で2分間焼鈍
した後、最終板厚0.22mmに冷延した。この冷延板
を雰囲気ガスの酸化度(P H2 O /P H2 ):0.1の
湿潤ガス中で830℃で脱炭焼鈍を施した。その後、ア
ンモニア窒化により窒素量が0.02%になるように窒
化処理を施した。
%、酸可溶性Al:0.028%、N:0.008%、
Mn:0.1%、S:0.007%、Cr:0.12%
の珪素鋼スラブを1150℃で加熱した後、板厚2.0
mmに熱延した。この熱延板を1120℃で2分間焼鈍
した後、最終板厚0.22mmに冷延した。この冷延板
を雰囲気ガスの酸化度(P H2 O /P H2 ):0.1の
湿潤ガス中で830℃で脱炭焼鈍を施した。その後、ア
ンモニア窒化により窒素量が0.02%になるように窒
化処理を施した。
【0014】これらの試料に、アルミナを主成分とする
焼鈍分離剤に金属Cr粉を0〜15%添加し、水スラリ
ー状で塗布・乾燥した。乾燥後の塗布量は30g/m2
であった。またこの比較として、従来法のようにマグネ
シアを主成分とする焼鈍分離剤に金属Cr粉を0〜15
%添加し、水スラリー状で塗布・乾燥した。乾燥後の塗
布量は15g/m2 であった。仕上げ焼鈍は酸化度(P
H2 O /P H2 ):0.00016の窒素−水素混合ガ
ス雰囲気中で、10℃/hrで1200℃まで加熱し、
酸化度P H2 O /P H2 ):0.000039の水素ガ
スに切り替え、1200℃で5時間焼鈍した。
焼鈍分離剤に金属Cr粉を0〜15%添加し、水スラリ
ー状で塗布・乾燥した。乾燥後の塗布量は30g/m2
であった。またこの比較として、従来法のようにマグネ
シアを主成分とする焼鈍分離剤に金属Cr粉を0〜15
%添加し、水スラリー状で塗布・乾燥した。乾燥後の塗
布量は15g/m2 であった。仕上げ焼鈍は酸化度(P
H2 O /P H2 ):0.00016の窒素−水素混合ガ
ス雰囲気中で、10℃/hrで1200℃まで加熱し、
酸化度P H2 O /P H2 ):0.000039の水素ガ
スに切り替え、1200℃で5時間焼鈍した。
【0015】これらの試料について、製品のCr量を図
1に示す。また、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤を
塗布した工程で作製した製品に、張力コーテイング処理
とレーザー照射による磁区細分化処理を行った後の製品
の鉄損特性を図2に示す。図1より、アルミナを主成分
とする焼鈍分離剤にCrを添加することにより、塗布さ
れたCrが効率よく鋼板中にドープされ、製品の鉄損が
低減していることがわかる。
1に示す。また、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤を
塗布した工程で作製した製品に、張力コーテイング処理
とレーザー照射による磁区細分化処理を行った後の製品
の鉄損特性を図2に示す。図1より、アルミナを主成分
とする焼鈍分離剤にCrを添加することにより、塗布さ
れたCrが効率よく鋼板中にドープされ、製品の鉄損が
低減していることがわかる。
【0016】次に本発明の実施態様を述べる。基本的な
製造法としては、M.F.Littmann(特公昭30−3651
号公報)及びJ.E.Turnbull(Trans.Met.Soc.AIME212(19
58年)p.769/781)等による、MnSを主インヒビターと
して用いる製造方法、または磁束密度(B8 )が高い製
品を製造できる、小松等による(Al、Si)Nを主イ
ンヒビターとして用いる低温スラブに基づく製造法(例
えば特公昭62−45285号公報)、または田口・坂
倉等による、AlNとMnSを主インヒビターとして用
いる高温スラブ加熱に基づく製造法(例えば特公昭40
−15644号公報)を適用すれば良い。
製造法としては、M.F.Littmann(特公昭30−3651
号公報)及びJ.E.Turnbull(Trans.Met.Soc.AIME212(19
58年)p.769/781)等による、MnSを主インヒビターと
して用いる製造方法、または磁束密度(B8 )が高い製
品を製造できる、小松等による(Al、Si)Nを主イ
ンヒビターとして用いる低温スラブに基づく製造法(例
えば特公昭62−45285号公報)、または田口・坂
倉等による、AlNとMnSを主インヒビターとして用
いる高温スラブ加熱に基づく製造法(例えば特公昭40
−15644号公報)を適用すれば良い。
【0017】Siは電気抵抗を高め、鉄損を下げるうえ
で重要な元素である。含有量が4.8%を超えると、冷
間圧延時に材料が割れ易くなり、圧延が不可能となる。
一方、Si量を下げると仕上げ焼鈍時にα→γ変態を生
じ、結晶の方向性が損なわれるので、実質的に結晶の方
向性に影響を及ぼさない0.8%を下限とする。
で重要な元素である。含有量が4.8%を超えると、冷
間圧延時に材料が割れ易くなり、圧延が不可能となる。
一方、Si量を下げると仕上げ焼鈍時にα→γ変態を生
じ、結晶の方向性が損なわれるので、実質的に結晶の方
向性に影響を及ぼさない0.8%を下限とする。
【0018】Cは、残留すると製品特性(鉄損)の低下
を引き起こすので、0.003%以下に抑えることが必
要である。しかしながら、製鋼段階でC量を低くすると
熱延板の結晶組織に粗大な{100}伸長粒が存在し、
二次再結晶に悪影響を及ぼす。また、析出物や一次再結
晶集合組織制御の観点からも、Cはある程度製鋼段階で
添加することが必要である。従って、製鋼段階では0.
003%以上、好ましくはα/γ変態が生じる0.02
%以上添加することが望ましい。一方、0.1%より多
く添加しても、上述の結晶組織、析出物等への影響はほ
ぼ飽和し、脱炭に必要な時間が長くなるので、0.1%
を上限とする。
を引き起こすので、0.003%以下に抑えることが必
要である。しかしながら、製鋼段階でC量を低くすると
熱延板の結晶組織に粗大な{100}伸長粒が存在し、
二次再結晶に悪影響を及ぼす。また、析出物や一次再結
晶集合組織制御の観点からも、Cはある程度製鋼段階で
添加することが必要である。従って、製鋼段階では0.
003%以上、好ましくはα/γ変態が生じる0.02
%以上添加することが望ましい。一方、0.1%より多
く添加しても、上述の結晶組織、析出物等への影響はほ
ぼ飽和し、脱炭に必要な時間が長くなるので、0.1%
を上限とする。
【0019】インヒビター構成元素として、酸可溶性A
l,N,Mn,Sを成分調整する必要がある。酸可溶性
Alは、Nと結合してAlNまたは(Al、Si)Nと
してインヒビターとして機能するために必須の元素であ
る。磁束密度が高くなる0.012〜0.05%を限定
範囲とする。Nは、製鋼時に0.01%以上添加する
と、ブリスターとよばれる鋼板中の空孔を生じるので、
0.01%を上限とする。Mn,Sは、高温スラブ加熱
に基づく製造法ではMnSとしてインヒビターとして機
能するために必須の元素である。磁束密度が高くなる、
Mn:0.03〜0.15%、S:0.01〜0.05
%を限定範囲とする。また、Sは小松等による(Al、
Si)Nを主インヒビターとして用いる低温スラブに基
づく製造法では、磁気特性に悪影響を及ぼすので0.0
15%以下とすることが望ましい。
l,N,Mn,Sを成分調整する必要がある。酸可溶性
Alは、Nと結合してAlNまたは(Al、Si)Nと
してインヒビターとして機能するために必須の元素であ
る。磁束密度が高くなる0.012〜0.05%を限定
範囲とする。Nは、製鋼時に0.01%以上添加する
と、ブリスターとよばれる鋼板中の空孔を生じるので、
0.01%を上限とする。Mn,Sは、高温スラブ加熱
に基づく製造法ではMnSとしてインヒビターとして機
能するために必須の元素である。磁束密度が高くなる、
Mn:0.03〜0.15%、S:0.01〜0.05
%を限定範囲とする。また、Sは小松等による(Al、
Si)Nを主インヒビターとして用いる低温スラブに基
づく製造法では、磁気特性に悪影響を及ぼすので0.0
15%以下とすることが望ましい。
【0020】Sn,Sbは鋼板表面に偏析して仕上げ焼
鈍中のインヒビターの分解を抑制し、磁束密度の高い製
品を安定して製造することに有効な元素である。0.0
3〜0.15%添加することが望ましい。この下限値未
満ではインヒビターの分解抑制効果が少なく、実質的な
磁束密度向上効果が得られない。またこの上限値を超え
るとインヒビターの分解抑制効果が飽和すると共に、小
松等による(Al、Si)Nを主インヒビターとして用
いる低温スラブに基づく製造法においては、鋼板中への
窒化処理が難しくなり、二次再結晶が不安定になる場合
が生じる。
鈍中のインヒビターの分解を抑制し、磁束密度の高い製
品を安定して製造することに有効な元素である。0.0
3〜0.15%添加することが望ましい。この下限値未
満ではインヒビターの分解抑制効果が少なく、実質的な
磁束密度向上効果が得られない。またこの上限値を超え
るとインヒビターの分解抑制効果が飽和すると共に、小
松等による(Al、Si)Nを主インヒビターとして用
いる低温スラブに基づく製造法においては、鋼板中への
窒化処理が難しくなり、二次再結晶が不安定になる場合
が生じる。
【0021】Crは脱炭焼鈍の酸化層を改善し、グラス
被膜形成に有効な元素であるので、必要に応じて0.0
3〜0.2%添加することができる。その他、微量の
B,Bi,Cu,Se,Pb,Ti,Mo等を鋼中に含
有することは、本発明の主旨を損なうものではない。
被膜形成に有効な元素であるので、必要に応じて0.0
3〜0.2%添加することができる。その他、微量の
B,Bi,Cu,Se,Pb,Ti,Mo等を鋼中に含
有することは、本発明の主旨を損なうものではない。
【0022】上記成分の溶鋼は、通常の工程により熱延
板とされるか、もしくは溶鋼を連続鋳造して薄帯とす
る。前記熱延板または連続鋳造薄帯は直ちに、もしくは
短時間焼鈍を経て冷間圧延される。上記焼鈍は750〜
1200℃の温度域で30秒〜30分間行われ、この焼
鈍は製品の磁気特性を高めるために有効である。望む製
品の特性レベルとコストを勘案して採否を決めるとよ
い。冷間圧延は、一回もしくは中間焼鈍を施す複数の冷
間圧延により所定の最終板厚とする。製品の磁束密度
(B8 )を高めるためには、基本的には前記特公昭40
−15644号公報に開示されているように、最終冷延
圧下率80%以上とすれば良い。
板とされるか、もしくは溶鋼を連続鋳造して薄帯とす
る。前記熱延板または連続鋳造薄帯は直ちに、もしくは
短時間焼鈍を経て冷間圧延される。上記焼鈍は750〜
1200℃の温度域で30秒〜30分間行われ、この焼
鈍は製品の磁気特性を高めるために有効である。望む製
品の特性レベルとコストを勘案して採否を決めるとよ
い。冷間圧延は、一回もしくは中間焼鈍を施す複数の冷
間圧延により所定の最終板厚とする。製品の磁束密度
(B8 )を高めるためには、基本的には前記特公昭40
−15644号公報に開示されているように、最終冷延
圧下率80%以上とすれば良い。
【0023】冷間圧延後の材料は、鋼中に含まれる炭素
を除去するために湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を行う。こ
の脱炭焼鈍において、Fe系の酸化物(Fe2 Si
O4 、FeO等の低級酸化物)を形成させない低い酸化
度で焼鈍を行うことが、表面の鏡面化を達成する上で必
須の要件である。例えば、通常脱炭焼鈍が行われる80
0〜850℃の温度域においては、雰囲気ガスの酸化度
(P H2 O /P H2 ):0.15以下に調整することに
より、Fe系酸化物の生成を抑制することができる。但
し、あまりに酸化度を下げると脱炭速度が遅くなってし
まう。この両者を勘案すると、この温度域においては雰
囲気ガスの酸化度(P H2 O /P H2 ):0.01〜
0.15の範囲が好ましい。
を除去するために湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を行う。こ
の脱炭焼鈍において、Fe系の酸化物(Fe2 Si
O4 、FeO等の低級酸化物)を形成させない低い酸化
度で焼鈍を行うことが、表面の鏡面化を達成する上で必
須の要件である。例えば、通常脱炭焼鈍が行われる80
0〜850℃の温度域においては、雰囲気ガスの酸化度
(P H2 O /P H2 ):0.15以下に調整することに
より、Fe系酸化物の生成を抑制することができる。但
し、あまりに酸化度を下げると脱炭速度が遅くなってし
まう。この両者を勘案すると、この温度域においては雰
囲気ガスの酸化度(P H2 O /P H2 ):0.01〜
0.15の範囲が好ましい。
【0024】この脱炭焼鈍板に、(Al,Si)Nを主
インヒビターとして用いる製造法(例えば特公昭62−
45285号公報)においては、窒化処理を施す。この
窒化処理の方法は特に限定するものではなく、アンモニ
ア等の窒化能のある雰囲気ガス中で行う方法等がある。
量的には0.005%以上、望ましくはN/酸可溶性A
lの比率が2/3以上となるように窒化すれば良い。
インヒビターとして用いる製造法(例えば特公昭62−
45285号公報)においては、窒化処理を施す。この
窒化処理の方法は特に限定するものではなく、アンモニ
ア等の窒化能のある雰囲気ガス中で行う方法等がある。
量的には0.005%以上、望ましくはN/酸可溶性A
lの比率が2/3以上となるように窒化すれば良い。
【0025】これらの脱炭焼鈍板を、アルミナを主成分
とする焼鈍分離剤を水スラリーで塗布、もしくは静電塗
布法等によりドライ・コートし、コイル状に巻きとる。
その際に、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤の持ち込
み水分を1.5%以下とすることが、二次再結晶の安定
化及び表面の鏡面化を達成する上で有効である。また持
ち込み水分が多いと添加した金属粉が酸化されてしま
い、鋼中に侵入する割合が少なくなってしまう。水スラ
リーで塗布・乾燥する際に焼鈍分離剤の塗布乾燥後の持
ち込み水分を制御するためには、アルミナのBET値、
粒径等と共に、水スラリーにする際の水温、攪拌時間等
を管理すれば良い。
とする焼鈍分離剤を水スラリーで塗布、もしくは静電塗
布法等によりドライ・コートし、コイル状に巻きとる。
その際に、アルミナを主成分とする焼鈍分離剤の持ち込
み水分を1.5%以下とすることが、二次再結晶の安定
化及び表面の鏡面化を達成する上で有効である。また持
ち込み水分が多いと添加した金属粉が酸化されてしま
い、鋼中に侵入する割合が少なくなってしまう。水スラ
リーで塗布・乾燥する際に焼鈍分離剤の塗布乾燥後の持
ち込み水分を制御するためには、アルミナのBET値、
粒径等と共に、水スラリーにする際の水温、攪拌時間等
を管理すれば良い。
【0026】焼鈍分離剤としては、特願2001−22
0228号に開示されているように、BET比表面積を
制御したアルミナとマグネシアを一定比率範囲で混合し
た粉体を焼鈍分離剤として用いることは、表面の鏡面化
を促進するうえで有効な方法である。また、鋼板との密
着性不足が懸念されたり、あるいはスラリー状態での沈
降に問題が生じるようであれば、必要に応じて増粘剤な
どを添加しても良い。
0228号に開示されているように、BET比表面積を
制御したアルミナとマグネシアを一定比率範囲で混合し
た粉体を焼鈍分離剤として用いることは、表面の鏡面化
を促進するうえで有効な方法である。また、鋼板との密
着性不足が懸念されたり、あるいはスラリー状態での沈
降に問題が生じるようであれば、必要に応じて増粘剤な
どを添加しても良い。
【0027】この焼鈍分離剤中に中にCr,Cu,M
n,Niの金属粉の一種もしくは複数種を添加すること
が、本発明の要件である。これらの添加物を添加するこ
とにより、これらの元素が仕上げ焼鈍中に鋼板中に侵入
して鉄損が低下する。また、副次的効果としてこれらの
金属が焼鈍分離剤の水分と反応することにより、鋼板の
酸化が抑制され鋼板表面の平滑性が向上するか、または
鋼板のAlN、(Al、Si)N等のAlの窒化物イン
ヒビターの分解を抑制して磁束密度(B8 )が向上する
効果も見受けられる。
n,Niの金属粉の一種もしくは複数種を添加すること
が、本発明の要件である。これらの添加物を添加するこ
とにより、これらの元素が仕上げ焼鈍中に鋼板中に侵入
して鉄損が低下する。また、副次的効果としてこれらの
金属が焼鈍分離剤の水分と反応することにより、鋼板の
酸化が抑制され鋼板表面の平滑性が向上するか、または
鋼板のAlN、(Al、Si)N等のAlの窒化物イン
ヒビターの分解を抑制して磁束密度(B8 )が向上する
効果も見受けられる。
【0028】金属粉の添加量としては、磁気特性、特に
低磁場特性や高周波特性を向上させるために、Crを最
大3.0%、Cuを最大0.8%以下、Mnを最大1.
5%以下、Niを最大4.0%以下含有するようにすれ
ば良い。これらの元素は、初期の溶鋼段階では二次再結
晶に影響を及ぼさない範囲として、Crを最大0.2
%、Cuを0.03%以下、Mnを0.2%、Niを
0.03%まで含有させることができる。これ以上含有
させると、二次再結晶を安定化させるためにプロセス条
件を変える必要が生じる。
低磁場特性や高周波特性を向上させるために、Crを最
大3.0%、Cuを最大0.8%以下、Mnを最大1.
5%以下、Niを最大4.0%以下含有するようにすれ
ば良い。これらの元素は、初期の溶鋼段階では二次再結
晶に影響を及ぼさない範囲として、Crを最大0.2
%、Cuを0.03%以下、Mnを0.2%、Niを
0.03%まで含有させることができる。これ以上含有
させると、二次再結晶を安定化させるためにプロセス条
件を変える必要が生じる。
【0029】更に、SnまたはSb及びそれらの化合物
の一種もしくは複数種を焼鈍分離剤の添加することも有
効な方策である。Sn、及びSbが表面に偏積すると脱
窒素のバリアーになり、AlN,(Al、Si)N等の
Alの窒化物インヒビターが二次再結晶温度域まで安定
化するためであると考えられる。
の一種もしくは複数種を焼鈍分離剤の添加することも有
効な方策である。Sn、及びSbが表面に偏積すると脱
窒素のバリアーになり、AlN,(Al、Si)N等の
Alの窒化物インヒビターが二次再結晶温度域まで安定
化するためであると考えられる。
【0030】この脱炭焼鈍板を積層して仕上げ焼鈍を施
し、二次再結晶と窒化物の純化を行う。二次再結晶を特
開平2−258929号公報に開示される様に、一定の
温度で保持するか、または加熱速度を制御する等の手段
により二次再結晶を所定の温度域で行わせることは、製
品の磁束密度(B8 )を高めるうえで有効である。
し、二次再結晶と窒化物の純化を行う。二次再結晶を特
開平2−258929号公報に開示される様に、一定の
温度で保持するか、または加熱速度を制御する等の手段
により二次再結晶を所定の温度域で行わせることは、製
品の磁束密度(B8 )を高めるうえで有効である。
【0031】二次再結晶完了後、窒化物等の純化と表面
酸化膜の還元を行うために、100%水素で1100℃
以上の温度で焼鈍する。この場合、雰囲気ガスの露点は
低い方が好ましい。仕上げ焼鈍後、表面に張力コーテイ
ング処理を行い、必要に応じてレーザー照射等の磁区細
分化処理を施す。
酸化膜の還元を行うために、100%水素で1100℃
以上の温度で焼鈍する。この場合、雰囲気ガスの露点は
低い方が好ましい。仕上げ焼鈍後、表面に張力コーテイ
ング処理を行い、必要に応じてレーザー照射等の磁区細
分化処理を施す。
【0032】
【実施例】[実施例1]質量で、Si:3.3%、C:
0.06%、酸可溶性Al:0.026%、N:0.0
08%、Mn:0.1%、S:0.007%、Cr:
0.1%、Sn:0.07%を含有する珪素鋼スラブを
1150℃で加熱した後、板厚2.0mmに熱延した。
この熱延板を1100℃で2分間焼鈍した後、最終板厚
0.22mmに冷延した。この冷延板を酸化度(P H2
O /P H2 ):0.1の湿潤ガス中で、脱炭を兼ね84
0℃で90秒焼鈍し一次再結晶させた。次いでアンモニ
ア雰囲気中で焼鈍することにより、窒素量を0.02%
に増加して、インヒビターの強化を行った。
0.06%、酸可溶性Al:0.026%、N:0.0
08%、Mn:0.1%、S:0.007%、Cr:
0.1%、Sn:0.07%を含有する珪素鋼スラブを
1150℃で加熱した後、板厚2.0mmに熱延した。
この熱延板を1100℃で2分間焼鈍した後、最終板厚
0.22mmに冷延した。この冷延板を酸化度(P H2
O /P H2 ):0.1の湿潤ガス中で、脱炭を兼ね84
0℃で90秒焼鈍し一次再結晶させた。次いでアンモニ
ア雰囲気中で焼鈍することにより、窒素量を0.02%
に増加して、インヒビターの強化を行った。
【0033】この鋼板に、以下の(A)〜(G)の焼鈍
分離剤を水スラリー状で塗布・乾燥した。乾燥後の塗布
量は30g/m2 であった。 (A)Al2 O3 、(B)Al2 O3 +10%Cu、
(C)Al2 O3 +10%Mn、(D)Al2 O3 +1
0%Ni、(E)Al2 O3 +10%Cr+2%Sn、
(F)Al2 O3 +10%Cr+1%Sb2 (SO4 )
3 、(G)Al2O3 +10%Cr+10%Mn。 これらの試料を積層して仕上げ焼鈍を施した。その後、
張力コーテイング処理を施した後、レーザー照射して磁
区細分化した。得られた製品の磁気特性を表1に示す。
分離剤を水スラリー状で塗布・乾燥した。乾燥後の塗布
量は30g/m2 であった。 (A)Al2 O3 、(B)Al2 O3 +10%Cu、
(C)Al2 O3 +10%Mn、(D)Al2 O3 +1
0%Ni、(E)Al2 O3 +10%Cr+2%Sn、
(F)Al2 O3 +10%Cr+1%Sb2 (SO4 )
3 、(G)Al2O3 +10%Cr+10%Mn。 これらの試料を積層して仕上げ焼鈍を施した。その後、
張力コーテイング処理を施した後、レーザー照射して磁
区細分化した。得られた製品の磁気特性を表1に示す。
【0034】
表1
試料符号 磁束密度 鉄損W17/50 備 考
B8 (T) (W/kg)
A 1.931 0.70 比較例
B 1.939 0.64 本発明例
C 1.941 0.62 本発明例
D 1.940 0.64 本発明例
E 1.952 0.60 本発明例
F 1.955 0.60 本発明例
G 1.937 0.62 本発明例
【0035】Cr,Cu,Mn,Niの一種もしくは複
数種を添加することにより、鉄損(W17/50 )が低減す
ることがわかる。また、更にSnまたはSb及びそれら
の化合物の一種もしくは複数種を焼鈍分離剤に添加する
ことも、有効な方策であることが分かる。
数種を添加することにより、鉄損(W17/50 )が低減す
ることがわかる。また、更にSnまたはSb及びそれら
の化合物の一種もしくは複数種を焼鈍分離剤に添加する
ことも、有効な方策であることが分かる。
【0036】[実施例2]実施例1で用いた脱炭・窒化
板に、以下の焼鈍分離剤を静電塗布によりコーティング
した。 (A)Al2 O3 、(B)Al2 O3 +10%Cr、
(C)Al2 O3 +10%Cr+2%Sn。 これらの試料を積層して仕上げ焼鈍を施した。その後、
張力コーテイング処理を施した後、レーザー照射して磁
区細分化した。得られた製品の磁気特性を表2に示す。
板に、以下の焼鈍分離剤を静電塗布によりコーティング
した。 (A)Al2 O3 、(B)Al2 O3 +10%Cr、
(C)Al2 O3 +10%Cr+2%Sn。 これらの試料を積層して仕上げ焼鈍を施した。その後、
張力コーテイング処理を施した後、レーザー照射して磁
区細分化した。得られた製品の磁気特性を表2に示す。
【0037】
表2
試料符号 磁束密度 鉄損W17/50 備 考
B8 (T) (W/kg)
A 1.943 0.65 比較例
B 1.949 0.60 本発明例
C 1.954 0.59 本発明例
【0038】Cr及びSnを添加することにより、鉄損
(W17/50 )が低減することがわかる。
(W17/50 )が低減することがわかる。
【0039】[実施例3]質量で、Si:3.2%、
C:0.08%、酸可溶性Al:0.025%、N:
0.009%、Mn:0.08%、Cu:0.09%、
S:0.025%、Sn:0.1%を含有する珪素鋼ス
ラブを1350℃で加熱した後、板厚2.0mmに熱延
した。この熱延板を1120℃で焼鈍した後、0.22
mm厚に冷延した。この冷延板を酸化度(P H2 O /P
H2 ):0.13の湿潤ガス中湿潤ガス中で、脱炭を兼
ね850℃で90秒焼鈍し一次再結晶させた。
C:0.08%、酸可溶性Al:0.025%、N:
0.009%、Mn:0.08%、Cu:0.09%、
S:0.025%、Sn:0.1%を含有する珪素鋼ス
ラブを1350℃で加熱した後、板厚2.0mmに熱延
した。この熱延板を1120℃で焼鈍した後、0.22
mm厚に冷延した。この冷延板を酸化度(P H2 O /P
H2 ):0.13の湿潤ガス中湿潤ガス中で、脱炭を兼
ね850℃で90秒焼鈍し一次再結晶させた。
【0040】この鋼板に、以下の(A)〜(G)の焼鈍
分離剤を水スラリー状で塗布・乾燥した。(A)Al2
O3 、(B)Al2 O3 +10%Cu、(C)Al2 O
3 +10%Mn、(D)Al2 O3 +10%Ni、
(E)Al2 O3 +10%Cr+2%Sn、(F)Al
2 O3 +10%Cr+1%Sb2 (SO4 )3 、(G)
Al2 O3 +10%Cr+10%Mn。これらの試料を
積層して仕上げ焼鈍を施した。その後、張力コーテイン
グ処理を施した後、レーザー照射して磁区細分化した。
得られた製品の磁気特性を表3に示す。
分離剤を水スラリー状で塗布・乾燥した。(A)Al2
O3 、(B)Al2 O3 +10%Cu、(C)Al2 O
3 +10%Mn、(D)Al2 O3 +10%Ni、
(E)Al2 O3 +10%Cr+2%Sn、(F)Al
2 O3 +10%Cr+1%Sb2 (SO4 )3 、(G)
Al2 O3 +10%Cr+10%Mn。これらの試料を
積層して仕上げ焼鈍を施した。その後、張力コーテイン
グ処理を施した後、レーザー照射して磁区細分化した。
得られた製品の磁気特性を表3に示す。
【0041】
表3
試料符号 磁束密度 鉄損W17/50 備 考
B8 (T) (W/kg)
A 1.931 0.70 比較例
B 1.933 0.68 本発明例
C 1.939 0.66 本発明例
D 1.935 0.68 本発明例
E 1.951 0.63 本発明例
F 1.955 0.60 本発明例
G 1.941 0.63 本発明例
【0042】Cr,Cu,Mn,Niの一種もしくは複
数種を添加することにより、鉄損(W17/50 )が低減す
ることがわかる。また、更にSnまたはSb及びそれら
の化合物の一種もしくは複数種を焼鈍分離剤に添加する
ことも、有効な方策であることが分かる。
数種を添加することにより、鉄損(W17/50 )が低減す
ることがわかる。また、更にSnまたはSb及びそれら
の化合物の一種もしくは複数種を焼鈍分離剤に添加する
ことも、有効な方策であることが分かる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、主として変圧器その他の電気
機器等の鉄心として利用される一方向性電磁鋼板の製造
方法に関するものである。特に、その表面を効果的に仕
上げること及び鋼板の比抵抗を高めることにより、鉄損
特性の向上を図るものである。本発明により、鋼板表面
を効果的に仕上げること、及び鋼板の比抵抗を高めるこ
とにより、鉄損特性の良い一方向性電磁鋼板を低コスト
で製造することができる。
機器等の鉄心として利用される一方向性電磁鋼板の製造
方法に関するものである。特に、その表面を効果的に仕
上げること及び鋼板の比抵抗を高めることにより、鉄損
特性の向上を図るものである。本発明により、鋼板表面
を効果的に仕上げること、及び鋼板の比抵抗を高めるこ
とにより、鉄損特性の良い一方向性電磁鋼板を低コスト
で製造することができる。
【図1】焼鈍分離剤中の金属粉(Cr)添加量と仕上げ
焼鈍後の製品中のCr量の関係を示す図である。
焼鈍後の製品中のCr量の関係を示す図である。
【図2】焼鈍分離剤中へのCr添加量と磁気特性(鉄損
(W17/50))の関係を示す図である。
(W17/50))の関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C22C 38/60 C22C 38/60
Fターム(参考) 4K026 AA02 AA22 BA01 BA08 BB10
CA16 CA18 DA02 DA11 EA17
4K033 AA02 BA01 CA01 CA02 CA03
CA07 CA09 FA01 FA13 FA14
HA00 JA04 LA00 MA02 MA03
PA08 PA09 PA11 RA04 SA02
SA03 TA02 TA03 TA04 TA06
5E041 AA02 CA02 NN01
Claims (5)
- 【請求項1】 質量で、 Si:0.8〜4.8%、 C :0.003〜0.1% を含有する電磁鋼帯を冷延・脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤を
塗布し仕上げ焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、脱炭焼鈍をFe系酸化物の形成しない酸化度の雰
囲気ガス中で行い、鋼板表面にシリカを主成分とする酸
化層を形成させた後に、アルミナを主成分とする焼鈍分
離剤を塗布すること、及びこの焼鈍分離剤中にCr,C
u,Mn,Niの金属粉の一種もしくは複数種を添加す
ることを特徴とする磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼
板の製造方法。 - 【請求項2】 SnまたはSb及びそれらの化合物の一
種もしくは複数種を焼鈍分離剤に添加することを特徴と
する請求項1記載の磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼
板の製造方法。 - 【請求項3】 鋼中元素としてSnまたはSbを質量で
0.03〜0.15%添加することを特徴とする請求項
1または2記載の磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板
の製造方法。 - 【請求項4】 焼鈍分離剤の仕上げ焼鈍時の持ち込み水
分を1.5%以下とすることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の磁気特性の良好な鏡面方向性
電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 焼鈍分離剤中に添加されたCr,Cu,
Mn,Niの金属粉の一種もしくは複数種の金属元素を
鋼板中に侵入させ、最終製品としてCrを最大3.0
%、Cuを最大0.8%以下、Mnを最大1.5%以
下、Niを最大4.0%以下含有することを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鉄損の低い鏡面
方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002071427A JP2003268452A (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002071427A JP2003268452A (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003268452A true JP2003268452A (ja) | 2003-09-25 |
Family
ID=29201706
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002071427A Withdrawn JP2003268452A (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003268452A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105051231A (zh) * | 2013-03-29 | 2015-11-11 | 株式会社神户制钢所 | 耐腐蚀性和磁特性优异的钢材及其制造方法 |
| WO2020149341A1 (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-23 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
| US11505843B2 (en) | 2015-12-18 | 2022-11-22 | Posco | Annealing separator for oriented electrical steel sheet, oriented electrical steel sheet, and manufacturing method of oriented electrical steel sheet |
-
2002
- 2002-03-15 JP JP2002071427A patent/JP2003268452A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105051231A (zh) * | 2013-03-29 | 2015-11-11 | 株式会社神户制钢所 | 耐腐蚀性和磁特性优异的钢材及其制造方法 |
| CN105051231B (zh) * | 2013-03-29 | 2016-12-07 | 株式会社神户制钢所 | 耐腐蚀性和磁特性优异的钢材及其制造方法 |
| US11505843B2 (en) | 2015-12-18 | 2022-11-22 | Posco | Annealing separator for oriented electrical steel sheet, oriented electrical steel sheet, and manufacturing method of oriented electrical steel sheet |
| WO2020149341A1 (ja) * | 2019-01-16 | 2020-07-23 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
| CN113272456A (zh) * | 2019-01-16 | 2021-08-17 | 日本制铁株式会社 | 方向性电磁钢板的制造方法 |
| JPWO2020149341A1 (ja) * | 2019-01-16 | 2021-11-25 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
| JP7180694B2 (ja) | 2019-01-16 | 2022-11-30 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
| CN113272456B (zh) * | 2019-01-16 | 2023-03-14 | 日本制铁株式会社 | 方向性电磁钢板的制造方法 |
| US12180558B2 (en) | 2019-01-16 | 2024-12-31 | Nippon Steel Corporation | Method for manufacturing grain-oriented electrical steel sheet |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4288054B2 (ja) | 方向性珪素鋼板の製造方法 | |
| KR100442101B1 (ko) | 자속밀도가 높은 방향성 전기 강판의 제조 방법 | |
| WO2007102282A1 (ja) | 磁気特性が極めて優れた方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JPH06322443A (ja) | 鉄損が優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP3537339B2 (ja) | 皮膜特性と磁気特性に優れた方向性電磁鋼板及びその製造方法 | |
| JP5332134B2 (ja) | 高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP3481567B2 (ja) | B8が1.88t以上の方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP3359449B2 (ja) | 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP3474837B2 (ja) | B8が1.91t以上の鏡面一方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP2000129352A (ja) | 磁束密度の高い一方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP4427226B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP3943837B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP2003003215A (ja) | 磁束密度の高い方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP2680987B2 (ja) | 鉄損の低い方向性珪素鋼板の製造方法 | |
| JP2003268452A (ja) | 磁気特性の良好な鏡面方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP4422385B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP2001049351A (ja) | 磁束密度の高い一方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP4291733B2 (ja) | 焼鈍分離剤およびそれを用いた方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP4427225B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP4119614B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| KR100940720B1 (ko) | 자기특성이 우수한 방향성 전기강판의 제조방법 | |
| JP2003247021A (ja) | 磁束密度の高い鏡面方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JPH07268471A (ja) | 磁束密度が高い方向性電磁薄鋼板の製造方法 | |
| JP3485475B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| JP2002069532A (ja) | 磁束密度の高い二方向性電磁鋼板の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050607 |