JP2003270277A - 交流回路における瞬時無効電力、無効電力実効値算出手段および瞬時無効電力、無効電力実効値、位相差測定方法 - Google Patents

交流回路における瞬時無効電力、無効電力実効値算出手段および瞬時無効電力、無効電力実効値、位相差測定方法

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JP2003270277A
JP2003270277A JP2002067799A JP2002067799A JP2003270277A JP 2003270277 A JP2003270277 A JP 2003270277A JP 2002067799 A JP2002067799 A JP 2002067799A JP 2002067799 A JP2002067799 A JP 2002067799A JP 2003270277 A JP2003270277 A JP 2003270277A
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Kenpei Seki
建平 関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 瞬時無効電力、無効電力実効値を簡便、高速
度、高精度で算出する手段および測定する方法を提供す
る。 【解決手段】 電圧V(t)の瞬時値を、時間tの(1
+(1/4))T前から(1/4)T前まで時間Δt=
(1/12)Tの間隔でサンプリングし、同電流I
(t)の瞬時値を、時間tの1T前からtまで時間Δt
の間隔でサンプリングし、上記瞬時値データから(5
2)式により無効電力実効値Qe(t)を求める。 【数21】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流回路におけ
る無効電力および電圧電流の位相差を、簡便、高速、高
精度で算出する手段および測定する方法を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】交流
電力系統等交流回路において、瞬時無効電力は、例え
ば、いわゆるアクティブ・フィルタ等の無効電力制御装
置により負荷の無効電力発生量に高速度に応答して無効
電力を出力する場合の制御目標値となり、その算出や測
定を高速度、高精度に行うことが要請される。ところ
で、従来の電力量測定方法として、例えば、特開平4−
276565号公報に開示されたものがある。しかしこ
こでは、電圧、電流の実数瞬時値の正弦波関数を使用し
て電力を求めるものであるので、当然ながら積分処理を
経た定常状態を前提としており、過渡時を含めた一般的
な条件における瞬時無効電力として扱うことはできな
い。
【0003】なお、上述したアクティブ・フィルタで
は、いわゆるベクトル制御が多用されており、三相成分
を直交2軸座標系に変換し、有効成分と無効成分との分
離処理が成されている。しかし、この場合は三相平衡状
態が前提で、先の文献と同様、三相不平衡を含む一般的
な条件での瞬時無効電力は定義できず、しかも、実際の
制御にあたっては、三相から直交2軸座標系への変換処
理、更に、その逆変換の処理が必要となりこの変換のた
めの回路構成が複雑になるとともに、制御応答も遅くな
らざるを得ない。
【0004】以上の問題を解決する一策として、いわゆ
る、スパイラル・ベクトル理論を適用して瞬時無効電力
を定義する試みが成されている(2000/7/25
I.C.E.E.論文”AC Power in Single- and Multiphase N
etworks参照)。この論文では、一般に(15)式で示
すスパイラル・ベクトルxの形で電圧、電流を表現す
る。 x=A・exp{δt} δ=−λ+jω (15)式 そして、このスパイラル・ベクトルで表現する電圧vお
よび電流iにより瞬時無効電力qは(16)式で求めら
れる。 q=(1/2)・Im{v・i+v・i*} (16)式 但し、Imは虚数部、i*はiの共役複素数ベクトルで
ある。
【0005】以上のように、上掲の文献により瞬時無効
電力の定義が可能となるが、実際に電力値を演算し、ま
た測定する場合、(16)式の形ではベクトル量の積を
求める演算となり演算負担が大きいという問題があっ
た。この発明は、以上のような問題点を解消するために
なされたもので、三相不平衡、過渡時を含む、より一般
的な条件下でも、瞬時無効電力を簡便高精度に算出でき
る手段を得ることを目的とするものである。また、更な
る目的は、上記算出手段の原理を利用し、定常時の瞬時
無効電力および無効電力実効値を簡便高精度に算出する
手段を得ることである。また、他の目的は、上記算出手
段の原理を利用して、定常時の瞬時無効電力、無効電力
実効値および電圧と電流の位相差を簡便高精度に測定す
る方法を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る瞬時無効
電力算出手段は、交流回路の任意の算出対象部位におけ
る瞬時無効電力を算出するものであって、上記交流回路
の電圧源ベクトルvs(t)または電流源ベクトルis
(t)を(1)式または(2)式の形で入力する手段、
上記電圧源または電流源の存在下、上記交流回路の回路
網を演算し上記算出対象部位における電圧ベクトルv
(t)、電流ベクトルi(t)をそれぞれ出力する手
段、および上記算出対象部位における瞬時無効電力q
(t)を(3)式により算出する手段を備えたものであ
る。 vs(t)=√2Vs・exp{(−λ+jω)t} (1)式 is(t)=√2Is・exp{(−λ+jω)t} (2)式 q(t)=Im{v(t)}・Re{i(t)} (3)式 即ち、瞬時無効電力qは、電圧vの虚数部と電流iの実
数部との積の形で簡便に、従って、高精度高速度に算出
できる。
【0007】また、この発明に係る瞬時無効電力算出手
段は、定常状態(λ=0)での算出対象部位における瞬
時無効電力Q(t)を、(4)式により算出する手段を
備えたものである。 Q(t)=Re{V(t−π/(2ω))}・Re{I(t)} (4)式 定常状態での瞬時無効電力Qが、電圧、電流のともにそ
の実数部の積から簡便に算出される。
【0008】また、この発明に係る無効電力実効値算出
手段は、交流回路の定常状態での任意の算出対象部位に
おける無効電力実効値を算出するものであって、上記交
流回路の電圧源ベクトルvs(t)または電流源ベクト
ルis(t)を(5)式または(6)式の形で入力する
手段、上記電圧源または電流源の存在下、上記交流回路
の回路網を演算し上記算出対象部位における電圧ベクト
ルV(t)、電流ベクトルI(t)をそれぞれ出力する
手段、および上記算出対象部位における無効電力実効値
Qe(t)を(7)式により算出する手段を備えたもの
である。 vs(t)=√2Vs・exp{jωt} (5)式 is(t)=√2Is・exp{jωt} (6)式
【数4】
【0009】また、この発明に係る瞬時無効電力算出手
段は、三相交流回路の定常状態での任意の算出対象部位
における瞬時無効電力を算出するものであって、上記交
流回路の各相電圧源ベクトルvsa(t)、vsb
(t)、vsc(t)または各相電流源ベクトルisa
(t)、isb(t)、isc(t)を(8)式または
(9)式の形で入力する手段、上記電圧源または電流源
の存在下、上記交流回路の回路網を演算し定常状態での
上記算出対象部位における各相電圧ベクトルVa
(t)、Vb(t)、Vc(t)、各相電流ベクトルI
a(t)、Ib(t)、Ic(t)をそれぞれ出力する
手段、および上記算出対象部位における瞬時無効電力Q
3(t)を(10)式により算出する手段を備えたもの
である。 vsa(t)=√2Vsa・exp{jωt} (8a)式 vsb(t)=√2Vsb・exp{j(ωt−2π/3)} (8b)式 vsc(t)=√2Vsc・exp{j(ωt+2π/3)} (8c)式 isa(t)=√2Isa・exp{jωt} (9a)式 isb(t)=√2Isb・exp{j(ωt−2π/3)} (9b)式 isc(t)=√2Isc・exp{j(ωt+2π/3)} (9c)式 Q3(t)=Re{Va(t−π/(2ω))}・Re{Ia(t)} +Re{Vb(t−π/(2ω))}・Re{Ib(t)} +Re{Vc(t−π/(2ω))}・Re{Ic(t)} (10)式
【0010】また、この発明に係る瞬時無効電力測定方
法は、交流回路の任意の測定対象部位における定常状態
での瞬時無効電力を測定する方法であって、上記測定対
象部位における電圧V(t)の時間tから(1/4)T
(T=2π/ωは周期)前の瞬時値と、同電流I(t)
の時間tの瞬時値とをサンプリングし、上記両瞬時値か
ら(11)式により瞬時無効電力Q(t)を求めるもの
である。 Q(t)=V(t−π/(2ω))・I(t) (11)式
【0011】また、この発明に係る無効電力実効値測定
方法は、交流回路の任意の測定対象部位における定常状
態での無効電力実効値を測定する方法であって、上記測
定対象部位における電圧V(t)の瞬時値を、時間tの
(1+(1/4))T前から(1/4)T前まで時間Δ
tの間隔でサンプリングし、同電流I(t)の瞬時値
を、時間tの1T前からtまで時間Δtの間隔でサンプ
リングし、上記瞬時値データから(12)式により無効
電力実効値Qe(t)を求めるものである。
【数5】
【0012】また、この発明に係る無効電力実効値測定
方法は、三相交流回路の任意の測定対象部位における定
常状態での無効電力実効値を測定する方法であって、上
記測定対象部位における各相電圧Va(t)、Vb
(t)、Vc(t)の瞬時値を、時間tの(1+(1/
4))T前から(1/4)T前まで時間Δtの間隔でサ
ンプリングし、同各相電流Ia(t)、Ib(t)、I
c(t)の瞬時値を、時間tの1T前からtまで時間Δ
tの間隔でサンプリングし、上記瞬時値データから(1
3)式により無効電力実効値Qe3(t)を求めるもの
である。
【数6】
【0013】また、この発明に係る無効電力実効値測定
方法は、サンプリング間隔時間Δtを(1/12)Tに
設定したものである。
【0014】また、この発明に係る位相差測定方法は、
測定対象部位における有効電力実効値Pe(t)を別途
測定し、上記測定方法により求めた無効電力実効値Qe
(t)とから(14)式により、電圧と電流との位相差
α(t)を測定するものである。 α(t)=φ−θ=arctan{Qe(t)/Pe(t)} (14)式
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本願発明の最大の
特徴は、瞬時無効電力を請求項1の(3)式で示す形で
求め得ることを創案した点にある。そこで、先ず、
(3)式を導出した根拠を実施の形態1として説明す
る。この場合、先に引用した文献の、スパイラル・ベク
トル理論を適用するので、この理論の紹介から始める。
また、瞬時有効電力は、電圧実数値と電流実数値とを掛
け合わせたものであるので、その算出や測定には本来問
題はないが、瞬時有効電力を含めて扱う方が瞬時無効電
力の説明に対する理解が容易となり、また必要でもある
ので、以下では、両電力を合わせて説明する。
【0016】スパイラル・ベクトルは、複素数平面上で
減衰しながら反時計周りで回転するベクトルである。ス
パイラル・ベクトルは以下のように表される。 x(t)=A・exp{δt} (17)式 δ=−λ+jω (18)式 但し、Aは、時間t=0におけるスパイラル・ベクトル
の大きさ、ω=2πf(fは系統周波数)は角速度、λ
は減衰定数、jは虚数単位である。定常状態では、減衰
定数λは零となるため、スパイラル・ベクトルは円ベク
トルとなり、下式で表される。 X(t)=A・exp{jωt} (19)式
【0017】ここで、図1に示す単相交流回路1を想定
する。そして、2は交流回路1の任意の部位に印加され
る電圧源vs(t)、3は交流回路1の任意の個所に設
定される、有効電力、無効電力の算出対象部位で、ここ
では、交流回路1内の任意のインピーダンス要素を設定
し、このインピーダンス要素3の端子間に発生する電圧
v(t)とインピーダンス要素3を流れる電流i(t)
とで決定される有効電力、無効電力を算出対象とするも
のとする。スパイラル・ベクトルの理論を適用すると、
インピーダンス要素3での電圧v(t)、電流i(t)
は、具体的には、(17)(18)式の、スパイラル・
ベクトルの形で設定した電圧源vs(t)の存在下、交
流回路1の回路網を演算することにより算出する。従っ
て、電圧v(t)、電流i(t)も勿論スパイラル・ベ
クトルで表現されるものである。なお、図1では、電圧
源2が存在するものとしたが、本願発明では、算出対象
部位で得られる電圧、電流を起点にして電力を求めるも
のであるので、駆動源としては電圧源に限らず、電流源
でも、また電圧源と電流源との両者が存在しても結論に
影響がないので、ここでは、簡単に電圧源のみが存在す
るものとして説明していくものとする。
【0018】上述したとおり、この実施の形態1では、
請求項1の(3)式の導出根拠を説明するが、先に、前
掲文献で示されている前出(16)式で求められる瞬時
無効電力qの内容について説明し、次に、(3)式で求
められる値が上記(16)式の値と一致することを証明
する。なお、図1の回路現象は、スイッチSW投入によ
る過渡現象から始まるが、ここでは説明を簡単とするた
め、以上の一致することの証明は定常状態(λ=0)の
条件で行うものとする。
【0019】図1のインピーダンス要素3における電圧
vおよび電流iの定常時の値を以下のように定義する。 V(t)=√2V・exp{j(ωt+φ)} (20)式 I(t)=√2I・exp{j(ωt+θ)} (21)式 但し、φは電圧V(t)の初期位相角、θは電流I
(t)の初期位相角である。一方、前掲文献では、瞬時
和周波数皮相電力Sq(t)は次式で定義される。 Sq(t)=(1/2)・{V(t)・I(t)} (22)式 (20)(21)式を(22)式に代入し複素数で表示
することにより(23)式が得られる。 Sq(t)=VI・exp{j(2ωt+φ+θ)} =VI・cos(2ωt+φ+θ) +j{VI・sin(2ωt+φ+θ)} (23)式 また、瞬時差周波数皮相電力Sd(t)は次式で定義さ
れる。 Sd(t)=(1/2)・{V(t)・I(t)*} (24)式 但し、I(t)*はI(t)の共役複素数ベクトルであ
る。(20)(21)式を(24)式に代入し複素数で
表示することにより(25)式が得られる。 Sd(t)=VI・exp{j(φ+θ)} =VI・cos(φ−θ) +j{VI・sin(φ−θ)} (25)式
【0020】図2は、上記各ベクトルを複素数平面上に
図示したものである。図から判るように、電圧V(t)
は初期位相角φから角速度ωで反時計周りに回転するベ
クトル、電流I(t)は初期位相角θから角速度ωで反
時計周りに回転するベクトル、電流I(t)*は初期位
相角−θから角速度ωで時計周りに回転するベクトル、
瞬時和周波数皮相電力Sq(t)は初期位相角(φ+
θ)から角速度2ωで反時計周りに回転するベクトル、
瞬時差周波数皮相電力Sd(t)は角度(φ−θ)の静
止ベクトルとなる。
【0021】瞬時皮相電力S(t)は次式で得られる。 S(t)=Sq(t)+Sd(t) =VI・cos(φ−θ)+VI・cos(2ωt+φ+θ) +j{VI・sin(φ−θ)+VI・sin(2ωt+φ+θ)} (26)式
【0022】(26)式を基に、瞬時有効電力P(t)
および瞬時無効電力Q(t)は、それぞれ(27)式お
よび(28)式で求められる。 P(t)=Re{S(t)} =VI・cos(φ−θ)+VI・cos(2ωt+φ+θ) (27)式 Q(t)=Im{S(t)} =VI・sin(φ−θ)+VI・sin(2ωt+φ+θ) (28)式
【0023】一方、本願請求項1の(3)式に基づき、
定常時の瞬時無効電力Q(t)を求める。具体的には、
(20)(21)式を上記(3)式に代入するわけであ
る。 Q(t)=Im{V(t)}・Re{I(t)} =2VI・sin(ωt+φ)・cos(ωt+θ) =VI・sin(φ−θ)+VI・sin(2ωt+φ+θ) (29)式 (28)式と(29)式とを比較すると全く等しいこと
が判る。即ち、一般的な回路条件において、以下に再録
する(3)式の形で瞬時無効電力q(t)を求めること
ができるわけである。 q(t)=Im{v(t)}・Re{i(t)} (3)式 上記(3)式は、スカラー量の積で求まり、上述した従
来の算出式である、瞬時和周波数電力と瞬時差周波数電
力の各ベクトル量を演算し、更にその和から瞬時無効電
力を求める場合に比較して、演算処理が簡単となり、そ
の結果、演算速度演算精度が向上する。
【0024】なお、本願の主題ではないが、瞬時有効電
力P(t)は(30)式で求まり、勿論、従来の(2
7)式により求めた結果と一致する。 P(t)=Re{V(t)}・Re{I(t)} =2VI・cos(ωt+φ)・cos(ωt+θ) =VI・cos(φ−θ)+VI・cos(2ωt+φ+θ) (30)式 これを、一般の回路条件の場合にあてはめると、瞬時有
効電力p(t)は(31)式で表される。 p(t)=Re{v(t)}・Re{i(t)} (31)式
【0025】実施の形態2.ここでは、定常状態を扱う
ことを前提に、(3)式を更に変形して、本願請求項2
に示す(4)式で算出する場合について説明する。
(3)式を定常状態に適用した場合の右辺、特に、Im
{V(t)}を変形して(32)式が得られる。 Im{V(t)}=√2V・sin(ωt+φ) =√2V・cos(ωt+φ−π/2) =Re{V(t−π/(2ω))} (32)式 (32)式を(3)式に代入することにより、以下に再
録する(4)式が得られる。 Q(t)=Re{V(t−π/(2ω))}・Re{I(t)} (=VI・sin(φ−θ)+VI・sin(2ωt+φ+θ)) (4)式 即ち、瞬時無効電力が、電圧、電流のそれぞれ実数部の
積で求まるので、取り扱い、特に後述する、測定手段で
測定した実数値を扱うことができるという利点がある。
なお、上記(4)式の( )内は、図1において(2
0)(21)式で定義されたものを代入した結果であ
る。
【0026】実施の形態3.ここでは、実施の形態1で
求めた(30)式、および実施の形態2で求めた(4)
式を利用して有効電力および無効電力の実効値を算出す
る場合について説明する。先ず、有効電力実効値Pe
(t)は、(30)式の瞬時有効電力P(t)を1周期
Tについて平均値を演算すればよいので、(33)式で
得られる。なお、同式では、TをTと等価な2π/ωで
表示している。
【0027】
【数7】
【0028】上記(33)式の( )内は、図1におい
て(20)(21)式で定義されたものを代入してい
る。(33)式から判るように、(30)式の瞬時有効
電力P(t)の内、VI・cos(2ωt+φ+θ)の
項が積分平均処理でなくなり、有効電力実効値Pe
(t)は、VIにcos(φ−θ)を掛け合わせた一定
値となる。
【0029】無効電力実効値Qe(t)は、(4)式の
瞬時無効電力Q(t)を1周期Tについて平均値を演算
すればよいので、(34)式で得られる。
【0030】
【数8】
【0031】同様に、(4)式の瞬時無効電力Q(t)
の内、VI・sin(2ωt+φ+θ)の項が積分平均
処理でなくなり、無効電力実効値Qe(t)は、VIに
sin(φ−θ)を掛け合わせた一定値となる。
【0032】実施の形態4.ここでは、電圧と電流の位
相差を算出する場合について説明する。即ち、電圧V
(t)と電流I(t)との位相差α(t)=φ−θ(図
2参照)は、(30)式で求まる瞬時有効電力P(t)
と(29)式または(4)式で求まる瞬時無効電力Q
(t)とから(35)式により得られる。 α(t)=φ−θ=arctan{Q(t)/P(t)} (35)式 上述したとおり、本願発明では、瞬時無効電力Q(t)
を簡便、高速、高精度に算出できるので、(35)式で
算出される位相差α(t)も、同様に、簡便、高速、高
精度に算出することができる。
【0033】実施の形態5.先の各実施の形態では、単
相回路を扱ったが、この実施の形態4では、より実用性
の高い三相交流回路の定常状態を対象として回路網解析
を行い、算出対象部位の各種電力等の状態量を演算する
シミュレーション処理を想定して説明する。図3はシミ
ュレーション対象の三相交流回路4を示す。以下、図4
のフローチャートに示す処理の流れに沿ってシミュレー
ションの内容を順次説明する。先ず、ステップS1で、
各相複素数電圧源5を与える。三相電圧源5は以下の
(8a)〜(8c)式で表される、各相(A相、B相、
C相)が位相角(2π/3)だけづれた電圧である。 vsa(t)=√2Vsa・exp{jωt} (8a)式 vsb(t)=√2Vsb・exp{j(ωt−2π/3)} (8b)式 vsc(t)=√2Vsc・exp{j(ωt+2π/3)} (8c)式 なお、実施の形態1でも説明したが、駆動源としては、
電流源また電圧および電流源としてもよいが、ここで
は、簡単に電圧源のみが存在するとして説明する。
【0034】そして、スイッチSWを投入して三相電圧
源5を三相交流回路4に印加したときの回路計算を行い
(ステップS2)、三相交流回路4内の任意に設定され
た三相インピーダンス要素6における各相電圧va
(t)、vb(t)、vc(t)、各相電流ia
(t)、ib(t)、ic(t)を求める(ステップS
3)。なお、スイッチSWの投入で過渡現象が始まる
が、ここでは、この過渡現象が終了した定常状態におけ
る状態量を対象とする。従って、先の形態例の場合に準
じ、定常状態での算出対象部位(三相インピーダンス要
素6)における各相電圧を、Va(t)、Vb(t)、
Vc(t)、各相電流をIa(t)、Ib(t)、Ic
(t)と表記するものとする。また、この回路計算を実
行する場合は、例えば、EMTP(Electro MagneticTr
ansient Program)等の業界標準ソフトの使用が可能で
ある。
【0035】以上で求められた各相電圧、電流から各相
瞬時皮相、有効、無効電力を算出する(ステップS
4)。なお、これら各相瞬時電力の算出要領は、先に説
明した(30)式、(29)または(4)式から明確で
あるので、その再録はしない。
【0036】次に、三相瞬時皮相、有効、無効電力を算
出する(ステップS5)。先ず、三相瞬時有効電力P3
(t)は各相瞬時有効電力の和として下式で求められ
る。 P3(t)=Re{Va(t)}・Re{Ia(t)} +Re{Vb(t)}・Re{Ib(t)} +Re{Vc(t)}・Re{Ic(t)} (36)式 なお、図3の三相交流回路4が平衡三相で、算出対象部
位における各相電圧、電流を以下の(37)(38)式
のように定義できる場合は、上記三相瞬時有効電力P3
(t)は(39)式で求められる。 Va(t)=√2Va・exp{j(ωt+φ)} (37a)式 Vb(t)=√2Vb・exp{j(ωt+φ−2π/3)} (37b)式 Vc(t)=√2Vc・exp{j(ωt+φ+2π/3)} (37c)式 Va=Vb=Vc(=V):電圧Va(t)〜Vc(t)の実効値 φ:電圧Va(t)の初期位相角 (37d)式 Ia(t)=√2Ia・exp{j(ωt+θ)} (38a)式 Ib(t)=√2Ib・exp{j(ωt+θ−2π/3)} (38b)式 Ic(t)=√2Ic・exp{j(ωt+θ+2π/3)} (38c)式 Ia=Ib=Ic(=I):電流Ia(t)〜Ic(t)の実効値 θ:電流Ia(t)の初期位相角 (38d)式 P3(t)=3VI・cos(φ−θ) (39)式
【0037】次に、三相瞬時無効電力Q3(t)は各相
瞬時無効電力の和として、請求項4に示すように、(1
0)式で求められる。 Q3(t)=Re{Va(t−π/(2ω))}・Re{Ia(t)} +Re{Vb(t−π/(2ω))}・Re{Ib(t)} +Re{Vc(t−π/(2ω))}・Re{Ic(t)} (10)式 また、三相交流回路4が平衡三相で、上述した(37)
(38)式の関係が成立する場合は、三相瞬時無効電力
Q3(t)は(40)式で表される。 Q3(t)=3VI・sin(φ−θ) (40)式 従って、三相瞬時皮相電力S3(t)は(41)式で表
される。 S3(t)=P3(t)+Q3(t) (41)式 平衡三相の場合は、(42)式で求められる。 S3(t)=3VI・(cos(φ−θ)+sin(φ−θ)) (42)式
【0038】次に、三相有効電力実効値Pe3(t)、
無効電力実効値Qe3(t)は、それぞれ、各相有効電
力、無効電力実効値の和として下式により求められる
(ステップS6、S7)。
【0039】
【数9】
【0040】三相平衡で上記(37)(38)式が成立
する場合は、(44)式で表される。 Pe3(t)=3VI・cos(φ−θ) (44)式
【0041】
【数10】
【0042】三相平衡で上記(37)(38)式が成立
する場合は、(46)式で表される。 Qe3(t)=3VI・sin(φ−θ) (46)式
【0043】次に、ステップS8で、三相電圧と電流の
位相差α3(t)および三相電力の力率pf3(t)は
下式により求められる。 α3(t)=arctan{Qe3(t)/Pe3(t)} (47)式 pf3(t)=cos{α3(t)} (48)式 三相平衡で上記(37)(38)式が成立する場合は、
それぞれ(49)(50)式で表される。 α3(t)=φ−θ (49)式 pf3(t)=cos(φ−θ) (50)式
【0044】図4では、以上の演算をすべての算出対象
部位について実行する。以上のように、この実施の形態
5では、三相交流回路4の算出対象部位における各状態
量を求めることができる。特に、問題となる無効電力の
演算が、先の実施の形態例で説明したとおり、簡便な式
で処理できるので、各状態量の演算が簡便高速高精度に
なされるわけである。
【0045】実施の形態6.先の形態例において、瞬時
無効電力を上述した(4)式で表せることを説明した
が、この(4)式は、電圧、電流双方のRe、即ち、実
数部の積から無効電力を求めるものである。これは取り
も直さず、従来実現されていなかった、瞬時無効電力を
測定するという課題の実現に新たな道を開くものであ
る。この実施の形態6では、三相定常状態での、無効電
力を含む各状態量の有効な測定方法について説明する。
【0046】図5は、この発明の実施の形態6における
測定装置の構成を示す図である。図において、7は測定
対象の、A,B,C三相給電線、8は給電線7の測定対
象部位における各相電圧を検出する電圧変成器(P
T)、9は給電線7の測定対象部位における各相電流を
検出する変流器(CT)、10は測定装置で、その内部
構成は以下の通りである。入力変換器11は、電圧変成
器8および変流器9からの各相電圧、電流検出値を後段
の処理に適したレベル形態に変換する。サンプルホール
ド12は、入力変換器11からのデータを所定の要領で
一時保持する。なお、このサンプルホールドの要領は後
述する図6で詳述する。A/D変換器13は、サンプル
ホールド12からのアナログデータをデジタルデータに
変換する。CPU14は、A/D変換器13からのデー
タを基に、所定の演算ソフトプログラムに従って必要な
状態量測定値を演算により求める。この演算要領につい
ては、後述する図6とともに図7のフローチャートを参
照して詳細に説明する。結果は、図示しない、表示装置
等に出力される。
【0047】先ず、無効電力実効値の測定要領について
図6を参照して説明する。無効電力実効値Qe(t)
は、先の(34)式で説明したとおり、瞬時無効電力Q
(t)を1周期Tについて積分し平均を求めることで得
られる。このように、1周期にわたって積分を行うた
め、現実に存在する波形歪みの影響が抑制される利点が
ある。具体的には、測定装置10のサンプルホールド1
2で電圧、電流の検出値をΔtの時間間隔でサンプリン
グホールドし、これらサンプリンデータを使って実効値
を演算する。Δtは小さいほど測定精度は高くなるが、
演算時間は増大する。図6の例では、1周期Tの1/1
2に設定している。 Δt=(1/12)・T=(1/12)・(2π/ω) =(1/6)・(π/ω) (51)式
【0048】ここで重要なことは、(34)式から理解
されるように、電圧と電流とでその積分するタイミング
の範囲が異なることである。即ち、今、時間tにおける
無効電力実効値Qe(t)を測定するものとすると、電
圧V(t)については、時間tの(1+(1/4))T
前から(1/4)T前までの範囲でサンプリングしたデ
ータを使用する。(51)式の関係があるので、具体的
には、図6に示すように、時間(t−14・(T/1
2))から時間(t−3・(T/12))における計1
2点(図の電圧V(t)の曲線状に黒丸で示すデータに
相当する)のサンプリングデータを使用する。一方、電
流I(t)については、時間tの1T前からtまでの範
囲でサンプリングしたデータを使用する。具体的には、
図6に示すように、時間(t−11・(T/12))か
ら時間(t)における計12点(図の電圧I(t)の曲
線状に白丸で示すデータに相当する)のサンプリングデ
ータを使用する。
【0049】無効電力実効値Qe(t)は、以上のサン
プリングデータを使用して(52)式に基づきCPU1
4により演算される。
【0050】
【数11】
【0051】有効電力実効値Pe(t)は、電圧、電流
共その積分範囲は同一で、時間(t−11・Δt)から
時間(t)における計12点のサンプリングデータを使
用し、(53)式により演算される。
【0052】
【数12】
【0053】以上の測定基本原理を踏まえ、図5の測定
装置10により三相給電線7の各状態量を測定する要領
を図7のフローチャートに沿い順次説明する。先ず、図
6で説明した要領で、電圧、電流につき、1サイクル
(1周期T)分12点のサンプリングデータを収集する
(ステップT1)。次に、各相電圧、電流実効値を求め
る(ステップT2、T3)。電圧実効値Veは(54)
式で定義されるので、1周期TをΔtの時間間隔でサン
プリングしたデータから、電圧実効値Ve(t)は(5
5)式により求められる。
【0054】
【数13】
【0055】Δtを(51)式で設定すると(図6)、
電圧実効値Ve(t)は(56)式で求められる。
【0056】
【数14】
【0057】同様に、電流実効値はIe(t)は(5
7)式で求められる。
【0058】
【数15】
【0059】次に、各相有効電力、無効電力実効値を求
める(ステップT4、T5)。各相有効電力実効値Pe
(t)については(53)式で説明したので再録しな
い。また、各相無効電力実効値Qe(t)については
(52)式で説明したので再録しない。
【0060】次に、各相の電圧と電流の位相差α(t)
は、上記有効電力、無効電力実効値から(58)式で求
められる(ステップT6)。 α(t)=arctan{Qe(t)/Pe(t)} (58)式 また、各相電力力率pf(t)は(59)式で求められ
る(ステップT7)。 pf(t)=cos{α(t)} (59)式
【0061】次に、三相有効電力実効値Pe3(t)
は、先の(53)式を基に、(60)式で求められる
(ステップT8)。
【0062】
【数16】
【0063】また、三相無効電力実効値Qe3(t)
は、先の(52)式を基に、(61)式で求められる
(ステップT9)。
【0064】
【数17】
【0065】更に、三相の電圧と電流の位相差α3
(t)は、上記三相有効電力、無効電力実効値から(6
2)式で求められる(ステップT10)。 α3(t)=arctan{Q3e(t)/Pe3(t)} (62)式 また、三相電力力率pf3(t)は(63)式で求めら
れる(ステップT11)。 pf3(t)=cos{α3(t)} (63)式
【0066】以上のように、この実施の形態6では、有
効電力のみならず、無効電力の実効値も、サンプリング
された電圧、電流の実数値から簡便な数式により確実に
求めることができ、高速高精度な測定が可能となる。
【0067】実施の形態7.先の実施の形態6では、サ
ンプリングされた電圧、電流の実数値から各実効値を求
める方法について説明したが、前掲(4)式の原理を利
用して、無効電力の瞬時値の測定も簡便に行うことがで
きる。即ち、瞬時無効電力Q(t)は(64)式で求め
られる。 Q(t)=V(t−π/(2ω))・I(t) (64)式 サンプリング間隔Δtを(51)式に設定した前出の図
6の場合は、(65)式で求められる。 Q(t)=V(t−3・(T/12))・I(t) (65)式
【0068】瞬時有効電力P(t)は、勿論、(66)
式で求められる。 P(t)=V(t)・I(t) (66)式
【0069】以上のように、本願発明は、新たに創出し
た(3)式により、過渡時を含む一般的な条件下での瞬
時無効電力q(t)の簡便迅速高精度な算出を可能とす
るとともに、定常状態にあっては、これまた新規な
(4)式により、電圧、電流のいずれもその実数部を使
用して瞬時無効電力Q(t)を算出することを可能とし
た。勿論、このアイデアは、不平衡状態での三相交流回
路の無効電力算出にも適用できる。更に、この基本的な
算出手段の原理を応用して、単相、三相交流回路におけ
る瞬時無効電力、その実効値等の簡便高精度な測定方法
を提供するものである。
【0070】本願発明で開発した、特にその瞬時無効電
力算出手段、測定方法に係る技術は、交流電力系統にお
いて極めて重要な系統安定機能を担う、自動電圧調整装
置(AVR)や電力系統安定化装置(PSS)に適用す
ることで、これら系統安定機能の一層の性能向上が期待
される。即ち、従来型のPSSでは、瞬時無効電力を計
測することができないため、有効電力実効値と発電機回
転速度をPSSの入力量として使用している。この結
果、有効電力の動揺は収められるが、発電機端子電圧が
高くなく、不安定になる傾向がある。本願発明により、
瞬時無効電力の確実な計測が可能となり、これをPSS
入力量に追加することにより、PSSの最適化制御が実
現する。
【0071】
【発明の効果】この発明に係る瞬時無効電力算出手段
は、交流回路の任意の算出対象部位における瞬時無効電
力を算出するものであって、上記交流回路の電圧源ベク
トルvs(t)または電流源ベクトルis(t)を
(1)式または(2)式の形で入力する手段、上記電圧
源または電流源の存在下、上記交流回路の回路網を演算
し上記算出対象部位における電圧ベクトルv(t)、電
流ベクトルi(t)をそれぞれ出力する手段、および上
記算出対象部位における瞬時無効電力q(t)を(3)
式により算出する手段を備えたので、瞬時無効電力q
は、電圧vの虚数部と電流iの実数部との積の形で簡便
に、従って、高精度高速度に算出できる。 vs(t)=√2Vs・exp{(−λ+jω)t} (1)式 is(t)=√2Is・exp{(−λ+jω)t} (2)式 q(t)=Im{v(t)}・Re{i(t)} (3)式
【0072】また、この発明に係る瞬時無効電力算出手
段は、定常状態(λ=0)での算出対象部位における瞬
時無効電力Q(t)を、(4)式により算出する手段を
備えたので、定常状態での瞬時無効電力Qが、電圧、電
流のともにその実数部の積から簡便に算出される。 Q(t)=Re{V(t−π/(2ω))}・Re{I(t)} (4)式
【0073】また、この発明に係る無効電力実効値算出
手段は、交流回路の定常状態での任意の算出対象部位に
おける無効電力実効値を算出するものであって、上記交
流回路の電圧源ベクトルvs(t)または電流源ベクト
ルis(t)を(5)式または(6)式の形で入力する
手段、上記電圧源または電流源の存在下、上記交流回路
の回路網を演算し上記算出対象部位における電圧ベクト
ルV(t)、電流ベクトルI(t)をそれぞれ出力する
手段、および上記算出対象部位における無効電力実効値
Qe(t)を(7)式により算出する手段を備えたの
で、無効電力実効値Qが、電圧、電流のそれぞれ実数部
の積を積分することで簡便高速度高精度に算出できる。 vs(t)=√2Vs・exp{jωt} (5)式 is(t)=√2Is・exp{jωt} (6)式
【数18】
【0074】また、この発明に係る瞬時無効電力算出手
段は、三相交流回路の定常状態での任意の算出対象部位
における瞬時無効電力を算出するものであって、上記交
流回路の各相電圧源ベクトルvsa(t)、vsb
(t)、vsc(t)または各相電流源ベクトルisa
(t)、isb(t)、isc(t)を(8)式または
(9)式の形で入力する手段、上記電圧源または電流源
の存在下、上記交流回路の回路網を演算し定常状態での
上記算出対象部位における各相電圧ベクトルVa
(t)、Vb(t)、Vc(t)、各相電流ベクトルI
a(t)、Ib(t)、Ic(t)をそれぞれ出力する
手段、および上記算出対象部位における瞬時無効電力Q
3(t)を(10)式により算出する手段を備えたの
で、三相交流回路の定常状態での瞬時無効電力Q3が、
各相電圧、電流のともにその実数部の積から簡便に算出
される。 vsa(t)=√2Vsa・exp{jωt} (8a)式 vsb(t)=√2Vsb・exp{j(ωt−2π/3)} (8b)式 vsc(t)=√2Vsc・exp{j(ωt+2π/3)} (8c)式 isa(t)=√2Isa・exp{jωt} (9a)式 isb(t)=√2Isb・exp{j(ωt−2π/3)} (9b)式 isc(t)=√2Isc・exp{j(ωt+2π/3)} (9c)式 Q3(t)=Re{Va(t−π/(2ω))}・Re{Ia(t)} +Re{Vb(t−π/(2ω))}・Re{Ib(t)} +Re{Vc(t−π/(2ω))}・Re{Ic(t)} (10)式
【0075】また、この発明に係る瞬時無効電力測定方
法は、交流回路の任意の測定対象部位における定常状態
での瞬時無効電力を測定する方法であって、上記測定対
象部位における電圧V(t)の時間tから(1/4)T
(T=2π/ωは周期)前の瞬時値と、同電流I(t)
の時間tの瞬時値とをサンプリングし、上記両瞬時値か
ら(11)式により瞬時無効電力Q(t)を求めるの
で、定常状態での瞬時無効電力Qが、サンプリングした
電圧、電流の実数値から簡便に測定できる。 Q(t)=V(t−π/(2ω))・I(t) (11)式
【0076】また、この発明に係る無効電力実効値測定
方法は、交流回路の任意の測定対象部位における定常状
態での無効電力実効値を測定する方法であって、上記測
定対象部位における電圧V(t)の瞬時値を、時間tの
(1+(1/4))T前から(1/4)T前まで時間Δ
tの間隔でサンプリングし、同電流I(t)の瞬時値
を、時間tの1T前からtまで時間Δtの間隔でサンプ
リングし、上記瞬時値データから(12)式により無効
電力実効値Qe(t)を求めるので、定常状態での無効
電力実効値Qeが、1周期にわたってサンプリングした
電圧、電流の実数値から簡便高精度に測定でき、波形歪
みの影響を低減する。
【数19】
【0077】また、この発明に係る無効電力実効値測定
方法は、三相交流回路の任意の測定対象部位における定
常状態での無効電力実効値を測定する方法であって、上
記測定対象部位における各相電圧Va(t)、Vb
(t)、Vc(t)の瞬時値を、時間tの(1+(1/
4))T前から(1/4)T前まで時間Δtの間隔でサ
ンプリングし、同各相電流Ia(t)、Ib(t)、I
c(t)の瞬時値を、時間tの1T前からtまで時間Δ
tの間隔でサンプリングし、上記瞬時値データから(1
3)式により無効電力実効値Qe3(t)を求めるの
で、三相交流回路の定常状態での無効電力実効値Qe3
が、1周期にわたってサンプリングした各相電圧、電流
の実数値から簡便高精度に測定でき、波形歪みの影響を
低減する。
【数20】
【0078】また、この発明に係る無効電力実効値測定
方法は、サンプリング間隔時間Δtを(1/12)Tに
設定したので、簡便でしかも十分な精度の無効電力実効
値の測定が可能となる。
【0079】また、この発明に係る位相差測定方法は、
測定対象部位における有効電力実効値Pe(t)を別途
測定し、上記測定方法により求めた無効電力実効値Qe
(t)とから(14)式により、電圧と電流との位相差
α(t)を測定するので、すべて電圧、電流の実数値か
ら両者の位相差α(t)を簡便に測定することができ
る。 α(t)=φ−θ=arctan{Qe(t)/Pe(t)} (14)式
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における交流回路1
および瞬時無効電力等の算出対象部位を説明する図であ
る。
【図2】 電圧、電流、瞬時和周波数皮相電力、瞬時差
周波数皮相電力等のベクトルを説明する図である。
【図3】 この発明の実施の形態5における三相交流回
路4および瞬時無効電力等のシミュレーション対象を説
明する図である。
【図4】 図3のシミュレーションの処理の流れを説明
するフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態6における測定装置1
0を説明する図である。
【図6】 無効電力実効値の測定要領を説明する図であ
る。
【図7】 図5の測定装置10による測定処理の流れを
説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 交流回路、2 電圧源、3 インピーダンス要素、
4 三相交流回路、5 三相電圧源、6 三相インピー
ダンス要素、7 給電線、8 電圧変成器、9 変流
器、10 測定装置、12 サンプルホールド、14
CPU。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流回路の任意の算出対象部位における
    瞬時無効電力を算出するものであって、 上記交流回路の電圧源ベクトルvs(t)または電流源
    ベクトルis(t)を(1)式または(2)式の形で入
    力する手段、上記電圧源または電流源の存在下、上記交
    流回路の回路網を演算し上記算出対象部位における電圧
    ベクトルv(t)、電流ベクトルi(t)をそれぞれ出
    力する手段、および上記算出対象部位における瞬時無効
    電力q(t)を(3)式により算出する手段を備えた、
    交流回路における瞬時無効電力算出手段。 vs(t)=√2Vs・exp{(−λ+jω)t} (1)式 is(t)=√2Is・exp{(−λ+jω)t} (2)式 q(t)=Im{v(t)}・Re{i(t)} (3)式 但し、 t:時間 √2Vs:t=0における電圧源vs(t)の大きさ √2Is:t=0における電流源is(t)の大きさ λ:減衰定数(λ≧0) j:虚数単位 ω:角速度(ω=2πf) f:周波数 φs:電圧源ベクトルvs(t)の投入時位相角 θs:電流源ベクトルis(t)の投入時位相角 Im:虚数部 Re:実数部
  2. 【請求項2】 定常状態(λ=0)での算出対象部位に
    おける瞬時無効電力Q(t)を、(4)式により算出す
    る手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の、交流
    回路における瞬時無効電力算出手段。 Q(t)=Re{V(t−π/(2ω))}・Re{I(t)} (4)式
  3. 【請求項3】 交流回路の定常状態での任意の算出対象
    部位における無効電力実効値を算出するものであって、 上記交流回路の電圧源ベクトルvs(t)または電流源
    ベクトルis(t)を(5)式または(6)式の形で入
    力する手段、上記電圧源または電流源の存在下、上記交
    流回路の回路網を演算し上記算出対象部位における電圧
    ベクトルV(t)、電流ベクトルI(t)をそれぞれ出
    力する手段、および上記算出対象部位における無効電力
    実効値Qe(t)を(7)式により算出する手段を備え
    た、交流回路における無効電力実効値算出手段。 vs(t)=√2Vs・exp{jωt} (5)式 is(t)=√2Is・exp{jωt} (6)式 【数1】
  4. 【請求項4】 三相交流回路の定常状態での任意の算出
    対象部位における瞬時無効電力を算出するものであっ
    て、 上記交流回路の各相電圧源ベクトルvsa(t)、vs
    b(t)、vsc(t)または各相電流源ベクトルis
    a(t)、isb(t)、isc(t)を(8)式また
    は(9)式の形で入力する手段、上記電圧源または電流
    源の存在下、上記交流回路の回路網を演算し定常状態で
    の上記算出対象部位における各相電圧ベクトルVa
    (t)、Vb(t)、Vc(t)、各相電流ベクトルI
    a(t)、Ib(t)、Ic(t)をそれぞれ出力する
    手段、および上記算出対象部位における瞬時無効電力Q
    3(t)を(10)式により算出する手段を備えた、交
    流回路における瞬時無効電力算出手段。 vsa(t)=√2Vsa・exp{jωt} (8a)式 vsb(t)=√2Vsb・exp{j(ωt−2π/3)} (8b)式 vsc(t)=√2Vsc・exp{j(ωt+2π/3)} (8c)式 isa(t)=√2Isa・exp{jωt} (9a)式 isb(t)=√2Isb・exp{j(ωt−2π/3)} (9b)式 isc(t)=√2Isc・exp{j(ωt+2π/3)} (9c)式 Q3(t)=Re{Va(t−π/(2ω))}・Re{Ia(t)} +Re{Vb(t−π/(2ω))}・Re{Ib(t)} +Re{Vc(t−π/(2ω))}・Re{Ic(t)} (10)式 但し、 √2Vsa:t=0における電圧源vsa(t)の大き
    さ √2Vsb:t=2π/(3ω)=1/(3f)におけ
    る電圧源vsb(t)の大きさ √2Vsc:t=−2π/(3ω)=−1/(3f)に
    おける電圧源vsc(t)の大きさ √2Isa:t=0における電流源isa(t)の大き
    さ √2Isb:t=2π/(3ω)=1/(3f)におけ
    る電流源isb(t)の大きさ √2Isc:t=−2π/(3ω)=−1/(3f)に
    おける電流源isc(t)の大きさ
  5. 【請求項5】 交流回路の任意の測定対象部位における
    定常状態での瞬時無効電力を測定する方法であって、 上記測定対象部位における電圧V(t)の時間tから
    (1/4)T(T=2π/ωは周期)前の瞬時値と、同
    電流I(t)の時間tの瞬時値とをサンプリングし、上
    記両瞬時値から(11)式により瞬時無効電力Q(t)
    を求める、交流回路における瞬時無効電力測定方法。 Q(t)=V(t−π/(2ω))・I(t) (11)式
  6. 【請求項6】 交流回路の任意の測定対象部位における
    定常状態での無効電力実効値を測定する方法であって、 上記測定対象部位における電圧V(t)の瞬時値を、時
    間tの(1+(1/4))T前から(1/4)T前まで
    時間Δtの間隔でサンプリングし、同電流I(t)の瞬
    時値を、時間tの1T前からtまで時間Δtの間隔でサ
    ンプリングし、上記瞬時値データから(12)式により
    無効電力実効値Qe(t)を求める、交流回路における
    無効電力実効値測定方法。 【数2】
  7. 【請求項7】 三相交流回路の任意の測定対象部位にお
    ける定常状態での無効電力実効値を測定する方法であっ
    て、 上記測定対象部位における各相電圧Va(t)、Vb
    (t)、Vc(t)の瞬時値を、時間tの(1+(1/
    4))T前から(1/4)T前まで時間Δtの間隔でサ
    ンプリングし、同各相電流Ia(t)、Ib(t)、I
    c(t)の瞬時値を、時間tの1T前からtまで時間Δ
    tの間隔でサンプリングし、上記瞬時値データから(1
    3)式により無効電力実効値Qe3(t)を求める、交
    流回路における無効電力実効値測定方法。 【数3】
  8. 【請求項8】 サンプリング間隔時間Δtを(1/1
    2)Tに設定したことを特徴とする請求項6または7に
    記載の、交流回路における無効電力実効値測定方法。
  9. 【請求項9】 測定対象部位における有効電力実効値P
    e(t)を別途測定し、請求項6ないし8のいずれかに
    記載の測定方法により求めた無効電力実効値Qe(t)
    とから(14)式により、電圧と電流との位相差α
    (t)を測定することを特徴とする、交流回路における
    位相差測定方法。 α(t)=φ−θ=arctan{Qe(t)/Pe(t)} (14)式
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