JP2003277004A - 貯留分離タンク及び水素ガス生成装置 - Google Patents

貯留分離タンク及び水素ガス生成装置

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JP2003277004A
JP2003277004A JP2002086080A JP2002086080A JP2003277004A JP 2003277004 A JP2003277004 A JP 2003277004A JP 2002086080 A JP2002086080 A JP 2002086080A JP 2002086080 A JP2002086080 A JP 2002086080A JP 2003277004 A JP2003277004 A JP 2003277004A
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separation tank
decalin
tank
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Takahiro Hayashi
高弘 林
Masahiko Sugiyama
雅彦 杉山
Hiroshi Suzuki
鈴木  寛
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デカリン/ナフタレン反応を利用して水素使
用装置(燃料電池等)に高純度の水素ガスを供給し、水
素使用装置の効率を向上でき、しかも軽量で小型の水素
ガス生成装置を提供する。 【解決手段】 デカリン2とデカリンの脱水素反応によ
り生じたナフタレン2’とを共に貯留でき、かつ水素ガ
スを排出する排出口10を有する貯留分離タンク1を備
えた水素ガス生成装置である。貯留分離タンク1を着脱
可能とした形態が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯留分離タンクお
よび水素ガス生成装置に関し、特に、炭化水素系燃料と
その脱水素生成物とを共に貯留し、水素ガスを分離排出
することができる貯留分離タンク、および電気自動車等
の車両に搭載可能でかつ車両に搭載された燃料電池に水
素ガスを供給することができる水素ガス生成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電気自動車は、車両の駆動力を得
るための電源としての燃料電池、及びこの燃料電池を用
いて発電を行なうための燃料である水素または水素を生
成するための原燃料を搭載している。水素を搭載する電
気自動車では、水素ガスを圧縮して充填したボンベ、ま
たは水素を吸蔵する水素吸蔵合金や水素吸着材料により
水素を搭載している。一方、原燃料を搭載する電気自動
車では、原燃料としてのメタノールまたはガソリン等の
炭化水素と、この原燃料を水蒸気改質して水素リッチガ
スを生成する水素生成装置とを搭載している。
【0003】しかしながら、水素吸蔵合金や水素吸着材
料では、電気自動車に必要とされる水素貯蔵密度が不十
分であり、また水素の吸蔵や吸着等を制御するのが非常
に困難である。一方、原燃料を搭載する電気自動車は、
水素を搭載する電気自動車に比較して、1回の燃料補給
で走行可能な距離が長いという利点を有しており、炭化
水素等の原燃料は水素ガスに比較して輸送等の取り扱い
が容易で安全であるという利点も有している。
【0004】炭化水素系燃料の1つであるデカリン(デ
カヒドロナフタレン)は、常温では殆ど蒸気圧がゼロ
(沸点が200℃近傍)で取り扱いし易いことから、上
記の原燃料としての使用の可能性が期待されている。
【0005】デカリンの脱水素化方法としては、デカリ
ンをコバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、テルニウ
ム、ニッケル、及び白金の中から選ばれる少なくとも1
種の遷移金属を含有する遷移金属錯体の存在下で光照射
し、デカリンから水素を離脱させる方法が知られている
(特公平3−9091号公報)。また、有機リン化合物
のロジウム錯体の存在下、または有機リン化合物とロジ
ウム化合物との存在下に、デカリンに光照射することに
よりデカリンから水素を製造する方法が知られている
(特公平5−18761号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の脱水素化による水素生成方法を電気自動車の燃料電
池等の水素使用装置に適用しようとすると、反応転化率
が低く、脱水素化によって生じた脱水素生成物(例えば
ナフタレン)や未反応の炭化水素系燃料(例えば未反応
デカリン)が混在しているために、水素使用装置に供給
しても水素分圧が低いことから水素使用装置の効率が悪
いという問題があった。
【0007】一方、特開2001−110437公報で
は、水素化芳香族化合物の脱水素により高純度の水素を
製造、供給し得るシステムが開示されている。しかし、
このシステムでは原料用のほか脱水素生成物用の貯蔵タ
ンクも不可欠であり、高純度の水素が得られるとして
も、装置全体が大きすぎるばかりか重量もありすぎて、
現実には電気自動車等の車両などの狭い場所への搭載は
困難な状況にあった。以上のように、水素使用装置に高
純度の水素ガスを供給でき、しかも車両等の限られた設
置スペースへの設置が可能でかつ軽量な装置は、未だ提
供されるに至っていないのが現状である。
【0008】上記現状を踏まえ、本発明は、前記従来技
術における問題を解消し、炭化水素系燃料とその脱水素
生成物とを共に貯留でき、かつ供給された水素ガスを分
離排出可能な貯留分離タンク、並びに炭化水素系燃料の
脱水素反応を利用して水素使用装置に高純度の水素ガス
を供給し、水素使用装置の効率を向上することができ、
しかも軽量で小型の水素ガス生成装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の貯留分離タンクは、炭化水素系燃料
を貯留し、かつ貯留された炭化水素系燃料中に、前記炭
化水素系燃料の脱水素反応により生じた水素ガス及び脱
水素生成物が供給されると共に、前記水素ガスを排出す
る排出口を備えたことを特徴とする。
【0010】本明細書中において、炭化水素系燃料は、
脱水素反応により水素を発生し得る化合物を含有する燃
料であり、脂肪族炭化水素系化合物、脂環式炭化水素系
化合物等を含有する燃料が挙げられる。前記脂肪族炭化
水素系化合物には、2−プロパノ−ル、メタノール、エ
タノール等が含まれ、前記脂環式炭化水素系化合物に
は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチル
シクロヘキサン等の単環式化合物、デカリン、テトラリ
ン、メチルデカリン等の二環式化合物、テトラデカヒド
ロアントラセン、テトラデカヒドロメチルアントラセン
等の三環式化合物、等が含まれる。特に、デカリン、メ
チルデカリンおよびテトラリンの少なくとも一種を含む
燃料が好ましく、デカリンからなる燃料若しくはデカリ
ンを主成分とする燃料、デカリンを含むナフテン系燃
料、またはデカリンとテトラリンとの混合燃料がより好
ましい。
【0011】炭化水素系燃料から生成される脱水素生成
物は、炭化水素系燃料を脱水素反応して水素を放出した
後の反応生成物であり、例えば、デカリン、またはシク
ロヘキサンを炭化水素系燃料とした場合には、水素と共
に主として生成される、ナフタレン、またはベンゼンが
各々相当する。
【0012】請求項1記載の貯留分離タンクによれば、
炭化水素系燃料と脱水素生成物と共に貯留でき、かつ発
生する水素ガスをも分離排出できるので、従来のよう
に、水素を得るための炭化水素系燃料を貯留するための
タンクと反応生成される脱水素生成物を貯留するための
タンクの両方を必要とせず、単一のタンクに統括するこ
とができる。即ち、貯留分離タンクには炭化水素系燃料
が貯留され、そこから外部に供給され脱水素反応を経た
後、再び該炭化水素系燃料中に生成された水素ガス及び
脱水素生成物が供給されると、脱水素生成物は炭化水素
系燃料中への供給過程で冷却、溶解されながら貯留分離
タンクの底部(下方)に沈降、貯留され、水素ガスは燃
料に溶解されずに(場合により、水素ガス分離手段を介
在させて)排出口から高純度に排出される。そして、水
素ガスは燃料電池等の水素利用装置に利用される。
【0013】請求項1記載の貯留分離タンクには、脱水
素生成物の拡散を抑え、かつ水素ガスを透過する分離膜
を内部に設けることができる。分離膜を設けることによ
り、脱水素生成物が炭化水素系燃料中に拡がるのを抑制
し、水素生成のために供給される炭化水素系燃料中にお
ける含有率を低く抑えることができる。水素生成のため
に供給される炭化水素系燃料に脱水素生成物が含まれる
と、相対的に脱水素反応に寄与し水素を放出する化合物
(例えばデカリン)の含有比が低下して水素生成効率が
低下してしまうが、分離膜を設けることによって区画さ
れた一方の側(室)に生成された脱水素生成物を供給す
ることができ、単一のタンク内で脱水素生成物と分けて
炭化水素系燃料を貯留することができる。分離膜による
区画により、脱水素生成物を高濃度に含む一方の側から
他方への脱水素生成物の濃度分布の拡がりを抑え得る程
度に仕切ることができる。
【0014】分離膜は、貯留分離タンクの内部に略水平
に設けることができ、分離膜で区画された該分離膜の下
方に脱水素生成物を貯留することができる。分離膜を略
水平に設けることにより、タンク内部は上下に区画され
るので、水素ガスと脱水素生成物の燃料に対する溶解
性、比重の違いを利用して、水素ガスを高純度に排出で
きると同時に、タンク下方において脱水素生成物を貯留
することができる。また、常に水平に存在する、燃料の
液面や、脱水素生成物含量の少ない炭化水素系燃料の上
層部から脱水素生成物含量が多くなる下層部への濃度分
布とも対応する点でも有用である。
【0015】請求項1記載の貯留分離タンクでは、脱水
素生成物を貯留した部分、例えば、貯留分離タンクの分
離膜の下方を着脱可能とすることができる。このよう
に、脱水素生成物が貯留される部分を着脱可能とすれ
ば、該部分を入れ換えることだけで簡易に脱水素生成物
を回収でき、かつ新たな燃料供給もでき、連続的に水素
ガスを生成することができる。
【0016】前記分離膜は移動可能に設けると効果的で
ある。タンク内に分離膜を移動可能に設ければ、例え
ば、タンク内の区画された一方において、水素ガスを得
るための炭化水素系燃料が多くある場合には該一方のタ
ンク内容積を大きくしておき、徐々に水素ガスの生成に
伴って燃料が減少し、逆に脱水素生成物の量が多くなっ
た場合には他方のタンク内容積を大きくする、等が可能
となる。その結果、炭化水素系燃料と供給される脱水素
生成物の物理的な相対量に応じた分離膜の移動により、
タンクの有効利用が図れ、狭い設置場所への設置や、装
置全体の軽量化を達成することができる。
【0017】請求項6記載の貯留分離タンクは、内部を
区画する移動可能な分離膜を備え、該分離膜により区画
された一方の室に炭化水素系燃料を貯留し、かつ他方の
室に前記炭化水素系燃料の脱水素反応により生じかつ水
素ガスが除去された脱水素生成物(炭化水素系燃料を含
んでいてもよい)を貯留することを特徴とする。したが
って、請求項6記載の貯留分離タンクは、請求項1記載
の貯留分離タンクと同様、従来のように、水素を得るた
めの炭化水素系燃料を貯留するためのタンクと反応生成
される脱水素生成物を貯留するためのタンクの両方を必
要とせず、単一のタンクに統括することができる。よっ
て、限られた場所でも設置が可能であり、軽量化をも図
られる。また、この貯留分離タンクによると、水素ガス
が除去された脱水素生成物が貯留されるので、請求項1
記載の貯留分離タンクのように排出口を設ける必要がな
い。
【0018】上記の貯留分離タンクには、炭化水素系燃
料を供給可能な燃料供給口と、脱水素生成物を回収する
排出口とを更に設けることができ、水素ガス生成により
減少した炭化水素系燃料を適宜補充でき、その補充によ
り貯留された脱水素生成物を押出して排出することも可
能である。
【0019】請求項8記載の水素ガス生成装置は、上記
の本発明の貯留分離タンクと、触媒及び該触媒を加熱す
る加熱手段を備え、かつ貯留分離タンクから供給された
燃料を加熱された前記触媒上で脱水素反応させる反応タ
ンクとを備えることを特徴とする。
【0020】請求項8記載の水素ガス生成装置によれ
ば、既述の本発明の貯留分離タンクを備えて構成される
ので、高純度の水素を水素使用装置に供給することがで
きると共に、装置自体の小型化、軽量化をも達成するこ
とができる。しかも、脱水素反応により水素を得るため
の反応タンクが、炭化水素系燃料を供給できかつ水素ガ
ス及び脱水素生成物を取り込める本発明の貯留分離タン
クと接続されるので、両タンク間で炭化水素系燃料を主
とした水素生成サイクルを構築することができる。
【0021】請求項8記載の水素ガス生成装置では、貯
留分離タンクを着脱可能とすることにより、炭化水素系
燃料を使用した後、貯留分離タンク自体を交換あるいは
一旦取外して脱水素生成物を再生することができ、貯留
分離タンク内に貯留された脱水素生成物を排出、回収で
きる。したがって、例えば車載するなど、特定の場所に
固定設置しない場合でも連続的に水素生成が可能であ
る。
【0022】反応タンクには、貯留分離タンク内の炭化
水素系燃料を触媒上に液膜状態となるように供給する供
給装置が更に設けられ、炭化水素系燃料(特にデカリ
ン)は触媒表面が炭化水素系燃料によって僅かに湿潤し
た状態で供給されるので、脱水素反応を高効率に行え、
水素ガス生成量を向上させることができる。
【0023】請求項8記載の水素ガス生成装置に、貯留
分離タンク中の脱水素生成物の量を検出する検出器と、
前記検出器で検出された検出量が所定値を超えたときに
報知する報知手段とを更に設け、燃料中の脱水素生成物
の液レベルや濃度に基づいて交換時期であることを知ら
せるようにしてもよい。これにより、燃料がなくなる前
に予め交換時期を知ることができる。
【0024】尚、反応タンク内の触媒として、炭素担持
Pt触媒、炭素担持Pt−Ir複合金属触媒、炭素担持
Pt−Re複合金属触媒、及び炭素担持Pt−W複合金
属触媒のいずれかを選択すれば、デカリン等の炭化水素
系燃料を高効率に脱水素することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、まず本発
明の貯留分離タンクの詳細を説明し、続いて水素ガス生
成装置について詳細に説明する。尚、以下の各実施形態
において、炭化水素系燃料としてデカリンを主に含む燃
料(以下、単に「デカリン」という。)を用いた場合を
中心に説明する。但し、本発明においてはこれら実施形
態に制限されるものではない。
【0026】[貯留分離タンク] −第1実施形態− 本発明の第1実施形態に係る貯留分離タンクについて、
図1を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形
態に係る貯留分離タンクの断面を示す概略構成図であ
る。尚、貯留分離タンクを除く他の詳細については後述
する。
【0027】第1実施形態に係る貯留分離タンクは、炭
化水素系燃料を貯留し、かつ貯留された炭化水素系燃料
中に、前記炭化水素系燃料の脱水素反応により生じた水
素ガス及びナフタレンが供給されると共に、前記水素ガ
スを排出する排出口を備えて、基本的に構成される。
【0028】貯留分離タンク1は、内部に(好ましくは
密閉して)デカリン2を貯留可能に構成されている。ま
た、貯留分離タンク1のデカリン2中となる位置には、
貯留分離タンク1から外部に供給されたデカリン2の脱
水素反応により生じた水素ガス及びナフタレン(蒸発し
て残存する残存デカリンを含んでもよい。)を導入する
ための導入管4と繋がる導入口(不図示)が設けられて
いる。導入管4には、ナフタレンを貯留分離タンク1に
送るポンプと逆止弁を設けたり、あるいは逆流防止ポン
プ、逆止弁を単独で設けてもよい。また、必要に応じて
ナフタレンを冷却する冷却分離器7cを設けることがで
きる。
【0029】外部から貯留分離タンク1に供給される水
素ガス及びナフタレン(及び残存デカリン)はデカリン
2中に供給されると、ナフタレン及び残存デカリンはデ
カリンに溶解され、特にナフタレンは供給過程で冷却、
凝析されてタンク下方に沈降し底部で貯留され、水素ガ
スは溶解されずに貯留分離タンク1内の上方の空間に到
達した後、排出口10から排出される。また、水素ガス
分離手段(不図示)が設けられていてもよく、該水素ガ
ス分離手段により蒸発したデカリン等の有機成分を更に
分離してより高純度に排出、回収することができる。以
上のように、貯留分離タンク1が、水素ガスをナフタレ
ンから分離する機能をも備えるため、別個に分離用タン
クを備える必要がなく、また、該タンク内壁等に付着す
るナフタレン除去のための処理を行う必要もない。
【0030】貯留分離タンク1の壁面には、デカリン2
を外部に設置された反応タンク5へ供給するための供給
配管6が取り付けられる。供給配管6の一端は、デカリ
ン中のナフタレンの含有率が少ない比較的上方となる位
置に配置されることが望ましい。供給配管6の配管途中
には、供給のための供給ポンプが備えられていてもよ
い。
【0031】供給配管6の他端は、貯留分離タンク1の
外部に配置された反応タンク5に取り付けられている。
反応タンク5は、デカリン2を吐出するための供給装置
を備え、該供給装置を介在して、供給配管6によって貯
留分離タンク1と連通される。更に、反応タンク5は、
貯留分離タンク1と導入管4で連通されており、反応に
よって生じた水素ガス及びナフタレン(及び蒸発した残
存デカリン)を貯留分離タンク1に供給できるようにな
っている。
【0032】分離膜3は、図1に示すように、略水平に
備えられており、この場合には分離膜3は、ナフタレン
の拡散を抑え、かつ水素ガスを透過可能に構成する。貯
留分離タンク1内部において、水平面と略平行に配置さ
れた分離膜3は、ナフタレン含量の少ないデカリンの上
層部からナフタレン含量の多い下層部に移る濃度分布と
も略平行に位置し、下層部に供給された水素ガスは分離
膜3の膜面を一様に通過できる。特に水素ガスの供給部
でナフタレン含量が不均一になると局部的に粘度上昇等
を来しやすいため、水素ガスの液中での移動速度を損な
わないようにすることが望ましい。
【0033】分離膜3は、貯留分離タンク内を任意の容
積に区画できるように移動可能に設けられている。貯留
分離タンク1に対する分離膜3の位置関係としては、ナ
フタレンの濃度分布の拡がりを抑えるため、ナフタレン
の供給量が少ない段階には、貯留分離タンク内はデカリ
ンが多く貯留できる位置とし、ナフタレンの供給量に応
じてナフタレン供給側の容積を拡大し得る位置に配置さ
れていればよい。
【0034】分離膜の移動は、貯留分離タンク内部の区
画された領域の容積を可逆的に変えることができること
が望ましく、貯留分離タンクに対して平行移動させるこ
とができる。図1に示すように、略水平に備えた分離膜
3をその膜面の上下方向Aに平行移動させてもよく、二
つに区画された領域(室)の容積をナフタレン(水素)
の生成の程度に合わせて任意に変えることができる。
尚、図3に示すように分離膜を設けるときには、膜面の
法線方向(左右方向B)に平行移動させてもよい。
【0035】前記分離膜は、水素ガスを透過できると共
に、デカリン中でのナフタレンの拡散が抑制し、かつデ
カリンに対して安定なものであれば、特に制限はなく、
公知のものの中から適宜選択することができる。例え
ば、ナフタレンを除いては透過性のもの、水素ガスのみ
を透過できるもの、及び物質透過性を全く有しないもの
のいずれであってもよい。また、強固な板状のものであ
ってもよいし、伸縮可能な弾性を有するものであっても
よい。また、一つの貯留分離タンク内に複数の分離膜を
設けることもできる。
【0036】具体的な例として、メッシュ状のフィルタ
膜や、ナフタレンを高濃度に含む側から水素ガスが透過
するときに開弁され、かつ逆側から圧がかかった場合に
閉弁される多数の逆止弁が格子状又はランダムに配列さ
れた逆止弁膜などが挙げられ、材質は樹脂材、シリコー
ン材、ゴム材、金属材など適宜選択することができる。
【0037】貯留分離タンク1には、バルブV1を備え
たデカリンを供給するための燃料供給口8や、貯留され
たナフタレン(ナフタレン溶液)2’を排出、回収する
ためのバルブV2を備えた排出口9が設けられていても
よい。排出口9から排出されたナフタレンは、車載の再
生タンクによりデカリン若しくはテトラリンに再生する
ことができる。また、貯留されたナフタレン(溶液)
は、排出口9からガソリンスタンド等に設けられたナフ
タレン貯蔵タンクに排出することもでき、ガソリンスタ
ンド等に設置された再生装置を用いてデカリン若しくは
テトラリンに再生することもできる。これにより、デカ
リン/ナフタレンの循環系を利用すれば継続的に水素ガ
スを供給することが可能となる。再生装置は、後述の再
生タンクと同様に構成することができる。
【0038】反応タンク5は、詳細を後述するように、
貯留分離タンク1と連通するデカリンを供給するための
供給装置と、触媒及び該触媒を加熱するヒータで構成さ
れ、かつ触媒表面(触媒を備える高伝熱性基板の表裏
等)で発熱及び吸熱を同時に起こさせる触媒反応器と、
で構成できる。供給装置は、少なくとも触媒表面にデカ
リンを液膜状態に供給できる態様で構成されていればよ
く、例えば噴射、噴霧、シャワー状等に供給可能なもの
が挙げられる。供給装置は複数設けられてもよく、この
場合は、貯留分離タンク1と連通する供給配管6の他端
が複数に分岐され、各分岐端に供給装置が取り付けられ
る。
【0039】液膜状態は、触媒表面がデカリンによって
僅かに湿潤した状態であり、この状態で過熱(デカリン
の沸点を越える温度での加熱)して脱水素反応させたと
きに水素ガス生成量が最大になる。これは、デカリンの
蒸発速度が、基質液量(デカリンの液量)が少ない程小
さくなり、蒸発速度が小さくかつ高温の状態で脱水素反
応させることにより転化率が向上するからである。即
ち、蒸発速度は液量・伝熱面積・加熱源と沸点との温度
差の各々に比例するので、液体デカリンの量が少なけれ
ば蒸発速度が小さくなる。液体デカリンは、加熱触媒上
(例えば200〜350℃)でも液膜状態で存在するの
で、触媒活性サイトは液相からのデカリンの速やかな吸
着により十分に高い被覆度で常時補填される。即ち、触
媒表面上で液膜状態で脱水素反応させることにより、触
媒表面上で気体で反応させるよりも優れた反応性が得ら
れる。
【0040】触媒反応器の触媒面の脱水素反応を起こす
脱水素化側は、多孔性炭素担体に触媒金属微粒子を担持
して構成できる。前記触媒としては、Pt、Pt−I
r、Pt−Re、Pt−W等の貴金属系の金属を用いた
炭素担持Pt触媒、炭素担持Pt−Ir複合金属触媒、
炭素担持Pt−Re複合金属触媒、炭素担持Pt−W複
合金属触媒、又はニッケル系金属を使用した触媒等が使
用できる。
【0041】前述の水素ガス分離手段は、蒸発したデカ
リン、ナフタレン等の有機物を吸着する能力の高い高表
面積活性炭素を有し水素ガスだけを透過する膜、パラジ
ウム合金製水素分離膜を用いて構成され、効率良く水素
ガスを分離することができる。例えば、水素ガスを透過
し、蒸発したデカリン及びナフタレン等を吸着して分離
する吸着透過装置、水素ガス分離膜、等が挙げられる。
【0042】前記吸着透過装置としては、加熱再生機能
付き高表面積活性炭によるデカリン・ナフタレン吸着分
離・水素ガス透過装置を使用でき、高表面積活性炭によ
ってデカリン及びナフタレンを吸着して水素ガスのみを
透過すると共に、加熱再生機能によって加熱することに
よりデカリン及びナフタレンが高表面積活性炭より離脱
され再生される。
【0043】−第2実施形態− 本発明の第2実施形態に係る貯留分離タンクについて、
図2を参照して説明する。図2は、本発明の第2実施形
態に係る貯留分離タンクの断面を示す概略構成図であ
る。尚、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照
符号を付してその詳細な説明を省略し、貯留分離タンク
以外の詳細は後述する。
【0044】貯留分離タンク1は、供給配管6及び導入
管4に設けられた連結部7a、7bを介して接続され、
連結部7a、7bにおいて着脱可能に構成されている。
例えば、貯留分離タンク1を、はめ込み式の着脱できる
交換タンク(カートリッジタンク)等の形態で構成する
ことができる。また、貯留分離タンクのナフタレンが貯
留された貯留部分を着脱可能とすることもできる。貯留
部分は、貯留分離タンクに収納可能なカートリッジ式に
構成されてもよく、該部分が貯留分離タンクの一部を構
成し、かつ取外しできるように構成されたものであって
もよい。
【0045】貯留分離タンク又は貯留部分を着脱可能に
構成する場合には、貯留分離タンクに必ずしもナフタレ
ン排出のための機構を設ける必要がなく、貯留分離タン
ク自体を交換あるいは一旦取外してナフタレンを再生す
ることによりナフタレンを除去でき、しかも簡易かつ連
続的に水素を生成することができる。例えば、車載する
など、特定の場所に定置しない使用態様の場合に特に有
用であり、使用後の貯留分離タンク又は貯留部分を交換
したり、あるいは取外して使用済の貯留分離タンクをガ
ソリンスタンド等に設置された再生装置を用いて再生す
ることにより継続的に水素ガスを供給することが可能と
なる。
【0046】貯留されたナフタレンは、水素ガス生成装
置とは別に水素を供給して水素化可能な再生装置を用い
て水素化反応させることで、もとのデカリン若しくはテ
トラリンに再生することができる。再生処理した後、水
素ガス生成装置において再使用することができる。この
場合、水素ガス生成装置には、ナフタレンを炭化水素系
燃料に再生するための再生タンクを備える必要はない。
再生装置については後述する。
【0047】−第3実施形態− 本発明の第3実施形態に係る貯留分離タンクについて、
図3を参照して説明する。図3は、本発明の第3実施形
態に係る貯留分離タンクの断面を示す概略構成図であ
る。尚、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照
符号を付してその詳細な説明を省略し、貯留分離タンク
以外の詳細は後述する。
【0048】貯留分離タンク1は、図3に示すように、
法線方向が貯留分離タンク1の上部若しくは下部の壁面
に対して平行である平面と略平行となるように、少なく
ともナフタレンの透過性を抑制する、又は非透過性の移
動可能な分離膜3を備えている。分離膜3により区画さ
れた一方の貯留室(図面の分離膜3の左室)には、デカ
リン2を貯留でき、他方の貯留室(図面の分離膜3の右
室)にはナフタレンを貯留できるように構成されてい
る。分離膜3は、その膜面の法線方向と略平行(図面の
左右方向)に移動させることができる。導入管4には、
生成された水素ガスとナフタレンとを分離するための分
離タンク7dを設けることができる。ここでの分離膜
は、完全にナフタレン非透過性にする必要はないが、ナ
フタレンを透過しないものが望ましい。
【0049】貯留分離タンク1では、初め左室にデカリ
ン2が最大限貯留され、その後反応タンク5において使
用され、かつ右室に反応タンク5で生成したナフタレン
が供給されるにしたがって、右室の容積が拡大するよう
に分離膜3が移動するようになっている。
【0050】本発明においては、デカリン(炭化水素系
燃料)/ナフタレン(脱水素生成物)の反応系を利用す
るものであり、デカリンは沸点が高く常温での取扱いが
容易であり、脱水素されたナフタレンは、デカリン、テ
トラリンを含む炭化水素系液相物質に対して揺動性(チ
キソトロピー)を示し、デカリンに溶解性でかつ凝析、
晶析し易く、同時に生成される水素ガスと共にデカリン
中に導入することでナフタレンと水素ガスとを容易に分
離することができる。
【0051】[水素ガス生成装置]次に、上記の貯留分
離タンクを備えた本発明の水素ガス生成装置について詳
細に説明し、該説明を通じて本発明の貯留分離タンクに
ついても更に詳述する。 −第1実施形態− 本発明の第1実施形態に係る水素ガス生成装置について
図4を参照して説明する。図4は、本発明の第1実施形
態に係る水素ガス生成装置を示す概略構成図である。
【0052】貯留分離タンク11は、内部に密閉してデ
カリン12を貯留可能に構成され、貯留分離タンク11
の上部壁面には、デカリン12を供給するためのバルブ
V3を備えた燃料供給口18と、バルブV5を備えた配
管23とが設けられている。デカリン12は、貯留分離
タンク11の上方に空隙を有する範囲で、バルブV3を
介して燃料供給口18から供給できるようになってお
り、配管23は、燃料電池等の水素使用装置24と水素
ガスを供給できるように連通されている。また、貯留分
離タンク11の底部には、貯留されたナフタレンを排出
するためのバルブV4を備えた排出管19が設けられて
いる。
【0053】貯留分離タンク11の側壁面には、デカリ
ン12中に一端が位置するように導入管14が設けら
れ、反応タンク15と連通している。液中となる配管1
4の一端からは、反応タンク15で生成された水素ガス
27及びナフタレン12’の混合ガス(水素リッチガ
ス;蒸発して残存する残存デカリンを含んでもよい)を
液中において供給可能なようになっている。
【0054】分離膜13は、貯留分離タンク11の内部
にデカリン12の液面と略水平に備えられ、浮上する水
素ガス27を透過し、ナフタレン12’を分離膜13の
下方に貯留するようになっている。分離膜13は、その
膜面の法線方向と略平行に移動可能に構成することがで
きる。
【0055】分離膜13の膜面近傍には、ナフタレン含
有比の低いデカリン12を、デカリンの脱水素反応を担
う外部に設置された反応タンク15へ供給するための供
給配管16の一端が取り付けられている。この一端は、
分離膜13の膜面近傍から上方に位置することにより、
ナフタレン含量比の低いデカリンを供給することができ
る。供給配管16はポンプP1を備え、供給配管16を
介して貯留分離タンク11と反応タンク15は連通して
いる。
【0056】反応タンク15は、貯留分離タンク11に
連通する供給配管16の他端で接続されたデカリン供給
用の供給装置22と、触媒20及び触媒20を加熱する
ヒータ21で構成され、かつ触媒20の表面で発熱及び
吸熱を同時に起こさせる触媒反応器とを備えて構成され
ている。供給配管16には、供給配管16の配管全体及
び供給装置22を加熱するためのヒータ66が設けられ
ており、反応タンク15内でのデカリンの脱水素反応性
を高めることができる。また、導入管14の他端は、反
応タンク15の壁面に配置され、生成された水素リッチ
ガスを貯留分離タンク11に供給できるようになってい
る。
【0057】ヒータ21は、図5に示すように、オンオ
フ制御されるスイッチング素子64を介して車載の燃料
電池(FC)24に接続され、ヒータ66も、スイッチ
ング素子67を介して同一の燃料電池(FC)24に接
続されている。また、触媒20の近傍には、触媒表面の
温度Tcを検出する第1の温度センサ17が取り付けら
れている。
【0058】本実施形態では、更に、ナフタレンを水素
化してデカリンまたはテトラリンを再生する再生タンク
50が設けられている。即ち、本発明の貯留分離タンク
と接続して電気自動車等に搭載することができる。再生
タンク50は、バルブV6及びポンプP3を備えた供給
配管26を介して貯留分離タンク11の底面側で、また
バルブV7及びポンプP4を備えた供給配管46を介し
て貯留分離タンク11の上面側で、それぞれ連通されて
いる。
【0059】再生タンク50の底面側には、触媒59と
触媒を加熱する第2のヒータ60とで構成され、かつ発
熱及び吸熱を起こさせる触媒反応器が設けられている。
触媒59の水素化側は、多孔性炭素担体に触媒金属微粒
子を担持して構成されている。触媒としては、上記で説
明した炭素担持Pt触媒、炭素担持Pt−Ir複合金属
触媒、炭素担持Pt−Re複合金属触媒、炭素担持Pt
−W複合金属触媒、又はニッケル系金属を使用した触媒
等を使用することができる。
【0060】第2のヒータ60は、図5に示すように、
オンオフ制御されるスイッチング素子65を介して車載
の燃料電池(FC)24に接続されている。また、この
触媒59の近傍には、触媒表面の温度Tcを検出する第
2の温度センサ61が取り付けられている。
【0061】また、再生タンク50には、ガソリンスタ
ンド等の車両外部に設けられた水素ボンベや水の電気分
解装置等の設備から水素ガスを供給するための水素ガス
供給管58が取り付けられている。水の電気分解により
生成した水素ガスなどを供給するようにすれば、クリー
ンなシステムを構築することができる。この再生タンク
50は、ナフタレンと水素ガスとを加熱触媒を用いて水
素化反応させてデカリンまたはテトラリン(テトラヒド
ロナフタレン)を生成させるものであり、生成されたデ
カリン及びテトラリンは、バルブV7及び供給ポンプP
4を備えた供給配管46を介して貯留分離タンク11に
供給される。
【0062】上記の供給装置22、ポンプP1、P3、
P4(及び場合により導入管14に設けられたポンプP
2;図9参照)、バルブV5〜V7、水素圧センサ2
8、29、及び温度センサ17、61の各々は、図5に
示すように、マイクロコンピュータ等で構成された制御
装置62に接続されている。
【0063】貯留分離タンク11にバルブV3を介して
デカリン12が供給されると、デカリン12は、供給配
管16を通じて反応タンク15の供給装置22に送ら
れ、ヒータ21により加熱された触媒20の表面に液膜
状態となるように供給される。以下、本実施形態の制御
装置による制御ルーチンについて、図6を用いて説明す
る。図6は、イグニッション(IG)スイッチオンで実
行されるメインルーチンを示す図である。
【0064】まず、ステップ100において触媒20の
温度T1cを取り込み、ステップ102において触媒温度
1cが予め定められた所定温度T0以下か否かを判断
し、触媒温度T1cが所定温度T0以下の場合には、ステ
ップ104においてヒータ21をオンし、触媒温度T1c
が所定温度T0を超えている場合にはステップ106に
おいてヒータ21をオフする。これにより、触媒20の
表面温度が所定温度になるように制御される。この所定
温度は、200〜500℃、好ましくは200〜350
℃の間の温度、更に好ましくは280℃にすることがで
きる。この理由は、所定温度を200℃未満にすると目
的とする脱水素反応が高い反応速度、換言すれば十分な
燃料電池出力で得られず、350℃を越えるとカーボン
デポジットが生じる可能性を持ち、500℃を越えると
実用的でないからである。
【0065】次のステップ108では、予め定めた所定
量(触媒表面上で液膜が得られる直前の量)から徐々に
供給量を増加させながらデカリンを供給し、次のステッ
プ110において水素圧センサ28及び29で検出され
た水素圧の平均値に基づいて、水素圧が増加しているか
否か、即ち水素ガス発生量が増加しているか否かを判断
する。水素圧が増加している場合にはステップ108に
戻って、デカリン供給量を徐々に増加することを繰り返
す。これにより、乾燥した触媒上にデカリンが徐々に供
給され、触媒表面が徐々に湿潤して行き、デカリンが液
膜状態で供給されるので、水素発生量が最大値に近づ
く。
【0066】一方、ステップ110において水素圧が低
下していると判断されたときは、デカリン供給量が液膜
状態より過剰に供給された場合であるので、ステップ1
12においてデカリン供給量を徐々に減少させながら供
給する。ステップ114では、水素圧が低下したか否か
を判断し、水素圧が上昇する場合にはステップ112に
戻ってデカリン供給量を徐々に減少することを繰り返
し、水素圧が低下する場合には、ステップ108に戻っ
てデカリン供給量を徐々に増加して供給することを繰り
返す。以上により、デカリンが触媒表面上で常に液膜状
態で保持され、水素圧、即ち水素ガス発生量が最大にな
るようにデカリンが供給される。
【0067】このようにして生成されたナフタレンを含
む水素リッチガスは、(図9のように導入管14にポン
プP2が設けられているときはポンプP2により)導入
管14を通って貯留分離タンク11のデカリン12中に
供給される。貯留分離タンク11では、水素ガス27は
デカリン12中を浮上する一方、水素ガス27と共存し
ていた残存デカリン及びナフタレンはデカリン中へ供給
される過程で冷却されて、残存デカリンは凝縮され、ナ
フタレンは凝析され、分離膜13により水素ガスはナフ
タレン及び残存デカリンと分離される。タンク上部の空
隙において、水素ガス27は高純度に分離されて存在
し、バルブV5を介して配管23を通って水素使用装置
(燃料電池)24に供給される。燃料電池で発生した電
力は、電気自動車に搭載されているモータに供給されて
モータが駆動されると共に、車載バッテリBに供給され
て蓄電され、また車載電装品等の負荷に供給される。
【0068】尚、貯留分離タンク11内の水素ガスを加
圧または高圧状態にしたり、貯留分離タンク11と繋が
る配管23方向の圧力を低圧(例えば負圧)にすること
で水素排出効率を向上させることができる。本実施形態
は、反応タンク15における触媒の加熱をヒータにより
行うものであるが、水素使用装置(燃料電池)24から
発生する排熱を利用して触媒を加熱する態様であっても
よく、この場合、余剰水素ガスやメチルシクロヘキサ
ン、貯留分離タンク11内で発生した低沸点炭化水素不
純物蒸気等を燃焼させて触媒を加熱してもよい。
【0069】また、デカリンとテトラリンとの混合燃料
を用いることにより、デカリンの脱水素反応の前にテト
ラリンが脱水素反応するので、速やかに水素ガスを発生
させることができる。更に、貯留分離タンク内あるいは
貯留分離タンクとは別のタンク内に、デカリンと分離し
てテトラリンを貯留し、このテトラリンを加熱された触
媒上でデカリンの脱水素反応前に脱水素反応させること
により、燃料の脱水素反応前に燃料の脱水素反応より速
やかに多量の水素ガスを発生させることができる。この
ため、燃料電池を搭載した車両に本発明の水素ガス発生
装置を搭載し、始動時にテトラリンを脱水素反応させる
ことにより始動性を高めることができると共に、加速時
にテトラリンを脱水素反応させることで加速応答性をも
高めることができる。
【0070】また、本発明における再生には、例えば、
ナフタレンまたはベンゼンからそれぞれデカリンまたは
シクロヘキサンを再生することのほか、二環式若しくは
三環式の化合物の場合には、水素化が未完の化合物を再
生することも含む。即ち、例えばナフタレンを再生する
場合、デカリンを再生することのほか、テトラリンを再
生すること、デカリンと共にテトラリンを再生すること
をも含む。尚、生成ナフタレンからのデカリンの再生は
航空燃料として公知の安定した技術を使用することがで
きる。これにより、安全で環境に優しく、高純度の水素
ガスを発生することができる。
【0071】一方、車両を停止させてIGスイッチをオ
フした場合には、図7の割り込みルーチンが起動され、
ステップ130においてポンプP1を停止して供給装置
22を停止させてデカリン供給を停止すると共に、第1
のヒータ21をオフすることにより、水素ガスの生成を
停止させる。尚、デカリン供給を停止した後も少量の水
素ガスが発生するので、発生した水素ガスは、図9に示
すように予備水素貯蔵タンク39を設けて貯蔵するよう
にすればよい。
【0072】次のステップ134において第2の触媒の
触媒温度T2cを取り込み、ステップ136において触媒
温度T2cが予め定められた所定温度T2o以下か否かを判
断し、触媒温度T2cが所定温度T2o以下の場合には、ス
テップ138において第2のヒータ60をオンし、触媒
温度が所定温度を超えている場合にはステップ140に
おいて第2のヒータ60をオフする。これにより、触媒
温度が所定温度になるように制御される。この所定温度
は、150〜200℃の間の温度、好ましくは150℃
近傍の温度を採用することができる。
【0073】次のステップ142では、バルブV6を開
いてポンプP3を駆動し、供給配管26を介してナフタ
レンと未反応デカリンとの混合液を再生タンク50に供
給する。また、これと同時に、ガソリンスタンドに設け
られている水素ボンベまたは水の電気分解装置から得ら
れる水素ガスを再生タンクに供給し、所定温度に制御さ
れた触媒59上でナフタレン水素化反応を行ってデカリ
ンを再生し、バルブV7を開いてポンプP4を駆動し、
供給配管46を挿通して再生デカリンを貯留分離タンク
11に回収する。このとき、再生タンク50内の水素ガ
スは、加圧または高圧にするのが好ましい。
【0074】尚、簡易かつ速やかにナフタレンの水素化
を行う場合には、水素ガスを加圧せずに、触媒温度を上
記より低温にしてテトラリンを生成させ、それを貯留タ
ンクに供給するようにしてもよい。
【0075】上記では、再生タンク50を車両に搭載す
る例について説明したが、再生タンクをガソリンスタン
ド等に設置し、ガソリンスタンド等で水を電気分解して
得られる水素を供給してデカリンを再生してもよい。
【0076】−第2実施形態− 本発明の第2実施形態に係る水素ガス生成装置について
図8を参照して説明する。図8は、本発明の第2実施形
態に係る水素ガス生成装置を示す概略構成図であり、
(a)は液面又は膜面を検出する検出器を備えた水素ガス
生成装置を、(b)は濃度を検出する検出器を備えた水素
ガス生成装置を示す概略構成図である。尚、第1又は第
2実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0077】図8−(a)に示すように、貯留分離タンク
11は、デカリン12の液面を検出するためのフロート
30a及び分離膜13の膜面位置を検出するためのフロ
ート30bが検出部30cに設けられた検出器30と、
検出器で検出された検出量が所定値を超えたときに報知
する報知手段32とを備えて構成されている。フロート
30aは、デカリン12の液面にしたがって上下に移動
可能に設けられ、フロート30bは、分離膜13と共に
上下に移動可能に設けられている。
【0078】図14に示すように、フロート30a、3
0bの位置に応じて、デカリンの液面レベルWLと分離
膜の膜面レベルFLとが検出されると、ステップ70に
おいてフロート30aから液面レベルWLの検出値を、
フロート30bから膜面レベルFLの検出値を取込み、
ステップ71において液面レベルWLと膜面レベルFL
の差(WL−FL)が所定値Q未満であるか否かを判断
し、所定値Q未満であるときは、ステップ72において
報知手段32により交換時期信号を出力して交換時期で
あることを知らせ、WL−FLの値が所定値Qを超えてい
るときはそのまま終了する。交換時期である場合には、
ガソリンスタンド等において、バルブV3を開弁して燃
料供給口18からデカリン12を補充すると、貯留され
たナフタレンは、補充されたデカリンにより開弁された
バルブV4を介して排出口19から押出されて排出され
る。
【0079】一方、図8−(b)では、貯留分離タンク1
1は、ナフタレン濃度を検出可能な検出器(濃度検出
器)31a〜31cと、検出器で検出された検出量が所
定値を超えたときに報知する報知手段32とを備えて構
成されている。デカリン12が貯留された貯留分離タン
ク11に反応タンク15で生成したナフタレンが徐々に
供給されると、まず検出器31cにおいてナフタレンが
検出される。更にナフタレンが供給され、ナフタレンが
検出器31bにおいて検出された場合には、交換時期で
あることを表示する報知装置32により交換時期信号が
出力される。
【0080】本実施形態では、反応タンク15は、デカ
リン供給用の供給装置22と、触媒20及び触媒20を
加熱するための燃焼室33とで構成され、かつ触媒20
の表面で発熱及び吸熱を同時に起こさせる触媒反応器と
を備えて構成されている。燃焼室33は、貯留分離タン
ク11からデカリン12(ナフタレン12’を含んでい
てもよい)を供給するための供給装置35と、空気供給
用の供給装置36とが備えられ、供給配管34を介して
貯留分離タンク11と連通している。また、燃焼後に生
じた燃焼廃棄物(ガス)を排出可能なようになってい
る。
【0081】この場合、触媒反応器を構成する触媒20
は、高伝熱性基板(不図示)の一方の側に水素生成のた
めの脱水素反応を行う脱水素用触媒を、他方の側に燃料
を酸化して燃焼反応を行う遷移金属酸化物触媒を担持し
て構成され、反応タンク15の供給装置22から炭化水
素系燃料が供給される側に前記脱水素用触媒が、該側と
逆側の燃焼室33側に前記遷移金属酸化物触媒が位置す
るように配置されている。供給装置35からデカリンを
供給し、デカリンを遷移金属酸化物触媒により完全酸化
させることにより、前記脱水素用触媒の加熱に必要な脱
水素吸熱反応熱を供給することができる。ヒータ等を用
いた場合に比して、更に省電力に構成することが可能と
なる。
【0082】−第3実施形態− 本発明の第3実施形態に係る水素ガス生成装置について
図9を参照して説明する。図9は、本発明の第3実施形
態に係る水素ガス生成装置を示す概略構成図である。
尚、第1及び第2実施形態と同様の構成要素には同一の
参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0083】貯留分離タンク11と反応タンク15とを
連通する導入管14には、反応タンク15からの水素リ
ッチガスの挿通を良好に行うための加圧器又はポンプ3
7(P2)を備えて構成されている。前記加圧器は、貯
留分離タンク11の内圧を負圧にし得るものであれば制
限なく適用することができる。また、ポンプP2を取付
けて強制的に挿通させてもよい。本発明の水素ガス生成
装置においては、生成した水素リッチガスは貯留分離タ
ンク11のデカリン12中に導入されるため、反応タン
ク15の内圧によるのみでは導入管14中を挿通しにく
いが、加圧器又はポンプ37(P2)を取付けることに
より解消することができる。また、水素リッチガスの貯
留分離タンク11への供給を抵抗なく行うには、貯留分
離タンク11側が負圧にあることが望ましいため、貯留
分離タンク11に図示しない負圧器を備えることもでき
る。
【0084】貯留分離タンク11の底部には、攪拌ファ
ン38を備えて構成されている。攪拌ファン38は、回
転可能に設けられ、特に分離膜13の下方において局部
的に沈降したナフタレンを均一にすることができる。ま
た、液中の導入管14からは水素ガスと共にナフタレン
が供給され、ナフタレンは液中へ導入する等の過程で冷
却、凝析し沈降、貯留されていくが、ナフタレンはチク
ソトロピー性を持つため外力の付与により流動性が得ら
れ、排出口19からの排出性を良好に維持することがで
きる。
【0085】貯留分離タンク11の壁面には、更に余剰
の水素ガスを蓄えるための予備水素貯蔵タンク39が設
けられている。水素使用装置24に必要量を超えて水素
ガスが供給された場合や、例えば車両搭載時に車両を停
止させ、イグニッションスイッチをオフしてデカリンの
供給を停止した後にも少量の水素ガスが発生し得る場合
など、余剰となる水素ガスを蓄えておくことができる。
また、水素使用装置24自体に、余剰の電力を貯蔵する
ためのバッテリ40を電気的に接続して設けておくこと
もできる。
【0086】−第4実施形態− 本発明の第4実施形態に係る水素ガス生成装置について
図10を参照して説明する。図10は、本発明の第4実
施形態に係る水素ガス生成装置を示す概略構成図であ
る。尚、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照
符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0087】本実施形態は、第1実施形態の反応タンク
と再生タンクとを一体にした1つの反応再生兼用タンク
を用いてデカリン脱水素反応とナフタレン水素化反応と
を切り換えて行なうようにしたものであり、燃料は第1
実施形態で使用した燃料を用いることができる。
【0088】図10に示すように、図4の反応タンク1
5及び再生タンク50に代えて、反応再生兼用タンク4
7が設けられている。反応再生兼用タンク47には、デ
カリン脱水素反応時及びナフタレン水素化反応時に使用
されるヒータ21及び上記で説明した貴金属系の触媒2
0からなる触媒反応器が設けられている。
【0089】また、貯留分離タンク11と水素使用装置
(燃料電池)24とを繋ぐ配管23と、反応再生兼用タ
ンク47とを連通し、バルブV8、V9を備えた配管2
3を介して、貯留分離タンク11から排出された余剰水
素ガスを貯蔵する予備水素貯蔵タンク39が設けられて
いる。
【0090】本実施形態では、IGスイッチがオンされ
ると、図5で説明したようにヒータ21により触媒20
が200〜350℃に加熱され、デカリンが液膜状態で
供給されて水素ガスが生成される。生成された水素ガス
は貯留分離タンク11で高純度水素ガス(水素リッチガ
ス)として排出され、燃料電池24に供給されると共
に、バルブV8を開くことにより余剰水素ガスが予備予
備水素貯蔵タンク39に貯蔵される。
【0091】IGスイッチがオフされると燃料電池によ
る発電が停止されるので、上記で説明したように、反応
再生兼用タンク47へのデカリン供給が停止されると共
に、触媒の温度が150〜200℃、好ましくは150
℃近傍の温度に制御される。また、貯留分離タンク11
に貯留されているナフタレン12’と予備水素貯蔵タン
ク39に貯蔵されている水素ガスとが、反応再生兼用タ
ンク47へ供給され、加圧又は高圧水素ガス下でナフタ
レンの水素化反応によりデカリン(テトラリンを含んで
いてもよい)が再生され、再生されたデカリンは配管1
4を介して貯留分離タンク11に供給される。
【0092】IGスイッチオフ直後では、触媒の温度が
高温になっているので、触媒の余熱を利用してテトラリ
ンを生成し、生成したテトラリンを貯留分離タンクに戻
すようにしてもよい。この場合には、テトラリンが混入
されかつデカリンを主成分とする原燃料が反応再生兼用
タンク47の触媒に液膜状態で供給される。反応再生兼
用タンク47でテトラリンを再生する際には、脱水素反
応終了後の触媒の余熱を利用することができるので、再
生する際に更にエネルギーを加えることなくテトラリン
を生成することができる。
【0093】本実施の形態によれば、反応タンク及び再
生タンクを1つの反応再生兼用タンクで構成したので、
装置をより小型化することができる。また、1つの触媒
によりデカリン脱水素化及びナフタレン水素化を行い、
イグニッションオフ直後のデカリン脱水素化による余熱
をナフタレン水素化に利用しているので、エネルギー消
費量を少なくすることができる。
【0094】本実施形態の貯留分離タンク11は、更に
冷暖手段41を備えて構成されている。冷暖手段は、炭
化水素系燃料中の温度を上昇/降下させ得るものであれ
ばよく、例えばヒータと冷却器を組合わせて構成しても
よい。これにより、貯留分離タンク11内において、通
常時は冷やすことによりその領域ではナフタレン濃度は
高くなり、その上方の領域では高純度のデカリンとする
ことができる。また逆に、ナフタレン12’を排出口1
9から排出する場合には、昇温することによりナフタレ
ンをデカリン12中に溶解させやすくすることができ、
排出、回収を容易に行うことができる。
【0095】−第5実施形態− 本発明の第5実施形態に係る水素ガス生成装置について
図11を参照して説明する。図11は、本発明の第5実
施形態に係る水素ガス生成装置を示す概略構成図であ
る。尚、第1及び第2実施形態と同様の構成要素には同
一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0096】貯留分離タンク11と反応タンク15との
間には、反応タンク15からの水素リッチガスを貯留分
離タンク11へ導入する前に予め冷却、溶解するための
循環器42を備えて構成されている。循環器42では、
装置起動中は貯留分離タンク11との間で常時炭化水素
系燃料12は循環されている。反応タンク15で発生し
た水素リッチガスは、配管43を介して循環器42に導
入されると、冷却されながら循環器42に貯留分離タン
ク11から供給、循環されているデカリン12''に溶解
されて貯留分離タンク11へ供給される。一方、水素ガ
スは、上部壁面に接続され貯留分離タンク11と連通す
る配管44を通って貯留分離タンク11に供給される。
貯留分離タンク11の前に循環器42を設けることは、
均一にナフタレンをデカリンに溶解、析出させ回収し、
効率よく水素を分離させるうえで有用である。
【0097】−第6実施形態− 本発明の第6実施形態に係る水素ガス生成装置について
図12を参照して説明する。図12は、本発明の第6実
施形態に係る水素ガス生成装置を示す概略構成図であ
る。尚、第1及び第2実施形態と同様の構成要素には同
一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0098】貯留分離タンク11aは、水素使用装置
(燃料電池)24と連通する配管23、及び反応タンク
15と連通する導入管14にそれぞれ連結器(ジョイン
ト)45a、45bを備えて、連結器45a、45bに
おいて着脱可能に構成されている。本実施形態では、必
ずしも既述の第1実施形態等のように燃料供給口18、
排出口19を備えている必要はない。
【0099】例えば、簡易にはめ込み、取り外しができ
る交換タンク(カートリッジタンク)の形態で構成する
ことができる。本実施形態のように貯留分離タンク11
aを着脱可能に構成することにより、炭化水素系燃料か
ら水素ガスを所定量生成した後、貯留分離タンク11a
自体を交換あるいは一旦取外してナフタレンを再生する
ことにより、貯留分離タンク11a内に貯留された生成
ナフタレンを回収、除去でき、例えば、車載するなど特
定の場所に定置しない場合でも簡易かつ継続的に水素を
供給することが可能となる。
【0100】また、上記のように貯留分離タンク11a
を着脱可能に構成せず、あるいは着脱可能に構成すると
共に、貯留分離タンク11aのナフタレンが高濃度に貯
留された分離膜13の下方の部分のみを着脱可能に構成
してもよい。この場合、ナフタレンが貯留された部分
は、貯留分離タンクに収納可能なカートリッジ式に構成
することもでき、また、この部分が貯留分離タンクの一
部を構成するように設けることもできる。
【0101】図12に示すように、分離膜13の下部1
1bをはめ込み、取り外しが可能な態様、例えば交換タ
ンク(カートリッジタンク)として構成することができ
る。この場合、ナフタレンを高濃度に含む部分(交換タ
ンク)を、デカリンで満たされたもの(交換タンク)に
取り替えることにより燃料電池等への水素ガスの供給を
継続して行うことができる。
【0102】−第7実施形態− 本発明の第7実施形態に係る水素ガス生成装置について
図13を参照して説明する。図13は、本発明の第7実
施形態に係る水素ガス生成装置を示す概略構成図であ
る。尚、第1〜第6実施形態と同様の構成要素には同一
の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0103】貯留分離タンク51は、図13に示すよう
に、法線方向が貯留分離タンク1の上部若しくは下部の
壁面に対して平行である平面と略平行となるように、ナ
フタレン非透過性の移動可能な分離膜53を備えて構成
され、分離膜53により内部が二つに区画されている。
区画された一方の貯留室(図面の分離膜53の左室)に
は、デカリン52を供給するためのバルブV3を備えた
燃料供給口18が設けられ、密閉してデカリン52を貯
留可能に構成されている。分離膜3は、その膜面の法線
方向と略平行(図面の左右方向)に移動可能に構成され
ている。
【0104】また、貯留分離タンク51の左室の壁面に
は、水素生成(脱水素反応)に用いるデカリン52(DE
1)を反応タンク15へ供給するための供給配管16
と、触媒加熱(燃焼)用のデカリン52(DE2)を燃焼
室33に供給するための供給配管34と、反応タンク1
5で生成した水素リッチガス中のナフタレン等の有機物
を分離するためのデカリン52(DE3)を分離タンク5
6に供給する供給配管54とが設けられている。分離タ
ンク56は、外部から空冷、水冷等により冷却可能に構
成されると共に、貯留分離タンク51の左室に連通する
供給配管54の他端で接続された供給装置55を備え、
反応タンク15から導入管14を通じて供給される水素
リッチガスにデカリン52を噴霧等して供給できるよう
になっている。このとき、供給配管16、供給配管34
及び供給配管54に供給される量の割合(%;DE1量/D
E2量/DE3量)は、例えば80/10/10とすればよ
い。
【0105】分離タンク56は、その底部において配管
57で貯留分離タンク51の区画された他方の貯留室
(図面の分離膜53の右室)と連通しており、右室には
ナフタレン・デカリン混合液52’が貯留される。一
方、燃料電池等の水素使用装置24に水素ガスを供給で
きるように連通して配管23が設けられている。更に、
貯留分離タンク51の右室には、貯留されたナフタレン
・デカリン混合液52’を排出するためのバルブV4を
備えた排出管19が設けられている。
【0106】貯留分離タンク51からデカリン52が供
給配管16を挿通して反応タンク15に供給されると、
反応タンク15で発生した生成ナフタレン含有の水素リ
ッチガス(蒸発した残存デカリンを含んでもよい。)は
分離タンク56に供給される。このとき、反応タンク1
5を構成する触媒反応器の触媒20は、供給配管34か
らのデカリンの燃焼(酸化)熱により加熱されている。
分離タンク56に供給された水素リッチガスは、供給装
置55から吐出されるデカリン52と接触し、冷却され
ると共にガス中のナフタレン及び残存デカリンは供給さ
れたデカリン52に溶解され、水素ガスと分離される。
分離された高純度の水素ガスは、配管23を通じて燃料
電池等の水素使用装置24に水素ガスを供給される。溶
解されたナフタレンはナフタレン・デカリン混合液とし
て貯留分離タンク51の右室で貯留される。
【0107】分離膜53は、ナフタレン・デカリン混合
液の量が増えるにしたがって右室の容積が拡大する方向
(図中の左方)に移動する。そして、所定の量に達する
と、バルブV4を開閉して排出口19からナフタレン・
デカリン混合液が排出、回収され、これに伴い分離膜5
3は左室の容積が拡大する方向(図中の右方)に移動
し、燃料供給口18からデカリンが供給される。このサ
イクルを繰り返すことにより、高純度の水素ガスを継続
的に水素使用装置24に供給することができる。
【0108】また、水素ガス生成量を所定値通りに制御
する点で、脱水素反応により生じた水素ガス量を検出す
る水素ガス量検出器と、水素ガス量検出器で検出された
水素ガス量が所定値以上となるように触媒上の炭化水素
系燃料の量を制御する制御手段とを設けることもでき
る。
【0109】また更に、分離タンクから排出された余剰
水素ガスを貯蔵する水素ガス貯蔵タンクを設けることも
できる。この水素ガス貯蔵タンクに貯蔵された水素ガス
は、燃料電池等の水素使用装置に供給したり、既述の再
生タンク(再生装置)においてナフタレンの水素化反応
に利用することができる。
【0110】次に、触媒反応器等の他の例について説明
する。以下で説明する例は、上記の各実施形態に適用す
ることができる。
【0111】図15の触媒反応器は、ヒータによる加
熱、燃料電池の余熱、または余剰水素ガスの燃焼等によ
って加熱される熱伝導体80を挟むように触媒82を配
置したものである。デカリンは、供給装置22の噴射装
置から各々の触媒82に液膜状態で供給される。
【0112】図16−(A)は、波状の触媒反応器を用い
たものである。図16−(B)に示すように、供給装置
は、多数の噴出孔が穿設された噴出部84が櫛歯状に配
列された一対の供給装置86を、一方の供給装置の噴出
部間に他方の供給装置の噴出部が位置するように配置し
て構成されている。図15と同様にして熱伝導体80を
挟むように触媒82を配置して構成した触媒反応器は、
各供給装置の噴出部間に位置するように波状に屈曲して
配置されている前記各触媒反応器によれば、熱伝導体の
両側に触媒を配置しているので、デカリン脱水素化にお
ける熱効率を向上させることができる。
【0113】図17は、燃料電池等の水素利用装置の排
熱を利用して触媒を加熱する構成を示すものである。触
媒は、6つの板状触媒20A〜20Dを反応面が外側を
向きかつ加熱面が対向すると共に、内部に空洞が生じる
ように、矩形状に組合わせて構成されている。触媒の反
応面側には、供給装置86からデカリンが液膜状態で供
給され、内部には水素利用装置の排熱が伝導されて加熱
される。尚、この排熱は、既述の第4実施形態における
冷暖手段41にも利用することができる。
【0114】図18は、触媒反応器の他の例を示すもの
であり、触媒92は円盤状に形成され、デカリンは供給
装置86から触媒表面の一部分に供給される。触媒を回
転した状態で供給されると、触媒上の燃料供給部が徐々
に移動するので、燃料が過剰に供給された場合において
も触媒が一回転する間に触媒上のデカリン供給部分で液
膜状態を生成することができ、これにより高水素ガス転
換率で常時水素ガスを発生することができる。
【0115】図19は、図16−(A)と略同様の構成で
あり、多数の噴出孔を左右に備えた噴出部84を櫛歯状
に配列した供給装置86を用い、噴出部84間に熱伝導
体80及び触媒82からなる触媒反応器を配列したもの
である。
【0116】図20は、貯留分離タンク11内に水素ガ
ス分離膜で構成されたピストン41を摺動可能配置した
ものである。ピストン41は、バネ等の付勢手段によっ
て常時貯留分離タンク11の容積が減少する方向に付勢
されており、貯留分離タンク11上部において水素リッ
チガスが蓄えられてくると、付勢手段の付勢力に抗して
移動されるため、前記水素リッチガスを加圧または高圧
状態とすることができるので、水素ガス分離性能を向上
し、より高純度水素を水素利用装置に供給することがで
きる。尚、本実施の形態ではピストンを用いて水素ガス
を高圧状態にしたが、ピストンに代えて水素加圧器を用
いることにより水素ガスを高圧状態にすることもでき
る。また、図20において、水素ガス分離膜の水素ガス
出側を負圧にすることで水素ガス分離性能を向上するこ
ともできる。
【0117】上記の実施形態では、デカリンを燃料とし
た例を中心に説明したが、既述のデカリン以外の既述の
炭化水素系燃料を用いた場合においても同様である。ま
た、水素利用装置についても、特に車載用の燃料電池を
例に説明したが、本発明は車載燃料電池以外の水素利用
装置に広く適用することができる。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、炭化水素系燃料とその
脱水素生成物とを共に貯留でき、かつ供給された水素ガ
スを分離排出可能な貯留分離タンクを提供することがで
きる。また、炭化水素系燃料(特にデカリン含有燃料)
の脱水素反応を利用して水素使用装置に高純度の水素ガ
スを供給し、水素使用装置の効率を向上することがで
き、しかも軽量で小型の水素ガス生成装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る貯留分離タンク
の断面を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係る貯留分離タンク
の断面を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の第3実施形態に係る貯留分離タンク
の断面を示す概略構成図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係る水素ガス生成装
置を示す概略構成図である。
【図5】 本発明の水素ガス生成装置に係る制御装置を
示すブロック図である。
【図6】 本発明に係る第1実施形態のメインルーチン
を示すブロック図である。
【図7】 本発明の第1実施形態をイグニッションスイ
ッチオフで割り込まれる割り込みルーチンを示す流れ図
である。
【図8】 (a)は液面又は膜面を検出する検出器を備え
た本発明の第2実施形態に係る水素ガス生成装置を示す
概略構成図であり、(b)は濃度を検出する検出器を備え
た本発明の第2実施形態に係る水素ガス生成装置を示す
概略構成図である。
【図9】 本発明の第3実施形態に係る水素ガス生成装
置を示す概略構成図である。
【図10】 本発明の第4実施形態に係る水素ガス生成
装置を示す概略構成図である。
【図11】 本発明の第5実施形態に係る水素ガス生成
装置を示す概略構成図である。
【図12】 本発明の第6実施形態に係る水素ガス生成
装置を示す概略構成図である。
【図13】 本発明の第7実施形態に係る水素ガス生成
装置を示す概略構成図である。
【図14】 本発明に係る第1実施形態の所定時間毎に
実施される割込ルーチンを示す流れ図である。
【図15】 本発明に係る触媒反応器の他の例を示す概
略図である。
【図16】 (A)は、本発明の触媒反応器の更に他の例
を示す概略図であり、(B)は、(A)のB部の拡大図であ
る。
【図17】 排熱を利用した触媒反応器を示す概略図で
ある。
【図18】 回転円盤状の触媒を利用した反応器を示す
概略図である。
【図19】 (A)は、本発明に係る触媒反応器の更に他
の例を示す概略図であり、(B)は、(A)のB部の拡大図
である。
【図20】 内部を加圧又は高圧にする貯留分離タンク
を示す概略図である。
【符号の説明】
1,11・・・貯留分離タンク 2,12・・・炭化水素系燃料 3,13・・・分離膜 5,15・・・反応タンク 7a,7b,45a,45b・・・連結器(ジョイント) 10・・・排出口 20・・・触媒 27・・・水素ガス 30・・・検出器 32・・・制御装置 33・・・燃焼室 41・・・冷暖手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 寛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA41 HA93 JA02Z JA55Z JA56Z JA63Z KA01 KB30 MA03 MB04 MB06 MC02 MC02X MC65 MC68 PA01 PB18 PB66 PC80 4G140 DA03 DB05 DC01 DC03 DC07 5H027 AA02 BA13

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系燃料を貯留し、かつ貯留され
    た炭化水素系燃料中に、前記炭化水素系燃料の脱水素反
    応により生じた水素ガス及び脱水素生成物が供給される
    と共に、前記水素ガスを排出する排出口を備えた貯留分
    離タンク。
  2. 【請求項2】 脱水素生成物の拡散を抑え、かつ水素ガ
    スを透過する分離膜を内部に備えた請求項1に記載の貯
    留分離タンク。
  3. 【請求項3】 前記分離膜が内部に略水平に設けられ、
    前記分離膜で区画された該分離膜の下方に脱水素生成物
    を貯留するようにした請求項2に記載の貯留分離タン
    ク。
  4. 【請求項4】 貯留分離タンクの脱水素生成物を貯留し
    た部分を着脱可能とした請求項3に記載の貯留分離タン
    ク。
  5. 【請求項5】 分離膜が移動可能に設けられている請求
    項2又は3に記載の貯留分離タンク。
  6. 【請求項6】 内部を区画する移動可能な分離膜を備
    え、該分離膜により区画された一方の室に炭化水素系燃
    料を貯留し、かつ他方の室に前記炭化水素系燃料の脱水
    素反応により生じかつ水素ガスが除去された脱水素生成
    物を貯留する貯留分離タンク。
  7. 【請求項7】 炭化水素系燃料を供給可能な燃料供給口
    と、脱水素生成物を排出する排出口とを更に備えた請求
    項1〜6のいずれか1項に記載の貯留分離タンク。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の貯
    留分離タンクと、触媒及び該触媒を加熱する加熱手段を
    備え、かつ貯留分離タンクから供給された燃料を加熱さ
    れた前記触媒上で脱水素反応させる反応タンクと、を備
    えた水素ガス生成装置。
  9. 【請求項9】 貯留分離タンクを着脱可能とした請求項
    8に記載の水素ガス生成装置。
  10. 【請求項10】 貯留分離タンク内の炭化水素系燃料
    を、触媒上で液膜状態となるように反応タンクに供給す
    る供給装置を更に備えた請求項8又は9に記載の水素ガ
    ス生成装置。
  11. 【請求項11】 貯留分離タンク中の脱水素生成物の量
    を検出する検出器と、前記検出器で検出された検出量が
    所定値を超えたときに報知する報知手段と、を更に備え
    た請求項8〜10のいずれか1項に記載の水素ガス生成
    装置。
  12. 【請求項12】 触媒が、炭素担持Pt触媒、炭素担持
    Pt−Ir複合金属触媒、炭素担持Pt−Re複合金属
    触媒、及び炭素担持Pt−W複合金属触媒のいずれかで
    ある請求項8〜11のいずれか1項に記載の水素ガス生
    成装置。
  13. 【請求項13】 炭化水素系燃料が、デカリンとテトラ
    リンとの混合燃料、及びデカリンを含むナフテン系燃料
    のいずれかである請求項8〜12のいずれか1項に記載
    の水素ガス生成装置。
  14. 【請求項14】 炭化水素系燃料と分離してテトラリン
    を貯留し、該テトラリンを加熱された触媒上で、前記炭
    化水素系燃料の脱水素反応前に脱水素反応させた請求項
    8〜13のいずれか1項に記載の水素ガス生成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007024145B3 (de) * 2007-05-24 2008-11-27 Universität Heidelberg Molekulare Wasserstoffspeicher und Wasserstoff-Transferreagenzien für Hydrierungsreaktionen
DE102007036495B4 (de) * 2007-08-01 2012-06-21 Eads Deutschland Gmbh Erzeugung von Wasserstoff aus schweren Kohlenwasserstoffen
KR101310195B1 (ko) 2011-09-09 2013-09-24 한국항공우주산업 주식회사 연료 전지용 이동막 수소 공급 시스템
US20230111727A1 (en) * 2020-03-30 2023-04-13 Eneos Corporation Hydrogen supply system

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