JP2003277401A - 多糖アミノ酸カーバメート誘導体 - Google Patents

多糖アミノ酸カーバメート誘導体

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JP2003277401A
JP2003277401A JP2002089565A JP2002089565A JP2003277401A JP 2003277401 A JP2003277401 A JP 2003277401A JP 2002089565 A JP2002089565 A JP 2002089565A JP 2002089565 A JP2002089565 A JP 2002089565A JP 2003277401 A JP2003277401 A JP 2003277401A
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amino acid
polysaccharide
general formula
carbamate derivative
carbon atoms
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English (en)
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Toyoji Kakuchi
豊次 覚知
Toshifumi Sato
敏文 佐藤
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MCROTECH KK
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GUROOBU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来では困難とされているような光学分割を
も行うことができる多糖類誘導体を提供する。 【解決手段】 多糖を構成する単糖残基中の水酸基の全
部もしくは一部をアミノ酸カーバメートもしくはその塩
に変換することにより、クロマトグラフィー用分離剤の
構成材料として使用された場合におけるクロマトグラフ
ィー分離能を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多糖アミノ酸カー
バメート誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多糖類誘導体を用いた分離剤は、液体ク
ロマトグラフィー用の固定相として多種多様のラセミ体
化合物に対して優れた分割能力を備えており、従来より
研究機関その他の場所で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来より「分
離能力に優れている」と認識されている多糖類誘導体を
用いても分割することが難しい化合物が存在するという
のも、事実である。
【0004】本発明は以上のような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、従来では困難とされている
ような光学分割をも行うことができる多糖類誘導体を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明においては、多糖を構成する単糖残
基中の水酸基の全部もしくは一部がアミノ酸カーバメー
トもしくはその塩に置換されている多糖アミノ酸カーバ
メート誘導体を使用することにより、従来では困難とさ
れているような光学分割を行うことができるということ
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】なお、光学分割を主目的とするものの場合
には、前記多糖アミノ酸カーバメート誘導体を構成する
アミノ酸残基は、光学活性なアミノ酸のアミノ酸残基
(例えば、グリシン以外の必須アミノ酸)であるのが好
ましい。
【0007】また、前記多糖アミノ酸カーバメート誘導
体は、多糖を構成する単糖残基中の水酸基に対してアミ
ノ酸エステルイソシアナートを付加させてから脱エステ
ル化することによって得ることができる。
【0008】ここで、多糖類誘導体でラセミ体の分割を
行う場合には、多糖誘導体の高次構造がラセミ体化合物
の構造に良好に適合し、両者の間で種々の吸着的相互作
用が効果的に働くことが重要であると考えられる。本発
明に係る新規な多糖アミノ酸カーバメート誘導体は、ラ
セミ体化合物との間で種々の吸着的相互作用が効果的に
働くことから、光学分割を行うための液体クロマトグラ
フィー用の固定相において使用されるクロマトグラフィ
ー用分離剤等の原料として有用である。
【0009】また、本発明に係る新規な多糖アミノ酸カ
ーバメート誘導体は、例えばセルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース等の
従来のセルロースエステル誘導体に比べて、生体適合性
に優れることに加え、高い溶剤溶解性も有している。従
って、本発明に係る新規な多糖アミノ酸カーバメート誘
導体は、フィルム、塗料用樹脂、コーティング材料、接
着剤、増粘剤などとしても有用である。
【0010】より具体的には、本発明は以下のようなも
のを提供する。
【0011】(1) 一般式(I)で示される、多糖ア
ミノ酸エステルカーバメート誘導体製造用のアミノ酸エ
ステルイソシアナート。
【0012】
【化8】 (一般式(I)中、Rは水素原子、又は、炭素数1から
30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示す。
該脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素はアミノ基、
水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、チオエーテル
基、若しくは、ベンゼン環と縮合していてもよく、1〜
2個の窒素原子を有する5員複素環で置換されていても
よい。Rは炭素数1から30の脂肪族炭化水素または
芳香族炭化水素を示す。)
【0013】(2) 一般式(II)に示す多糖アミノ酸
エステルカーバメート誘導体。
【0014】
【化9】 (一般式(II)中、XはOR2、NHR2、もしくはNH
COCH3を示し、nは5以上の整数を示す。Rは、
それぞれ同一または異なって、水素原子、金属原子又は
式(III)で示される基を示すが、nが1〜4の範囲では
一般式(II)中の全てのRがHであることはあるが、
nが5以上の範囲では一般式(II)中の全てのRがH
であることはなく、その場合のRの少なくとも一つは
式(III)で示される基である。)
【0015】
【化10】 (一般式(III)中、Rは水素原子、又は、炭素数1か
ら30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示
す。Rは炭素数1から30の脂肪族炭化水素または芳
香族炭化水素を示す。)
【0016】(3) 一般式(II)に示す多糖アミノ酸
カーバメート誘導体。
【0017】
【化11】 (一般式(II)中、XはOR2、NHR2、もしくはNH
COCH3を示し、nは5以上の整数を示す。Rは、
それぞれ同一または異なって、水素原子、金属原子又は
式(IV)で示される基を示すが、nが1〜4の範囲では
一般式(II)中の全てのRがHであることはあるが、
nが5以上の範囲では一般式(II)中の全てのRがH
であることはなく、その場合のRの少なくとも一つは
式(IV)で示される基である。)
【0018】
【化12】 (一般式(IV)中、Rは水素原子、又は、炭素数1から
30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示す。
Qは水素原子もしくは金属原子を示す。)
【0019】(4) 一般式(I)に示すアミノ酸エス
テルイソシアナートを多糖と反応させることを特徴とす
る、多糖アミノ酸エステルカーバメート誘導体の製造方
法。
【0020】
【化13】 (一般式(I)中、Rは水素原子、又は、炭素数1から
30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示す。
は炭素数1から30の脂肪族炭化水素または芳香族
炭化水素を示す。)
【0021】(5) 前記多糖がセルロース、キトサ
ン、またはキチンであることを特徴とする(4)記載の
方法。
【0022】(6) 一般式(I)に示すアミノ酸エス
テルイソシアナートを多糖と反応させることにより得ら
れた多糖アミノ酸エステルカーバメート誘導体を脱エス
テル化することにより多糖アミノ酸カーバメート誘導体
を得る、多糖アミノ酸カーバメート誘導体の製造方法。
【0023】
【化14】 (一般式(I)中、Rは水素原子、又は、炭素数1から
30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示す。
は炭素数1から30の脂肪族炭化水素または芳香族
炭化水素を示す。)
【0024】(7) 前記多糖がセルロース、キトサ
ン、またはキチンであることを特徴とする(6)記載の
方法。
【0025】(8) 脱エステル化を弱塩基性のアルカ
リ金属水酸化物の水溶液で行うことを特徴とする請求項
7記載の方法。
【0026】これに関し、弱塩基性のアルカリ金属水酸
化物の水溶液を使用するのは、塩基性が強いと、多糖ア
ミノ酸エステルカーバメート誘導体のアミド結合(-C
ONH-)の部分が切れることになってしまうからであ
る。従って、「弱塩基性」というのは、本発明では、多
糖アミノ酸エステルカーバメート誘導体のアミド結合
(-CONH-)の部分を切らない程度の塩基性という意
味である。
【0027】(9) 多糖を構成する単糖残基中の水酸
基の全部もしくは一部がアミノ酸カーバメートもしくは
その塩に置換されている多糖アミノ酸カーバメート誘導
体。
【0028】アミノ酸カーバメートのアミノ酸残基に相
当するアミノ酸の種類は特に限られない。従って、生体
の必須アミノ酸のようなものは勿論のこと、それ以外の
アミノ酸に係るアミノ酸カーバメートを使用することが
できる。なお、アミノ酸残基のアミノ酸がグリシンに係
るアミノ酸カーバメートの場合には、アミノ酸残基のα
炭素が不斉炭素ではなくなり、光学活性がなくなること
から、光学分割用のクロマトグラフィーの固定相におい
て使用されるクロマト用分離剤等の原料として使用する
場合には、それ以外のものを採用したほうが良い場合も
あるであろう。なお、ここで言う「アミノ酸カーバメー
トもしくはその塩」としては、例えば一般式(IV)に示
されているようなものを挙げることができる。
【0029】(10) 前記アミノ酸カーバメートが、
光学活性なアミノ酸残基を含むアミノ酸カーバメートで
ある(9)記載の多糖アミノ酸カーバメート誘導体。
【0030】(11) フィルム材料、塗料用材料、コ
ーティング材料、接着剤材料、もしくは増粘剤材料の構
成材料である(3)または(9)記載の多糖アミノ酸カ
ーバメート誘導体。
【0031】アミノ酸残基のアミノ酸がグリシンに係る
アミノ酸カーバメート誘導体の場合には、グリシンが安
価であることから、安価に製造することができるので、
アミノ酸残基のα炭素が不斉炭素ではないことによる不
都合が生じない上記のようなものの構成材料である場合
には好適である。
【0032】(12) クロマトグラフィー用分離剤の
構成材料である(3)、(9)または(10)記載の多
糖アミノ酸カーバメート誘導体。
【0033】(13) 多糖を安定的かつ高収率で多糖
アミノ酸カーバメート誘導体に変換する際の求電子試薬
として、アミノ酸エステルイソシアナートを使用する方
法。
【0034】(14) 多糖を構成する単糖残基中の水
酸基に対してアミノ酸エステルイソシアナートを付加さ
せてから脱エステル化することにより、多糖アミノ酸カ
ーバメート誘導体を得る方法。
【0035】本発明に係る多糖アミノ酸カーバメート誘
導体を製造することは、以下の(15)〜(18)のよ
うな発明として把握することもできる。
【0036】(15) 多糖を構成する単糖残基中の水
酸基の全部もしくは一部をアミノ酸カーバメートもしく
はその塩に変換することにより、溶剤溶解性を向上させ
る方法。
【0037】(16) 多糖を構成する単糖残基中の水
酸基の全部もしくは一部をアミノ酸カーバメートもしく
はその塩に変換することにより、生体適合性を向上させ
る方法。
【0038】(17) 多糖を構成する単糖残基中の水
酸基の全部もしくは一部をアミノ酸カーバメートもしく
はその塩に変換することにより、クロマトグラフィー用
分離剤の構成材料として使用された場合におけるクロマ
トグラフィー分離能を向上させる方法。
【0039】(18) 多糖を構成する単糖残基中の水
酸基の全部もしくは一部を、光学活性なアミノ酸残基を
含むアミノ酸カーバメートもしくはその塩に変換するこ
とにより、光学活性体の分離を行うクロマトグラフィー
用分離剤の構成材料として使用された場合における光学
活性体のクロマトグラフィー分離能を向上させる方法。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるアミノ
酸エステルイソシアナートとしては、アラニンエステル
イソシアネート(R=−CH)、アルギニンエステル
イソシアネート(R=−CHCHCHNHC(=
NH)NH)、アスパラギン酸エステルイソシアネー
ト(R=−CHCOOH),システインエステルイソ
シアネート(R=−CHSH)、シスチンエステルイ
ソシアネート(−CHS)、グルタミン酸エステルイ
ソシアネート(R=−CHCHCOOH)、グルタ
ミンエステルイソシアネート(R=−CHCHCO
NH)、グリシンエステルイソシアネート(R=−
H)、ヒスチジンエステルイソシアネート(R=−CH
−C),ヒドロキシリシンエステルイソシ
アネート(R=−CHCHCH(OH)CHNH
),ヒドロキシプロリンエステルイソシアネート(R
=−CHCH(OH)CH−)、イソロイシンエス
テルイソシアネート(R=−CH(CH)CHCH
)、ロイシンエステルイソシアネート(R=CH
H(CH),リシンエステルイソシアネート(R
=−(CHNH)、メチオニンエステルイソシ
アネート(R=−CHCHSCH),フェニルア
ラニンエステルイソシアネート(R=−CH
)、プロリンエステルイソシアネート(R=−C
CHCH−)、セリンエステルイソシアネート
(R=−CHOH),トレオニンエステルイソシアネ
ート(R=−CH(OH)CH),トリプトファンエ
ステルイソシアネート(R=−CH−CNH),
チロシンエステルイソシアネート(R=−CH−p−
−OH)、バリンエステルイソシアネート(R
=−CH(CH)などを挙げることができる。但
し、本発明に係るアミノ酸エステルイソシアナートは、
これらに限られるものではない。
【0041】本発明に係るアミノ酸エステルイソシアナ
ートは、出発物質をアミノ酸として、当該アミノ酸のカ
ルボキシル基の部分をエステル化した後、アミノ基をア
シル化し、当該アシル化されることにより生成したカル
バミン酸誘導体を脱水することにより得ることができ
る。この際に、酸性条件を強力にするとラセミ化が起こ
る可能性が増大することに留意する。
【0042】アミノ酸エステルイソシアナートを付加さ
せる多糖がセルロース、キトサン、またはキチンである
場合において、前記多糖がセルロースであった場合に
は、下記の一般式(V)で示される多糖アミノ酸カーバ
メート誘導体が得られ、前記多糖がキトサンであった場
合には一般式(VI)で示される多糖アミノ酸カーバメー
ト誘導体が得られ、前記多糖がキチンであった場合には
一般式(VII)で示される多糖アミノ酸カーバメート誘
導体が得られる。
【0043】
【化15】 脱エステル化剤としての希アルカリ水溶液としては、希
水酸化ナトリウム水溶液や希水酸化カリウム水溶液を使
用することができるが、これに限られることなく、還元
性がなく、水酸基以外のアニオンによる求核性の小さい
ものであれば、好適に使用することができる。そして、
そのような希アルカリ水溶液を使用して脱エステル化を
行うことにより、一般式(IV)で示される官能基中の-
COOR1基が-COOH基もしくはその塩に変換され
る。
【0044】本発明に係る新規な多糖アミノ酸カーバメ
ート誘導体は、従来からの多糖類誘導体を用いた分離剤
と同様に、液体クロマトグラフィー用の固定相において
使用されるクロマトグラフィー用分離剤等の原料として
使用することができる。なお、その製造方法は、従来か
らの多糖類誘導体を用いた分離剤のものを採用すること
ができる。
【0045】また、本発明に係る新規な多糖アミノ酸カ
ーバメート誘導体は、セルロースアセテート、セルロー
スアセテートブチレート、ニトロセルロース等の従来の
セルロースエステル誘導体に比べて、生体適合性に優れ
ることに加え、高い溶剤溶解性も有している。従って、
本発明に係る新規な多糖アミノ酸カーバメート誘導体
は、フィルム、塗料用樹脂、コーティング材料、接着
剤、増粘剤、特に生体用フィルム、生体用コーティング
材料、生体用接着剤、生体用増粘剤などとしても有用で
ある。なお、これらについては、本発明に係る多糖アミ
ノ酸カーバメート誘導体を所定の溶剤に溶解させた後、
従来からのフィルム、塗料用樹脂、コーティング材料、
接着剤、増粘剤等と同様に、常法に従って製造を行うこ
とができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0047】[実施例1:セルローストリス(L−ロイ
シンエチルエステルカーバメート)の合成]
【0048】
【化16】
【0049】セルロース(Cellulose microcrystallin
e)(MERCK)1gを塩化リチウム{(関東化学)}/
{DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド(脱水))(関
東化学)}(1/10(w/v))の溶液45mlに加
え、100℃で24時間攪拌した。これを室温まで冷却
後L−ロイシンエチルエステルイソシアネート10gを
加え、100℃で攪拌しながら48時間反応させた。冷
却後、反応溶液を過剰量のアセトンに注ぎ入れて反応を
停止した。得られたポリマーは0.75gであった。ピ
リジン、メタノールに可溶で、クロロホルム、THF、
ペンタン、ヘキサン等のアルカン、ベンゼン、トルエン
等の芳香族化合物、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキサイドなどの溶媒に不溶であった。
【0050】置換度は元素分析の結果から約3と見積も
られた。 <元素分析値=C:45.40% H:6.81% N:5.01%
【0051】[実施例2:セルローストリス(L‐ロイ
シンカーバメート)の合成]
【0052】
【化17】
【0053】実施例1で得られたセルローストリス(L
−ロイシンエチルエステルカーバメート)に2MのNa
OH水溶液を加え、24時間攪拌した。溶け残ったもの
を濾過によって取り除き、濾液をHClにて中和後、透
析用セルロースチューブにて24時間透析し、凍結乾燥
によって乾燥し、表題化合物を得た。得られたポリマー
は白色の粉末で2Mから4MのNaOH水溶液に溶解性
を示した。
【0054】[実施例3:セルローストリス(L−アス
パラギン酸ジエチルエステルカーバメート)の合成]
【0055】
【化18】
【0056】セルロース1gを塩化リチウム/N,N−
ジメチルアセトアミド(1ノ10(w/v))の溶液4
5mlに加え、100℃で24時間攪拌した。これを室
温まで冷却後L−ロイシンエチルェステルイソシアネー
ト10gを加え、100℃で攪拌しながら48時間反応
させた。その後反応溶液を過剰量のアセトンに注ぎ入れ
て反応を停止した。得られたポリマーは0.8gであっ
た。ピリジン、メタノールに可溶で、クロロホルム、T
HF、ペンタン、ヘキサン等のアルカン、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族化合物、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキサイドといったほとんどの溶媒に不溶であ
った。
【0057】置換度は元素分析の結果から約3と見積も
られた。 <元素分析値=C:46.27% H:6.75% N:4.49%
【0058】[実施例4:セルローストリス(L‐アス
パラギン酸カーバメート)の合成]
【0059】
【化19】
【0060】セルローストリス(L−アスパラギン酸ジ
エチルエステルカーバメート)に2Mの水酸化ナトリウ
ム水溶液を加え、24時間攪拌した。溶け残ったものを
濾過によって取り除き、濾液をHClにて中和後、透析
用セルロースチューブにて24時間透析し、凍結乾燥に
よって乾燥した。得られたポリマーは白色の粉末で2M
から4Mの水酸化ナトリウム水溶液に溶解性を示した。
【0061】[実施例5:セルロース(L‐フェニルア
ラニンカーバメート)の合成]
【0062】
【化20】
【0063】セルロース2gを塩化リチウム/N,N−
ジメチルアセトアミド(1/10(w/v))の溶液3
0mlに加え、100℃で24時間攪拌した。これを室
温まで冷却後ピリジン20mlとL−アスパラギン酸ジ
エチルエステルイソシアネート7.02gを加え、10
0℃で攪拌しながら48時間反応させた。その後反応溶
液を過剰量のメタノールに注ぎ入れて反応を停止した。
この溶液を濾過後2Mの水酸化ナトリウム水溶液中で2
4時間攪拌した。溶け残ったものを濾過によって取り除
き、濾液をHClにて中和後、透析用セルロースチュー
ブにて24時間透析し凍結乾燥によって乾燥した。得ら
れたポリマーは1.11gであった。ポリマーは白色の
粉末で2Mから4Mの水酸化ナトリウム水溶液に溶解性
を示した。置換度は0.23であった。 <元素分析値=C:44.98% H:5088% N:1.48%
【0064】[実施例6:キチン(L−ロイシンエチル
エステルカーバメート)の合成]
【0065】
【化21】
【0066】キチン0.5gを塩化リチウム/N,N−
ジメチルアセトアミド(1/10(w/v))の溶液4
5mlに加え、100℃で24時間攪拌した。これを室
温まで冷却後、L−ロイシンエチルエステルイソシアネ
ート5gを加え、100℃で攪拌しながら48時間反応
させた。冷却後、反応溶液を過剰量のアセトンに注ぎ入
れて反応を停止した。得られたポリマーは0.36gで
あった。クロロホルムTHFといったほとんどの溶媒に
不溶であった。置換度は元素分析の結果からほぼ1と見
積もられた。
【0067】[実施例7:キチン(L−アスパラギン酸
ジエチルエステルカーバメート)の合成]
【0068】
【化22】
【0069】セルロース1gを塩化リチウム/N,N‐
ジメチルアセトアミド(1/10(w/v))の溶液9
0mlに加え、100℃で24時間攪拌した。これを室
温まで冷却後L‐ロイシンエチルエステルイソシアネー
ト5gを加え、100℃で攪拌しながら48時間反応さ
せた。その後反応溶液を過剰量のアセトンに注ぎ入れて
反応を停止した。得られたポリマーは0.88gであっ
た。クロロホルムTHFといったほとんどの溶媒に不溶
であった。置換度は元素分析の結果からほぼ1と見積も
られた。
【0070】[原料合成:アミノ酸エステルイソシアナ
ートの合成]アミノ酸エステルイソシアナートを合成す
るにあたって、原料のアミノ酸としては以下のようなも
のを使用した。(全て関東化学)
【0071】L-アラニン、L-ロイシン、L(+)-イソロイ
シン、L-バリン、L-メチオニン、L(-)-フェニルアラニ
ン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、D-アラニン、
D-ロイシン、D-イソロイシン、D-バリン、D-メチオニ
ン、D-フェニルアラニン、D-アスパラギン酸、D-グルタ
ミン酸、DL-アラニン、DL-ロイシン、DL-イソロイシ
ン、DL-バリン、DL-メチオニン、DL-フェニルアラニ
ン。
【0072】[参考例1:アミノ酸エステルの合成]上
記のような各種アミノ酸に、アミノ酸が全て溶解するま
で1.0mol/lアルコール性塩酸(キシダ)を加える。そし
て、10時間加熱還流した後、溶液を冷ましてアルコール
を減圧留去する。残留物をジクロロメタンに溶かし、ア
ンモニア水を用いてpH10に調製した水とともに分液漏斗
にて抽出を行った。有機相を食塩飽和溶液でもう一度抽
出し、MgSO4にて乾燥した後、減圧蒸留にて精製した。
【0073】[参考例2:アミノ酸エステルイソシアナ
ートの合成]ジクロロメンタンにアミノ酸エステルを溶
かした溶液を、DMAP(4-ジメチルアミノピリジン)(1.
0eq)(和光純薬)と(Boc)2O(二炭酸ジ-t-ブチル)
(1.4eq)(和光純薬)をジクロロメタンに溶かした溶
液に滴下する。10分後、0.5mol/l塩酸と氷を用いて抽出
を2回行い、更に有機相を飽和食塩水にて抽出した。得
られた有機相をMgSO4にて乾燥した後、減圧蒸留にて精
製した。
【0074】[実施例8:光学分割カラムの作成] <シリカゲルの疎水化>シリカゲル(Daiso gel SP-100
0 7μm)15gを真空乾燥(40℃、3h)させた後、トルエ
ン270mlに懸濁し、3-アミノプロピルトリエトキシシラ
ン53mlを加え、加熱還流しながら12h反応を行った。反
応物を瀘取し、メタノールで十分洗浄した後、アセトン
で洗浄し真空乾燥した。
【0075】<カラム充填>疎水化処理したシリカゲル
3.0gに、上記のようにして得られたセルロースアミノ酸
カーバメート誘導体(多糖アミノ酸カーバメート誘導
体)を0.75g溶かした溶液(ポリマーが溶け、シリカゲ
ルを溶かさない溶媒)をコーティングした後、ヘキサン
にて粒径分別を行い、ヘキサン/流動パラフィン=2/1で
スラリーにした物を、スラリー充填機(Chemco、ECONO-
PACKER CPP-085)を使用してステンレススチールカラム
(1/4×4.6×250)に充填して、光学分割カラムを作成
した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/48 G01N 30/48 W 30/88 30/88 W // G01N 30/56 30/56 A (72)発明者 覚知 豊次 札幌市北区北13条西8丁目 (72)発明者 佐藤 敏文 札幌市北区北13条8丁目 Fターム(参考) 4C090 AA02 AA03 BA21 BA46 BB18 BB36 BB53 BB62 BB72 BB94 BD13 BD16 BD50 4G066 AB07A AB09A AC01A AC01B AD06B AD11A AE14B CA19 CA20 DA07 EA01 4H006 AA01 AB84

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される、多糖アミノ酸
    エステルカーバメート誘導体製造用のアミノ酸エステル
    イソシアナート。 【化1】 (一般式(I)中、Rは水素原子、又は、炭素数1から
    30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示す。
    該脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素はアミノ基、
    水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、チオエーテル
    基、若しくは、ベンゼン環と縮合していてもよく、1〜
    2個の窒素原子を有する5員複素環で置換されていても
    よい。Rは炭素数1から30の脂肪族炭化水素または
    芳香族炭化水素を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(II)に示す多糖アミノ酸エステ
    ルカーバメート誘導体。 【化2】 (一般式(II)中、XはOR2、NHR2、もしくはNH
    COCH3を示し、nは5以上の整数を示す。Rは、
    それぞれ同一または異なって、水素原子、金属原子又は
    式(III)で示される基を示すが、nが1〜4の範囲では
    一般式(II)中の全てのRがHであることはあるが、
    nが5以上の範囲では一般式(II)中の全てのRがH
    であることはなく、その場合のRの少なくとも一つは
    式(III)で示される基である。) 【化3】 (一般式(III)中、Rは水素原子、又は、炭素数1か
    ら30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示
    す。Rは炭素数1から30の脂肪族炭化水素または芳
    香族炭化水素を示す。)
  3. 【請求項3】 一般式(II)に示す多糖アミノ酸カーバ
    メート誘導体。 【化4】 (一般式(II)中、XはOR2、NHR2、もしくはNH
    COCH3を示し、nは5以上の整数を示す。Rは、
    それぞれ同一または異なって、水素原子、金属原子又は
    式(IV)で示される基を示すが、nが1〜4の範囲では
    一般式(II)中の全てのRがHであることはあるが、
    nが5以上の範囲では一般式(II)中の全てのRがH
    であることはなく、その場合のRの少なくとも一つは
    式(IV)で示される基である。) 【化5】 (一般式(IV)中、Rは水素原子、又は、炭素数1から
    30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示す。
    Qは水素原子もしくは金属原子を示す。)
  4. 【請求項4】 一般式(I)に示すアミノ酸エステルイ
    ソシアナートを多糖と反応させることを特徴とする、多
    糖アミノ酸エステルカーバメート誘導体の製造方法。 【化6】 (一般式(I)中、Rは水素原子、又は、炭素数1から
    30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示す。
    は炭素数1から30の脂肪族炭化水素または芳香族
    炭化水素を示す。)
  5. 【請求項5】 前記多糖がセルロース、キトサン、また
    はキチンであることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 一般式(I)に示すアミノ酸エステルイ
    ソシアナートを多糖と反応させることにより得られた多
    糖アミノ酸エステルカーバメート誘導体を脱エステル化
    することにより多糖アミノ酸カーバメート誘導体を得
    る、多糖アミノ酸カーバメート誘導体の製造方法。 【化7】 (一般式(I)中、Rは水素原子、又は、炭素数1から
    30の脂肪族炭化水素若しくは芳香族炭化水素を示す。
    は炭素数1から30の脂肪族炭化水素または芳香族
    炭化水素を示す。)
  7. 【請求項7】 前記多糖がセルロース、キトサン、また
    はキチンであることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 脱エステル化を弱塩基性のアルカリ金属
    水酸化物の水溶液で行うことを特徴とする請求項7記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 多糖を構成する単糖残基中の水酸基の全
    部もしくは一部がアミノ酸カーバメートもしくはその塩
    に置換されている多糖アミノ酸カーバメート誘導体。
  10. 【請求項10】 前記アミノ酸カーバメートが、光学活
    性なアミノ酸残基を含むアミノ酸カーバメートである請
    求項9記載の多糖アミノ酸カーバメート誘導体。
  11. 【請求項11】 フィルム材料、塗料用材料、コーティ
    ング材料、接着剤材料、もしくは増粘剤材料の構成材料
    である請求項3または9記載の多糖アミノ酸カーバメー
    ト誘導体。
  12. 【請求項12】 クロマトグラフィー用分離剤の構成材
    料である請求項3、9または10記載の多糖アミノ酸カ
    ーバメート誘導体。
  13. 【請求項13】 多糖を安定的かつ高収率で多糖アミノ
    酸カーバメート誘導体に変換する際の求電子試薬とし
    て、アミノ酸エステルイソシアナートを使用する方法。
  14. 【請求項14】 多糖を構成する単糖残基中の水酸基に
    対してアミノ酸エステルイソシアナートを付加させてか
    ら脱エステル化することにより、多糖アミノ酸カーバメ
    ート誘導体を得る方法。
  15. 【請求項15】 多糖を構成する単糖残基中の水酸基の
    全部もしくは一部をアミノ酸カーバメートもしくはその
    塩に変換することにより、溶剤溶解性を向上させる方
    法。
  16. 【請求項16】 多糖を構成する単糖残基中の水酸基の
    全部もしくは一部をアミノ酸カーバメートもしくはその
    塩に変換することにより、生体適合性を向上させる方
    法。
  17. 【請求項17】 多糖を構成する単糖残基中の水酸基の
    全部もしくは一部をアミノ酸カーバメートもしくはその
    塩に変換することにより、クロマトグラフィー用分離剤
    の構成材料として使用された場合におけるクロマトグラ
    フィー分離能を向上させる方法。
  18. 【請求項18】 多糖を構成する単糖残基中の水酸基の
    全部もしくは一部を、光学活性なアミノ酸残基を含むア
    ミノ酸カーバメートもしくはその塩に変換することによ
    り、光学活性体の分離を行うクロマトグラフィー用分離
    剤の構成材料として使用された場合における光学活性体
    のクロマトグラフィー分離能を向上させる方法。
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