JP2003277902A - めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Si,Mnを多量に含んでもなおめっき密着性に
優れるとともに強度延性バランスにも優れた高強度(合
金化)溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提案する。 【解決手段】 C:0.05〜0.25mass%、Si:0.50〜2.0m
ass%、Mn:1.0〜3.5mass%、Al:0.01〜1.0mass%を含
有し、Mn/Siが0.5以上である組成の鋼板を、加熱温度
(Ac3変態点−80℃)以上、H2濃度1〜100vol%、露
点−50℃〜+40℃の雰囲気中で、加熱後の鋼板表面に生
成した無定型SiO2の反射型IRスペクトル測定装置で
測定した赤外線吸収スペクトル強度I(SiO2)と、(Fe,M
n)2SiO4の赤外線吸収スペクトル強度I((Fe,Mn)2Si
O4))との比が0.3以下となるように一次加熱処理を施
し、次いで、酸洗減量がFe換算で0.05〜5g/m2となる
ように酸洗をした後、Ac1変態点以上Ac3変態点以下の
温度範囲で二次加熱処理を施し、その後、溶融亜鉛めっ
きし、必要に応じて合金化処理を施す。
優れるとともに強度延性バランスにも優れた高強度(合
金化)溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提案する。 【解決手段】 C:0.05〜0.25mass%、Si:0.50〜2.0m
ass%、Mn:1.0〜3.5mass%、Al:0.01〜1.0mass%を含
有し、Mn/Siが0.5以上である組成の鋼板を、加熱温度
(Ac3変態点−80℃)以上、H2濃度1〜100vol%、露
点−50℃〜+40℃の雰囲気中で、加熱後の鋼板表面に生
成した無定型SiO2の反射型IRスペクトル測定装置で
測定した赤外線吸収スペクトル強度I(SiO2)と、(Fe,M
n)2SiO4の赤外線吸収スペクトル強度I((Fe,Mn)2Si
O4))との比が0.3以下となるように一次加熱処理を施
し、次いで、酸洗減量がFe換算で0.05〜5g/m2となる
ように酸洗をした後、Ac1変態点以上Ac3変態点以下の
温度範囲で二次加熱処理を施し、その後、溶融亜鉛めっ
きし、必要に応じて合金化処理を施す。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れためっき密着
性を有し、かつ複雑なプレス成形加工にも耐え得る良好
な強度−延性バランスを有する高強度溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年の自動車は、地球環境保護のため、
燃比の向上を目的として車体の軽量化が、また、衝突時
の乗員保護の観点から、車体の安全性が求められてい
る。こうした要請から、自動車に用いられる熱延鋼板及
び冷延鋼板は、高強度のものが開発されている。しか
も、高強度鋼板については、プレス成形性向上のため
に、強度−延性バランスの改善が強く望まれている。さ
らに、車体の防錆性の観点からは、耐食性に優れためっ
き鋼板であることも望まれている。 【0003】熱延鋼板および冷延鋼板を高強度化する場
合、Si,Mn等の固溶強化元素を添加するのが一般的であ
る。一方で、これらの元素(Si,Mn等)は、易酸化性元素
であり、焼鈍時に酸化して、鋼板表面にSi,Mn等の表面
濃化物(いわゆる選択酸化現象による外部酸化物)が析
出することが知られている。このため、鋼中にSi,Mn等
の元素を多量に含む場合には、焼鈍後の溶融亜鉛めっき
工程で、溶融亜鉛と鋼板表面との濡れ性が低下し、めっ
き密着性が劣化するという問題がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】高強度鋼板の加工性を
改善する方法については、例えば、特開平5-179356号公
報や特開平5-51647号公報には、熱延巻取り時に急冷し
て溶融亜鉛めっきライン(CGL)前組織を微細な複合組
織とし、その後、CGLで2相域焼鈍とめっきを行う技
術が開示されている。しかし、これらの技術では、Siが
少しでも添加されていると、めっき密着性が劣化して、
めっき剥離を生じやすいという問題があった。そのため
従来は、Si,Mn含有量が多い鋼板を母材とした溶融亜鉛
めっき鋼板では、良好なめつき密着性を得ることは事実
上不可能とされていた。 【0005】本発明の目的は、Si,Mnを多量に含んでも
なおめっき密着性に優れるとともに、強度−延性バラン
スにも優れた高強度(合金化)溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法を提案することにある。なお、本発明の溶融亜鉛め
っき鋼板の素材は、熱延鋼板、冷延鋼板の種類を問わな
い。 【0006】 【課題を解決するための手段】発明者らは、Si,Mnを多
量に含有した鋼板について、機械的特性を維持したまま
で、鋼板と溶融亜鉛との密着性を改善する条件について
鋭意検討した。その結果、鋼中のMn/Siを一定水準以上
とした組成の鋼板を、易酸化性元素の外部酸化を抑制し
かつ内部酸化を促進する高酸素ポテンシャル雰囲気で一
次加熱処理を施したのち、鋼板表面を酸洗し、その後、
溶融亜鉛めっきすることにより、めっき密着性を格段に
改善できることを見出した。 【0007】すなわち本発明は、C:0.05〜0.25mass
%、Si:0.50〜2.0mass%、Mn:1.0〜3.5mass%、Al:
0.01〜1.0mass%を含有し、Mn/Siが0.5以上である組成
の鋼板を、加熱温度(Ac3変態点−80℃)以上、H2濃
度1〜100vol%、露点−50℃〜+40℃の雰囲気中で、加
熱後の鋼板表面に生成した無定型SiO2の赤外線吸収ス
ペクトル強度I(SiO2)と(Fe,Mn)2SiO4の赤外線吸収ス
ペクトル強度I((Fe,Mn)2SiO4))との比が0.3以下となる
ように一次加熱処理を施し、次いで、酸洗減量がFe換算
で0.05〜5g/m2となるように酸洗をした後、Ac1変態
点以上Ac3変態点以下の温度範囲で二次加熱処理を施
し、その後、溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とするめ
っき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法である。 【0008】なお、本発明において、上記鋼板は、鋼中
にさらに、Cr:1.0mass%以下、Mo:1.0mass%以下、
B:0.003mass%以下、Ti:0.1mass%以下、Nb:0.1mas
s%以下、V:0.1mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Ni:
1.0mass%以下のうちから選ばれる1種以上を含有する
ことが好ましい。また、本発明においては、上記一次加
熱処理の際に、鋼板の酸化増量を片面あたり0.05g/m2
以上とすることを特徴とすることが好ましい。さらに、
本発明においては、上記溶融亜鉛めっきを施した後、さ
らに合金化処理を施すことが好ましい。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明において成分組成を
限定した理由について説明する。 C:0.05〜0.25mass% Cは、鋼板の高強度化のためには必須の元素である。ま
た、所望の組織を確保し、良好な材質を得るために不可
欠な成分である。しかし、Cが0.05mass%未満では所望
の強度が得られず、また、0.25mass%以上では溶接性の
劣化を招くため、0.05〜0.25mass%に制限する。好まし
くは、0.07〜0.18mass%である。 【0010】Mn:1.0〜3.5mass% Mnは、固溶強化による高強度化と、焼入れ性向上および
所望の組織を確保し良好な材質を得るために不可欠な成
分である。しかし、その含有量が、1.0mass%未満だと
上記の効果が不十分で、また、3.5mass%超えでは溶接
性を劣化させる。このため、Mnは、1.0〜3.5mass%の範
囲で添加する。好ましくは、1.5〜3.0mass%である。 【0011】Si:0.50〜2.0mass% Siは、固溶強化により延性を損なわずに高強度化する効
果を有する元素であり、また、所望の組織を確保し、良
好な材質を得るために不可欠な元素である。この添加量
が、0.5mass%未満では、上記効果が不十分である。し
かし、2.0mass%超えて添加した場合には、めっき密着
性を確保することが困難となる。そこで、0.50〜2.0mas
s%の範囲で添加する。好ましくは、0.6〜1.6mass%で
ある。 【0012】Al:0.01〜1.0mass% Alは、高強度化と、所望の組織を確保し良好な材質を得
るために有効な元素である。また、Alは、易酸化性であ
りながら、Siほどめっき密着性を劣化させない元素であ
る。このため、Alの添加によりSi添加量を低減でき、同
等の強度を有するSi単独添加鋼より、めっき密着性を改
善することができる。所望の効果を得るためには、最低
0.01mass%必要であるが、1.0mass%を超えるとめっき
密着性の確保が困難となる。このため、Alは0.01〜1.0m
ass%の範囲に制限する。好ましくは、0.02〜0.5mass%
である。 【0013】鋼中Mn/Si≧0.5 めっき密着性を向上するには、Mn/Siを高くすることが
有利である。この理由は、めっき直前の焼鈍時に生成す
る表面濃化物が、溶融亜鉛との濡れ性が悪いSi主体の酸
化物(SiO2)から、溶融亜鉛との濡れ性が良好なSi,Mn
複合酸化物((Fe,Mn)2SiO4)に変化するためである。さ
らに、鋼板を、連続溶融亜鉛メッキ設備(CGL)に通板
する前に、一次加熱して冷却後、鋼板表面を酸洗して括
性化する場合には、Mn/Siが高い方が、難酸洗性である
SiO2の生成が少なくなり、酸洗性が良好な(Fe,Mn)2Si
O4の生成が多くなるため、酸洗性が向上する。また同
時に、酸洗性が向上することにより、めっき工程直前の
焼鈍板表面のSi濃化が減って合金化が促進されるため、
生産性も向上する。この効果を得るには、Mn/Si≧2と
することが好ましいが、後述する一次加熱雰囲気を適当
に制御して、SiO2生成量を抑制し、(Fe,Mn)2SiO4との
生成比を調整することにより、2>Mn/Si≧0.5の領域
でもめっき密着性を安定して確保することが可能にな
る。ただし、Mn/Siが7より高くなると、相対的にSi含
有量が少なくなって、所望のミクロ組織を得ることが困
難になるため、Mn/Si≦7とすることが好ましい。 【0014】本発明においては、上記成分のほか、各種
の機械的特性を向上させるために、必要に応じて、以下
の元素を1種類以上添加することができる。 Cr:1.0mass%以下 Crは、焼入れ性を向上し、所望の組織を得るため添加す
ることができる。好ましくは、0.05mass%以上である。
しかし、1.0mass%越えて添加すると、めっき密着性が
劣化する。 Mo:1.0mass%以下 Moは、Crと同様、焼入れ性を向上し、所望の組織を得る
ために必要に応じて添加する。好ましくは、0.05mass%
以上だが、1.0mass%を越えると、コストアップにな
る。 B:B:0.003mass%以下 Bは、焼入れ性を向上し、所望の組織を得るために必要
に応じて添加する。しかし、0.003mass%を越えるとめ
っき密着性が劣化する。 【0015】Ti:0.1mass%以下、Nb:0.1mass%以下、
V:0.1mass%以下 Ti,NbおよびVは、炭窒化物形成し、析出強化により鋼
を強化するため、必要に応じて添加する。各元素とも、
それぞれ0.01mass%以上の添加が好ましいが、0.1mass
%を越えると過度に高強度化し延性が劣化する。 Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以下 CuおよびNiは、いずれもオーステナイト中に偏析する元
素であり、所望の組織と強度を得るのに有効である。そ
のほかこれらの成分は、めっき密着性も向上させる作用
があり、必要に応じてこの目的のためにも添加すること
ができる。これらの成分が、めっき密着性を向上させる
理由は明らかでないが、この効果を得るためには、それ
ぞれ、最低0.01mass%添加するのが好ましい。但し、1.
0mass%を超えて添加しても、その効果が飽和し、コス
ト的にもメリットがない。なお、以上説明した成分以外
の残部は、Feおよび不可避的不純物であることが好まし
い。 【0016】本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法は、めっき原板を熱延鋼板または冷延鋼板とし、一次
加熱処理、酸洗処理、二次加熱処理およびめっき処理工
程からなり、さらに必要に応じて合金化処理工程が付加
される。以下、各工程の条件を限定した理由について説
明する。 【0017】(1)一次加熱処理 一次加熱処理は、溶融亜鉛めっき直前の焼鈍(本発明の
二次加熱処理に相当)時に、鋼板表面の選択酸化によっ
てSi,Mn等の外部酸化物が析出し、溶融亜鉛との濡れ性
が低下し、めっき密着性が劣化するのを防止する重要な
工程である。一次加熱処理には、連続式焼鈍炉を用いる
ことが好適であるが、後述する雰囲気制御を実施できる
のであれば、これに限定されない。Si,Mnを複合添加し
た鋼板を還元性雰囲気中で加熱した際、選択酸化により
生成する酸化物は、難酸洗性である無定型SiO2および
良酸洗性である(Fe,Mn)2SiO4が主であると考えられ
る。このため、溶融亜鉛との密着性を確保するために
は、鋼板表面におけるSiO2の生成を可能な限り抑制す
る必要がある。具体的には、SiO2および(Fe,Mn)2SiO4
の比を、反射型赤外スペクトル測定装置で測定した赤外
線吸収スペクトル強度I(SiO2)と、(Fe,Mn)2SiO4の赤
外線吸収スペクトル強度I((Fe,Mn)2SiO4))との比であ
るR値を、 R(=I(SiO2)/I((Fe,Mn)2SiO4))≦0.3 となるよう制御する必要がある。R値が、0.3より大き
くなると無定型SiO2の生成量が多すぎて、酸洗性が劣
化し、めっき密着性が劣化する。R値が0.3以下であれ
ば、めっき密着性の劣化を抑えられる。 【0018】SiO2の生成は、前述した素材の成分組成
(Mn/Si)のみならず、焼鈍雰囲気(水素濃度、露点)にも
大きく依存する。Mn/Siが高い場合には、通常の露点で
も、無定型SiO2の生成が抑制される傾向があるが、Mn
/Siが低い場合には、意図的に露点を高めるなどして高
酸素ポテンシャル雰囲気で加熱することにより、無定形
SiO2の生成を抑制することができる。そのため、雰囲
気中の水素濃度、露点を適当な範囲内に制御することに
より、めっき密着性を向上することができる。 【0019】実操業における上記R値の制御は、反射型
赤外スペクトル測定装置により、on-lineで各酸化物の
生成量を常時モニタリングし、炉内雰囲気にフィードバ
ックし、水素濃度、露点を適正範囲に制御することによ
り可能である。反射型赤外スペクトル測定装置でピーク
強度を測定する場合には、無定型SiO2は、波数1230cm
-1に認められる赤外吸収スペクトルを、(Fe,Mn)2SiO4
は、波数1000cm-1に認められる赤外吸収スペクトルを用
いるのが、強度が強く明瞭に識別でき適切である。ただ
し、測定器の精度や鋼板の表面状態、Si,Mn以外の易酸
化性添加元素の複合酸化などにより、吸収スペクトルの
ピーク位置がずれる可能性もあるため、好ましくは、無
定型SiO2は波数が1200〜1260cm-1、(Fe,Mn)2SiO4は波
数が970〜1030cm-1の範囲についてピークを探して測定
するのがよい。もし、該当範囲内に複数のピークが認め
られる場合には、最も吸収強度が強いものを吸収ピーク
と判断する。なお、ピーク強度の読み方は、図1のよう
に、ピークの両端からベースラインを引き、ピーク頂点
からベースラインまでの吸光度値の差(通常は%として
与えられる)をもって吸収スペクトル強度とする。図2
に反射型赤外スペクトル測定装置により測定した典型的
なIRスペクトルとR値(=I(SiO2)/I((Fe,Mn)2Si
O4))の測定結果を示す。図中☆印がSiO2起因の、◇印
が(Fe,Mn)2SiO4起因のスペクトルである。 【0020】溶融亜鉛との濡れ性を向上させ、めっき密
着性を改善するためには、易酸化性元素の選択酸化によ
る外部酸化物の制御のほか、内部酸化を制御することも
重要である。すなわち、Mn/Siが低く、相対的にSi含有
量が多い鋼板については、露点を高めにし、一次加熱時
に母材表層領域において内部酸化を積極的に起こし、易
酸化性元素を内部酸化物として母材表層領域に固定する
ことにより、めっき直前の二次加熱時の再表面濃化を抑
制することが好ましい。そのためには、一次加熱時の母
材表層領域の酸化増量を片面あたり0.05g/m2以上とす
ることが必要である。これ以下だと酸化増量が不十分な
ため、めっき直前の焼鈍による再表面濃化を抑制できな
い。上限は特に設けないが、1g/m2を超えると酸化が
ひどく、めっき後の外観が劣化し好ましくない。 【0021】ここで、母材表層領域とは、母材表面から
100μmまでの深さのことをいう。また、内部酸化とは、
母材の結晶粒界または結晶粒内に酸化物が生成すること
をいい、母材表面に酸化物が形成されるいわゆる外部酸
化とは区別される。そして、母材表層領域の酸化増量
は、母材表層領域の酸素量を測定することにより求めら
れる。すなわち、一次加熱処理後の鋼板表面を良く脱脂
した試料について、鋼中の全酸素量を分析し、さらに、
鋼板の表裏の表層を各100μmずつ機械研磨した試料につ
いて,鋼中の全酸素量を分析し、これらの分析値より、
鋼板表層の酸化物の増分を算出し、片面の単位面積当た
りの量(g/m2)に換算することにより求められる。 【0022】母材表層領域における酸化増量を確保する
方法としては、母材(被加熱材)の熱間圧延工程におい
て、高温巻取り後の冷却中に、酸化スケールから供給さ
れる酸素で母材を内部酸化させたり、一次加熱時の炉内
雰囲気を、Feにとっては還元性であるが、Si,Mnなどの
易酸化性元素にとっては酸化性であるような、やや高露
点条件とすることにより内部酸化させることができる。
したがって、母材の成分組成、熱間圧延工程における巻
取温度、一次加熱時における炉内雰囲気の露点と、母材
表層領域の酸化増量との関係を実験的に求めておき、目
的とする酸化増量が得られる露点範囲を予め決定してお
けばよい。 【0023】上記したようにR値、好ましくはR値およ
び酸化増量を適正範囲とし、良好なめっき密着性を確保
するためには、一次加熱処理における雰囲気ガスの露点
と水素濃度を制御する必要がある。雰囲気ガス中のH2
濃度は、1〜100%が好ましい。H2が1%未満だと、表
面の括性化が不十分であり、めっき密着性を改善できな
い。また、露点は、−50℃〜+40℃の範囲が好ましい。
−50℃を下回ると、H 2Oの供給が少な過ぎて加熱時の
易酸化性元素の選択酸化が不十分となり、めっき直前の
焼鈍時における選択酸化が増加する。また、+40℃以上
では、炉体を傷める。 【0024】また、一次加熱の温度および保持時間も重
要な管理項目であり、加熱温度は、(Ac3変態点−80℃)
以上とし、保持時間は5sec以上が好ましい。加熱温度
は、選択酸化と内部酸化を起こしてめっき密着性を確保
するため、(Ac3変態点−80℃)以上とする必要がある。
また、内部酸化を起こすためには、できるだけ高温加熱
する方が、内部酸化量が多くなるため好ましい。なお、
R値を制御するために、上記条件を満足する範囲内で、
一次加熱温度を変動させても構わない。 【0025】(2)酸洗処理 一次加熱工程で生成した表面濃化物(Si,Mn等の酸化物)
を除去するため、塩酸またはその他の酸(硫酸、燐酸、
硝酸など特に種類は問わない)で酸洗し、表面を活性化
する。この時の酸洗減量が0.05g/m2未満だと、濃化物
の除去が不十分である。一方、5g/m2を超えると表面
が荒れ、めっき後の外観を損ねる。酸洗条件は特に規定
しないが、液温:60℃〜90℃、酸洗時間:1〜20secが
好ましい。 【0026】(3)二次加熱処理 連続式溶融亜鉛めっきライン(CGL)においてめっき直
前に行う焼鈍(二次加熱処理)は、Ac1変態点以上Ac3変
態点以下で行う必要がある。焼鈍温度がAc1変態点未満
だと、酸洗後に鋼板を水洗し、乾燥した時に、不可避的
に生成するFe系の薄い酸化皮膜を還元するのに不十分で
ある。逆に、Ac3変態点を超えると、めっき直前の再表
面濃化も招く。また、保持時間は、表面酸化皮膜の還元
と再表面濃化抑制のバランスをとるためには、5sec以
上120sec以下が好ましい。加熱雰囲気は、鉄にとって還
元性雰囲気であれば問題ない。 【0027】(4)溶融亜鉛めっき めっき浴中の亜鉛は、めっき層の密着性を確保するため
に、Alを0.08mass%以上含ませるのが好ましい。しか
し、0.20mass%を超えると合金化が困難になるため、上
限は0.20mass%が好ましい。また、めっき浴温は、440
℃以下ではめっき浴の温度の変動により、凝固点(420
℃)を下回る箇所が出てくる可能性があり、操業上安定
性に欠ける。一方、480℃を超えると、加熱保持にコス
トがかかる。このため、めっき浴温は440〜480℃が好ま
しい。 【0028】(5)合金化処理 溶融亜鉛めっきされた鋼板は、その後、必要に応じて、
合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼(Galvannea
led Steel、以下GAと略記する)とすることができでき
る。合金化温度は、450℃以下だとζ相が生成しやすく
なり、GAの摺動性を損ねるおそれがあるだけでなく、
合金化に時間がかかるため生産性が低下する。また、60
0℃を超えるとΓ相が生成しやすくなり、GAのめっき
密着性の低下を招くおそれがある。このため、合金化温
度は450〜600℃が好ましい。また合金化度は、7〜15%
が適当であり、好ましくは8〜12%とするのがよい。7
%を下回ると、焼けムラによる外観劣化や、摺動性が低
下するおそれがある。逆に、15%を超えると、めっき密
着性が劣化する。 【0029】なお、鋼板の最終組織を、焼戻マルテンサ
イト、残留オーステナイトを有する複合組織とすること
が好ましい。これは、鋼板が複合組織を有すると、良好
な強度−延性バランスを示すためである。ここで、焼戻
マルテンサイトとは、焼戻し前のラス状マルテンサイト
の形態を引継いだ微細な内部構造を有する相であり、焼
戻しによって軟質化しており、十分な塑性変形能を有す
るため、高張力鋼板の延性向上には有利な相である。最
終組織として、焼戻マルテンサイトが20vol%以上含有
されると、顕著な延性向上が認められるので、焼戻マル
テンサイトは、20vol%以上含有されることが好まし
い。また、残留オーステナイトは、加工時に歪誘起変態
してマルテンサイトを生成し、局所的に加えられた加工
歪を広く分散させ、鋼板の延性を向上する作用を有する
相である。最終組織として、残留オーステナイトが2vo
l%以上含有されると、顕著な延性向上が認められるの
で、残留オーステナイトは、2vol%以上含有されるこ
とが好ましい。なお、上記焼戻マルテンサイトと残留オ
ーステナイト以外の残部は、フェライトおよび低温変態
相である。ここで、低温変態相とは、マルテンサイトお
よび/またはベイナイトである。 【0030】上記複合組織を得るためには、先に説明し
た製造工程にける一次加熱処理工程後に、冷却速度10℃
/sec以上で冷却し、また、二次加熱処理を行った後、5
00℃以下の温度まで5℃/sec以上の冷却速度で冷却す
ることが好ましい。一次加熱処理工程後の冷却速度を10
℃/sec以上とすることにより、鋼板中にラス状マルテ
ンサイトを生成させることができる。なお、ラス状マル
テンサイトを生成させるための一次加熱温度は、前述し
たように、(Ac3変態点−80℃)以上で構わない。(Ac3
変態点−80℃)未満であると、加熱中に生成するオース
テナイト量が少なくなり、ラス状マルテンサイト量を確
保できない。ラス状マルテンサイトを20vol%以上と
し、最終的に得られる焼戻マルテンサイトを20vol%以
上とするには、一次加熱温度は、(Ac3変態点−50℃)以
上とすることが好ましい。また、加熱中に十分にオース
テナイトを生成させ、ラス状マルテンサイトを確保する
ためには、保持時間は5sec以上とすることが好まし
い。 【0031】また、二次加熱処理は、上述したAc1変態
点以上Ac3変態点以下の温度範囲で行うことにより、ラ
ス状マルテンサイトが焼戻マルテンサイトとなるととも
に最終的に残留オーステナイトや低温変態相を生成する
のに必要なオーステナイトが生成する。二次加熱処理温
度がAc1変態点未満であると、オーステナイトが生成せ
ず、冷却後に残留オーステナイトや低温変態相を得るこ
とができない。逆に、Ac3変態点を超えると、焼戻マル
テンサイトの再オーステナイト化を招く。二次加熱処理
における保持時間は、焼戻しマルテンサイトおよびオー
ステナイトの生成の点からは、5sec以上120sec以下が
好ましい。加熱雰囲気は、Feにとって還元性雰囲気であ
れば問題ない。さらに、二次加熱処理後の冷却は、加熱
中に生成したオーステナイトがフェライト、パーライト
に変態するのを抑止し、最終組織として残留オーステナ
イトを確保するため、さらには、低温変態相を生成させ
て高強度化に寄与させるために、5℃/sec以上で500℃
以下まで冷却するのがよい。 【0032】 【実施例】以下、実施例を上げて本発明を具体的に説明
する。表1に示した成分組成を有する鋼スラブ(300mm
厚)を、1250℃に加熱したのち熱延し、560℃で巻取り、
酸洗し、またあるものは、その後、冷間圧延を行って、
溶融亜鉛めっき用の素材とした。熱延材にめっきを行う
場合には、1.4mmまで熱延した素材を用い、冷延後にめ
っきする場合には、2.8mmまで熱延した素材を1.4mmまで
冷間圧延した素材を用いた。これらの鋼板を、表2およ
び表3に示す条件で、一次加熱、酸洗、二次加熱および
溶融亜鉛めっきを行い、さらに必要に応じて合金化処理
を施した。一次加熱する際には、加熱後の鋼板表面を、
反射型IRスペクトル測定装置を用いて、波数が1200〜
1260cm-1の範囲と970〜1030cm-1の範囲のピーク強度を
測定し、R値(=I(SiO2)/I((Fe,Mn)2SiO4))が常に0.
3以下になるよう水素濃度と露点をフィードバック制御
した。また、一次加熱処理した鋼板について、表面酸化
量を測定した。その後、60℃の5mass%HClで酸洗した
後、CGLで二次加熱処理と溶融亜鉛めっきを行い、さ
らに必要に応じて、合金化処理を施した。めっき付着量
は、40g/m2(片面)とした。また、合金化処理条件は、5
00℃×20secとした。 【0033】 【表1】 【0034】 【表2】【0035】 【表3】 【0036】得られた鋼板のめっき密着性は、GAにつ
いては、めっき面にセロハンテープを貼り、テープ面を
90°内に曲げ、曲げ戻しをした後、テープを剥離し、こ
のテープに付着した亜鉛量を蛍光X線で測定し、表4の
基準に照らして判定し、ランク1,2のものを良好、3
以上のものを不良として評価した。また、目視判定によ
り、不めっきやめっきムラなどが有る場合は、めっき後
の外観を劣(×)、全く見られない場合を外観性良好(○)
と評価した。機械的特性の調査は、圧延直角方向に採取
したJIS 5号引張試験片を用いて、引張強さ(TS)と伸
び(El)を測定した。また、強度−延性バランスは、
(TS×El)で評価し、20000MPa・%以上を良好(○)、2
0000MPa・%未満を劣(×)とした。測定の結果を、表3に
併記して示した。実施例に供した素材は、Si,Mnの含有
量に差があり、強度レベルはいわゆる590MPa級から980M
Pa級相当のものまで含まれる。しかし、本発明範囲内の
ものはいずれも、TS×Elが20000MPa・%以上で、強
度−延性バランスに優れる。また、本発明範囲内のもの
はいずれも、めっき密着性、めっき外観とも優れてい
る。 【0037】 【表4】 【0038】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
めっき密着性、強度−延性バランスに優れた高強度(合
金化)溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能であ
る。この鋼板を採用することにより、自動車車体の軽量
化、低燃費化が可能となり、ひいては地球環境の改善に
も大きく頁献する。
性を有し、かつ複雑なプレス成形加工にも耐え得る良好
な強度−延性バランスを有する高強度溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年の自動車は、地球環境保護のため、
燃比の向上を目的として車体の軽量化が、また、衝突時
の乗員保護の観点から、車体の安全性が求められてい
る。こうした要請から、自動車に用いられる熱延鋼板及
び冷延鋼板は、高強度のものが開発されている。しか
も、高強度鋼板については、プレス成形性向上のため
に、強度−延性バランスの改善が強く望まれている。さ
らに、車体の防錆性の観点からは、耐食性に優れためっ
き鋼板であることも望まれている。 【0003】熱延鋼板および冷延鋼板を高強度化する場
合、Si,Mn等の固溶強化元素を添加するのが一般的であ
る。一方で、これらの元素(Si,Mn等)は、易酸化性元素
であり、焼鈍時に酸化して、鋼板表面にSi,Mn等の表面
濃化物(いわゆる選択酸化現象による外部酸化物)が析
出することが知られている。このため、鋼中にSi,Mn等
の元素を多量に含む場合には、焼鈍後の溶融亜鉛めっき
工程で、溶融亜鉛と鋼板表面との濡れ性が低下し、めっ
き密着性が劣化するという問題がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】高強度鋼板の加工性を
改善する方法については、例えば、特開平5-179356号公
報や特開平5-51647号公報には、熱延巻取り時に急冷し
て溶融亜鉛めっきライン(CGL)前組織を微細な複合組
織とし、その後、CGLで2相域焼鈍とめっきを行う技
術が開示されている。しかし、これらの技術では、Siが
少しでも添加されていると、めっき密着性が劣化して、
めっき剥離を生じやすいという問題があった。そのため
従来は、Si,Mn含有量が多い鋼板を母材とした溶融亜鉛
めっき鋼板では、良好なめつき密着性を得ることは事実
上不可能とされていた。 【0005】本発明の目的は、Si,Mnを多量に含んでも
なおめっき密着性に優れるとともに、強度−延性バラン
スにも優れた高強度(合金化)溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法を提案することにある。なお、本発明の溶融亜鉛め
っき鋼板の素材は、熱延鋼板、冷延鋼板の種類を問わな
い。 【0006】 【課題を解決するための手段】発明者らは、Si,Mnを多
量に含有した鋼板について、機械的特性を維持したまま
で、鋼板と溶融亜鉛との密着性を改善する条件について
鋭意検討した。その結果、鋼中のMn/Siを一定水準以上
とした組成の鋼板を、易酸化性元素の外部酸化を抑制し
かつ内部酸化を促進する高酸素ポテンシャル雰囲気で一
次加熱処理を施したのち、鋼板表面を酸洗し、その後、
溶融亜鉛めっきすることにより、めっき密着性を格段に
改善できることを見出した。 【0007】すなわち本発明は、C:0.05〜0.25mass
%、Si:0.50〜2.0mass%、Mn:1.0〜3.5mass%、Al:
0.01〜1.0mass%を含有し、Mn/Siが0.5以上である組成
の鋼板を、加熱温度(Ac3変態点−80℃)以上、H2濃
度1〜100vol%、露点−50℃〜+40℃の雰囲気中で、加
熱後の鋼板表面に生成した無定型SiO2の赤外線吸収ス
ペクトル強度I(SiO2)と(Fe,Mn)2SiO4の赤外線吸収ス
ペクトル強度I((Fe,Mn)2SiO4))との比が0.3以下となる
ように一次加熱処理を施し、次いで、酸洗減量がFe換算
で0.05〜5g/m2となるように酸洗をした後、Ac1変態
点以上Ac3変態点以下の温度範囲で二次加熱処理を施
し、その後、溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とするめ
っき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法である。 【0008】なお、本発明において、上記鋼板は、鋼中
にさらに、Cr:1.0mass%以下、Mo:1.0mass%以下、
B:0.003mass%以下、Ti:0.1mass%以下、Nb:0.1mas
s%以下、V:0.1mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Ni:
1.0mass%以下のうちから選ばれる1種以上を含有する
ことが好ましい。また、本発明においては、上記一次加
熱処理の際に、鋼板の酸化増量を片面あたり0.05g/m2
以上とすることを特徴とすることが好ましい。さらに、
本発明においては、上記溶融亜鉛めっきを施した後、さ
らに合金化処理を施すことが好ましい。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明において成分組成を
限定した理由について説明する。 C:0.05〜0.25mass% Cは、鋼板の高強度化のためには必須の元素である。ま
た、所望の組織を確保し、良好な材質を得るために不可
欠な成分である。しかし、Cが0.05mass%未満では所望
の強度が得られず、また、0.25mass%以上では溶接性の
劣化を招くため、0.05〜0.25mass%に制限する。好まし
くは、0.07〜0.18mass%である。 【0010】Mn:1.0〜3.5mass% Mnは、固溶強化による高強度化と、焼入れ性向上および
所望の組織を確保し良好な材質を得るために不可欠な成
分である。しかし、その含有量が、1.0mass%未満だと
上記の効果が不十分で、また、3.5mass%超えでは溶接
性を劣化させる。このため、Mnは、1.0〜3.5mass%の範
囲で添加する。好ましくは、1.5〜3.0mass%である。 【0011】Si:0.50〜2.0mass% Siは、固溶強化により延性を損なわずに高強度化する効
果を有する元素であり、また、所望の組織を確保し、良
好な材質を得るために不可欠な元素である。この添加量
が、0.5mass%未満では、上記効果が不十分である。し
かし、2.0mass%超えて添加した場合には、めっき密着
性を確保することが困難となる。そこで、0.50〜2.0mas
s%の範囲で添加する。好ましくは、0.6〜1.6mass%で
ある。 【0012】Al:0.01〜1.0mass% Alは、高強度化と、所望の組織を確保し良好な材質を得
るために有効な元素である。また、Alは、易酸化性であ
りながら、Siほどめっき密着性を劣化させない元素であ
る。このため、Alの添加によりSi添加量を低減でき、同
等の強度を有するSi単独添加鋼より、めっき密着性を改
善することができる。所望の効果を得るためには、最低
0.01mass%必要であるが、1.0mass%を超えるとめっき
密着性の確保が困難となる。このため、Alは0.01〜1.0m
ass%の範囲に制限する。好ましくは、0.02〜0.5mass%
である。 【0013】鋼中Mn/Si≧0.5 めっき密着性を向上するには、Mn/Siを高くすることが
有利である。この理由は、めっき直前の焼鈍時に生成す
る表面濃化物が、溶融亜鉛との濡れ性が悪いSi主体の酸
化物(SiO2)から、溶融亜鉛との濡れ性が良好なSi,Mn
複合酸化物((Fe,Mn)2SiO4)に変化するためである。さ
らに、鋼板を、連続溶融亜鉛メッキ設備(CGL)に通板
する前に、一次加熱して冷却後、鋼板表面を酸洗して括
性化する場合には、Mn/Siが高い方が、難酸洗性である
SiO2の生成が少なくなり、酸洗性が良好な(Fe,Mn)2Si
O4の生成が多くなるため、酸洗性が向上する。また同
時に、酸洗性が向上することにより、めっき工程直前の
焼鈍板表面のSi濃化が減って合金化が促進されるため、
生産性も向上する。この効果を得るには、Mn/Si≧2と
することが好ましいが、後述する一次加熱雰囲気を適当
に制御して、SiO2生成量を抑制し、(Fe,Mn)2SiO4との
生成比を調整することにより、2>Mn/Si≧0.5の領域
でもめっき密着性を安定して確保することが可能にな
る。ただし、Mn/Siが7より高くなると、相対的にSi含
有量が少なくなって、所望のミクロ組織を得ることが困
難になるため、Mn/Si≦7とすることが好ましい。 【0014】本発明においては、上記成分のほか、各種
の機械的特性を向上させるために、必要に応じて、以下
の元素を1種類以上添加することができる。 Cr:1.0mass%以下 Crは、焼入れ性を向上し、所望の組織を得るため添加す
ることができる。好ましくは、0.05mass%以上である。
しかし、1.0mass%越えて添加すると、めっき密着性が
劣化する。 Mo:1.0mass%以下 Moは、Crと同様、焼入れ性を向上し、所望の組織を得る
ために必要に応じて添加する。好ましくは、0.05mass%
以上だが、1.0mass%を越えると、コストアップにな
る。 B:B:0.003mass%以下 Bは、焼入れ性を向上し、所望の組織を得るために必要
に応じて添加する。しかし、0.003mass%を越えるとめ
っき密着性が劣化する。 【0015】Ti:0.1mass%以下、Nb:0.1mass%以下、
V:0.1mass%以下 Ti,NbおよびVは、炭窒化物形成し、析出強化により鋼
を強化するため、必要に応じて添加する。各元素とも、
それぞれ0.01mass%以上の添加が好ましいが、0.1mass
%を越えると過度に高強度化し延性が劣化する。 Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以下 CuおよびNiは、いずれもオーステナイト中に偏析する元
素であり、所望の組織と強度を得るのに有効である。そ
のほかこれらの成分は、めっき密着性も向上させる作用
があり、必要に応じてこの目的のためにも添加すること
ができる。これらの成分が、めっき密着性を向上させる
理由は明らかでないが、この効果を得るためには、それ
ぞれ、最低0.01mass%添加するのが好ましい。但し、1.
0mass%を超えて添加しても、その効果が飽和し、コス
ト的にもメリットがない。なお、以上説明した成分以外
の残部は、Feおよび不可避的不純物であることが好まし
い。 【0016】本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法は、めっき原板を熱延鋼板または冷延鋼板とし、一次
加熱処理、酸洗処理、二次加熱処理およびめっき処理工
程からなり、さらに必要に応じて合金化処理工程が付加
される。以下、各工程の条件を限定した理由について説
明する。 【0017】(1)一次加熱処理 一次加熱処理は、溶融亜鉛めっき直前の焼鈍(本発明の
二次加熱処理に相当)時に、鋼板表面の選択酸化によっ
てSi,Mn等の外部酸化物が析出し、溶融亜鉛との濡れ性
が低下し、めっき密着性が劣化するのを防止する重要な
工程である。一次加熱処理には、連続式焼鈍炉を用いる
ことが好適であるが、後述する雰囲気制御を実施できる
のであれば、これに限定されない。Si,Mnを複合添加し
た鋼板を還元性雰囲気中で加熱した際、選択酸化により
生成する酸化物は、難酸洗性である無定型SiO2および
良酸洗性である(Fe,Mn)2SiO4が主であると考えられ
る。このため、溶融亜鉛との密着性を確保するために
は、鋼板表面におけるSiO2の生成を可能な限り抑制す
る必要がある。具体的には、SiO2および(Fe,Mn)2SiO4
の比を、反射型赤外スペクトル測定装置で測定した赤外
線吸収スペクトル強度I(SiO2)と、(Fe,Mn)2SiO4の赤
外線吸収スペクトル強度I((Fe,Mn)2SiO4))との比であ
るR値を、 R(=I(SiO2)/I((Fe,Mn)2SiO4))≦0.3 となるよう制御する必要がある。R値が、0.3より大き
くなると無定型SiO2の生成量が多すぎて、酸洗性が劣
化し、めっき密着性が劣化する。R値が0.3以下であれ
ば、めっき密着性の劣化を抑えられる。 【0018】SiO2の生成は、前述した素材の成分組成
(Mn/Si)のみならず、焼鈍雰囲気(水素濃度、露点)にも
大きく依存する。Mn/Siが高い場合には、通常の露点で
も、無定型SiO2の生成が抑制される傾向があるが、Mn
/Siが低い場合には、意図的に露点を高めるなどして高
酸素ポテンシャル雰囲気で加熱することにより、無定形
SiO2の生成を抑制することができる。そのため、雰囲
気中の水素濃度、露点を適当な範囲内に制御することに
より、めっき密着性を向上することができる。 【0019】実操業における上記R値の制御は、反射型
赤外スペクトル測定装置により、on-lineで各酸化物の
生成量を常時モニタリングし、炉内雰囲気にフィードバ
ックし、水素濃度、露点を適正範囲に制御することによ
り可能である。反射型赤外スペクトル測定装置でピーク
強度を測定する場合には、無定型SiO2は、波数1230cm
-1に認められる赤外吸収スペクトルを、(Fe,Mn)2SiO4
は、波数1000cm-1に認められる赤外吸収スペクトルを用
いるのが、強度が強く明瞭に識別でき適切である。ただ
し、測定器の精度や鋼板の表面状態、Si,Mn以外の易酸
化性添加元素の複合酸化などにより、吸収スペクトルの
ピーク位置がずれる可能性もあるため、好ましくは、無
定型SiO2は波数が1200〜1260cm-1、(Fe,Mn)2SiO4は波
数が970〜1030cm-1の範囲についてピークを探して測定
するのがよい。もし、該当範囲内に複数のピークが認め
られる場合には、最も吸収強度が強いものを吸収ピーク
と判断する。なお、ピーク強度の読み方は、図1のよう
に、ピークの両端からベースラインを引き、ピーク頂点
からベースラインまでの吸光度値の差(通常は%として
与えられる)をもって吸収スペクトル強度とする。図2
に反射型赤外スペクトル測定装置により測定した典型的
なIRスペクトルとR値(=I(SiO2)/I((Fe,Mn)2Si
O4))の測定結果を示す。図中☆印がSiO2起因の、◇印
が(Fe,Mn)2SiO4起因のスペクトルである。 【0020】溶融亜鉛との濡れ性を向上させ、めっき密
着性を改善するためには、易酸化性元素の選択酸化によ
る外部酸化物の制御のほか、内部酸化を制御することも
重要である。すなわち、Mn/Siが低く、相対的にSi含有
量が多い鋼板については、露点を高めにし、一次加熱時
に母材表層領域において内部酸化を積極的に起こし、易
酸化性元素を内部酸化物として母材表層領域に固定する
ことにより、めっき直前の二次加熱時の再表面濃化を抑
制することが好ましい。そのためには、一次加熱時の母
材表層領域の酸化増量を片面あたり0.05g/m2以上とす
ることが必要である。これ以下だと酸化増量が不十分な
ため、めっき直前の焼鈍による再表面濃化を抑制できな
い。上限は特に設けないが、1g/m2を超えると酸化が
ひどく、めっき後の外観が劣化し好ましくない。 【0021】ここで、母材表層領域とは、母材表面から
100μmまでの深さのことをいう。また、内部酸化とは、
母材の結晶粒界または結晶粒内に酸化物が生成すること
をいい、母材表面に酸化物が形成されるいわゆる外部酸
化とは区別される。そして、母材表層領域の酸化増量
は、母材表層領域の酸素量を測定することにより求めら
れる。すなわち、一次加熱処理後の鋼板表面を良く脱脂
した試料について、鋼中の全酸素量を分析し、さらに、
鋼板の表裏の表層を各100μmずつ機械研磨した試料につ
いて,鋼中の全酸素量を分析し、これらの分析値より、
鋼板表層の酸化物の増分を算出し、片面の単位面積当た
りの量(g/m2)に換算することにより求められる。 【0022】母材表層領域における酸化増量を確保する
方法としては、母材(被加熱材)の熱間圧延工程におい
て、高温巻取り後の冷却中に、酸化スケールから供給さ
れる酸素で母材を内部酸化させたり、一次加熱時の炉内
雰囲気を、Feにとっては還元性であるが、Si,Mnなどの
易酸化性元素にとっては酸化性であるような、やや高露
点条件とすることにより内部酸化させることができる。
したがって、母材の成分組成、熱間圧延工程における巻
取温度、一次加熱時における炉内雰囲気の露点と、母材
表層領域の酸化増量との関係を実験的に求めておき、目
的とする酸化増量が得られる露点範囲を予め決定してお
けばよい。 【0023】上記したようにR値、好ましくはR値およ
び酸化増量を適正範囲とし、良好なめっき密着性を確保
するためには、一次加熱処理における雰囲気ガスの露点
と水素濃度を制御する必要がある。雰囲気ガス中のH2
濃度は、1〜100%が好ましい。H2が1%未満だと、表
面の括性化が不十分であり、めっき密着性を改善できな
い。また、露点は、−50℃〜+40℃の範囲が好ましい。
−50℃を下回ると、H 2Oの供給が少な過ぎて加熱時の
易酸化性元素の選択酸化が不十分となり、めっき直前の
焼鈍時における選択酸化が増加する。また、+40℃以上
では、炉体を傷める。 【0024】また、一次加熱の温度および保持時間も重
要な管理項目であり、加熱温度は、(Ac3変態点−80℃)
以上とし、保持時間は5sec以上が好ましい。加熱温度
は、選択酸化と内部酸化を起こしてめっき密着性を確保
するため、(Ac3変態点−80℃)以上とする必要がある。
また、内部酸化を起こすためには、できるだけ高温加熱
する方が、内部酸化量が多くなるため好ましい。なお、
R値を制御するために、上記条件を満足する範囲内で、
一次加熱温度を変動させても構わない。 【0025】(2)酸洗処理 一次加熱工程で生成した表面濃化物(Si,Mn等の酸化物)
を除去するため、塩酸またはその他の酸(硫酸、燐酸、
硝酸など特に種類は問わない)で酸洗し、表面を活性化
する。この時の酸洗減量が0.05g/m2未満だと、濃化物
の除去が不十分である。一方、5g/m2を超えると表面
が荒れ、めっき後の外観を損ねる。酸洗条件は特に規定
しないが、液温:60℃〜90℃、酸洗時間:1〜20secが
好ましい。 【0026】(3)二次加熱処理 連続式溶融亜鉛めっきライン(CGL)においてめっき直
前に行う焼鈍(二次加熱処理)は、Ac1変態点以上Ac3変
態点以下で行う必要がある。焼鈍温度がAc1変態点未満
だと、酸洗後に鋼板を水洗し、乾燥した時に、不可避的
に生成するFe系の薄い酸化皮膜を還元するのに不十分で
ある。逆に、Ac3変態点を超えると、めっき直前の再表
面濃化も招く。また、保持時間は、表面酸化皮膜の還元
と再表面濃化抑制のバランスをとるためには、5sec以
上120sec以下が好ましい。加熱雰囲気は、鉄にとって還
元性雰囲気であれば問題ない。 【0027】(4)溶融亜鉛めっき めっき浴中の亜鉛は、めっき層の密着性を確保するため
に、Alを0.08mass%以上含ませるのが好ましい。しか
し、0.20mass%を超えると合金化が困難になるため、上
限は0.20mass%が好ましい。また、めっき浴温は、440
℃以下ではめっき浴の温度の変動により、凝固点(420
℃)を下回る箇所が出てくる可能性があり、操業上安定
性に欠ける。一方、480℃を超えると、加熱保持にコス
トがかかる。このため、めっき浴温は440〜480℃が好ま
しい。 【0028】(5)合金化処理 溶融亜鉛めっきされた鋼板は、その後、必要に応じて、
合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼(Galvannea
led Steel、以下GAと略記する)とすることができでき
る。合金化温度は、450℃以下だとζ相が生成しやすく
なり、GAの摺動性を損ねるおそれがあるだけでなく、
合金化に時間がかかるため生産性が低下する。また、60
0℃を超えるとΓ相が生成しやすくなり、GAのめっき
密着性の低下を招くおそれがある。このため、合金化温
度は450〜600℃が好ましい。また合金化度は、7〜15%
が適当であり、好ましくは8〜12%とするのがよい。7
%を下回ると、焼けムラによる外観劣化や、摺動性が低
下するおそれがある。逆に、15%を超えると、めっき密
着性が劣化する。 【0029】なお、鋼板の最終組織を、焼戻マルテンサ
イト、残留オーステナイトを有する複合組織とすること
が好ましい。これは、鋼板が複合組織を有すると、良好
な強度−延性バランスを示すためである。ここで、焼戻
マルテンサイトとは、焼戻し前のラス状マルテンサイト
の形態を引継いだ微細な内部構造を有する相であり、焼
戻しによって軟質化しており、十分な塑性変形能を有す
るため、高張力鋼板の延性向上には有利な相である。最
終組織として、焼戻マルテンサイトが20vol%以上含有
されると、顕著な延性向上が認められるので、焼戻マル
テンサイトは、20vol%以上含有されることが好まし
い。また、残留オーステナイトは、加工時に歪誘起変態
してマルテンサイトを生成し、局所的に加えられた加工
歪を広く分散させ、鋼板の延性を向上する作用を有する
相である。最終組織として、残留オーステナイトが2vo
l%以上含有されると、顕著な延性向上が認められるの
で、残留オーステナイトは、2vol%以上含有されるこ
とが好ましい。なお、上記焼戻マルテンサイトと残留オ
ーステナイト以外の残部は、フェライトおよび低温変態
相である。ここで、低温変態相とは、マルテンサイトお
よび/またはベイナイトである。 【0030】上記複合組織を得るためには、先に説明し
た製造工程にける一次加熱処理工程後に、冷却速度10℃
/sec以上で冷却し、また、二次加熱処理を行った後、5
00℃以下の温度まで5℃/sec以上の冷却速度で冷却す
ることが好ましい。一次加熱処理工程後の冷却速度を10
℃/sec以上とすることにより、鋼板中にラス状マルテ
ンサイトを生成させることができる。なお、ラス状マル
テンサイトを生成させるための一次加熱温度は、前述し
たように、(Ac3変態点−80℃)以上で構わない。(Ac3
変態点−80℃)未満であると、加熱中に生成するオース
テナイト量が少なくなり、ラス状マルテンサイト量を確
保できない。ラス状マルテンサイトを20vol%以上と
し、最終的に得られる焼戻マルテンサイトを20vol%以
上とするには、一次加熱温度は、(Ac3変態点−50℃)以
上とすることが好ましい。また、加熱中に十分にオース
テナイトを生成させ、ラス状マルテンサイトを確保する
ためには、保持時間は5sec以上とすることが好まし
い。 【0031】また、二次加熱処理は、上述したAc1変態
点以上Ac3変態点以下の温度範囲で行うことにより、ラ
ス状マルテンサイトが焼戻マルテンサイトとなるととも
に最終的に残留オーステナイトや低温変態相を生成する
のに必要なオーステナイトが生成する。二次加熱処理温
度がAc1変態点未満であると、オーステナイトが生成せ
ず、冷却後に残留オーステナイトや低温変態相を得るこ
とができない。逆に、Ac3変態点を超えると、焼戻マル
テンサイトの再オーステナイト化を招く。二次加熱処理
における保持時間は、焼戻しマルテンサイトおよびオー
ステナイトの生成の点からは、5sec以上120sec以下が
好ましい。加熱雰囲気は、Feにとって還元性雰囲気であ
れば問題ない。さらに、二次加熱処理後の冷却は、加熱
中に生成したオーステナイトがフェライト、パーライト
に変態するのを抑止し、最終組織として残留オーステナ
イトを確保するため、さらには、低温変態相を生成させ
て高強度化に寄与させるために、5℃/sec以上で500℃
以下まで冷却するのがよい。 【0032】 【実施例】以下、実施例を上げて本発明を具体的に説明
する。表1に示した成分組成を有する鋼スラブ(300mm
厚)を、1250℃に加熱したのち熱延し、560℃で巻取り、
酸洗し、またあるものは、その後、冷間圧延を行って、
溶融亜鉛めっき用の素材とした。熱延材にめっきを行う
場合には、1.4mmまで熱延した素材を用い、冷延後にめ
っきする場合には、2.8mmまで熱延した素材を1.4mmまで
冷間圧延した素材を用いた。これらの鋼板を、表2およ
び表3に示す条件で、一次加熱、酸洗、二次加熱および
溶融亜鉛めっきを行い、さらに必要に応じて合金化処理
を施した。一次加熱する際には、加熱後の鋼板表面を、
反射型IRスペクトル測定装置を用いて、波数が1200〜
1260cm-1の範囲と970〜1030cm-1の範囲のピーク強度を
測定し、R値(=I(SiO2)/I((Fe,Mn)2SiO4))が常に0.
3以下になるよう水素濃度と露点をフィードバック制御
した。また、一次加熱処理した鋼板について、表面酸化
量を測定した。その後、60℃の5mass%HClで酸洗した
後、CGLで二次加熱処理と溶融亜鉛めっきを行い、さ
らに必要に応じて、合金化処理を施した。めっき付着量
は、40g/m2(片面)とした。また、合金化処理条件は、5
00℃×20secとした。 【0033】 【表1】 【0034】 【表2】【0035】 【表3】 【0036】得られた鋼板のめっき密着性は、GAにつ
いては、めっき面にセロハンテープを貼り、テープ面を
90°内に曲げ、曲げ戻しをした後、テープを剥離し、こ
のテープに付着した亜鉛量を蛍光X線で測定し、表4の
基準に照らして判定し、ランク1,2のものを良好、3
以上のものを不良として評価した。また、目視判定によ
り、不めっきやめっきムラなどが有る場合は、めっき後
の外観を劣(×)、全く見られない場合を外観性良好(○)
と評価した。機械的特性の調査は、圧延直角方向に採取
したJIS 5号引張試験片を用いて、引張強さ(TS)と伸
び(El)を測定した。また、強度−延性バランスは、
(TS×El)で評価し、20000MPa・%以上を良好(○)、2
0000MPa・%未満を劣(×)とした。測定の結果を、表3に
併記して示した。実施例に供した素材は、Si,Mnの含有
量に差があり、強度レベルはいわゆる590MPa級から980M
Pa級相当のものまで含まれる。しかし、本発明範囲内の
ものはいずれも、TS×Elが20000MPa・%以上で、強
度−延性バランスに優れる。また、本発明範囲内のもの
はいずれも、めっき密着性、めっき外観とも優れてい
る。 【0037】 【表4】 【0038】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
めっき密着性、強度−延性バランスに優れた高強度(合
金化)溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能であ
る。この鋼板を採用することにより、自動車車体の軽量
化、低燃費化が可能となり、ひいては地球環境の改善に
も大きく頁献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の読み
方を示す図である。 【図2】 典型的な赤外吸収スペクトルを示す図であ
る。
方を示す図である。 【図2】 典型的な赤外吸収スペクトルを示す図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C23C 2/28 C23C 2/28
8/14 8/14
Fターム(参考) 4K027 AA05 AA23 AB05 AB06 AB44
AC12 AC73 AE33
4K037 EA01 EA02 EA05 EA06 EA11
EA13 EA15 EA16 EA17 EA19
EA20 EA27 EA28 EA31 EA32
EB07 EB09 EB12 FH01 GA05
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 C:0.05〜0.25mass%、Si:0.50〜2.0m
ass%、Mn:1.0〜3.5mass%、Al:0.01〜1.0mass%を含
有し、Mn/Siが0.5以上である組成の鋼板を、加熱温度
(Ac3変態点−80℃)以上、H2濃度1〜100vol%、露
点−50℃〜+40℃の雰囲気中で、加熱後の鋼板表面に生
成した無定型SiO2の赤外線吸収スペクトル強度I(Si
O2)と、(Fe,Mn)2SiO4の赤外線吸収スペクトル強度I
((Fe,Mn)2SiO4))との比が0.3以下となるように一次加
熱処理を施し、次いで、酸洗減量がFe換算で0.05〜5g
/m2となるように酸洗をした後、Ac1変態点以上Ac3変
態点以下の温度範囲で二次加熱処理を施し、その後、溶
融亜鉛めっきを施すことを特徴とするめっき密着性に優
れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 【請求鋼2】上記鋼板は、上記成分に加えてさらに、C
r:1.0mass%以下、Mo:1.0mass%以下、B:0.003mass
%以下、Ti:0.1mass%以下、Nb:0.1mass%以下、V:
0.1mass%以下、Cu:1.0mass%以下、Ni:1.0mass%以
下のうちから選ばれる1種以上を含有することを特徴と
する請求項1に記載のめっき密着性に優れた高強度溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。 【請求鋼3】上記一次加熱処理の際に、鋼板の酸化増量
を片面あたり0.05g/m2以上とすることを特徴とする請
求項1または2に記載のめっき密着性に優れた高強度溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 【請求鋼4】上記溶融亜鉛めっきを施した後、さらに合
金化処理を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か1項に記載のめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP2002075701A JP2003277902A (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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| JP2003277902A true JP2003277902A (ja) | 2003-10-02 |
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| JP (1) | JP2003277902A (ja) |
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-
2002
- 2002-03-19 JP JP2002075701A patent/JP2003277902A/ja active Pending
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