JP2003278997A - ガス貯蔵装置 - Google Patents

ガス貯蔵装置

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JP2003278997A
JP2003278997A JP2002085032A JP2002085032A JP2003278997A JP 2003278997 A JP2003278997 A JP 2003278997A JP 2002085032 A JP2002085032 A JP 2002085032A JP 2002085032 A JP2002085032 A JP 2002085032A JP 2003278997 A JP2003278997 A JP 2003278997A
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gas storage
pressure
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JP2002085032A
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Mamoru Inoue
衞 井上
Tsutomu Sugiura
勉 杉浦
Katsumi Kaneko
克美 金子
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のガス貯蔵装置と比較して格段に優れた
特性を有するガス貯蔵装置を提供する。 【解決手段】 貯蔵されるガスに関する吸脱着等温線が
ヒステリシスループを示す化合物を収納してなるガス貯
蔵装置によって上記課題は解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタンクなどの
ガス貯蔵装置に関し、より詳しくは、吸脱着等温線がヒ
ステリシスループを示す材料を用いることにより、貯蔵
性能、安全性、形状自由度などの各種特性の向上が達成
されたガス貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスを貯蔵する技術としては、単なる
加圧により体積を圧縮して高圧でボンベに充填する方
法、冷却により液化して断熱容器に充填する方法、
アセチレンの場合に使用されるような、溶剤に溶解して
ボンベに充填する方法等が知られている。
【0003】しかしながら、これらの方法は、下記のよ
うな問題点を有している。
【0004】上記の方法は、高圧にするための特殊な
加圧装置を必要とするため、設備コストの高騰を招来す
る。また、貯蔵されるガスの圧力が極めて高いため、安
全性に充分配慮する必要が生じる。その上、高圧に耐え
る性能を確保するために容器の形状が制約され、また、
耐圧性を高めるためにガス貯蔵装置の質量が大きくなら
ざるを得ない。例えば、天然ガス自動車の燃料貯蔵タン
クにおいては、充分な燃料を貯蔵させるためには200
気圧程度の高圧状態にまで加圧させる必要があり、タン
ク構造体に均一に圧力がかかるようにタンク形状を調整
する必要が生じる。また、200気圧もの高圧力に耐え
うる材料でタンクを構成する必要が生じる。上記の方
法は、液化するために特殊な圧縮装置および冷却装置を
必要とするため、設備コストの高騰を招来する。また、
液化ガスを保存する容器も保温性能を確保するために特
殊な構造のものを用いる必要がある。上記の方法は、
ガスを取り出す際に、溶剤の容器のコンタミネーション
が生じる上に、溶剤が存在する分だけ搬送質量が大きく
なる。また、特殊なガスにしか使用できないといった欠
点も有する。近年においては、水素を貯蔵するために水
素吸蔵合金の開発も盛んであるが、高価な材料を必要と
し、吸蔵能力もまだ充分なものとは言い難い。
【0005】このような状況に鑑みて、ガス成分の吸脱
着特性を有する化合物を用いたガス貯蔵装置の開発がな
されている。特開平9−227571号公報には、[C
o(4,4’−bpy)1.5(NO32]nなどの組成式
を有する金属錯体を収納したガス貯蔵装置が開示されて
いる。このような金属錯体は、結晶構造中に空間を有
し、その空間の大きさと構成成分の特性に応じて種々の
ガス成分を吸着・貯蔵しうるものであることが解明され
つつあり、比較的低い圧力でのガスの貯蔵が可能にな
る。しかしながら、ガス貯蔵装置として充分に満足でき
るものには未だ至っておらず、さらに優れた特性を有す
るガス貯蔵装置の開発が希求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事項に鑑
み、従来のガス貯蔵装置と比較して格段に優れた特性を
有するガス貯蔵装置を提供することを目的とする。具体
的には、高圧設備を必要とせずとも多量のガスを貯蔵で
き、安全性や形状自由度にも優れるガス貯蔵装置を提供
することを目的とする。また本発明は、前記ガス貯蔵装
置を搭載してなる車両を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、従来と全く異なる吸脱
着特性を有する化合物を用いることによって、上記課題
の根本的な解決が可能であることを見出した。従来のガ
ス貯蔵装置に使用されていた化合物は、基本的にLan
gmuirの等温式θ=KpA/(1+KpA)に従った
挙動を示すものが用いられていた。本発明者らは、La
ngmuirの等温式に従った挙動を示さず、ガス圧力
−ガス吸着量カーブがヒステリシスループを示す化合物
を用いることによって従来型のものとは根本的に特性が
異なるガス吸着装置を得ることができることを見出し本
発明を完成させた。
【0008】ガスに関する吸脱着等温線がヒステリシス
ループを示す化合物(以下、便宜上「ヒステリシス化合
物」とも記載する)を用いることによって本発明の効果
が得られるが、本発明の効果を得るためには、ヒステリ
シスループを示すのであれば、その原理については特に
限定されるものではない。ヒステリシスループを示す原
理の一つとしては、分子レベルでの弁構造を吸着材の内
部に多数持つことが思料される。これをナノモレキュラ
ーバルブ型吸着材と呼び従来の吸着材と区別する。従来
の吸脱着材には多くの細孔が存在し、その細孔内にガス
分子が吸着される。ナノモレキュラーバルブ型吸着材も
同様にガス分子が吸着する細孔を数多く有するが、細孔
内に出入りする際に分子レベルの弁構造が存在すると考
えられる。このため、ガス分子は所定の運動エネルギー
を持たないと分子レベルの弁構造を通り抜けられない。
分子レベルの弁構造としては結合力が緩い水素結合から
なる弁が挙げられ、これは小さな磁石のようにくっつい
たり離れたりすることが可能であるため、所定の運動エ
ネルギーを持つガス分子のみが通過することができる。
このナノモレキュラーバルブを分子構造的に変化させる
ことによって、ガス分子の通過を制御することが可能と
なる。このナノモレキュラーバルブ構造が存在すると、
ある圧力で吸着したガス分子は、ナノモレキュラーバル
ブ構造によって細孔内に保持され、圧力を下げても細孔
内から脱着できない。このため、ガス圧力−ガス吸着量
カーブに関するヒステリシスループが発現すると推察で
きる。したがって、ナノモレキュラーバルブ構造を弱い
ものから強いものまで種々変化させることによって、所
望のヒステリシスループを持つ特殊な吸着材を調製する
ことが可能である。
【0009】上記知見に基づき完成された本発明の具体
的構成は以下の通りである。
【0010】本発明は、貯蔵されるガスに関する吸脱着
等温線がヒステリシスループを示す化合物を耐圧容器内
部に収納してなるガス貯蔵装置である。
【0011】また前記貯蔵されるガスは、炭化水素ガ
ス、酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、アルゴンお
よび水素からなる群より選択される1または2以上のガ
スであることが好ましい。
【0012】また前記化合物は、金属錯体であることが
好ましい。
【0013】また前記金属錯体は、銅、コバルト、ニッ
ケルまたは亜鉛を金属イオンとして含むことが好まし
い。
【0014】また前記金属錯体は、ピラジン、4,4’
−ビピリジン、トランス−1,2−ビス(4−ピリジ
ル)エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4−ジ
シアノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4
−ビス(4−ピリジル)ベンゼンの1種以上を配位子と
して含むことが好ましい。
【0015】また前記金属錯体は、[Cu(bpy)
(BF42(H2O)2・(bpy)]n(式中、bpyは
4,4’−ビピリジンを表す)で表されることが好まし
い。
【0016】また本発明は、前記記載のガス貯蔵装置を
搭載してなる車両である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガス貯蔵装置につ
いて詳細に説明する。まず、ヒステリシス化合物を用い
たガス貯蔵装置の優位性を、図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明に係るガス貯蔵装置に収納される化
合物の圧力−吸着量の関係を示すグラフである。図2
は、従来型のガス貯蔵装置に収納される化合物の圧力−
吸着量の関係を示すグラフである。図中、横軸はガス圧
力を示し、縦軸は化合物1gあたりのガス吸着量を示
す。
【0018】従来型のガス貯蔵装置においては、ガス圧
力の増加に従ってガス吸着量も増加し、吸着の際の圧力
−吸着量カーブと、脱着の際の圧力−吸着量カーブとは
一致する(図2)。例えば、ガス貯蔵装置に吸着させる
吸着量をA1にする場合には、ガス圧力をp1にまで加圧
する必要がある。ガス圧力とガスの貯蔵量とは図2の関
係にあるため、ガス貯蔵量を増加させるためには、ガス
圧力をどんどん大きくする必要がある。
【0019】これに対し、本発明に係るガス貯蔵装置に
おいては、ガス吸着の際の圧力−吸着量カーブがヒステ
リシスループを示す(図1)。このような特性を有して
いる場合、搬送中や保存中の圧力を劇的に低減させるこ
とが可能である。説明の都合上、圧力p1におけるガス
吸着量がA1である化合物を想定して説明すると、ガス
吸着量をA1にするためには、ガス貯蔵装置に加える圧
力をp1にまで上昇させる必要がある。しかしながら、
本発明に係るガス貯蔵装置においては、圧力−吸着量カ
ーブがヒステリシスループを描くため、圧力をp1から
減少させた場合であっても図2に示す従来技術と異な
り、急激にガス吸着量が減少しない。例えばガス吸着量
1の95%を維持すればよいとすると、図1に示す圧
力−吸着量カーブを示す化合物を備えた本発明のガス貯
蔵装置においては、ガス圧力をP1からP3へと大きく低
下させることが可能である。これに対して従来の吸着材
を備えたガス貯蔵装置においては、図2に示すようにガ
ス圧力は、P1からP5へと僅かに低下させ得るに過ぎな
い。このように本発明のガス貯蔵装置にあっては、搬送
時や貯蔵時のガス圧力を減少させることが可能となる。
【0020】また、ガス貯蔵時のガス圧力を低下させる
ためには、ガス吸着温度をT1からT2に下げることが有
効である。これにより、ガス吸着量A1を得るためのガ
ス圧力をP1からP2に低下させることができる。低温T
2で多量のガスを保持させた後に、より高温T1に温度を
上昇させても、ガス分子は放出されずに貯蔵タンク内に
ガスを保持することが可能である。この場合、吸着する
ガスを冷却するため貯蔵タンク全体を冷却してもよい。
この効果は、融点が低いガスを貯蔵する際には、好都合
である。例えば、融点が−162℃以下であるLNGな
どを貯蔵する場合には、貯蔵タンクを冷却して吸着圧力
を低下させることが有効である。
【0021】搬送時や貯蔵時のガス圧力を減少させ得る
ことに起因する効果としては、形状自由度の向上がまず
挙げられる。従来の貯蔵タンクにおいては、貯蔵時の圧
力を維持しなくてはガス吸着量を高く維持できない。し
かしながら、本発明の貯蔵タンクにおいては、圧力を低
下させても充分なガス吸着量を維持できる。このため、
容器の耐圧性を低くすることができ、ガス貯蔵装置の形
状をある程度自由に設計することができる。この効果
は、例えば自動車用のガス貯蔵装置においては絶大であ
る。従来型のガス貯蔵装置においては、ガス貯蔵装置の
形状は車両の形状とは無関係に決定されてしまう。この
ため、必然的に相当量のデッドスペースが生じることに
なる。また、高圧を保つために特別な装置が必要ともな
る。この点、本発明のガス貯蔵装置は上述のように耐圧
性に関する制約が緩くなるため、形状をある程度自由に
設計できる。具体的には、車両における車輪やシートな
どの形状にフィットするようにガス貯蔵装置の形状を調
節することが可能となる。その結果、車両の小型化、荷
物スペースの確保、車両の軽量化による燃費向上などの
各種実利が得られる。
【0022】吸脱着等温線のヒステリシスループは、搬
送時・保存時に圧力を低減させても、充分なガス吸着量
を維持するためには、脱着時の圧力−吸着量カーブが一
定の範囲において圧力軸に略水平に推移することが好ま
しい。すなわち、貯蔵タンクの保持圧力(図1における
3)は低圧であるほど好ましいといえる。具体的に
は、ガス吸着時の圧力p0における吸着量をA0とした時
に、吸着量が0.95A 0となる圧力が0.7p0以下で
あることが好ましく、0.6P0以下であることがより
好ましく、0.5P0以下であることがさらにより好ま
しく、0.3P0以下であることが特に好ましい。な
お、上記規定において「吸着時の圧力」とは、ガス貯蔵
装置を使用する際に実際的に使用される圧力をいう。吸
着時の圧力P0は、特に限定されるものではないが、低
圧であるほど装置のコストや安全性の点からは好まし
い。
【0023】本発明のガス貯蔵装置に収納される、ヒス
テリシス化合物は、このような特性を有しているもので
あれば、特に限定されるものではない。2以上の化合物
を併用してもよい。実際に使用する化合物を選択するに
際しては、貯蔵させるガスや吸着時に必要となる圧力に
応じて選択すればよい。特に限定されるものではない
が、充分な量のガスを吸蔵させることを考慮すれば、金
属錯体を好適な例として挙げることができる。金属錯体
に含まれる金属イオンとしては、銅、コバルト、ニッケ
ル、亜鉛などを挙げることができる。ガス貯蔵装置には
2種以上の錯体を収納してもよい。
【0024】前記金属錯体に含まれる配位子も、特に限
定されるものではなく、例えば、ピラジン、4,4’−
ビピリジン、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)
エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4−ジシア
ノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4−ビ
ス(4−ピリジル)ベンゼンなどを用いることができ
る。
【0025】上述した、ヒステリシス化合物をタンク等
の容器に収納することによって、ガス貯蔵装置とするこ
とができる。タンク等の容器の構成や材料は従来公知の
技術を用いることができ、特に限定されるものではな
い。例えば、バルブ制御によってガスの出入りを制御で
きる金属製容器などを用いることができる。例えば、金
属製の薄肉容器の外面に単位密度当たりの強度に優れる
炭素繊維強化プラスチック材を巻き付けたものを用いる
ことができる。容器にはガス貯蔵装置の内圧を制御する
ための調整弁を備えておけば、ガス貯蔵装置からガスを
放出させる際に調整弁を活用することができる。
【0026】ヒステリシス化合物の具体例としては、
[Cu(bpy)(BF42(H2O) 2・(bpy)]n
(式中、bpyは4,4’−ビピリジンを表す。以下同
じ。)で表される金属錯体を挙げることができる。他の
具体例としては、[Cu(bpy)(BF42(H2O)
4・(bpy)]nなどを挙げることができる。
【0027】また、同じ成分であっても、合成後に20
0〜600℃に予熱することによって、水素結合による
ナノモレキュラーバルブの構造を変化させてヒステリシ
スループの形状を変えることも可能である。
【0028】本発明のガス貯蔵装置に貯蔵されるガス
は、特に限定されるものではないが、炭化水素ガス、酸
素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、アルゴン、水素な
どが挙げられる。炭化水素ガスとしては、メタン、エタ
ン、プロパン、イソプロパン、メチルプロパン、プロペ
ン、ブタン、イソブタン、ブテンなどが挙げられる。L
NGなどのように複数の炭化水素ガスの混合物であって
もよい。低温でガスを貯蔵することによって、貯蔵時の
圧力を低下させるためには、LNGなどの融点が低いガ
スが好ましい。
【0029】続いて、本発明のガス貯蔵装置の製造方法
について説明する。
【0030】まず、本発明のガス貯蔵装置に収納される
ヒステリシス化合物を調製する。化合物の調製方法は化
合物によって異なるものであり、一義的に決定できるも
のではないが、ここでは、[Cu(bpy)(BF42
(H2O)2・(bpy)]nを合成する場合を例にとり説
明する。
【0031】まず、4,4’−bipyridine
(以下bpyと略記)のアニリン溶液を還流しながら、
銅(II)テトラフルオロボレート水和物を含む水溶液を
添加する。生じた析出物を濾過し、ジエチルエーテルの
蒸気を、窒素流を用いて母液中に拡散させ、母液を室温
で数日間保存する。続いて、濾過により析出物を得て、
減圧下で数時間乾燥させる。このような作業により、目
的物を得ることができる。しかしながら、上記方法に限
定されるものでは勿論なく、各種方法を用いて合成して
もよいことは言うまでもない。
【0032】得られたヒステリシス化合物は、ガス貯蔵
装置を構成する耐圧容器に収納される。ヒステリシス化
合物の収納方法は、耐圧容器中への充填などの公知手法
を用いることができ、特に限定されるものではない。ヒ
ステリシス化合物の収納量は、ガス貯蔵装置に求める吸
着能力に応じて決定すればよい。耐圧容器の形状や材質
は特に限定されるものではない。本発明のガス貯蔵装置
は、従来型のものと比較して、同じ貯蔵量を確保するた
めには、より低圧で構わないため、特別な耐圧構造を設
けずともよい。この点で、コスト的に優位性があるとい
える。
【0033】ヒステリシス化合物が粉末状である場合に
は、ガス貯蔵装置を構成する容器に収納しようとする
と、うまく充填できない恐れがある。形状自由度の高い
タンクを用いる場合には特にこの問題が顕著となる恐れ
がある。この場合には、粉体を錠剤形状にして収納した
り、活性炭やゼオライトなどの多孔質材料に粉体を充填
した錠剤形状のものを収納したりしてもよい。多孔質材
料を用いる場合には、通気性が向上し、ガスの貯蔵が促
進される利点も有しうる。また、これらのように錠剤形
状の物を用いる場合には、取扱性に優れ、老朽化した化
合物を交換する際などに非常に便利である。
【0034】本発明に係るガス貯蔵装置にガスを吸着お
よび脱着させるには、温度の制御および/または圧力の
制御が有効である。ガスを吸着させるには、収納されて
いる化合物固有の吸脱着等温線を考慮して所望するガス
をガス貯蔵装置内部に注入する。ガスの注入は、コンプ
レッサー等の公知技術を用いて行うことができる。この
際に、圧力制御と併せて温度制御を行ってもよい。ガス
貯蔵装置からガスを取り出すにはガス貯蔵装置に備えら
れた調整弁などの圧力制御手段を用いてガス貯蔵装置の
内圧を減少させる。吸着材として作用する化合物の温度
制御は、加熱や冷却によってガス貯蔵装置に物理的破壊
が生じたり、吸着材として作用する化合物が化学反応を
起こしたりしないように留意して行う必要がある。これ
らの現象が生じない範囲であれば、変化させる温度範囲
は特に限定されるものではない。
【0035】上記記載したガス貯蔵装置は、これらに限
定されるものではないが、業務用ガスタンク、民生用ガ
スタンク、車両用燃料タンクなど各種の適用用途を有す
る。この中では、燃料タンクとして車両に搭載すること
が好ましい。本発明のガス貯蔵装置は、形状自由度に優
れるため、車両の形状に適合するようにタンク形状を製
造することにより、車体の簡素化・軽量化が図れる。
【0036】また、従来においては、ガス貯蔵装置に燃
料を貯蔵するためには、高圧設備が必要であった。しか
しながら、本発明のガス貯蔵装置は、比較的低圧でガス
を貯蔵することができ、場合によっては、民生用ガス設
備を用いてガスを貯蔵することも可能である。このよう
な利点は、新たなインフラの構築を必要としないため、
天然ガス自動車等の汎用化に関して、多大な貢献をする
ものと考えられる。
【0037】
【実施例】<合成例1:[Cu(bpy)(BF4)2(H2O)2(bpy)]n
の合成>0.08Mの4,4’−ビピリジンを含むアセ
トニトリル溶液(50ml)を還流させながら、0.4
Mの銅(II)テトラフルオロボレート水和物水溶液(5
0ml)を添加した。これにより、僅かにグレーがかっ
た析出物を含む溶液を得た。この析出物は、77Kにお
けるN2の吸着により細孔構造を有さないことが示され
た。この水溶液を濾過した後、ジエチルエーテルの蒸気
を、体積が150mlになるまで窒素気流を用いて母液
中に拡散させた。続いて、この母液を数日間室温で保存
して析出物を得た。これを濾過し、10-3Pa以下の減
圧下において4時間乾燥することにより、目的物である
[Cu(bpy)(BF42(H2O)2(bpy)]n
を得た。
【0038】<実施例1>合成例1で得られた[Cu
(bpy)(BF42(H2O)2(bpy)]nを、を
直方体の圧力タンク(1m×1.4m×10cm×2
基;0.28m3;SUS304肉厚2mm)に充填し
た。これをガス貯蔵タンク1として、図3に示す天然ガ
ス自動車に設置した。
【0039】都市ガスのパイプラインを1段のコンプレ
ッサー3に導入して、5MPaまで昇圧し、バッファー
タンク2を通して圧力タンク1に都市ガスを貯蔵させ
た。5分の充填時間でタンク容積0.28m3の180
倍である50m3の都市ガスが吸着された。続いて、コ
ンプレッサー3を停止させて、2MPaにまで減圧し
た。吸着材としてヒステリシス化合物を用いているた
め、2MPaにまで減圧しても、タンク内には45m3
の都市ガスが吸蔵されたままであった。
【0040】<比較例1>炭素繊維/エポキシ樹脂コン
ポジットの高圧タンク(直径0.6m×長さ1mm;
0.28m3)をガス貯蔵タンク6として、図4に示す
ように天然ガス自動車に設置した。
【0041】実施例1と同様に、都市ガスのパイプライ
ンを用いて都市ガスの貯蔵を試みたが、充分な量の都市
ガスを貯蔵するためには、160atm(=162MP
a)もの圧力を必要とするため、コンプレッサー4は4
段で圧縮する大型コンプレッサーを必要とした。また、
バッファータンク5は鉄製の高圧ボンベが必要であっ
た。さらに、図3の場合と比較して、ガス貯蔵タンク6
は高圧であるため、トランクルームを殆ど占有してしま
うことになり、バルブ、配管など全ての設備が高圧仕様
である必要があった。
【0042】
【発明の効果】上記説明したように、本発明に係るガス
貯蔵装置は、ヒステリシス化合物を吸着材として収納し
ているため、高圧設備を必要とせずとも、大量のガスを
貯蔵可能である。また、比較的低圧で大量のガスを貯蔵
可能なため、安全性や形状自由度にも優れる。このよう
な特性を有するガス貯蔵装置は、車両の形状に適合する
ようにタンク形状を製造することにより、車体の簡素化
・軽量化が図れる。このため、水素ガスや天然ガスなど
を貯蔵させてこれを燃料源として用いることにより、燃
料電池自動車や天然ガス自動車の燃費向上や小型化を促
進でき、これらの車両の汎用化を促進させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス貯蔵装置に収納されるヒステリ
シス化合物のガス吸着量とガス圧力との関係を示す概略
図である。
【図2】 従来型のガス貯蔵装置に収納される化合物の
ガス吸着量とガス圧力との関係を示す概略図である。
【図3】 本発明のガス貯蔵装置を設置した自動車とガ
ス供給システムとを示す概略図である。
【図4】 従来型のガス貯蔵装置を設置した自動車とガ
ス供給システムとを示す概略図である。
【符号の説明】
1 ガス貯蔵装置としてのガス貯蔵タンク 2 バッファータンク 3 コンプレッサー(1段) 4 コンプレッサー(4段) 5 バッファータンク(高圧ボンベ装備) 6 ガス貯蔵装置としてのガス貯蔵タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 克美 千葉県市原市青葉台6−25−1 Fターム(参考) 3E072 EA01 4H048 AA01 AB83 VA56 VB10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯蔵されるガスに関する吸脱着等温線が
    ヒステリシスループを示す化合物を耐圧容器内部に収納
    してなるガス貯蔵装置。
  2. 【請求項2】 前記貯蔵されるガスは、炭化水素ガス、
    酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、アルゴンおよび
    水素からなる群より選択される1または2以上のガスで
    あることを特徴とする請求項1に記載のガス貯蔵装置。
  3. 【請求項3】 前記化合物は、金属錯体であることを特
    徴とする請求項1または2に記載のガス貯蔵装置。
  4. 【請求項4】 前記金属錯体は、銅、コバルト、ニッケ
    ルまたは亜鉛を金属イオンとして含むことを特徴とする
    請求項3に記載のガス貯蔵装置。
  5. 【請求項5】 前記金属錯体は、ピラジン、4,4’−
    ビピリジン、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)
    エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4−ジシア
    ノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4−ビ
    ス(4−ピリジル)ベンゼンの1種以上を配位子として
    含むことを特徴とする請求項3または4に記載のガス貯
    蔵装置。
  6. 【請求項6】 前記金属錯体は、[Cu(bpy)(B
    42(H2O)2・(bpy)]n(式中、bpyは4,
    4’−ビピリジンを表す)で表されることを特徴とする
    請求項3に記載のガス貯蔵装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のガ
    ス貯蔵装置を搭載してなる車両。
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