JP2003282436A - 基板の熱処理装置 - Google Patents

基板の熱処理装置

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JP2003282436A
JP2003282436A JP2002082921A JP2002082921A JP2003282436A JP 2003282436 A JP2003282436 A JP 2003282436A JP 2002082921 A JP2002082921 A JP 2002082921A JP 2002082921 A JP2002082921 A JP 2002082921A JP 2003282436 A JP2003282436 A JP 2003282436A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】基板上のシリコン膜を十分に均一に熱処理する
ことが可能な装置寿命の改善された熱処理装置を提供す
る。 【解決手段】熱処理室65内には、フラッシュ加熱手段
80と予備加熱手段90がガラス基板Wを挟んで上下に
配設されている。予備加熱手段90は、ガラス基板Wを
摂氏200度乃至摂氏400度に予備加熱するためのも
のである。予備加熱されたガラス基板Wは、キセノンフ
ラッシュランプ81の閃光照射により熱処理される。閃
光照射することで、ガラス基板W上の非晶質シリコン膜
は均一に加熱され、その結果、多結晶化される。キセノ
ンフラッシュランプ81は閃光照射で予備加熱手段90
が晒されないように閃光照射の仮想線L1より外れて配
置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を照射すること
により物質の特性改善を行う基板の熱処理装置に関し、
半導体基板並びに液晶表示装置用の薄膜トランジスタ
(TFT)等の製造時、非晶質シリコン膜を多結晶化す
る際に用いて特に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】高解像度ディスプレイ用として、スイッ
チング素子に多結晶シリコン薄膜トランジスタ(TF
T)を用いた小型、高精細のアクティブマトリスク型液
晶表示(LCD)パネルが開発されている。LCDのア
クティブエレメントに多結晶シリコンTFTを用いる
と、同一透明絶縁基板上に画素アレイ部と駆動アレイ部
とを同一プロセスで作製できるため、ワイヤーボンディ
ングや駆動ICの実装等の工程を削減できる利点があ
る。
【0003】多結晶シリコンTFTは、絶縁表面を有す
る基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数十〜数百nm
程度)を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する
技術である。TFTは特にLCDのスイッチング素子と
した場合、駆動回路は数百kHz以上の駆動周波数を要
するため、駆動回路を構成するためには活性層として多
結晶珪素膜(ポリシリコン膜)を利用したTFTが必要
とされる。
【0004】従来から結晶性の高いポリシリコン膜を作
製するためには高温アニールが必要とされていた。この
様なポリシリコン膜は高温ポリシリコンと一般的に呼ば
れている。高温ポリシリコン膜を形成するためには10
00℃近いプロセス温度に耐えうる高い耐熱性を有する
基板が必要であり、そういった理由から現状では石英基
板(場合によってはシリコン基板)が用いられている。
【0005】しかしながら、石英基板は単価が高く、製
造コストの増加、しいては製品コストの増加という問題
を抱えている。そのため、最近では安価なガラス基板上
に形成される低温ポリシリコン膜が注目されている。こ
の低温化技術は、プロセス温度を600℃以下まで下げ
たもので、この温度領域であれば、安価で大面積のハー
ドガラス基板を使えるため、駆動回路一体型の大型LC
Dやより低コストの小型LCDが実現できる。
【0006】しかし、この温度領域で高性能のポリシリ
コンTFTを作ることは技術的に容易でなく、非晶質シ
リコン薄膜或いはポリシリコン薄膜にシリコンをイオン
注入して非晶質化したものに光を照射して多結晶化する
熱処理法がある。例えば、ガラス基板上に下地膜となる
絶縁膜としてSiO(酸化シリコン)膜を形成し、該
SiO膜上に非晶質のアモルファスシリコン膜を減圧
CVD(Chemical Vapor Deposition=化学蒸着)に
より形成し、レーザーアニール処理、固相成長処理、ラ
ンプアニール処理等の熱処理工程により、アモルファス
シリコン膜を結晶化させることにより、ポリシリコン膜
を形成する。
【0007】そして、このポリシリコン膜に対し、ドナ
ーやアクセプタを所定量ドープすることにより、チャン
ネル形成用領域、ドレイン領域等を形成する。更に、ゲ
ート絶縁膜、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、
層間絶縁膜等を形成することにより、薄膜トランジスタ
を形成し、当該薄膜トランジスタを含む半導体装置を製
造する。
【0008】さらに、結晶化されたポリシリコン膜にリ
ンやボロン等の不純物がドーピングされた構造の場合、
光照射処理がドーピング工程で打ち込まれた不純物の活
性化、および膜の界面の改質を目的として施される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。前述した従来の光照射熱処理方式では、液晶ガラ
スTFT基板の大型化に対応して光源と大型基板を相対
移動させて、光源による光照射領域を大型基板が通過す
ることで基板全面の光照射処理を行うものが特開200
1−110738号公報として提案されている。この結
果、大型基板の処理を連続的に行うことができる利点が
ある。また、光源により基板を加熱するに先立って、予
備加熱手段により基板を予備加熱する熱処理装置が開示
されている。そして、上述した熱処理装置に使用される
予備熱手段としては、ランプ等の光源が使用される。一
方、光源としてはフラッシュランプ等を使用して基板の
表面に閃光を照射することにより、シリコン膜のみ短時
間に昇温させることが考えられる。
【0010】しかしながら、閃光を使用して基板の表面
を昇温させる構成を採用した場合、基板を透過した閃光
や輻射熱により、結果として予備加熱手段のランプのフ
ィラメントが焼けたり、劣化を生じてしまう結果とな
る。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、安定して動作可能な基板の熱処理装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するために、本発明は、基板に光を照射す
ることにより基板を熱処理する熱処理装置において、前
記基板の裏面側に配置され、前記基板に対して集光器を
介して光照射により生成された光照射領域で予備加熱す
る予備加熱手段と、前記基板の表面側に配置され、前記
基板があらかじめ設定した予備加熱温度まで昇温した後
に、前記基板の表面で前記予備加熱手段による光照射領
域と同じ位置に対して集光器を介して閃光により照射す
ることで、予備加熱された前記基板を処理温度まで昇温
させるフラッシュ加熱手段と、を備え、前記予備加熱手
段と前記フラッシュ加熱手段を、前記光照射領域におけ
る垂線に対して同方向に傾斜させて配置したことを特徴
とする基板の熱処理装置である。
【0013】本発明の作用は次のとおりである。請求項
1に係る発明の基板熱処理装置においては、基板が予備
加熱工程により昇温されており、閃光照射により処理温
度まで加熱される。この閃光は予めガラス基板が加熱さ
れているため、さほど高いエネルギーを必要としない。
また、予備加熱手段とフラッシュ加熱手段は基板上の光
照射領域における垂線に対して同方向に傾斜させて配置
される。その結果、フラッシュ加熱手段により閃光の大
部分が予備加熱手段に至ることが防止される。よって、
予備加熱手段が閃光により劣化することがない。
【0014】請求項2に係る発明は、基板に光を照射す
ることにより基板を熱処理する熱処理装置において、前
記基板の裏面側に配置され、前記基板に対して集光器を
介して光照射により生成された光照射領域で予備加熱す
る予備加熱手段と、前記基板の表面側に配置され、前記
基板があらかじめ設定した予備加熱温度まで昇温した後
に、前記基板の表面で前記予備加熱手段による光照射領
域と同じ位置に対して集光器を介して閃光により照射す
ることで、予備加熱された前記基板を処理温度まで昇温
させるフラッシュ加熱手段と、を備え、前記フラッシュ
加熱手段と光照射領域を結ぶ仮想線上から外れた位置に
前記予備加熱手段を配置したことを特徴とする基板の熱
処理装置である。
【0015】請求項2に係る発明によれば、また、フラ
ッシュ加熱手段と光照射領域を結ぶ仮想線上から外れた
位置に予備加熱手段を配置される。その結果、フラッシ
ュ加熱手段により閃光の大部分が予備加熱手段に至るこ
とが防止される。よって、予備加熱手段が閃光により劣
化することがない。
【0016】請求項3に係る発明は、請求項1および請
求項2に記載の基板の熱処理装置において、前記予備加
熱手段と前記フラッシュ加熱手段により生成される光照
射領域と、前記光照射領域内に配される前記基板とが相
対的に移動することを特徴とする。
【0017】請求項3に係る発明によれば、基板が連続
的に全面が処理され、予備加熱手段とフラッシュ加熱手
段とを基板全面を覆うように配置しなくともよい。
【0018】請求項4に係る発明は、請求項1から請求
項3に記載の基板の熱処理装置において、さらに、前記
予備加熱手段と光照射領域を結ぶ仮想線上で前記基板の
表面側に光を検出する第一検出器と、前記フラッシュ加
熱手段と光照射領域を結ぶ仮想線上で前記基板の裏面側
に光を検出する第二検出器と、を備えたことを特徴とす
る。
【0019】請求項4に係る発明によれば、基板を透過
する光を第一と第二の検出器が検出する。その結果、例
えば、予備加熱手段とフラッシュ加熱手段から光が照射
されていない等の不良を検出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。 <第1実施例>図1はこの発明の実施形態に係わる熱処
理装置の断面図であり、図2はその平面概要図である。
そして、図3は熱処理装置の内部の要部拡大図である。
【0021】この熱処理装置は、上板61、底板62お
よび一対の側板63、64からなり、その内部に処理さ
れる基板として非晶質シリコン膜が形成されたガラス基
板Wを収納して熱処理するための熱処理室65を備え
る。熱処理室65を構成する各板61、62、63、6
4は、例えば、ステンレス等の材料から構成され、後述
する閃光による熱処理工程中に輻射熱により変形を防止
するように表面を研磨している。また、熱処理室65を
構成する空間には、後述するガラス基板Wをその下面か
ら支持し搬送するための搬送手段70が配置されてい
る。
【0022】熱処理室65内の搬送手段70は、複数の
搬送ローラ71が開口部66の近傍から内部に向かって
配設されている。搬送ローラ71は熱処理室65を形成
する側板の外部に配置された図示しない駆動源より駆動
を受けて正逆回転し、その上方でガラス基板Wを搬送す
るものである。
【0023】また、熱処理室65を構成する側板64に
は、ガラス基板Wの搬入および搬出を行うための開口部
66が形成されている。開口部66は、軸67を中心に
回動するゲートバルブ68により開閉可能となってい
る。ガラス基板Wは、開口部66が解放された状態で、
図示しない搬送ロボットにより熱処理室65内に搬入さ
れる。
【0024】熱処理室65の搬送手段70の上方には、
フラッシュ加熱手段80が配置される。フラッシュ加熱
手段80は、図3に拡大して示すように棒状のキセノン
フラッシュランプ81が搬送手段70と平行に1個列設
されている。また、キセノンフラッシュランプ81の上
方にはリフレクタ82が、下方には集光器としてのレン
ズ83が配設されている。
【0025】このキセノンフラッシュランプ81は、そ
の内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデン
サーに接続された陽極および陰極が配設されたガラス管
と、このガラス管の外周部に巻回されたトリガー電極と
を備える。キセノンガスは電気的に絶縁体であることか
ら、通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しか
しながら、トリガー電極に高電圧を加えて絶縁を破壊し
た場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管
内に流れ、その時のジュール熱でキセノンガスが加熱さ
れて光が放出される。このキセノンフラッシュランプ8
1においては、予め蓄えられていた静電エネルギーが
0.1ミリセカンド乃至10ミリセカンドという極めて
短い光パルスに変換されることから、連続点灯に光源に
比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
【0026】レンズ83は、図4にその側面図を示すよ
うに、石英製の周辺露光均一化用の偏光レンズ831
と、偏光レンズ831のガラス基板W側に石英ガラス又
は拡散ガラスよりなるガラス板832が配設されてい
る。
【0027】キセノンフラッシュランプ81からの閃光
及びリフレクタ82からの反射光はレンズ83により集
光され、搬送手段70上に位置するガラス基板Wの表面
上に帯状の光照射領域M1を生成する。この光照射領域
M1は、キセノンフラッシュランプ81とレンズ83を
結ぶ仮想線L1がガラス基板W表面で交わる点P1を中
心にガラス基板Wの搬送方向Fに広がりを有すると共
に、ガラス基板Wの幅方向(搬送方向に垂直な方向)と
同じ長さの帯び状を有する。また、ガラス基板Wの搬送
方向Fに沿った端部は偏光レンズ831より光を集光す
ることで、ガラス基板Wの端部における熱勾配を補正す
るようにしている。
【0028】そして、キセノンフラッシュランプ81と
光照射領域M1の点P1を結ぶ仮想線L1はガラス基板
W表面の垂線L2に対してガラス基板Wの搬送方向Fと
は逆に角度αを有してキセノンフラッシュランプ81が
傾斜させて配置される。この角度αは、0<α<90度
の範囲で好ましくは45度に設定される。
【0029】熱処理室65の搬送手段70の下方には、
ガラス基板Wを予備加熱するための予備加熱手段90が
配置される。予備加熱手段90は、棒状のハロゲンラン
プ91が搬送手段70と平行に1個列設されている。ま
た、ハロゲンランプ91の近傍にはリフレクタ92が、
上方には集光器としてのレンズ83と同様の構成でレン
ズ93が配設されている。
【0030】このハロゲンランプ81は、その点灯及び
リフレクタ82からの反射光がレンズ93により集光さ
れ、搬送手段70上に位置するガラス基板Wの裏面上に
帯状の光照射領域M2を生成する。この光照射領域M2
は、ハロゲンランプ91とレンズ93を結ぶ仮想線L3
がガラス基板W表面で交わる点、即ち、前述の点P1を
中心にガラス基板Wの表面側の光照射領域M1と同等の
大きさを有するように設定される。その結果、ガラス基
板Wは同じ領域部位が表裏面から光照射加熱される。
【0031】そして、ハロゲンランプ91と光照射領域
M2の点P1を結ぶ仮想線L3はガラス基板W表面の垂
線L2に対してガラス基板Wの搬送方向Fとは逆に角度
αを有してハロゲンランプ81が傾斜させて配置され
る。この角度αは、0<α<90度の範囲で好ましくは
45度に設定される。すなわち、キセノンフラッシュラ
ンプ80と同方向に同じ傾斜角度で傾斜される。
【0032】さらに、ガラス基板Wの搬送方向F下流側
には、ガラス基板Wの表面上方に第一検出器95が、ガ
ラス基板Wの裏面下方に第二検出器85が配置される。
第一検出95は、ハロゲンランプ91と光照射領域M2
を結ぶ仮想線L3上でガラス基板Wの表面側に透過する
光を集光するレンズ96と受光器97より構成される。
第二検出器85は、キセノンフラッシュランプ81と光
照射領域M1を結ぶ仮想線L1上でガラス基板Wの裏面
側に透過する光を集光するレンズ86と受光器87より
構成される。これらの受光器87、97より光が検出さ
れると、その信号が後述する制御部100に入力され
る。
【0033】図1に示すガラス基板Wの搬入・搬出位置
は、図示しない搬送ロボットを使用して開口部66から
搬入したガラス基板Wを搬送ローラ71上に載置し、あ
るいは、搬送ローラ71上に載置されたガラス基板Wを
開口部66から搬出するための状態である。
【0034】図1に示す状態からガラス基板Wの熱処理
状態は、ガラス基板Wに対して熱処理を行うため、搬送
ローラ71の回転によりガラス基板Wが熱処理室65内
に搬送される。この搬送過程で、ガラス基板Wは搬送ロ
ーラ71間に設定される光照射領域M1、M2によりそ
の表裏面を加熱され、順次移動しながら全面が光照射加
熱される。ガラス基板Wの全面が搬送方向F下流側に到
達すると、搬送ローラ71が逆転しガラス基板Wを搬入
・搬出位置へ戻す。
【0035】熱処理室65における開口部66と逆側の
側板63には、導入路75が形成されている。この導入
路75は、後述する大気解放時に空気を導入するための
ものである。なお、空気を導入する代わりに、窒素ガス
等を導入するようにしてもよい。
【0036】一方、熱処理室65における底板62に
は、排出路76が形成されている。この排出路76は、
開閉弁77を介して真空ポンプ等の減圧機構と接続され
ている。この排出路76、開閉弁77および図示しない
減圧機構は、この発明に係る減圧手段を構成する。
【0037】制御部100は、フラッシュ加熱手段80
と予備加熱手段90による熱処理工程、第一検出器95
と第二検出器85によるランプの状態の検出、搬送手段
70とゲートバルブ68を制御するガラス基板Wの搬送
動作、熱処理室65内の雰囲気を減圧手段により制御す
る。
【0038】次に、この発明に係る熱処理装置によるガ
ラス基板Wの熱処理動作について説明する。図5はこの
発明に係る熱処理装置によるガラス基板Wの熱処理動作
を示すフローチャートであり、図6はそのときのガラス
基板Wの温度の推移を示すグラフとガラス基板の搬送タ
イミングを示すものである。
【0039】まず、基板として 図7に示すように0.
5〜1.1mm厚(代表的には0.7mm厚)のガラス板
W1を用意する。ガラス板W1はLCD表示装置に一般
的に使用されるものである。以上の様なガラス板W1を
用意したら、ガラス板W1に対して非晶質シリコン膜W
2を成膜し、ガラス基板Wを構成する。
【0040】この熱処理装置においては、ゲートバルブ
68が開いた状態で、図示しない搬送ロボットにより開
口部66を介してガラス基板Wが搬入され、搬送ローラ
71上で搬入・搬出位置に載置される。ガラス基板Wの
搬入が完了すれば、開口部66がゲートバルブ68によ
り閉鎖される(ステップS1)。しかる後、搬送ローラ
71が図6のタイミングT11で回動を開始しガラス基
板Wを搬送方向Fに移動させる。
【0041】予備加熱手段は90は、ハロゲンランプ9
1が搬送ローラ71の動作と同時、または、光照射領域
M2にガラス基板Wの第一の被処理部位が達したことを
図示しない検出手段により検出した時点より点灯を開始
される。このため、ガラス基板Wの裏面から予備加熱さ
れ、図6に示すように、ガラス基板Wの温度が順次上昇
する(ステップS2)。
【0042】この予備加熱手段90の点灯と並行して、
熱処理室65内を減圧する(ステップS3)。すなわ
ち、開閉弁77を解放して導入路75を図示しない減圧
機構と接続することにより、熱処理室65内を排気して
減圧する。このときには、後述する諸効果を効果的に奏
せしめるため、熱処理室65内を1/10気圧乃至1/
1000気圧まで減圧することが好ましい。
【0043】ガラス基板Wが搬送され、表面上の第一の
被処理部位が光照射領域M2と重なったときに制御部1
00は搬送ローラ71の駆動を停止する。
【0044】この状態において、ガラス基板Wは予備加
熱手段90で継続して加熱される。そして、ガラス基板
Wの温度上昇時には、図示しない温度センサにより、ガ
ラス基板Wの表面温度、即ち、非晶質シリコン膜W1が
予備加熱温度T1に到達したか否かを常に監視する(ス
テップS4)。
【0045】なお、この予備加熱温度T1は、摂氏20
0度乃至摂氏400度程度の温度である。ガラス基板W
をこの程度の予備加熱温度T1まで加熱したとしても、
非晶質シリコン膜W1が多結晶化してしまうことはな
い。また、ガラス板W1がそりや歪みを生じることもな
い。
【0046】そして、ガラス基板Wの表面温度が図6に
示す予備加熱温度T1となった直後に、キセノンフラッ
シュランプ81を点灯してフラッシュ加熱を行う(ステ
ップS5)。このフラッシュ加熱工程におけるキセノン
フラッシュランプ81の点灯時間は、0.1ミリセカン
ド乃至10ミリセカンド程度の時間で、可視光から赤外
に渡る波長で10乃至30J/cmのエネルギー範囲
で光照射領域M1を照射する。このように、キセノンフ
ラッシュランプ81においては、予め蓄えられていた静
電エネルギーがこのように極めて短い光パルスに変換さ
れることから、極めて強い閃光が照射されることにな
る。
【0047】この状態において、ガラス基板Wの表面温
度は、図6に示す温度T2となる。この温度T2は、摂
氏500度乃至摂氏600度程度のガラス基板Wの処理
に必要な温度である。ガラス基板Wの表面がこのような
処理温度T2にまで昇温された場合においては、非晶質
シリコン膜W2を結晶化し、ポリシリコン膜とする。こ
の状態において、ガラス基板W上の光照射された光照射
領域M1の非晶質シリコン膜W2は、光エネルギーによ
り溶融し、再結晶化してポリシリコン膜に変わる。
【0048】この時の光照射エネルギーは、被照射され
る非晶質シリコン膜W2の膜厚により適宜調整されるも
のであるが、予備加熱工程により予め昇温されるため、
上述の範囲で調整される。
【0049】このとき、ガラス基板Wの表面温度が0.
1ミリセカンド乃至10ミリセカンド程度の極めて短い
時間で処理温度T2まで昇温されることから、ガラス基
板W上の非晶質シリコン膜W2の再結晶は短時間で完了
する。従って、処理時間が短縮されるとともにガラス板
W1が昇温されることを防止することが可能となる。
【0050】また、キセノンフラッシュランプ81を点
灯してガラス基板Wを加熱する前に、予備加熱手段90
を使用してガラス基板Wの表面温度を摂氏200度乃至
摂氏400度程度の予備加熱温度T1まで加熱している
ことから、キセノンフラッシュランプ81によりガラス
基板Wを摂氏500度乃至摂氏600度程度の処理温度
T2まで速やかに昇温させることが可能となる。
【0051】このフラッシュ加熱工程において、熱処理
室65を構成する各板61、62、63、64は非晶質
シリコン膜W2に吸収されなかった光線をうける。しか
しながら、各板61、62、63、64は表面研磨され
たアルミニウムから構成されていることから、各板6
1、62、63、64に熱による変形が生ずることはな
い。
【0052】また、上述したフラッシュ加熱工程は、減
圧下で実行される。このため、従来のように熱処理室6
5内で気体が反応してパーティクルを拡散させたりガラ
ス基板Wを移動させたりすることはない。
【0053】同様に、熱処理室65を減圧することによ
り、熱処理室65内で対流が発生することなく、予備加
熱工程およびフラッシュ加熱工程において、ガラス基板
Wの全面を均一に加熱することが可能となる。
【0054】同様に、キセノンフラッシュランプ81と
ハロゲンランプ91は角度αで傾斜して配置されている
ので、それぞれの照射光は仮想線L1、L3に沿って進
行するとガラス基板Wを透過しても互いに照射光に直接
晒されない。その結果、夫々のランプを構成するフィラ
メント等の構成部品が照射光や輻射熱により劣化するこ
とが防止される。特に、ハロゲンランプ91は、キセノ
ンフラッシュランプ81の強い閃光に直接的に晒されな
いので、より長い寿命で使用することができる。
【0055】さらには、熱処理室64内を減圧すること
により、熱処理室65内から酸素や有機物を排除するこ
とが可能となる。このため、熱処理室65を構成する材
料の酸化や有機物の黒化に起因する熱処理装置の寿命の
低下を防止することが可能となる。
【0056】第一の熱処理部位の熱処理が完了すると、
再度、搬送ローラ71がタイミングT12から駆動され
第二の熱処理部位が搬送されてくるステップ搬送S6が
行われる。このステップ搬送S6の搬送距離は、光照射
領域M1と同等の搬送方向F長さか、僅かに短い距離に
設定される。そうすることで、隙間無くガラス基板W全
面を光照射領域M1と同等の範囲の熱処理部位を順次移
動して処理を行うことができる。
【0057】そして、ガラス基板Wの後端が光照射領域
M1を通過しない限り、ステップS7でステップS4に
戻って、第一の熱処理部位と同様に光照射加熱による予
備加熱からフラッシュ加熱に至る熱処理が行われる。ス
テップ搬送S6中も予備加熱手段90による予備加熱は
継続され、予備加熱温度T1に到達するとフラッシュ加
熱S5を行う。この動作の繰り返しで、ガラス基板Wの
表面全てが熱処理される。
【0058】ガラス基板WのステップS4からステップ
S7の熱処理工程中、第一検出器95と第二検出器85
は常時、照射光を検出している。そして、夫々が受光器
97と受光器87からの検出信号を制御部100に送信
している。そうすることで、制御部100は予め設定さ
れたプログラムに従ったタイミングでキセノンフラッシ
ュランプ81と、ハロゲンランプ91が点灯を行ってい
るかを監視する。制御部100は、それぞれのランプが
点灯するタイミングで受光器87、97からの信号を受
信しない場合、ガラス基板Wの処理不良を防止するため
に、例えば熱処理装置を停止したり、異常を操作パネル
に表示する等、構成することができる。この構成によれ
ば、光照射熱処理中にランプの異常が確認されるので、
より迅速に異常時の対応が可能となる。
【0059】なお、第一検出器95と第二検出器85に
よる光の検出は、光加熱処理工程中に行っている場合、
ガラス基板Wを透過する光を検出するので、受光器8
7、97による信号をレベルが小さくなるので、制御部
100による判断フロー中の設定レベルを予め実験等で
求めておいた値にする必要がある。
【0060】ガラス基板Wの後端が光照射領域M1を通
過してことを検出したことで熱処理工程が終了すれば、
開閉弁77を閉止するとともに導入路76から空気を導
入することにより、熱処理室65を大気解放する(ステ
ップS8)。そして、予備加熱手段90のハロゲンラン
プ91を消灯する(ステップS9)。また、制御部10
0はタイミングT110で搬送ローラ71を逆転させガ
ラス基板Wの搬出位置まで搬送し停止する。
【0061】なお、ガラス基板Wの表面温度が予備加熱
温度T1となった直後にフラッシュ加熱を行うのは、次
のような理由による。この発明に係る熱処理装置におい
ては、ガラス基板Wの表面温度が予備加熱温度T1とな
った直後にフラッシュ加熱を行うことにより、フラッシ
ュ加熱が、ガラス基板Wが予備加熱温度T1より高い温
度となった時点で実行されることを防止する。
【0062】それとともに、ガラス基板Wの全面の加熱
工程完了後に熱処理室65内を大気解放することにより
熱処理室65内を降温している。
【0063】熱処理室65の大気解放が完了すれば、ゲ
ートバルブ68により閉鎖されていた開口部66が解放
される。そして、搬送ローラ71上に載置されたガラス
基板Wが図示しない搬送ロボットにより搬出される(ス
テップS8)。
【0064】以上に説明したように、本発明による熱処
理により良質な多結晶シリコン膜が得られ、その結果、
特性の優れたTFTが得られる。また装置が小型化で
き、部品寿命が向上し、その結果、例えば、TFTを用
いた液晶表示(LCD)パネルを低コストで製造するこ
とができる。
【0065】次に、この熱処理装置におけるメンテナン
ス工程に関して説明する。フラッシュ加熱手段80と予
備加熱手段90は、それぞれの光照射の方向に第一検出
器95と第二検出器85が配置される。ガラス基板Wが
搬入されていない状態で、キセノンフラッシュランプ8
1とハロゲンランプ91の個別点灯を図示しない操作部
より設定し、制御部100により点灯制御する。この点
灯による光照射を受光器87、97で検出した信号を制
御部100に入力する。そして、この信号のON/OF
Fもしくは強弱で、点灯状態を判断する。
【0066】すなわち、キセノンフラッシュランプ81
が異常で点灯しなかった場合、レンズ86を介して受光
器87に受光された光が無いので第二検出器85からは
信号を出力されない。その結果、キセノンフラッシュラ
ンプ81の異常を操作部に表示することでメンテナンス
を操作者に促す。
【0067】こうすることで、キセノンフラッシュラン
プ81の点灯不良を密閉された熱処理室65内で確認で
きる。また、点灯状態が微弱な場合でも、最も光照射強
度が強い部位にて集光してすることで検出することがで
きる。また、熱処理室65内での反射光があったとして
も、集光される検出光に対して影響が少なく、より正確
に検出することができる。
【0068】また、予備加熱手段90のはハロゲンラン
プ91に対応した第一検出器95の場合も同様に、ハロ
ゲンランプ91の点灯状態を正確に検出することが可能
となる。
【0069】次に、図8を参照して、本発明の第二実施
例に関して説明する。図8は熱処理装置の内部の要部拡
大図である。すなわち、フラッシュ加熱手段80と予備
加熱手段90を光照射領域M1における垂線L2に対し
て同方向に傾斜させて配置するのではなく、フラッシュ
加熱手段90の仮想線L1から外れた位置に予備加熱手
段90を配置することで、互いの照射光に直接晒されな
いように構成しても良い。この構成の場合、ガラス基板
Wの表面側ではフラッシュ加熱手段80に近接して第二
検出器95を配置できるので、その配置位置はフラッシ
ュ加熱手段80からの照射光が進む方向とは逆になり、
第二検出器95へのフラッシュ加熱手段80からの光の
影響を小さくすることができる。同様にガラス基板Wの
裏面側では第一検出器85を予備加熱手段90からの影
響が小さい部位に配置することができる。
【0070】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、以下のように他の形態でも実施する
ことができる。
【0071】(1)上記の実施例において非晶質シリコ
ン膜を多結晶化する例で説明したが、表面上にシリコン
膜が形成されたガラス基板として、前述の非晶質シリコ
ン膜が形成されたガラス基板の他に、窒化シリコン膜が
形成されたガラス基板上や、多結晶シリコン膜が形成さ
れたガラス基板上のように種々のシリコン膜が形成され
たガラス基板に対して、本発明の熱処理方法は実施でき
る。例えば、CVD法により形成した多結晶シリコン膜
にシリコンをイオン注入して非晶質化した非晶質シリコ
ン膜を形成し、更に、その上に反射防止膜となる酸化シ
リコン膜を形成する。この状態で、非晶質シリコン膜の
全面に光照射し、本発明による熱処理を施し非晶質シリ
コン膜が多結晶化した多結晶シリコン膜を形成する場合
にも適用できる。
【0072】(2)また、ガラス基板上に下地SiO
膜、アモルファスシリコンを結晶化したポリシリコン膜
を有し、ポリシリコン膜にリンやボロン等の不純物をド
ーピングされた構造のTFT基板を、本発明により熱処
理してもよい。このような光照射処理が施される目的
は、主にドーピング工程で打ち込まれた不純物の活性
化、および膜の改質にある。この処理においては均一な
処理を施すことが可能となる。
【0073】その他、特許請求の範囲に記載された技術
的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能であ
る。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、大型基板を光照射によ
り予備加熱した後、フラッシュ加熱することで、膜の光
照射による熱処理を均一に行うことが可能となる。その
際、予備加熱手段とフラッシュ加熱手段が互いに照射光
に晒されないので、部品の劣化を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る熱処理装置の側断面図である。
【図2】この発明に係る熱処理装置の平面図である。
【図3】この発明に係る熱処理装置の要部拡大図であ
る。
【図4】フラッシュ加熱手段80の構成を示す説明図で
ある。
【図5】この発明に係る熱処理装置によるガラス基板W
の熱処理動作を示すフローチャートである。
【図6】ガラス基板Wの処理温度の推移と搬送タイミン
グを示すグラフである。
【図7】ガラス基板Wを示す断面図である。
【図8】この発明に係る熱処理装置の第二実施例を示す
要部拡大図である。
【符号の説明】
61 上板 62 底板 63、64 側板 65 熱処理室 66 開口部 68 ゲートバルブ 80 フラッシュ加熱手段 81 キセノンフラッシュランプ 85 第二検出器 90 予備加熱手段 91 ハロゲンランプ 95 第一検出器 100 制御部 70 搬送手段 71 搬送ローラー M1、M2 光照射領域 L1、L3 仮想線 L2 垂線 H オーバーシュート T1 予備加熱温度 T2 処理温度 W ガラス基板 W1 ガラス板 W2 非晶質シリコン膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に光を照射することにより基板を熱
    処理する熱処理装置において、 前記基板の裏面側に配置され、前記基板に対して集光器
    を介して光照射により生成された光照射領域で予備加熱
    する予備加熱手段と、 前記基板の表面側に配置され、前記基板があらかじめ設
    定した予備加熱温度まで昇温した後に、前記基板の表面
    で前記予備加熱手段による光照射領域と同じ位置に対し
    て集光器を介して閃光により照射することで、予備加熱
    された前記基板を処理温度まで昇温させるフラッシュ加
    熱手段と、を備え、 前記予備加熱手段と前記フラッシュ加熱手段を、前記光
    照射領域における垂線に対して同方向に傾斜させて配置
    したことを特徴とする基板の熱処理装置。
  2. 【請求項2】 基板に光を照射することにより基板を熱
    処理する熱処理装置において、 前記基板の裏面側に配置され、前記基板に対して集光器
    を介して光照射により生成された光照射領域で予備加熱
    する予備加熱手段と、 前記基板の表面側に配置され、前記基板があらかじめ設
    定した予備加熱温度まで昇温した後に、前記基板の表面
    で前記予備加熱手段による光照射領域と同じ位置に対し
    て集光器を介して閃光により照射することで、予備加熱
    された前記基板を処理温度まで昇温させるフラッシュ加
    熱手段と、を備え、 前記フラッシュ加熱手段と光照射領域を結ぶ仮想線上か
    ら外れた位置に前記予備加熱手段を配置したことを特徴
    とする基板の熱処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2に記載の基板の
    熱処理装置において、 前記予備加熱手段と前記フラッシュ加熱手段により生成
    される光照射領域と、前記光照射領域内に配される前記
    基板とが相対的に移動することを特徴とする基板の熱処
    理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3に記載の基板の熱
    処理装置において、 さらに、前記予備加熱手段と光照射領域を結ぶ仮想線上
    で前記基板の表面側に光を検出する第一検出器と、前記
    フラッシュ加熱手段と光照射領域を結ぶ仮想線上で前記
    基板の裏面側に光を検出する第二検出器と、を備えたこ
    とを特徴とする基板の熱処理装置。
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