JP2003282992A - 強磁性超磁歪膜およびその熱処理方法 - Google Patents

強磁性超磁歪膜およびその熱処理方法

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JP2003282992A JP2002083163A JP2002083163A JP2003282992A JP 2003282992 A JP2003282992 A JP 2003282992A JP 2002083163 A JP2002083163 A JP 2002083163A JP 2002083163 A JP2002083163 A JP 2002083163A JP 2003282992 A JP2003282992 A JP 2003282992A
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Masayuki Gonda
正幸 権田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな磁歪定数を確保しつつ薄膜化した強磁
性超磁歪膜を提供する。 【解決手段】 基板と、前記基板上に形成された下地膜
層と、前記下地膜層上に形成された磁性膜層を備える強
磁性超磁歪膜であって、前記下地膜層はタンタル、チタ
ンのいずれか一種以上から構成され、且つ前記磁性膜層
はNi量が45原子%以上且つ58原子%以下で、Mn
量が18原子%以上且つ28原子%以下で残部Gaおよ
び不可避不純物を有するNi−Mn−Ga系合金である
ことを特徴とする強磁性超磁歪膜を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の合金を用い
て多層構造とすることで強磁性と超磁歪特性を有する強
磁性超磁歪膜に関するものである。また、強磁性超磁歪
膜の製造に係る熱処理条件を規定した強磁性超磁歪膜の
熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁歪特性を有する磁性材料は、外部磁界
を印加した際に伸びや縮みなどの変位を発生させる性質
を持っており、これを応用したデバイスには変位制御用
あるいは駆動用アクチュエータ、トルクセンサ、超音波
振動子などに用いられ、材料としてTd-Dy-Fe希土
類系合金などが知られている。
【0003】最近、上記材料に加えてFe-Pt系合金
(特開平11‐269611号公報)やNi-Mn-Ga
系合金(特開平10‐259438号公報)が提案され
た。これらは磁界によって、例えば正方晶構造から立方
晶構造への、結晶変態が起こり、したがって従来知られ
ていた磁歪材料より遥かに大きな値を現出することがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】Ni−Mn−Ga系合
金は主として粉末冶金法によって製造されている。しか
しながら当該材料を磁気デバイスへ展開させることを考
えると、薄膜化し形状加工することが望ましいが、大き
な磁歪定数を確保しつつ薄膜化したという報告はされて
いない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、ターゲットなど母材から真空成膜法などで基板
上に薄膜を形成する。基板上に成膜するために下地膜層
を形成した後、Ni−Mn−Ga系合金の磁性膜層を形
成し、真空中または非酸化性雰囲気中で熱処理を行うこ
とにより大きな磁歪を誘導する。
【0006】即ち、本発明の強磁性超磁歪膜は、基板
と、前記基板上に形成された下地膜層と、前記下地膜層
上に形成された磁性膜層を備える強磁性超磁歪膜であっ
て、前記下地膜層はタンタル(Ta)、チタン(Ti)
のいずれか一種以上から構成され、且つ前記磁性膜層は
Ni量が45原子%以上且つ58原子%以下で、Mn量
が18原子%以上且つ28原子%以下で残部Gaおよび
不可避不純物を有するNi−Mn‐Ga系合金であるこ
とを特徴とする。これにより優れた強磁性超磁歪膜が実
現される。Ni量とMn量のさらに好ましい範囲は、N
i量が48原子%以上且つ55原子%以下で、Mn量が
20原子%以上且つ26原子%以下である。また、磁性
膜層は100nm以上且つ3000nm以下の厚さで形
成されていることが好ましい。あまりに薄いと十分な強
磁性特性と超磁歪特性が得られない。また厚さが300
0nmを超えると、薄膜の残留応力により基板から剥離
し素子化が困難となる。ここで、原子%とは、磁性膜層
もしくはその任意の一部について、構成する全原子の数
を100としたときに、含有される各々の元素の数を百
分率で表現する単位である。例えば、Ni量が45原子
%とは、磁性膜層の表面を定量分析したときに、検知し
た全原子数(100%)に対してNi原子の個数が45
%であることに相当する。磁性膜層を定量分析したとき
の単位がmass%(=重量%もしくはwt%)である
場合、前記磁性膜層はNi量が50〜58mass%
で、Mn量が21〜23mass%で残部Gaおよび不
可避不純物を有するNi−Mn−Ga系合金を用いる。
なお、不可避的不純物としては、磁性膜層の作製に用い
る原料、例えばJISで規定されるNi、Mn、Gaお
よびそれらの化合物に含まれる不純物元素が挙げられ
る。他にも、磁性膜層やその原料を形成する工程で含ま
れ得る気体元素(酸素、窒素、水素等)等も不可避的不
純物に含まれる。これら不可避的不純物はppmオーダ
ー、すなわち10−4原子%もしくは10−4mass
%の単位もしくはそれ以下であることが望ましい。より
好ましいは組成分析装置の測定限界以下もしくは数pp
m以下とする。基板とは、下地膜層を介して磁性膜層を
支える部材である。“基板上”とは基板の面に下地膜層
と磁性膜層が形成されている状態を指し、配置の上下関
係を束縛する用語ではない。
【0007】本発明の強磁性超磁歪膜は、下地膜層にタ
ンタル(Ta)、チタン(Ti)のいずれか一種以上の
組成から成り、下地膜層の膜厚は特に制限されるもので
はないが、厚い膜厚は生産上好ましくなく、さらに素子
の超磁歪特性が低下する薄い膜厚ではその上に形成する
強磁性磁歪膜の特性発現に有効ではないため、0.1n
m以上且つ100nm以下の範囲とするのが好ましい。
下地膜層はNi−Mn−Ga系合金強磁性超磁歪膜の結
晶配向性や膜質を改善し、強磁性特性と超磁歪特性を向
上させる効果を有する。さらに、強磁性磁歪膜層の機械
的破壊や耐食性を高めるために下地膜層と同一な材料で
保護膜を設けても良い。
【0008】本発明の強磁性超磁歪膜の熱処理方法は、
成膜後に真空中または非酸化性雰囲気中で723K以上
且つ973K以下の熱処理を施す。大気中の熱処理では
膜が酸化され所望する特性が発現しない。熱処理を行う
ことにより結晶性が改善し、優れた強磁性特性と超磁歪
特性が実現する。723K未満では前記効果が得らな
い。上限の温度は特に制限されるものではないが、基板
の耐熱温度などから基板材種が限定され生産上好ましく
ない。773K以上且つ973K以下では特に優れた強
磁性特性と超磁歪特性が得られる。従来のバルク材では
用いない低温度である773K以上且つ973K以下の
熱処理温度で優れた強磁性特性と超磁歪特性であること
を特徴とする。より詳細には、本発明の強磁性超磁歪膜
の熱処理方法は、基板上に下地膜層を形成し、前記下地
膜層上にNi量が45原子%以上且つ58原子%以下
で、Mn量が18原子%以上且つ28原子%以下で残部
Gaおよび不可避不純物を有するNi−Mn−Ga系合
金の磁性膜層を形成し、その後真空中または非酸化性雰
囲気中で723K以上且つ973K以下の熱処理を施す
ことを特徴とする。
【0009】本発明のNi−Mn−Ga系合金強磁性超
磁歪膜は、X線回折より得られたa軸の格子定数が従来
のバルク材の0.583より小さい、0.580nm以下
で優れた強磁性特性と超磁歪特性が実現する。かつa軸
とc軸の格子定数比c/aが0.95以下では特に優れ
た強磁性特性と超磁歪特性が得られる。0.95を超え
る領域では目的とする超磁歪特性が十分発現しない。よ
り詳細には、本発明の強磁性超磁歪膜は、基板と、前記
基板上に形成された下地膜層と、前記下地膜層上に形成
された磁性膜層を備える強磁性超磁歪膜であって、前記
磁性膜層はNi−Mn−Ga系合金であり、前記Ni−
Mn−Ga系合金のa軸の格子定数が0.58nm以下
であり、かつa軸とc軸の格子定数比c/aが0.95
以下であることを特徴とする。c/aにおいて、aがa
軸の格子定数であり、cがc軸の格子定数に相当する。
【0010】なお、本発明では基板上に下地膜層、磁性
膜層を一層ずつ形成しているが、下地膜層と磁性膜層を
交互に複数層重ねても良い。基板は熱膨張係数や耐熱温
度などを考慮の上その材料を選定して良い。
【0011】本発明の強磁性超磁歪膜の作製にはスパッ
タ法、イオンビーム法などを用いることが出来る。
【0012】本発明は、上記本発明のいずれかに係る強
磁性超磁歪膜と、前記強磁性超磁歪膜に磁場を印加する
手段(例えば導体もしくはコイル)を備えるアクチュエ
ータを構成することができる。さらに、前記基板が、カ
ンチレバー、片持ち梁もしくは両持ち梁を構成し、前記
強磁性超磁歪膜に磁場を印加することにより、前記基板
を変位させることができる。特に、MEMS(Micro E
lectro MechanicalSystem)や微小なマイクロアクチュ
エータ等に、本発明に係る強磁性超磁歪膜を適用するこ
とが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の強磁性超磁歪膜を実
施例によって具体的に説明するが、これら実施例により
本発明が限定されるものではない。 (実施例1)片面が研磨され、表面に1μm酸化処理を
施したSi基板と両面研磨されたガラス基板を用い、ス
パッタ装置内に設置し、下地膜層用にTaターゲットを、
磁性膜層に53原子%Ni−21.5原子%Mn−2
5.5原子%Gaターゲットをスパッタ装置内に設置し
た。装置内を3×10−5Pa以下まで排気した後、A
rガスを100ml/s流し、装置内の圧力を0.35P
aに保ち、放電出力200Wで放電させ基板洗浄を60
s(60秒)行った。放電出力150Wに設定し、下地
膜層に用いるTaターゲットに放電させ基板上にTa下
地膜層を50nm成膜した。その後、53原子%Ni−
21.5原子%Mn−25.5原子%Gaターゲットに
放電させ、磁性膜層を200nm形成し、本発明の強磁性
超磁歪膜(発明品1-1)を得た。磁性膜層の膜厚の影
響を調査するため、500nmの磁性膜層の強磁性超磁
歪膜(発明品1‐2)、1000nmの磁性膜層の強磁
性超磁歪膜(発明品1‐3)、3000nmの磁性膜層
の強磁性超磁歪膜(発明品1‐4)をそれぞれ製造し
た。ガス流量の単位ml/sは、1秒当たり10−6
方メートルのガスを流すこと(10−6(m/s))
に相当する。
【0014】また、熱処理温度の影響を調査するため、発
明品1‐1に対しては、真空熱処理炉を用いて熱処理温
度を573〜1073Kの所定の温度で実験を行った。
熱処理時間は1時間で試料の酸化防止のため、6.7×
10−3Pa以下の真空中で熱処理を行い、発明品1‐
2から発明品1‐4に対しては熱処理温度を873K、
熱処理時間を1時間、酸化防止のため6.7×10−3
a以下の真空中で熱処理を行い、特性を評価した。
【0015】(比較例1)磁性膜層の膜厚による影響を
比較するため、比較実験を行った。実施例1と同様にS
i基板とガラス基板を用い、スパッタ装置内に設置し、下
地膜層用にTaターゲットを、磁性膜層に実施例1と同
様の54原子%Ni‐21原子%Mn‐25原子%Ga
ターゲットをスパッタ装置内に設置した。装置内を3×
10−5Pa以下まで排気した後、Arガスを100m
l/s流し、装置内の圧力を0.35Paに保ち、放電出
力200Wで放電させ基板洗浄を60s(60秒)行っ
た。放電出力150Wに設定し、下地膜層に用いるTa
ターゲットに放電させ基板上にTa下地膜層を50nm
成膜した。その後、54原子%Ni‐21原子%Mn‐
25原子%Gaターゲットに放電させ、磁性膜層を50
00nm形成し、比較用の強磁性超磁歪膜(比較品1)
を得た。
【0016】また、熱処理条件は実施例1と同様に、熱処
理温度を873K、熱処理時間を1時間、酸化防止のため
6.7×10−3Pa以下の真空中で熱処理を行い、特
性を評価した。
【0017】発明品1‐1を573〜1073Kの熱処
理後に磁気特性をVSM(振動型磁力計)を用いて測定
磁界200kA/mで評価し、図1に熱処理温度と飽和磁
化の関係を示す。成膜上がりでは、飽和磁化が得られな
いが、熱処理を行うことにより飽和磁化が得られ、723
〜973Kで0.2T以上の飽和磁化が得られた。さら
に773〜923Kでは0.35T以上の飽和磁化が得
られることがわかる。
【0018】また、磁歪測定装置を用いて、測定磁界12
0kA/mで磁歪を評価し、図2に熱処理温度と磁歪の関
係を示す。熱処理を行うことにより磁歪値が向上し、7
73〜923Kでは4×10−6以上の磁歪が得られる
ことがわかる。
【0019】また、図3に327K熱処理後の磁性膜層
の膜厚と膜応力との関係を示す。磁性膜層の膜厚が厚く
なるにしたがい、膜応力が高くなることがわかる。磁性
膜層を5000nm形成した比較品1は873K熱処理
後に膜応力が膜の付着力より高くなり膜剥離が発生し
た。
【0020】(実施例2)実施例1で用いたSiウエハ
と両面研磨されたガラス基板を用い、スパッタ装置内に
設置し、下地膜層用にTaターゲットを、磁性膜層に54
原子%Ni‐21原子%Mn‐25原子%Ga、52原
子%Ni‐23原子%Mn‐25原子%Gaターゲット
をそれぞれスパッタ装置内に設置した。装置内を3×1
−5Pa以下まで排気した後、Arガスを100ml/
s流し、装置内の圧力を0.35Paに保ち、放電出力2
00Wで放電させ基板洗浄を60s行った。放電出力1
50Wに設定し、下地膜層に用いるTaターゲットに放
電させ基板上にTa下地膜層を50nm成膜した。その
後、54原子%Ni‐21原子%Mn‐25原子%Ga
ターゲットに放電させ、磁性膜層を200nm形成し、本
発明の強磁性超磁歪膜(発明品2‐1)を得た。また、
52原子%Ni‐23原子%Mn‐25原子%Ga組成
の磁性膜層を有する強磁性超磁歪膜(発明品2‐2)を
それぞれ製造した。
【0021】また、熱処理温度は熱処理温度を873K、
熱処理時間を1時間、酸化防止のため6.7×10−3
a以下の真空中で熱処理を行い、特性を評価した。
【0022】(比較例2)磁性膜層の膜組成による影響
を比較するため、比較実験を行った。実施例2と同様に
Si基板とガラス基板を用い、スパッタ装置内に設置し、
下地膜層用にTaターゲットを、磁性膜層に44原子%
Ni‐35原子%Mn‐21原子%Gaターゲットをス
パッタ装置内に設置した。装置内を3×10−5Pa以
下まで排気した後、Arガスを100ml/s流し、装置
内の圧力を0.35Paに保ち、放電出力200Wで放
電させ基板洗浄を60s行った。放電出力150Wに設
定し、下地膜層に用いるTaターゲットに放電させ基板
上にTa下地膜層を50nm成膜した。その後、44原
子%Ni‐35原子%Mn‐21原子%Gaターゲット
に放電させ、磁性膜層を200nm形成し、比較用の強磁
性超磁歪膜(比較品2)を得た。
【0023】また、熱処理条件は実施例2と同様に、熱処
理温度を873K、熱処理時間を1時間、酸化防止のため
6.7×10−3Pa以下の真空中で熱処理を行い、特
性を評価した。
【0024】図4には実施例2と比較例2で作製した発
明品2−1と発明品2−2と比較品2の室温でのX線回
折結果を示す。図4より2θが43°付近に発明品、比
較品ともNi-Mn-Gaの(220)面の回折ピークが
発現した。それぞれのa軸の格子定数を測定すると発明
品2−1と発明品2−2は0.5786nmと0.580
0nmである。一方、比較品2は0.5816nmと大
きい。このとき、測定磁界120kA/mで磁歪を測定
した結果、発明品2−1と発明品2−2の磁歪値は9.
0×10−6と8.5×10−6と高く、比較品2は
3.0×10−6と低いことがわかった。
【0025】(実施例3)実施例2で用いたSiウエハ
と両面研磨されたガラス基板を用い、スパッタ装置内に
設置し、下地膜層用にTaターゲットを、51原子%Ni
‐25原子%Mn‐24原子%Ga、48.5原子%N
i‐26原子%Mn‐25.5原子%Gaターゲットを
それぞれスパッタ装置内に設置した。装置内を3×10
−5Pa以下まで排気した後、Arガスを100ml/s
流し、装置内の圧力を0.35Paに保ち、放電出力20
0Wで放電させ基板洗浄を60s行った。放電出力15
0Wに設定し、下地膜層に用いるTaターゲットに放電
させ基板上にTa下地膜層を50nm成膜した。その
後、51原子%Ni‐25原子%Mn‐24原子%Ga
ターゲットに放電させ、磁性膜層を200nm形成し、本
発明の強磁性超磁歪膜(発明品3‐1)を得た。また、
48.5原子%Ni‐26原子%Mn‐25.5原子%
Ga組成の磁性膜層を有する強磁性超磁歪膜(発明品3
‐2)をそれぞれ製造した。
【0026】また、熱処理温度は熱処理温度を873K、
熱処理時間を1時間、酸化防止のため6.7×10−3
a以下の真空中で熱処理を行い、特性を評価した。
【0027】(比較例3)磁性膜層の膜組成による影響
を比較するため、比較実験を行った。実施例3と同様に
Si基板とガラス基板を用い、スパッタ装置内に設置し、
下地膜層用にTaターゲットを、磁性膜層に56原子%
Ni‐15原子%Mn‐29原子%Gaをスパッタ装置
内に設置した。装置内を3×10−5Pa以下まで排気
した後、Arガスを100ml/s流し、装置内の圧力を
0.35Paに保ち、放電出力200Wで放電させ基板
洗浄を60s行った。放電出力150Wに設定し、下地
膜層に用いるTaターゲットに放電させ基板上にTa下
地膜層を50nm成膜した。その後、56原子%Ni‐
15原子%Mn‐29原子%Gaターゲットに放電さ
せ、磁性膜層を200nm形成し、比較用の強磁性超磁歪
膜(比較品3)を得た。
【0028】また、熱処理条件は実施例3と同様に、熱処
理温度を873K、熱処理時間を1時間、酸化防止のため
6.7×10−3Pa以下の真空中で熱処理を行い、特
性を評価した。
【0029】図5には実施例3と比較例3で作製した発
明品3−1と発明品3−2と比較品3の室温でのX線回
折結果を示す。図5より2θが43°付近に発明品、比
較品ともNi-Mn-Gaの低角度側に(220)面の回
折ピークが、広角度側に(202)面の回折ピークが発
現し、正方晶構造であることがわかる。それぞれのa軸
とc軸の格子定数比c/aを測定すると発明品3−1と
発明品3−2は0.950と0.945である。一方、比
較品3は0.962と大きい。このとき、測定磁界12
0kA/mで磁歪を測定した結果、発明品3−1と発明
品3−2の磁歪値は7.5×10−6と6.0×10
−6と高く、比較品3は1.0×10−6と低いことが
わかった。
【0030】
【発明の効果】上述のように、本発明の強磁性超磁歪膜
によれば、Ni-Mn-Ga系合金を所定の構成で成膜し、
所定の温度で熱処理することにより強磁性特性と超磁歪
特性を有する優れた強磁性超磁歪膜を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強磁性超磁歪膜の飽和磁化の熱処理温
度依存性を示した図である。
【図2】本発明の強磁性超磁歪膜の磁歪の熱処理温度依
存性を示した図である。
【図3】本発明の強磁性超磁歪膜の膜応力の膜厚依存性
を示した図である。
【図4】強磁性超磁歪膜の膜組成を変えて873Kで熱
処理をしたときのX線回折図である。
【図5】強磁性超磁歪膜の膜組成を変えて873Kで熱
処理をしたときのX線回折図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板上に形成された下地膜
    層と、前記下地膜層上に形成された磁性膜層を備える強
    磁性超磁歪膜であって、前記下地膜層はタンタル、チタ
    ンのいずれか一種以上から構成され、且つ前記磁性膜層
    はNi量が45原子%以上且つ58原子%以下で、Mn
    量が18原子%以上且つ28原子%以下で残部Gaおよ
    び不可避不純物を有するNi−Mn−Ga系合金である
    ことを特徴とする強磁性超磁歪膜。
  2. 【請求項2】 前記磁性膜層は100nm以上且つ30
    00nm以下の厚さで形成されている請求項1に記載の
    強磁性超磁歪膜。
  3. 【請求項3】 基板と、前記基板上に形成された下地膜
    層と、前記下地膜層上に形成された磁性膜層を備える強
    磁性超磁歪膜であって、前記磁性膜層はNi−Mn−G
    a系合金であり、前記Ni−Mn−Ga系合金のa軸の
    格子定数が0.58nm以下であり、かつa軸とc軸の
    格子定数比c/aが0.95以下であることを特徴とす
    る強磁性超磁歪膜。
  4. 【請求項4】 基板上に下地膜層を形成し、前記下地膜
    層上にNi量が45原子%以上且つ58原子%以下で、
    Mn量が18原子%以上且つ28原子%以下で残部Ga
    および不可避不純物を有するNi−Mn−Ga系合金の
    磁性膜層を形成し、その後真空中または非酸化性雰囲気
    中で723K以上且つ973K以下の熱処理を施すこと
    を特徴とする強磁性超磁歪膜の熱処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110846551A (zh) * 2019-11-26 2020-02-28 贵州师范大学 一种NiMnGaCoCu记忆合金薄条带的制备方法
WO2021192069A1 (ja) * 2020-03-25 2021-09-30 Tdk株式会社 リザボア素子及びニューロモルフィックデバイス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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