JP2003285392A - 耐振性ラミネートフィルム及び不透過性ホース - Google Patents

耐振性ラミネートフィルム及び不透過性ホース

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JP2003285392A JP2002094132A JP2002094132A JP2003285392A JP 2003285392 A JP2003285392 A JP 2003285392A JP 2002094132 A JP2002094132 A JP 2002094132A JP 2002094132 A JP2002094132 A JP 2002094132A JP 2003285392 A JP2003285392 A JP 2003285392A
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委茂 日比野
Ayumi Ikemoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属箔に対して十分な振動耐久性を与える耐
振性ラミネートフィルムを提供すること、及びこの耐振
性ラミネートフィルムの有効な利用形態を提供するこ
と。 【解決手段】 金属箔の両側面に接着剤層を介して樹脂
フィルム層を接着させた金属箔ラミネートフィルムにお
いて、前記接着剤層の弾性率が1MPa 以上であり、その
結果、5%まで、ないしは3%までの繰り返し変位に対
して十分な振動耐久性を備える耐振性ラミネートフィル
ム。より好ましくは、前記樹脂フィルム層の弾性率が5
00MPa 以下である。これらの耐振性ラミネートフィル
ムを組み込んだ不透過性ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐振性ラミネートフ
ィルム及び不透過性ホースに関する。更に詳しくは、本
発明は、金属箔の使用によって高度の流体不透過性を示
すと共に繰り返し振動等に起因する金属箔の亀裂もしく
は破断の発生を有効に防止する耐振性ラミネートフィル
ムと、この耐振性ラミネートフィルムを流体不透過層と
して組込んだ不透過性ホースとに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境への配慮から、燃料輸送用ホ
ースや冷媒輸送用ホース等における輸送流体に対する不
透過性が重視されている。従来の、例えばNBR・PV
C(アクリロニトリルブタジエンゴムとポリ塩化ビニル
とのブレンド)等からなるゴムホースは、このような不
透過性の要求に対して十分に対応できない。
【0003】ゴムよりも流体バリア性の高い樹脂材を用
い、ホースの一部に曲げ形状やコルゲート形状(蛇腹形
状)を持たせて振動吸収性や組付け性に対応したホース
も提案されている。しかしながら今後、燃料等の透過規
制は一層の強化が予想され、他面では炭酸ガス冷媒や燃
料電池で使用される水素ガス等の透過性の高い流体に対
応する必要もある。
【0004】そのため、更に対策を進め、極めて高度の
流体不透過性を期待できる薄い金属層(例えば金属箔)
をホースに組み込むことが考えられている。ところで、
金属箔等の薄い金属層は、金属の材料特性もあって破断
を起こし易い。金属箔が例えば自動車用の燃料輸送用ホ
ースや冷媒輸送用ホース等に組み込まれた場合、厳しい
繰り返し振動を頻繁に受けるため、そのような問題が特
に顕著である。
【0005】このような点も勘案して、金属箔を保護し
ながら流体バリア層として利用する最も代表的な使用形
態が金属箔ラミネートフィルムであると考えられる。金
属箔ラミネートフィルムとは、通常、金属箔の両側面に
接着剤を用いて薄い樹脂フィルム層を接着させたもので
ある。例えば特開2000−2375号公報や特開20
01−165358号公報等において、このような金属
箔ラミネートフィルムや、これを流体バリア層として組
み込んだ不透過性ホースが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願発
明者の実験によれば、上記のような構成を備える通常の
金属箔ラミネートフィルムは、例えば自動車用ホース等
のように特に厳しい振動耐久性を要求される用途におい
ては、金属箔の破断防止に関して必ずしも十分な振動耐
久性を示さないことが分かった。
【0007】本願発明者は、その原因を究明する過程
で、金属箔とその隣接層の弾性率に注目した。即ち、金
属箔と、その両側の接着剤層と、更にその両側の樹脂フ
ィルム層からなる通常の5層構造の金属箔ラミネートフ
ィルムにおいて、金属箔は極めて高弾性率(一般的に5
000MPa を超える)であるのに対し、隣接する接着剤
層は極めて低弾性率(一般的に高接着力のポリエステル
系接着剤等を用いるため、1MPa にも満たない弾性率で
あり、実際には0.1〜0.6MPa 程度)である。しか
もその両側の樹脂フィルム層として、一般的にはポリエ
チレンテレフタレート(PET )、ポリアミド6(PA6
)、ポリイミド(PI)等の樹脂を用いることが多いた
め、弾性率が500MPa を超える。
【0008】本願発明者の実験により、このような弾性
率勾配の極端なアンバランスが金属箔の振動耐久性を阻
害していることが確認された。従って、金属箔ラミネー
トフィルムの複層構造における上記の如き弾性率勾配の
極端なアンバランスを是正することが、金属箔に十分な
振動耐久性を与えるために極めて有効であることが判明
した。更に、このような弾性率勾配の是正の際に、併せ
て接着剤層及び/又は樹脂フィルム層を可及的に薄くす
ると振動耐久性が一層向上することも、実験的に確認さ
れた。
【0009】そこで本発明は、上記の知見に基づき、金
属箔に対して十分な振動耐久性を与える耐振性ラミネー
トフィルムを提供すること、及びこの耐振性ラミネート
フィルムの有効な利用形態を提供することを、解決すべ
き課題とする。本願発明者は、上記知見に基づき、歪み
量が5%以下ないしは3%以下の振動に対して金属箔が
破断しない耐振性ラミネートフィルムを構成することに
成功し、本願発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、金属箔の両側面に接着剤層を介して樹
脂フィルム層を接着させた金属箔ラミネートフィルムに
おいて、前記接着剤層の弾性率が1MPa 以上である、耐
振性ラミネートフィルムである。
【0011】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係る接着剤層を構成する接着剤がエポキ
シ変性樹脂系接着剤であり、あるいはエポキシ変性樹脂
系接着剤にポリアミド樹脂成分及び/又はフェノキシ樹
脂成分を添加したものである、耐振性ラミネートフィル
ムである。
【0012】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係る樹脂フィルム層の弾性
率が500MPa 以下である、耐振性ラミネートフィルム
である。
【0013】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係る樹脂フィルム層の構成材
料がエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポ
リプロピレン(PP)である、耐振性ラミネートフィルム
である。
【0014】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明に係る接着剤層の厚さが5μm
以下であり、及び/又は、樹脂フィルム層の厚さが15
μm以下である、耐振性ラミネートフィルムである。
【0015】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第5発明に係る金属箔がアルミニウム、
アルミニウム合金、鉄、鉄合金(ステンレス鋼を含
む)、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、
チタン合金、金又は銀からなる、耐振性ラミネートフィ
ルムである。
【0016】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第6発明に係る耐振性ラミネートフィル
ムが、少なくとも自動車用ホースへの使用を含む振動耐
久性を要求される用途に用いられるものである、耐振性
ラミネートフィルムである。
【0017】(第8発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
第1発明〜第7発明に係る耐振性ラミネートフィルムを
流体不透過層として組込んだ、不透過性ホースである。
【0018】(第9発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第9発明(請求項9に記載の発明)の構成は、
前記第8発明に係る不透過性ホースが以下のいずれか1
以上に該当する、不透過性ホースである。 1)任意の産業分野で振動耐久性を要求される用途に用
いられる。 2)自動車用の液体燃料用ホース、気体燃料用ホース又
は冷媒用ホース。 3)少なくとも一部にコルゲート形状部を備えるホー
ス。
【0019】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)従来の
金属箔ラミネートフィルムにおいて、弾性率勾配の極端
なアンバランスをもたらす最大の原因は、通常は1MPa
にも満たないと言う接着剤層の極端な低弾性率である。
接着剤の種類の選択や配合剤の調整等の手段により、接
着剤層の弾性率を1MPa 以上に向上させることは十分に
可能である。接着剤層の弾性率を1MPa 以上に、とりわ
け5MPa 以上に設定すると、金属箔ラミネートフィルム
の振動耐久性が顕著に改善される。
【0020】(第2発明の作用・効果)接着剤層の弾性
率を第1発明のように1MPa 以上に向上させる手段は多
様に考慮できるが、特に好ましい手段が、接着剤層を構
成する接着剤として、エポキシ変性樹脂系接着剤、ある
いはエポキシ変性樹脂系接着剤にポリアミド樹脂成分及
び/又はフェノキシ樹脂成分を添加した接着剤を用いる
ことである。
【0021】(第3発明の作用・効果)金属箔ラミネー
トフィルムにおいて、樹脂フィルム層の弾性率を500
MPa 以下に低減させることも、弾性率勾配の極端なアン
バランスを是正するために有効であり、接着剤層の弾性
率を1MPa 以上に設定すると共に樹脂フィルム層の弾性
率を500MPa 以下に低減させると、金属箔ラミネート
フィルムの振動耐久性向上効果がより顕著になる。
【0022】(第4発明の作用・効果)樹脂フィルム層
の弾性率を第3発明のように500MPa 以下に低減させ
る手段は多様に考慮できるが、特に好ましい手段が、樹
脂フィルム層の構成材料としてEVOH又はPPを用いること
である。
【0023】(第5発明の作用・効果)周知のように、
材料層の弾性率はその層の厚さによっては変わらない。
しかしながら本願発明者は、金属箔ラミネートフィルム
における接着剤層や樹脂フィルム層を薄くすると、金属
箔の振動耐久性が一層向上することを実験的に見出し
た。具体的には、接着剤層の厚さを5μm以下とし、及
び/又は、樹脂フィルム層の厚さを15μm以下とする
ことが有効である。
【0024】このような効果を生じる理由は明確ではな
いが、金属箔を挟む材料層が同一弾性率であっても、こ
れらをより薄膜化することにより、相対的に脆弱層であ
る接着剤層に負荷する歪みを低減させると言う効果を生
じるのではないか、と推定している。
【0025】(第6発明の作用・効果)耐振性ラミネー
トフィルムに用いる金属箔の構成材料は任意に選択され
るが、コスト、加工性等の面からアルミニウム、アルミ
ニウム合金、鉄、鉄合金(ステンレス鋼を含む)、銅、
銅合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合
金、金又は銀が好ましい。薄肉化に適している点、低コ
ストである点、弾性率値が比較的低い点等から、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金が特に好ましい。
【0026】(第7発明の作用・効果)耐振性ラミネー
トフィルムは、金属箔に基づく高度の流体不透過性を示
し、かつ優れた振動耐久性を示すので、少なくとも自動
車用ホースへの使用を含む振動耐久性を要求される用途
に用いることが、より有利である。
【0027】(第8発明の作用・効果)第8発明の不透
過性ホースは第1発明〜第7発明に係る耐振性ラミネー
トフィルムを組込んでいるので、高度の流体不透過性と
優れた振動耐久性とを期待することができる。
【0028】(第9発明の作用・効果)不透過性ホース
は、好ましくは、任意の産業分野で振動耐久性を要求さ
れる用途に用いられ、又は自動車用の液体燃料用ホー
ス、気体燃料用ホース又は冷媒用ホースとして用いられ
る。又、不透過性ホースは少なくとも一部にコルゲート
形状部を備えるホースとすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第9発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは第1発明〜第9発明を一括して指してい
る。
【0030】〔耐振性ラミネートフィルム〕本発明に係
る耐振性ラミネートフィルムは、金属箔の両側面に接着
剤層を介して樹脂フィルム層を接着させた金属箔ラミネ
ートフィルム構造を有する。そして少なくとも、接着剤
層の弾性率が1MPa 以上、特に好ましくは5MPa 以上で
ある。より好ましくは、後述のように、接着剤層、樹脂
フィルム層、金属箔に対して種々の限定が付される。耐
振性ラミネートフィルムは、その全体として5%以上の
破断伸びを示すように構成することが好ましい。
【0031】接着剤層の上記弾性率や後述する樹脂フィ
ルム層の弾性率は環境温度等によって幾分の変化を示す
ため、これらの弾性率は、より厳密には使用環境におけ
る弾性率を言う。しかし実際問題としては、耐振性ラミ
ネートフィルムが例えば摂氏数百度を超えるような環境
で使用されることは考え難い。そのため、室温もしくは
常温における弾性率と使用環境における弾性率とは、そ
の差異を無視できる程に近似すると考えて良い。
【0032】後述の実施例において示すように、本発明
の耐振性ラミネートフィルムに係る接着剤層の弾性率
は、130°Cの使用環境において1MPa 以上である。
ところで、例えば耐振性ラミネートフィルムの代表的な
用途である自動車用の不透過性ホースにおいては、その
使用環境(自動車のエンジンルーム内)温度は80°C
程度である。材料の弾性率値は環境温度の低下に従って
大きくなることが常識であるから、本発明の耐振性ラミ
ネートフィルムに係る接着剤層の弾性率は、いずれも、
80°Cの使用環境温度において少なくとも1MPa 以上
である。
【0033】耐振性ラミネートフィルムは、その実用に
当たり、比較的低い弾性率(例えば2MPa 未満)を示す
一対の弾性体層、例えばそのような弾性率を示す一対の
ゴム層により挟まれた状態で使用することが、金属箔の
振動耐久性を一層向上させるために好ましい。
【0034】弾性体層を構成するゴムの種類は特に制約
がなく、例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエン
ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プ
ロピレンゴム(EPM)、エチレン・プロピレンジエン
ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、シリコ
ーンゴム(Q)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム
(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、エピ
クロルヒドリンゴム(CHR/CHC)、アクリロニト
リル・ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(AC
M)、ウレタンゴム(U)、多硫化ゴム(T)、NBR
・PVC、水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム
(H−NBR)、フッ素ゴム(FKM)等を任意に選択
して使用できる。例えば接着性樹脂フィルム層が前記第
5発明に係る(1)〜(3)のいずれかの樹脂からなる
場合においては、ゴム加硫時にこれらの樹脂と加硫接着
するような配合であるゴムが好ましい。
【0035】〔耐振性ラミネートフィルムの用途〕本発
明に係る耐振性ラミネートフィルムの用途は限定されな
いが、少なくとも流体不透過層として流体輸送用ホース
やパッキン等のシール材に用いることが好ましく、その
内でも振動耐久性を要求される用途、とりわけ厳しい繰
り返し振動を頻繁に受ける自動車用ホース等に用いるこ
とが好ましい。
【0036】〔接着剤層〕接着剤層を構成する接着剤
は、上記の弾性率を示す限りにおいて、その種類や配合
内容を限定されない。好ましくは、エポキシ変性樹脂系
接着剤、あるいはエポキシ変性樹脂系接着剤にポリアミ
ド樹脂成分及び/又はフェノキシ樹脂成分を添加したも
のが用いられる。
【0037】接着剤層の厚さは任意に設定することがで
きるが、金属箔の振動耐久性を一層向上させるために
は、その厚さを5μm以下とすることが好ましい。な
お、接着力を確保できないような過剰に薄い(例えば、
1μm未満の)接着剤層は好ましくない。接着剤層は、
180度剥離による接着強度試験(180度ピール試
験)で10gf/cm以上の接着力を示せば十分であ
る。
【0038】〔樹脂フィルム層〕樹脂フィルム層の構成
は限定されない。耐振性ラミネートフィルムにおける金
属箔の振動耐久性を一層向上させるため、樹脂フィルム
層の弾性率を500MPa以下、さらには200MPa 以下
とすることが、より好ましい。樹脂フィルム層の弾性率
を上記のように設定するために、樹脂フィルム層の構成
材料として、例えばEVOH又はPPを好ましく用いることが
できる。
【0039】樹脂フィルム層の厚さも限定されないが、
耐振性ラミネートフィルムにおける金属箔の振動耐久性
を一層向上させるため、好ましくは厚さを15μm以下
とする。なお、金属箔保護フィルムとしての樹脂フィル
ム層の機能を確保できないような過剰に薄い(例えば、
1μm未満の)樹脂フィルム層は好ましくない。
【0040】〔金属箔〕金属箔を構成する金属種、金属
箔の厚さ、材料特性等は特段に限定されない。金属箔の
構成材料としてはアルミニウム、アルミニウム合金、
鉄、鉄合金(ステンレス鋼を含む)、銅、銅合金、ニッ
ケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、金又は銀が
好ましく、とりわけアルミニウム箔又はアルミニウム合
金箔が好ましい。
【0041】金属箔の厚さは、フレキシビリティとピン
ホール発生防止との兼ね合い等の観点から、6〜30μ
m程度であることが好ましい。金属箔の破断防止の観点
から、破断伸びが5%以上である金属箔を用いることも
好ましい。
【0042】〔不透過性ホース〕本発明に係る不透過性
ホースには、少なくとも上記いずれかの耐振性ラミネー
トフィルムを組込んでいる。不透過性ホースにおける耐
振性ラミネートフィルム以外のホース構成要素について
は限定されず、その他のゴム層、樹脂層、補強層等の各
種のホース構成要素を耐振性ラミネートフィルムの内周
側及び/又は外周側に任意に備えることができる。前記
したように、耐振性ラミネートフィルムが一対のゴム層
により挟まれている構成が特に好ましい。これらの各種
ホース構成要素中において、耐振性ラミネートフィルム
が不透過性ホースの内層、中間層、外層のいずれを構成
するかは任意である。
【0043】不透過性ホースのより好ましい具体例とし
て次のいずれかに示すホース構成要素からなるものを挙
げることができる。下記において左側が最内層のホース
構成要素を示し、右側へ順に外層側のホース構成要素を
示し、「不透過層」とは本発明に係る耐振性ラミネート
フィルムを示す。 1)不透過層/ゴム層又は樹脂層 2)不透過層/ゴム層又は樹脂層/補強糸層 3)不透過層/ゴム層又は樹脂層/補強糸層/ゴム層又
は樹脂層 4)ゴム層又は樹脂層/不透過層/ゴム層又は樹脂層 5)ゴム層又は樹脂層/不透過層/ゴム層又は樹脂層/
補強糸層 6)ゴム層又は樹脂層/不透過層/ゴム層又は樹脂層/
補強糸層/ゴム層又は樹脂層。
【0044】不透過性ホースの全体的形状には限定がな
い。例えば、ストレートな管形状を有する直管状ホー
ス、曲り形状を有する曲り管状ホース、一部分又は大部
分がコルゲート形状でその他の部分が直管状又は曲り管
状とされたコルゲートホース、のいずれの形態も取るこ
とができる。
【0045】不透過性ホースに耐振性ラミネートフィル
ムを組み込む方法は限定されない。例えば、耐振性ラミ
ネートフィルムを一旦テープ状に形成した後、これをホ
ース中に縦添え巻きやスパイラル巻きによって管状又は
コルゲート管状に構成することもできるし、公知の適宜
な方法によって初めから管状又はコルゲート管状の耐振
性ラミネートフィルムを形成し、不透過性ホースに組み
込むこともできる。「縦添え巻き」とは、テープ状の耐
振性ラミネートフィルムを長手方向(ホース軸方向)に
沿って巻回することにより筒状体を構成する方法を言
い、「スパイラル巻き」とは、テープ状の耐振性ラミネ
ートフィルムをスパイラル方向に巻いて筒状体を構成す
る方法を言う。
【0046】不透過性ホースは、種々の流体(液体ある
いは気体)の輸送に限定なく使用されるものである。特
に、任意の産業分野で振動耐久性を要する用途に好まし
く使用される。とりわけ、厳しい繰り返し振動を頻繁に
受ける自動車用の流体輸送用ホースに好適である。例え
ば、ガソリン自動車用のガソリンやアルコール混合ガソ
リン等に用いる燃料ホース、プロパンガス用のホース、
燃料電池車用の水素ガスやメタノール等に用いる燃料ホ
ース、フロンや炭酸ガス等に用いる冷媒ホースの他、エ
アホース等にも任意に使用することができる。
【0047】
【実施例】〔実施例1〕 (耐振性ラミネートフィルムの作製)厚さ20μmのア
ルミニウム箔(JIS A8079:130°Cにおけ
る弾性率が7664MPa )の両面に、それぞれ5種類の
接着剤(いずれも厚さが3μm)を用いて、いずれも厚
さ15μmの EVOH 製の延伸樹脂フィルム(130°C
における弾性率が143MPa )を貼合わせ、5種類の耐
振性ラミネートフィルムもしくは比較用ラミネートフィ
ルムを作製した。
【0048】上記の5種類の接着剤として、130°
Cにおける弾性率が0.1MPa であるポリエステル−イ
ソシアネート系接着剤、130°Cにおける弾性率が
0.6MPa であるポリエステル−イソシアネート系接着
剤、130°Cにおける弾性率が1.0MPa である、
エポキシ変性樹脂系接着剤、130°Cにおける弾性
率が3.0MPa である、エポキシ変性樹脂に対してポリ
アミド樹脂成分及びフェノキシ樹脂成分を添加した接着
剤、130°Cにおける弾性率が6.9MPaである、
エポキシ変性樹脂に対してポリアミド樹脂成分及びフェ
ノキシ樹脂成分を添加した接着剤、をそれぞれ用いた。
【0049】次に、上記の各耐振性ラミネートフィルム
もしくは比較用ラミネートフィルムの両側面に厚さ1m
mの未加硫EPDMシートを貼合わせ、160°C×3
0分の熱加硫を行って積層体を作製した後、一定のダン
ベル試験片形状に切断し、評価用試料とした。
【0050】(ラミネートフィルムの評価)上記の評価
用試料について、130°C雰囲気下において300回
/分の条件でX%の伸びを与える引張振動を繰り返し
た。そして所定の耐久回数終了時に評価用試料を回収
し、積層構造の外側層を剥がすことにより金属箔を露出
させ、拡大鏡を用いて金属箔の破断(亀裂)の有無を観
察した。
【0051】その結果を図1に示す。図1において、縦
軸は試料に与えた繰り返し変位量(上記の引張振動にお
ける伸び量X%)を示し、横軸は耐久回数(金属箔に亀
裂が発生するまでに与えた引張振動の繰り返し回数)を
示す。横軸の数値は、例えば「1.E+07」とある場
合、X%の伸びを与える引張振動を1000万回与えた
時に亀裂が発生していないことを示す。図1の結果から
見ると、接着剤の弾性率が高い方がラミネートフィルム
の振動耐久性が高く、特に接着剤の弾性率が1.0MPa
以上である耐振性ラミネートフィルムにおいては3%ま
での繰り返し伸びに対して十分な振動耐久性を備えるこ
とが判明した。
【0052】〔実施例2〕上記実施例1における接着剤
がである例において、その接着剤層の厚さが上記の3
μmである場合の他、1μm、10μm、20μmであ
る場合について、実施例1の場合と同様にダンベル試験
片形状の評価用試料を作製し、かつ、実施例1の場合と
同様の方法で振動耐久性を評価した。
【0053】その結果を図2に示す。図2における表記
の要領は図1の場合と同様である。図2の結果から見る
と、接着剤層の厚さが薄い方が耐振性ラミネートフィル
ムの振動耐久性が高い。そして接着剤の塗りムラ等によ
る接着不良等を考慮すると、接着剤層の厚さは5μm以
下、とりわけ3μm以下であることが好ましい。
【0054】〔実施例3〕上記実施例1における接着剤
がである例において、その接着剤により貼合わせる厚
さ15μmの樹脂フィルムが、上記の EVOH 製の延伸樹
脂フィルム(130°Cにおける弾性率が143MPa )
である場合の他、無延伸 EVOH フィルム(130°Cに
おける弾性率が26MPa )、PA6 フィルム(130°C
における弾性率が505MPa )、PET フィルム(130
°Cにおける弾性率が699MPa )、PIフィルム(13
0°Cにおける弾性率が1509MPa)である場合につ
いて、実施例1の場合と同様にダンベル試験片形状の評
価用試料を作製し、かつ、実施例1の場合と同様の方法
で振動耐久性を評価した。
【0055】その結果を図3に示す。図3における表記
の要領は図1の場合と同様である。図3の結果から見る
と、樹脂フィルム層の弾性率が低い方が耐振性ラミネー
トフィルムの振動耐久性が高く、樹脂フィルム層の弾性
率が200MPa 以下、とりわけ150MPa 以下であると
振動耐久性が著しく向上する。特に上記無延伸 EVOHフ
ィルムを用いた場合、4.5%までの繰り返し伸びに対
して十分な振動耐久性を備えることが判明した。
【0056】〔実施例4〕上記実施例3における樹脂フ
ィルム層が無延伸 EVOH フィルム(130°Cにおける
弾性率が26MPa )である例において、その樹脂フィル
ム(無延伸 EVOHフィルム)層の厚さが上記の15μm
である場合の他、30μm、50μmである場合につい
て、実施例1の場合と同様にダンベル試験片形状の評価
用試料を作製し、かつ、実施例1の場合と同様の方法で
振動耐久性を評価した。
【0057】その結果を図4に示す。図4における表記
の要領は図1の場合と同様である。図4の結果から見る
と、樹脂フィルム層の厚さが薄い方が耐振性ラミネート
フィルムの振動耐久性が高く、特に厚さが15μm以下
であれば4.5%までの繰り返し伸びに対して十分な振
動耐久性を備えることが判明した。
【0058】〔比較例〕上記実施例4における無延伸 E
VOH フィルム層の厚さが15μmである場合に係る耐振
性ラミネートフィルム(以下、「積層構造B」と言う)
と対比するため、次の比較例を準備した。即ち、実施例
1の場合と同じアルミニウム箔の両面に、実施例1の
に係る接着剤(厚さ3μm)を用いて、厚さ25μmの
延伸PET樹脂フィルム(130°Cにおける弾性率が6
99MPa )を貼合わせ、比較用ラミネートフィルム(積
層構造A)を作製した。
【0059】この比較用ラミネートフィルムについて実
施例1の場合と同様にダンベル試験片形状の評価用試料
を作製し、かつ、実施例1の場合と同様の方法で振動耐
久性を評価した。この積層構造Aに係る比較用ラミネー
トフィルムの評価結果を、図4に既に示した積層構造B
に係る耐振性ラミネートフィルムの評価結果と共に、図
5に示す。両者における振動耐久性の差異は顕著であ
る。
【0060】〔実施例5〕上記実施例3における樹脂フ
ィルム層が無延伸 EVOH フィルム(130°Cにおける
弾性率が26MPa )である例において、その接着剤を前
記に変更した場合について、実施例1の場合と同様に
ダンベル試験片形状の評価用試料(積層構造C)を作製
し、かつ、実施例1の場合と同様の方法で振動耐久性を
評価した。その結果を図5に併せて示すが、この場合の
積層構造Cに係る耐振性ラミネートフィルムは5%まで
の繰り返し伸びに対して十分な振動耐久性を備えること
が判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の評価結果を示すグラフ線図である。
【図2】実施例の評価結果を示すグラフ線図である。
【図3】実施例の評価結果を示すグラフ線図である。
【図4】実施例の評価結果を示すグラフ線図である。
【図5】実施例の評価結果を示すグラフ線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 11/11 F16L 11/11 // B60K 15/01 B60K 15/02 C Fターム(参考) 3D038 CA01 CA19 CA22 CB01 CC17 3H111 AA02 BA02 BA03 BA04 BA05 BA15 BA34 CA42 CB29 DA26 DB08 DB09 DB19 4F100 AB01A AB02A AB10 AB10A AB12A AB16A AB17A AB24A AB25A AB31A AB33A AK01B AK01C AK07B AK07C AK33H AK41 AK46H AK51 AK53H AK69B AK69C AK75 AL06H BA03 BA06 BA10B BA10C DA11 EC18 EC182 GB32 JD05 JH02 4J040 EC001 EC002 EC401 EC402 EC411 EC412 EE061 EE062 EF111 EF112 EF261 EF262 EG001 EG002 JA09 LA06 MA12 NA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔の両側面に接着剤層を介して樹脂
    フィルム層を接着させた金属箔ラミネートフィルムにお
    いて、 前記接着剤層の弾性率が1MPa 以上であることを特徴と
    する耐振性ラミネートフィルム。
  2. 【請求項2】 前記接着剤層を構成する接着剤がエポキ
    シ変性樹脂系接着剤であり、あるいはエポキシ変性樹脂
    系接着剤にポリアミド樹脂成分及び/又はフェノキシ樹
    脂成分を添加したものであることを特徴とする請求項1
    に記載の耐振性ラミネートフィルム。
  3. 【請求項3】 前記樹脂フィルム層の弾性率が500MP
    a 以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2の
    いずれかに記載の耐振性ラミネートフィルム。
  4. 【請求項4】 前記樹脂フィルム層の構成材料がエチレ
    ンビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポリプロピレ
    ン(PP)であることを特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の耐振性ラミネートフィルム。
  5. 【請求項5】 前記接着剤層の厚さが5μm以下であ
    り、及び/又は樹脂フィルム層の厚さが15μm以下で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに
    記載の耐振性ラミネートフィルム。
  6. 【請求項6】 前記金属箔がアルミニウム、アルミニウ
    ム合金、鉄、鉄合金(ステンレス鋼を含む)、銅、銅合
    金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、金
    又は銀からなることを特徴とする請求項1〜請求項5の
    いずれかに記載の耐振性ラミネートフィルム。
  7. 【請求項7】 前記耐振性ラミネートフィルムが、少な
    くとも自動車用ホースへの使用を含む振動耐久性を要求
    される用途に用いられるものであることを特徴とする請
    求項1〜請求項6のいずれかに記載の耐振性ラミネート
    フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の
    耐振性ラミネートフィルムを流体不透過層として組込ん
    だことを特徴とする不透過性ホース。
  9. 【請求項9】 前記不透過性ホースが以下のいずれか1
    以上に該当することを特徴とする請求項8に記載の不透
    過性ホース。 1)任意の産業分野で振動耐久性を要求される用途に用
    いられる。 2)自動車用の液体燃料用ホース、気体燃料用ホース又
    は冷媒用ホース。 3)少なくとも一部にコルゲート形状部を備えるホー
    ス。
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WO2010107270A3 (ko) * 2009-03-20 2010-12-23 Jung Jin Man 플랙시블 튜브 시이트 및 튜브체 제조방법

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