JP2003290839A - 管材の引き曲げ加工方法 - Google Patents
管材の引き曲げ加工方法Info
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Abstract
が4.0%以下の薄肉管をR/Dが1.5以下の小R曲
げ加工を行うに際して、ワレ、シワを生じることなく加
工できる管材の引き曲げ方法を提供する。 【解決手段】 管材の回転引き曲げ加工に際し,回転可
能な曲げ型及び管材を管軸方向から加圧する管ブースタ
ー装置及び素管の曲げ外側を加圧し曲げ加工の進行とと
もに管軸方向に移動するプレッシャー型及び素管の曲げ
内側を保持するワイパー型及び管材の内側に心金を有し
た引き曲げ加工機を用いて管材を回転引き曲げ加工する
方法において、前記心金の外径と管材の内径とのクリア
ランスが下記(1)式を満足することを特徴とする管材
の引き曲げ加工方法。 2.5≦(D−2t−B)/(D−2t)×100
(%)≦7.5……(1)
Description
の曲げ管に用いられる管材の曲げ加工方法に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車或いは空気調和機等には、所定の
形状に曲げ加工された多数の管材部品が使用されてい
る。管材を所定形状に曲げるための曲げ加工方法として
は、図2に示すような回転引き曲げ加工装置が広く利用
されている。回転引き曲げ加工装置は、曲げ案内用の円
弧状部を形成した回転可能な曲げ型4にクランプ型3及
び曲げ加工の進行とともに管軸方向に移動するプレッシ
ャー型2で管材pを円周方向から押し付け保持し、管材
pの後端を管ブースター装置5で押圧しつつ、クランプ
型3を曲げ型4と一体的に回転して管材pを曲げ加工す
る。 【0003】かかる管材pの曲げ加工においては、図3
に示すように管材pの曲げの中立軸を中心として、曲げ
外側は伸ばされ元の肉厚tよりも薄くなり、曲げ内側は
縮められ元の肉厚tよりも厚くなる。また、曲げ加工時
に管材pには潰されるような力が働き、管材pの断面形
状は図4に示すように特に曲げ外側が楕円化するため、
図1に示すような心金1を管材pの内側に具備し、曲げ
加工中に管材pが潰れて楕円化(偏平化)するのを防止
する技術も広く実施されている。 【0004】最近の傾向としては、自動車のエンジンル
ーム、クラー等を筆頭に狭小なスペースに取り付けられ
るため、レイアウト状の制約により、曲げ半径Rと管材
外径Dの比(R/D)が1.5以下の小R曲げを要求さ
れる場面が多くなってきているとともに、軽量化、コス
ト低減の観点から管材pの肉厚tと外径Dの比(t/
D)が4.0%以下の薄肉管が使用される傾向が強くな
ってきている。薄肉管の小R曲げでは楕円化が顕著にな
るとともに、曲げ外側ではワレ及び曲げ内側ではシワが
発生し易くなるため、所望の部品を得ることは非常に困
難であった。 【0005】従来、薄肉管の曲げ加工では、楕円化を防
止するとともに曲げ内側のシワを抑制するため、心金1
を具備すると同時に、心金1の外径Bと管材pの内径
(D−2t)とのクリアランスをできるだけ少なくする
方法が志向されてきた。しかし、この技術は曲げ外側の
減肉については全く考慮されておらず、曲げ外側がワレ
易くなるという欠点を有していた。 【0006】小R曲げにおけるワレ、シワ等の不具合を
抑制する方法として、特許第2544001号公報で
は、回転引き曲げ加工装置に曲げ型4の曲げ速度検出器
及び管ブースター5の押し速度検出器を取り付け、曲げ
速度検出器及び押し速度検出器からの信号に基づいて曲
げ速度或いは押し速度を加減速制御することにより、曲
げ速度パターンと押し速度パターンを相似にする同期制
御を採用することが提案されている。また、特公平2−
15291号公報では、曲げ外側の減肉を抑制する方法
として、管ブースター5による圧縮曲げの荷重を曲げ型
4による引き曲げ荷重より過荷重とし、管ブースター5
の押し速度を曲げ型4の曲げ速度より過速度とし、更に
プレッシャー型2の移動速度を曲げ型4の曲げ速度より
過速度とし、各曲げ工程の荷重及び速度を一定の範囲に
制御することが提案されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、心金1
の外径Bと管材pの内径(D−2t)のクリアランスが
従来通り少ない場合には、上記従来技術を採用しても曲
げ外側の減肉抑制効果は期待できず、薄肉管の小R曲げ
におけるワレ防止はできなかった。 【0008】本発明は、上記従来技術にともなう課題を
解決するためになされたものであり、既存の回転引き曲
げ加工装置を用いてt/Dが4.0%以下の薄肉管をR
/Dが1.5以下の小R曲げ加工を行うに際して、ワ
レ、シワを生じることなく加工できる管材の引き曲げ方
法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、管材の回
転引き曲げ加工に際し、回転可能な曲げ型4及び管材p
を管軸方向から加圧する管ブースター装置5及び管材p
の曲げ外側を加圧し曲げ加工の進行とともに管軸方向に
移動するプレッシャー型2及び管材pの曲げ内側を保持
するワイパー型6及び管材pの内側に心金1を有した引
き曲げ加工機を用いて管材pを引き曲げ加工する方法に
ついて鋭意研究を重ねてきた結果、管材pの曲げ外側の
ワレ及び管材pの曲げ内側のシワは、心金1の外径Bと
管材pの内径(D−2t)とのクリアランスが最も大き
く影響を及ぼしているという知見を得た。 【0010】本発明は、以上の知見に基づいて構成され
たものであり、管材の回転引き曲げ加工に際し,回転可
能な曲げ型及び管材を管軸方向から加圧する管ブースタ
ー装置及び素管の曲げ外側を加圧し曲げ加工の進行とと
もに管軸方向に移動するプレッシャー型及び素管の曲げ
内側を保持するワイパー型及び管材の内側に心金を有し
た引き曲げ加工機を用いて管材を回転引き曲げ加工する
方法において、前記心金の外径と管材の内径とのクリア
ランスが下記(1)式を満足することを特徴とする。 【0011】 2.5≦(D−2t−B)/(D−2t)×100(%)≦7.5……(1) 但し、Dは管材の外径、tは管材の肉厚、(D−2t)
は管材の内径、Bは心金の外径、(D−2t−B)は心
金と管内径のクリアランスをそれぞれ表わす。 【0012】クリアランスが2.5%未満の場合、管材
pの外径、肉厚公差及び曲げ内側の増肉により、管材は
曲げ型、心金、プレッシャー型、ワイパー型で強く挟圧
された状態となる。その結果、管ブースターの管軸方向
加圧力は管ブースターから挟圧された部位の前の間に作
用するだけで、挟圧領域内にある曲げ部には管ブースタ
ーの加圧力は十分作用しない。 【0013】そのため、素材の管軸方向から曲げ部への
塑性流動が十分なされず、曲げ外側が減肉する。また、
曲げ加工中、管材の断面形状が楕円化し、曲げ外側が心
金と曲げ型により圧延状態となる場合では、更に大きな
減肉が生じる。従って、クリアランスを2.5%以上と
する。 【0014】一方、クリアランスが、7.5%超えの場
合、曲げ初期に素材が内側へ折れこむとともにシワを生
じるため、クリアランスは2.5%以上、7.5%以下
とする。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の好ましい実施の形態について説明する。 【0016】図1は、心金1と管材pの位置関係を模式
的に示すもので、本発明ではクリアランスを、(D−2
t−B)/(D−2t)×100(%)と定義し、2.
5%以上、7.5%以下とする。また、心金の形状は図
1に示す自在心金に限定されず、球面心金、半砲弾型心
金でなどでも良い。 【0017】回転引き曲げ加工装置は、曲げ型4、クラ
ンプ型3、プレッシャー型2、管ブースター装置5、ワ
イパー型6および心金1を備えている。このような回転
引き曲げ加工装置に管材pを取り付け曲げ加工する際
に、図1に示す心金1の外径Bと管材pの内径(D−2
t)とのクリアランスを2.5%以上とすることによ
り、管材pの外径、肉厚公差及び曲げ加工中の曲げ内側
の増肉を考慮しても、管材pは曲げ型4、心金1、プレ
ッシャー型2、ワイパー型6で強く挟圧された状態とは
ならず、管ブースター装置5の管軸方向加圧力が管長手
方向に十分作用した状態で曲げ加工されることになる。
このため、曲げ部へ管軸方向からの素材の塑性流動が十
分なされるとともに、曲げ中立軸の管外側への移行が速
やかに行われるため曲げ外側の減肉が抑制される。 【0018】他方、曲げ内側は、ワイパー型6が固定さ
れているため管軸方向への素材の塑性流動の抵抗とな
り、管ブースター装置5の加圧力は曲げ内側部に十分作
用しなくなる。このため、曲げ内側の過大な増肉は避け
られシワの発生も生じにくい。 【0019】しかし、クリアランスを7.5%より大き
くした場合には、曲げ初期に素材が内側へ折れ込むとと
もに図8に示すようなシワ、折れ込みを生じるため、こ
れより大きなクリアランスは不適切である。 【0020】一方、クリアランスが2.5%未満では、
管材pの外径、肉厚公差及び曲げ内側の増肉により、管
材pは曲げ型4、心金1、プレッシャー型2、ワイパー
型6で強く挟圧された状態となる。このため、管ブース
ター装置5の管軸方向加圧力は管ブースター装置5から
挟圧された箇所の間に作用するだけで、挟圧領域内にあ
る曲げ部には管ブースター装置5の加圧力が十分に作用
できない状態で曲げ加工されることになる。 【0021】更に、曲げ加工中には前述したように管材
pの曲げ外側が楕円化するため、場合によっては管材p
の曲げ外側は心金1と曲げ型4に強く押し当てられ圧延
されるような状態となり、曲げ外側は大きな減肉を生じ
ることとなる。クリアランスの設定を狭くすればこの現
象は更に顕著となる。 【0022】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。 【0023】図1は本発明の一実施例を示す心金1の外
径Bと管材pの内径(D−2t)とのクリアランスの関
係を示す模式図である。図2は一般的な回転引き曲げ加
工装置の模式図である。この装置は、回転可能な曲げ型
4と、管材pを管軸方向から加圧する管ブースター装置
5と、素管の曲げ外側を加圧し、曲げ加工の進行ととも
に管軸方向に移動するプレッシャー型2と、素管の曲げ
内側を保持するワイパー型6と、管材pの中空部に挿入
される心金1とを備えている。 【0024】この装置を用いて管材pを曲げ加工する場
合は、曲げ型4にクランプ型3及びプレッシャー型2で
管材pを押し付け保持し、管材pの後端を管ブースター
装置5で押圧しつつ、クランプ型3を曲げ型4と一体的
に回転して管材pを曲げる。ワイパー型6は、管材pの
曲げ加工に際して管材pの曲げ内側のシワ防止のための
部材であり、必要に応じて位置調整されボルトにより固
定されている。 【0025】本装置を用いて、以下に示す従来の曲げ加
工条件で曲げ加工を行い、加工後のサンプルの外観目視
確認及び加工後のサンプルを図5に示す如く曲げ角度1
0゜ピッチ毎に曲げ外側肉厚tout、内側肉厚tin
を調査した。 【0026】 材質 :引張強度500MPa級炭素鋼(電縫鋼管) 外径D :φ75mm 肉厚t :2.3mm(t/D≒3.1%) 曲げ半径R :80mm(R/D=1.07D) 曲げ角度 :90度 管ブースター加圧力 :11ton、17ton 心金外径B :φ70mm 管内径と心金のクリアランス:0.57% いずれの管ブースター加圧力でも外観目視ではワレ、シ
ワは生じていないが、図6に示すように曲げ外側の肉厚
toutは30%を越える減肉を示すことから実用部材
としての使用は不適切である。特に曲げ加工後に更にハ
イドロフォーム等の加工を受ける部材では減肉部から選
択的に割れることが予想される。また、管ブースター装
置5の加圧力を11トン、17トンと50%も変化させ
たにも関わらず肉厚分布は殆ど同じであり、管ブースタ
ー装置5による減肉抑制効果は全く認められない。そこ
で、次に下記の如く心金1の外径Bを変更し管材pの内
径と心金1のクリアランスを変えて同様の調査を行っ
た。なお、クリアランス5%については、管ブースター
5の加圧力を11トンと17トンの双方を実施した(他
クリアランスについては、加圧力11トンのみ実施). 管ブースター加圧力 :11トン、(17トン) 心金外径B :φ69.20mm、φ68.64mm、φ66.8 8mm、φ65.12mm、φ63.36mm 管内径と心金のクリアランス:1.7%、2.5%、5%、7.5%、10 % 図7は前記と同様に加工後のサンプルから曲げ角度10
゜ピッチ毎に肉厚を測定し、肉厚変化率の最大値を管内
径と心金1のクリアランスで整理した図である(図6の
クリアランス0.57%の結果も含む)。図7から明ら
かなように本発明の範囲であるクリアランスを2.5%
以上7.5以下とすることにより肉厚の減肉率を5%〜
15%程度抑制できるとともに曲げ外側の減肉を30%
未満に抑制できる。なお、クリアランス10%の場合は
図8に示すように曲げ初期に曲げ内側が折れ込み変形を
生じてしまい正常な製品形状と成らないため、図7中の
クリアランス10%のプロット点は参考値としてバツ記
号(×)で示す。 【0027】また、上述の如くクリアランス0.57%
では管ブースター5の加圧力の影響は認められなかった
が、クリアランス5%では管ブースター5の加圧力を増
加した場合、減肉が5%程度抑制されていることから、
曲げ外側の減肉を更に抑制するには、クリアランスの設
定を本発明の如くするとともに管ブースター装置5の加
圧力を高めに設定することが望ましい。 【0028】図9は曲げ加工後の各サンプルの偏平率の
最大値を管内径と心金1のクリアランスで整理した図で
あるが、クリアランスを大きくした場合の最大偏平率
は、クリアランスとほぼ同等か若干少ない傾向にある。
一般に実用部材として考えると最大偏平率は10%以下
が望ましいことから、本発明の範囲であるクリアランス
2.5%以上7.5%以下は十分実用的と言える。 【0029】次に下記の如く曲げ半径Rを変更しても本
発明の範囲で減肉抑制効果が得られるか確認の調査を行
った(他の加工条件は同様である)。 【0030】 【表1】【0031】 【表2】 【0032】表1、2から明らかなように、曲げ半径R
を変更しても本発明の範囲で減肉抑制効果が得られると
ともに、ワレ、シワ等の不具合もなく、且つ、偏平も十
分実用的な範囲で正常に加工できる。 【0033】なお、本発明における心金1の形状は、図
1に示す自在心金に限定されるものではなく、一般に用
いられる球面心金、半砲弾型心金であっても良く、特に
形状に限定されるのもではない。また、本発明の効果
は、高精度な制御機構を有した回転引き曲げ加工機でも
十分発揮されるものであり、回転引き曲げ加工機の性能
に限定されるものではない。 【0034】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の管材の曲げ
加工法によれば、高精度な制御機構を有した回転引き曲
げ加工機を用いることなく曲げ外側の減肉による割れが
抑制できるとともに曲げ内側にシワの無い曲がり管の製
造が可能となり、工業上有用な効果がもたらされる。
ランスの関係を示す模式図。 【図2】回転引き曲げ加工装置の模式図。 【図3】曲げ加工形態を示す説明図。 【図4】曲げ加工による管材の楕円化を示す断面図。 【図5】曲げ加工後の肉厚測定箇所を示す模式図。 【図6】従来の曲げ加工方法による曲げ加工後の肉厚変
化を示す図。 【図7】本発明の曲げ加工法による肉厚の減肉抑制効果
を示す図。 【図8】曲げ初期の折れ込み形状を示す模式図。 【図9】本発明の曲げ加工法による管材の偏平状況を示
す図。 【符号の説明】 1…心金、 2…プレッシャー型、 3…クランプ型、 4…曲げ型、 5…管ブースター装置、 6…ワイパー型、 p…管材、 D…管材の外径、 t…管材の肉厚、 B…心金の外径、 R…曲げ半径。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 管材の回転引き曲げ加工に際し,回転可
能な曲げ型及び管材を管軸方向から加圧する管ブースタ
ー装置及び素管の曲げ外側を加圧し曲げ加工の進行とと
もに管軸方向に移動するプレッシャー型及び素管の曲げ
内側を保持するワイパー型及び管材の内側に心金を有し
た引き曲げ加工機を用いて管材を回転引き曲げ加工する
方法において、前記心金の外径と管材の内径とのクリア
ランスが下記(1)式を満足することを特徴とする管材
の引き曲げ加工方法。 2.5≦(D−2t−B)/(D−2t)×100(%)≦7.5……(1) D:管材の外径 t:管材の肉厚 D−2t:管材の内径 B:心金の外径 D−2t−B:心金と管内径のクリアランス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002101620A JP3974439B2 (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 管材の引き曲げ加工方法 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2002101620A JP3974439B2 (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 管材の引き曲げ加工方法 |
Publications (3)
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2002
- 2002-04-03 JP JP2002101620A patent/JP3974439B2/ja not_active Expired - Fee Related
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