JP2003291893A - 制御システム、航空機・宇宙機の飛行制御システム、車両の運動制御システム - Google Patents

制御システム、航空機・宇宙機の飛行制御システム、車両の運動制御システム

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JP2003291893A
JP2003291893A JP2002101455A JP2002101455A JP2003291893A JP 2003291893 A JP2003291893 A JP 2003291893A JP 2002101455 A JP2002101455 A JP 2002101455A JP 2002101455 A JP2002101455 A JP 2002101455A JP 2003291893 A JP2003291893 A JP 2003291893A
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恭弘 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種条件において、常に最大レベルの運動能
力を達成できる制御システムを提供する。 【解決手段】 制御対象を操作するための操縦コマンド
15aを入力し、前記操縦コマンドに基づいて、前記制
御対象の複数の制御デバイスのそれぞれの状態を指示す
る制御出力16を出力する第1の制御則11と、前記第
1の制御則に入力された前記操縦コマンドを入力したと
き、前記第1の制御則と異なる前記制御出力を出力する
第2の制御則12と、前記制御デバイスの不具合を示す
情報14に基づいて、前記第1及び第2の制御則のいず
れかに切換える制御則切換部20とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御システム、航
空機・宇宙機の飛行制御システム及び車両の運動制御シ
ステムに関し、特に、使用可能な制御デバイスを自律的
に有効活用できる制御システム、航空機・宇宙機の飛行
制御システム及び車両の運動制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の制御システムにおいて用いられる
制御則の一例として、図6に飛行制御則を概要を示す。
図6に示すように、従来の飛行制御システムでは、機体
の制御デバイス能力、飛行条件の変化などの組み合わせ
に対応して、飛行制御アルゴリズムのパラメータKをス
ケジューリングすることで、必要な飛行能力を達成して
いた。例えば、機体の速度などの観測量40に基づい
て、一定の(単一の)制御則のゲインKを調整している
に過ぎなかった。
【0003】設計に際しては、各飛行条件における最悪
状態でも、制御デバイスの制約条件を逸脱しないように
配慮され、膨大なコンピュータシミュレーション、飛行
試験により制御性能を確認してきた。
【0004】以下に、従来の問題点を示す。
【0005】(1)パラメータのスケジューリングのみ
では、飛行条件の変化に対応する対処能力に限界があ
る。 (2)同一飛行条件であっても、状況の変化により、要
求される機体運動性能などが変化した場合(パイロット
が急激な操縦コマンドを入力した場合なども含む)、柔
軟に対応できない場合がある。
【0006】(3)制御デバイスの制約条件を、最悪条
件でも満足できる設計とせざるを得ず、結果として保守
的な運動性能しか達成できない。 (4)制御デバイスの故障/破損などが生じ、機体特性
が劇的に変化した場合の対処能力に欠ける。 (5)シミュレーション、飛行試験結果に応じて試行錯
誤的にパラメータを設定していたため、設計/開発に膨
大な時間と労力を要する。
【0007】日本国特許第2948549号公報には、
本発明者の一部による次の高次ダイナミクス型自動制御
方法が開示されている。高次ダイナミクスを有する制御
則部分を線形離散時間状態空間表現を用いて記述し、こ
の線形離散時間状態空間表現された複数の制御則部分の
行列データを計算処理切換時に択一的に入替え、上記計
算処理切換時に制御対象からの出力と制御対象への入力
とにより切換時の運動状態及び制御信号を実現する制御
則部分の内部状態変数の収束値を算出して、上記行列デ
ータの入替えと同時に上記内部状態変数を算出した収束
値に入替えることを特徴とする方法である。
【0008】この高次ダイナミクス型自動制御方法によ
れば、制御則の切換えに際して制御対象が予想外の好ま
しくないトランジェント挙動を発生することがなく、円
滑に切換動作を実行することができると共に、切換後も
線形制御理論による安定性を保持することができ、結果
として広範囲、長時間に渡って精密で制御対象の変動に
も十分に対処し得る頑強な自動制御を実現できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】各種条件において、常
に最大レベルの運動能力を達成できることが望まれてい
る。制御デバイスの故障/破損などが生じた場合でも、
残った制御デバイスの制約条件に応じ、それらを最大限
活用することで、常に高い運動能力を確保することが望
まれている。制御デバイスの制約条件と達成可能な制御
性能の関係が明確になり、設計/開発作業に要するコス
ト/期間を短縮することが望まれている。
【0010】本発明の目的は、各種条件において、常に
最大レベルの運動能力を達成できる制御システム、航空
機・宇宙機の飛行制御システム及び車両の運動制御シス
テムを提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、制御デバイスの故障
/破損などが生じた場合でも、残った制御デバイスの制
約条件に応じ、それらを最大限活用することで、常に高
い運動能力を確保することが可能な制御システム、航空
機・宇宙機の飛行制御システム及び車両の運動制御シス
テムを提供することである。
【0012】本発明の更に他の目的は、制御デバイスの
制約条件と達成可能な制御性能の関係が明確になり、設
計/開発作業に要するコスト/期間を短縮することが可
能な制御システム、航空機・宇宙機の飛行制御システム
及び車両の運動制御システムを提供することである。
【0013】本発明の更に他の目的は、使用可能な制御
デバイスを自律的に有効活用できる制御システム、航空
機・宇宙機の飛行制御システム及び車両の運動制御シス
テムを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】以下に、[発明の実施の
形態]で使用する番号・符号を用いて、[課題を解決す
るための手段]を説明する。これらの番号・符号は、
[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記
載との対応関係を明らかにするために付加されたもので
あるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技
術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0015】本発明の制御システム(10)は、制御対
象を操作するための操縦コマンド(15a)を入力し、
前記操縦コマンド(15a)に基づいて、前記制御対象
の制御デバイスの状態を指示する制御出力(16)を出
力する第1の制御則(11)と、前記第1の制御則(1
1)に入力された前記操縦コマンド(15a)を入力し
たとき、前記第1の制御則(11)と異なる前記制御出
力(16)を出力する第2の制御則(12)と、前記制
御デバイスの不具合を示す情報(14)に基づいて、前
記第1及び第2の制御則(11、12)のいずれかに切
換える制御則切換部(20)とを備えている。
【0016】本発明の制御システムにおいて、前記第1
及び第2の制御則(11、12)のそれぞれは、高次ダ
イナミクスを有するコントローラである。
【0017】本発明の制御システム(10)において、
前記制御則切換部(20)は、前記制御デバイスの能力
の範囲内で高い制御能力を達成するための前記制御出力
(16)が出力されるように、前記第1及び第2の制御
則(11、12)のいずれかに切換える。
【0018】本発明の制御システム(10)において、
前記第1及び第2の制御則(11、12)が同一の前記
操縦コマンド(15a)を入力したとき、前記第1及び
第2の制御則(11、12)から出力される前記制御出
力(16)は、前記操縦コマンド(15a)に対する応
答の速さにおいて異なる。
【0019】本発明の制御システム(10)において、
前記制御則切換部(20)は、前記制御デバイスの不具
合を示す情報(14)及び前記操縦コマンド(15a)
の少なくともいずれか一つに基づいて、前記第1及び第
2の制御則(11、12)のいずれかに切換える。
【0020】本発明の制御システム(10)において、
前記制御則切換部(20)は、前記制御デバイスの不具
合を示す情報(14)、前記操縦コマンド(15a)及
び前記制御対象の運動状態を示す情報(15b)の少な
くともいずれか一つに基づいて、前記第1及び第2の制
御則(11、12)のいずれかに切換える。
【0021】本発明の制御システム(10)において、
前記制御則切換部(20)は、前記制御デバイスの不具
合を示す情報(14)、前記操縦コマンド(15a)、
前記制御対象の運動状態を示す情報(15b)及び前記
制御対象の運動状態に影響を与える外部の情報(15
c)の少なくともいずれか一つに基づいて、前記第1及
び第2の制御則(11、12)のいずれかに切換える。
【0022】本発明の制御システム(10)において、
前記制御則切換部(20)は、前記制御デバイスの能力
をリアルタイムに推定し、前記推定された能力以上の前
記制御出力(16)が出力されないように、前記第1及
び第2の制御則(11、12)のいずれかに切換える。
【0023】本発明の制御システム(10)において、
前記制御則切換部(20)は、前記制御デバイスの不具
合を示す情報(14)と、前記制御対象の運動状態を示
す情報(15b)と、前記第1及び第2の制御則(1
1、12)のそれぞれの内部状態量を用いて、前記第1
及び第2の制御則(11、12)のそれぞれに対応する
最大CPI集合(Constraint Positi
vely Invariant Set)を求め、前記
制御対象の運動状態を示す情報(15b)によって示さ
れた前記制御対象の運動状態を含む前記最大CPI集合
に対応する前記第1及び第2の制御則(11、12)の
うち、制御性能の最も高い前記第1及び第2の制御則
(11、12)のいずれかに切換える。
【0024】本発明の制御システム(10)において、
前記第1及び第2の制御則(11、12)のそれぞれ
は、更に、前記制御対象の運動状態を示す情報(15
b)及び前記制御対象の運動状態に影響を与える外部の
情報(15c)に基づいて、前記制御出力(16)を出
力する。
【0025】本発明の制御システム(10)において、
前記制御則切換部(20)は、前記第1の制御則(1
1)から前記第2の制御則(12)に切換えるときに、
トランジェント挙動が発生しないように切換える。
【0026】本発明の航空機・宇宙機の飛行制御システ
ム(10)は、航空機または宇宙機の機体姿勢を制御す
るための操縦コマンド(15a)を入力し、前記操縦コ
マンド(15a)に基づいて、前記機体の複数の制御デ
バイスのそれぞれの状態を指示する制御出力(16)を
出力する第1の制御則(11)と、前記第1の制御則
(11)に入力された前記操縦コマンド(15a)を入
力したとき、前記第1の制御則(11)と異なる前記制
御出力(16)を出力する第2の制御則(12)と、前
記制御デバイスの不具合を示す情報に基づいて、前記第
1及び第2の制御則(11、12)のいずれかに切換え
る制御則切換部(20)とを備えている。
【0027】本発明の飛行制御システムにおいて、前記
操縦コマンド(15a)は、前記航空機または宇宙機が
有人機の場合には、パイロットにより入力されたパイロ
ットコマンドであり、前記航空機または宇宙機が無人機
の場合には、前記パイロットに代わる誘導器からの操縦
用誘導コマンドである。
【0028】本発明の航空機・宇宙機の飛行制御システ
ムにおいて、前記機体の複数の制御デバイスには、前記
航空機または宇宙機の舵面および推力器の少なくともい
ずれか一つが含まれ、前記制御出力(16)には、前記
舵面の舵角、並びに前記推力器による推力の量及び方向
の少なくともいずれか一つを指示するコマンドが含まれ
ている。
【0029】本発明の車両の運動制御システムは、車両
を操縦するための操縦コマンド(25a)を入力し、前
記操縦コマンド(25a)に基づいて、前記車両の複数
の制御デバイスのそれぞれの状態を指示する制御出力
(26)を出力する第1の制御則(11A)と、前記第
1の制御則(11A)に入力された前記操縦コマンド
(25a)を入力したとき、前記第1の制御則(11
A)と異なる前記制御出力(26)を出力する第2の制
御則(12A)と、前記制御デバイスの不具合を示す情
報に基づいて、前記第1及び第2の制御則(11A、1
2A)のいずれかに切換える制御則切換部(20A)と
を備えている。
【0030】本発明の車両の運動制御システムにおい
て、前記操縦コマンド(25a)は、前記車両が有人車
両の場合には、ドライバにより入力されたドライバコマ
ンドであり、前記車両が無人車両の場合には、前記ドラ
イバに代わる誘導器からの操縦用誘導コマンドである。
【0031】本発明の車両の運動制御システムにおい
て、前記機体の複数の制御デバイスには、前記車両のス
テアリング系、ブレーキ系、サスペンション系、タイ
ヤ、エンジンの少なくともいずれか一つが含まれ、前記
制御出力(16)には、前記ステアリングの舵角及びブ
レーキの動作の少なくともいずれか一つを指示するコマ
ンドが含まれている。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の制御システム一の実施形態について説明する。
【0033】まず、図2及び図4を参照して、第1実施
形態に係る飛行制御システムについて説明する。
【0034】第1実施形態では、飛行条件の変化、使用
可能な制御デバイス能力の変化に対し、自律的に対応可
能な航空機・宇宙機の飛行制御システム10を構築す
る。
【0035】ここで、「飛行条件の変化、使用可能な制
御デバイス能力の変化」には、図2に示すように、飛行
制御装置(制御則)に対する入力(有人機の場合にはパ
イロットによる操縦コマンド入力、無人機の場合には誘
導器からの操縦用誘導コマンド)15aの変化と、機体
の姿勢、速度、エンジンの状態(スラスト量、スラスト
方向)等の機体運動のセンサ情報15bの変化と、風力
・風向等の大気情報15cの変化と、システムの故障情
報(空力舵面の状態の変化(故障/破損)、エンジンの
故障等)14などが含まれる。
【0036】飛行制御システム10では、構造/性能の
異なる複数の制御則11〜13を準備しておき、状況に
応じてそれらを切換え、常に高い運動能力を達成する。
制御則11〜13の切換判断には、その時点での制御デ
バイス能力で達成可能な飛行能力を予測する、ある種の
推定器(推定・制御則切換装置20)を準備し、その推
定結果を参照して制御則11〜13の選択を行う。
【0037】飛行制御システム10は、複数の制御則1
1〜13と、それらの制御則11〜13を切換える推定
・制御則切換装置20とを有している。複数の制御則1
1〜13は、符号11で示す第1の飛行制御則C1
(s)と、符号12で示す第2の飛行制御則C2(s)
と、符号13で示す第3の飛行制御則C3(s)であ
る。
【0038】それぞれの制御則11〜13は、飛行制御
装置(制御則)に対する入力15aと、機体運動のセン
サ情報15bと、大気情報15cとを含む入力データ1
5を入力し、制御出力16を出力する。
【0039】制御出力16には、複数の舵面(例えば、
エレベータ、エルロン、ラダー等)のそれぞれへの舵角
のコマンド16aと、エンジンのスラストの方向を示す
コマンド(ジンバル舵角等)16bと、エンジンのスラ
ストの出力量のコマンド16cとが含まれる。
【0040】それぞれの制御則11〜13は、高次ダイ
ナミクスを有するコントローラである。なお、高次ダイ
ナミクスを有するコントローラの一例は、前述の日本国
特許第2948549号公報に開示した通りである。
【0041】推定・制御則切換装置20は、入力データ
15及びシステム故障情報14を入力し、その入力デー
タ15及びシステム故障情報14に基づいて状況を判断
し、その状況に応じて、複数の制御則11〜13を切換
える。その状況の判断には、複数の舵面のそれぞれの能
力(飽和状態か否かを含む)のリアルタイムでの推定が
含まれる。
【0042】推定・制御則切換装置20は、各舵面、ジ
ンバル舵角の飽和状態を推定/予測し、その状況に応じ
て使用する制御則を選択すると共に、切換トランジェン
トなく制御則の切換を実施する。
【0043】推定・制御則切換装置20は、航空機の舵
面の破損や故障、エンジンの故障を示すシステム故障情
報14に基づいて、複数の制御則11〜13を切換え
る。従来は、例えば、航空機の舵面に破損や故障が発生
したり、エンジンに故障が発生したときには、機体の特
性が変わることによりそのままの制御則では十分に対応
できなかった。これに対し、本実施形態では、そのよう
な場合には舵面の状況等に応じて、推定・制御則切換装
置20が複数の制御則11〜13を適宜選択的に切換え
ることにより、十分に対応すること(飛行を継続するこ
と)ができる。
【0044】推定・制御則切換装置20は、飛行制御装
置(制御則)に対する入力15aと、機体運動のセンサ
情報15bと、大気情報15cとを含む入力データ15
に基づいて、複数の制御則11〜13を切換える。航空
機が舵面を使って運動するときに、例えば、舵面の能力
以上の舵角のコマンド16aが与えられると、機体の運
動が不安定になる。舵面が破損または故障して舵面の能
力が下がると、舵面が飽和して機体の運動が不安定にな
り易くなる。本実施形態では、舵面の能力が低下してい
るときには、入力データ15に応じて、制御則11〜1
3を切換えることにより、保守的な制御出力(例えば舵
角コマンド16a)16しか出力されないような制御則
に切換えて、舵面の飽和を防ぐようにしている。
【0045】例えば、複数の制御則11〜13は、パイ
ロットから入力された機体の姿勢コマンドが5°である
場合に、その5°の機体姿勢になるまでの応答の速さ、
過渡的な速さ、オーバーシュート量等がそれぞれ異なる
ものである。応答が速い制御則ほど、舵面が飽和し易く
なる。
【0046】なお、一般的に、「自己修復制御則」また
は「再構成制御則」と呼ばれるシステムでは、舵面の破
損パターンから使用する舵面の割り振りを決める配分比
率を決定する方式が採用されている。即ち、図7に示す
ように、単一の制御則31からの出力(モーメント)3
2を分配器33がどのように複数の舵面(図7では、エ
レベータ(e)、エルロン(a)、ラダー(r)の3種
類の舵面)に振り分けるか(配分)を切換えるものであ
る。
【0047】ここで、制御則31が、高次ダイナミクス
を有するコントローラであり、分配器33は代数演算の
みを行う。分配器33は、3種類の舵面の舵角δe、δ
a、δrをそれぞれ出力する。分配器33は、3種類の
舵面のうちの1つが故障したら残りの2種類に出力32
を振り分ける。
【0048】上記の「自己修復制御則」または「再構成
制御則」によれば、分配器33が、制御則31からの出
力32の複数の舵面への配分(舵角δe、δa、δr)
を切換えるだけであり、制御則を切換えるわけではない
ため、本実施形態のように、前述した応答の速さ、オー
バーシュート量等自体を切換えることはできない。
【0049】上記の「自己修復制御則」または「再構成
制御則」は、舵面の故障・破損に対応すること(複数の
舵面への配分の切換え)ができるに過ぎす、本実施形態
のように、飛行制御装置(制御則)に対する入力15a
の変化や、機体運動のセンサ情報15bの変化や、大気
情報15cの変化に対応することはできない。
【0050】これに対し、本実施形態では、飛行条件/
舵面状態/制御則挙動などの総合的な情報から、活用可
能な舵面能力をリアルタイムに推定し、制御能力を向上
させるアルゴリズムを開発した点が新規である。制御則
自体を切換えることにより、応答の速さ、オーバーシュ
ート量等自体を切換えることができる。
【0051】本実施形態においては、図2に示すよう
に、複数の制御則11〜13のうちで切換えられた制御
則11から、直接的に(分配器33等を介すことな
く)、複数の舵面のそれぞれへの舵角のコマンド16a
と、エンジンのスラストの方向及び出力量のコマンド1
6b、16cとが、制御出力16として出力される。
【0052】なお、図6において、パラメータKを切換
える際に用いる観測量40としては、機体運動のセンサ
情報15bと大気情報15cのみであり、飛行制御シス
テム10の推定・制御則切換装置20とは異なり、飛行
制御装置(制御則)に対する入力15aや、システム故
障情報14は含まれない。
【0053】また、図7において、分配器33が制御則
31からの出力32を複数の舵面に分配するときには、
入力した舵面の状態のみに基づいて分配しており、飛行
制御システム10の推定・制御則切換装置20とは異な
り、少なくとも、飛行制御装置(制御則)に対する入力
15a、機体運動のセンサ情報15b、大気情報15c
は入力していない。
【0054】また、本実施形態において、推定・制御則
切換装置20が複数の制御則11〜13を切換えるとき
には、前述した日本国特許第2948549号の技術を
適用し、トランジェントを発生することなく切換える。
【0055】次に、図4を参照して、飛行制御システム
10の動作について説明する。図4は、制御則が切換え
られるときの推定・制御則切換装置20の演算内容を示
すタイミングチャートである。
【0056】図4に示すように、推定・制御則切換装置
20は、制御則切換アルゴリズム24と、システム制御
状態の推定アルゴリズム25とを有している。
【0057】推定・制御則切換装置20が第1の制御則
11から第2の制御則12に切換えるときには、日本国
特許第2948549号公報に開示したように、制御則
切換アルゴリズム24が第1の制御則11部分の行列デ
ータを第2の制御則12への処理切換時に他の行列デー
タに入替え、この処理切換え時に切換時の運動状態及び
制御信号を実現する第2の制御則12部分の内部状態変
数の収束値を算出して、上記行列データの入替えと同時
に上記内部状態変数を算出した収束値に入れ換える。
【0058】図4に示すように、最初は、第1の制御則
11を用いて制御が実行されている。このとき、図1の
切換スイッチ18および切換スイッチ19は、推定・制
御則切換装置20からそれぞれ出力された切換えコマン
ド22、23に応答して、第1の制御則11に接続され
ている。
【0059】このとき、推定・制御則切換装置20は、
システム故障情報14に基づいて、各制御デバイス(舵
面等)は正常であると判断している。また、第1の制御
則11へは、飛行制御装置(制御則)に対する入力15
aとして、操縦コマンドが入力されている。
【0060】次に、矢印Y1に示すように、制御デバイ
スの一部が故障した場合には、その旨を示すシステム故
障情報14が推定・制御則切換装置20に入力される
(矢印Y2参照)。推定・制御則切換装置20の制御則
切換アルゴリズム24では、切換トランジェント無しに
制御則を切り替えるための制御則内部状態量を、機体運
動のセンサ情報15b及び飛行制御装置(制御則)に対
する入力15aに基づいて、各制御則11〜13に対し
て算出する。
【0061】また、矢印Y2に示すように、推定・制御
則切換装置20が制御デバイスの一部の故障を示すシス
テム故障情報14を入力すると、矢印Y3に示すよう
に、システム制御状態の推定アルゴリズム25では、シ
ステム故障情報14、機体運動のセンサ情報15b、各
制御則11〜13の内部状態量を用いて、各制御則11
〜13に対応する最大CPI集合を算出する。この最大
CPI集合については、図5を参照して説明する。
【0062】図5は、第2の制御則C2(s)12に切
換える場合の最大CPI集合の例を示している。ここ
で、CPI集合とは、Constraint Posi
tively Invariant Setであり、公
知である。
【0063】ここでは、図5に示すように、制御則の性
能は、C1(s)>C2(s)>C3(s)であるとす
る。上記のように、システム制御状態の推定アルゴリズ
ム25が各制御則11〜13に対応する最大CPI集合
を算出した結果、図5に示すように、最大CPI集合
は、C3(s)の最大CPI集合は、C1(s)の最大
CPI集合及びC2(s)の最大CPI集合を内包する
関係にあり、C2(s)の最大CPI集合は、C1
(s)の最大CPI集合を内包する関係にあるとする。
【0064】次に、図4の矢印Y4に示すように、シス
テム制御状態の推定アルゴリズム25は、機体運動のセ
ンサ情報15bを用いて、システムの状態量(図5の×
印)が最大CPI集合に含まれる制御則を識別する。そ
のうち、制御性能の最も高い制御則を選択する。
【0065】ここでは、故障発生時のシステム状態量
(図5の×印)は、C1(s)の最大CPI集合には含
まれず、C2(s)の最大CPI集合に含まれていると
する。この場合、システムの状態量(図5の×印)が最
大CPI集合に含まれる制御則のうち、制御性能の最も
高い制御則は、第2の制御則C2(s)12である。
【0066】次いで、矢印Y5に示すように、制御則切
換アルゴリズム24では、上記において各制御則11〜
13に対して算出した制御則内部状態量を初期値として
置き換えて、矢印Y6に示すように、第2の制御則C2
(s)12に切換える。この場合、推定・制御則切換装
置20は、切換スイッチ18、19に対してそれぞれ切
換コマンド22、23を出力して、切換スイッチ18、
19を第2の制御則C2(s)12に接続する。その後
は、矢印Y7に示すように、第2の制御則C2(s)1
2を用いて制御が実行される。
【0067】上述したシステム状態量が含まれる最大C
PI集合の識別(矢印Y4)は、上記の制御デバイスの
故障(矢印Y1)のケースの他に、飛行制御装置(制御
則)に対する入力15aのレベルの変化(一定レベル以
上の急激なコマンドが入力された等)や、外部(環境)
状態(風力・風向等の大気情報15c)の変化が生じた
時点で、図4に示すフローに準じて実施し、その結果、
上記の基準に従って必要であれば制御則の切換を行う。
【0068】本実施形態によれば、以下の効果を奏する
ことができる。
【0069】(1)各種飛行条件において、常に最大レ
ベルの運動能力を達成できる。 (2)制御デバイスの故障/破損などが生じた場合で
も、残った制御デバイスの制約条件に応じ、それらを最
大限活用する制御則に切換えることで、常に高い運動能
力を確保することができる。 (3)制御デバイスの制約条件と達成可能な制御性能の
関係が明確になり、設計/開発作業に要するコスト/期
間を短縮することができる。
【0070】次に、図3及び図4を参照して、第2実施
形態に係る車両自動制御システムについて説明する。第
2実施形態は、自動車などの車両に本発明の制御システ
ムを適用したものである。
【0071】第2実施形態では、運転条件の変化、使用
可能な制御デバイス能力の変化に対し、自律的に対応可
能な車両の運動制御システム10Aを構築する。
【0072】ここで、「運転条件の変化、使用可能な制
御デバイス能力の変化」には、図3に示すように、運転
制御装置(制御則)に対する入力(有人車両の場合には
ドライバによるハンドル、ブレーキ等の運転コマンド入
力、無人車両の場合には誘導器からの操縦用誘導コマン
ド)25aの変化と、車体の速度、エンジンの状態等の
車体運動のセンサ情報25bの変化と、路面状況等の外
部情報25cの変化と、システムの故障情報(ステアリ
ング系、ブレーキ系、サスペンション系、タイヤ等の状
態の変化(故障/破損)、エンジンの故障等)24など
が含まれる。
【0073】車両の運動制御システム10Aでは、構造
/性能の異なる複数の制御則11A〜13Aを準備して
おき、状況に応じてそれらを切換え、常に高い運動能力
を達成する。制御則11A〜13Aの切換判断には、そ
の時点での制御デバイス能力で達成可能な運動能力を予
測する。ある種の推定器(推定・制御則切換装置20
A)を準備し、その推定結果を参照して制御則11A〜
13Aの選択を行う。
【0074】車両の運動制御システム10Aは、複数の
制御則11A〜13Aと、それらの制御則11A〜13
Aを切換える推定・制御則切換装置20Aとを有してい
る。複数の制御則11A〜13Aは、符号11Aで示す
第1の制御則C1(s)と、符号12Aで示す第2の制
御則C2(s)と、符号13Aで示す第3の制御則C3
(s)である。
【0075】それぞれの制御則11A〜13Aは、運転
制御装置(制御則)に対する入力25aと、車体運動の
センサ情報25bと、外部情報25cとを含む入力デー
タ25を入力し、制御出力26を出力する。制御出力2
6には、ステアリングへの舵角のコマンド26aと、各
車輪のブレーキの動作を示すコマンド26bとが含まれ
る。
【0076】それぞれの制御則11A〜13Aは、高次
ダイナミクスを有するコントローラである。なお、高次
ダイナミクスを有するコントローラの一例は、前述の日
本国特許第2948549号公報に開示した通りであ
る。
【0077】推定・制御則切換装置20Aは、入力デー
タ25及びシステム故障情報24を入力し、その入力デ
ータ25及びシステム故障情報24に基づいて状況を判
断し、その状況に応じて、複数の制御則11A〜13A
を切換える。その状況の判断には、ステアリング系、ブ
レーキ系、サスペンション系、タイヤ等のそれぞれの能
力(飽和状態か否かを含む)のリアルタイムでの推定が
含まれる。
【0078】推定・制御則切換装置20Aは、ステアリ
ング、各輪ブレーキ、サスペンション系、タイヤ等の飽
和状態を推定/予測し、その状況に応じて使用する制御
則を選択すると共に、切換トランジェントなく制御則の
切換を実施する。
【0079】推定・制御則切換装置20Aは、ステアリ
ング系、ブレーキ系、サスペンション系、タイヤ等の状
態の変化(故障/破損)、エンジンの故障等を示すシス
テム故障情報24に基づいて、複数の制御則11A〜1
3Aを切換える。従来は、例えば、ステアリング系やブ
レーキ系やサスペンション系やタイヤ等に故障が発生し
たり、エンジンに故障が発生したときには、車体の特性
が変わることによりそのままの制御則では十分に対応で
きなかった。これに対し、本実施形態では、そのような
場合にはシステムの状況等に応じて、推定・制御則切換
装置20Aが複数の制御則11A〜13Aを適宜選択的
に切換えることにより、十分に対応することができる。
【0080】推定・制御則切換装置20Aは、運転制御
装置(制御則)に対する入力25aと、車体運動のセン
サ情報25bと、外部情報25cとを含む入力データ2
5に基づいて、複数の制御則11A〜13Aを切換え
る。車両がタイヤを使って運動するときに、例えば、タ
イヤの能力以上の舵角のコマンド26aが与えられる
と、車両の運動が不安定になる。タイヤが破損または故
障してタイヤの能力が下がると、タイヤ能力の限界を超
えて車両の運動が不安定になり易くなる。本実施形態で
は、タイヤの能力が低下しているときには、入力データ
25に応じて、制御則11A〜13Aを切換えることに
より、保守的な制御出力(例えば舵角コマンド26a)
26しか出力されないような制御則に切換えて、タイヤ
能力の限界からの逸脱を防ぐようにしている。
【0081】例えば、複数の制御則11A〜13Aは、
ドライバから入力された車両の姿勢コマンドが5°であ
る場合に、その5°の車両姿勢になるまでの応答の速
さ、過渡的な速さ、オーバーシュート量等がそれぞれ異
なるものである。応答が速い制御則ほど、タイヤ能力が
限界を超え易くなる。
【0082】車両の運動制御システム10Aの動作につ
いては、図4を参照して前述した、飛行制御システム1
0の動作に準じるので、ここでの説明を省略する。
【0083】次に、図1及び図4を参照して、第3実施
形態に係る制御システムについて説明する。本実施形態
は、制御対象を限定しない汎用的な適用例である。
【0084】第3実施形態では、条件の変化、使用可能
な制御デバイス能力の変化に対し、自律的に対応可能な
制御システム10Bを構築する。制御システム10B
は、飛行機に適用した飛行制御システム10や、車両に
適用された車両の運動制御システム10Aのように、適
用対象を限定していない。第1及び第2実施形態の説明
からも明らかなように、本発明は、飛行機や車両に限定
されずに、他の対象にも容易に適用可能であることが分
かる。
【0085】ここで、「条件の変化、使用可能な制御デ
バイス能力の変化」には、図1に示すように、制御装置
(制御則)に対する入力(有人機の場合には操作者によ
る操作等の操縦コマンド入力、無人機の場合には誘導器
からの操縦用誘導コマンド)の変化35aと、制御装置
(制御則)による制御対象の速度、駆動源の状態等の制
御対象のセンサ情報の変化35bと、外部情報の変化
と、システムの故障情報(制御対象の状態の変化(故障
/破損)、駆動源の故障等)34などが含まれる。
【0086】制御システム10Bでは、構造/性能の異
なる複数の制御則11B〜13Bを準備しておき、状況
に応じてそれらを切換え、常に高い運動能力を達成す
る。制御則11B〜13Bの切換判断には、その時点で
の制御デバイス能力で達成可能な運動能力を予測する、
ある種の推定器(推定・制御則切換装置20B)を準備
し、その推定結果を参照して制御則11B〜13Bの選
択を行う。
【0087】制御システム10Bは、複数の制御則11
B〜13Bと、それらの制御則11B〜13Bを切換え
る推定・制御則切換装置20Bとを有している。複数の
制御則11B〜13Bは、符号11Bで示す第1の制御
則C1(s)と、符号12Bで示す第2の制御則C2
(s)と、符号13Bで示す第3の制御則C3(s)で
ある。
【0088】それぞれの制御則11B〜13Bは、制御
装置(制御則)に対する入力35aと、制御対象のセン
サ情報35bと、外部情報とを含む入力データ35を入
力し、制御出力36を出力する。
【0089】それぞれの制御則11B〜13Bは、高次
ダイナミクスを有するコントローラである。なお、高次
ダイナミクスを有するコントローラの一例は、前述の日
本国特許第2948549号公報に開示した通りであ
る。
【0090】推定・制御則切換装置20Bは、入力デー
タ35及びシステム故障情報34を入力し、その入力デ
ータ35及びシステム故障情報34に基づいて状況を判
断し、その状況に応じて、複数の制御則11B〜13B
を切換える。
【0091】推定・制御則切換装置20Bは、システム
故障情報34に基づいて、複数の制御則11B〜13B
を切換える。
【0092】推定・制御則切換装置20Bは、制御装置
(制御則)に対する入力35aと、制御対象のセンサ情
報35bと、外部情報とを含む入力データ35に基づい
て、複数の制御則11B〜13Bを切換える。
【0093】制御システム10Bの動作については、図
4を参照して前述した、飛行制御システム10の動作に
準じるので、ここでの説明を省略する。
【0094】
【発明の効果】本発明の制御システムによれば、各種条
件において、常に最大レベルの運動能力を達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の制御システムの一の実施の形態の構
成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の航空機・宇宙機の飛行制御システム
の一の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の車両の運動制御システムの一の実施
の形態の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の制御システムの一の実施の形態にお
いて、推定・制御則切換装置の動作を示すタイミングチ
ャートである。
【図5】 本発明の制御システムの一の実施の形態にお
いて、推定・制御則切換装置の動作の一部を説明するた
めの模式図である。
【図6】 従来の航空機・宇宙機の飛行制御システムの
制御則の構成を示すブロック図である。
【図7】 従来の自己修復制御則ないし再構成制御則の
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 飛行制御システム 11 第1の制御則 12 第2の制御則 13 第3の制御則 14 システム故障情報 15 入力データ 15a 飛行制御装置に対する入力 15b 機体運動のセンサ情報 15c 大気情報 16 制御出力 16a 各舵面への舵角のコマンド 16b スラストの方向を示すコマンド 16c スラストの出力量を示すコマンド 18 切換スイッチ 19 切換スイッチ 20 推定・制御則切換装置 22 切換コマンド 23 切換コマンド 24 制御則切換アルゴリズム 25 システム制御状態の推定アルゴリズム 31 制御則 32 制御則からの出力 33 分配器 40 観測量 K パラメータ δe エレベータ舵面の舵角 δa エルロン舵面の舵角 δr ラダー舵面の舵角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 逸人 愛知県海部郡七宝町大字鯰橋7丁目36番地

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象を操作するための操縦コマンド
    を入力し、前記操縦コマンドに基づいて、前記制御対象
    の制御デバイスの状態を指示する制御出力を出力する第
    1の制御則と、 前記第1の制御則に入力された前記操縦コマンドを入力
    したとき、前記第1の制御則と異なる前記制御出力を出
    力する第2の制御則と、 前記制御デバイスの不具合を示す情報に基づいて、前記
    第1及び第2の制御則のいずれかに切換える制御則切換
    部とを備えた制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制御システムにおいて、 前記第1及び第2の制御則のそれぞれは、高次ダイナミ
    クスを有するコントローラである制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の制御システム
    において、 前記制御則切換部は、前記制御デバイスの能力の範囲内
    で高い制御能力を達成するための前記制御出力が出力さ
    れるように、前記第1及び第2の制御則のいずれかに切
    換える制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    制御システムにおいて、 前記第1及び第2の制御則が同一の前記操縦コマンドを
    入力したとき、前記第1及び第2の制御則から出力され
    る前記制御出力は、前記操縦コマンドに対する応答の速
    さにおいて異なる制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    制御システムにおいて、 前記制御則切換部は、前記制御デバイスの不具合を示す
    情報及び前記操縦コマンドの少なくともいずれか一つに
    基づいて、前記第1及び第2の制御則のいずれかに切換
    える制御システム。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    制御システムにおいて、 前記制御則切換部は、前記制御デバイスの不具合を示す
    情報、前記操縦コマンド及び前記制御対象の運動状態を
    示す情報の少なくともいずれか一つに基づいて、前記第
    1及び第2の制御則のいずれかに切換える制御システ
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    制御システムにおいて、 前記制御則切換部は、前記制御デバイスの不具合を示す
    情報、前記操縦コマンド、前記制御対象の運動状態を示
    す情報及び前記制御対象の運動状態に影響を与える外部
    の情報の少なくともいずれか一つに基づいて、前記第1
    及び第2の制御則のいずれかに切換える制御システム。
  8. 【請求項8】 請求項5から7のいずれか1項に記載の
    制御システムにおいて、 前記制御則切換部は、前記制御デバイスの能力をリアル
    タイムに推定し、前記推定された能力以上の前記制御出
    力が出力されないように、前記第1及び第2の制御則の
    いずれかに切換える制御システム。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の制御システムにおいて、 前記制御則切換部は、前記制御デバイスの不具合を示す
    情報と、前記制御対象の運動状態を示す情報と、前記第
    1及び第2の制御則のそれぞれの内部状態量を用いて、
    前記第1及び第2の制御則のそれぞれに対応する最大C
    PI集合(Constraint Positivel
    y Invariant Set)を求め、前記制御対
    象の運動状態を示す情報によって示された前記制御対象
    の運動状態を含む前記最大CPI集合に対応する前記第
    1及び第2の制御則のうち、制御性能の最も高い前記第
    1及び第2の制御則のいずれかに切換える制御システ
    ム。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項に記載
    の制御システムにおいて、 前記第1及び第2の制御則のそれぞれは、更に、前記制
    御対象の運動状態を示す情報及び前記制御対象の運動状
    態に影響を与える外部の情報に基づいて、前記制御出力
    を出力する制御システム。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか1項に記
    載の制御システムにおいて、 前記制御則切換部は、前記第1の制御則から前記第2の
    制御則に切換えるときに、トランジェント挙動が発生し
    ないように切換える制御システム。
  12. 【請求項12】 航空機または宇宙機の機体を制御する
    ための操縦コマンドを入力し、前記操縦コマンドに基づ
    いて、前記機体の複数の制御デバイスのそれぞれの状態
    を指示する制御出力を出力する第1の制御則と、 前記第1の制御則に入力された前記操縦コマンドを入力
    したとき、前記第1の制御則と異なる前記制御出力を出
    力する第2の制御則と、 前記制御デバイスの不具合を示す情報に基づいて、前記
    第1及び第2の制御則のいずれかに切換える制御則切換
    部とを備えた航空機・宇宙機の飛行制御システム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の航空機・宇宙機の飛
    行制御システムにおいて、 前記操縦コマンドは、前記航空機または宇宙機が有人機
    の場合には、パイロットにより入力されたパイロットコ
    マンドであり、前記航空機または宇宙機が無人機の場合
    には、前記パイロットに代わる誘導器からの操縦用誘導
    コマンドである航空機・宇宙機の飛行制御システム。
  14. 【請求項14】 請求項12または13に記載の航空機
    ・宇宙機の飛行制御システムにおいて、 前記機体の複数の制御デバイスには、前記航空機または
    宇宙機の舵面および推力器の少なくともいずれか一つが
    含まれ、 前記制御出力には、前記舵面の舵角、並びに前記推力器
    による推力の量及び方向の少なくともいずれか一つを指
    示するコマンドが含まれている航空機・宇宙機の飛行制
    御システム。
  15. 【請求項15】 車両を操縦するための操縦コマンドを
    入力し、前記操縦コマンドに基づいて、前記車両の複数
    の制御デバイスのそれぞれの状態を指示する制御出力を
    出力する第1の制御則と、 前記第1の制御則に入力された前記操縦コマンドを入力
    したとき、前記第1の制御則と異なる前記制御出力を出
    力する第2の制御則と、 前記制御デバイスの不具合を示す情報に基づいて、前記
    第1及び第2の制御則のいずれかに切換える制御則切換
    部とを備えた車両の運動制御システム。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の車両の運動制御シス
    テムにおいて、 前記操縦コマンドは、前記車両が有人車両の場合には、
    ドライバにより入力されたドライバコマンドであり、前
    記車両が無人車両の場合には、前記ドライバに代わる誘
    導器からの操縦用誘導コマンドである車両の運動制御シ
    ステム。
  17. 【請求項17】 請求項15または16に記載の車両の
    運動制御システムにおいて、 前記機体の複数の制御デバイスには、前記車両のステア
    リング系、ブレーキ系、サスペンション系、タイヤ、エ
    ンジンの少なくともいずれか一つが含まれ、 前記制御出力には、前記ステアリングの舵角及びブレー
    キの動作の少なくともいずれか一つを指示するコマンド
    が含まれている車両の運動制御システム。
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