JP2003292984A - 転がり軸受用潤滑剤組成物及び転がり軸受の製造方法 - Google Patents

転がり軸受用潤滑剤組成物及び転がり軸受の製造方法

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JP2003292984A
JP2003292984A JP2003063415A JP2003063415A JP2003292984A JP 2003292984 A JP2003292984 A JP 2003292984A JP 2003063415 A JP2003063415 A JP 2003063415A JP 2003063415 A JP2003063415 A JP 2003063415A JP 2003292984 A JP2003292984 A JP 2003292984A
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acid
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Masao Yamamoto
雅雄 山本
Emiko Shiraishi
恵美子 白石
Atsushi Yokouchi
敦 横内
Michiharu Naka
道治 中
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受の諸特性に悪影響を与えず、且つ高温・
高速化、低発塵化、長寿命化を図る。 【解決手段】 40℃での粘度が10〜500mm2 /
sで、ジエステル油又はポリオールエステル油の少なく
とも一種を含むエステル油を基油全量の20重量%以上
含有し、0.05〜10重量%の酸化防止剤、2〜20
重量%のさび止め剤、0.5〜10重量%の油性剤を含
むことを特徴とする転がり軸受用潤滑剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハードディスクドライ
ブ(HDD)、ビデオテープレコーダ(VTR)、デジ
タルオーディオテープレコーダ(DAT)、レーザビー
ムプリンター(LBP)等に使用する転がり軸受に、特
にオイルプレーティング用として好適に適用される潤滑
剤組成物に関する。また、本発明は、前記潤滑剤組成物
を用いた転がり軸受の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ関連産業は、他の産業分野
に比較すると歴史の浅い業種であるにもかかわらず技術
革新のスピードが早い。特にHDDは一つの機種の存在
期間が短い上、新技術を導入した新機種(高精度、コン
パクト化)が次々と生まれている。これらに伴い、HD
D等情報機器に使用される転がり軸受も高温での使用や
外輪の高速回転等使用条件が厳しくなり、しかもその一
方で低トルクや低ジッター、長寿命化等が望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
VTR、HDD、DAT、LBP等に使用される転がり
軸受は、グリースを充填した潤滑方式や、軸受軌道面等
に潤滑油を塗油し更にグリースを封入するという方法が
採られているが、何れも低トルク、低ジッター、長寿命
化等に十分な効果が得られていない状況にある。例え
ば、HDD等情報機器等に使用される転がり軸受にあっ
ては、グリース潤滑が主流となっているが、そのグリー
ス封入形態が一様でないために潤滑の態様が一様でなか
ったり、トルク変動を助長することもある。
【0004】一般的に、上記のようなグリース潤滑で
は、グリースの攪拌抵抗のために回転トルクが大きくな
り、しかもグリースが転がり軸受から飛散して、使用環
境を汚染するという問題も抱えている。このようなトル
ク大や使用環境の汚染は、VTRやHDD、DAT、L
BP等の作動に多大な悪影響を及ぼす。例えば、HDD
においては、ヘッドの損傷や読み取り及び書き込みエラ
ーに結びつくため好ましくない。そこで、グリース封入
量の少量化などで対応しているが、場合によっては潤滑
作用の不足や潤滑耐久性の低下等の問題が生じる。ま
た、初期の潤滑を封入グリースによらず、軸受軌道面等
に潤滑油を施すことで潤滑性を改善することも行われて
いる。しかし、この場合も、特に高温・高速回転という
厳しい環境で使用されるHDD等には十分対応できない
という問題点があった。
【0005】一方、グリースを全く使用せず、軸受軌道
面等に潤滑油を塗油することで、上記のような問題を解
決することも行われている。例えば、特開平5−149
343号では潤滑油(ポリα−オレフィン油、ポリオー
ルエステル油、ポリフェニルエーテル油、シリコーン
油、フッ素油等)を内・外輪軌道面、転動体および保持
器表面に塗油することにより、冷時における異音が防止
できると提案している。しかし、高温・高速回転下にお
ける音響特性等の知見が得られていない。また、特開昭
64−46011号公報にも、同様に、潤滑油を塗油し
た回転支持装置が記載されているが、潤滑油の量が必ず
しも十分に確保できず、使用状態によっては十分な耐久
性を確保できない場合が考えられる。
【0006】そこで、本発明は上記のような従来のグリ
ース潤滑転がり軸受、更には潤滑油を塗油した転がり軸
受の問題点を解決するためになされたもので、軸受の諸
特性に悪影響を与えず、且つ高温・高速化、低発塵化、
長寿命化を実現し得る転がり軸受用潤滑剤組成物、並び
に前記転がり軸受用潤滑剤を用いて、潤滑性能が良好
で、且つ高温・高速化、低発塵化、長寿命化を図った転
がり軸受を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の、
40℃での粘度が10〜500mm2 /sで、ジエステ
ル油又はポリオールエステル油の少なくとも一種を含む
エステル油を基油全量の20重量%以上含有し、0.0
5〜10重量%の酸化防止剤、2〜20重量%のさび止
め剤、0.5〜10重量%の油性剤を含むことを特徴と
する転がり軸受用潤滑剤組成物によって達成される。
【0008】同様の目的は、本発明の、上記の転がり軸
受用潤滑剤組成物中に組み立てた転がり軸受を浸漬し、
引き上げ後に遠心脱油を行い、少なくとも内・外輪軌道
面及び転動体の表面に0.03〜20μmの膜厚で前記
転がり軸受用潤滑剤の被膜を成膜することを特徴とする
転がり軸受の製造方法によっても達成される。
【0009】
【作用】本発明の転がり軸受用潤滑剤組成物は、転がり
軸受のオイルプレーング用として特に好適である。オイ
ルプレーティングは、通常厚さ数十μm以下の薄膜とし
て内・外輪軌道面や転動体等の表面に成膜される。この
ような薄膜においては、特に高温・高速回転時に、潤滑
剤組成物を構成する基油が熱分解により酸化して劣化し
易くなる。そこで、本発明では基油としてエステル油に
ジエステル油またはポリオールエステル油を含有させる
ことで耐熱性を高めるとともに、その粘度も規定するこ
とで潤滑性を確保しつつ、更に特定の酸化防止剤とさび
止め剤とを加えることで、基油の熱分解による酸化を抑
制するとともに、塗油面のさびの発生を防止している。
また、このような潤滑剤組成物のプレーティングを施し
た転がり軸受は、高温・高速回転の使用条件においても
良好に機能し、また耐久性にも優れる。
【0010】以下、本発明の転がり軸受用潤滑剤組成物
並びに転がり軸受の製造方法について詳細に説明する。
【0011】本発明の転がり軸受用潤滑剤組成物に使用
される基油は、エステル油を必須成分とする。このエス
テル油は特に限定されないが、二塩基酸と分枝アルコー
ルの反応から得られるジエステル油、芳香族系三塩基酸
と分枝アルコールの反応から得られる芳香族エステル
油、多価アルコールと一塩基酸の反応から得られるヒン
ダードエステル油が好適に用いられる。耐熱性(使用条
件が高温高速下)を考慮すると、芳香族エステル油、ヒ
ンダードエステル油の中から選択され、単独または混合
して用いるのが特に好ましい。
【0012】ジエステル油としては、ジオクチルアジペ
ート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIB
A)、ジブチルアジペート(DBA)、ジオクチルアゼ
レート(DOZ)、ジブチルセバケート(DBS)、ジ
オクチルセバケート(DOS)、メチル・アセチルリシ
ノレート(MAR−N)等が挙げられる。
【0013】芳香族エステル油としては、トリオクチル
トリメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリテー
ト、テトラオクチルピロメリテート等が挙げられる。
【0014】ヒンダードエステル油としては、以下に示
す多価アルコールと一塩基酸を適宜反応させて得られる
ものが挙げられる。多価アルコールに反応させる一塩基
酸は単独でもいいし、複数用いてもよい。さらに、多価
アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリ
ゴエステルであるコンプレックスエステルとして用いて
も良い。多価アルコールとしては、トリメチロールプロ
パン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペ
ンタエリスリトール(DPE)、ネオペンチルグリコー
ル(NPG)、2−メチル−2−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール(MPPD)等が挙げられる。一塩基酸
としては、主にC4 〜C18の一価脂肪酸が用いられる。
具体的には、例えば酢酸、吉草酸、カプロン酸、カプリ
ル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデ
カン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、牛
脂肪酸、スレアリン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン
酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレ
イン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン
酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ソル
ビン酸、リノール酸、リノレン酸、サビニン酸、リシノ
ール酸などがある。
【0015】以上のエステル油は、基油全量の少なくと
も20重量%以上、更に音響特性を考慮した場合、ペン
タエリスリトールエステル又はジペンタエリスリトール
エステルの単独もしくは混合物がエステル油中に40重
量%以上含まれることが望ましい。エステル油が20重
量%未満では、高温・高速耐久性が十分得られない。ま
た、上限は特に制限されない。
【0016】本発明の転がり軸受用潤滑剤組成物には、
エステル油以外にも基油成分として合成炭化水素油、エ
ーテル油を配合することができる。合成炭化水素油とし
ては、ポリ−α−オレフィン油、α−オレフィンとエチ
レンとのコオリゴマー合成油等がある。エーテル油とし
ては、ジフェニル、トリフェニル、テトラフェニルのC
12〜C20の(ジ)アルキル鎖が誘導された、フェニルエ
ーテル油がある。特に高温・高速耐久性を考慮すれば、
(ジ)アルキルポリフェニルエーテル油が好ましい。こ
れらの配合割合は、上記エステル油量の規定から80重
量%以内である。
【0017】基油粘度は、40℃動粘度で10mm2 /
s以上必要であり、10mm2 /s未満では回転時の成
膜性が十分でなく、音響特性が劣る。特に上限の規定は
もうけていないが、粘度が高過ぎると取扱上好ましくな
いし、トルクにも影響する。一般的な軸受油の粘度グレ
ードを考慮すると、基油粘度の上限は500mm2 /s
である。
【0018】本発明の転がり軸受用潤滑剤組成物に使用
されるさび止め剤としては、さび止め性が良好な有機系
スルホン酸金属塩又はエステル類が好ましい。有機系ス
ルホン酸塩としては、例えばジノニルナフタレンスルホ
ン酸及び重質アルキルベンゼンスルホン酸などが使用さ
れ、その金属塩としてカルシウムスルホネート、バリウ
ムスルホネート、ナトリウムスルホネートなどがある。
エステル類としてソルビタン誘導体では多塩基カルボン
酸及び多価アルコールの部分エステルとしてソルビタン
モノラウレート、ソルビタントリラウレート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソ
ルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエートな
どがある。アルキル・エステル型ではポリオキシエチレ
ンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオ
キシエチレンステアレートなどがある。
【0019】これらさび止め剤は、有機系スルホン酸金
属塩とエステル類とを単独もしくは混合物として使用す
ることができる。また、前記さび止め剤の含有量は、潤
滑剤組成物全量に対して2重量%以上である。さび止め
剤の含有率が2重量%未満の場合には、有効な防錆効果
が得られない。一方20重量%以上添加しても、添加量
の増大に応じた防錆効果を期待できずコストアップの要
因にもつながる。従って、さび止め剤の含有量は、2〜
20重量%が好ましい。
【0020】本発明の転がり軸受用潤滑剤組成物に使用
される油性剤としては、高級脂肪酸としてオレイン酸、
ステアリン酸など、高級アルコールとしては、ラウリル
アルコール、オレイルアルコールなど、アミンではステ
アリルアミン、セチルアミンなど、リン酸エステルでは
リン酸トリクレジルなどがある。油性剤により、耐摩耗
性などの潤滑性能を一層向上させることができ、上記物
質を単独もしくは混合物として使用する。油性剤の含有
率は、0.5重量%以上である。この含有率が0.5重
量%未満の場合には、摩耗低減効果を得られない。ま
た、10重量%以上添加しても、添加量の増大に応じた
効果を期待できずコストアップの要因にもつながる。音
響特性、コストなどを考慮した場合、油性剤の含有率は
0.5〜10重量%が好ましい。更に、1〜5重量%が
好ましい。
【0021】本発明の転がり軸受用潤滑剤組成物に使用
される酸化防止剤は、含窒素化合物系酸化防止剤とフェ
ノール系酸化防止剤との混合物である。含窒素化合物系
酸化防止剤としては、フェニルαナフチルアミン、ジフ
ェニルアミン、フェニレンジアミン、オレイルアミドア
ミン、フェノチアジンなどがある。フェノール系酸化防
止剤としては、p−tert−ブチル−フェニルサリシ
レート、2,6−ジ−tert−ブチル−p−フェニル
フェノール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン
ビス(4−メチル−6−tert−オクチルフェノー
ル)、4,4′−ブチリデンビス−6−tert−ブチ
ル−m−クレゾール)、テトラキス〔メチレン−3−
(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オ
クタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、2−n
−オクチル・チオ−4,6−ジ(4′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−tert−ブチル)フェノキシ−1,
3,5−トリアジン、4,4′−チオビス−〔6−te
rt−ブチル−m−クレゾール〕、2−(2′−ヒドロ
キシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのヒンダード
フェノールがある。
【0022】これら酸化防止剤の含有率は、0.05重
量%以上である。この含有率が0.05重量%未満の場
合には、潤滑油の酸化防止効果を低下させ十分な潤滑性
を維持できない。また、10重量%以上添加しても、添
加量の増大に応じた潤滑油の酸化防止効果が期待できず
コストアップの要因にもつながる。従って、音響特性や
コストなどを考慮した場合、酸化防止剤の含有率は0.
05〜10重量%が好ましい。更に、0.1〜10重量
%が好ましい。更に、含窒素化合物系酸化防止剤とフェ
ノール系酸化防止剤との混合比は、1:9〜9:1であ
ることが好ましく、この範囲とすることで潤滑油の酸化
防止効果が上り、高温・高速回転による音響特性を向上
させることができる。尚、含窒素化合物系酸化防止剤ま
たはフェノール系酸化防止剤のどちらか一方のみでは、
音響特性の向上は得られない。
【0023】本発明の転がり軸受用潤滑剤組成物は上記
物質を必須成分とするものであるが、その効果を損なわ
ない範囲で極圧剤や粘度指数向上剤、摩耗防止剤などを
含有してもよい。
【0024】上記の転がり軸受用潤滑剤組成物を用いて
転がり軸受を製造するには、膜厚の制御が可能な方法を
採用する必要があり、以下の処理を行う。
【0025】先ず、組み立てた転がり軸受を上記の転が
り軸受用潤滑剤組成物中に浸漬し、引き上げる。そし
て、引き上げ後に遠心脱油を行うことで、内・外輪軌道
面、転動体及び保持器の表面に、所定の膜厚で転がり軸
受用潤滑剤の被膜が成膜される。ここで、転がり軸受用
潤滑剤組成物の被膜の膜厚が0.03〜20μmとなる
ように、遠心脱油における回転速度や時間を調整する。
転がり軸受用潤滑剤組成物の被膜の膜厚が0.03μm
未満の場合には、部分的に潤滑油が存在しない部分が生
じて耐久性が不足する。反対に膜厚が20μmを越える
場合には、転がり軸受用潤滑剤組成物の被膜が抵抗とな
って回転トルクが増加したり、発塵量も多くなる。特に
好ましい膜厚は、1〜10μmである。
【0026】
【実施例】以下の実施例及び比較例により、本発明をよ
り明確にする。 〔実施例1〜22及び比較例1〜12〕実施例及び比較
例に用いた転がり軸受用潤滑剤組成物の各成分及びその
量は、第1表に示す通りである。尚、表中〔 〕内は、
潤滑剤組成物全体中の含有率〔重量%〕で示しており、
従って〔 〕内の数値の合計は100となる。また、基
油の40℃における粘度を併記した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】そして、実施例及び比較例の潤滑剤組成物
を、下記の軸受に塗布して被験体を作製した。 ○用いた軸受の種類 単列深みぞ玉軸受、非接触ゴムシール(V形)、呼び番
号695、寸法は内径5mm×外径13mm×幅4mm ○軸受への潤滑剤組成物の塗布方法及び膜厚調整方法 軸受を潤滑剤組成物に浸漬し、その後引き上げてエアー
を吹き付けて液切して余分な潤滑剤組成物を除去した。
更に、遠心分離機により軸受に残留している潤滑剤組成
物を除去した。膜厚の調整は、遠心分離機が発生する遠
心力の大きさ並びに回転継続時間を調整することで行っ
た。各被験体に成膜した潤滑剤組成物の膜厚を、第1表
に併記する。
【0034】<試験内容>以下の項目の各種特性試験を
行った。 (1)軸受音響試験 軸受回転数:7,200rpm(外輪回転) アキシャル荷重:2kgf 雰囲気温度:70℃ (判定基準)軸受の音響測定はアンデロンメータを用い
て行い、潤滑剤組成物を塗布した直後の軸受アンデロン
値(初期アンデロン値)と、5000時間回転後の軸受
アンデロン値とを比較して音響特性の判定を行った。初
期アンデロン値からの上昇値を第1表に下記の記号で表
記し、2.5以下を合格とした。 ☆:0.5以下 合格 ◎:0.6〜1.0 合格 ○:1.1〜2.5 合格 △:2.6〜5.0 不合格 ×:5.1以上 不合格
【0035】(2)さび止め性試験 軸受:呼び番号695の内輪及び外輪 雰囲気:20℃×90%RH(3時間)放置と50℃×
90%RH(3時間)放置のサイクルを交互に繰り返
す。 放置時間:7日間 (判定基準)内輪及び外輪を顕微鏡にてさびの発生を確
認した。結果を第1表に下記の記号で表記し、さびなし
を合格とした。 ○:さびなし 合格 △:さび数点 不合格 ×:さび多数 不合格
【0036】(3)発塵量の測定 密封された容器中で軸受を7,200rpmで回転(外
輪回転)させ、その際発生する塵の数をアウトパーティ
クルカウンターで測定して発塵量とした。発塵量は、
0.1cf(立方フィート)中に存在する、粒径0.1
μm以上の塵の数をカウントすることで行い、1時間経
過した時点での発塵量が150個以下を合格とした。測
定結果を、数値で第1表に示す。
【0037】以上の試験結果から、実施例に示す潤滑剤
組成物を適用した転がり軸受は、音響特性、さび止め
性、発塵量の全てにおいて優れた特性を有することが確
認された。これに対し、比較例のように、本発明で規定
した成分を含まないもの、あるいは成分量が本発明の範
囲外であるものは、音響特性、さび止め性、発塵量の各
特性の何れかの特性に劣る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受用潤滑剤組成物は、基油としてエステル油にジエステ
ル油またはポリオールエステル油を含有させることで耐
熱性を高めるとともに、その粘度も規定することで潤滑
性を確保しつつ、更に特定の酸化防止剤とさび止め剤と
を加えることで、基油の熱分解による酸化を抑制すると
ともに、塗油面のさびの発生を防止している。従って、
軸受のオイルプレーティング用潤滑油として好適であ
り、従来、特に高温・高速回転時に、潤滑剤組成物を構
成する基油が熱分解により酸化して劣化していた問題を
解消できる。また、このような潤滑剤組成物のプレーテ
ィングを施した転がり軸受は、高温・高速回転化でも軸
受音響性能を十分に確保しつつ、低発塵化、高防錆性、
低発塵化、長寿命化等が実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 129/40 C10M 129/40 129/76 129/76 133/06 133/06 133/12 133/12 135/10 135/10 137/04 137/04 F16C 33/32 F16C 33/32 33/34 33/34 33/64 33/64 33/66 33/66 Z // C10N 10:04 C10N 10:04 20:02 20:02 30:06 30:06 30:08 30:08 40:02 40:02 (72)発明者 横内 敦 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 中 道治 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA01 BA01 BA53 BA54 CA11 DA20 EA66 EA80 FA32 GA53 4H104 BB03C BB05C BB17C BB33A BB34A BB35C BE03C BE07C BG06C BH03C EA02A EB05 EB09 EB10 FA01 LA03 LA04 PA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃での粘度が10〜500mm2 /
    sで、ジエステル油又はポリオールエステル油の少なく
    とも一種を含むエステル油を基油全量の20重量%以上
    含有し、0.05〜10重量%の酸化防止剤、2〜20
    重量%のさび止め剤、0.5〜10重量%の油性剤を含
    むことを特徴とする転がり軸受用潤滑剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記エステル油が、ペンタエリスリトー
    ルエステル又はジペンタエリスリトールエステルの単独
    もしくは混合物をエステル油中に40重量%以上含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の転がり軸受用潤滑剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記酸化防止剤が、含窒素化合物系酸化
    防止剤:フェノール系酸化防止剤=1:9〜9:1とす
    る混合物であることを特徴とする請求項1または2記載
    の転がり軸受用潤滑剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の転が
    り軸受用潤滑剤組成物中に組み立てた転がり軸受を浸漬
    し、引き上げ後に遠心脱油を行い、少なくとも内・外輪
    軌道面及び転動体の表面に0.03〜20μmの膜厚で
    前記転がり軸受用潤滑剤組成物の被膜を成膜することを
    特徴とする転がり軸受の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記転がり軸受用潤滑剤組成物の被膜の
    膜厚を0.03〜10μmにすることを特徴とする請求
    項4記載の転がり軸受の製造方法。
JP2003063415A 2003-03-10 2003-03-10 転がり軸受用潤滑剤組成物及び転がり軸受の製造方法 Pending JP2003292984A (ja)

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