JP2003293367A - 基礎杭 - Google Patents

基礎杭

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JP2003293367A
JP2003293367A JP2003023369A JP2003023369A JP2003293367A JP 2003293367 A JP2003293367 A JP 2003293367A JP 2003023369 A JP2003023369 A JP 2003023369A JP 2003023369 A JP2003023369 A JP 2003023369A JP 2003293367 A JP2003293367 A JP 2003293367A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤への埋設が容易で(閉塞型基礎杭に比し
て埋設速度が速く)、埋設後、十分な支持力を確保出来
る基礎杭を提供すること。 【解決手段】 先端(下端)に開口端面12を有する、
鋼管製の杭本体11に、複数枚の掘削刃13を溶接等で
固定した開放型の基礎杭で、杭本体11の外周面に一巻
きの先端螺旋翼14と上部螺旋翼15を溶接等で固定し
て構成される。杭本体11の先端をそのほぼ直径分だけ
先端螺旋翼14から突出させて、杭本体11の先端部の
外周面と先端螺旋翼14の底面との間に土砂を圧密保持
する空間17を区画する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無排土、無騒音、
無振動で軟弱地盤中に埋設し、埋設後、十分な支持力を
維持することが出来る基礎杭に関する。
【0002】
【従来の技術】無排土、無騒音、無振動で軟弱地盤中に
埋設される、螺旋翼付きの基礎杭として、例えば鋼管か
らなる杭本体の先端を閉じた閉塞型のものと、杭本体の
先端を開放した開放型ものとが知られている。
【0003】先端を閉じた閉塞型基礎杭にあっては、地
盤中に埋設後、螺旋翼の他に杭本体の先端も地盤反力を
受けて十分な支持力を確保出来る点で優れている。しか
し、地盤中への埋設時に、杭本体の体積分の土砂を杭本
体の側面側に押し出すようにするために杭本体を地盤中
に押し込むための大きな押圧力を必要とする問題があ
る。また、杭本体の側面に押し出された土砂が螺旋翼の
回転推進反力を生じさせて、杭本体が地盤中に推進する
ものの、杭本体の先端側側面に取り付けた先端螺旋翼の
回転が杭本体先端の芯ずれを生じさせる問題がある。す
なわち、杭本体の先端が閉じていて、地盤中への食い込
みに抵抗があり、先端螺旋翼の回転に影響されて、杭本
体の先端が先端螺旋翼の回転方向に移動しやすい問題が
ある。
【0004】これに対し、先端を開放した開放型基礎杭
にあっては、地盤中への埋設時に、杭本体の体積分の土
砂を杭本体の先端の開口部から内部に取り込むようにし
てあり、閉塞型基礎杭の問題点を解決することが出来る
ものと期待されているが、実際には以下のような問題が
ある。地盤中への埋設時に杭本体を回転させると、杭本
体の半回転で螺旋翼が地盤に食い込んで杭本体を地盤中
に推進させるものの、残りの半回転で螺旋翼が土砂を押
圧して、杭先端の開口から杭本体の内部に土砂を押し込
むように働き、この結果、杭本体の内部には杭本体の体
積分以上の土砂が押し込まれ、杭本体の内部は土砂によ
り直ぐに閉塞状態になる。したがって、杭本体を更に地
盤中に推進させるためには、閉塞型基礎杭と同様に杭本
体を地盤中に押し込むために大きな押圧力が必要とな
る。また、地盤のN値が0乃至3前後と軟弱で、含水比
の高いシルト層の場合には、土砂による抵抗が殆ど無
く、螺旋翼による回転推進力が発生せず、基礎杭の埋設
に長時間を要する。すなわち、杭本体を回転させても螺
旋翼がその回りにある含水比の高い土砂を掻き回すだけ
であって、水中で螺旋翼を回転させているのと同様に回
転推進が行われず、空転を繰り返すのみで、一昼夜放置
して土砂による抵抗の回復を待って基礎杭の埋設作業を
続行する必要があり、基礎杭の埋設に長時間を要する。
更に、杭本体の先端が支持層に到達した後、杭の安全性
を確認するための載荷試験をすると、設計荷重を支える
ことが出来るものの、安全率を考慮して、設計荷重の2
倍の荷重をかけると、杭の沈下が進行してしまい、3倍
の荷重をかけると、この3倍荷重の75%乃至80%の
荷重しか支えることが出来ず、閉塞型基礎杭に比して支
持力が確保出来ないことが判明している。この原因は、
螺旋翼の下部から地盤に作用する圧力により土砂が滑り
破壊を起こし、この土砂が杭本体の先端開口部から内部
に侵入するものと推察される。
【0005】開放型基礎杭にあっては、閉塞型基礎杭の
問題点を解決できるものとして期待されていたが、上述
したように種々の問題点がある。
【0006】なお、図5乃至図7に示すように、先端が
開口した鋼管50の該先端部分を螺旋翼に沿うように切
り欠き、この切り欠き端部51に外径が鋼管外径よりも
大きく、内径が鋼管内径よりも小さいドーナツ状鋼板5
2を溶接して固定し、また鋼管50の先端から鋼管内径
50aの略0.5乃至2.0倍の高さ位置に、鋼管50
内部に進入した土砂の閉塞を促進させるための円環状の
突起53を設けた鋼管杭が提案されている(例えば、特
許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2001−146741号公報(第
8頁、第4図、第10図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この提案され
た鋼管杭では、地盤が比較的硬い支持層への杭先端の根
入れが効率よく行われることを問題としており、軟弱地
盤を通過して支持層に達するまでの埋設(施工)速度に
ついては問題とされておらず、埋設速度については閉塞
型基礎杭と何ら変わらず、満足のいくものではなかっ
た。
【0009】基礎杭として要求されるのは、地盤への埋
設が容易で(閉塞型基礎杭に比して埋設速度が速く)、
埋設後、十分な支持力を確保出来ることであるが、これ
まで提案された基礎杭ではこの要求を十分に満足するも
のが無かった。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、地盤への埋設が容易で(閉塞型基礎杭に比して埋設
速度が速く)、埋設後、十分な支持力を確保出来る基礎
杭を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した開放型基礎杭の
問題点を検討したところ、杭本体の地盤中への埋設推進
を促進させるためには、杭本体の先端を開放して、杭本
体の体積分の土砂が杭本体の埋設に伴って杭本体内に進
入し、該体積分を越えないようにする必要があり(内部
閉塞を生じないようにする必要があり)、一方、埋設後
に支持力を維持するには、先端螺旋翼の下部にある土砂
の滑り破壊を防止し、土砂が杭本体の先端から内部に侵
入(流入)しないようにする必要があることが判明し
た。本発明者はこれらの要求を満足するように鋭意研究
を行ったところ、杭本体の先端側面と先端螺旋翼の底面
との間で土砂を確実に圧密保持することにより、これら
の要求を満足できることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
【0012】すなわち、上記目的を達成する本発明の基
礎杭は、杭本体の先端を、杭本体の最も先端寄りに位置
する螺旋翼である先端螺旋翼の底面と杭本体の先端側の
外周面との間で土砂を保持するように、先端螺旋翼から
所定長さだけ突出させてなることを特徴とする。より詳
細には、杭本体の最も先端寄りに位置する螺旋翼である
先端螺旋翼から杭本体の先端を所定長さだけ突出させる
ことにより、基礎杭の埋設時における先端螺旋翼の回転
によって先端螺旋翼の底面で押圧された土砂を、先端螺
旋翼の底面と杭本体の先端側の外周面との間で保持して
開口部から杭本体内に流入させないことを特徴とする。
【0013】杭の施工は上部より掘進機の荷重と回転力
を杭本体に伝達することにより行われ、掘進機の荷重と
回転力を杭本体に伝達すると、杭先端突出部が回転し、
杭先端断面積が小さいので、杭本体は内部に土砂を進入
させながら推進し、先端の螺旋翼は地中に切り込むよう
に回転し、土の組成による地盤強度を回転推進の反力と
して杭本体を引き込むように地中に回転埋設が行われ、
杭本体の回転推進力を生じさせる一方、先端螺旋翼の底
面によって押圧された土砂を杭本体の先端側面によって
保持し、杭本体の先端の開口部から杭本体内部に侵入
(流入)しないようにして内部閉塞を防止し、これによ
り杭本体の回転推進が促進されることになる。また、杭
本体の埋設後は、先端螺旋翼の底面と杭本体の先端側面
との間で土砂を圧密し、土砂の滑り破壊を防止して、十
分な支持力を確保することが可能となる。
【0014】杭本体の先端を先端螺旋翼から突出させる
長さは、例えば、杭本体の直径の1倍乃至2倍前後に設
定するのが好ましい。突出長さが杭本体の直径の1倍よ
りも小さいと、先端螺旋翼の下部にある土砂の流動によ
り、杭本体の体積分以上の土砂が杭本体の内部に流入し
て杭本体内が内部閉塞の状態となり施工能率が低下する
と共に、突出部による杭芯ずれの防止効果が少なくな
り、支持層に到達後は先端螺旋翼の底面と杭本体の先端
側面との間で土砂を保持して圧密することが難しく、ま
た突出長さが杭本体の直径の2倍よりも大きく越える
と、土砂を保持して圧密することが出来るものの、先端
螺旋翼が杭本体の先端から大きく離れており、杭の支持
力は螺旋翼の底面積と支持層の和により支持力を発揮す
るので、杭本体の直径の2倍以上は必要としないからで
ある。
【0015】また、先端螺旋翼の外径は、例えば、杭本
体の直径の2倍乃至3倍に設定するのが好ましい。先端
螺旋翼の外径が杭本体の直径の2倍に満たないと、先端
螺旋翼の回転推進力が小さい上に先端螺旋翼の地盤反力
を受ける面積が小さく、十分な支持力が得られず、また
先端螺旋翼の外径が杭本体の直径の3倍を越えると、硬
質な支持層に先端螺旋翼を食い込ませる場合などで大き
な回転力及び押圧力を必要とし、杭本体を破損させてし
まう場合がある。
【0016】また、杭本体の外周面に配置される螺旋翼
を、例えば2枚とし、1枚が先端螺旋翼で、他の1枚
が、先端螺旋翼から上方に該先端螺旋翼の外径の1.5
倍乃至2倍の間隔をあけて配置された、前記先端螺旋翼
の外径よりも大きい外径を有する上部螺旋翼とするのが
好ましい。このようにすると、先端螺旋翼が含水量の多
い軟弱なシルト層に進入して、先端螺旋翼が地盤に食い
込むことによって生じる回転推進力が得られなくても、
シルト層に達しない上部螺旋翼が地盤に食い込んで回転
推進力を得るので、杭本体を地盤中に埋設推進させるこ
とができ、そして先端螺旋翼がシルト層を通過して、上
部螺旋翼がシルト層に移動しても、今度は先端螺旋翼が
地盤に食い込んで回転推進力を得ることが出来る。すな
わち、いずれかの螺旋翼が地盤に食い込んでいて、螺旋
翼が地盤中で空転して、回転推進力が得られなくなるよ
うな事態が生じないようにすることが出来る。さらに、
支持層の所定位置に回転埋設が完了し、建物荷重が杭先
端に掛かると、その荷重は先端螺旋翼と上部螺旋翼の翼
底面によって地盤に建物荷重を伝達し、2枚の螺旋翼で
大きな支持力を発揮することが出来る。
【0017】また、例えば、杭本体の先端螺旋翼から突
出した先端部の外周面に沿って補強板を設け、該補強板
に掘削刃を固定することが出来る。このようにすると、
杭本体の先端が支持層となる硬質の地盤中に進入して
も、地盤からの圧力により変形したり、潰されたりする
おそれはない。
【0018】また、例えば、杭本体の先端螺旋翼から突
出した先端部の内周面に沿って摩擦カット板を設け、該
摩擦カット板の端部を前記杭本体の先端から突出させ、
この突出した端部に切刃を形成することが出来る。この
ようにすると、摩擦カット板によって杭本体の先端の開
口部の開口面積が狭くなり(開口部が狭められ)、切刃
によって掘削軟化された土砂が開口部を通って杭本体内
部に進入する際、一旦は土砂の進入を抑制するものの、
土砂が摩擦カット板を通過すると、開口部よりも広い空
間内に進入することになり、以後土砂は杭本体内をスム
ーズに移動することになる。なお、本明細書で、摩擦カ
ット板とは、それ自体が土砂との間の摩擦を無くすので
はなく、土砂の流入を一旦絞った後、開放することによ
り、土砂の杭本体への流入をスムーズに行わせるのに寄
与することを意味する。
【0019】また、前記杭本体の外周面に配置される前
記螺旋翼が、前記先端螺旋翼と前記上部螺旋翼と複数の
補助螺旋翼とで構成され、前記複数の補助螺旋翼は、前
記基礎杭の軸方向に一定間隔で配置されており、 前記
上部螺旋翼と最も近接する前記補助螺旋翼は、該上部螺
旋翼から上方に前記先端螺旋翼の外径の1.5倍乃至2
倍の間隔をあけて配置され、前記上部螺旋翼の外径より
も大きい外径を有しているようにすることもできる。
【0020】また、前記上部螺旋翼と最も近接する前記
補助螺旋翼の外径が最も小さく、最上に配置された前記
補助螺旋翼の外径が最も大きくなるように、前記各補助
螺旋翼の外径を一定の比率で大きくすることができる。
【0021】また、前記杭本体の内周面には、少なくと
も1つ以上の内側螺旋翼を前記開口部から前記杭本体の
直径の1倍乃至2倍前後の位置に設けることができる。
例えば、前記内側螺旋翼を、前記先端螺旋翼が設けられ
た位置と同じ位置に一つ設ける方が好ましい。
【0022】さらに、前記基礎杭の基端には、該基礎杭
の杭本体の外径よりも大きい外径を有する連結杭を連結
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明の基礎杭の一実施例
を示す斜視図、図2は図1の基礎杭の変形例を示す一部
省略した斜視図、図3は本発明の基礎杭の他の実施例を
示す斜視図、図4は図3の基礎杭の先端螺旋翼を省略し
た部分断面図である。
【0024】図1を参照して本発明の基礎杭の一実施例
を説明する。基礎杭10は、鋼管製の杭本体11の先端
(下端)の開口端面12に、複数枚の掘削刃13を溶接
等で固定した開放型の基礎杭で、杭本体11の外周面に
一巻きの先端螺旋翼14と上部螺旋翼15を溶接等で固
定して構成される。
【0025】詳しくは、杭本体11の先端から杭本体1
1の直径(杭径)とほぼ等しい長さだけ上方に離れた位
置を始点16として杭本体11の外周面に沿って上方に
螺旋状に延びる、杭径のほぼ2倍の外径を有する一巻き
の先端螺旋翼14が、溶接等で固定してある。また、先
端螺旋翼14よりも上方位置、すなわち先端螺旋翼14
の直径(翼径)の1.5倍乃至2倍離れた杭本体10の
外周面位置を始点として杭本体11の外周面に沿って上
方に螺旋状に延びる、翼径よりも大きい直径を有する一
巻きの上部螺旋翼15が、溶接等で固定してある。
【0026】先端螺旋翼14の底面と杭本体11の先端
側の外周面との間には、土砂を圧密状態で保持する空間
17が区画される。換言すれば、杭本体11の先端螺旋
翼14から突出した先端突出部11aの周囲に土砂を圧
密状態で保持する空間17が区画される。この空間17
は、杭本体11を地盤に埋設する際、先端螺旋翼14の
回転によって該先端螺旋翼14の底面で押圧された土砂
を圧密し、これが先端螺旋翼14の抵抗となって、杭本
体11の回転推進力を生じさせる一方、先端螺旋翼14
の底面によって押圧された土砂が開口端面12から内部
に侵入(流入)しないようにして、杭本体11の内部閉
塞を防止する。また、空間17は、杭本体11の埋設後
も、土砂を圧密し、土砂の滑り破壊を防止して、十分な
支持力を確保することが可能となる。
【0027】上記実施例の基礎杭によれば、上部より掘
進機の荷重と回転力を杭本体11に伝達すると、杭本体
11の先端突出部11aが回転し、杭本体11の先端の
開口端面12の断面積が小さいので内部に土砂を進入さ
せながら杭本体11は推進して、先端螺旋翼14は地中
に切り込むように回転し、土の組成による地盤の強度を
回転推進の反力として杭本体11を引き込むようにして
地中に回転埋設が行われる。この回転推進に際し、杭本
体11の開口端面12から土砂が杭本体11の内部に進
入するが、空間17で土砂を圧密保持することから(空
間17が地盤保持力を発揮することから)、先端螺旋翼
14の底面によって押圧された土砂が開口端面12から
進入するのを阻止し(必要以上の土砂の進入を阻止
し)、土砂による内部閉塞を回避することができ、杭本
体11の地盤中への進入を促進することが出来る。杭本
体11の先端が所定のN値を有する地層に達するまで、
鋼管を継ぎ足しながら地盤中に回転推進させる。この地
盤中への回転推進中に、先端螺旋翼14が含水量の多い
軟弱なシルト層に進入して、先端螺旋翼14が地盤に食
い込むことによって生じる回転推進力が得られなくて
も、先端螺旋翼14の直径の1.5倍乃至2倍離れた上
方位置にある上部螺旋翼15が別の硬い地盤中にあって
シルト層に達しない場合、この上部螺旋翼15が地盤に
食い込んで回転推進力を得るので、杭本体11を何ら支
障なく地盤中に埋設推進させることができる。そして、
先端螺旋翼14がシルト層を通過して、上部螺旋翼15
がシルト層に移動しても、今度は先端螺旋翼14が地盤
に食い込んで回転推進力を得ることが出来る。
【0028】基礎杭10の埋設後は、基礎杭10上の建
物荷重が杭本体11、先端螺旋翼14、上部螺旋翼15
等を介して地盤に作用する一方、地盤から杭本体11、
先端螺旋翼14、上部螺旋翼15等に地盤反力が作用
し、建物を地盤上にしっかり支持する。このとき、先端
螺旋翼14の底面によって土砂に押圧力が作用するもの
の、該土砂は空間17に圧密保持され(空間17が地盤
保持力を発揮し)、滑り破壊を起こして開口端面12か
ら杭本体11内部に侵入することはなく、支持力を保つ
ことが出来る。
【0029】図2は、上記図1の基礎杭10の変形例を
示すもので、この変形例の基礎杭10aでは、空間17
を区画する杭本体11の先端外周面に、補強板としての
鋼管製の外管18が溶接等で固定してあり、杭本体11
と外管18とが同心円状になっている。また、基礎杭1
0aでは、3枚の掘削刃13が、杭本体11の開口端面
12に代えて外管18の開口端面に、周方向に所定の間
隔をあけて溶接等で固定してある。杭本体11の開口端
面12の代わりに、長さの短い外管18の開口端面に掘
削刃13を取り付けるようにすると、掘削刃13の取付
作業が容易に行える。
【0030】変形例の基礎杭10aの場合、杭本体11
の先端が硬い地盤中にあっても外管18によって杭本体
11の先端外周面が保護され、地盤の圧力により押し潰
されるおそれがない。
【0031】次に図3及び図4を参照して本発明の基礎
杭の他の実施例を説明する。なお、図中、図1に示す部
分と同一部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0032】本実施例の基礎杭10bでは、杭本体11
の先端の開口部12aに、その内周面に沿って長さの短
い管状の摩擦カット板19が溶接等で固定してあり、杭
本体11と摩擦カット板19とが同心状になっている。
摩擦カット板19は、杭本体11を構成する鋼管の肉厚
よりも厚く、また端部が杭本体11の先端から突出して
切刃20に形成されている。
【0033】基礎杭10bを地盤中に埋設する際には、
切刃20が土砂を掘削軟化し、この土砂が摩擦カット板
19によって開口面積(土砂流入口)が縮小した開口部
12aを介して杭本体11の内部に進入することにな
る。この土砂の杭本体11内部への進入に際し、摩擦カ
ット板19が一旦は土砂の進入を抑制する(土砂の流れ
を絞る)ものの、土砂が摩擦カット板19を通過する
と、開口部12aよりも広い空間内に進入することにな
り、以後土砂は杭本体11内をスムーズに移動すること
になる。換言すると、開口部12aで一旦絞りをかける
ことにより、余分な土砂(内部閉塞の原因となる土砂)
の流入を阻止し、土砂と杭本体11の内壁との間の摩擦
を減らし、杭本体11内部での土砂の流れをスムーズに
する。
【0034】すなわち、基礎杭10bによれば、先端螺
旋翼14の底面と杭本体11の先端側の外周面との間に
区画される空間17による効果と相俟って、杭本体11
内部での土砂の流れがスムーズとなり、地盤への埋設作
業能率を向上させることが可能となる。
【0035】なお、摩擦カット板19は、図2の外管1
8と同様に杭本体11の先端を補強することにもなる。
【0036】上記図1乃至図4に示す実施例では、先端
螺旋翼14の他に上部螺旋翼15を1枚設けた場合を示
したが、上部螺旋翼15を設けなくてもよく、また上部
螺旋翼15を2枚以上設けてもよい。
【0037】次に、図12及び図13を参照にして本発
明にかかる基礎杭のさらに別の実施例を説明する。図1
2には、先端螺旋翼14の斜視図を示し、図13には、
該先端螺旋翼14の底面図を示している。図12及び図
13に示すように、先端螺旋翼14の前端14aには、
掘削刃14bが溶接等によって設けられている。このよ
うに掘削刃14bを設けることにより、杭本体の回転推
進力を向上させ、円滑な施工を行うことができる。ま
た、図12に示すように、先端螺旋翼14の前端14a
を面取りして傾斜面14cを形成することにより、杭本
体の回転推進力をさらに向上させ、より円滑な施工を行
うことができる。
【0038】次に、図8を参照にして本発明にかかる基
礎杭のさらに別の実施例を説明する。図8に示すよう
に、この変形例の基礎杭10cは、杭本体11の外周面
に配置される螺旋翼が、先端螺旋翼14と上部螺旋翼1
5と二つの補助螺旋翼30a、30bとで構成されてい
る。二つの補助螺旋翼30a、30bは、基礎杭10c
の杭本体11の軸方向に一定間隔で配置されていて、上
部螺旋翼15と最も近接する補助螺旋翼30aは、上部
螺旋翼15から上方に先端螺旋翼14の外径の1.5倍
乃至2倍の間隔をあけて配置され、上部螺旋翼の外径よ
りも大きい外径を有している。また、上部螺旋翼15と
最も近接する補助螺旋翼30aの外径が最も小さく、最
上に配置された補助螺旋翼30bの外径が大きくなるよ
うに、各補助螺旋翼30a、30bの外径が一定の比率
で大きくなっている。図示のものは、複数の補助螺旋翼
が二つで構成されているが、これに限らず、3つ以上で
構成されていても良い。例えば、複数の補助螺旋翼が三
つで構成されている場合、上部螺旋翼15と最も近接す
る補助螺旋翼の外径が最も小さく、最上に配置された補
助螺旋翼の外径が大きく、中間に位置する補助螺旋翼の
外径は、上部螺旋翼15と最も近接する補助螺旋翼の外
径よりも大きく、最上に配置された補助螺旋翼の外径よ
りも小さくなっている。従って、3つの各補助螺旋翼の
外径が一定の比率で大きくなっている。
【0039】このように、杭本体11の外周面に配置さ
れる螺旋翼を、先端螺旋翼14及び上部螺旋翼15だけ
でなく、複数の補助螺旋翼を加えて構成することによ
り、回転推進力を増加させることができると共に、杭の
支持力を増加させることができる。特に、支持層が軟ら
かい場合には、このような構成によって支持力を増加さ
せることが有効である。
【0040】次に、図9及び図10を参照にして本発明
にかかる基礎杭のさらに別の実施例を説明する。図9に
は、基礎杭の部分断面図を示し、図10には、基礎杭の
先端の正面図を示している。図9及び図10に示すよう
に、杭本体11の内周面には、開口部から杭本体11の
直径の1倍乃至2倍前後の位置に少なくとも一つ以上の
内側螺旋翼31が溶接等で設けられている。図示のもの
は、開口部から杭本体11の直径の1倍乃至2倍前後の
位置であって、先端螺旋翼14が設けられた位置と同じ
位置に内側螺旋翼31が一つ設けられている。より詳細
には、先端螺旋翼14の内面に沿って内側螺旋翼31が
設けられている。
【0041】このように、杭本体11の内周面に内側螺
旋翼31を設けることにより、杭本体11の外周面に設
けられた螺旋翼により受ける杭本体11の曲げ応力を減
少させると共に、支持力を増加させることができる。
【0042】次に、図11を参照にして本発明にかかる
基礎杭のさらに別の実施例を説明する。図11に示すよ
うに、基礎杭10dには、その基端(図11において上
側)に、該基礎杭10dの杭本体11の外径よりも大き
い外径を有する連結杭32が溶接または継手で連結され
て、杭の全長が長くなっている。図11に示す連結杭3
2は、フランジ継手33によって基礎杭10dに連結さ
れている。
【0043】このように構成することにより、杭の上部
にかかる水平力に抗し十分な支持力を得ることができ
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の基礎杭に
よれば、杭本体の最も先端寄りに位置する螺旋翼である
先端螺旋翼から杭本体の先端を所定長さだけ突出させる
ことにより、基礎杭の埋設時における先端螺旋翼の回転
によって該先端螺旋翼の底面で押圧された土砂を、先端
螺旋翼の底面と杭本体の先端側の外周面との間で保持し
て開口部から該杭本体内に流入させないようにしている
ため、杭本体の地盤への埋設時や埋設後、先端螺旋翼と
杭本体の先端外周面との間に土砂が保持され、地盤への
回転推進が促進されて施工時間の短縮を図ることが出
来、また支持力を長期間にわたって維持することが出来
る。すなわち、本発明にかかる基礎杭は、杭本体の回転
により螺旋翼が土砂に食い込んで地盤の耐力を反力とし
て回転推進する。この際、先端螺旋翼の下部の土砂は、
杭本体の先端が先端螺旋翼から所定長さだけ突出してい
るため、開口部から杭本体内に浸入せず、杭本体内の内
部閉塞を防止することができる。また、従来のような閉
塞杭のように杭本体の側面に杭本体の体積分の土砂を圧
密させないので、杭本体の側面に余分な土砂の摩擦抵抗
が生じることがなく、回転推進を容易に行うことができ
施工の効率を高めることができる。更に、杭の先端が支
持層に到達した場合には、先端螺旋翼の底面と杭本体の
先端外周面との広範囲な領域に土砂を保持して地盤に荷
重を広く分散させることができ、もって、従来のような
閉塞杭の支持力よりも大きな支持力で杭を長期間にわた
って維持することが可能である。
【0045】また、杭本体の先端を先端螺旋翼から突出
させる長さを、杭本体の直径の1倍乃至2倍前後に設定
した場合、地盤への回転推進を容易にして確実に地盤保
持力を発揮することが出来る。
【0046】また、先端螺旋翼の外径を、杭本体の直径
の2倍乃至3倍に設定した場合、地盤反力を受けて十分
な支持力が得られる一方、地盤に食い込ませるために大
きな回転力が必要とならない。
【0047】また、杭本体の外周面に配置される螺旋翼
を、2枚とし、1枚が先端螺旋翼で、他の1枚が、先端
螺旋翼から上方に該先端螺旋翼の外径の1.5倍乃至2
倍の間隔をあけて配置された、先端螺旋翼の外径よりも
大きい外径を有する上部螺旋翼とした場合、比較的硬い
地盤に達するまでの間にが含水量の多い軟弱なシルト層
が存在しても、何ら支障無く杭本体を地盤中に埋設推進
させることが出来る。埋設後は、先端螺旋翼と上部螺旋
翼とでそれぞれ支持力を発揮させることが出来る。
【0048】また、杭本体の先端螺旋翼から突出した先
端部に補強板を設け、該補強板に掘削刃を固定すると、
杭本体の先端が支持層となる硬質の地盤中に進入して
も、地盤からの圧力により変形したり、潰されたりする
おそれはない。
【0049】また、杭本体の先端螺旋翼から突出した先
端部の内周面に沿って摩擦カット板を設け、該摩擦カッ
ト板の端部を前記杭本体の先端から突出させ、この突出
した端部に切刃を形成すると、基礎杭の埋設作業能率を
向上させることが可能となる。
【0050】また、杭本体の外周面に配置される螺旋翼
を、先端螺旋翼と上部螺旋翼と複数の補助螺旋翼とで構
成し、複数の補助螺旋翼を、基礎杭の軸方向に一定間隔
で配置させ、上部螺旋翼と最も近接する補助螺旋翼を、
該上部螺旋翼から上方に前記先端螺旋翼の外径の1.5
倍乃至2倍の間隔をあけて配置させ、上部螺旋翼の外径
よりも大きい外径を有するようにすれば、回転推進力を
増加させることができると共に、杭の支持力を増加させ
ることができる。さらには、支持層が深い地盤の中間層
で支持する多翼支圧杭(摩擦杭)としても利用すること
が可能である。
【0051】また、杭本体の内周面に、少なくとも1つ
以上の内側螺旋翼を開口部から杭本体の直径の1倍乃至
2倍前後の位置に設けることにより、杭本体11の外周
面に設けられた螺旋翼により受ける杭本体11の曲げ応
力を減少させると共に、支持力を増加させることができ
る。
【0052】また、基礎杭の基端に、該基礎杭の杭本体
の外径よりも大きい外径を有する連結杭を連結させるこ
とにより、杭の上部にかかる水平力に抗し十分な支持力
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎杭の一実施例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の基礎杭の変形例を示す一部省略した斜視
図である。
【図3】本発明の基礎杭の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図4】図3の基礎杭の先端螺旋翼を省略した部分断面
図である。
【図5】従来技術の鋼管杭を示す一部省略した斜視図で
ある。
【図6】図5の鋼管杭の一部省略した縦断面図である。
【図7】図6のA−A線に沿う矢視断面図である。
【図8】本発明の基礎杭の他の実施例を示す部分斜視図
である。
【図9】本発明の基礎杭のさらに他の実施例を示す部分
断面図である。
【図10】図9に示す基礎杭の先端側正面図である。
【図11】本発明の基礎杭のさらに他の実施例を示す部
分斜視図である。
【図12】本発明の基礎杭のさらに他の実施例を示す部
分斜視図である。
【図13】図12に示す基礎杭の先端側正面図である。
【符号の説明】
10、10a、10b、10c、10d 基礎杭 11 杭本体 11a 先
端突出部 12 開口端 12a 開
口部 13 掘削 14 先端
螺旋翼 14a 前端 14b 掘
削刃 14c 傾斜面 15 上部
螺旋翼 17 空間 18 補強
板(外管) 19 摩擦カット板 20 切刃 30a、30b 補助螺旋翼 31 内側
螺旋翼 32 連結杭 33 フラ
ンジ継手

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に開口部を有した杭本体の外周面に
    1枚又は2枚以上の螺旋翼を配置してなる基礎杭にし
    て、 前記杭本体の最も先端寄りに位置する螺旋翼である前記
    先端螺旋翼から前記杭本体の先端を所定長さだけ突出さ
    せることにより、前記基礎杭の埋設時における前記先端
    螺旋翼の回転によって該先端螺旋翼の底面で押圧された
    土砂を、前記先端螺旋翼の底面と前記杭本体の先端側の
    外周面との間で保持して前記開口部から該杭本体内に流
    入させないことを特徴とする、基礎杭。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の基礎杭にして、 前記所定長さは、前記杭本体の直径の1倍乃至2倍前後
    であることを特徴とする、基礎杭。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の基礎杭にして、 前記先端螺旋翼は、前記杭本体の直径の2倍乃至3倍の
    外径を有することを特徴とする、基礎杭。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    基礎杭にして、 前記杭本体の外周面に配置される前記螺旋翼が2枚で、
    1枚が前記先端螺旋翼で、他の1枚が、前記先端螺旋翼
    から上方に該先端螺旋翼の外径の1.5倍乃至2倍の間
    隔をあけて配置された、前記先端螺旋翼の外径よりも大
    きい外径を有する上部螺旋翼であることを特徴とする、
    基礎杭。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の基礎杭にして、 前記杭本体の外周面に配置される前記螺旋翼が、前記先
    端螺旋翼と前記上部螺旋翼と複数の補助螺旋翼とで構成
    され、 前記複数の補助螺旋翼は、前記基礎杭の軸方向に一定間
    隔で配置されており、 前記上部螺旋翼と最も近接する前記補助螺旋翼は、該上
    部螺旋翼から上方に前記先端螺旋翼の外径の1.5倍乃
    至2倍の間隔をあけて配置され、前記上部螺旋翼の外径
    よりも大きい外径を有していることを特徴とする、基礎
    杭。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の基礎杭にして、 前記上部螺旋翼と最も近接する前記補助螺旋翼の外径が
    最も小さく、最上に配置された前記補助螺旋翼の外径が
    最も大きくなるように、前記各補助螺旋翼の外径が一定
    の比率で大きくなっていることを特徴とする、基礎杭。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    基礎杭にして、 前記杭本体の内周面には、少なくとも1つ以上の内側螺
    旋翼が前記開口部から前記杭本体の直径の1倍乃至2倍
    前後の位置に設けられていることを特徴とする、基礎
    杭。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の基礎杭にして、 前記内側螺旋翼は、前記先端螺旋翼が設けられた位置と
    同じ位置に一つ設けられていることを特徴とする、基礎
    杭。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    基礎杭にして、 前記杭本体の前記先端螺旋翼から突出した先端部の外周
    面に沿って補強板を設け、該補強板に掘削刃を固定して
    なることを特徴とする、基礎杭。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載
    の基礎杭にして、 前記杭本体の前記先端螺旋翼から突出した先端部の内周
    面に沿って摩擦カット板を設け、該摩擦カット板の端部
    を前記杭本体の先端から突出させ、この突出した端部に
    切刃を形成してなることを特徴とする、基礎杭。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1項に記
    載の基礎杭にして、 前記基礎杭の基端には、該基礎杭の杭本体の外径よりも
    大きい外径を有する連結杭が連結されていることを特徴
    とする、基礎杭。
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