JP2003293475A - 熱遮蔽性の高いボルト接合部構造 - Google Patents

熱遮蔽性の高いボルト接合部構造

Info

Publication number
JP2003293475A
JP2003293475A JP2002093852A JP2002093852A JP2003293475A JP 2003293475 A JP2003293475 A JP 2003293475A JP 2002093852 A JP2002093852 A JP 2002093852A JP 2002093852 A JP2002093852 A JP 2002093852A JP 2003293475 A JP2003293475 A JP 2003293475A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bolt
fire
joint
steel
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002093852A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3954882B2 (ja
Inventor
Tadayoshi Okada
忠義 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2002093852A priority Critical patent/JP3954882B2/ja
Publication of JP2003293475A publication Critical patent/JP2003293475A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3954882B2 publication Critical patent/JP3954882B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災を受ける建築分野の鉄骨構造物におい
て、例えば800℃〜850℃での高温強度に優れた耐
火鋼を用いて無耐火被覆構造を可能にする場合に、高温
強度が600℃レベルの耐火ボルトを使用しても、耐火
ボルトに起因する鉄骨構造物の高温強度の低下を阻止可
能なボルト接合部構造を提供すること。 【解決手段】 火災を受ける鉄骨構造物に使用するボル
ト接合部であって、少なくともボルト・ナット、座金
を、セラミックブランケット、セラミックモールド、セ
ラミックシートセラミック塗料、その他の耐火性塗料、
金属製カバー(例えばキャップ)など熱輻射を遮蔽可能
な熱遮蔽体で被覆した熱遮蔽性の高いボルト接合部構
造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、火災を
受ける建築分野の鉄骨構造物に使用するボルト接合部構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築分野においては、例えば、図
10に示すような、スプリットティ2a、2bとボルト
3、5を用いた角形鋼管柱1とH形鋼梁4のボルト接合
構造が採用した鉄骨構造物があり、この鉄骨構造物が火
災を受ける場合には、表面温度350℃以下で使用する
ことが定められているため、多くの場合、吹付けロック
ウール等の耐火被覆が必要となり、施工費用および工
程、環境・美観上の問題から鉄骨構造の競争力を著しく
阻害することから、高温強度に優れ無耐火被覆使用が可
能な鋼材(耐火鋼)が要請されていた。
【0003】近年、この要請に応えるために、鋼材の無
耐火被覆使用を主な目的として、短時間の高温強度を高
めた、いわゆる耐火鋼が多数開発されており、例えば特
開平2ー77523号公報に記載の発明をはじめとし
て、600℃で高温強度に優れた鋼材(耐火鋼)が多数
開示されている。また、特開平9−209077号の発
明では、700℃での高温強度に優れた鋼材(耐火鋼)
が開示されている。さらに、特願2000−29733
8号、特願2000−297339号では本発明者らに
より800℃および850℃での高温強度に優れた鋼材
(耐火鋼)が開示されている。一方、ボルトは、特開平
8−67943号の発明に見られるように、600℃で
高温強度に優れたボルト(耐火ボルト)が知られている
が、現状では耐火鋼に比べて高温強度に優れる温度領域
が低いことから、無耐火被覆の鉄骨構造物の実現化のた
め、高温強度に優れる温度領域がさらに高い耐火ボルト
が要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鉄骨構造物が、火災に
よって30分以上の加熱を受けた場合、部材断面にもよ
るが、一般に部材は700℃超の高温にさらされること
が知られている。よって、30分以上の火災を受ける鉄
骨構造物において無耐火被覆構造を可能にするために
は、800〜850℃での高温強度に優れた耐火鋼を使
用すればよいことになるが、鉄骨構造物を構築する場合
にボルト接合部が存在する場合、使用するボルトの高温
強度も問題になる。耐火ボルトの材料として、上記の8
00℃〜850℃での高温強度に優れた耐火鋼を用いて
も、800℃〜850℃の高温領域で十分なボルト特性
を確保できる耐火ボルトは得られない。というのも、8
00℃〜850℃の耐火鋼は、当該温度領域の降伏強度
が94MPa以上のものであるため、室温降伏強度が23
5MPa級の鋼材に対しては、0.4以上の降伏強度比
(高温強度/室温強度)を与えるが、室温で980MPa
以上の引っ張り強さ(900MPa以上の降伏強度)が要
求される高力ボルトに対しては0.1程度以上の降伏強
度比(高温強度/室温強度)を与えるに過ぎず、高温強
度としては不十分だからである。
【0005】高温強度に優れた耐火ボルトとしては、現
状では、600℃での高温強度に優れた耐火ボルトが知
られているが、この耐火ボルトでは、無耐火被覆構造化
の要請に十分に応えられない。本発明は、火災を受ける
建築分野のボルト接合部を有する鉄骨構造物において、
基本的には、主部材に800℃〜850℃での高温強度
に優れた耐火鋼を用いて無耐火被覆構造を可能にすると
ともに、高強度が600℃レベルの耐火ボルトを使用し
ても、この耐火ボルトに起因する鉄骨構造物全体の高温
強度の低下を補えるボルト接合部構造を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、以下の(1)〜(6)を要旨とするも
のである。 (1) 火災を受ける鉄骨構造物のボルト接合部構造に
おいて、ボルト・ナット(および座金)を含む接合部領
域を、輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体で被覆したことを特徴
とする熱遮蔽性の高いボルト接合部構造。 (2) 火災を受ける鉄骨構造物のボルト接合部構造に
おいて、ボルト・ナット(および座金)の接合対象物か
ら外面側に突出した部分を、熱輻射を遮蔽する熱遮蔽体
で被覆したことを特徴とする熱遮蔽性の高いボルト接合
部構造。 (3) (1)または(2)において、熱遮蔽体が、耐
火ブランケット、耐火モールド、耐火塗料および金属製
カバーであることを特徴とする熱遮蔽性の高いボルト接
合部構造。 (4) (1)または(2)において、熱遮蔽体が、金
属キャップであることを特徴とする熱遮蔽性の高いボル
ト接合部構造。 (5) (1)〜(4)のいずれかにおいて、火災を受
ける鉄骨構造物に使用するボルト接合部が、柱−梁接合
部、梁継手、柱継手の一部または全部であることを特徴
とする熱遮蔽性の高いボルト接合部構造。 (6) (1)〜(5)のいずれかにおいて、火災を受
ける鉄骨構造物に使用する、柱、梁部材および接合金物
の一部または全部が耐火鋼であることを特徴とする熱遮
蔽性の高いボルト接合部構造。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、建築の分野の鉄骨構造
物が火災によって比較的短時間の高温にさらされる場
合、鉄骨構造物を形成する鋼材の温度上昇は、熱伝導よ
りも熱輻射に支配されることから、鋼材の温度上昇を低
減するためには、この熱輻射を遮蔽することが重要かつ
効果的であるとの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明では、鉄骨構造物を形成するボルト接
合部を、熱遮蔽体により部分的に熱輻射から遮蔽する、
新たな「熱遮蔽性の高いボルト接合部」を採用するもの
であり、これによって例えば、600℃での高温強度に
優れた耐火ボルトの使用によっても、700℃〜850
℃での高温強度に優れた耐火鋼を使用して鉄骨構造物の
無耐火被覆構造を実現することができる。本発明でいう
火災を受ける鉄骨構造物とは、主として、柱、梁などの
耐火鋼による主部材を、各種の接合金物(スプリットテ
イ、アングル材、エンドプレート、スプライスプレート
など)と、ボルトを用いて接合して構築される建築分野
の鋼構造物を意味する。
【0008】本発明は、この鉄骨構造物を構築する場合
において、柱−梁接合部、梁継手、柱継手の一部または
全部位におけるボルト接合部に適用されるものであり、
基本的には、これらの主部材、各種の接合金物を、70
0℃〜850℃の高温強度に優れた耐火鋼材で形成し
て、無耐火被覆構造の鉄骨構造物を実現する場合におい
て、ボルト接合部、特にボルト・ナット(および座金)
を、熱輻射を遮蔽する材料で遮蔽して高温強度不足をカ
バーできるボルト接合部構造である。本発明で用いる、
熱遮蔽材料としては、基本的には、火災時に溶融して遮
蔽性能を失わない耐火材料、例えば、セラミック系の耐
火物(ファイバーを含む)、その他の耐火物、耐火塗料
(耐火接着材)、金属(鋼板、ステンレス鋼板が主体)
が適性がある。
【0009】熱遮蔽対象となるのは、各ボルト・ナット
(および座金)であり、高温の熱輻射を受ける主部材、
接合金物から外部側に突出した部分(露出部分)を主体
に遮蔽すればよい。熱遮蔽の最小単位としては、各ボル
ト・ナットおよび座金であるが、複数のボルト・ナット
および座金からなる列単位または接合金物単位、すなわ
ち、ボルト・ナット(および座金)を含む接合部領域全
体、またはボルト・ナット(および座金)およびその周
辺領域を遮蔽することも有効である。熱遮蔽体の使用態
様としては、熱遮蔽の単位、熱遮蔽の施工性などを考慮
して、例えば、セラミックブランケット、セラミックモ
ールド、セラミックシート、セラミック塗料、その他の
耐火性塗料、金属製カバー(例えばキャップ)などを選
択使用(併用を含む)することができる。
【0010】これらの熱遮蔽体のうち、セラミックブラ
ンケット、セラミックモールド、セラミックシート、金
属製カバー(例えばキャップ)などは、クリップ、係
止、係合(嵌合)、スタッド溶接あるいは接着などによ
り固定することができる。特にキャップを熱遮蔽体とし
て用いる場合には、キャップと座金との間に係止構造を
設けることが有効である。これらの熱遮蔽体と固定対象
物との間に隙間がある場合には、耐火塗料を塗布して、
気密性を高めることが有効である。熱遮蔽体として適性
がある公知の耐火物、耐火塗料としては、現状では例え
ば以下のようなものがある。 ・高温用耐火断熱繊維・セラミックファイバー製品(エスファイバーSC) (新日化サーマルセラミック株式会社) ・塗料型断熱材(セラミック・カバーCC100) エンウァイロト ロウ社 ・加熱発泡型耐火塗料(ナリファイア・システムS) ナリファイア(Nullifire)社
【0011】
【実施例】[実施例1]以下に、本発明の実施例につい
て、図1(a)(b)(c)に基づいて説明する。この
実施例1は、角形鋼管柱1の相対する2側面に上下スプ
リットティ2a、2bのフランジ2fをボルト3で接合
し、H形鋼梁4の上フランジ4aを上側スプリットティ
2aのウエブ2uにボルト5で接合し、H形鋼梁4の下
フランジ4bを下側スプリットティ2bのウエブ2uに
ボルト5で接合してなる角形鋼管柱1とH形鋼梁4のボ
ルト接合構造において、本発明を適用し、各ボルト接合
部領域の外部側に、熱遮蔽体としてセラミックブランケ
ット6a、6b、6cを被覆し、各ボルト接合部領域に
対する熱輻射を遮蔽するようにしたボルト接合部構造を
示している。
【0012】このボルト接合構造でのボルト接合部は、
角形鋼管柱1と上下スプリットティ2a、2bのフラン
ジ2fの接合部、スプリットティ2a、2bのウエブ2
uとH形鋼梁4のフランジ4a、4bとの接合部がある
が、この実施例1では、上側スプリットティ2a側では
下部側の左右一対の2単位として、それぞれの単位でセ
ラミックブランケット6aを被覆・固定し、下側スプリ
ットティ2b側では上部側の左右一対を2単位として、
それぞれセラミックブランケット6bを被覆・固定し、
また、下部側を1単位として、セラミックブランケット
6cを被覆・固定してボルト接合部の熱遮蔽構造を形成
するようにした。
【0013】より具体的には、上側スプリットティ2a
のフランジ2fの下部側と、このフランジ2fの外面か
ら突出(露出)しているボルト・ナット3(および座金
7)と、上側スプリットティ2aのウエブ2uの下面
と、このウエブ2uに当接したH形鋼梁4の上フランジ
4a部(当接部領域のみ)と、H形鋼梁4の上フランジ
4aの下面から突出(露出)しているボルト・ナット5
(および座金8)を1単位として、これらを同時に包み
込むようにセラミックブランケット6aを被覆・固定し
て、上側スプリットティ2aの下部側のボルト接合部の
熱遮蔽構造を形成した。この上側スプリットティ2aの
下部側は、H形鋼梁4のウエブ4uの両側にあるので、
それぞれの側に、同様に1単位のセラミックブランケッ
ト6aを被覆・固定して上側スプリットティ2aの下部
側のボルト接合部の熱遮蔽構造を形成した。
【0014】一方、下側スプリットティ2bのフランジ
2fの下部側と、このフランジ2fの外面から突出(露
出)しているボルト・ナット3(および座金7)と、下
側スプリットティ2bのウエブ2uの下面および側面側
と、このウエブ2uの下面から突出(露出)しているボ
ルト・ナット5(および座金8)を1単位として、これ
らを同時に包み込むようにセラミックブランケット6c
を被覆・固定して、下側スプリットティ2bの下部側の
ボルト接合部の熱遮蔽構造を形成した。また、下側スプ
リットティ2bのフランジ2fの上部側と、このフラン
ジ2fの外面から突出(露出)しているボルト・ナット
3(および座金7)と、下側スプリットティ2bのウエ
ブ2uの上面と、このウエブ2uに当接したH形鋼梁4
の下フランジ4b部(当接部領域のみ)と、H形鋼梁4
の下フランジ4bの上面から突出(露出)しているボル
ト・ナット5(および座金8)を1単位として、これら
を同時に包み込むようにセラミックブランケット6bを
被覆・固定して、下側スプリットティ2bの上部側のボ
ルト接合部の熱遮蔽構造を形成した。
【0015】この下側スプリットティ2bの上部側は、
H形鋼梁4のウエブ4uの両側にあるので、それぞれの
側に、同様に1単位のセラミックブランケット6bを被
覆・固定して、下側スプリットティ2bの上部側ボルト
接合部の熱遮蔽構造を形成した。各セラミックブランケ
ット6a、6b、6cの被覆・固定については、角形鋼
管柱1に上下スプリットティ2a、2bのフランジ2f
をボルト3で接合し、上下スプリットティ2a、2bの
ウエブ2uにH形鋼梁4の上下フランジ4a、4bをボ
ルト5で接合した後に、被覆してスタッド溶接9で固定
した。セラミックブランケット6a、6b、6cの被覆
による気密性を高めるために、耐火塗料などにより隙間
を確実に埋めるようにすることも考慮する。このように
して、セラミックブランケット6a、6b、6cによっ
て各ボルト接合部領域を熱遮蔽構造にすることにより、
火災発生時に、熱遮蔽された部位の温度上昇を押さえる
ことができるので、高温強度が主部材の高温強度以下の
ボルト・ナット3、5(および座金7、8)を用いるこ
とができ、また、上下スプリットティ2a、2bも熱遮
蔽できるので、高温強度が主部材の高温強度以下の材料
にすることもできる。
【0016】[実施例2]以下に、本発明の実施例2に
ついて、図2(a)(b)(c)、図3および図4
(a)(b)、図5に基づいて説明する。この実施例2
は、実施例1と同様、角形鋼管柱1の相対する2側面に
上下スプリットティ2a、2bを介してH形鋼梁3をボ
ルト接合する角形鋼管柱1とH形鋼梁4の接合構造にお
いて適用したものであるが、熱輻射を遮蔽する熱遮蔽体
として、薄鋼板製のキャップ12、12aを用い、各ボ
ルト接合部の各ボルト・ナットおよび座金単位で被覆し
た点で、実施例1と異なるものである。実施例1と共通
する部分については詳細説明を省略し、異なる部分を主
体に以下に説明する。
【0017】この実施例2では、図2に示すように、各
ボルト接合部で外部に突出(露出)している各ボルト・
ナット3、5および座金7、8を熱遮蔽対象として、こ
の各ボルト・ナットおよび座金を、薄鋼板製のキャップ
12、12aで被覆して、各ボルト・ナットおよび座金
の熱遮蔽構造を形成した。ナット側を被覆するキャップ
12は、図4(a)(b)に示すように、複数の段差を
有する形状のものであり、基本的には、図3(a)に示
すように、ボルト・ナット3、5に押し込んで嵌め込む
ものであるが、ここでは、容易に脱落しないように、座
金7または座金8を図5(a)(b)に示すように、外
周部を切り欠いて、キャップ12を押し込んだときに端
部との結合力を高めるようにした。また、ボルト3また
は5の端部とキャップ12内部の頂部間に耐火接着14
材で接着するようにした。また、ボルト5の頭部側を被
覆するキャップ12aは、図4(c)(d)に示すよう
に、基本的には、図3(b)に示すように、ボルト5の
頭部に押し込んで嵌め込むものであるが、ここでは、容
易に脱落しないように、座金8を図5(a)(b)に示
すように、外周部を切り欠いて、キャップ12aを押し
込んだときに端部との結合力を高めるようにした。ま
た、ボルト5の頭部とキャップ12a内部の頂部間に耐
火接着材14で接着するようにした。
【0018】このようにして、各ボルト接合部の各ボル
ト・ナット3、5および座金7、8を局部的に熱遮蔽構
造にすることにより、この熱遮蔽部の温度上昇を押さえ
ることができ、高温強度が主部材の高温強度以下の耐火
ボルト・ナットおよび座金を用いることができる。この
実施例2の場合には、熱遮蔽領域を各ボルト接合部の各
ボルト単位の局部的領域にしているので、実施例1の場
合に比して熱遮蔽範囲を狭くでき、また、スタッド溶接
の必要もないので、熱遮蔽施工が簡易であり、熱遮蔽体
コスト、熱遮蔽施工コストも節減できる。
【0019】[実施例3]以下に、本発明の実施例3に
ついて、図6(a)(b)に基づいて説明する。この実
施例3は、実施例2と同様、各ボルト接合部の各ボルト
・ナットおよび座金単位で熱遮蔽体で被覆したものであ
るが、実施例2とは金属キャップに代えて、加熱発泡型
耐火塗料(例えば、上記のナリファイア・システムS)
を用いた点で異なるものである。ここでは、加熱発泡型
耐火塗料13を、各ボルト接合部で外部に突出(露出)
している各ボルト・ナット3、5および座金7、8単位
で、加熱発泡型耐火塗料13を被覆して、各ボルト・ナ
ットおよび座金の熱遮蔽構造を形成した。図6(a)
は、ナット側を示し、図6(b)は、頭部側を示してお
り、いずれも加熱発泡型耐火塗料13が加熱されて発泡
した状態で示しいる。この実施例3によっても、実施例
2と概ね同様の効果が得られる。
【0020】[実験例1]本発明による熱遮蔽構造を有
するボルト接合部の特性を評価するために、図7に示す
ように、実施例1、2で示したような角形鋼管柱1にス
プリットティ2aを介してH形鋼梁4をボルト3、5で
接合する角形鋼管柱1とH形鋼梁4の接合構造を供試体
とし、各部位に熱電対を配置して、火災発生相当の高温
雰囲気になるように一定の条件で加熱する実験を行い、
各部位の温度を測定した。ただし、この実験では、角形
鋼管柱1とスプリットティ2aのフランジ2fとの接合
部およびスプリットティ2aのウエブ2uとH形鋼梁4
の上フランジ4aの上面側は露出状態とし、スプリット
ティ2aのウエブ2fとH形鋼梁4の上フランジ4aの
下面側とのボルト接合部領域に、セラミックブランケッ
ト15を被覆・固定して熱遮蔽構造を形成し、スプリッ
トティ2aの上面側に断熱ボード16を配置して、断熱
ボード16の下面から角鋼管柱1、H形鋼梁およびボル
ト接合部を加熱した。
【0021】[実験条件] 試験体 角形鋼管柱 400×19(BCR295) 有効加熱長さ 3m H形鋼梁 600×200×11×17(SS40
0) 有効加熱長さ 3.2mで3面加熱 セラミックブランケット(厚さ25mm) (高温用耐火断熱繊維 エスファイバーSC SCブラ
ンケット1260新日化サーマルセラミック社製) 加熱手段 多目的加熱炉(バーナー加熱) 加熱方法 加熱は、ISO834に基づく1時間加熱
とした。 温度測定 試験体に取り付けた熱電対により測定し
た。
【0022】以下に、各部位の温度測定結果を図8、図
9に基づいて説明する。図8は、角形鋼管柱1とH形鋼
梁4の温度測定結果を示し、図9は露出した状態のボル
ト接合部と熱遮蔽構造にしたボルト接合部の温度測定結
果を示したものである。図8では、角形鋼管柱1とH形
鋼梁4の露出部位の温度が、炉内雰囲気に漸近し、45
分加熱後で820℃以上に達し、60分加熱後に900
℃以上に達することを示している。図9では、角形鋼管
柱1とスプリットティ2aのフランジ2fの露出状態の
ボルト3とスプリットティ2aのフランジの温度が、4
5分加熱後で750℃〜800℃に達し、60分加熱後
で850℃〜900℃に達することを示している。
【0023】一方、セラミックブランケット15で熱遮
蔽構造にしたスプリットティ2aとH形鋼梁3のフラン
ジ4aとの接合部においては、スプリットティ2a、ボ
ルト・ナット5の温度は、45分加熱後で350〜40
0℃程度、60分加熱後でも550℃以下に留まってお
り、熱遮蔽効果が大きいことを示している。このことか
ら、ボルト接合部を部分的に(例えばボルト・ナット
(および座金)のみを局部的に)熱遮蔽することによ
り、前記した600℃耐火ボルトを使用しても十分に火
災時の高温に耐えられることが確認できる。
【0024】なお、実施例1の熱遮蔽構造を有するボル
ト接合部を試験体として同様の加熱実験を行った場合に
は、ボルト接合部領域は、熱遮蔽構造になっているた
め、実験例1での熱遮蔽構造を有するスプリットティ2
aおよびボルト・ナット5と同様の温度になり、前記し
た600℃耐火ボルトを使用して火災時の高温に十分の
耐えられる。また、実施例2、3の熱遮蔽構造を有する
ボルト接合部を試験体として同様の加熱実験を行った場
合には、熱遮蔽領域はボルト・ナット(および座金)単
位であり、実施例1の場合より熱遮蔽領域が狭いため、
角形鋼管柱1、スプリットティ2aおよびH形鋼梁4の
露出部から受ける熱影響により実施例1より熱遮蔽効果
がやや小さくなるが、キャップ8の場合では隙間を耐火
塗料などにより完全に埋め気密性を高めることにより、
60分加熱後で600℃以下に留めることができ、前記
した600℃耐火ボルトを使用して火災時の高温に耐え
られる。
【0025】なお、本発明は、上記の実施例、実験例の
内容に限定されるものではない。例えば、柱がH形鋼柱
や円形鋼管柱でもよく、梁材がI形鋼梁や溝形鋼梁等で
あってもよい。接合金物は、アングル材やスプライスプ
レートなどであってもよい。また、熱遮蔽体としてセラ
ミックブランケット、薄鋼板製のキャップを用いたが、
この熱遮蔽体の材質、形状、固定手段などについては、
鉄骨構造物条件、ボルト接合部条件に応じて変更のある
ものである。
【0026】
【発明の効果】本発明のボルト接合部構造は、火災を受
ける可能性のある鉄骨構造物において適用されるもので
あり、輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体による熱遮蔽構造を有
するものであり、例えば、主部材に800〜850℃で
の高温強度に優れた耐火鋼を用いて、30分以上の無耐
火被覆構造の鉄骨構造物とする場合に、600℃での高
温強度に優れた耐火ボルトを用いることができ、無耐火
被覆による鉄骨構造物を容易のかつ安価に実現すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は、本発明の実施例1のボルト接合部
構造例を示す平面説明図、(b)図は、(a)図のAa
−Ab矢視一部断面説明図、(c)図は、(b)図の一
部切欠断面側面説明図。
【図2】(a)図は、本発明の実施例2のボルト接合部
構造例を示す平面説明図、(b)図は、(a)図のAa
−Ab矢視一部断面説明図、(c)図は、(b)図の一
部切欠断面側面説明図。
【図3】(a)図は、図2に示す本発明の実施例2のボ
ルト接合部構造例でのボルト・ナット(および座金)と
キャップとの結合例を示す側断面説明図、(b)図は、
図2に示す本発明の実施例2のボルト接合部構造例での
ボルト頭部(および座金)とキャップとの結合例を示す
側断面説明図。
【図4】(a)図は、図2に示す本発明の実施例2のボ
ルト接合部構造例でのナット(および座金)側で用いる
キャップの形状例を示す側断面説明図、(b)図は、
(a)図の側面説明図、(c)図は、頭部側で用いるキ
ャップの形状例を示す側断面説明図、(d)図は、
(c)図の側面説明図。
【図5】(a)図は、図2に示す本発明の実施例2のボ
ルト接合部構造例での座金の側断面説明図、(b)図
は、(a)図の側面説明図。
【図6】(a)図は、本発明の実施例3でのボルト・ナ
ット(および座金)の加熱発泡型耐火塗料による熱遮蔽
構造を示す側断面説明図。(b)図は、ボルト頭部側の
加熱発泡型耐火塗料による熱遮蔽構造を示す側断面説明
図。
【図7】実験例1で加熱対象の供試体として用いたボル
ト接合部構造の一部切欠断面説明図。
【図8】柱−梁の胴体部の温度測定結果を示す説明図。
【図9】熱遮蔽構造を有しないボルト接合部の温度測定
結果と本発明の実験例での熱遮蔽構造を有するボルト接
合部の温度測定結果を示す説明図。
【図10】公知の角形鋼管柱とH形鋼梁のボルト接合構
造例を示す立体説明図。
【符号の説明】
1 角形鋼管柱 2a 上側スプリ
ットティ 2b 下側スプリットティ 2f フランジ 2u ウエブ 3 ボルト 4 H形鋼梁 4a 上フランジ 4b 下フランジ 4u ウエブ 5 ボルト 6a、6b、6c セラミックブランケット 7、8 座金 9 スタッド溶
接 12 キャップ(ナット側) 12a キャッ
プ(ボルト頭部側) 13 加熱発泡型耐火塗料 14 耐火接
着材 15 セラミックブランケット 16 断熱ボ
ード

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火災を受ける鉄骨構造物のボルト接合部
    構造において、ボルト・ナット(および座金)を含む接
    合部領域を、輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体で被覆したこと
    を特徴とする熱遮蔽性の高いボルト接合部構造。
  2. 【請求項2】 火災を受ける鉄骨構造物のボルト接合部
    構造において、ボルト・ナット(および座金)の接合対
    象物から外面側に突出した部分を、熱輻射を遮蔽する熱
    遮蔽体で被覆したことを特徴とする熱遮蔽性の高いボル
    ト接合部構造。
  3. 【請求項3】 熱遮蔽体が、耐火ブランケット、耐火モ
    ールド、耐火塗料および金属製カバーであることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の熱遮蔽性の高いボ
    ルト接合部構造。
  4. 【請求項4】 熱遮蔽体が、金属キャップであることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の熱遮蔽性の高
    いボルト接合部構造。
  5. 【請求項5】 火災を受ける鉄骨構造物に使用するボル
    ト接合部が、柱−梁接合部、梁継手、柱継手の一部また
    は全部であることを特徴とする請求項1〜請求項4のい
    ずれかに記載の熱遮蔽性の高いボルト接合部構造。
  6. 【請求項6】 火災を受ける鉄骨構造物に使用する、
    柱、梁部材および接合金物の一部または全部が耐火鋼で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに
    記載の熱遮蔽性の高いボルト接合部構造。
JP2002093852A 2002-03-29 2002-03-29 熱遮蔽性の高いボルト接合部構造 Expired - Fee Related JP3954882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002093852A JP3954882B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 熱遮蔽性の高いボルト接合部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002093852A JP3954882B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 熱遮蔽性の高いボルト接合部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003293475A true JP2003293475A (ja) 2003-10-15
JP3954882B2 JP3954882B2 (ja) 2007-08-08

Family

ID=29238122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002093852A Expired - Fee Related JP3954882B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 熱遮蔽性の高いボルト接合部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3954882B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007327213A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Mitsui Home Co Ltd 木造建物の耐火構造
JP2012017602A (ja) * 2010-07-08 2012-01-26 F Consultant:Kk 被覆方法
JP2012057379A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 F Consultant:Kk 被覆方法
KR200464239Y1 (ko) 2012-09-24 2012-12-18 서지영 단열재 고정용 못의 커버캡
JP2022035417A (ja) * 2020-08-21 2022-03-04 三和シヤッター工業株式会社 開閉装置用ガイドレールの固定構造
JP2022076492A (ja) * 2020-11-05 2022-05-20 化工機商事株式会社 耐火被覆材及び耐火被覆材の製造方法
WO2025187662A1 (ja) * 2024-03-05 2025-09-12 セメダイン株式会社 鋼材の接合方法、接合部材、及び接合構造

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007327213A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Mitsui Home Co Ltd 木造建物の耐火構造
JP2012017602A (ja) * 2010-07-08 2012-01-26 F Consultant:Kk 被覆方法
JP2012057379A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 F Consultant:Kk 被覆方法
KR200464239Y1 (ko) 2012-09-24 2012-12-18 서지영 단열재 고정용 못의 커버캡
JP2022035417A (ja) * 2020-08-21 2022-03-04 三和シヤッター工業株式会社 開閉装置用ガイドレールの固定構造
JP7530768B2 (ja) 2020-08-21 2024-08-08 三和シヤッター工業株式会社 開閉装置用ガイドレールの固定構造
JP2022076492A (ja) * 2020-11-05 2022-05-20 化工機商事株式会社 耐火被覆材及び耐火被覆材の製造方法
WO2025187662A1 (ja) * 2024-03-05 2025-09-12 セメダイン株式会社 鋼材の接合方法、接合部材、及び接合構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP3954882B2 (ja) 2007-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7856775B2 (en) Thermal insulation and sealing means for a safing slot
JP5398671B2 (ja) 間仕切り壁の耐火壁構造
US20130111755A1 (en) Seal and method of sealing aspects of a boiler for high temperature environment of a boiler assembly
JP3954882B2 (ja) 熱遮蔽性の高いボルト接合部構造
JP6332505B1 (ja) 床梁構造体の耐火性能試験体および耐火性能試験方法
JP6758137B2 (ja) 耐火隔壁
JP4653858B2 (ja) 耐火断熱壁、及び建築構造物
JP6508289B2 (ja) 鉄骨柱の合成被覆耐火構造の施工方法
JP7010269B2 (ja) 壁構造
JP2020169507A (ja) 耐火被覆構造および耐火被覆工法
KR100636429B1 (ko) 시공성 및 내화성능이 우수한 강재기둥
JP3922823B2 (ja) 建築材料、建物、建物ユニット、建物ユニット用構造体、壁、及び床
EP3784843B1 (en) Building construction with a sandwich panel wall and method of fire proofing such a building construction
JP2022161467A (ja) 倉庫の外壁構造およびその構築方法
JP2023009421A (ja) 柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法
JPH102039A (ja) 耐火被覆柱梁接合部
JP7380737B2 (ja) 構造体の耐火被覆構造
JP2021139115A (ja) 耐火被覆構造およびその施工方法
KR20240042976A (ko) 강구조물의 마감구조 및 이를 갖는 합성보
JP4058861B2 (ja) 鉄骨躯体の耐火被覆構造および被覆用耐火パネルの取付け金具
CN223562322U (zh) 一种耐高温的钢结构构件
JP7763101B2 (ja) 耐火構造、耐火構造の施工方法及び固定金具
JP7488236B2 (ja) 耐火被覆材用固定金具、耐火構造および耐火構造の施工方法
KR102824336B1 (ko) 형강용 내화보드의 설치구조
JP7228455B2 (ja) 耐火被覆構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040902

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060718

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060919

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061024

A521 Written amendment

Effective date: 20061222

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070110

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20070329

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20070427

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees