JP2003294197A - 極低温タンク用防熱構造 - Google Patents

極低温タンク用防熱構造

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JP2003294197A JP2002098220A JP2002098220A JP2003294197A JP 2003294197 A JP2003294197 A JP 2003294197A JP 2002098220 A JP2002098220 A JP 2002098220A JP 2002098220 A JP2002098220 A JP 2002098220A JP 2003294197 A JP2003294197 A JP 2003294197A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダ形タンクの半球面部と円筒状胴部の境
付近に位置するスタッドボルトに最大の曲げモーメント
が作用するが、この曲げモーメント量を0もしくは大幅
に減少できる極低温タンク用防熱構造を提供する。 【解決手段】合成樹脂発泡体からなる二層積層構造の内
外積層部2a,2bの中間位置に補強用ワイヤーネット
3aを介装した極低温タンク用防熱構造において、タン
クが円筒状胴部1bの両端に半球面部1aを一体に連接
したシリンダ形タンク1からなり、内側積層部2aをタ
ンク本体1に固定するための支持具4に、ワイヤーやロ
ープなどの索条4Aを用いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液化石油ガス(LP
G)、液化天然ガス(LNG)、液化水素(LH2)、
液化窒素(LN2)、液化酸素(LO2)、液化ヘリウム
(LHe)などの極低温物質を貯蔵するための極低温タ
ンク用防熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の極低温タンクでは、外気からの
タンク内への熱の侵入を防止するため、その表面を防熱
層で被覆する必要がある。この防熱層は、一般的に、硬
質ポリウレタンやフェノール樹脂などの合成樹脂発泡体
からなる内側防熱層部と外側防熱層部の間に網状補強材
を介装し、前記合成樹脂の発泡時の自己接着作用もしく
は接着剤で接着して一体にした構造からなる。なお、前
記網状補強材は、主に外側防熱層部の低温割れを防止す
るために介装されている。
【0003】また、タンク本体はステンレスやアルミニ
ウム合金で形成され、タンク本体の外周面上を被覆する
防熱層は、タンク本体の周面に一定の間隔をあけて植設
された多数のスタッドボルト等の支持具によって支持さ
れる。特に球形タンクの場合等ではタンクの下半分で防
熱層が落下するのを阻止している。それらの支持具は、
通常、タンクと同質の材料であるステンレスやアルミニ
ウム合金で形成されている。
【0004】さらに、上記防熱層は、予め成型された硬
質ウレタン、フェノール樹脂などの合成樹脂発泡体から
なり、中間に網状補強材が介装され、アルミニウム合金
の表面層(アルミホイル表面シート材ともいう)を有す
る凸形断面で定形の防熱パネルを、タンク本体の表面上
に相互に隣接して取り付け、防熱パネルの突部間の目地
に合成樹脂材を少なくとも充填又は発泡の一方を行って
埋設した構造が一般的である。
【0005】このような極低温タンク用防熱構造に関連
する先行技術として、特開平8−233199号公報に
記載の技術が知られている。
【0006】ところで、球形のタンクの場合には、図1
1に示すように、タンク51が膨張・収縮する際に、そ
の内部中心51oに向かってほぼ全体的に均等に半径方
向に膨張・収縮するので、支持具としてのスタッドボル
ト52に作用する力は軸力だけとなり、曲げモーメント
が発生することはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな球形のタンクの場合には、スタッドボルト52に曲
げモーメントが発生することはないが、円筒状胴部(円
筒部)の両端に半球面部を一体に備えたシリンダ形タン
クの場合には、支持具としてのスタッドボルトに、曲げ
モーメントが発生する場合がある。
【0008】すなわち、図12(a)に示すように、シ
リンダ形タンクのタンク本体1においては、それの中間
部分を構成する円筒状胴部1bと、それの両側に設けら
れる半球面部1aとで熱収縮する際の中心が異なり、防
熱パネルの厚さ方向には温度勾配が生じている。そのた
め、防熱層2(防熱パネル)の表面部とタンク本体1に
接する内面部と両者の中間である防熱層2(内側防熱積
層部2aと外側防熱積層部2bとの2層積層構造からな
る)の中間部とでは、それぞれ熱収縮量が異なる。これ
により、前記半球面部1aと円筒状胴部1bとの境界線
付近に配置されているスタッドボルト21に最大の曲げ
モーメントが作用する。
【0009】前記スタッドボルト21の下端部は、図1
2(b)に示すように、前記タンク本体1に溶接により
固着されている。また、防熱パネル2の網状補強材3の
ワイヤーネット3a上に補強材3の連結用ワイヤーネッ
ト3bが跨って配置されているので、スタッドボルト2
1の上端部は、前記連結用ワイヤーネット3bを貫通
し、ワッシャー7を挿通した上ナット8で連結部分を保
持している。また、ワッシャー7は合成樹脂製で、図1
2(c)(d)のように、多数のピン状突起7aが外周
縁部に下向きに突設されており、そのピン状突起7aに
より連結用ワイヤーネット3bとワイヤーネット3aと
を重ね合わせた状態で保持している。
【0010】図13(a)は網状補強材を構成する線材
の線径が0.62mmで、タンク本体およびスタッドボ
ルトがそれぞれアルミニウム合金製でタンク本体の容量
が2500m3 、スタッドボルトの外径(一定)が6.
4mm(断面積:32.0mm2 、断面係数:25.7
mm3 )でボルトピッチが半球面部225mm/円筒部
600mmの場合、常温(外気温度30℃)でLNGを
タンクに充填しタンクが収縮(熱収縮率は約0.4%)
した状態を示す一部断面図、図13(b)は図13
(a)の一部(境界線付近)を拡大して示す断面図であ
る。図14はスタッドボルトの位置とボルトNoの関係
を示す模式図、図15(a)〜(c)は収縮状態におい
て各位置でスタッドボルトに作用する軸力(引張荷
重)、曲げモーメントおよびせん断力をそれぞれボルト
Noとの関係で示す線図である。
【0011】これらはいずれも、1/8部分タンク模型
に基づきFEM解析により算出したものである。なお、
数値的には、後述する表1のMOD−2(比較例)の欄
に表している。表1は本発明の実施例1,2,3(MO
D−1,3,4)および比較例(MOD−2)において
半球面部1aと円筒状胴部1bの境界線付近に配置され
ているスタッドボルトの軸力(引張荷重)、曲げモーメ
ントおよびせん断力をFEM解析に基づき算出した各値
を示す。
【0012】以上の図12〜15および表1から明らか
なように、円筒状胴部1bの長手方向の中間位置にある
スタッドボルト(No.0〜9)および半球面部1aの
中心位置にあるスタッドボルト(ボルトNo.250)
からそれらの境界線位置にあるスタッドボルト(ボルト
No.100〜116)にかけて曲げモーメントおよび
せん断力が漸次増大する。つまり、防熱パネルをタンク
本体に固定するためにスタッドボルト等の支持具を用い
たシリンダ形タンクにおいては、LNG等の極低温物質
を貯蔵するために、常圧・極低温下で使用する場合に
は、熱収縮によりタンクが収縮して、スタッドボルト等
の支持具に曲げモーメント及びせん断力が発生し、特に
半球面部と円筒状胴部との境界付近に位置するスタッド
ボルト(ボルトNo.100〜116)に大きな曲げモ
ーメント及びせん断力が作用する。
【0013】その結果、タンク本体1(シリンダ形タン
ク)においては、半球面部1aと円筒状胴部1bと境界
線位置にあるスタッドボルト(ボルトNo.100〜1
16)の曲げモーメントは最大となり、それを原因とし
て、スタッドボルトが根元(とくにタンク本体との溶接
部付近)から折損あるいは破断に至るおそれがある。
【0014】この発明は、かかる点に鑑みなされたもの
であって、熱収縮によりタンクが収縮して、スタッドボ
ルト等の支持具に発生する曲げモーメントを減少若しく
はなくすことができる(0にできる)極低温タンク用防
熱構造を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1の発明は、凸形断面で定形の防熱パネ
ルを、タンク本体の表面上に相互に隣接して配列し、前
記タンク本体に設けられた支持具により取り付け、前記
防熱パネルの突部間の目地に合成樹脂材を充填又は発泡
することによって前記目地間を埋設する極低温タンク用
防熱構造において、前記タンク本体は、円筒状胴部の両
端に半球面部を一体に連接してなり、前記支持具は、前
記タンク本体が熱収縮する際に前記支持具に生ずる曲げ
モーメントを抑制する曲げモーメント抑制構造を備えて
いることを特徴としている。
【0016】このようにすれば、防熱パネルをタンク本
体に取り付ける支持具が、タンク本体の熱収縮する際に
前記支持具に生ずる曲げモーメントを抑制する曲げモー
メント抑制構造を備えているため、タンク本体の半球面
部と円筒状胴部の境界に位置する支持具に最大に作用す
る曲げモーメントが大幅に低減される。その結果、従来
支持具がスタッドボルトである場合にその根元(とくに
タンク本体との溶接部付近)から折損あるいは破断する
おそれがあったが、そのようなおそれがなくなる。
【0017】よって、極低温物質の貯蔵による熱収縮に
より大きく収縮する極低温タンク、すなわちアルミホイ
ル表面シート材を有し内外二層積層構造の合成樹脂発泡
体からなる凸形断面で定形の防熱パネルを、タンク本体
の表面上に相互に隣接して配列し、前記タンク本体に植
設された支持具により取り付け、前記防熱パネルの突部
間の目地に合成樹脂材を充填又は発泡することによって
前記目地間を埋設し、前記目地の合成樹脂発泡体上およ
びその周辺の前記アルミホイル表面シート材上に跨がっ
て、前記アルミホイル表面シート材と同一構成のアルミ
ホイル連結シート材を全面的に接着するとともに、前記
二層積層構造の内外積層部の中間位置に補強用ワイヤー
ネットを介装した極低温タンクに適する。
【0018】請求項2に記載のように、前記支持具は、
下側及び上側支持部材と、それらの上下端部を連結する
ワイヤーやロープなどの索条とにより構成され、前記下
側支持部材の下端部が前記タンク本体に固着されている
構成とすることができる。
【0019】このようにすれば、可撓性及び屈曲性に優
れる索条を主体的に用いることで、その索条の部分でも
って支持具に生じようとする曲げモーメントが吸収され
ることとなる。よって、タンク本体が熱収縮する際に、
支持具に曲げモーメントが作用するということがなくな
る。
【0020】同様に、簡単な構造で、タンク本体の熱収
縮する際に支持具に生ずる曲げモーメントを抑制するた
めに、前記索条に代えて、請求項3に記載のように、前
記支持具は、上下端部を除く中間部を細径にした可撓性
ボルト部材と、前記タンク本体に下端部が固着され上端
部に前記可撓性ボルト部材の下端部が連結される下側支
持部材とを有する構成としたり、請求項4に記載のよう
に、前記可撓性ボルト部材に代えて、屈折自在に一端部
が結合される上側部材及び下側部材からなる結合ボルト
部材が用いられる構成とすることもできる。
【0021】請求項5に記載のように、前記曲げモーメ
ント抑制構造は、前記タンク本体の円筒状胴部と左右の
前記半球面部との境界部分および境界近傍部分に使用
し、そのほかの部分は全長にわたり同一径のスタッドボ
ルトを使用することができる。
【0022】このようにすれば、シリンダ形タンクの円
筒状胴部と左右の前記半球面部との境界部分および境界
近傍部分だけに前記曲げモーメント抑制構造を使用し、
そのほかの部分は従来の球形タンクに用いるスタッドボ
ルトを支持具として使用できるので、従来構造とは異な
る曲げモーメント抑制構造の使用を必要最小限にして、
施工の能率を損なうことがなく、曲げモーメントを抑制
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0024】図1は本発明に係る防熱構造を備えた極低
温用シリンダ形タンクの外観をその一部を切り欠いて示
す正面図および右半分を省略した左側面図、図2は同中
央縦断面図、図3はタンク上の防熱層の一部を拡大して
示す平面図、図4(a)は図3のA−A線における断面
図、図4(b)は図3のB−B線における断面図、図5
(a)は図4(a)の一部拡大断面図、図5(b)は図4
(b)の一部拡大断面図である。図6(a)は図5(b)の
上部をさらに拡大した断面図、図6(b)は防熱パネル
の実施の形態を示す斜視図である。
【0025】図1に示すように、タンク本体1は、両端
に位置する半球面部1a,1aの間に円筒状胴部1bが
配置され、それらが一体に設けられたシリンダ形タンク
である。本例では、タンク本体1はアルミニウム合金か
ら形成されている。
【0026】このタンク本体1の取付固定は、LNG輸
送船のホールド内底部に一対の船体側タンク支持部材3
3,34を長さ方向に一定間隔をあけて立設した後、こ
れらのタンク支持部材33,34の上にタンク側支持部
材31,32を載せるように配置されている。なお、前
記タンク本体1は一方のタンク側支持部材31が船体側
タンク支持部材33に取り付けられたストッパーにより
タンク本体1の長さ方向に固定されている。他方のタン
ク側支持部材32は低温熱収縮によるタンク本体1の長
さ方向の変形を吸収できるようにタンク支持部材34に
対してスライド可能に載置されている。
【0027】図2〜図4に示すように、タンク本体1の
外周面を被覆する防熱層2は、内側(タンク側)防熱積
層部2aと外側防熱積層部2bとの2層積層構造であ
る。前記両防熱積層部2a,2bの間に、網状補強材3
のワイヤーネット3aを介装し、防熱層を形成する合成
樹脂を発泡成形するときの発泡時自己接着作用あるいは
接着剤にて相互に接着して一体化した構造とされる。
【0028】前記防熱層2は、凸形断面で定形の多数の
防熱パネル5(図6(b)参照)をタンク本体1の外周
面上に相互に隣接し、従来のスタッドボルト方式ではな
く、本発明の特徴とする索条4Aを含む支持具4にて固
定される。この索条4Aとしては、可撓性及び屈曲性に
優れるワイヤーやロープなどが用いられ、これを用いる
ことによって、支持具4が、前記タンク本体1が熱収縮
する際に前記支持具4に生ずる曲げモーメントを抑制す
る曲げモーメント抑制構造を備えている。
【0029】この索条4Aの下端部は、図5(b)に示
すように、タンク本体1に溶接により固着された下側支
持部材4Bの先端環状係止部4Baが係止される一方、
上端部は、ワッシャー7及びナット8によって取り付け
られる上側支持部材4Cの下端環状係止部4Caに係止
されている。
【0030】前記防熱パネル5は、図1及び図6(b)
に示すように、定形(本例では円筒状胴部1bが長辺
1.2m×短辺0.9m、半球面部1aが長辺0.9m×
短辺0.6m(×厚さ:330mm、この厚さは所要防
熱性能の大小に応じて増減され得るものである。))の
凸形断面で、内側防熱積層部2a(厚さ210mm)
と、凸状の外側防熱層部2b(厚さ120mm)との間
に、網状補強材3の一部を構成する平織金網のワイヤー
ネット3aを一体に介装した構造からなる。内側防熱積
層部2aはガラス繊維、天然繊維、化学繊維などで強化
された硬質ウレタン樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体
などから選択されるが、本例ではフェノール樹脂発泡体
からなる。また、外側防熱層部2bは、硬質ウレタン樹
脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、スチレン樹脂発泡体
などから選択されるが、本例ではポリウレタン発泡体か
らなる。
【0031】前記防熱パネル5の表面は、アルミホイル
表面シート材6(アルミニウム合金による表面シート
材)により被覆されている。この表面シート材6は、図
6(a)に一部を示すように、厚さ25μmのアルミホ
イル(アルミ箔)6aを主体として、このアルミホイル
6aの表面に、厚さ100μmのポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム6bをラミネーティングある
いはコーティングにより一体に積層し、アルミホイル6
aの裏面(内面)に、厚さ100μmほどの不織布6c
を一体に積層した構造からなる。
【0032】図4(b)及び図5(b)に示すように、
タンク本体1の外周面には、先端に環状係止部4Baを
有する下側支持部材4Bの下端部が、一定の間隔(本例
では、半球面部1a:225mmm又は450mm、円
筒状胴部1b:600mm)をあけて、溶接により固着
されている。また、この下側支持部材4Bの環状係止部
4Baには、索条4Aの下端部が係止されている。索条
4Aは、内側防熱積層部2aに対応する一定の長さを有
し、それの上端部は上側支持部材4Cの下端の環状係止
部4Caに係止されている。
【0033】そして、前記防熱パネル5のワイヤーネッ
ト3a上には網状補強材3の連結用ワイヤーネット3b
が跨がって配置されているので、前記上側支持部材4C
の雄ねじ部4Cbは、前記連結用ワイヤーネット3bを
貫通し、ワッシャー7を挿通したうえナット8で締め付
けるとともに、ワッシャー7(ピン状突起7a)により
連結用ワイヤーネット3bとワイヤーネット3aとを重
ね合わせた状態で保持している。このワッシャー7及び
ナット8による取り付けは、従来の支持具であるスタッ
ドボルトの上端部の取り付けと同じである(図12
(b)参照)。
【0034】前記索条4Aは、可撓性及び柔軟性に優れ
るので、タンク本体1の熱収縮の際に、曲げモーメント
が作用しようとしても、それを吸収する方向に変形し、
結果として曲げモーメントは作用しない。ここで、前記
索条4Aは、下側支持部材4Bを介してタンク本体1に
取り付けるようにしているが、索条4Aの下端部をタン
ク本体1の外周面に溶接により直接に固着することもで
きる。
【0035】隣接する防熱パネル5の外側防熱層部2b
の間は目地(空隙)になっており、この目地に外側防熱
層部2bと基本的には同一種類の合成樹脂材を少なくと
も充填又は発泡の一方を行うことにより、本例では、ポ
リウレタン発泡体9によって目地を埋めている。
【0036】このポリウレタン発泡体9の表面上には、
図6(a)に示すように両側の防熱パネル5のアルミホ
イル表面シート材6の外縁部上から、アルミホイル連結
シート材11を接着している。このアルミホイル連結シ
ート材11は、前記アルミホイル表面シート材6の外縁
部上に連続して(浮かせずに)貼着される両面接着のブ
チルラバーシート11a(厚さが例えば500μm)
と、このラバーシート11a上に全面的に貼着又は接着
される厚さ25μmのアルミホイル(アルミ箔)11b
と、このアルミホイル11bの表面に、ラミネーティン
グあるいはコーティングにより一体に積層した厚さ50
μmほどのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム11cとの積層構造からなる。
【0037】以上のようにして防熱層2によりタンク本
体1の外周面が被覆され、本例の防熱構造が構成され
る。そして、従来の構造では、支持具として、同一径の
スタッドボルト21(図12(b)参照)を使用してい
るが、それに代えて、本発明においては、ロープやワイ
ヤーなどの索条4Aを利用した支持具4を用いているの
で、タンクの熱収縮により、曲げモーメントは作用せ
ず、従来の曲げモーメントの発生による支持具4の損傷
などの問題がなくなる。
【0038】次の表1におけるMOD−1は、本発明の
実施例のFEM解析結果を表す数値であり、図7(a)
〜(c)は熱収縮状態で、各位置の索条に作用する軸
力、曲げモーメント及び剪断力をボルトNo(位置)と
の関係で順に示している。図8(a)(b)はMOD−
1における防熱パネルの状態から熱収縮した状態を示す
部分断面図及びその一部拡大図である。
【0039】
【表1】 この表1及び図7より明らかなように、索条4Aを用い
た支持具4とすれば、軸力が作用するだけで、曲げモー
メント及び剪断力は、半球面部−円筒部(円筒状部)と
の境界部分を含めて全体に亘って作用せず、0となる。
【0040】本発明は、以上説明した実施の形態に制限
されることなく、次のように変更することも可能であ
る。 (1)前記実施の形態においては、前記支持具4を、索
条4A、下側支持部材4B及び上側支持部材4Cでもっ
て構成しているが、それに代えて、図9に示すように、
上下両端部を除き中間部分を細くしたボルト部材を使用
する支持具とすることも可能である。
【0041】この支持具14は、タンク本体1と同質の
アルミニウム合金製の下側支持部材15と、ステンレス
製の可撓性ボルト部材16とから構成される。前記支持
部材15は、雌ねじ孔部15aと、タンク本体1に溶接
により固着される根元部15bとが一体に形成されてい
る。前記可撓性ボルト部材16は、例えば、上下両端部
が雄ねじ部16a,16bで、中間部分が雄ねじ部16
a,16bより外径が小さい細径部16cとされ、中間
部分において曲がりやすくしている。前記可撓性ボルト
部材16の下側の雄ねじ部16bは支持部材15の雌ね
じ部15aに螺合することで取り付けられ、上側の雄ね
じ部16aは、従来のスタッドボルトと同様に、ワッシ
ャー7やナット8を用いて取り付けられる。
【0042】そして、鉄製のワイヤーネット3aの線径
について、半球面部1aのワイヤーネット3aを0.7
0mmとし、円筒状胴部1bのワイヤーネット3aの線
径を0.62mmにし、タンク本体1における半球面部
1aの半径が約4500mm、円筒状胴部1bの長さが
約14000mmなど、支持具14の構成以外は、MO
D−1と構成部材および固定ピッチなどがそれぞれ共通
する。可撓性ボルト部材16の上下両端部(雄ねじ部1
6a,16b)を外径6.0mm、中間部分(細径部1
6b)を外径4.0mm、あるいは4.5mmの細径と
すると(MOD−3,MOD−4)、可撓性ボルト部材
16に作用する軸力はMOD−2(比較例)の場合とほ
とんど変化がないが、曲げモーメントについては、MO
D−2に比べてさらに低減されており、可撓性ボルト部
材16による曲げモーメントの低減効果が十分にあるも
のと認められる(表1のMOD−3,MOD−4参
照)。 (2)また、図10に示すように、前記可撓性ボルト部
材16に代えて、フック部17Aa,17Baを有する
上側部材17Aと下側部材17Bとで構成されるボルト
部材17を用いることも可能である。この場合は、フッ
ク部17Aa,17Ba同士を互いに相対回転可能に結
合し、両部材17A,17Bをあたかもユニバーサルジ
ョイントで結合したようになる。上側部材17A及び下
側部材17Bの雄ねじ部17Ab,17Bbの取り付け
は、前記可撓性ボルト部材16の場合と同様である。 (3)前記実施の形態では、索条を用いる支持具(曲げ
モーメント抑制構造)をすべての支持具に対して適用す
るようにしているが、本発明はそれに制限されるもので
はなく、そのような支持具を、特に作用する曲げモーメ
ントが大きくなる前記タンク本体の円筒状胴部と左右の
前記半球面部との境界部分および境界近傍部分において
使用し、そのほかの部分は全長にわたり同一径のスタッ
ドボルト(従来の支持具)を使用することも可能であ
る。 (4)本発明の対象とする極低温タンクは、主として円
筒状胴部の両端に半球面部を一体に連接したシリンダ形
タンクであるが、球形などの曲率を有するものであれば
適用可能で、地上に設置されるものだけでなく、たとえ
ば、船舶に搭載されるものを含む。
【0043】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明の極低温タンク用防熱構造には、次のような優
れた効果がある。
【0044】請求項1の発明は、防熱パネルをタンク本
体に取り付ける支持具が、タンク本体が熱収縮する際に
前記支持具に生ずる曲げモーメントを抑制する曲げモー
メント抑制構造を備えるようにしているので、半球面部
と円筒状胴部の境界部分に位置する支持具に従来生じて
いた最大曲げモーメントを大幅に低減することができ
る。よって、従来支持具がスタッドボルトである場合に
はその根元(とくにタンク本体との溶接部付近)から折
損あるいは破断するという事態が生ずるおそれがあった
が、それを回避することができる。
【0045】請求項2に記載のように、前記支持具を、
下側及び上側支持部材と、それらの上下端部を連結する
ワイヤーやロープなどの索条とにより構成すれば、その
索条で曲げモーメントを吸収することができ、タンク本
体が熱収縮する際に、支持具に曲げモーメントが作用す
るということがなくなる。
【0046】また、請求項3に記載のように、索条に代
えて、前記支持具を、上下端部を除く中間部を細径にし
た可撓性ボルト部材と、前記タンク本体に下端部が固着
され上端部に前記可撓性ボルト部材の下端部が連結され
る下側支持部材とを有する構成としたり、請求項4に記
載のように、前記可撓性ボルト部材に代えて、屈折自在
に一端部が結合される上側部材及び下側部材からなる結
合ボルト部材を用いることでも、簡単な構造で、タンク
本体が熱収縮する際に支持具に生ずる曲げモーメントを
抑制することができる。
【0047】請求項5に記載のように、前記曲げモーメ
ント抑制構造は、前記タンク本体の円筒状胴部と左右の
前記半球面部との境界部分および境界近傍部分に使用
し、そのほかの部分は全長にわたり同一径のスタッドボ
ルトを使用すれば、従来構造とは異なる曲げモーメント
抑制構造の使用を必要最小限にして、施工の能率を損な
うことがなく、曲げモーメントを抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防熱構造を備えた極低温用シリン
ダ形タンクの外観をその一部を切り欠いて示す正面図お
よび右半分を省略した左側面図である。
【図2】図1のタンクの概要を示す中央縦断面図であ
る。
【図3】図1のタンク上の防熱層の一部を拡大して示す
平面図である。
【図4】図4(a)は図3のA−A線における断面図、図
4(b)は図3のB−B線における断面図である。
【図5】図5(a)は図4(a)の一部拡大断面図、図5
(b)は図4(b)の一部拡大断面図である。
【図6】図6(a)は図5(b)の上部をさらに拡大した
断面図、図6(b)は防熱パネルの実施の形態を示す斜
視図である。
【図7】図7(a)〜(c)は表1におけるMOD−1
(実施例1)の熱収縮状態でタンク各位置の支持具に作
用する軸力、曲げモーメントおよびせん断力をボルトN
o(位置)との関係で順に示す線図である。
【図8】図8(a)(b)はMOD−1(実施例1)に
おける防熱パネルの常態から熱収縮した変形状態を示す
部分断面図とその一部拡大断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態を示す要部正面図であ
る。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態を示す要部正
面図である。
【図11】球形タンクの常態と熱収縮時とを示す断面図
である。
【図12】図12(a)はシリンダ形タンクの常態と熱
収縮時とを示す断面図、図12(b)は従来のスタッド
ボルトの取付状態の説明図、図12(c)はワッシャー
の平面図、図12(d)の左半分は同正面図・右半分は
同断面図である。
【図13】図13(a)(b)はMOD−2(比較例)
における防熱パネルの常態から熱収縮した変形状態を示
す部分断面図とその一部拡大断面図である。
【図14】シリンダ形タンクにおけるスタッドボルトの
位置とボルトNoの関係を1/8部分モデルにおいて示
す模式図である。
【図15】図15(a)〜(c)は表1におけるMOD
−2(比較例)の熱収縮状態においてタンク各位置のス
タッドボルトに作用する軸力、曲げモーメントおよびせ
ん断力をボルトNo(位置)との関係で順に示す線図で
ある。
【符号の説明】
1 タンク本体 1a 半球面部 1b 円筒状胴部(円筒部) 2 防熱層 2a 内側防熱積層部 2b 外側防熱積層部 3 網状補強材 4,14 支持具 4A 索条 4B 下側支持部材 4C 上側支持部材 5 防熱パネル 15 下側支持部材 16 ボルト部材 17 ボルト部材 17A 上側部材 17Aa フック部 17Ab 雄ねじ部 17B 下側部材 17Ba フック部 17Bb 雄ねじ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志道 敏雄 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 Fターム(参考) 3E070 AA03 AA04 AB31 AB32 DA01 NA01 NA02 NA07 VA07 3E073 AA01 AA03 CA01 CA02 CC02 CD08 CD12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸形断面で定形の防熱パネルを、タンク
    本体の表面上に相互に隣接して配列し、前記タンク本体
    に設けられた支持具により取り付け、前記防熱パネルの
    突部間の目地に合成樹脂材を充填又は発泡することによ
    って前記目地間を埋設する極低温タンク用防熱構造にお
    いて、 前記タンク本体は、円筒状胴部の両端に半球面部を一体
    に連接してなり、 前記支持具は、前記タンク本体が熱収縮する際に前記支
    持具に生ずる曲げモーメントを抑制する曲げモーメント
    抑制構造を備えていることを特徴とする極低温タンク用
    防熱構造。
  2. 【請求項2】 前記支持具は、下側及び上側支持部材
    と、それらの上下端部を連結するワイヤーやロープなど
    の索条とにより構成され、前記下側支持部材の下端部が
    前記タンク本体に固着されている請求項1記載の極低温
    タンク用防熱構造。
  3. 【請求項3】 前記支持具は、上下端部を除く中間部を
    細径にした可撓性ボルト部材と、前記タンク本体に下端
    部が固着され上端部に前記可撓性ボルト部材の下端部が
    連結される下側支持部材とを有する請求項2記載の極低
    温タンク用防熱構造。
  4. 【請求項4】 前記可撓性ボルト部材に代えて、屈折自
    在に一端部が結合される上側部材及び下側部材からなる
    結合ボルト部材が用いられる請求項3記載の極低温タン
    ク用防熱構造。
  5. 【請求項5】 前記曲げモーメント抑制構造は、前記タ
    ンク本体の円筒状胴部と左右の前記半球面部との境界部
    分および境界近傍部分に使用し、そのほかの部分は全長
    にわたり同一径のスタッドボルトを使用する請求項1〜
    4のいずれかに記載の極低温タンク用防熱構造。
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