JP2003304594A - 高音用スピーカ - Google Patents

高音用スピーカ

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JP2003304594A
JP2003304594A JP2002110167A JP2002110167A JP2003304594A JP 2003304594 A JP2003304594 A JP 2003304594A JP 2002110167 A JP2002110167 A JP 2002110167A JP 2002110167 A JP2002110167 A JP 2002110167A JP 2003304594 A JP2003304594 A JP 2003304594A
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thin
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JP2002110167A
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Kazuaki Tamura
和明 田村
Shoji Tanaka
祥司 田中
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い能率で超高域まで再生ができ、ピークデ
ィップの少ない優れた音圧周波数特性と優れた指向特性
をもつ高音用スピーカを実現する。 【解決手段】 圧電素子1と、圧電素子1を外周部で取
り付ける薄肉フランジ2aをもつフレーム2と、振動板
4とを備え、Ld=前記振動板の短径、Lp=前記圧電
素子の可動部の短径とした時に、Ld≧Lp×0.4し
た。これにより、振動板取り付け部が振動モードに対し
て直交することがなく、振動板取り付け部は振動板の周
辺部のため、振動モードが抑制されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、100kHz付近
の超高音域まで再生する、高音用スピーカ(ツィータ、
スーパツィータ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、DVDオーディオやスーパオーデ
ィオCDのような高品位、超広帯域ソースに対応して、
100kHzに及ぶ超高音域までの再生がスピーカに求
められてきている。そして単品コンポーネントや小型ス
テレオを問わず、ローコストで超高域再生のできる高音
用スピーカの実現が望まれている。
【0003】ここで、高音用スピーカとしては振動板を
圧電素子で駆動するタイプのものが古くから考えられて
いる。ところが一般的に圧電素子を用いた高音用スピー
カは音圧周波数特性のピークディップが大きいばかりで
なく、超高音域まで十分な音圧レベルを得ることは容易
ではないことが知られている。
【0004】そこで、圧電素子を駆動源とする高音用ス
ピーカの周波数特性のピークディップを改善するために
提案された方法として、特開平9−215093号公報
に開示された技術がある。
【0005】同公報の図3を用いて、上記技術について
説明する。2は円形の圧電素子であり、前記圧電素子2
はその全周辺部をフレーム3により支持されている。そ
して隣接して接合配置された2個の円筒状曲面からなる
振動板1は、その外辺部11bがフレーム3に取り付け
られるとともに、その取り付け部11aで圧電素子2の
中心線上に取り付けられている。振動板取り付け部11
aは、2個の曲面の接合辺である。
【0006】このように構成することにより、振動板1
には圧電素子2の内周部から外周部までの振動が伝わる
ので、つまり圧電素子の特定の位置の振動だけが伝わる
ことがないので、音圧周波数特性のピークディップが低
減される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来の構
成では、圧電素子2の中心線上に振動板1の取り付け部
11aがきているため、圧電素子2の振動モードが抑制
されてしまい、能率が低下してしまうという問題点があ
った。取り付け部11aは、2個の曲面の接合辺、つま
りくさび状断面の頂点の辺になっているので形状的に剛
性が高く、圧電素子2の振動モードの抑制がなおさら顕
著である。
【0008】このため逆にある程度の能率を得ようとす
ると、上記理由から振動板1の材料に剛性の高いものを
用いることができないので、超高域までの振動伝達が困
難となり100kHz付近までの超高域再生ができない
という問題も生じる。
【0009】また振動板1は複数個の曲面から構成され
ているため、各々の曲面から放射される音波どうしが干
渉を起こし、指向特性が劣化するといういう問題点もあ
った。
【0010】さらにまた振動板1は複数個の曲面から構
成されているため、製造や組立が煩雑でコストが高くな
るという問題点もあった。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、ローコストながら、高い能率で超高域まで再生がで
き、ピークディップの少ない優れた音圧周波数特性と優
れた指向特性をもつ、高音用スピーカを提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の高音用スピーカは、圧電素子と、前記圧電素
子の外周部において前記圧電素子を取り付ける薄肉フラ
ンジをもつフレームと、正面形状が長径と短径を有し音
を放射する方向に凸状である振動板とを備え、前記圧電
素子の表面の非中心線上の位置、および、前記フレーム
の薄肉フランジに前記振動板の少なくとも長径方向の周
辺部両側を取り付けるとともに、Ld=前記振動板の短
径、Lp=前記圧電素子の可動部の短径とした時に、L
d≧Lp×0.4としたものである。
【0013】また、本発明の高音用スピーカは、フレー
ムの薄肉フランジ上に振動板固定部を備え、前記振動板
固定部に振動板を取り付けたものである。
【0014】また、本発明の高音用スピーカは、前面パ
ネルと、制振材を備え、フレームの振動板側に前記前面
パネルが取り付けられると共に、前記前面パネルとフレ
ームの薄肉フランジとの間に前記制振材が挟み込まれる
ように配置したものである。
【0015】また、フレームの薄肉フランジの振動板の
取り付け部分より内側に、薄肉フランジの厚みより厚い
厚肉部を備え、前記厚肉部に振動板を取り付けたもので
ある。
【0016】本発明によれば、ローコストながら、高い
能率で超高域まで再生ができ、ピークディップの少ない
優れた音圧周波数特性と優れた指向特性をもつ、高音用
スピーカを実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のスピーカは、金属基板に
結合した圧電体からなる圧電素子と、前記圧電素子の外
周部において前記圧電素子を取り付ける薄肉フランジを
もつフレームと、正面形状が長径と短径を有し音を放射
する方向に凸状である振動板とを備え、前記圧電素子の
表面の非中心線上の位置、および、前記フレームの薄肉
フランジに前記振動板の少なくとも長径方向の周辺部両
側を取り付けるとともに、Ld=前記振動板の短径、L
p=前記圧電素子の可動部の短径とした時に、Ld≧L
p×0.4とするように構成したものであり、ローコス
トながら、高い能率で超高域まで再生ができ、ピークデ
ィップの少ない優れた音圧周波数特性と優れた指向特性
をもつ高音用スピーカを実現できる。
【0018】また、本発明のスピーカは、薄肉フランジ
上の振動板取り付け部側に突出した振動板固定部を少な
くとも1つ以上備え、前記振動板固定部に振動板を取り
付けて構成されたものであり、一層ピークディップの少
ない優れた音圧周波数特性を実現できると共に、製造工
程における振動板取り付けの際の作業性を向上させるこ
とができる。
【0019】また、本発明のスピーカは、前面パネル
と、制振材を備え、フレームの振動板側に前記前面パネ
ルが取り付けられると共に、前記前面パネルとフレーム
の薄肉フランジとの間に前記制振材が挟み込まれるよう
に構成されたものであり、一層ピークディップの少ない
優れた音圧周波数特性を実現できると共に、前面パネル
が振動板の保護ガイドになり、振動板前面から振動板に
触れることが困難になり、その結果振動板の破壊を防止
することができる。
【0020】また、本発明のスピーカは、フレームの薄
肉フランジの振動板の取り付け部分より内側に、薄肉フ
ランジの厚みより厚い厚肉部を備え、前記厚肉部に振動
板が取り付けられて構成されたものであり、一層ピーク
ディップの少ない優れた音圧周波数特性を実現できると
共に、厚肉部が振動板取り付けの際のガイドになり、そ
の結果、製造工程における振動板取り付けの際の作業性
を向上させることができる。
【0021】以下、本発明の高音用スピーカを具体的な
実施の形態に基づいて説明する。
【0022】(実施の形態1)本発明の実施の形態1の
高音用スピーカの構成を図1に示す。図1において、1
は圧電素子であり、円形の金属製の基板1bの片面に薄
い円盤状の圧電体1aが結合されている。つまり圧電素
子1はモノモルフ型である。2はその内側に薄肉フラン
ジ2aをもつ一体成形されたフレームであり、圧電素子
1の外周部が薄肉フランジ2aに取り付けられている。
ここで、圧電素子1の表面と薄肉フランジ2aの表面に
は段差はなく、同一高さ(面一)である。4は略半円筒形
の振動板であり、その長径方向の周辺部両側が、圧電素
子1及び、薄肉フランジ2a表面に取り付けられてい
る。3は前面パネルであり、フレーム2の振動板が固定
されている側に取り付けられている。
【0023】次に、この高音用スピーカの構成部品の材
質や寸法などについて具体的に説明する。圧電素子1の
外径は22.5mmである。基板1bの材質は錫メッキ
された鉄であり、直径は22.5mm、厚みは0.2m
mである。圧電体1aの材質はセラミックであり、直径
は15mm、厚みは0.2mmである。これが薄肉フラ
ンジの長辺方向に対して縦方向に2個配列されている。
お互いの圧電素子の中心部の距離は24mmである。こ
のような構成とすることで、横幅を狭くしながら振動面
積を確保している。各々の圧電素子2は電気的に並列接
続されている。
【0024】フレーム2、及び、薄肉フランジ2aの材
質はABS樹脂であり、薄肉フランジ部分最外周部、つ
まり、フレームとの接合部の長辺の長さは52mm、短
辺の長さは28mmである。また、厚みは、0.7mm
である。フレーム部分の外周の長辺は70mm、短辺は
50mmで、厚みは5mmである。この薄肉フランジ2
a部分に圧電素子1を直径20mmより外側全周を取り
付け、ゴム系接着剤で固定支持している。また、圧電素
子1の表面と薄肉フランジ2aの表面には段差はなく、
同一高さ(面一)である。
【0025】振動板4の正面形状は、長径が42mm、
短径が18mm、中央部の高さが5mmの略半円筒形状
である。 振動板4の材質は厚み0.05mmのポリイ
ミドフィルムを2500゜C前後の高温熱処理して得ら
れるグラファイトフィルムである。そして振動板4は両
方の圧電素子1、及び、薄肉フランジ2aの表面に、エ
ポキシ系接着剤で取り付けられている。
【0026】前面パネル3の材質はABS樹脂であり、
外周の長辺は70mm、短辺の長さは50mmで、厚み
は2mmである。前面パネルの内周は振動板に接するこ
となく、フレーム2にゴム系接着剤で取り付けられてい
る。
【0027】以下、このように構成された本発明の実施
の形態1の高音用スピーカの作用について説明する。
【0028】まず図2に、周辺固定された円板、言い換
えれば圧電素子の可動部の振動モードを示す。これは音
響振動学ではよく知られているが、図2において(a)
は第1モード(基本周波数モード)、(b)は第2次節
円モード、(c)は第3次節円モード、(d)は第4次
節円モードである。各々上側の図は板を正面から見たも
ので、ハッチングをした部分はそうでない部分と逆方向
に変位していることを表している。また各々下側の図は
板の断面の変位の様子を表している。
【0029】図3は、これに対し、従来の技術、つま
り、前述の特開平9−215093号公報記載の高音用
スピーカにおける圧電素子の可動部の振動モードと、圧
電素子の表面上の振動板の取り付け部11aとの位置関
係を示したものである。図3に示すようにすべての振動
モードで、取り付け部11aは振動モード節円と直交し
ているので、節円振動モードが抑制されている。つま
り、円板の中心に梁を付けたために円板が拘束され、振
動しにくくなっている。
【0030】図4は本実施の形態の高音用スピーカの作
用を示した振動モード図である。4aは振動板の取り付
け部である。この図から明らかなように振動板取り付け
部4aは、振動モード節円に対して直交することがな
く、節円に沿うような位置関係となっている。このため
振動モードが抑制されることがない。また振動板取り付
け部4aは振動板4の周辺部であり、従来の技術で説明
した場合のような剛性の高い辺ではないので、なおさら
振動モードが抑制されることがない。従って圧電素子1
への振動板4の取り付けによって振動モードの抑制が生
じることがないので、高い能率が得られる。
【0031】また以上の理由で振動板4の材質には剛性
の高いものを使用することができるので、および振動伝
達される部位がネック部に集中しているコーン型などの
振動板と違って、周辺部の広い部分から振動伝達がされ
るので、超高域まで再生ができる。
【0032】また振動板取り付け部4aは、圧電素子1
の中心点からの半径距離が一定とならないような形で圧
電素子1の広い範囲に渡っており、取り付け位置が特定
の点や中心軸対称の円などとならないので、振動板4に
は圧電素子1の各種振動モードが均一に伝達され、ピー
クディップの少ない優れた音圧周波数特性が得られる。
【0033】特に圧電素子の形状が本実施の形態のよう
に円形の場合には、振動板取り付け部が節円モードの節
と腹の両方を包含するように位置関係になるため、圧電
素子の固有振動モード、つまり共振周波数においても音
圧周波数特性のピークディップが一層軽減される。また
円形の圧電素子には汎用品が多いので、コスト的にも有
利である。
【0034】さらに、本実施の形態では、圧電素子1の
外周部は厚みが薄いため剛性が低い薄肉フランジ2aに
取り付けられている。従って、圧電素子をフレーム2に
直接取り付けた場合よりも、圧電素子の周辺拘束インピ
ーダンスが低く、周辺拘束インピーダンスが高くなると
発生し難くなる非軸対称モードなどの振動モードの発生
し易い状態になっている。その結果、非常に多くの振動
モードが発生し、特定周波数での共振集中がなお一層緩
和され、さらに音圧周波数特性のピークディップが軽減
される。
【0035】図5は本実施の形態による高音用スピーカ
と、その振動板を従来の技術による振動板に置き換え、
さらに、薄肉フランジをなくし、圧電素子をフレームに
直接取り付けた比較例の音圧周波数特性を示す。
【0036】図5において、実線Aは本実施の形態1に
よる高音用スピーカの音圧周波数特性を示し、点線Bは
比較例の音圧周波数特性を示す。この比較例の高音用ス
ピーカでは、従来の技術で示した隣接して並置接合され
た2個の半円筒状曲面の振動板を用い、その外辺部をフ
レームに取り付けると共に、2個の半円筒状曲面の間の
接合部を圧電素子の中心線上に取り付けている。比較例
の振動板の材質はアルミニウムであり、外形は長辺が4
2mm、短辺が22.5mmであり、また、厚さ0.0
2mmである。
【0037】図5から明らかなように、本実施の形態に
よる高音用スピーカは、比較例のものに比べ100kH
zを越える超高域まで、遙かに高い音圧レベルが得ら
れ、高い能率で再生できることが分かる。さらに、低域
の再生帯域も広くなっている。
【0038】また、比較例のものは、振動板が複数個の
曲面から構成されているため、各々の曲面から放射され
る音波どうしが干渉を起こし、指向特性が劣化するが、
本実施の形態による高音用スピーカでは、振動板の曲面
は1つであり、良好な指向特性が得られる。
【0039】ここで、図5の音圧周波数特性は、2.4
5Vを印加した時のスピーカから測定距離1m離れた点
での特性に相当するものを示しているが、圧電素子1の
インピーダンスは非常に高いので、実用上はさらに能率
を高くすることができる。例えば、本実施の形態の高音
用スピーカを、一般的な動電型スピーカと同様に最低イ
ンピーダンスを数Ωに揃えるようにしながら、昇圧トラ
ンスを用いて駆動した場合、約88dBの出力音圧レベ
ルを得ることができた。つまり、能率の高いスピーカシ
ステムにもマッチするスーパーツィータを実現すること
ができる。
【0040】従って、以上説明したように本実施の形態
によれば、ローコストながら、高い能率で超高域まで再
生ができ、ピークディップの少ない優れた音圧周波数特
性と優れた指向特性をもつ、高音用スピーカを実現でき
る。
【0041】ところで本実施の形態では、振動板4の短
径つまり取り付け部幅を18mm、圧電素子1の外径を
22.5mmとしたが、取り付け部幅に当たる振動板の
短径をもっと小さくしても構わない。しかし振動板の短
径が小さくなりすぎると圧電素子の中心付近が拘束され
る傾向があるので、圧電素子の可動部の径に対する振動
板の短径の比率をあまり小さくするのは好ましくない。
【0042】振動板の正面投影面積を揃えながら振動板
の短径を小さくしていくと、Ld=振動板の短径、Lp
=圧電素子の可動部の径とした時、LdがLpの0.4
倍未満になると、本実施の形態の場合と比較して能率が
3dB程度低くなった。本発明の特長の一つである高い
能率を確保するためには、LdがLpの0.4倍以上で
あることが望ましい。この関係は、圧電素子や振動板が
その他の形状であっても同様であった。
【0043】なお本実施の形態では圧電素子1を2個使
用しているが、1個使用場合においても類似の効果が得
られることは言うまでもないことである。
【0044】また本実施の形態では薄肉フランジ2a
が、圧電素子1の外周部を接着剤で支持固定したが、弾
性体を挟んで支持する、また全周固定ではなく一部分は
自由にする、支持固定する部分つまり貼りしろを非軸対
称形にするなど、様々な支持方法が可能である。これら
のような支持を行うと、節円振動モードの共振のQが下
がったり、節円振動モードが非軸対称形になるなどし
て、音圧周波数特性のピークディップが軽減される。
【0045】また薄肉フランジ2aが圧電素子1の中心
部を支持し、圧電素子1の周辺部は自由であるような支
持方法も考えられる。この場合には図2で説明した振動
モードと逆のモード、つまり中心部が振動の節になり周
辺部の振幅が大きくなるような振動モードになる。しか
しこのような場合においても、従来の技術で説明した高
音用スピーカでは振動モードが抑制されてしまうのに対
して、本実施の形態では振動モードの抑制が起こらない
という作用は同様である。
【0046】また圧電素子1の中央部に弾性体を貼り付
けたり、中央部を弾性体を介して薄肉フランジ2aで支
持することも考えられる。このようにすると振動モード
の共振のQが下がったり、中心が節となる振動モードが
励起されたりして、音圧周波数特性のピークディップが
軽減される。
【0047】また本実施の形態では振動板4を圧電素子
1の金属基板1bの側に取り付けたが、取り付け面を圧
電体1aの側にすることも可能である。また本実施の形
態では圧電素子1はモノモルフ型であったが、バイモル
フ型としてもよい。
【0048】さらに本実施の形態では振動板4の材質を
グラファイトフィルムとしたが、言うまでもなく様々な
材質が可能である。例えばその他金属、樹脂、紙、グラ
ファイト鱗片と樹脂とのコンポジット、樹脂含浸した布
などである。
【0049】その他、本発明は上記説明した例に限定さ
れるものでないことは言うまでもない。
【0050】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2の高音用スピーカの構成について、図6により説明を
する。図6は圧電素子1が2個固定された薄肉フランジ
2aを持つフレーム2の前面図及び長辺方向のセンター
位置での断面図である。基本構成は実施の形態1と同様
であるが、本実施の形態では薄肉フランジ上に断面がア
ーチ形状である振動板固定部2bを備えている点が実施
の形態1と異なる。
【0051】次に、この高音用スピーカの構成部品の材
質や寸法などについて具体的に説明する。振動板固定部
2bの材質はABS樹脂で、幅2mm、肉厚1mmであ
り、薄肉フランジ表面からの高さ5mmである。アーチ
断面曲率は振動板の断面曲率と同じである。また、薄肉
フランジ長辺方向のセンター位置に1個と、このセンタ
ー位置から長辺方向にそれぞれ21mm位置に2個配置
されている。また、薄肉フランジ2aと振動板固定部2
bとは一体成形である。
【0052】この振動板固定部には実施の形態1で説明
したものと同様の振動板がゴム系接着剤により取り付け
られている。また、フレーム2の前面には、同じく実施
の形態1で説明したものと同様の前面パネルが配置され
ている。
【0053】このように構成された本実施の形態の高音
用スピーカの基本的な作用、効果は、実施の形態1で説
明したものと同様である。
【0054】そして本実施の形態では実施の形態1の効
果に加えて、振動板を部分的に拘束することにより、振
動板の特定周波数の振動モードをさらに細分化させ、音
圧周波数特性のピークディップを更に低減することがで
きる。
【0055】図7は本実施の形態による高音用スピーカ
と、実施の形態1の説明で用いた比較例の高音用スピー
カの音圧周波数特性を示す。図7において、実線Cは本
実施の形態による高音用スピーカの音圧周波数特性を示
し、点線Bは比較例の音圧周波数特性を示す。
【0056】図7から明らかなように、本実施の形態に
よる高音用スピーカは、比較例のものに比べ100kH
zを越える超高域まで、遙かに高い音圧レベルが得ら
れ、高い能率で再生できることが分かる。さらに、実施
の形態1に比べて、20kHz付近のピークディップが
低減されていることが分かる。これは、振動板固定部に
よって、振動板の振動モードが更に細分化され、振動モ
ードの数が増えた効果によるものである。
【0057】また、製造工程において、振動板固定部が
振動板を薄肉フランジに固定する際のガイドになり、作
業性が大幅に向上するという効果も得られる。
【0058】なお本実施の形態では、振動板固定部の断
面はアーチ形状であるが、振動板固定部上の振動板取り
付け部と薄肉フランジとの間に空間がない略半円形状で
あっても同様の効果が得られることは言うまでもないこ
とである。さらに、振動板固定部は薄肉フランジと一体
成形でなく、かつ、その材質はABS樹脂に限らず、金
属など他の材料でも同様の効果が得られることは言うま
でもないことである。例えば、ゴムなどの高い制振効果
をもつ材質にすることで、さらにピークディップを低減
することが可能になると考えられる。
【0059】その他、本発明は上記説明した例に限定さ
れるものでないことは、言うまでもない。
【0060】(実施の形態3)次に本発明の実施の形態
3の高音用スピーカの構成について、図8により説明を
する。図8は実施の形態による高音用スピーカの外観及
び断面を示した図である。基本構成は実施の形態1に示
した高音用スピーカと同様であるが、前面パネル31形
状、及び、制振材5が配置されている点が異なる。つま
り、前面パネル31はその中央の開口部にガイド部31
aをもち、かつ、前面パネルと薄肉フランジの対向部分
のうち長辺部分には制振材が挟みこまれている点が異な
る。
【0061】次に、この高音用スピーカの前面パネル、
制振材の材質や寸法などについて具体的に説明する。前
面パネルの開口部の長辺の長さは44mmであり、短辺
の長さは14mmである。さらに、その開口部の短辺方
向のセンター位に、振動板に接することなく前面パネル
ガイド部31aが配置されている。このガイド部31a
の材質はABS樹脂であり、前面パネル31と一体成形
されている。ガイド部31aは略三角柱形状であり、最
厚部分の厚みは1mmで、また、最大幅は2mmであ
る。
【0062】さらに、薄肉フランジと前面パネルの対向
部分の間隔は1mmであり、この部分に制振材が挟みこ
まれている。ここで、制振材は発泡ウレタンシートであ
り、挟み込む前、つまり、材料に状態ではは厚み2mm
であるが、薄肉フランジ2aと前面パネル31により挟
み込まれて、1mmに圧縮されている。
【0063】このように構成された本実施の形態の高音
用スピーカの基本的な作用、効果は、実施の形態1で説
明したものと同様である。
【0064】そして本実施の形態では実施の形態1の効
果に加えて、薄肉フランジを前面パネルが制振材を介し
て押さえ込んでいるので、薄肉フランジの振動が制振さ
れ、ピークディップがダンプされ、音圧周波数特性のピ
ークディップを更に低減することができる。
【0065】図9は本実施の形態による高音用スピーカ
と、実施の形態1の説明で用いた比較例の高音用スピー
カの音圧周波数特性を示す。図9において、実線Dは本
実施の形態による高音用スピーカの音圧周波数特性を示
し、点線Bは比較例の音圧周波数特性を示す。
【0066】ここで、図9から明らかなように、本実施
の形態による高音用スピーカは、比較例のものに比べ1
00kHzを越える超高域まで、遙かに高い音圧レベル
が得られ、高い能率で再生できることが分かる。さら
に、実施の形態1に比べて、5〜20kHz付近、及
び、50kHz付近のピークディップが低減されている
ことが分かる。これは、薄肉フランジを前面パネルが制
振材を介して押さえ込んでいるので、薄肉フランジの振
動が制振され、ピークディップがダンプされたためであ
る。
【0067】また、前面パネルのガイド部により、振動
板に直接触れることが困難になり、振動板の破壊を防止
することができるという効果も得られる。
【0068】なお本実施の形態では、前面パネルのガイ
ド部はABS樹脂で、かつ、前面パネルと一体成形とし
たが、一体成形ではなく、また、金属など他の材料でも
同様の効果が得られることは言うまでもないことであ
る。
【0069】また、制振材の取り付け位置に関して、本
実施の形態では、前面パネルと薄肉フランジの対向部分
のうち長辺部分には制振材が挟みこまれているが、短辺
部分、また、長辺、短辺の両方であっても、同様もしく
は、それ以上の効果が得られることは言うまでもないこ
とである。
【0070】その他、本発明は上記説明した例に限定さ
れるものでないことは言うまでもない。
【0071】(実施の形態4)次に本発明の実施の形態
4の高音用スピーカの構成について、図10により説明
をする。図10は圧電素子1が2個固定された薄肉フラ
ンジ2aを持つフレーム2の前面図及び長辺方向のセン
ター位置での断面図である。基本構成は実施の形態1と
同様であるが、本実施の形態では薄肉フランジ上の振動
板取り付け部分より内側に厚肉部2cを備えている点が
実施の形態1と異なる。
【0072】次に、この高音用スピーカの構成部品の材
質や寸法などについて具体的に説明する。厚肉部2cの
材質はABS樹脂で、薄肉フランジ表面部分の短辺幅は
18mm、肉厚1.7mmである。なお、長辺方向につ
いては、薄肉フランジの長辺幅52mmと同様である。
【0073】また、図10(b)に示す厚肉部の断面形
状は、振動板の断面形状と同じである。つまり、この厚
肉部に振動板を変形させることなく、取り付けられるよ
うに形成されている。
【0074】この厚肉部に実施の形態1で説明したもの
と同様の振動板がゴム系接着剤により取り付けられてい
る。また、フレーム2の前面には、同じく実施の形態1
で説明したものと同様の前面パネルが配置されている。
【0075】このように構成された本実施の形態の高音
用スピーカの基本的な作用、効果は、第1の実施の形態
で説明したのと同様である。
【0076】そして本実施の形態では実施の形態1の効
果に加えて、薄肉フランジが厚みの異なる部分を有する
ので、薄肉フランジ部分の振動モードが細分化し、音圧
周波数特性のピークディップを更に低減することができ
る。
【0077】図11は本実施の形態による高音用スピー
カと、実施の形態1の説明で用いた比較例の高音用スピ
ーカの音圧周波数特性を示す。図11において、実線E
は本実施の形態による高音用スピーカの音圧周波数特性
を示し、点線Bは比較例の音圧周波数特性を示す。
【0078】図11から明らかなように、本実施の形態
による高音用スピーカは、比較例のものに比べ100k
Hzを越える超高域まで、遙かに高い音圧レベルが得ら
れ、高い能率で再生できることが分かる。さらに、実施
の形態1に比べて、5〜15kHz付近のピークディッ
プは幾分大きくなるものの、40〜100kHz付近の
ピークディップが低減されていることが分かる。これ
は、薄肉フランジが厚みの異なる部分を有するので、薄
肉フランジ部分の振動モードが更に細分化され、振動モ
ードの数が増えた効果によるものである。
【0079】また、製造工程において、厚肉部が振動板
を薄肉フランジに固定する際のガイドになり、作業性が
大幅に向上するという効果も得られる。
【0080】なお本実施の形態では、厚肉部分の長辺の
長さは薄肉フランジの長辺の長さと同じであるが、必ず
しも同じでなくても同様の効果が得られることは言うま
でもないことである。
【0081】また、厚肉部が分割された形状、例えば、
薄肉フランジの長辺方向における2個の圧電素子の間の
部分は薄肉になっていても類似の効果が得られることは
言うまでもないことである。
【0082】その他、本発明は上記説明した例に限定さ
れるものでないことは、言うまでもない。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高音用スピ
ーカによれば、金属基板に結合した圧電体からなる圧電
素子と、前記圧電素子の外周部において前記圧電素子を
取り付ける薄肉フランジをもつフレームと、正面形状が
長径と短径を有し音を放射する方向に凸状である振動板
とを備え、前記圧電素子の表面の非中心線上の位置、お
よび、前記フレームの薄肉フランジに前記振動板の少な
くとも長径方向の周辺部両側を取り付けるとともに、L
d=前記振動板の短径、Lp=前記圧電素子の可動部の
短径とした時に、Ld≧Lp×0.4したことにより、
振動板取り付け部が振動モードに対して直交することが
ないので、また振動板取り付け部は振動板の周辺部であ
るので、振動モードが抑制されることがないので、高い
能率が得られる。
【0084】また上記のことから振動板の材質には剛性
の高いものを使用することができるので、および周辺部
の広い範囲から振動伝達がされるので、超高域まで再生
ができる。また振動板取り付け部が圧電素子の広い範囲
に渡り、取り付け位置が特定の点とはならないので、振
動板には圧電素子の各種振動モードが均一に伝達され
る。さらに、圧電素子の外周部は厚みが薄いため剛性が
低い薄肉フランジに取り付けられており、圧電素子をフ
レームに直接取り付けた場合よりも、圧電素子の周辺拘
束インピーダンスが低く、周辺拘束インピーダンスが高
くなると発生し難くなる非軸対称モードなどの振動モー
ドの発生し易い状態になっている。その結果、非常に多
くの振動モードが発生し、特定周波数での共振集中がな
お一層緩和され、さらに音圧周波数特性のピークディッ
プが軽減される。
【0085】また振動板は正面横方向に幅を狭くできる
ので、水平方向の優れた指向特性が得られる。また振動
板は単一曲面の1個の振動板であるので、振動板の成型
が容易であるとともに、圧電素子に対する取り付けも容
易である。
【0086】従ってローコストながら、高い能率で超高
域まで再生ができ、ピークディップの少ない優れた音圧
周波数特性と優れた指向特性をもつ高音用スピーカを実
現できる。
【0087】また、本発明の高音用スピーカによれば、
薄肉フランジ上の振動板取り付け部側に突出した振動板
固定部を少なくとも1つ以上備え、前記振動板固定部に
振動板を取り付けたことにより、振動板固定部によっ
て、振動板の振動モードが更に細分化され、振動モード
の数が増え一層ピークディップの少ない優れた音圧周波
数特性を実現できると共に、製造工程において、振動板
固定部が振動板を薄肉フランジに固定する際のガイドに
なり、作業性が大幅に向上するという効果も得られる。
【0088】また、本発明の高音用スピーカによれば、
前面パネルと、制振材を備え、フレームの振動板側に前
記前面パネルが取り付けられると共に、前記前面パネル
とフレームの薄肉フランジとの間に前記制振材を挟み込
むことにより、薄肉フランジを前面パネルが制振材を介
して押さえ込むことになり、薄肉フランジの振動がダン
プされ、一層ピークディップの少ない優れた音圧周波数
特性を実現できると共に、前面パネルが振動板の保護ガ
イドになり、振動板前面から振動板に触れることが困難
になり、その結果振動板の破壊を防止するという効果も
得られる。
【0089】また、本発明の高音用スピーカによれば、
フレームの薄肉フランジの振動板の取り付け部分より内
側に、薄肉フランジの厚みより厚い厚肉部を備え、前記
厚肉部に振動板が取り付けることにより、薄肉フランジ
が厚みの異なる部分を有するので、薄肉フランジ部分の
振動モードが更に細分化され、振動モードの数が増え、
一層ピークディップの少ない優れた音圧周波数特性を実
現できると共に、厚肉部が振動板取り付けの際のガイド
になり、その結果、製造工程における振動板取り付けの
際の作業性を向上させるという効果も得られる。
【0090】以上のように、本発明は極めて大きな実用
的価値をもつものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の高音用スピーカの構成
を示した図
【図2】円板の振動モード図
【図3】圧電素子の振動モード図
【図4】圧電素子の振動モード図
【図5】実施の形態1による高音用スピーカの効果を示
す音圧周波数特性図
【図6】実施の形態2の高音用スピーカの構成の一部を
示した図
【図7】実施の形態2による高音用スピーカの効果を示
す音圧周波数特性図
【図8】実施の形態3の高音用スピーカの構成を示した
【図9】実施の形態3による高音用スピーカの効果を示
す音圧周波数特性図
【図10】実施の形態4の高音用スピーカの構成の一部
を示した図
【図11】実施の形態4による高音用スピーカの効果を
示す音圧周波数特性図
【符号の説明】
1 ・・・ 圧電素子 1a ・・・ 圧電体 1b ・・・ 金属基板 11a ・・・ 接合部 2 ・・・ フレーム 2a ・・・ 薄肉フランジ 2b ・・・ 振動板固定部 2c ・・・ 厚肉部 3,31 ・・・ 前面パネル 31a ・・・ ガイド部 4 ・・・ 振動板 4a ・・・ 振動板取り付け部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板に結合した圧電体からなる圧電
    素子と、前記圧電素子の外周部において前記圧電素子を
    取り付ける薄肉フランジをもつフレームと、正面形状が
    長径と短径を有し音を放射する方向に凸状である振動板
    とを備え、前記圧電素子の表面の非中心線上の位置、お
    よび、前記フレームの薄肉フランジに前記振動板の少な
    くとも長径方向の周辺部両側を取り付けるとともに、L
    d=前記振動板の短径、Lp=前記圧電素子の可動部の
    短径とした時に、Ld≧Lp×0.4としたことを特徴
    とする、高音用スピーカ。
  2. 【請求項2】 薄肉フランジ上に、振動板取り付け部側
    に突出した振動板固定部を少なくとも1つ以上備え、前
    記振動板固定部に振動板が取り付けられていることを特
    徴とする、請求項1に記載の高音用スピーカ。
  3. 【請求項3】 前面パネルと、制振材を備え、フレーム
    の振動板側に前記前面パネルが取り付けられると共に、
    前記前面パネルとフレームの薄肉フランジとの間に前記
    制振材が挟み込まれるように配置されていることを特徴
    とする、請求項1又は2に記載の高音用スピーカ。
  4. 【請求項4】 薄肉フランジの振動板の取り付け部分よ
    り内側に、薄肉フランジの肉厚より厚い厚肉部を備え、
    前記厚肉部に振動板が取り付けられていることを特徴と
    する、請求項1、2又は3に記載の高音用スピーカ。
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