JP2004010419A - ジルコニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents

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Masayuki Ishizuka
石塚 雅之
Yoshiyuki Toge
峠 喜之
Ichiro Kakei
加計 一郎
Minoru Murata
村田 稔
Yasumoto Oohara
大原 泰源
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Abstract

【課題】正方晶の経時的安定性が高く、優れた強度、寸法精度及び表面平滑度を有するジルコニア焼結体を提供する。
【解決手段】結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下であり、粒子径が0.4μmを超える結晶粒子を実質的に含まず、且つ気孔率が1%以下であるジルコニア焼結体、及びジルコニアを97.5〜96.5mol%含有し、イットリアを2.5〜3.5mol%含有し、且つ塩素含有量が0.01質量%以下のイットリア固溶ジルコニア粉末100重量部に対して、アルミナ粉末を0.1〜1重量部添加した後、混合粉末を成形し、次いで成形体を1200〜1300℃で焼結するジルコニア焼結体の製造方法に係る。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジルコニア焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量の高速通信の必要に伴い、光ファイバーを使用した通信が情報伝達の主流になってきている。この光ファイバーの接続には、光コネクターが用いられる。光コネクターは、一般に光ファイバーを通して固定する貫通孔を有する筒状のフェルールと称される部材とフェルールに固定された向かい合う光ファイバーの端面どうしの位置を正確に合わせてフェルールを固定するスリーブと称される部材とから構成される。
【0003】
光コネクターの役割としては、二本の向かい合う光ファイバーの位置を正確に合わせてそれを維持することが最も重要である。そのため、光コネクターの素材としては、加工精度が高く且つ加工後の寸法形状を長時間維持できるものが要求される。また、スリーブへのフェルール取り付けの繰返しによって部材が磨耗し、変形等が生じることを防止することも重要である。そのため、光コネクターの素材としては、磨耗による変形が生じないような硬度や表面平滑度を有することも要求される。
【0004】
このような要求に応えるために、フェルールやスリーブの素材としては、一般に高硬度且つ熱膨張率の小さなセラミックス材料が用いられる。その中でも、近年は、ジルコニア焼結体が広く使用されている。ジルコニア焼結体は、微細な結晶粒子から構成されるものは、特に表面精度が優れている。また、ジルコニア焼結体は、強度や靭性も優れており、しかも加工性が良好という特性を有する。
【0005】
光コネクター部材に用いられるジルコニア焼結体は、通常、結晶粒子の主成分が正方晶ジルコニアであり、その中には正方晶の安定化剤として2〜3mol%のイットリアを含んでいる。
【0006】
しかしながら、上記の正方晶ジルコニア焼結体は、水蒸気を含む高温雰囲気下のような環境に長時間曝されると、結晶粒子が正方晶から単斜晶へ相転移する。相転移の際には、結晶粒子は約4%体積膨張するため、部材の寸法精度や表面平滑度の劣化が生じるという問題がある。このような相転移を抑制する方法としては、安定化剤であるイットリアの含有量を増やす、アルミナ等の高ヤング率の粒子を分散させる、焼結体の結晶粒子の粒子径を小さくする等の方法がある。
【0007】
しかし、イットリアの含有量を増やす方法では、正方晶の割合が減少し、結晶粒子の主成分が立方晶となるため、却って強度や靭性が劣った安定化ジルコニアとなってしまう。また、アルミナ等を分散させる方法では、20重量%のアルミナを添加した場合でも、正方晶の約2割が単斜晶へ相転移してしまう。更に、そのような量のアルミナ等を添加すると、マトリックスであるジルコニアとの硬度差により、加工速度に違いが生じ、十分な寸法精度や表面平滑度が得られないという問題が生じる(内田老鶴圃:ジルコニアセラミックス9)。
【0008】
ところで、当該文献には、焼結体の結晶粒子の粒子径を小さくすることにより相転移を抑制する方法では、例えば、イットリアを3mol%固溶した正方晶ジルコニア焼結体の場合には、結晶粒子の粒子径を0.4μm以下にする必要があることも報告されている。
【0009】
通常、よく知られているジルコニアセラミックスの焼結温度である1400℃で焼結した焼結体の結晶粒子の粒子径は、約0.4〜1μmであるが、この値はあくまで平均値である。従って、セラミックス焼結体の結晶粒子の粒子径は明らかに分布を有し、結晶粒子の平均粒子径が0.4μmの焼結体は、0.4μmを超える相転移しやすい結晶粒子も含んでいる。
【0010】
即ち、結晶粒子の平均粒子径が0.4μmのジルコニア焼結体では、0.4μmを超える結晶粒子が相転移することにより欠陥が生じるため、焼結体の寸法精度や表面平滑度の劣化は避けられない。また、セラミックスのような脆性材料では、微小範囲の欠陥であっても、時間の経過と共にその部分に応力が集中し、大きな破壊につながる。結局、結晶粒子の平均粒子径とその粒子径分布を考慮すると、0.4μmを超える結晶粒子を実質的に含まないためには、平均粒子径を0.2μm以下にする必要がある。
【0011】
最近では、0.1〜3重量%のアルミナを添加して焼結温度を低くし、結晶粒子の成長を抑制させた粒子径の小さなジルコニア焼結体を光コネクター部材に使用し、相転移による特性の劣化を抑制しようとする報告もある(特開平6−337327号公報)。しかし、アルミナを添加して焼結温度を低くしたとしても、1300℃で焼結して得られる焼結体の結晶粒子の平均粒子径は0.23μmであり、平均粒子径を0.2μm以下とするには至っていない。
【0012】
しかも、単に焼結温度を低くしただけでは、十分に緻密な焼結体が得られない場合もある。例えば、0.2重量%のアルミナを添加し、1300℃で焼結して得られる焼結体の密度は、理論密度を6.1g/cmとして算出すると98.8%であり、気孔率が1%を超えている(特開平11−240757号公報)。このような1%を超える気孔は、焼結体の強度や靭性を低下させる原因となるだけでなく、表面平滑度を低下させる原因ともなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、正方晶の経時的安定性が高く、優れた強度、寸法精度及び表面平滑度を有するジルコニア焼結体を提供することを主な目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法により製造される特異なジルコニア焼結体が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明は、下記ジルコニア焼結体及びその製造方法に係るものである。
【0016】
1.結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下であり、粒子径が0.4μmを超える結晶粒子を実質的に含まず、且つ気孔率が1%以下であることを特徴とするジルコニア焼結体。
【0017】
2.ジルコニアを97.5〜96.5mol%含有し、イットリアを2.5〜3.5mol%含有し、且つ塩素含有量が0.01質量%以下のイットリア固溶ジルコニア粉末100重量部に対して、アルミナ粉末を0.1〜1重量部添加した後、混合粉末を成形し、次いで成形体を1200〜1300℃で焼結することを特徴とするジルコニア焼結体の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明ジルコニア焼結体
本発明ジルコニア焼結体は、結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下であり、粒子径が0.4μmを超える結晶粒子を実質的に含まない。本明細書において、「実質的に含まない」とは、本発明ジルコニア焼結体が粒子径0.4μmを超える結晶粒子を含まないか、或いは含むとしても5%未満、好ましくは1%未満であることを意味する。
【0019】
粒子径が0.4μmを超える結晶粒子を含まないことだけを条件とすると、焼結体の結晶粒子の平均粒子径が0.2μmを超える場合も想定される。しかし、本発明ジルコニア焼結体では、焼結体の緻密性、表面平滑性等も考慮して、結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下のものだけとしている。
【0020】
結晶粒子の粒子径は、焼結体表面の結晶粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真に基づき、多角形状の個々の粒子が内接する円を想定し、その円の直径を個々の結晶粒子の粒子径とする方法により測定した値である。結晶粒子の平均粒子径は、前記SEM写真に基づき、ラインインターセプト法により、100個以上の粒子を使用して算出した値である。
【0021】
また、本発明ジルコニア焼結体は、気孔率が1%以下、好ましくは0.5%以下である。気孔率が1%以下のジルコニア焼結体は、緻密であり、表面平滑性に優れている。また、ジルコニア焼結体の強度及び靭性の向上にも寄与する。
【0022】
ジルコニア焼結体の気孔率は、水置換のアルキメデス法により測定した実測密度dと理論密度d(6.1g/cm)に基づき、以下の式により算出した値である;
気孔率(%)=(1−d/d)×100。
【0023】
このように、結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下であり、粒子径が0.4μmを超える結晶粒子を実質的に含まず、且つ気孔率が1%以下である本発明ジルコニア焼結体は、緻密で表面平滑性に優れ、しかも強度及び靭性にも優れている。
【0024】
本発明ジルコニア焼結体は、上記特徴を有するだけでなく、正方晶の経時的安定性が優れていることも特徴の一つである。このことは、本願実施例の表1からも明らかである。実施例1〜3で示される本発明ジルコニア焼結体は、170℃の熱水中に24時間曝した後も、焼結体表面の正方晶率は100%を維持したままである。なお、170℃の熱水中に24時間晒す処理は、一般にジルコニア焼結体を、冒頭で説明した光コネクター部材として使用した場合の10数年分に相当すると言われている。
【0025】
このように、緻密で表面平滑性に優れ、強度及び靭性にも優れ、しかも正方晶の経時的安定性にも優れた本発明ジルコニア焼結体は、例えば、ポンプ材料、メカニカルシール部材のような産業機械材料、生体材料等の多種の用途があるが、特に、冒頭で説明した光コネクターを構成するフェルールやスリーブの素材として有用である。
【0026】
ジルコニア焼結体の製造方法
本発明ジルコニア焼結体の製造方法としては、結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下であり、粒子径が0.4μmを超える結晶粒子を実質的に含まず、且つ気孔率が1%以下であるジルコニア焼結体が製造できる方法であれば特に限定されない。
【0027】
その中でも、ジルコニアを97.5〜96.5mol%含有し、イットリアを2.5〜3.5mol%含有し、且つ塩素含有量が0.01質量%以下のイットリア固溶ジルコニア粉末100重量部に対して、アルミナ粉末を0.1〜1重量部添加した後、混合粉末を成形し、次いで成形体を1200〜1300℃で焼結する製造方法は、特に好適な製造方法として挙げられる。以下、本発明製造方法について詳細に説明する。
【0028】
本発明製造方法では、イットリア固溶ジルコニア粉末としては、ジルコニアを97.5〜96.5mol%含有し、イットリアを2.5〜3.5mol%含有し、且つ塩素含有量が0.01質量%以下のものを用いる。
【0029】
なお、ジルコニアの含有割合は、ジルコニア/(ジルコニア+イットリア)の比率をmol%で表したものである。同様に、イットリアの含有割合は、イットリア/(ジルコニア+イットリア)の比率をmol%で表したものである。
【0030】
イットリア固溶ジルコニア粉末の合成方法としては、ジルコニア及びイットリアの含有割合が所定範囲となる限りにおいて特に限定されない。例えば、公知の湿式法による安定化ジルコニア合成方法に従って合成できる。
【0031】
但し、これら既存の合成方法により合成されたイットリア固溶ジルコニア粉末には、その原料であるジルコニア粉末の製造過程に由来する塩素が、通常0.05〜0.1質量%程度残存している。従って、そのようなイットリア固溶ジルコニア粉末を脱塩素処理することにより、塩素含有量を0.01質量%以下とし、本発明製造方法で用いるイットリア固溶ジルコニア粉末とすればよい。
【0032】
脱塩素処理の方法は特に限定されないが、例えば、イットリア固溶ジルコニア粉末を純水で洗浄することにより脱塩素処理することができる。この際、純水に代えてアンモニア水溶液のような金属を含まないアルカリ水溶液で洗浄すれば、より確実に脱塩素処理ができる。
【0033】
脱塩素処理は、イットリア固溶ジルコニア粉末に対して行ってもよいが、イットリア固溶ジルコニア粉末の合成前(仮焼前)の段階で原料ジルコニア粉末に対して行う方がより好ましい。イットリア固溶ジルコニア粉末中の塩素含有量は、例えば、特定量の当該粉末を純水に分散させ、長時間煮沸し、残留塩素を全部溶出させた後、溶液の塩素濃度をイオンクロマトグラフィー等で分析することにより容易に確認することができる。
【0034】
本発明製造方法では、所定のイットリア固溶ジルコニア粉末100重量部に対して、0.1〜1重量部のアルミナ粉末を添加する。アルミナの純度は特に限定されないが、通常99%以上が好ましく、99.9%以上がより好ましい。アルミナの代わりに、高ヤング率金属酸化物である酸化タンタル等も使用できる。
【0035】
所定量のアルミナを添加後、混合粉末を成形する。この際、混合粉末が凝集している場合には、混合粉末の平均二次粒子径が5μm以下となる程度に粉砕する工程を設けることもできる。粉砕する方法は特に限定されず、例えば、クラッシャー、ボールミル、ビーズミル、ピンミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて粉砕すればよい。成形方法は特に限定されず、樹脂バインダーと混練して射出成形したり、押出し成形することにより成形できる。
【0036】
次いで、成形体を1200〜1300℃で焼結する。焼結時間は焼結温度に従って適宜設定できる。例えば、焼結温度が1250℃程度であれば、1〜5時間程度、好ましくは2〜3時間程度焼結すればよい。
【0037】
【作用】
本発明製造方法において、原料粉末に含まれる塩素及びアルミナの焼結への影響については、概ね次のように考えられる。
【0038】
イットリア固溶ジルコニア粉末を高温にしたときには、拡散による物質移動が始まる。このような拡散機構には、体積拡散、粒界拡散及び表面拡散の3つがある。その中でも、体積拡散及び粒界拡散は焼結に寄与するが、表面拡散は焼結を阻害する。
【0039】
アルミナの添加は、粉末の表面に付着したアルミナがジルコニアの表面拡散を抑制し、効率的に体積拡散や粒界拡散を起こすため、焼結温度を低くできると考えられる。これに対し、塩素は陰イオンであり、酸素イオンの位置に存在すると考えられるが、イオン半径が酸素と比較して塩素の方が約30%大きいため、体積拡散や粒界拡散を物理的に阻害すると考えられる。
【0040】
従って、粉末の残留塩素をできるだけ除去し、所定の塩素濃度以下にすることにより、焼結に寄与する体積拡散や粒界拡散を促進させ、焼結温度を低下させることができる。また、残留塩素を所定濃度以下にすることにより、メカニズムの詳細は不明であるが、焼結体の気孔率を非常に少なくすることにも寄与できる。
【0041】
【発明の効果】
結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下であり、粒子径が0.4μmを超える結晶粒子を実質的に含まず、且つ気孔率が1%以下である本発明ジルコニア焼結体は、緻密で表面平滑性に優れ、強度及び靭性にも優れ、しかも正方晶の経時的安定性にも優れている。
【0042】
このような本発明ジルコニア焼結体の用途は限定的ではないが、特に、光コネクターを構成するフェルール及びスリーブの素材として有用である。本発明ジルコニア焼結体を用いることにより、高精度且つ長寿命の実用的な光コネクター部材を提供することができる。
【0043】
本発明製造方法によれば、緻密で表面平滑性に優れ、強度及び靭性にも優れ、しかも正方晶の経時的安定性にも優れたジルコニア焼結体を容易に製造することができる。
【0044】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
【0045】
実施例1
加水分解法により、イットリアを3.05mol%含有するイットリア固溶ジルコニア粉末を調製した。イットリア固溶ジルコニア粉末を10Nのアンモニア水溶液中に分散させた後、沈降させて上澄みを捨てる操作を繰り返して塩素の除去を行った。この操作により、塩素含有量が0.007質量%のイットリア固溶ジルコニア粉末を得た。
【0046】
得られたイットリア固溶ジルコニア粉末100重量部に対し、純度99%のアルミナ粉末を0.26重量部添加した後、混合物を平均二次粒子径が5μmとなるまで粉砕し、混合粉末を金型により20MPaの圧力で一軸加圧成形後、200MPaの圧力でCIP成形して得られる成形体を1250℃で3時間焼結することにより、φ50×6の円盤状ジルコニア焼結体を得た。
【0047】
得られた焼結体について、結晶粒子の平均粒子径、気孔率、3点曲げ強度及び焼結体を170℃の熱水中に24時間曝した後における焼結体表面の正方晶の割合を調べた。結果を下記表1に示す。
【0048】
結晶粒子の平均粒子径は、焼結体を鏡面加工した後に、1200℃で熱エッチングを行った面のSEM写真に基づき、ラインインターセプト法により100個以上の粒子より算出した。気孔率は、アルキメデス法により測定した実測密度より、理論密度を6.1g/cmとして算出した。3点曲げ強度測定は、JISR1601に従って測定した。なお、3点曲げ強度測定には、焼結体を切断及び研削加工して得た、縦3mm横4mm長さ40mmの試験片を用いた。以下の実施例及び比較例においても、同じ測定方法及び算出方法を採用した。
【0049】
焼結直後における焼結体表面の正方晶の割合は100%であった。焼結体を鏡面加工した後、1200℃で熱エッチングを行った面のSEM写真によれば、焼結体表面に粒子径が0.4μmを超える結晶粒子は含まれていなかった。
【0050】
実施例2
焼結温度を1300℃とした他は、実施例1と同様にしてジルコニア焼結体を得た。
【0051】
焼結体の結晶粒子の平均粒子径、気孔率、3点曲げ強度及び焼結体を170℃の熱水中に24時間曝した後における焼結体表面の正方晶の割合を下記表1に示す。
【0052】
焼結直後における焼結体表面の正方晶の割合は100%であった。焼結体を鏡面加工した後、1200℃で熱エッチングを行った面のSEM写真によれば、焼結体表面に粒子径が0.4μmを超える結晶粒子は含まれていなかった。
【0053】
実施例3
加水分解法により、イットリアを2.8mol%含有するイットリア固溶ジルコニア粉末を調製した。イットリア固溶ジルコニア粉末を10Nのアンモニア水溶液中に分散させた後、沈降させて上澄みを捨てる操作を繰り返して塩素の除去を行った。この操作により、塩素含有量が0.009質量%のイットリア固溶ジルコニア粉末を得た。
【0054】
得られたイットリア固溶ジルコニア粉末100重量部に対し、純度99%のアルミナ粉末0.1重量部を添加した後、実施例1と同様にして粉末を成形し、次いで1250℃で3時間焼結してジルコニア焼結体を得た。
【0055】
焼結体の結晶粒子の平均粒子径、気孔率、3点曲げ強度及び焼結体を170℃の熱水中に24時間曝した後における焼結体表面の正方晶の割合を下記表1に示す。
【0056】
焼結直後における焼結体表面の正方晶の割合は100%であった。焼結体を鏡面加工した後、1200℃で熱エッチングを行った面のSEM写真によれば、焼結体表面に粒子径が0.4μmを超える結晶粒子は含まれていなかった。
【0057】
比較例1
焼結温度を1350℃とした他は、実施例1と同様にしてジルコニア焼結体を得た。
【0058】
焼結体の結晶粒子の平均粒子径、気孔率、3点曲げ強度及び焼結体を170℃の熱水中に24時間曝した後における焼結体表面の正方晶の割合を下記表1に示す。
【0059】
焼結直後における焼結体表面の正方晶の割合は100%であった。焼結体を鏡面加工した後、1200℃で熱エッチングを行った面のSEM写真によれば、焼結体表面には、明らかに粒子径が0.4μmを超える結晶粒子が観察された。
【0060】
比較例2
加水分解法により、イットリアを3.05mol%含有するイットリア固溶ジルコニア粉末を調製した。イットリア固溶ジルコニア粉末の塩素含有量は0.07質量%であった。
【0061】
塩素除去をすることなく、イットリア固溶ジルコニア粉末100重量部に対し、純度99%のアルミナを0.26重量部添加した後、実施例1と同様にして粉末を成形し、次いで1250℃で3時間焼結してジルコニア焼結体を得た。
【0062】
焼結体の結晶粒子の平均粒子径、気孔率、3点曲げ強度及び焼結体を170℃の熱水中に24時間曝した後における焼結体表面の正方晶の割合を下記表1に示す。
【0063】
焼結直後における焼結体表面の正方晶の割合は、100%であった。焼結体を鏡面加工した後、1200℃で熱エッチングを行った面のSEM写真によれば、焼結体表面に粒子径が0.4μmを超える結晶粒子は含まれていなかった。
【0064】
比較例3
焼結温度を1300℃にした他は、比較例2と同様にしてジルコニア焼結体を得た。
【0065】
焼結体の結晶粒子の平均粒子径、気孔率、3点曲げ強度及び焼結体を170℃の熱水中に24時間曝した後における焼結体表面の正方晶の割合を下記表1に示す。
【0066】
焼結直後における焼結体表面の正方晶の割合は、100%であった。焼結体を鏡面加工した後、1200℃で熱エッチングを行った面のSEM写真によれば、焼結体表面に粒子径が0.4μmを超える結晶粒子は含まれていなかった。
【0067】
【表1】
Figure 2004010419
【0068】
考 察
平均粒子径が0.2μm以上のジルコニア焼結体は、170℃熱水暴露後の正方晶率が大きく低下した(比較例1)。このような正方晶率の低下は、高精度を要求される光コネクターの用途に用いる場合には、不具合を生じる場合が多い。
【0069】
また、気孔率が1%以上のジルコニア焼結体は、3点曲げ強度の値が小さかった(比較例2及び比較例3)。
【0070】
これに対し、結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下であり、粒子径が0.4μmを越える結晶粒子を実質的に含まず、且つ気孔率が1%以下である本発明ジルコニア焼結体では、3点曲げ強度は優れており、しかも170℃熱水暴露後における焼結体表面の正方晶の割合は、100%を維持したままであった(実施例1、2及び3)。

Claims (2)

  1. 結晶粒子の平均粒子径が0.2μm以下であり、粒子径が0.4μmを超える結晶粒子を実質的に含まず、且つ気孔率が1%以下であることを特徴とするジルコニア焼結体。
  2. ジルコニアを97.5〜96.5mol%含有し、イットリアを2.5〜3.5mol%含有し、且つ塩素含有量が0.01質量%以下のイットリア固溶ジルコニア粉末100重量部に対して、アルミナ粉末を0.1〜1重量部添加した後、混合粉末を成形し、次いで成形体を1200〜1300℃で焼結することを特徴とするジルコニア焼結体の製造方法。
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