JP2004010561A5 - - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルゲル化粧料に関する
【0002】
【従来の技術】
オイルゲル製剤は、慣用的な製剤分類であり、厳密な定義は無く、その主成分が固体脂、半固形脂及びオイルであり、溶融混合、冷却後、これらの作るワックス・オイルの半固体から固体の構造をベースにした製剤であり、これらの成分以外に、色素、粉体、多価アルコール、界面活性剤、極少量の水分を任意に含むものである。物理化学的には、非乳化物であることが多いが、多価アルコールなどが可溶化された非水乳化系や極一部に水などが乳化含有されている部分乳化系などが存在する。本発明においては、オイルゲルとは、1)固形脂、半固形脂及びオイルの含有量が製剤全量の30重量%以上である、2)グリセリンなどの多価アルコールの含有量が製剤全量の5重量%以下である、3)水分の含有量が製剤全量の3重量%以下である、及び4)製剤の性状が固形乃至は半固形である、言い換えれば、性状特性値としては粘度ではなく、硬度を用いた方が適切であるような性状のものを意味する。この様なオイルゲル化粧料は、リップカラー、リップクリーム、固形油性おしろい、固形油性頬紅などの商品に応用されている。特に広汎に使用され、代表的であると思われるものは口唇部に適用する化粧料であるリップスティックである。この様なオイルゲル化粧料では、水分を含まないか、極めて僅かしか含まないため、これまで、微生物に汚染されにくい製剤であり、防腐剤などの感作性などのデメリットを考慮して、防腐剤を含有しない形態が取られてきた。しかしながら、近年リップカラーに於ける異臭の発生が時として問題になることがあり、その原因を調べてみると、有芽胞菌やスタフィロコッカス属の菌の汚染であることがしばしば観察された。リップスティックの汚染源を考えると、口腔内存在菌、皮膚常在菌及び環境由来菌が考えられるが、有芽胞菌は環境由来菌に属し、スタフィロコッカス属の菌は皮膚常在菌と考えられる。これは、スタフィロコッカス属が口唇部に存在していること、口唇部存在菌のなかでスタフィロコッカス属の菌が特に乾燥に強く、これがオイルゲル製剤での生育を可能ならしめていること及びリップカラーなどの化粧料は、1回の使用量が極めて少なく、且つ、一人の使用者が複数のリップスティックを所有しており、1種のリップスティックの使用機会も他の化粧料に比して少ない為、使用期間が他の化粧料に比べて長いことによるものと思われる。これらの裏付け調査を以下に述べる。
<口唇部よりの菌の分離と同定>
パネラー47名より口唇部の菌の採取、分離、同定を行った。即ち、綿棒で口唇部を擦過し、0.85%滅菌生理食塩水で抽出、希釈して表1に示す精勤数測定用培地に平板塗沫し、7日間30度で好気培養した。分離用培地に35℃24乃至48時間培養後、一時鑑別としてグラム染色・オキシダーゼ・カタラーゼ・芽胞染色を行い、グラム陽性菌用としてベクトン・ディッキンソン「BBLCRYSTALGP検査キット」を用いた。結果を図1に示す。これより、口唇部には口腔由来のストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)、ロッチア・デントカリオサ(Rohia dentocariosa)等が皮膚由来菌として、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)等が検出された。即ち、リップスティックなどを使用することにより、これらの菌がリップスティック上に移植される可能性が示唆された。
<回収したリップカラーからの菌の採取と同定>
リップカラーを47名のパネラーに30日間使用してもらい、回収し、直後と25℃湿度95%条件下に放置後、サンプル1gをストマッカー用袋に採り、1gの試薬Aを加え、充分なじませた後、試薬Bを8ml加え、ストマッカーに1分間かけ、10倍希釈液とした。試薬Cにて適宜希釈し、生菌数測定用培地に平板塗沫した。後は、口唇部と同様に同定を行った。結果を図2に示す。これより使用後のリップカラーにはスタフィロコッカス・エピデルミディス等の菌が存在していることがわかる。即ち、リップスティックなどのオイルゲル化粧料を安定に、長期間使用するためには、これらの菌に対する防腐力を付与することが必要であることがわかる。
上記のリップカラーに見られる微生物によるオイルゲル化粧料の経時的劣化の現象は、他のオイルゲル化粧料全般にわたって予測されるべきことである。これは、使用部位の菌叢の内、特に乾燥に強いものが化粧料に残存する傾向にあり、リップカラーで残存してきた菌が皮膚常在菌であるためである。従って、かかる課題はオイルゲル化粧料全般にわたるものである。しかしながら、パラベン類などの防腐剤を使用する以外にはこの様な手段は得られていない。
防腐剤として化粧料の分野で汎用されているのは、パラベン類、ベンザルコニウム類、ヒビテン類などが存在するが、リップカラーは口唇部に塗布するため、粘膜刺激が懸念されるベンザルコニウム類、ヒビテン類は使用しにくく、オイルゲル化粧料全般にわたって使用できる防腐剤はパラベン類に限られる。しかしながら、パラベン類においては一過性刺激が発現する場合があり、パラベン類の添加に代わるオイルゲル化粧料の防腐力向上策が求められていた。
一方、1,2−ヘキシレングリコールは保湿剤として、化粧料用の原料として使用されているが、オイルゲル化粧料に使用されたことはなく、オイルゲル化粧料において防腐力向上作用を発揮することも知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、オイルゲル化粧料において、パラベン類の添加に代わる防腐力向上手段を提供することを課題とする。
【0009】
【課題の解決手段】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、オイルゲル化粧料において、パラベン類の添加に代わる防腐力向上手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、オイルゲル化粧料に1,2−ヘキシレングリコールを含有させることにより、この様な防腐力向上がなし得ることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1) 1)固形脂、半固形脂及びオイルの含有量が化粧料全量の30重量%以上であり、2)多価アルコールとして1,2−ヘキシレングリコールを含有し、且つ多価アルコールの含有量が化粧料全量の5重量%以下であり、3)水分の含有量が化粧料全量の3重量%以下であり、4)性状が固形乃至は半固形であることを特徴とする、オイルゲル化粧料
(2) 1,2−ヘキシレングリコールの含有量が化粧料全量の0.01〜5重量%であることを特徴とする、(1)に記載のオイルゲル化粧料
(3) 更に、色素乃至は粉体を化粧料全量の1〜30重量%含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載のオイルゲル化粧料
(4) 口唇部用であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載のオイルゲル化粧料
(5) スタフィロコッカス属の菌の汚染に抵抗性を有することを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載のオイルゲル化粧料
以下、本発明について更に詳細に説明を加える。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のオイルゲル化粧料は、1,2−ヘキシレングリコールを必須成分として含有する。1,2−ヘキシレングリコールは、保湿作用を有すると同時に、パラベン類などの従来の防腐剤に見られる一過性の刺激感の発現が極めて少ない。かかる1,2−ヘキセイレングリコールは既に化粧料用の原料として使用されているものを利用できる。このものは、本発明の化粧料において、微生物の成育を阻害するとともに、その保湿作用により、皮膚に潤いを与え、皮膚バリア機能を強化し、外部からの刺激に対して抵抗力を高める作用を発揮する。又、かかる成分は原料臭がほとんど無いため、賦香などを行うことなく化粧料に加工できる。本発明のオイルゲル化粧料に於ける、1,2−ヘキシレングリコールの好ましい含有量は、オイルゲルの剤形により異なるが、0.01〜5重量%であり、更に好ましくは、0.05〜2重量%である。これは少なすぎると微生物に対する作用を発揮しない場合があり、多すぎると、オイルゲル構造を壊すなどの製剤安定性状好ましくない作用を発現させる場合があるからである。
本発明で言うオイルゲル化粧料とは、1)ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ等の固形脂、水添ヤシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、水添イソブテン等の半固形脂及びオクタン酸セチル、スクワラン、ジメチコン、フェメチコン等のオイルの含有量が製剤全量の30重量%以上である、2)1,2−ヘキシレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールの含有量が製剤全量の5重量%以下である、3)水分の含有量が製剤全量の3重量%以下である、及び4)製剤の性状が固形乃至は半固形である、言い換えれば、性状特性値としては粘度ではなく、硬度を用いた方が適切であるような性状のものであって、皮膚外用に投与されるものを総称を意味する。この様なオイルゲル化粧料としては、例えば、リップカラー、リップクリーム、モイストファンデーション、チークカラー、スポッツカバー、スポッツ美白剤などが例示でき、中でも、口唇部に適用するものが好ましい。
本発明のオイルゲル化粧料は、上記の必須成分である1,2−ヘキシレングリコール以外に、通常オイルゲル化粧料で使用される任意の成分を含有することができる。この様な任意の成分としては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン等のような炭化水素類、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モクロウ、ミツロウやセチルイソオクタネート等のエステル類、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヤシ油、硬化ヤシ油オリーブ油等のトリグリセライド類、オクタデシルアルコールやオレイルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸。ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール等の1,2−ヘキシレングリコール以外の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、ベントナイト或いは有機変性ベントナイト等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤類、色素類、粉体類等が例示できる。これらの内、好ましい形態としては、色素乃至は粉体類を1〜30重量%含有する形態が例示できる。これはこの様な形態では微生物がより繁殖しやすく、従って、本発明の必須成分である1,2−ヘキシレングリコールの防腐効果がより効果的に発揮されるからである。本発明のオイルゲル化粧料は、かかる必須の成分と任意の成分とを常法に従って処理することにより、製造することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、オイルゲル化粧料において、パラベン類の添加に代わる防腐力向上手段を提供することができる。

Claims (5)

  1. 1)固形脂、半固形脂及びオイルの含有量が化粧料全量の30重量%以上であり、2)多価アルコールとして1,2−ヘキシレングリコールを含有し、且つ多価アルコールの含有量が化粧料全量の5重量%以下であり、3)水分の含有量が化粧料全量の3重量%以下であり、4)性状が固形乃至は半固形であることを特徴とする、オイルゲル化粧料
  2. 1,2−ヘキシレングリコールの含有量が化粧料全量の0.01〜5重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のオイルゲル化粧料
  3. 更に、色素乃至は粉体を化粧料全量の1〜30重量%含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のオイルゲル化粧料
  4. 口唇部用であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載のオイルゲル化粧料
  5. スタフィロコッカス属の菌の汚染に抵抗性を有することを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載のオイルゲル化粧料
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