JP2004011832A - クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クラッチレリーズ軸受装置の動作時における異音の発生を効果的に抑制できる一方で、円盤部43は平板状であり、また突起22fは樹脂製であることから、たとえ突起22fの方が切欠43aより大きくても容易に弾性変形するので、突起22fと切欠43aとを圧入によらず、作業者の手で近接する方向に押し込むだけで係合させることができ、従って組付性に優れる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに用いられるクラッチレリーズ軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等に搭載され摩擦板を用いた動力断続装置であるクラッチを動作させる場合において、入力部材であるレリーズフォークで、回転部材であるクラッチカバーのダイヤフラムスプリングを軸線方向に押圧することにより、スプリングの付勢力を摩擦板から解除して動力伝達の切り離しが行なわれている。
【0003】
ところで、レリーズフォークは車体等の固定側に通常配置されているが、クラッチカバーはエンジンのフライホイール等に取り付けられてそれと一体的に回転するようになっている。従って、クラッチカバーのダイヤフラムスプリングをレリーズフォークが直に押圧するとなると、当接部の摩耗を招来することとなる。そこで、ダイヤフラムスプリングに当接して一体的に回転する回転輪を含むクラッチレリーズ軸受と、この軸受を所定の状態に保持すると共にレリーズフォークからの入力を受けるようになっている回転しない軸受保持部材とからなるクラッチレリーズ軸受装置を、ダイヤフラムスプリングとレリーズフォークとの間に設けている(例えば特開平11−315855号参照)。
【0004】
この特開平11−315855号に開示されたクラッチレリーズ軸受装置においては、軸受の内輪の先端部がダイヤフラムスプリングに対向し、一方、軸受の外輪の後端は、ガイドスリーブのフランジ部に半径方向移動自在に取り付けられている。レリーズフォークの先端によりガイドスリーブのフランジ部が後方から押されれば、内輪先端部がダイヤフラムスプリングに当接するよう、軸受装置全体が軸線方向に移動可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるクラッチレリーズ軸受装置の場合、樹脂製スリーブに鋼製のアンビルを取り付けることで、レリーズフォークからの大荷重に耐え得る構成を実現している。又、アンビルに設けた折曲部を、スリーブに設けた切欠に圧入することで、或いはアンビルに設けた凹部に、スリーブに設けた凸部を圧入することで、動作時におけるアンビルとスリーブの相対回転を抑制している。
【0006】
しかるに、アンビルの折曲部等をスリーブの切欠等に圧入するためには、アンビル及びスリーブの寸法を高精度に管理する必要があり、圧入のための治具や装置も必要となって、コストが増大する。しかし、アンビルの折曲部やスリーブの切欠等を省略すると、両者が相対回転することによる異音などの問題が発生する。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、低コストであるにもかかわらず、異音の発生を抑制できるクラッチレリーズ軸受装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明のクラッチレリーズ軸受装置は、
互いに同心的に配置されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転する他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、ガイド軸上に摺動自在に嵌合された円筒部と、フランジ部とを備える樹脂製の軸受保持部材と、該軸受保持部材に対して、該クラッチレリーズ軸受の該一方の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する連結部材と、前記フランジ部とクラッチレリーズ力を入力する入力部材との間に設けられ、前記入力部材から前記フランジ部へと前記クラッチレリーズ力を伝達するアンビル部を有する補強部材とからなるクラッチレリーズ軸受装置において、
前記フランジ部又は前記補強部材に形成された突起が、前記補強部材又は前記フランジ部に形成された切欠に係合しており、それにより前記軸受保持部材と前記補強部材との相対変位が阻止されることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明のクラッチレリーズ軸受装置によれば、前記フランジ部又は前記補強部材に形成された突起が、前記補強部材又は前記フランジ部に形成された切欠に係合しているので、組み付け時に圧入によらずに前記突起を前記切欠に容易に係合させることができ、それにより前記円筒部の軸線周りにおける前記軸受保持部材と前記補強部材との相対変位が阻止されるので、異音等の発生を効果的に抑制できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるクラッチレリーズ軸受装置をレリーズフォーク側から見た図である。図2は、図1のクラッチレリーズ軸受装置をII−II線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。
【0011】
図2において、クラッチレリーズ装置は、クラッチレリーズ軸受10と、軸受保持部材であるガイドスリーブ20と、連結部材であるばね部材30と、補強部材40とからなる。クラッチレリーズ軸受10は、左方端に当接部11aを有する略円管状の内輪11と、内輪11を同心的に内包する短い円管状の外輪12と、内輪11と外輪12との間に転動自在に配置された複数のボール15と、ボール15を所定間隔で保持する保持器16と、ボール15の軸線方向両側で内輪11と外輪12とにより画成される空間を防塵油密的に密封するシール17、18とからなる。内輪11は外輪12に対して回転自在に支持されている。また内輪11の当接部11aは、図示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに当接するようになっている。
【0012】
一方、ガイドスリーブ20は樹脂製であって、円管状の本体21と、本体21の中央近傍の外周から半径方向に延在するフランジ部22と、フランジ部22の半径方向外方端において軸線方向左方に突出する外壁部23と、フランジ部22の半径方向外方端において、図2で軸線方向右方に突出するガイド部25(図1)とからなる。本体21の内方には図示しないガイド軸が延在しており、本体21はガイド軸上を摺動自在となっている。なお、本体21の内方には拡径部24が設けられている。この拡径部24は、本体21がガイド軸上を摺動する際に異物を噛みこまないように機能するものである。外壁部23は、クラッチレリーズ軸受10の外方に設けられ、その半径方向の移動制限部となっている。また、クラッチレリーズ軸受10を半径方向に移動可能とするため、外輪12の外周と外壁23の内周との間には隙間27が形成されている。ガイド部25はばね部材30の組付時にガイドの機能を有するものであり、ばね部材30の両わきを軸線方向に延在している。また、外輪12は、JIS規格のSUJ2を素材としてお施削し、その後、焼き入れすることによって形成しているが、板材をプレスすることによって形成しても良い。
【0013】
図1より明らかなように、同一形状のものが2つ設けられたばね部材30は、クラッチレリーズ軸受10をガイドスリーブ20に対して取り付ける機能を有する。図3は、ばね部材30の斜視図である。ばね部材30は、一枚のSK5等のばね鋼板をプレスで打ち抜いた後折り曲げその後焼入処理することによって形成されている。ばね部材30は、ガイドスリーブ20のフランジ部に当接するベース部31と、軸受の外輪12に当接する押圧部32と、ベース部31と押圧部32との間に設けられ、押圧部32に外輪12を付勢するための弾性力を付与する梁部33とからなっている。なお、押圧部32はシール17に接触しないように、またばね部材30の組付を容易にすべく、軸線方向外方に傾斜した傾斜部32aを有する。
【0014】
更にばね部材30は、梁部33の中央下面において上方にくぼんだ凹部34を有しており、この凹部34には、ガイドスリーブ20のフランジ部22に形成された凸部22h(図2)が係合するようになっている。また、ベース部31の両側部31aにおける下方端近傍においては、くぼみを構成する切欠き37が形成され、更にベース部31の中央近傍には、比較的大きな矩形開口38が形成されている。
【0015】
図4は、補強部材40の斜視図である。補強部材40は、円筒部41と、円筒部41の略中央から図4で上方および下方へ突出したステップ状のアンビル部42と、円筒部41の端部から半径方向に延在する平板状の円盤部43とからなり、比較的肉厚の薄い板をプレスし、その後焼入処理することによって形成される。これによりシフトフォークとの接触部にて著しい摩耗が発生しないようにしている。
【0016】
円筒部41は、ガイドスリーブ20に取り付けられた際に本体21に丁度嵌合する径を有し、それにより補強部材40の半径方向の位置決めが達成されるようになっている。
【0017】
補強部材40の円盤部43には、その円周部に180度位相で矩形状の切欠43aが一対形成されており、この切欠43aは取付時に、ガイドスリーブ20のフランジ部22の対応する位置に形成された突起22f(図4に一点鎖線で図示)と係合する。尚、円盤部43の円周部において、図1に示す状態でばね部材30が取り付けられる位置には、図4に示すように、突起22c、ストッパ22g(図1)を通過させる係合切欠43bと、係止部43cが形成されている。
【0018】
図5は、図1の構成をV−V線で切断して矢印方向に見た図であり、図6は、図1の構成をVI−VI線で切断して矢印方向に見た図である。図5における突起22fと切欠43aの(ガイドスリーブ20の軸線周り方向)隙間Δ1、及び図6における突起22fと切欠43aの(ガイドスリーブ20の半径方向)隙間Δ2は、本実施の形態においては、ほぼゼロとしている。従って、ガイドスリーブ20と補強部材40との相対回転変位やシフト変位(がたつき)が効果的に抑制され、それによりクラッチレリーズ軸受装置の動作時における異音の発生を効果的に抑制できる。一方、平板部である円盤部43は平板状であり、また突起22fは樹脂製であることから、たとえ突起22fの方が切欠43aより大きくても容易に弾性変形するので、突起22fと切欠43aとを圧入によらず、作業者の手で近接する方向に押し込むだけで係合させることができ、従って組付性に優れる。尚、突起22fの組み付け方向端部外縁に面取り部43dを形成すると、組付をより容易に行うことができる。
【0019】
更に、円盤部43に形成された係合切欠43bには、ガイドスリーブ20の突起22cとストッパ22gが通過するようになっている。フランジ部22における突起22cの近傍に形成された矩形状の突起であるストッパ22gは、図1から明らかなように、ばね部材30をガイドスリーブ20に取り付ける際に、ばね部材30の矩形開口38に係合して、それ以上ばね部材30が内方に押し込まれることを阻止するように機能する。
【0020】
次に、本発明の実施の形態であるクラッチレリーズ軸受装置の動作につき、以下に説明する。図2において、レリーズフォーク(不図示)が枢動すると、その先端が補強部材40のアンビル部42(図1のクロスハッチングで示す領域)に当接して一定の荷重を印加する。補強部材40の板厚は比較的厚くその剛性も十分であるため、レリーズフォークより伝達される大荷重を受けることができる。クラッチレリーズ軸受装置は、レリーズフォークからの入力により図示しないガイド軸上を軸線方向に摺動して、図示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに内輪11の当接部11aを当接させる。ダイヤフラムスプリングが回転していても、内輪11は回転自在であるので、当接後にダイヤフラムスプリングと一体で回転することとなり、更に軸受装置が軸線方向に移動することによりダイヤフラムスプリングが押圧されてクラッチが動作されるようになっている。
【0021】
ばね部材30は適切な板厚となっていて、ガイドスリーブ20に対してクラッチレリーズ軸受10を、押圧部32と外輪12との間に作用する摩擦力のみで支持しているため、軸受10はガイドスリーブ20に対して半径方向に移動可能となっている。従って、内輪11の当接部11aがダイヤフラムスプリングに当接したとき、両者の間に偏心があれば、軸受10を同心に位置させようとする公知の力が生じ、それにより軸受10は半径方向に移動して、自動調心が達成されることとなる。なお、ガイドスリーブ20の外壁部23は、軸受10が所定量以上半径方向外方に移動しないよう制限する機能を有する。また、一般の玉軸受の外輪にはフランジがないタイプが多いので、本実施の形態のように外輪をばね部材30で挟みこむように構成すれば、外輪自体を改造する必要がなく既存のものを使用でき、コスト低減に寄与しうる。
【0022】
以上、本発明を実施例を参照して説明してきたが、本発明は上記実施例に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、補強部材側に突起を設け、ガイドスリーブ側に切欠を設けても良い。
【0023】
【発明の効果】
本発明のクラッチレリーズ軸受装置によれば、前記フランジ部又は前記補強部材に形成された突起が、前記補強部材又は前記フランジ部に形成された切欠に係合しているので、組み付け時に圧入によらずに前記突起を前記切欠に容易に係合させることができ、それにより前記円筒部の軸線周りにおける前記軸受保持部材と前記補強部材との相対変位が阻止されるので、異音等の発生を効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるクラッチレリーズ軸受装置をレリーズフォーク側から見た図である。
【図2】図1のクラッチレリーズ軸受装置をII−II線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。
【図3】ばね部材30の斜視図である。
【図4】補強部材40の斜視図である。
【図5】図1の構成をV−V線で切断して矢印方向に見た図である。
【図6】図1の構成をVI−VI線で切断して矢印方向に見た図である。
【符号の説明】
10 クラッチレリーズ軸受
20 ガイドスリーブ
30 ばね部材
40 補強部材
Claims (1)
- 互いに同心的に配置されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転する他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、ガイド軸上に摺動自在に嵌合された円筒部と、フランジ部とを備える樹脂製の軸受保持部材と、該軸受保持部材に対して、該クラッチレリーズ軸受の該一方の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する連結部材と、前記フランジ部とクラッチレリーズ力を入力する入力部材との間に設けられ、前記入力部材から前記フランジ部へと前記クラッチレリーズ力を伝達するアンビル部を有する補強部材とからなるクラッチレリーズ軸受装置において、
前記フランジ部又は前記補強部材に形成された突起が、前記補強部材又は前記フランジ部に形成された切欠に係合しており、それにより前記軸受保持部材と前記補強部材との相対変位が阻止されることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002168327A JP2004011832A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | クラッチレリーズ軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002168327A JP2004011832A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | クラッチレリーズ軸受装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004011832A true JP2004011832A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30435268
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002168327A Pending JP2004011832A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | クラッチレリーズ軸受装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004011832A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP2006194305A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Nsk Ltd | クラッチレリーズ軸受装置 |
| JP2006233996A (ja) * | 2005-02-22 | 2006-09-07 | Nsk Ltd | クラッチレリーズ軸受装置 |
| JP2008014331A (ja) * | 2006-07-03 | 2008-01-24 | Nsk Ltd | クラッチレリーズ軸受装置及びクラッチレリーズ軸受装置の組付方法 |
| JP2009024775A (ja) * | 2007-07-19 | 2009-02-05 | Nsk Ltd | クラッチレリーズ軸受装置 |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168327A patent/JP2004011832A/ja active Pending
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