JP2004012200A - X線断層撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】X線源と、被検査体の投影像を撮像する二次元検出手段との間に被検査体7を載置しX線焦点からこの二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を持つ回転基台部と、この回転基台部を垂直方向へ位置調整する垂直方向微動機構とを有するX線断層撮像装置において、この回転基台部にこの回転軸と直交する平面上の位置調整を行う水平方向微動位置調整機構を有する微動手段9を設けるようにしたものである。
ここで、回転基台部を回転させ被検査体7の投影像を撮像中には、微動手段9の駆動源13をこの回転基台部全体から切り離しておくようにする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線を用いて被検査体の内部構造を検査するX線断層撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子等の研究開発分野では、微小被検査体内部に存在するひび割れや断線等を検査するため非破壊3次元分析が要求されている。その手法のひとつとして用いられる方法としてX線を用いた断層撮像方法がある。X線断層撮像装置(X線CT装置)は、例えば、X線源(X線管等から構成されるX線発生装置)と、このX線源よりX線焦点を経て被検査体にコーンビーム状に照射されて透過したX線を検出する二次元検出手段と、この二次元検出手段との間に被検査体を載置すると共にX線焦点からこの二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を備え設定に基づく角度変位ピッチで回転する回転基台部を有するマイクロフォーカスX線CT装置などがある。被検査体の透過X線を二次元検出手段により撮像しディジタル化された各角度位相毎の複数の画像データ(投影データ)等として処理し、これら各画像データより内部構造データを再構成することによって被検査体内部を検査及び観察等行う如くする。
【0003】
例えば、X線源と二次元検出器の間で被検査体を回転させるマイクロフォーカスX線CT装置において、A4サイズ程度の大きさの投影像を検出する能力を有する二次元検出手段によって、回転基台部の回転テーブル上に載置された例えば15×15mm、厚さ1mmほどの微小な被検査体を旋回させX線を照射して150倍前後の拡大視野で再構成できる被検査体の領域は、被検査体内部空間の回転軸近傍の1mm2程度である。この部位を通常は再構成のための投影データ取得以前に拡大透視しつつ探査する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、被検査体を把持し回転する被検査体回転機構全体を垂直方向へ位置調整する機構は用いられていたが、被検査体回転テーブル上に搭載された回転軸に直交する平面上の微動テーブルは無かった。したがって、コーンビーム状のX線を用いたシングルスキャン方式で被検査体を回転させ全周方向から投影データを取得するとき、上記特定部位が被検査体の端に位置する場合、その特定部位の投影像が二次元検出手段の視野外へはみ出さないようにするために、拡大率を犠牲にし被検査体とX線焦点の距離を離さなければならなかった。さらに投影像が二次元検出手段の視野内に入ったとしても、前記特定部位が被検査体の回転軸近傍には無いので再構成される画像の劣化が生じるという不都合があった。
【0005】
上述の場合、被検査体の特定部位が被検査体内部の偏った位置にあることが判明した段階で、X線照射を停止しシールドカバーの電離放射線遮蔽窓を開け、図8に示すように、手作業で被検査体把持機構と被検査体の相互位置を調整すれば、前記特定部位を被検査体回転軸近傍へ移動させることは可能である。極僅かな位置調整を行うこの作業は多大な時間を浪費する。
【0006】
また、図8に示すように、X線吸収係数の高い部位が被検査体内部で複数個整列している場合、照射X線上に重なった部分についてはその部位をX線が透過せず正確な投影データを得ることができない。特定部位が平板状の被検査体厚さ方向で段重ねになっており、その一部分を抜き取って拡大したい場合など、平板を傾けたりあおったりすることができれば、投影データを取得すべき部位を透視しつつ特定することが容易になる。また傾けたりあおったりした姿勢のまま投影データを取得すれば、再構成計算以前に投影像の上下の端面として保存すべきデータから削除することも可能で、再構成画像の品質向上が図れる。
【0007】
また、回転基台部の回転軸受けとして回転基台部機構全体を支持し滑らかに回転して微小角度変位制御できるものとして空気軸受けを選択して用いた場合、この空気軸受けの回転部は実際には薄い空気膜の上に浮かんでいて、回転軸のラジアル方向荷重に比例して回転軸が偏芯する。したがって、空気軸受けの回転テーブル上にはラジアル方向荷重を発生させる機構の使用は避けなければならない。また、360°以上旋回させることを許容する上でも回転テーブル上に外部と繋がった配線は施すべきではないが、このような要求機能を満たす機構の微動手段は提案されていなかった。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑み、X線照射を継続したまま被検査体を回転テーブルの回転方向及び垂直方向以外の方向に位置調整して被検査体の観察すべき部位を特定し、位置調整後の姿勢を保ったまま被検査体の投影像を撮像することができ、また、回転基台に空気軸受けを使用した場合に、空気軸受けのコンセントリシティーに影響を与えない微動手段を有するX線断層撮像装置を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、X線源と、被検査体の投影像を撮像する二次元検出手段との間に被検査体を載置しX線焦点から前記二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を持つ回転基台部と、この回転基台部を垂直方向へ位置調整する垂直方向微動機構を有するX線断層撮像装置において、被検査体を回転軸の回転方向及び垂直方向以外の方向に位置調整することができる微動機構を有する微動手段を設ける如くするものであって、以下のように構成される。
【0010】
本発明のX線源断層撮像装置は、X線源と、被検査体の投影像を撮像する二次元検出手段との間に被検査体を載置しX線焦点からこの二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を持つ回転基台部と、この回転基台部を垂直方向へ位置調整する垂直方向微動機構とを有するX線断層撮像装置において、この回転基台部にこの回転軸と直交する平面上の位置調整を行う水平方向微動位置調整機構を有する第1の微動手段を設けるようにしたものである。
【0011】
斯かる本発明によれば、X線照射を継続したまま、被検査体を回転基台部の回転軸に垂直な平面内で微動させることができ、被検査体内部の特定部位をその投影像が回転軸近傍に位置するよう調整することができる。
【0012】
また、本発明のX線断層撮像装置は、X線源と、被検査体の投影像を撮像する二次元検出手段との間に被検査体を載置しX線焦点からこの二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を持つ回転基台部と、この回転基台部を垂直方向へ位置調整する垂直方向微動機構とを有するX線断層撮像装置において、この回転軸と直交する旋回中心軸を持つゴニオステージからなる第2の微動手段を設けるようにしたものである。
【0013】
斯かる本発明によれば、X線照射を継続したまま、被検査体を回転基台部の回転軸と直交する旋回中心軸を中心として微動旋回させることにより、被検査体内部に複数個のX線吸収係数の高い部位が直線上に並んでいる場合でも、之等の部位の高さを個々に垂直方向へ分離し被検査体の観察すべき部位を特定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のX線断層撮像装置の実施の形態の例につき図1〜図6を参照して説明する
【0015】
本例においては、X線を用いた断層撮像装置につき説明するが、本発明に適用されるものとしては、X線に限らずその他の放射線等を多方向から物体に照射し、撮像された複数の投影像より内部構造データを再構成計算する方法を用いた装置であればよい。
【0016】
図1A,Bは工業用、例えば半導体素子等微小被検査体の内部構造を検査する非破壊検査等の用途に使用されるX線断層撮像装置の一例の概略図である。図中、1は例えばコーンビーム状のX線を発生して被検査体7全体を照射する公知のX線源(X線発生装置)であり、X線発生装置のX線管1から照射されるX線により被検査体7の投影像の撮像を行い、このときの被検査体7の透過X線を、二次元検出手段としてのX線二次元検出器(以後、二次元検出器ともいう)2で捕獲し投影像を得る。
X線管1から照射されるX線は、例えば焦点サイズ5μm以下の極小のX線焦点を形成するよう構成されている。X線断層撮像装置の分解能はX線の焦点サイズが主要な決定要素の一つであって、この数値は小さいほうがより微少サイズの損傷等を観察でき好ましい。
【0017】
X線二次元検出器2は、例えば、フラットパネルディテクタ(FPD)より構成され、透過X線が中心に照射されるよう左右上下への動きを調節することができる。FPDについては、特開平6−342098に具体的に開示されている。被写体を透過したX線をa−Se層等の光導電層で吸収してX線強度に応じた電荷を発生させ、その電荷量を画素毎に検知する如くするものである。他の方式のFPDの例としては、特開平9−90048に開示されているように、X線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発生させ、その蛍光の強度を検知するものがある。蛍光の検知手段としては他に、CCDやC−MOSセンサを用いる方法もある。
【0018】
特に上記の特開平6−342098に開示された方式のFPDでは、X線量を画素毎の電荷量に直接変換するため、FPDでの鮮鋭性の劣化が少なく、鮮鋭性に優れた画像が得られる。本発明はこのように、X線等のX線を捕獲し何等かの手段で画素毎に処理して画像信号を得られるものであればよい。
【0019】
3は被検査体7を載置する回転基台、回転基台を回転させるためのモーター及び後述する軸受け等より構成される回転基台部全体(以後、回転基台という)である。この回転基台3は回転基台3の回転軸と平行方向、即ち図1Aに示すように、Z軸方向(垂直方向)に移動するZ軸駆動機構3aを備えてなる。被検査体7は回転基台上の保持冶具8にて保持、固定されるようになっている。
【0020】
この回転基台3は、本例では後述する空気軸受けによって支持されており、回転軸はX線管1の焦点からX線二次元検出器2へ降ろした垂線と直交している。この空気軸受けは、回転基台3を支持し滑らかに回転して微少角度変位制御できるものであり、空気軸受けに同軸上に直結された0.2分以下の角度位置決め精度を持つサーボモータ及び回転位相検出手段により、之等サーボモータ及び回転位相検出手段の分解能に応じた各角度変位において、再構成に必要な上記投影データの取り込み期間に同期して静止される。
【0021】
5はX線源のX線管1を搭載し、軸受け4の回転軸と直交する平面上を移動するXYテーブルである。被検査体7の旋回半径を適宜XYテーブル5にフィードバックし、必要に応じ被検査体7とX線焦点を極接近させた状態で投影データを取得することができる。拡大率を支配する1番上位の要素はX線焦点と回転基台3に保持された被検査体7との相互間距離であり、拡大率が大きければ、より微細な部位の内部構造を解析することが可能となる。
【0022】
6は後述する水平方向微動位置調整機構全体(水平微動機構)で被検査体7及びこの被検査体7の把持・固定手段である保持冶具8を搭載する。保持冶具8は、後述する軸受け4の回転軸に直交した平面上(X線断層撮像装置水平方向)を微動する水平微動テーブル9に固定されている。
【0023】
40は以上述べたX線断層像撮象装置を構成する全ての装置、部材等を載置し照射位置に誤差が生じないよう振動を除去する除振台である。そして、41はX線断層撮像装置からX線等のX線が外部に漏れないよう全体を覆う、鉛等よりなるシールドカバーである。
【0024】
図2は本例X線断層撮像装置の構成図である。
まず、X線源を構成するX線管1より回転基台3に載置された被検査体7に対してX線が照射される。被検査体7は回転基台3、Z軸駆動機構3a及び水平微動機構6により位置を微調整して所望の部位を観察するのに最も適正な位置に設定される。このとき照射されるX線の強度、焦点サイズ等はX線制御手段であるX線制御部30を通じて制御操作手段である制御操作卓32により制御される。
【0025】
また、回転基台3の位置、回転角度ピッチ、初期回転角等は回転基台3並びにXYステージ5の動きを制御する機構制御手段である機構制御部31を通じて、制御操作卓32により制御される。回転基台3に載置された被検査体7は制御操作卓32によって指定された角度回転され、その投影像はX線二次元検出器2により撮像される。
【0026】
この制御操作卓32は、キーボード等の入力手段を備える、例えば、パーソナルコンピュータ等よりなり、情報の処理を行う情報処理手段及び入力値等表示する表示手段とを有する。例えば、X線管1よりのX線強度等の情報を制御操作卓32に取り込みこの表示手段に表示したり、回転基台3や水平微動機構6等に対して被検査体7の適切な位置出しのための指令を出力する如くすることができる。
【0027】
被検査体7を透過したX線はFPD等のX線二次元検出器2で捕獲され検出される。このX線二次元検出器2は検出したX線の情報である投影像を投影像記憶手段としての投影像記憶部33に供給し、この投影像は制御操作卓32からの指示により、例えばディジタル化された投影データとして大容量の磁気記録媒体等よりなる投影像記憶部33にその角度に応じた適切な箇所に保存される。この投影像記憶手段は投影データを記録できる記録容量を有する記録媒体であればこれに限るものではなく、光ディスクや半導体メモリ等さまざまなものが適用できる。
【0028】
投影像記憶部33に記憶された投影データは、これと接続された再構成手段としての再構成計算用計算機34に供給される。この投影像記憶部33に記憶された投影データは、制御操作卓32よりその投影像の回転角度ピッチや初期回転角、X線強度等の情報と対応して記憶される。
【0029】
再構成計算用計算機34では入力された投影データより、内部構造データを再構成計算し、再構成された内部構造データは、投影像記憶部33あるいは他の記録媒体に記憶されると共に、図示しない表示メモリを介して表示手段である再構成結果表示装置35に入力され、CRTモニタ等のディスプレイに表示される。この再構成計算用計算機34は、入力される投影データを収集して内部構造データを再構成できる演算処理能力があればよく、制御操作卓32の情報処理手段と共用でもよい。また、再構成結果表示装置35等の表示手段は制御操作卓32の表示手段と共用であってもよい。また、再構成結果表示装置35の表示手段は制御操作卓32の表示手段と共用であってもよい。
【0030】
以上のようにして、被検査体7の内部構造データが再構成結果表示装置35に得られ内部構造が表示され、容易に微小な電子部品素子等の被検査体内部のひび割れや断線などの欠陥の有無を視覚的に確認することができる。
【0031】
図3は本発明X線断層撮像装置の水平方向微動位置調整機構全体の上面図を示すものであり、図4はその側面図である。
【0032】
図4に示す水平微動テーブル9は軸受け4に締結された固定側部材10に対し、水平微動機構内部に図面上左右方向に設けられた図示しないクロスローラを直動ガイドとして、例えば15mm前後の距離を12のボールネジ駆動系を介し、軸受け4の回転軸に直交した面内(水平面)で微動することができる。
【0033】
13のモーターはボールネジ駆動系12の駆動源であるが、軸受け4の回転動作中はシリンダー14を下降させ切り離されている。軸受け4の回転原点角度位置において被検査体透視作業時、被検査体7内部の投影データを拡大視野に取得すべき部位を探査しつつ特定した後、軸受け4の回転軸近傍へと移動せしめる際には、シリンダー14を上昇させ圧着ローラー15,16を連結しボールネジ12を駆動して水平微動テーブル9を微動させる。
【0034】
17は軸受け4に締結され、軸受け4が回転するとき、水平微動テーブル9と固定側部材10の両方へ押し付けられる部材18を有するクランプ機構全体(クランプ)である。自己保持型ソレノイド20が励磁されることによってクランプが開くように制御されている。
【0035】
19は引張りコイルバネ等の引張り手段で、この引張りコイルバネ19でボールネジ12のガタ分はキャンセルされているが、さらにシリンダー14が下降し、モーター13を切り離した直後、シリンダー14の位置を検出して投影データを取得する寸前に板バネ通電部22を介する自己保持型ソレノイド20の励磁を解除し、クランプ17を構成する部材18が水平微動テーブル9と軸受け4に締結された固定側部材10との両方へ押し付けられる。このように自己保持型ソレノイド20は無励磁状態において、クランプ17が閉塞し、回転基台3の回転と共に板バネ通電部22を接点とした外部配線との接続が断たれるように構成されている。
【0036】
これにより、引張りコイルバネ19の機能を補助し、さらに直動ガイドとしてのクロスローラ部分に内在するガタ分を取り除くようにする。一連の動作後、投影データを取得中、即ち、軸受け4の回転原点位置からスタートする回転動作中は、軸受けラジアル方向外力は自己保持型ソレノイド20の配線の剛性さえ一切の配線を削除するようにしたので無視することができる。
【0037】
軸受け4は空気軸受け構造であるので、薄い空気膜に浮いている状態であり、不要な外力はこの軸受け4の回転軸のコンセントリシティーに影響を与えるため好ましくない。また水平方向微動位置調整機構全体6が配線不要ということは、360°以上の連続回転撮像を行う際には有利であり、配線の剛性を逃がすためのスリップリング等は不要で水平方向微動位置調整機構全体6を簡素化することができる。
【0038】
21は軸受け4の垂直方向荷重に対するバランサーである。軸受け4の上部へ設けられる水平方向微動位置調整機構全体6は、図3に示すように図上上下がシンメトリックであるが、バランサー21によって図上左右へも均等に荷重をかけることができる。従って、軸受け4に対するラジアル方向へ外力を加えることがなく、不要な外力は一切存在しない。
【0039】
特に本例のように、軸受け4に空気軸受けを使用する場合においては、回転軸のコンセントリシティーに注力しなければならないが、上述のような構成をとることにより、この問題を解決することができる。
【0040】
図6は平板状の被検査体内部の特定部位を軸受け4の回転軸近傍へ水平微動テーブル9で移動させた模式図を示す。図中に示すように、例えば、3箇所のX線吸収係数の高い部位が並ぶ平板状被検査体7の左端の部位を観察したい部位として特定し撮像する際の位置調整方法を、図5に示すフローチャートに従い説明する。
【0041】
まず、被検査体7を保持冶具8に固定し、予め二次元検出器2の透視野へと被検査体7及び保持冶具8が入らない位置に移動させた水平微動テーブル9に締結し(ステップS1)、X線管1より出射されるコーンビーム状X線が被検査体7を介しおおよそ二次元検出器2の中央へ照射されるように二次元検出器2のプレキャリブレーションを行った後(ステップS2)、X線を被検査体7に照射する(ステップS3)。
【0042】
X線管1の下部XYテーブル5のX軸方向、自己保持回ソレノイド20及びシリンダー14を適宜操作しつつ被検査体7全投影が二次元検出器2の中央へ入るように調整する(ステップS4)。そして、被検査体7内部の再構成画像を得るべき被破壊特定部位を探査する(ステップS5)。
このときX線管1をXYテーブル5によってX軸方向に移動したとしても、軸受け4の空気軸受け回転中心軸の仮想投影座標(回転軸が二次元検出器2に投影されていると想定したときの位置)は、予めX線管1から二次元検出器2へ降ろした垂線と軸受け4の回転中心軸とが垂直に交差するよう調整されているので、二次元検出器2上でその座標位置が動くことがない。
【0043】
次に、被検査体7の特定部位の近傍のX線吸収係数の高い部位による再構成画像への影響がないかどうかを調べる(ステップS6)。影響がある場合には、後述するゴニオステージを使用して被検査体7の姿勢を変更するが、この例では、影響がないものとして次のステップへと進む。
【0044】
ステップS6にて被検査体7の特定部位の近傍のX線吸収係数の高い部位による再構成画像への影響がない場合、軸受け4を旋回させた時の保持冶具8の最大回転半径に干渉しない寸前までX線管1を近づける(ステップS8)。
【0045】
次に、被検査体7の特定部位が軸受け4の回転近傍にあるかどうかを調べ(ステップS9)、回転軸近傍に無い場合には、被検査体7へ接近させたX線管1を再度一定距離を取るように離す(ステップS10)。そして、自己保持型ソレノイド20を励磁し、クランプ17を解除後シリンダー14を上昇させモーター13で水平微動テーブル9を駆動し、特定部位を軸受け4の回転軸近傍への透視野上で移動する。その後、シリンダー14を下降させると共に自己保持型ソレノイド20の励磁を解除してクランプ17の部材18を水平微動テーブル9と固定側部材10の両方へ押し付けて固定した後(ステップS11)、ステップS8の工程に戻り、再びX線管1を被検査体7を把持する保持冶具8に接近させる。
【0046】
被検査体7の特定部位が軸受け4の回転軸近傍にある場合、被検査体7に対しその特定部位がX線焦点から二次元検出器2へ降ろした垂線の高さ近傍にあるかどうかを調べる(ステップS12)。特定部位が上記垂線の高さ近傍にある場合には、水平微動テーブル9にて被検査体7をX線透視野から離脱させ、照射X線が二次元検出器2の撮像領域中央に位置するよう二次元検出器2のキャリブレーションを実行する。その後、離脱前の元の座標へ水平微動テーブル9を戻す(ステップS14)。
【0047】
特定部位がX線焦点から二次元検出器2へ降ろした垂線の高さ近傍にない場合、Z軸駆動機構3aを駆動して、Z軸(高さ)方向の位置を調整した後(ステップS13)、ステップS14の工程へと進み、同様に水平微動テーブル9にて被検査体7をX線透視野から離脱させ、二次元検出器2のキャリブレーションを実行する。その後、離脱前の元の座標へ水平微動テーブル9を戻す。
【0048】
ここまでの準備が完了したならば、被検査体7の特定部位近傍を中心とした内部構造データを再構成するための投影データの取り込みを開始する(スタートS15)。そして、取り込まれた各投影データより、被検査体の特定部位の内部構造データを再構成し被検査体の評価を行う。
【0049】
斯かる本例によれば、被検査体回転機構である軸受け4の回転軸と直交する平面上の水平方向微動位置調整機構(水平微動テーブル9)を設けるようにしたので、観察したい特定部位が被検査体7の端にあるような場合にでも、X線を照射したまま特定部位が軸受け4の回転軸近傍となるように位置調整でき、特定部位の投影像が二次元検出器2の視野外に出ないように拡大率を犠牲にする必要がなく、また、再構成される内部構造データの画像の劣化を防ぐことができる。
さらに、従来の手作業によって被検査体7の特定部位を軸受け4の回転軸近傍へと位置調整した場合に浪費されていた時間を節減することができる。
【0050】
また、軸受け4に空気軸受けを用いる場合に、本例のように回転基台部を回転させ投影像を撮像中、水平微動テーブル9の駆動源を回転機構全体から切り離すと共に、この駆動源を回転基台部の回転機構全体から切り離す直前にクランプ17にて被検査体の座標位置を保持し、被検査体7の座標位置調整期間は、このクランプ17による保持動作を解除するようにしたので、回転軸に対しラジアル方向の外力を排し回転基台部の回転軸のコンセントリシティーを保つことができる。
【0051】
次に、本発明のX線断層撮像装置の実施の形態の他の例につき説明する。
本例は、上述例と同様、被検査体の投影像を撮像するX線二次元検出器との間に被検査体を載置すると共にX線焦点からこの二次元検出器の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を持つ回転テーブルを有するX線断層撮像装置であって、被検査体回転機構全体を垂直方向へ位置調整する垂直方向微動機構を有し、X線源のX線管よりコーンビーム状に照射されたX線により被検査体の投影像の撮像を行い、このときの被検査体の透過X線を、X線二次元検出器で捕獲し投影像を得る如くするものである。
【0052】
そこで、本例のX線断層撮像装置においては、先に述べた実施の形態の例の水平方向微動位置調整機構としての水平微動テーブル9の代わりに被検査体回転機構の回転軸と直交する微動旋回中心軸を持つゴニオステージ25を搭載する。あるいは、水平微動テーブル9の上にゴニオステージを追設するようにする。その他は上述例と同様の構成とし、図7について図6と対応する部分は同一符号を付し詳細な説明を省略する。
【0053】
図7に、X線断層撮像装置の水平微動テーブル9上にゴニオステージを設置した模式図を示す。図中、25はゴニオステージを示し、水平微動テーブル9上に設置され、軸受け4の回転軸と直交する旋回中心軸を中心として旋回することができる。
【0054】
このゴニオステージ25において、被検査体7の傾き方向またはあおり方向のいずれかを必要に応じマニュアル(手作業)で調整し、図示しないロック手段のネジ等により締めつける機構でもよいが、水平方向微動位置調整機構の水平微動テーブル9同様、圧着ローラ15,16の如きものを介して軸受け4の外部から駆動力を伝えるようにしてもよい。このように駆動源を水平方向微動位置調整機構と共通化する場合には、例えば圧着ローラ16と同様の圧着ローラを用意しその圧着ローラ位相を軸受け4の回転軸に対して90°位相をずらせば機械的干渉を防ぐことができる。
【0055】
ゴニオステージ25における被検査体の特定部位の基本的な微動位置調整方法は、先に図5を参照して説明した水平微動位置調整方法と同様である。
但し、ステップ6にて簡単に述べたように、特定部位の近傍のX線吸収係数の高い部位による再構成画像への影響がある場合、即ち図7に示すように複数のX線吸収係数の高い部位が存在する場合には、X線照射を止めゴニオステージ25を駆動し被検査体7の姿勢を調整・変更した後(ステップS7)、ステップS3の工程に戻りX線を再び照射して、ステップS4以降の工程を行い、被検査体7の非破壊特定部位の探査を進める。
【0056】
本例は上述のように構成され、被検査体7の特定部位のみを抽出して拡大したい場合など、図7に示すように、ゴニオステージ25により被検査体7が載置された保持冶具8を傾けたりあおったりすることで、容易に透視しつつ投影データを取得すべき部位を特定することができる。
【0057】
また、その部位を特定した段階で傾けたりあおったりした姿勢のまま被検査体を回転させて投影データを取得するようにすれば、特定部位近傍の再構成計算以前に投影像の上下の端面としてデータから削除することが可能になり、図中矢印で示される再構成計算領域を限定することができ、再構成される内部構造画像の品質向上が図れる。
【0058】
また、図7に示すように、複数個のX線吸収係数の高い部分が並ぶ平板状被検査体内部の特定部位を選択的に拡大し、しかも保持冶具8が軸受け4の回転軸を中心として旋回する時の旋回半径r2を極小になるようにしたときは、4の回転軸をX線焦点に近接させ拡大率を最大にする被検査体7の姿勢を決めるということであり、被検査体内部をより細部にわたって検査することができる。このゴニオステージ25の回転半径r2は、ステージの傾き及び保持冶具8の形状によって、図6、図8に示す回転半径r0,r1に対し、r2<r1,r0とすることができる。
【0059】
本例は、その他、先に述べた図1〜図4に示される実施の形態の例と同様の作用効果が得られることは容易に理解できよう。
【0060】
尚、本発明は上述した実施の形態の例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0061】
【発明の効果】
斯かる本発明によれば、X線照射を継続したまま、被検査体を回転基台部の回転軸に垂直な平面内で微動させることができ、被検査体内部の特定部位をその投影像が回転軸近傍に位置するよう調整することができるため、再構成される内部構造データの画像の劣化を防ぐことができる。
また、X線照射を継続したまま、被検査体内部の特定部位をその投影像が二次元検出手段の中央にくるように位置調整することができるので、手作業による被検査体の位置調整と比して調整に要する時間を削減することができる。
【0062】
また、本発明によれば、X線照射を継続したまま、被検査体を回転基台部の回転軸と直交する旋回中心軸を中心として微動旋回させることにより、被検査体内部に複数個のX線吸収係数の高い部位が直線上に並んでいる場合でも、之等の部位の高さを個々に垂直方向へ分離し被検査体の観察すべき部位を特定することができるので、再構成される内部構造データの品質を向上させることができる。
【0063】
また、本発明によれば、回転基台部の軸受けに空気軸受けを用いる場合に、回転基台部を回転させ投影像を撮像中には、微動手段の駆動源を回転機構全体から切り離すと共に、この駆動源を回転基台部の回転機構全体から切り離す直前に保持手段にて被検査体の座標位置を保持し、被検査体の座標位置調整期間は、この保持手段による保持動作を解除するようにしたので、回転軸に対しラジアル方向の外力を排し回転基台部の回転軸のコンセントリシティーを保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線断層撮像装置の実施の形態の例を示す概略図であり、Aは上面図、Bは側面図である。
【図2】X線断層撮像装置の構成図である。
【図3】本発明のX線断層撮像装置の要部を上面より見た概略図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】本発明のX線断層撮像装置の説明に供するフローチャートである。
【図6】本発明の説明に供する線図である。
【図7】本発明の説明に供する線図である。
【図8】従来例の説明に供する線図である。
【符号の説明】
1・・・・X線管、2・・・・X線二次元検出器、3・・・・回転基台、3a・・・・垂直方向微動機構、4・・・・軸受け、7・・・・被検査体、9・・・・水平微動テーブル、13・・・・モーター、17・・・・クランプ機構、25・・・・ゴニオステージ
Claims (5)
- X線源と、被検査体の投影像を撮像する二次元検出手段との間に被検査体を載置しX線焦点から前記二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を持つ回転基台部と、該回転基台部を垂直方向へ位置調整する垂直方向微動機構とを有するX線断層撮像装置において、
前記回転基台部に前記回転軸と直交する平面上の位置調整を行う水平方向微動位置調整機構を有する第1の微動手段を設けたことを特徴とするX線断層撮像装置。 - X線源と、被検査体の投影像を撮像する二次元検出手段との間に被検査体を載置しX線焦点から前記二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を持つ回転基台部と、該回転基台部を垂直方向へ位置調整する垂直方向微動機構とを有するX線断層撮像装置において、
前記回転軸と直交する旋回中心軸を持つゴニオステージからなる第2の微動手段を搭載することを特徴とするX線断層撮像装置。 - X線源と、被検査体の投影像を撮像する二次元検出手段との間に被検査体を載置しX線焦点から前記二次元検出手段の受光面に降ろした垂線に直交する回転軸を持つ回転基台部と、該回転基台部を垂直方向へ位置調整する垂直方向微動機構とを有するX線断層撮像装置において、
前記回転基台部に前記回転軸と直交する平面上の位置調整を行う水平方向微動位置調整機構を有する第1の微動手段を設け、
且つ、前記回転軸と直交する旋回中心軸を持つゴニオステージからなる第2の微動手段を搭載することを特徴とするX線断層撮像装置。 - 前記請求項1または2または3に記載のX線断層撮像装置において、
前記被検査体の投影像を撮像中には、前記第1及び第2の微動手段の駆動源を前記回転基台部全体から切り離すようにしたことを特徴とするX線断層撮像装置。 - 前記請求項4に記載のX線断層撮像装置において、
被検査体座標を保持する保持手段を設け、
前記駆動源を前記回転基台部全体から切り離す直前に前記保持手段により被検査体座標を保持し、
被検査体座標位置調整期間は、前記保持手段による被検査体座標の保持動作を解除するようにしたことを特徴とするX線断層撮像装置。
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2002
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