JP2004015404A - ストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造 - Google Patents

ストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造 Download PDF

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Abstract

【課題】3層以上の導体層を有する印刷配線基板等、誘電体ベースの基板に構成したストリップ線路と、貫通導体列を用いたポスト壁導波管とを、広帯域または所望の通過帯域幅で整合させて接続変換する。
【解決手段】両端をグランド導体層1aまたは1bに接続され、使用周波数で共振する、ストリップ線路7を第1の共振器とし、ポスト壁導波管の一端を貫通導体列3cで短絡し、他端を貫通導体3で狭め、使用周波数で共振するようにした導波管形の共振器を第2の共振器とし、第1の共振器を第2の共振器内に配置して二つの共振器を結合させ、2セクションのバンドパスフィルタを構成し、広帯域または所望の通過帯域幅を得る。
【選択図】       図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷配線基板等に形成したポスト壁導波管と、ストリップ線路とを広帯域または所望の通過帯域幅で整合させて接続変換するストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ミリ波・準ミリ波帯域の高周波回路では、マイクロストリップ線路よりも損失を低減させたり、有害な回路間の結合を避けるため、ストリップ線路が使われる他、更に損失の少ない線路としてポスト壁導波管が使われる。また、これらストリップ線路とポスト壁導波管を一つの回路基板内で使用することも考えられる。なお、ストリップ線路は、別名トリプレート線路と呼ばれることもある。
【0003】
図3および図4はポスト壁導波管とストリップ線路とを一般的な技術で接続した場合の一例を示す図で、図3は側面断面図、図4は平面透視図である。
【0004】
ストリップ線路とポスト壁導波管を一つの基板内で混在させるのは、半導体や抵抗、コンデンサ等の集中定数部品を接続するのにマイクロストリップ線路が都合が良く、マイクロストリップ線路からストリップ線路への変換は簡単なことから、線路の長さが短いなど、損失があまり問題にならない場合にストリップ線路が使われる。
【0005】
一方、例えば無線機において、アンテナ端子に接続される入出力バンドパスフィルタや送受信切替え等に使われるサーキュレータ等は低損失であることが求められる。ところが、空洞共振器や誘電体共振器あるいは空洞導波管等、特別なものを使わずに低コスト化しようとするとき、ストリップ線路と同一基板内で実現でき、ストリップ線路より低損失なポスト壁導波管による導波管形バンドパスフィルタやサーキュレータを使うことが有利である。
【0006】
ここで、ポスト壁導波管とストリップ線路を混在させることのできる最小の基板条件は、図3および図4に示すように、グランド導体層1a,1bをポスト壁導波管のH面導体として使用するとともに、これらをストリップ線路の上下グランド導体としても使用することのできる導体3層を有する誘電体基板である。
【0007】
この場合、ポスト壁導波管の厚み、すなわち導波管のE面寸法は、不要モードが発生しないように、電気長で1/2波長未満とし、できるだけ厚くすることが誘電体損失を減らす意味で有効である。しかし、一般的に低損失の誘電体材料は高価であるため、損失の許す範囲で薄くしたく、例えば26GHz帯で比誘電率2.2のPTFEベースの基板を使用する場合でも1mm程度にしたいという事情がある。
【0008】
これに対し、ストリップ線路としては、主にこれに接続されるマイクロストリップ線路の都合から、図3に示す誘電体板2aの厚みをできるだけ薄くしたいという要望がある。
【0009】
なお、上述する都合とは、マイクロストリップ線路の輻射損失や有害な結合を減らし、伝送モードを安定にすることや、図5に示すようにベース導体8上に乗せた薄い半導体チップ9を信号導体4に接続するとき、一般に100μm以下の半導体チップ9の厚みに対して誘電体板2aの厚みを近づけ、接続のための例えばボンディングワイヤ10をできるだけ短くした場合等である。
【0010】
これらの事情を踏まえ、例えばプローブ結合を使った空洞導波管と同軸線路の接続変換例(図示せず)から類推すると、図3の側面透視図および図4の平面透視図に示すように、ポスト壁導波管の一部を貫通導体列3cと貫通導体3を使って、導波管としてのH面を所定の間隔S1に狭めてなる導波管形の共振器を形成し、この共振器の中にE面と平行に貫通導体によるプローブ5を設け、このプローブ5を信号ライン導体4に接続する構造が考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したようにポスト壁導波管は、厚みを可能な範囲で薄くしたいとともに、前述した比誘電率2.2の基板でも1mm程度の厚みに抑えたい。しかしながら、この厚みは電気長で約1/8波長であり、E面に平行に立てたプローブ5の長さは当然1/8波長以下となってしまう。
【0012】
従って、ポスト壁導波管とプローブ5によるストリップ線路との結合が弱いため、貫通導体3による間隔S1を狭めて導波管共振器としてのQを高め、共振周波数のポイントで整合させるしかない。このように、導波管共振器のQを高めて整合させるため、例えば図8の曲線(A)に示す狭い単峰の通過特性となり、帯域幅を広くすることができない。
【0013】
なお、図3でプローブ5はグランド導体層1bに接続したが、これを例えばプローブ5の位置でグランド導体層1bの一部を削除して、開放形のプローブにしても、ポスト壁導波管との結合が弱いことには変わりない。
【0014】
このため、ポスト壁導波管とストリップ線路とを広帯域に接続する構造が求められていた。
【0015】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、印刷配線基板等、誘電体板の両面および内層に導体層を設けた誘電体基板に対し、ポスト壁導波管とストリップ線路とを構成し、これらを広帯域に整合させて接続するストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、誘電体板2の両面にグランド導体層1a,1bを設け、前記両面のグランド導体層間を接続する柱状の貫通導体3を複数並べた貫通導体列3a,3bを2列配置し、前記両面のグランド導体層1a,1bを導波管のH面とし、前記貫通導体列3a,3bを導波管のE面とするポスト壁導波管と、
信号ライン導体4を二枚の誘電体板2a,2bで挟み、更に前記誘電体板の外側を二つのグランド導体層1a,1bで挟んだストリップ線路とを接続変換するストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造において、
前記ポスト壁導波管内に設けられる共振器用ストリップ線路7の両端を、貫通導体6a,6bで前記二つのグランド導体層1a,1bのいずれか一方に接続してストリップ線路形の第一の共振器とし、この第一の共振器にストリップ線路の信号ライン導体4を接続し、
前記第一の共振器を含む前記ポスト壁導波管の一方の開口を貫通導体列3cで塞ぎ、この貫通導体列3cから所定の距離L1離れた位置でグランド導体層1a,1b間を接続する貫通導体3によって前記ポスト壁導波管のH面を所定の寸法S1に狭めた導波管形の第二の共振器とすることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1はポスト壁導波管の構成を示している。例えば印刷配線基板にように、図1に示す誘電体板2の両面にグランド導体層1a,1bをつけたものに対し、例えば樹脂ベース印刷配線基板のスルーホール加工や、セラミック基板のピアホール埋めのように、誘電体板2を貫通し、両面のグランド導体層1a,1bに接続した貫通導体3にて2列の貫通導体列3a,3bが形成される。これにより、貫通導体列3a,3bを導波管のE面とし、両面のグランド導体層1a,1bをH面とするポスト壁導波管が構成される。
【0018】
なお、貫通導体列3a,3b(後述する貫通導体列3cも含む)の貫通導体3間のピッチは、十分な電気壁となるように、通常使用周波数で1/4波長、できれば1/8波長以下にするのが好ましい。
【0019】
図2はストリップ線路の構成を示している。図2に示すように、ストリップ線路は、信号ライン導体4を二枚の誘電体板2a,2bで挟み、更に誘電体板2a,2bの外側を二つのグランド導体層1a,1bで挟んで構成される。
【0020】
なお、理想的なストリップ線路としては、二枚の誘電体板2a,2bを同じ厚さとし、グランド導体層1a,1b間による平行平板モードの漏れ出しを抑えたい。しかし、図3に示すように、誘電体板2a,2bの厚みを変える場合は、必要に応じて図7に示す貫通導体列3d,3eでストリップ線路をシールドする方法や、図6(b)に示すように導体層1dを追加する方法およびこれらを併用する方法などを採用すれば良い。
【0021】
図6(a),(b)および図7は本発明によるストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造の実施の形態を示す図であり、図6は側面断面図、図7は平面透視図である。
【0022】
本発明の接続変換構造は、図6および図7に示すように、ポスト壁導波管(図1)とストリップ線路(図2)とを広帯域に、または所望の帯域幅で接続変換する構造として用いられるものである。
【0023】
図6(a)において、信号ライン導体4を2枚の誘電体板2a,2bで挟み、更にその外側をグランド導体層1a,1bで挟んでストリップ線路を形成するとともに、図7に示す貫通導体列3a,3bにてポスト壁導波管を形成する。なお、ストリップ線路は、図6(b)に示すように、グランド用の導体層1dを追加して前述の理想的なストリップ線路に近づけてもよい。
【0024】
図7において、前記ポスト壁導波管内に、所定の長さの共振器用ストリップ線路7を設け、この線路7の両端を貫通導体6a,6bで導体層1aまたは1bに接続し、使用周波数で共振するストリップ線路形の第一の共振器を構成する。図6は共振器用ストリップ線路7を貫通導体6a,6bにて導体層1aに接続した例である。
【0025】
図7において、前記第一の共振器を含むポスト壁導波管の一方の開口を貫通導体列3cで塞ぎ、この貫通導体列3cから所定の距離L1離れた位置で2枚のグランド導体層1a,1b間を接続する貫通導体3によって、ポスト壁導波管のH面を所定の寸法S1に狭め、使用周波数で共振する導波管形の第二の共振器を構成する。
【0026】
そして、貫通導体列3a〜3cの何れかの一部の隙間を広げ(出来れば1/4波長以下で、局所的には差し支え無い範囲まで広げ)、ストリップ線路の信号ライン導体4を第二の共振器内に導き、信号ライン導体4を前述したストリップ線路形の第一の共振器に接続する。図7の例では、貫通導体列3cの一部を広げて信号ライン導体4を第二の共振器内に通している。
【0027】
このように、二つの共振器は、第二の共振器内の空間を共有することによって結合し、第一の共振器にはストリップ線路が負荷として接続され、第二の共振器には貫通導体3による隙間S1を通じてポスト壁導波管が負荷として接続された2セクションのバンドパスフィルタとなる。
【0028】
一般に共振器を二つ使った2セクションのバンドパスフィルタは、二つの共振器をそれぞれの負荷Qに依存する臨界結合付近で結合するとき、図8の曲線(B)に示すように通過特性の平坦部分、すなわち帯域幅を最大にすることができること、また二つの共振器の負荷Qが低いほど臨界結合時の帯域幅が広がること、および同じ負荷Qでも図8の曲線(A)に示す一つの共振器による単峰特性よりも、平坦部がはるかに広がった図8の曲線(B)に示す通過特性になることは周知の通りである。
【0029】
図9は第一の共振器の負荷Qの一般的な調整方法を示す平面図であり、図9(a),(b),(c)の順に負荷が重くなり負荷Qが下がる。
【0030】
第二の共振器の負荷Qは貫通導体3の間隔S1を広げるほど負荷が重くなり、負荷Qが下がる。
【0031】
また、二つの共振器の結合度は、第一の共振器の位置L2で調整でき、第二の共振器のほぼ中央に配置したときに最大の結合度が得られる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の接続変換方法によれば、ポスト壁導波管とストリップ線路とを広帯域に接続変換することができ、例えば26GHz帯での実施で、リタンロス−15dB以下の比帯域を約20%以上確保することができた。
【0033】
また、以上は帯域幅をできるだけ広くすることに重点を置いて説明したが、例えば無線送受信には通常バンドパスフィルタが必要である。
【0034】
すなわち、送信機としては規定周波数以外のスプリアス成分を除去する必要があり、受信機としてはスプリアス感度の抑制や、目的外周波数である他の通信成分を除去して、これによる受信特性の悪化を防止するなどである。
【0035】
このために、本発明の接続変換構造がバンドパスフィルタの構成であることに注目し、これを所望の帯域幅になるように設計したり、必要に応じて3セクション以上のフィルタの一部とするなど、積極的に利用すれば、回路構成が縮小でき、低コスト化に寄与することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポスト壁導波管の構造を示す図
【図2】ストリップ線路の構造を示す図
【図3】従来のストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造を示す側面透視図
【図4】図3の平面透視図
【図5】半導体チップ搭載例を示す図
【図6】(a),(b) 本発明のストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造を示す側面透視図
【図7】図6(a)の平面透視図
【図8】通過特性の一例を示す図
【図9】(a)〜(c) ストリップ線路形共振器の負荷Q調整方法の例を示す図
【符号の説明】
1a,1b…グランド導体層、2,2a,2b…誘電体板、3…貫通導体、3a,3b,3c…貫通導体列、4…信号ライン導体、5…プローブ、6a,6b…ストリップ線路形共振器用貫通導体、7…共振器用ストリップ線路、8…ベース板、9…半導体チップ、10…ボンディングワイヤ。

Claims (1)

  1. 誘電体板(2)の両面にグランド導体層(1a,1b)を設け、前記両面のグランド導体層間を接続する柱状の貫通導体(3)を複数並べた貫通導体列(3a,3b)を2列配置し、前記両面のグランド導体層(1a,1b)を導波管のH面とし、前記貫通導体列(3a,3b)を導波管のE面とするポスト壁導波管と、
    信号ライン導体(4)を二枚の誘電体板(2a,2b)で挟み、更に前記誘電体板の外側を二つのグランド導体層(1a,1b)で挟んだストリップ線路とを接続変換するストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造において、
    前記ポスト壁導波管内に設けられる共振器用ストリップ線路(7)の両端を、貫通導体(6a,6b)で前記二つのグランド導体層(1a,1b)のいずれか一方に接続してストリップ線路形の第一の共振器とし、この第一の共振器にストリップ線路の信号ライン導体(4)を接続し、
    前記第一の共振器を含む前記ポスト壁導波管の一方の開口を貫通導体列(3c)で塞ぎ、この貫通導体列(3c)から所定の距離(L1)離れた位置でグランド導体層(1a,1b)間を接続する貫通導体(3)によって前記ポスト壁導波管のH面を所定の寸法(S1)に狭めた導波管形の第二の共振器とすることを特徴とするストリップ線路とポスト壁導波管との接続変換構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1732159A1 (en) 2005-06-06 2006-12-13 Fujitsu Limited Waveguide substrate and high-frequency circuit module
JP2009055574A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Kyocera Corp 分岐導波管線路とこれを有する多層配線基板およびアンテナ基板
US12519198B2 (en) 2023-01-04 2026-01-06 Kabushiki Kaisha Toshiba High-frequency circuit defined by first and second conductive layers connected by conductive members and coupled to a third region of a specified configuration

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