JP2004016181A - 酵素剤 - Google Patents

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Yoshio Nakayama
中山 善雄
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Abstract

【課題】酵素剤の飛散を確実に防止して簡易に使用できるとともに、使用に際し適正量となるよう簡易に調整できるようにした酵素剤を提供すること。
【解決手段】所要量の粉末状酵素剤10を、可溶性の被覆膜1内に封入して構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵素剤、特に粉末状の産業用酵素剤を利用する食品、繊維、排水処理において、粉末状酵素剤の飛散を防止し、安全に、かつ容易に使用できるようにした酵素剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品、繊維、排水処理等の分野において使用される産業用酵素剤は、通常、粉末状のものが汎用されており、また粉末状酵素剤を使用する際、これを水その他の液体に溶解又は混合して使用するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、産業用酵素剤として使用される粉末状酵素剤は、使用するに際して水その他の液体に溶解又は混合溶解するとき、この粉末状酵素剤の粒子が小さいため、これを酵素剤添加槽等への投入時に飛散し易く、特に酵素剤添加槽が屋外に設置されている場合、微弱な風でも巻き上がるようになり、この飛散する酵素剤粉末を作業者が吸引或いは直接皮膚と接触する可能性が極めて高いものとなっている。この酵素剤を吸入又は皮膚と接触すると体内にその抗体ができ、その後、再度アレルゲン(酵素)を吸入すると、鼻や目のかゆみや充血が発症したり、その他風邪に似た症状や、喘息の原因ともなる。また、タンパク質分解酵素等を含む酵素は、目や皮膚を刺激する作用がある。
【0004】
そこで、これらの酵素剤を取り扱う場合、作業者は各自防塵作業服、吸入防止具、防塵メガネ、不浸透手袋等の防塵装備を装着するか、もしくは防塵装置を有する区画内で作業を行う必要があり、さらに酵素剤の使用量が多くなると高効率フィルター付集塵機を作業区域内に設置する必要がある。このため、作業者が防塵装備を装着すると作業がし難く、また作業領域が限定されるなどの問題があるとともに、設備費が嵩む等の問題があった。
また、酵素剤添加槽等への投入などの作業において、酵素剤をこぼした場合、電気掃除機や圧縮空気、高圧水を用いて清掃を行うと、酵素剤がさらに飛散し易くなり、これが酵素剤飛散の原因ともなり、清掃も容易に行えないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の酵素剤の有する問題点に鑑み、酵素剤の飛散を確実に防止して簡易に使用できるとともに、使用に際し適正量となるよう簡易に調整できるようにした酵素剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の酵素剤は、所要量の粉末状酵素剤を、可溶性の被覆膜内に封入して構成したことを特徴とする。
【0007】
この酵素剤においては、酵素剤添加槽内で溶解される可溶性材質の被覆膜にて封入することにより、飛散し易い粉末状の酵素剤をも確実に密封することができるので、使用に際しても酵素剤の飛散を防止し、その取り扱いが容易になり、かつ従来のように防塵装備や設備が不要になり、作業性が向上する。
また、粉末状酵素剤を可溶性の被覆膜にて封入しているため、酵素剤添加槽への添加時容易に溶解し、かつその使用量の調整がしやすくなり、定期的に適正量を添加することにより、酵素剤添加槽での酵素反応が安定し、継続して行うことができる。
【0008】
この場合、可溶性の被覆膜を、カプセルとすることができる。
【0009】
これにより、飛散し易い粉末状酵素剤であっても薬剤のカプセルと同様の形態に簡易に封入することができ、取り扱いが簡易となり、粉末状酵素剤の飛散防止を確実に行うことができる。
【0010】
また、この場合、可溶性の被覆膜に、デンプンを主体とした化合物材を用いることができる。
【0011】
これにより、被覆膜の材質にデンプンを主体とした化合物材を用いることから、従来、粉末薬剤の包装用として汎用されている、特に馬鈴薯や大豆から作成されたオブラートの使用により、安価に、かつ容易に粉末状酵素剤の封入が行える。
【0012】
また、この場合、可溶性の被覆膜に、ゼラチンを主体とした化合物材を用いることができる。
【0013】
これにより、日本薬局方に収載されているゼラチンを主体とした基剤を用いることから、粉末状酵素剤の被覆剤が安価に、容易に入手できるので、簡易に製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酵素剤の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
本発明の酵素剤の実施例を、図1に示す。この酵素剤Aは、産業用酵素剤として汎用されている酵素剤の粉末10を、可溶性の被覆膜1にて被覆するように構成する。
この1粒の酵素剤Aの大きさ、形状としては、特に限定されるものではないが、可溶性の被覆膜1による被覆が簡易に行えるとともに、添加量の調整が簡易に行えるようにして定めるものである。
【0016】
この酵素剤の粉末10を可溶性の被覆膜1にて被覆する場合、酵素剤の粉末10を通常の状態で、或いは予め押し固めて、いずれかの方法で被覆することができ、これは用途などに応じて適宜定めるものとする。なお、押し固めて被覆する場合は、酵素剤Aを嵩低くして所要量の酵素剤の粉末10を使用できる利点がある。
【0017】
また、被覆膜1として使用する材質は、例えば、酵素剤添加槽内の水分と反応して容易に溶解し、内部の酵素剤が溶出するようにしたものを採用し、特に限定されるものではないが、可溶性の被覆膜としてデンプンを主体とした化合物材、例えば、従来、粉末薬剤の包装用として汎用されているオブラート、特に馬鈴薯や大豆から作成されたオブラートを使用することができる。この水溶性のオブラートを使用することにより、安価に、かつ容易に粉末状酵素剤の封入が行える。また、可溶性の被覆膜1として、日本薬局方に収載されているゼラチンを主体とした基剤を用いることも可能である。
【0018】
さらに、所要量の酵素剤の粉末10を封入する被覆膜1の形状は、特に限定されるものではなく、図1(A)に示すように、球形の他に、楕円形や角形とすることもできる。
また、図1(A)に示す被覆膜1は、所要量の酵素剤の粉末10の外周面を被覆するようにしたものであるが、図1(B)に示すように、カプセル形とすることもできる。
被覆膜1を構成するカプセルは、一端を閉じた円筒形のカプセル本体片11と、このカプセル本体片11と交互に重ね合わすことができるカプセル蓋片12との一対よりなる。このように酵素剤の粉末10を封入する被覆膜1をカプセル形とすることにより、粉末状酵素剤の密閉を、従来の薬剤のカプセル充填機を用いて簡易に行うことができ、酵素剤の粉末が飛散することなく扱えるので、取り扱いが容易になり、作業者の防塵装備や工場内の防塵設備が不要となる。
【0019】
また、円筒体をしたカプセル基材を形成するカプセル本体片11及びカプセル蓋片12は、共に図1(A)に示す被覆膜1の素剤と同じ素材、即ちデンプンを主体とした化合物材、ゼラチンを主体とした化合物材を採用するものとする。
このようにデンプン或いはゼラチンを主体としたカプセル基材は、水溶性であるため、酵素剤添加槽内の水分と反応して、容易に溶け、酵素剤を溶出することができるとともに、添加量の調整も簡単に行えるものとなる。
【0020】
次に、本発明の酵素剤の具体的な使用例を、図2に示す実施例により説明する。
図2において、2は酵素剤添加槽で、該酵素剤添加槽2内には添加される酵素剤Aの溶解と、溶解酵素剤と排水との混合攪拌にり排水中の物質、例えば、タンパク質を容易に、短時間にて分解処理を行うために攪拌装置3が設置される。
この攪拌装置3は、特に限定されるものではないが、駆動装置31にて攪拌軸33の下端に取り付けた攪拌羽根32を駆動し、排水及び酵素剤とを攪拌できるように構成する。
また、この酵素剤添加槽2には、酵素剤Aの溶解にて分解処理するための排水又は液体を流入する流入管21と、 溶解した酵素剤Aにて分解した処理水或いは生成物を流出するための流出管22とを接続する。
また、酵素剤添加槽2の上部には、酵素剤投入装置4が設置されており、この酵素剤投入装置4より酵素剤供給管41を経て酵素剤Aが定期的或いは任意に酵素剤添加槽2内に供給されるようにする。
【0021】
次に、タンパク質を高濃度に含む排水の処理について説明する。
排水を流入管21を経て酵素剤添加槽2へ流入し、この排水中に酵素剤投入装置4から、流入排水量及びその濃度に応じた量の酵素剤Aを投入する。これにより、酵素剤添加槽内に投入する酵素量は酵素剤添加槽内で必要濃度になる。
この酵素剤Aの投入において、酵素剤Aの外表面が可溶性の被覆膜にて被覆しているから、酵素剤の粉末が飛散するのを防止することができる。
また、この酵素剤Aの投入は、流入排水量に応じて、或いは酵素剤添加槽1の酵素濃度が一定になる頻度で、酵素剤投入装置4から自動的に投入することもできるが、作業者が適宜人為的に投入するようにすることもでき、さらにこの酵素剤の添加頻度によって酵素剤添加槽内での酵素濃度を調整することができる。
なお、この場合の酵素剤Aは、排水中の高濃度のタンパク質を分解するのに適したタンパク質分解酵素を用いる。
【0022】
このようにして酵素剤添加槽2へ流入した排水と、該槽内に投入した酵素剤Aとを酵素剤添加槽2で一定時間滞留させると、酵素剤Aの外表面を被覆している被覆膜1又はカプセル11,12が、酵素剤添加槽内の水分と反応して溶け、内部の酵素剤の粉末10が溶出するものとなる。
次に、攪拌装置3を駆動すると攪拌羽根32により、酵素剤添加槽内の排水と溶解した酵素剤とが攪拌され、これにより排水中のたんばく質は溶解した酵素にて分解され、分解産物が生成される。
【0023】
酵素剤添加槽内で酵素の作用により生成された分解産物は、流出管22より流出する。
また、この酵素剤Aの使用は、排水等の液状基質のみならず、水分を含む固形物にも適応することができる。
【0024】
以上、本発明の酵素剤について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、例えば、粉末状酵素剤をペレット形に固め、その表面を可溶性の被覆膜(コーティング)を形成したもの、或いは比較的少ない個数で所要濃度となるよう大きな袋とする等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0025】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、酵素剤添加槽内で溶解される可溶性材質の膜で被覆膜に封入することにより、飛散し易い粉末状の酵素剤をも確実に密封することができるので、使用に際しても酵素剤の飛散を防止し、その取り扱いが容易になり、かつ従来のように防塵装備や設備が不要となり、このため作業場の防塵装備・防塵設備の設置等への対策が軽減され、かつ作業性が向上する。
また、粉末状酵素剤を可溶性の被覆膜にて封入しているため、酵素剤添加槽への添加時容易に溶解し、かつその使用量の調整がしやすくなり、定期的に適正量を添加することにより、酵素剤添加槽での酵素反応が安定し、継続して行うことができる。
【0026】
また、請求項2記載の発明によれば、飛散し易い粉末状酵素剤であっても薬剤のカプセルと同様の形態に簡易に封入することができ、取り扱いが簡易となり、粉末状酵素剤の飛散防止を確実に行うことができる。
【0027】
また、請求項3記載の発明によれば、被覆膜の材質にデンプンを主体とした化合物材を用いることから、従来、粉末薬剤の包装用として汎用されている、特に馬鈴薯や大豆から作成されたオブラートの使用により、安価に、かつ容易に粉末状酵素剤の封入が行える。
【0028】
また、請求項4記載の発明によれば、日本薬局方に収載されているゼラチンを主体とした基剤を用いることから、粉末状酵素剤の被覆剤が安価に、容易に入手できるので、簡易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の酵素剤の実施の形態を示し、(A)は被覆膜を袋状とした形態の断面図、(B)は被覆膜をカプセルとした形態の断面図である。
【図2】
本発明の酵素剤を使用する状態を示す実施例の断面図である。
【符号の説明】
A  酵素剤
1  被覆膜
10 酵素剤の粉末
11 カプセル本体片
12 カプセル蓋片
2  酵素剤添加槽
21 流入管
22 流出管
3  攪拌装置
31 駆動装置
32 攪拌羽根
4  酵素剤投入装置
41 酵素剤供給管

Claims (4)

  1. 所要量の粉末状酵素剤を、可溶性の被覆膜内に封入して構成したことを特徴とする酵素剤。
  2. 可溶性の被覆膜を、カプセルとしたことを特徴とする請求項1記載の酵素剤。
  3. 可溶性の被覆膜に、デンプンを主体とした化合物材を用いたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の酵素剤。
  4. 可溶性の被覆膜に、ゼラチンを主体とした化合物材を用いたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の酵素剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012040527A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Yoshiro Yamaguchi 繊維製ディスポーザブルトイレタリィ用品及びそれを使用する有機排水の微生物学的排水処理方法
JP2012239923A (ja) * 2011-05-13 2012-12-10 Civil Tech:Kk 凝集剤入りカプセル及び汚濁水浄化方法
JP2013192473A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Mitsubishi-Kagaku Foods Corp 被覆酵素剤および食品
JP2015136642A (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 東洋ビーネット株式会社 浄化剤
JP2016502459A (ja) * 2012-11-01 2016-01-28 ハロソース, インコーポレイテッド 水処理組成物およびそれを使用する方法

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