JP2004016400A - 研削バー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハンドピースに装着して歯牙を研削するのに使用する研削バー において、ハンドピースに装着されるシャンク部12と、シャンク部12に連続して設けられたテーパ状のネック部13と、このネック部13に連続して設けられて当該ネック部13より細くて長いロッド部Bと、このロッド部Bの先端にダイヤモンド粒子が固着されて形成された矢尻状又はコマ状の切削部15とで構成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科用ハンドピースに装着して、歯牙を研削、治療するのに用いる研削バーに関する。
【0002】
【従来の技術】
歯科治療においては、ミュータンス菌などによって破壊された歯牙硬組織をダイヤモンドバーの使用で切削している。
【0003】
このダイヤモンドバーには、使用用途に応じたいろいろのタイプがあり、例えば、図8,図9,図10に示すものが知られている。
【0004】
図8は、このような従来の小形化したラウンド型のダイヤモンドバーを示すもので、このダイヤモンドバーは、ハンドピースに装着されるシャンク部1と、このシャンク部1に連続し先端に向ってテーパ状に小径化したネック部2と、このネック部2に連続する先端の球状部3と、この球状部3の外周全体にダイヤモンド粒子を固着させた切削部4とで構成されている。
【0005】
また、図9は、従来の他のダイヤモンドバーを示し、これはシャンク部5と、このシャンク部5に連続して先端に円錐部6aを有するテーパ部6と、このテーパ部6の周面にダイヤモンド粒子を固着させた切削部7とで構成されている。
【0006】
同じく、図10は、従来のさらに他のダイヤモンドバーを示し、これはシャンク部8と、このシャンク部8に連設された短いテーパのネック部9と、このネック部9に接続されてシャンク部8より小径の丸棒状のシャフト部10と、このシャフト部10の周面にダイヤモンド粒子を固着させた切削部11とで構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の研削バーとしてのダイヤモンドバーは、次のような不具合がある。
【0008】
即ち、図8に示すものにあっては、切削部4が球形であることにより、歯牙に対する接触面が不安定であることから、例えば、歯冠部の細かい裂溝などの極く狭い治療部位を正確に捉えることができず、特に、研削する際に切削部4が硬い歯面で滑ってしまうことがありブレてしまい治療が必要な部位以外の余分な部位まで研削してしまうという、正確性、安全性、求心性等を総合した定位が不十分であるという問題があった。
【0009】
この点については、単に球径を小さくするだけでは解決のつかない問題である。
【0010】
また、治療部位に切削部4を位置合わせするとき、ダイヤモンドバーが球形である為に起る滑りやブレを防ぐ為にハンドピースを握る指に余分な力が入ってしまい、これが歯科医にとって心理的に大きなストレスを与えている。
【0011】
また、図8に示すような球状の切削部4を持ったダイヤモンドバーは、歯牙を削り込む際に、上記のように歯科用ハンドピースを指先に強い力を加えて操作する必要から、カリエス部とカリエス部でない部分との違いを指先で感じとることが難しく、削り込み量を適正に判断することが困難になるという問題があった。
【0012】
健全な歯牙硬組織では、エナメル質ヌープ硬度は5.5であるが、カリエスの進行と共に順次硬度が低下する性質がある。
【0013】
従って、切削部が治療部位を的確に捉えブレることなく研削することが出来れば、歯科医は心理的なストレスから開放されると共に、この硬度の違いを指先で明確に感じとることが出来ることとなる。
【0014】
また、図9および図10に示すダイヤモンドバーにあっては、切削部7,11は外径が太く、軸方向に長いことから小さい治療部位を正確に捉えることが出来ず、余分な部位まで切削する恐れがある。
【0015】
特に、口腔の外から口腔内への視界を妨げて歯牙の治療や処置がしにくくなり、結果的に不必要に広い面積で歯牙を研削してしまうものである。
【0016】
これらのバーは、基本的には歯冠の一部又は全部を金属やセラミックに置き換える為のバーであり、その目的の為に健全な歯冠を切削することもやむなしとするものである。
【0017】
また、隣り合う歯牙間の一部のカリエス部を治療する場合にも、切削部7、11先端の径が大きいためこれらが限局した歯牙間のカリエス部に到達しにくく、また定位が難しいため歯を余分に研削してしまうという危険性が高かった。
【0018】
従って、世界の歯科界においては、歯牙硬組織に対しては最小限の侵襲に留めるべきとの考えにもとづく歯科医学が提唱されているにもかかわらず従来のバーではこの提唱に対応出来ないという問題がある。
【0019】
そこで、本発明の目的は、歯牙の治療部位に切削部を当てたときにこの指定した治療部位の1点に安定して留まることが出来、かつ連続的な切削が可能となることで微小範囲の患部のみを最小限の研削にて除去出来るとともに、口腔外から口腔内への視界を十分に確保し歯牙の硬度の違いを捉えやすくすることによって確実かつ簡単にカリエス部のみの研削および治療をすることができる研削バーを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のために、本発明の手段は、ハンドピースに装着して歯牙を研削するのに使用する研削バーにおいて、ハンドピースに装着されるシャンク部と、シャンク部に連続して設けられたテーパ状のネック部と、このネック部に連続して設けられて当該ネック部より細くて長いロッド部と、このロッド部の先端にダイヤモンド粒子が固着されて形成された矢尻状又はコマ状の切削部とで構成されていることを特徴とする。
【0021】
この場合、切削部の外径が0.4〜0.6ミリメートル、長さが0.4〜0.6ミリメートル、先端の円錐角度が60度〜120度の範囲で成形されているが、特に、切削部15の外径が0.47ミリメートル、長さが0.47ミリメートル、先端の円錐角度が90度で成形されているのが好ましい。
【0022】
同じく、ロッド部が先端に向けて収斂するテーパを形成した単一の先細のシャフトで構成されているのが好ましい。
【0023】
同じく、ロッド部が先端に向けて収斂するテーパを形成したシャフトとこのシャフトに連続するストレートなシャフトとで構成してもよい。
【0024】
同じく、ロッド部がストレートな細長い単一のシャフトで構成されていてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を図にもとづいて説明する。
図1,図2,図3,図5に示すように、本発明の実施の形態に係る研削バーAたるダイヤモンドバーは、より定位を確実にし、拡大された視野の中でより安全にターゲット部のみを除去することを可能にするために、切削部15を小さくするだけでなく、歯面での滑りを止め、食込み時のブレを可及的に少なくする為に、正面から見て外形を矢尻状又はコマ状に成形し、同時に視界を良くして研削する時に先端切削部で受ける歯質の硬度の変化を確実に手元に伝達出来るように、ロッド部を細く長いスムーズなテーパ形としている。
【0026】
即ち、各図1,図2,図3,図5に示す研削バーの基本形態は、ハンドピースに装着されるシャンク部12と、シャンク部12に連続して設けられたテーパ状のネック部13と、このネック部13に連続して設けられて当該ネック部13より細くて長いロッド部Bと、このロッド部Bの先端にダイヤモンド粒子が固着されて形成された矢尻状又はコマ状の切削部15とで構成されている。
【0027】
この場合、ネック部13の長さL5が1〜6ミリメートル、切削部15の外径L1が0.4〜0.6ミリメートル、長さL2が0.4〜0.6ミリメートル、先端の円錐角度Mが60度〜120度の範囲で成形されていれば使用可能であるが、実際は、ネック部13の長さL5が1.6ミリメートル、切削部15の外径L1が0.47ミリメートル、長さL2が0.47ミリメートル、先端の円錐角度Mが90度で成形されているのが好ましいことが実験結果から明らかになっている。
【0028】
そして、図1の研削バーAは、ロッド部Bが先端に向けて収斂するテーパを形成した単一の先細のシャフト13bで構成されている。
【0029】
同じく、図2,図3の研削バーAは、それぞれロッド部Bが先端に向けて収斂するテーパを形成したシャフト13cとこのシャフト13cに連続するストレートなシャフト13dとで構成されている。
【0030】
この場合、両者の構造は同じであるが、後述するように図3のシャフト13dの方が図2のものより長く形成されている。
【0031】
この場合に、シャフト13dが長い方が歯質の硬度の変化が手元により明確に伝達されることが臨床的に明らかになっている。
【0032】
同じく、図5の研削バーAは、図1の研削バーAと実質的に同じであるが、この場合はロッド部Bがストレートな細長い単一のシャフト13eで構成されている。
【0033】
図2,図3に示される研削バーAは、ロッド部Bを長くして、エナメル質の裏側の感染象牙質の除去や、細く深い窩洞に到達させるような使用に対応させるのに適切である。
【0034】
各研削バーAの全長は使用の用途に応じて任意に長さは選択できる。
【0035】
即ち、研削バーAの長さは使用に応じて選択される歯科用ハンドピースの挿入深さが異なるため17ミリメートルから25ミリメートルの範囲で成形される。
【0036】
同じく、使用目的に応じて、ネック部13とロッド部Bとの長さ、太さおよび外形はその都度選択される。
【0037】
なお、上記粒子として、図4、図6に示すように、例えば、粒径が40〜50ミクロンのダイヤモンド粒子16aが用いられており、これがニッケルなどの電気メッキ層16bなどにより固着された形態とされている。
【0038】
又、図4に示すように、研削部15の長さL2は円錐部aの高さL3と円柱部bの長さL4の合計となり、しかも、円柱部bは0〜3度の範囲でストレート又はテーパ状に形成されている。
【0039】
図1に示す研削バーAのロッド部Bの長さL6は7ミリメートルである。
【0040】
同じく、図2に示す研削バーAのシャフト13cの長さL7が7ミリメートル、シャフト13dより先端側の長さL8が2ミリメートルに形成されている。
【0041】
同じく図3の場合は、シャフト13cの長さL9が7ミリメートル、先端側の長さL10が4ミリメートルとなっている。
【0042】
同じく、図5の場合は図1のものに比べてネック部13を長くし、ロッド部Bを短くしている。
【0043】
このような本発明の研削バーAを用いて患部の治療を行う場合には、まず、歯科用ハンドピースにシャンク部12をチャッキングする。
【0044】
そして、研削バーAを超高速で駆動し、口腔内の歯牙のカリエス部に切削部15を軽く接触させる。
【0045】
例えば、歯冠における裂溝の一部に切削バーAの切削部15先端を置くように接触させる。
【0046】
この切削部15は、小さい矢尻状又はコマ状をなすため、治療しようとする部位の一点にブレることなく留まって削り込んでいき、その部分のみを研削することとなる。
【0047】
従って、拡大された視野において切除予定部以外の部位は研削されない。このとき患部と非患部の違いを指先で感じ取ることが出来る。
【0048】
また、研削を継続すると切削部15先端の円錐面は症例に応じて歯冠の内部に進入して、研削面積が拡大し、必要量の研削治療を行うことができる。
【0049】
さらに、患部が大きい場合には、歯科用ハンドピースを必要な位置に移動することで切削部15の小円錐面や小幅の円周面が患部を研削し必要最小量の研削を可能とする。
【0050】
また、切削部15は、定位が良いので歯面を滑ることがなく、軽く患部に接触するだけで研削できるので、歯科医はハンドピースを握る手や指に余分な力を加わえることがないので、先端の感触をはっきり感じ取ることが出来る。
【0051】
これによって歯科医はリラックスして治療を行うことが出来る。
【0052】
また、患部のみを研削するために顕微鏡や拡大鏡により拡大された視野内でカリエス部の研削を行うことが望ましい場合にも、切削部15が小形であるため患部のポイントへ切削部15を正確、容易に移動させることができ、健全組織や保存可能な組織を守ることができる。
【0053】
この場合において、研削バーAのロッド部Bが長く細く形成されているため、視界が十分に確保でき、精度の高い治療作業が容易になる。
【0054】
特に、ロッド部13bが先端に向かい緩いテーパ状に形成されていることで、切削部15の上記ポイントの移動も視覚的に楽になる。
【0055】
その上先端の感触を手元に伝達しやすくなり、二重の効果が得られる。
【0056】
更に、図2のシャフト13cに連続するストレートなシャフト13dを加えることで到達性が良くなり、歯牙のエナメル質と象牙質との境に広がったカリエスを、切削部15により表面のエナメル質をできるだけ残しながら象牙質のカリエスを横方向に研削できる。
【0057】
さらに、細長いロッド部13端に設けられた短い切削部15には図6に示すように顎部(段差)17が形成されるため、このアゴ部17を用いて健全なエナメル質を大きく拡大することなしに、横に広がるカリエスを容易に研削できる。
【0058】
また、切削部15は、0.47ミリメートルに細く形成されているため、図7(A)に示すように、隣接する歯牙18、19の隣接部にできたカリエス部を、他の部位に接触することなく安全かつ効果的に除去することができる。
【0059】
この場合においても、健全なエナメル質を大きく研削することなく、横に広がるカリエスを除去できる。
【0060】
尚、図7(B)に示すように、健全な歯牙18、19の隣接面を破壊することなく咬合面より隣接部カリエスの除去を行うトンネリング・オペレーションには切削部15が小さく定位が良く硬さの違いが感じ取れるので最適である。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、各請求項の本発明によれば、次の効果がある。
より定位を確実にし、拡大された視野の中でより安全にターゲット部のみを除去することを可能にする。
【0062】
特に、切削部15の外径を0.4〜0.6ミリメートル、長さを0.4〜0.6ミリメートル、先端の円錐角度を60〜120度の範囲で小さい矢尻状又はコマ状に成形しているから、歯面での不用意な滑りを止め、食込み時のブレを可及的に少なくする。
【0063】
この矢尻状の研削バーは従来のラウンドタイプと異なり球面ではなく矢尻の頂点付近の円錐面で歯質を捉える形態なので、定位がとても良くなり、求心性も格段に向上する。
【0064】
そのため、滑沢で滑りやすいエナメル質表面でも滑ることなく確実に切削部15の定位と求心性が得られ、従来品と比較してほとんど余分な組織を削ることなくターゲット部のみを切削する。
【0065】
また、細くて長いロッド部を採用しているので、小さく切削することが可能なだけでなく、エナメルデンティン境で急速に象牙質側に広がるカリエスの特性に合わせ、エナメル質内側の感染象牙質をエナメル質に邪魔されずに的確に除去でき、健全なエナメル質をできるだけ保存できる。
【0066】
切削部の尖端を歯牙に対して定位よく的確に留めて、ブレを生じることなく微小患部を正確かつ軽快に研削でき、さらに歯科用ハンドピースを握る手に余分な力が加わらないようにすることができ、歯科医の作業上の心理的負担を軽減できる。
【0067】
歯牙のあらゆる微小間隙内に挿入して十分な研削を行うことができ、また、切削部の治療必要部位に対する位置決めを視覚的に容易化でき、更に先端部での硬さの違いがハンドピースを持つ手元に明確に伝達出来るので、不必要部位の研削を回避できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による研削バーを示す正面図である。
【図2】本発明の他の実施形態による研削バーを示す正面図である。
【図3】本発明の他の実施形態による研削バーを示す正面図である。
【図4】切削部の拡大正面図である。
【図5】本発明の他の実施形態による研削バーを示す正面図である。
【図6】研削バーの拡大断面図である。
【図7】(A),(B)は本発明の研削バーによる歯牙の研削状況を示す説明図である。
【図8】従来の研削バーを示す正面図である。
【図9】従来の他の研削バーを示す正面図である。
【図10】従来の他の研削バーを示す正面図である。
【符号の説明】
A 研削バー
B ロッド部
12 シャンク部
13 ネック部
15 切削部
Claims (6)
- ハンドピースに装着して歯牙を研削するのに使用する研削バーにおいて、ハンドピースに装着されるシャンク部12と、シャンク部12に連続して設けられたテーパ状のネック部13と、このネック部13に連続して設けられて当該ネック部13より細くて長いロッド部Bと、このロッド部Bの先端にダイヤモンド粒子が固着されて形成された矢尻状又はコマ状の切削部15とで構成されていることを特徴とする研削バー。
- 切削部の外径が0.4〜0.6ミリメートル、長さが0.4〜0.6ミリメートル、先端の円錐角度が60度〜120度の範囲で成形されている請求項1に記載の研削バー。
- 切削部15の外径が0.47ミリメートル、長さが0.47ミリメートル、先端の円錐角度が90度で成形されている請求項1に記載の研削バー。
- ロッド部Bが先端に向けて収斂するテーパを形成した単一の先細のシャフト13bで構成されている請求項1に記載の研削バー。
- ロッド部Bが先端に向けて収斂するテーパを形成したシャフト13cとこのシャフト13cに連続するストレートなシャフト13dとで構成されている請求項1に記載の研削バー。
- ロッド部Bがストレートな細長い単一のシャフト13eで構成されている請求項1に記載の研削バー。
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