JP2004017289A - 印刷色調監視装置及び印刷色調制御装置並びに印刷色調監視方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定し、基準サンプルに対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定し、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出するか、或いは、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる色又は光学的濃度の変化を補正する補正関数で補正し、基準サンプルの値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は同一の絵柄が繰り返し印刷される印刷絵柄の色調を安定化する為の印刷色調監視装置と、印刷色調制御装置と、印刷色調監視方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
各色のインキを用紙に重ね合わせて塗布して絵柄を連続的に再現する印刷工程においては、印刷機の幅方向(印刷用紙が走行する方向と直行する方向)に配置された多数のインキキーと呼ばれるインキ量を調節する機構を備えており、所望の色調再現を得ている。しかし、原則的にはインキキーの状態が一定で維持されていれば、色調は安定するはずであるが、印刷機の状態の変化や、温度、湿度等の環境の変化等により、印刷用紙上の絵柄の色調が徐々に変化する。そのため、印刷開始時に校正刷りと本刷りとの色調を合わせる、あるいは印刷中に状態変化、温度変化、湿度変化等による印刷機の特性の変化、材料物性(主にインキ)の変化による色調の変化を修正する必要がある。
【0003】
従来は、出来上がった印刷用紙上の絵柄の色調を印刷作業者が目視により常に監視し、刷り出し時に定めた基準の絵柄の色調からのずれを検出している。色調の変化を検出した場合は、インキキーの開度を調整することにより色調を調整している。
【0004】
このように、測定対象の印刷用紙上の絵柄を見て、基準の絵柄との色調の違いを判断することは、熟練した作業者の経験に頼っていた。そのため、作業者の主観が強く影響する上、作業者間の判断のバラツキもあり、客観的な品質(印刷絵柄の色調)の保証ができないとともに、熟練作業者の確保、熟練度の維持、向上に多大な経費と時間がかかる欠点があった。
【0005】
さらに、印刷機では高速で印刷用紙が走行しているので、走行中の印刷用紙上の絵柄を見て色調を確認することは困難であり、通常は複数枚毎に印刷用紙を適宜抜き取り、色調の変化を監視している。そのため、作業者が色調の不良を検出してから調整が完了するまでの間に大量の印刷絵柄の不良が生じてしまう欠点がある。
【0006】
このような作業者の目視による監視ではなく、センサを用いて色調変化を客観的に検出することが考えられる。すなわち、印刷用紙の絵柄の余白部に色調検査用のカラーパッチなどを印刷しておき、オンラインで色調の変動を測定・制御することが考えられている。
【0007】
しかしながら、カラーパッチなどを印刷するためには用紙上に余白が必要となるが、その余白部が無駄であり、さらにカラーパッチは単色、もしくは特定の重ね刷り色であるので、パッチ以外のハーフトーン部分(多色重ね刷り)を測定できないので、完全には色の保証ができない欠点がある。
【0008】
そこで、印刷絵柄を直接測定することで、カラーパッチ印刷を不要とし、印刷用紙の無駄を無くすことが可能になると共に、印刷用紙上の絵柄の色調変動を印刷直後に常時連続して監視・補償することができる印刷色調監視装置および印刷色調制御装置が提供されている(特開2001−18364号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように印刷絵柄を直接測定する印刷色調監視装置及び印刷色調制御装置が提供されているが、印刷用紙上の絵柄を直接測定する特徴を有するがために、走行中の印刷用紙の挙動が変化すると測定対象である絵柄の位置が変動してしまい、測定アパーチャーに入ってくる絵柄が変化し、測定誤差となり、誤ったインキキー制御を行なってしまう恐れがある。ここで、走行中の印刷用紙の挙動が変化する例としては、蛇行(印刷用紙の幅方向にぶれること)がある。
【0010】
本発明は係る従来技術の欠点に鑑みてなされたもので、印刷絵柄を直接測定する場合に、印刷用紙の挙動が変化することによる測定値への影響を低減させ、測定誤差を減らし、より高精度な測定を行なうことで、適切な印刷色調監視又は印刷色調制御を可能にすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記の課題を達成するために、まず請求項1の発明では、走行中の印刷用紙に同一の絵柄を繰り返して印刷する印刷機に対して、走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色調を監視する装置であって、
(イ)走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定する手段、
(ロ)所望の色調を有し基準として定められた印刷絵柄(基準サンプル)に対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定する手段、
(ハ)基準サンプルの色又は光学的濃度の値を、予め定められた値まで或いは予め定められた値未満の位置ずれ量に対応する基準値として記憶する手段、
(ニ)測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値が記憶されていない場合には、測定された印刷絵柄の色調が所望のものであるか否かの判断を促し、所望のものとの判断を受けると、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、前記位置ずれ量に対応する基準値として記憶する工程、(ホ)測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する手段、
以上の手段を全て備えることを特徴とする印刷色調監視装置としたものである。
【0012】
また請求項2の発明では、走行中の印刷用紙に同一の絵柄を繰り返して印刷する印刷機に対して、走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色調を監視する装置であって、
(イ)走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定する工程、
(ロ)所望の色調を有し基準として定められた印刷絵柄(基準サンプル)に対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定する手段、
(ハ)基準サンプルの色又は光学的濃度の値を基準値として記憶する手段、
(ニ)測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量が、予め定められた値以上の場合或いは予め定められた値を越えた場合に、測定された印刷絵柄の色調が所望のものであるか否かの判断を促し、所望のものであるとの判断を受けると、位置ずれ量に対応して、基準値が、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値に変化したとして、測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる色の変化を補正する補正関数、又は測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる光学的濃度の変化を補正する補正関数を作成する手段、
(ホ)測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、補正関数で補正し、基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する手段、
以上の全ての手段を備えることを特徴とする印刷色調監視装置としたものである。
【0013】
また請求項3の発明では、請求項1又は請求項2に記載の印刷色調監視装置で算出された色差又は光学的濃度差に基づき、
(イ)前記色差又は光学的濃度差が、予め定められた値以上になった場合或いは予め定められた値を越た場合に、前記色差又は光学的濃度差で示される色調変動を修正すべくインキ供給量を補正する制御量を算出する手段、
(ロ)算出した制御量をインキ供給量制御装置に送出する手段、
以上の手段を全て備えることを特徴とする印刷色調制御装置としたものえある。
【0014】
また請求項4の発明では、走行中の印刷用紙に同一の絵柄を繰り返して印刷しながら、走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色調を監視する方法であって、
(イ)走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定する工程、
(ロ)所望の色調を有し基準として定められた印刷絵柄(基準サンプル)に対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定する工程、
(ハ)基準サンプルの色又は光学的濃度の値を、予め定められた値まで或いは予め定められた値未満の位置ずれ量に対応する基準値として記憶する工程、
(ニ)測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値が記憶されていない場合には、測定された印刷絵柄の色調が所望のものであるか否かの判断を促し、所望のものとの判断を受けると、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、前記位置ずれ量に対応する基準値として記憶する工程、
(ホ)測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する工程、
以上の工程を全て含むことを特徴とする印刷色調監視方法としたものである。
【0015】
また請求項5の発明では、走行中の印刷用紙に同一の絵柄を繰り返して印刷しながら、走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色調を監視する方法であって、
(イ)走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定する工程、
(ロ)所望の色調を有し基準として定められた印刷絵柄(基準サンプル)に対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定する工程、
(ハ)基準サンプルの色又は光学的濃度の値を基準値として記憶する工程、
(ニ)測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量が、予め定められた値以上の場合或いは予め定められた値を越えた場合に、測定された印刷絵柄の色調が所望のものであるか否かの判断を促し、所望のものであるとの判断を受けると、位置ずれ量に対応して、基準値が、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値に変化したとして、測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる色の変化を補正する補正関数、又は測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる光学的濃度の変化を補正する補正関数を作成する工程、
(ホ)測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、補正関数で補正し、基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する工程、
以上の全ての工程を含むことを特徴とする印刷色調監視方法としたものであるとしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明による印刷色調監視装置及び印刷色調制御装置並びに印刷色調監視方法の1つの実施形態を説明する。
【0017】
まず、本発明を適用したオフセット巻取り輪転印刷機の構成について、図1を参照しながら説明する。
【0018】
図1のオフセット巻取り輪転印刷機では、給紙部1に配置されたロール紙が、インフィード部2と冷却部5と折り機(図示せず)を介して一定のテンション(張力)を与えられ、K(黒)、C(藍)、M(マゼンタ)、Y(黄)の4色の印刷ユニット3a〜3dを順次通過して、カラー印刷が行われる。
印刷ユニットの色の順番や数は、あくまで一例であり、上記には限らない。
各印刷ユニット3a〜3dは同じ構成であり、印刷ユニット3aの上胴のみについて詳細を説明する。
【0019】
印刷ユニット3aの上胴は、印刷用紙を上下から挟むブランケット胴10と接触している版胴11と、インキ壷8からのインキを版胴11に伝えるとともに水舟9から版胴11に湿し水を伝える多数のインキローラ12とからなる。
図示していないが、インキ壷8には「インキキー」と呼ばれるインキ付け量を調整する機構が設けられ、このキーの開度を調整することにより、版胴11に与えられるインキ量が調整される。インキキーはローラの軸方向(紙面の走行方向に垂直な方向)に沿って多数設けられており、絵柄を紙面の走行方向に沿った線で分割した細長いインキキーゾーン毎にインキ量を調整することが可能となっている。
【0020】
最終段の印刷ユニット3dから出た印刷用紙は、図示していない乾燥部、冷却部5、折り機へと導かれ、最終印刷物とされる。この最終段の印刷ユニット3dと折り機との間での印刷用紙の走行路に分光測色ヘッド13が設けられる。
【0021】
分光測色ヘッド13は、所望のアパーチャー領域に入ってくる絵柄の分光反射率を測定する。分光反射率の測定は非接触で行なわれ、そのため印刷用紙の表面との間隔が大きいと外乱光の影響を受けるので、正確な分光波形が得られないため、遮光などの配慮を行なうことが望ましい。
【0022】
絵柄は周期的に連続して印刷されるので、絵柄の領域と同期を取って測定するために、印刷用紙の走行状態を把握するロータリーエンコーダ14が、印刷ユニット内の版胴11、折り機の胴、ウェブパスローラ4のいずれかに取り付けられる。
【0023】
ロータリーエンコーダ14は、印刷用紙の走行に同期するローラの所定回転数毎にパルスを発生する。ロータリーエンコーダ14の出力パルスに応じて分光測色ヘッド13は測定を行なう。これにより、ロータリーエンコーダ14からのパルス信号によって、測定が開始/終了される。
【0024】
上述したように、印刷絵柄の色調の調整は、ローラの軸方向(印刷用紙の流れる方向と直行する方向)に配列されたインキキー開度を変えることにより行なわれるので、分光測色ヘッド13はインキキーゾーンごとの分光反射率を測定する必要がある。
そのため、分光測色ヘッド13は測定アパーチャーの大きさを印刷機のインキ着け調節機構の1単位幅に関連付け、さらにトラバース装置をインキ着け調節機構の1単位幅で駆動及び測定を繰り返して移動させることにより、走行中の印刷用紙表面の全面測定を可能にし、測定値を制御値に関連付けることが容易にできる。
【0025】
分光測色ヘッド13をトラバース(移動)させる方法としては、印刷絵柄全面を制御するのならば全面をトラバースして測定値を得ればよいし、任意領域のみの監視などに使用するならば、不要な場所を測定せずにその領域のみを測定することも可能である。必要領域のみを測定する場合には、測定のタクトタイムを減少させることができるので、より効率よく測定できることとなる。
【0026】
分光測色ヘッド13は、400nm〜700nmの可視波長領域を20nm毎の16チャンネルで、また1000nm〜1400nmの赤外波長領域を1チャンネルで測定する。
赤外領域を測定するのは、黒版(Bk)の有無を調べるためである。
【0027】
分光測色ヘッド13の測定は反射率を測定することになるが、測定機動作環境および使用状況などによって、経時的に変化していくことがある。このため、定期的に白色校正を行ない、測定値のキャリブレーションを行なう。
【0028】
分光測色ヘッド13からの出力は、測定データ処理部16を経て色調管理装置17に供給される。
測定データ処理部16は、分光測色ヘッド13の出力信号から反射率を算出する。
色調管理装置17は、通常のパーソナルコンピュータなどからなり、測定データ処理部16で処理された反射率からL*a*b*表色系の値、および各インキに対する光学的濃度を算出する。そして色調管理装置17は、算出したL*a*b*表色系の値を用いて色差ΔE*abを算出し、印刷絵柄の色調のずれを検出し検出結果を表示する表示部を有する。
【0029】
上述したように、走行中の印刷用紙の挙動が変化すると、分光測色ヘッド13の測定アパーチャーに入ってくる絵柄が変化して測定誤差が生ずる。この測定誤差の補償を、色調管理装置17は、印刷用紙の挙動の変化による絵柄の位置ずれ量に基づいて行なう。この位置ずれ量を測定するために、分光測色ヘッド13もしくは、分光測色ヘッド13近辺に紙面上の絵柄を取り込むカメラ18を配置する。カメラ18は、ロータリーエンコーダ14からの出力パルス信号により、紙面上の絵柄を取り込み、画像処理部15へ画像データを転送する。
【0030】
画像処理部15は、カメラ18から転送された画像データに対して、絵柄の特徴的なある部分の位置を認識し、印刷用紙の挙動の変化による絵柄の位置ずれ量を転送された画像毎に算出し、この位置ずれ量を色調管理装置17に供給する処理を行なう。
【0031】
次に本発明を適用したオフセット巻取り輪転印刷機の動作の内、本発明に関するものを詳細に説明する。
【0032】
一般に印刷作業現場においては、実際の印刷作業を行なう前に基準サンプルを印刷し、これを基準として実際の印刷絵柄(測定サンプル)の色調を調整する。基準サンプルとしては、顧客の校閲済みの校正刷り、顧客立会いの元に実際の印刷を行ない顧客の承認を得た印刷物、あるいは熟練した検査者が確認した印刷物などが考えられるが、以後の説明では、実際に印刷が始まり、上記にいずれかの条件を満たした印刷作業中に得られた印刷物を基準サンプルとして使う。
【0033】
すなわち、印刷用紙上の絵柄に所望の色調が得られたら、作業者は色調管理装置17へ指示を入力し、指示が入力された時点での測定値を基準とする。
図2に示すように、色調管理装置17には絵柄毎のインキキーゾーンZ1〜Zn毎の分光反射率が取り込まれる。インキキーゾーンの幅はインキキーの幅である。
分光測色ヘッド13は、ロータリーエンコーダ14から出力される測定パルスに応じて測定を行なう。図2に示すように、例えばインキキーの幅を35mmとした場合、1回の測定では35mm×7mmの領域の測定を行なう。測定パルスごとの測定値は、測定データ処理部16が、単独で保持し、必要な領域部分の測定値を平均して所望領域の反射率を求める。こうして基準サンプルの絵柄においてインキキーゾーン毎の分光反射率(分光波形)が基準波形として色調管理装置17に入力される。
【0034】
色調管理装置17は、分光反射率波形に等色関数を乗算して色彩値を求める。本実施形態では、国際照明委員会(CIE)が規格したL*a*b*表色系を採用する。
【0035】
通常の印刷絵柄(測定サンプル)の測定においても、基準サンプルの測定範囲に対応する範囲の分光反射率を測定する。このときの分光波形も色調管理装置17に供給され、色彩値が求められる。
【0036】
色調管理装置17は、こうして求められた基準サンプルと測定サンプルの色調の差を、色彩値の差として、次の数式で求め、これをΔE*abとする。
【0037】
【数1】
【0038】
ここで、ΔL*はL*値の差、Δa*はa*値の差、Δb*はb*値の差である。
【0039】
色調管理装置17は、色差ΔE*abを色調のずれとして表示部で表示すると共に、この差が所定の閾値以上であれば、補正が必要と判断し、この差に応じたK、C、M、Yの各インキ量調整信号を印刷機の各色ユニットのインキキーへ開度制御信号として供給する。
このため本実施形態では、色調管理装置17は、色彩値の差ΔE*abとK、C、M、Yの各インキキー開度との対応関係を予め記憶したテーブルを用意した。このテーブルより、修正に有効と思われるインキの色と、そのインキキー開度調節量を算出する。ここでは、色彩値の差ΔE*abとK、C、M、Y の各インキキー開度との対応関係のテーブルを用意したが、他に、各インキ色の光学的濃度差とインキキー開度調節量の関係を示す関数によるインキキー開度調節量の算出方法など、その方法は問わない。
【0040】
色調管理装置17は、上記、分光反射率の測定データからインキキー開度調節量の算出を行なうとともに、画像処理部15からのデータも処理する。
【0041】
画像処理部15は、カメラ18からの画像データを測色タイミングごとに取り込む。基準サンプルの画像データを記憶し、測定サンプルの画像データと比較し、基準サンプルと測定サンプルとの位置ずれ量を、印刷用紙の流れる方向と、それと直行する方向に分割し算出し、色調管理装置17に転送する。
【0042】
色調管理装置17では、以下の2つの方法で、基準サンプルと測定サンプルとの位置ずれ量による測定誤差を補償する。
【0043】
第1の方法では、画像処理部15から送られてきた位置ずれ量を、予め用意してある位置ずれ量の管理閾値テーブルと比較し、位置ずれ量が定められた値(閾値)を越えたとき、位置ずれが生じたと判断し、印刷作業者に警報、もしくは画面表示等で知らせる。印刷作業者は、その時点で印刷絵柄の色調の良否判断をし、所望の色調であれば再度、基準の取り込みを行なう。
【0044】
この基準取り込み時に、色調管理装置17は、色または光学的濃度との値と合わせて位置ずれ量を記録し、以後の測定では、測定時の位置ずれ量に対応する基準となる色または光学的濃度の値を用いて印刷絵柄の色調の良否判断を行なう。再び、色調管理装置17は、予め定められている値を越え、かつ基準が記録されていない位置ずれ量が測定されたとき、印刷作業者に警報、もしくは画面表示等で知らせ、印刷作業者は印刷絵柄の色調の良否判断を行なう。所望の色調と判断されると、この印刷絵柄のインキキーゾーン毎の分光反射率(分光波形)が、基準波形として色調管理装置17に入力される。
これらの作業を繰り返し、色調管理装置17は、位置ずれ量と色または光学的濃度の値を比較しながら、印刷絵柄の色調の監視を行なう。
【0045】
第2の方法では、保持している基準の色または光学的濃度の値と位置ずれ量との関係を演算し、補正関数を作成する。
以降の測定については、測定の都度得られる色または光学的濃度の値を、位置ずれ量の値と補正関数とを使用して修正して、基準の色または光学的濃度の値と比較し、印刷絵柄の色調の監視を行なう。
【0046】
色調管理装置17は、印刷絵柄の色調の監視結果により、色または光学的濃度の値が、基準値と比較して、ある閾値を越えたとき、印刷機の墨、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれのインキキーの補正量を算出し、各色のインキキーを操作する。
【0047】
補正量の算出方法は特に規定しないが、色差がある閾値を越えたとき、各色の光学的濃度差を参照し、予め設定しておいた光学的濃度差とインキキー補正量の関係からインキキーの補正量を算出する。もしくは、色差がある閾値を越えたとき、墨、シアン、マゼンタ、イエローのプロセスインキのL*a*b*空間でのベクトルと各色の調整量のバランスを予め設定しておき、測定された色のL*a*b*空間でのずれを各ベクトルと調整量のバランスから、最適な各色のインキキーの操作量を求める、といった方法が考えられる。後者の方法を実行するために、色差と、各色のインキキーの開度との対応関係を記憶したテーブルを用意しても良い。
【0048】
【発明の効果】
以上、本発明より、印刷絵柄を直接測定する場合に、印刷用紙の挙動が変化することによる測定値への影響を低減させ、測定誤差を減らし、より高精度な測定を行なうことで、適切な印刷色調監視又は印刷色調制御が可能になり、印刷絵柄の色調を容易に安定した状態に保つことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したオフセット巻取り輪転印刷機の構成を示すブロック図。
【図2】分光測色ヘッドによる分光反射率の測定原理を示す説明図。
【符号の説明】
1…給紙部
2…インフィード部
3、3a、3b、3c、3d…印刷ユニット部
4…ウェッブパスローラ
5…冷却部
7…印刷用紙
8…インキ壷
9…水舟
10…ブランケット胴
11…版胴
12…インキローラ群
13…分光測色ヘッド
14…ロータリーエンコーダ
15…画像処理部
16…測定データ処理部
17…色調管理装置
18…カメラ
21…印刷用紙
22…絵柄
Claims (5)
- 走行中の印刷用紙に同一の絵柄を繰り返して印刷する印刷機に対して、走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色調を監視する装置であって、
(イ)走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定する手段、
(ロ)所望の色調を有し基準として定められた印刷絵柄(基準サンプル)に対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定する手段、
(ハ)基準サンプルの色又は光学的濃度の値を、予め定められた値まで或いは予め定められた値未満の位置ずれ量に対応する基準値として記憶する手段、
(ニ)測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値が記憶されていない場合には、測定された印刷絵柄の色調が所望のものであるか否かの判断を促し、所望のものとの判断を受けると、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、前記位置ずれ量に対応する基準値として記憶する工程、(ホ)測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する手段、
以上の手段を全て備えることを特徴とする印刷色調監視装置。 - 走行中の印刷用紙に同一の絵柄を繰り返して印刷する印刷機に対して、走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色調を監視する装置であって、
(イ)走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定する工程、
(ロ)所望の色調を有し基準として定められた印刷絵柄(基準サンプル)に対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定する手段、
(ハ)基準サンプルの色又は光学的濃度の値を基準値として記憶する手段、
(ニ)測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量が、予め定められた値以上の場合或いは予め定められた値を越えた場合に、測定された印刷絵柄の色調が所望のものであるか否かの判断を促し、所望のものであるとの判断を受けると、位置ずれ量に対応して、基準値が、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値に変化したとして、測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる色の変化を補正する補正関数、又は測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる光学的濃度の変化を補正する補正関数を作成する手段、
(ホ)測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、補正関数で補正し、基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する手段、
以上の全ての手段を備えることを特徴とする印刷色調監視装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の印刷色調監視装置で算出された色差又は光学的濃度差に基づき、
(イ)前記色差又は光学的濃度差が、予め定められた値以上になった場合或いは予め定められた値を越た場合に、前記色差又は光学的濃度差で示される色調変動を修正すべくインキ供給量を補正する制御量を算出する手段、
(ロ)算出した制御量をインキ供給量制御装置に送出する手段、
以上の手段を全て備えることを特徴とする印刷色調制御装置。 - 走行中の印刷用紙に同一の絵柄を繰り返して印刷しながら、走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色調を監視する方法であって、
(イ)走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定する工程、
(ロ)所望の色調を有し基準として定められた印刷絵柄(基準サンプル)に対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定する工程、
(ハ)基準サンプルの色又は光学的濃度の値を、予め定められた値まで或いは予め定められた値未満の位置ずれ量に対応する基準値として記憶する工程、
(ニ)測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値が記憶されていない場合には、測定された印刷絵柄の色調が所望のものであるか否かの判断を促し、所望のものとの判断を受けると、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、前記位置ずれ量に対応する基準値として記憶する工程、(ホ)測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量に対応する基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する工程、
以上の工程を全て含むことを特徴とする印刷色調監視方法。 - 走行中の印刷用紙に同一の絵柄を繰り返して印刷しながら、走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色調を監視する方法であって、
(イ)走行中の印刷用紙における各印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を測定する工程、
(ロ)所望の色調を有し基準として定められた印刷絵柄(基準サンプル)に対する各印刷絵柄の位置ずれ量を測定する工程、
(ハ)基準サンプルの色又は光学的濃度の値を基準値として記憶する工程、
(ニ)測定された印刷絵柄の基準サンプルに対する位置ずれ量が、予め定められた値以上の場合或いは予め定められた値を越えた場合に、測定された印刷絵柄の色調が所望のものであるか否かの判断を促し、所望のものであるとの判断を受けると、位置ずれ量に対応して、基準値が、測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値に変化したとして、測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる色の変化を補正する補正関数、又は測定された印刷絵柄の基準サンプルからの位置ずれによる光学的濃度の変化を補正する補正関数を作成する工程、
(ホ)測定された印刷絵柄の色又は光学的濃度の値を、補正関数で補正し、基準値と比較して、色差又は光学的濃度差を算出する工程、
以上の全ての工程を含むことを特徴とする印刷色調監視方法。
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