JP2004017694A - 貨物運搬車両の荷降ろし装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】押し板にて積荷を押動する際に積荷をスムーズに押動して、積荷の排出をより容易に行えるようにする。
【解決手段】押し板7の荷押し面を平板状に形成するとともに、この押し板7を、上部が積荷押動方向に対して後方へ傾斜するように配置する。
【選択図】 図3
【解決手段】押し板7の荷押し面を平板状に形成するとともに、この押し板7を、上部が積荷押動方向に対して後方へ傾斜するように配置する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷台上に車両の後方へ向けて移動される荷押し用の押し板を有し、この押し板により荷台上の積荷を押動して荷降ろしを行う貨物運搬車両の荷降ろし装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、バラ物等の貨物を積載して運搬する車両(トラック)において、荷台上の貨物の荷降ろし方法としては、所謂ダンプ方式によって荷台を傾斜させて排出する方法が一般的に採用されている。このほかに、例えばチップ材など積載容積の大きなバラ物貨物を取り扱う長尺荷台の車両のように、前記ダンプ方式を採用することが困難な車両においては、車両を専用のプラットフォーム上に載せて、そのプラットフォームごと傾斜させて貨物を荷降ろしする方法が採用されている。
【0003】
また、他の荷降ろし方法として、例えば特許第3062568号公報に開示されているように、荷台上に前後動可能なスライド板を設けるとともに、このスライド板上に隔壁板を設け、この隔壁板を荷台上でキャビン側から後端側へ向けて移動させて徐々に積荷を荷降ろしするようにしたものがある。この荷降ろし方法では、前記隔壁板を左右の荷台側板に係止可能に構成して、係止時にはスライド板のみを移動させ非係止時には隔壁板とスライド板をともに移動させ、スライド板の車両後方への移動時に隔壁板をともに移動させて積荷を押出し、隔壁板を係止状態にした後にスライド板を後退させるようにして、順次積荷を押し出して排出(荷降ろし)するようにされている。
【0004】
ところで、前記公報に記載の荷降ろし装置においては、押し板(隔壁板)の荷押し面が鉛直面に形成されているために、スライド板に近接する位置にある積荷(バラ物)に対し上方の積荷からの重量がかかり、この負荷状態で押し板の鉛直状の押し面によって積荷が押動されることになり、積荷が押し板の下端縁とスライド板の上面との間に挟まって積荷の押し出し操作がスムーズに行えないという問題点があった。
【0005】
そこで、このような問題点に対処するために、特開2002−114290号公報においては、押し板の下半部を、上部が荷排出口から遠ざかるように傾斜させた形状のものが提案されている。このように押し板に傾斜面を形成することで、スライド板に近接する位置にある積荷に対して所要のすくい角を確保することができ、鉛直状の押し面のものに比べて積荷の押動操作をスムーズに行うことが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開2002−114290号公報に記載されたもののように、押し板の下半部のみを傾斜させた構造では、その押し板の傾斜面と鉛直面との境界部において下方から押し上げられた積荷の動きが止められることになって、積荷のすくい動作がスムーズに行えないという問題点がある。また、この従来構造では、押し板下方のスライド板を作動させる際に、この押し板が荷台側壁に当接する部位において、この押し板の鉛直面に接する積荷に加わる側圧を効果的に逃がすことができず、スライド板および押し板の押動操作がスムーズに行えないという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、押し板にて積荷を押動する際に、特に押し板下部の積荷をスムーズに押動して、積荷の排出をより容易に行うことのできる貨物運搬車両の荷降ろし装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、本発明による貨物運搬車両の荷降ろし装置は、
荷台上に車両の後方へ向けて移動される荷押し用の押し板を有する貨物運搬車両の荷降ろし装置において、
前記押し板の荷押し面を平板状に形成するとともに、この押し板を、上部が積荷押動方向に対して後方へ傾斜するように配置することを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、押し板の荷押し面が平板状に形成され、かつその上部が積荷押動方向に対して後方へ傾斜するように配置されているので、押し板による積荷の押動時にその押し板にスクレーパ効果を持たせることができ、この押し板の押動方向前面にある積荷に対する押動抵抗を低減させて、積荷の排出(荷降ろし)を容易に、かつ確実に行うことができる。また、押し板に押動力を付与する際に、押し板が荷台側壁に当接する部位において、この押し板に接する積荷に加わる側圧を効果的に逃がすことができ、これによっても積荷に対する押動抵抗を低減させることができる。さらに、押し板が鉛直状のものに比べて、積荷の積載量を増やすことができるという効果もある。
【0010】
本発明において、前記押し板は、荷台上に車両の前後方向に往復動可能に設けられるスライド板上に配されるのが好ましい。このような構成においては、押し板が傾斜配置されていることによって、積荷を積載した際に、押し板が積荷から受ける荷押し面に垂直方向の反力による鉛直分力がスライド板に付与されることになり、これによって押し板のスライド板に対する摩擦力が高められ、スライド板を押動操作した際にそのスライド板と押し板との協動動作がより確実に行え、積荷の押動操作がスムーズに行えることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による貨物運搬車両の荷降ろし装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1には、本発明の一実施形態に係る貨物運搬車両の全体縦断概要図が示され、図2には、スライド板と押し板との関係を示す図1のA−A線断面図(a)およびそのB部拡大図(b)が示されている。また、図3には、押し板支持フレームの平面図(a)および側面図(b)が示され、図4には、図3のC−C線断面図が示されている。
【0013】
本実施形態の運搬車両(以下「トラック」という。)1は、主にバラ物の貨物を運搬する長尺の荷台2を備えるロングボディ型のもので、この荷台2の両側板2a,2bが高くされて、その上部には開閉構造の覆い天板3が付設されて構成されている。
【0014】
前記荷台2上に配された横根太の上面には摺動部2cが設けられるとともに、この摺動部2c上には車両の前後方向に往復動可能なスライド板4が設けられ、このスライド板4を往復動させる駆動手段としての油圧シリンダ5がそのスライド板4の前端部と車両本体との間に配されている。ここで、前記スライド板4は、平板状の底板部4aと、この底板部4aの両側部に立設される側部片4b,4cよりなり、底板部4aの下面が前記横根太に設けられた摺動部2cに対向するとともに、側部片4b,4cの背面が荷台2の両側板2a,2bの内側面にそれぞれ対向するように配されている。なお、前記側部片4b,4cはその上面が荷台2の内側下方へ向けてテーパ面に形成されている。
【0015】
前記スライド板4の上面には、トラック1のキャビン6側から後端側に向かって積荷を押し出して荷降ろしする押し板7が受支されている。この押し板7は、荷台2の両側板2a,2bの内幅にほぼ合致する幅寸法で、かつその側板2a,2bの高さ寸法に相応した高さ寸法を有する隔壁板構造で、押し板支持フレーム8に支持されて前記スライド板4上に自立するように配されている。なお、この押し板7は、前記スライド板4の側部片4b,4cに対応する部分等がその側部片4b,4c等の形状に合わせて切り欠かれ、押し板7とスライド板4との相対移動時に両者が干渉しないように、かつ両者間の隙間からバラ物が漏れ出ないようにされている。
【0016】
次に、図2〜図4を参照しつつ前記押し板7を支持する押し板支持フレーム8の詳細構造について説明する。ここで、「前」および「後」とは車両の前後方向に対応するものとする。
【0017】
前記押し板支持フレーム8は、矩形状に枠組みされた後部フレーム8aと、この後部フレーム8aの上端両側部に接合されて前方へ向けて延びるコ字状の上部フレーム8bと、この上部フレーム8bの前端両側部と前記後部フレーム8aの下端両側部とをそれぞれ連結するように傾斜配置される左右の側柱8c,8cと、前記後部フレーム8aの下端両側部であってその両側縁よりやや内側位置に接合されて前方へ向けて延びる2本の下部支持部材8d,8dと、各部材間に配される補強部材等を備える構造とされている。このようなフレーム構造において、傾斜配置された左右の側柱8c,8c間に平板状の押し板7が支持されている。すなわち、この押し板7は、その押動方向に対して上部が反押動方向へ向けて傾斜配置されて積荷に対して所要のすくい角を確保するようにされている。なお、図2(a)において、符号7aにて示されるのは、押し板7の中央部に設けられた点検用扉である。
【0018】
前記押し板支持フレーム8の下部支持部材8d,8dには、前後左右に計4個の係止部材(係止手段)9,9;10,10が設けられている。これら係止部材9,10は、前記スライド板4が荷台後端部へ向けて移動される際に押し板7をそのスライド板4に係止する役目をするものであって、圧縮コイルばね11;12,12のばね力によって押し棒9a,9a;10a,10aをスライド板4の内側面に向けて付勢するように構成されるとともに、これら押し棒9a,9a;10a,10aの先端部に取着されるブレーキパッド13がスライド板4の側部片4b,4cに押し付けられるように構成されている。
【0019】
また、前記下部支持部材8d,8dには、前側の係止部材10,10より前端寄りの位置に、前記押し板7の傾き防止機構としてのガイドローラ14,14が取り付けられている。このガイドローラ14,14は、下部支持部材8d,8dの側面に外側へ向けて取着され、スライド板4の内側面に接して転動することにより、押し板支持フレーム8の移動時に押し板7の荷押し面が押動方向に対して常に略直交する方向を向くようにその押し板7の平行度を保持する役目をする。
【0020】
一方、前記押し板支持フレーム8における側柱8c,8cの上端部の左右両端部には、ラッチ機構15の可動部が取り付けられている。このラッチ機構15は、荷台両側板2a,2bの上端部の内側に全長にわたって固着される支持部材16の上面に配設されるラッチ歯17と、前記押し板支持フレーム8の側柱8cの上端部両肩部上に軸受18で支承される支持軸19の外端に取り付いて前記ラッチ歯17と係合・離脱可能にされたラッチ爪20と、このラッチ爪20に係止力を付勢するとともに後退時に反転できるようにするラッチ操作手段21とで構成されている。
【0021】
ここで、前記ラッチ操作手段21は、押し板7の背面部に取り付けられるモータシリンダ22と、このモータシリンダ22の出力ロッド上端に連結されるスプリング式の緩衝器23を備え、この緩衝器23のロッド先端部が接続ロッド等を介してラッチ爪20に連結されることで、前記緩衝器23によって、押し板7の移動時にラッチ爪20がラッチ歯17を乗り越えるのを許容するとともに、逆動するのを阻止して所要の係合力が得られるようにされている。こうして、スライド板4を介して押し板7が車両後端側へ向けて所定ピッチだけ押動されると、ラッチ爪20がラッチ歯17を所定個数乗り越えてその戻り方向への移動が阻止されることにより、押し板7がその押動位置に保持される。
【0022】
次に、図5を参照しつつ、本実施形態のトラック1における積荷の荷降ろし態様について説明する。
【0023】
荷台2上に積載されたバラ物貨物の荷降ろしを行うには、荷台2後部の扉を開いた後、図5(a)に示されるように、油圧シリンダ5を作動させて荷台2の摺動部2c上に位置するスライド板4を所定ストローク後方へ移動させる。すると、そのスライド板4に対し係止部材9,10により係止された状態にある押し板支持フレーム8(押し板7)はそのスライド板4とともに移動する。このとき、スライド板4の移動によって荷台2の内部に積み込まれているバラ荷Xは、荷台2後端から後方に押出されたスライド板4上に載って押出される。
【0024】
このスライド板4が1ストローク分移動すると、押し板フレーム8および押し板7は、その上端の肩部に配されているラッチ爪20が荷台側板2a,2bの上部内側に沿って設けられているラッチ歯17の上を複数ピッチに亙り乗り越えて移動する。この際、ラッチ爪20は、緩衝器23内のスプリングによる緩衝作用によってラッチ歯17を乗り越えると速やかに引き下げられ、その乗り越えたラッチ歯17の後側に爪先が係合する。
【0025】
次いで、図5(b)に示されるように、油圧シリンダ5が元の状態に引き戻されると、押し板7は、ラッチ爪20が荷台側板2a,2bの上部内側に配列されているラッチ歯17に係止されるので、移動した位置にとどまり、スライド板4のみが1ストローク分元の位置に復帰する。なお、このスライド板4の復帰時においては、ラッチ爪20とラッチ歯17との係止力によって、押し棒9a,10a先端部のブレーキパッド13とスライド板4の側部片4b,4cとの間には滑りが生じて押し板7が共に移動することはない。こうして、スライド板4が荷台2の後端から突き出した上に位置するバラ荷Xは支えを失って荷台後端から荷受している個所(例えばピット内)に落下排出される。
【0026】
次に、再び油圧シリンダ5を1ストローク分押出すと、スライド板4が再び後方へ向けて移動する。これに伴い前述と同様にして、ラッチ爪20がラッチ歯17を複数ピッチ乗り越えて移動し、この移動したスライド板4はその移動1ストローク分荷台2の後端から突き出される。この後、前述のようにスライド板4を引き戻すと、押し板7が移動位置で停止され、突き出された分のバラ荷がスライド板4の復帰とともに荷受個所に落下排出される。
【0027】
以後この動作を繰り返すことにより、図5(c)で示されるように、実質的に押し板7が後方へ移動して行き、荷台2内部に積載されているバラ荷Xが荷台後方から押出されて排出されることになる。こうして、最終的に図5(c)で鎖線Yによって示されるように、押し板7が最後端位置まで移動するとすべてのバラ荷Xが荷降ろしされる。
【0028】
本実施形態の押し板支持フレーム8においては、押し板7が、その押動方向に対して上部が反押動方向へ向けて傾斜配置されている、言い換えれば積荷に対して所要のすくい角を確保するようにされているので、積荷の押動時に押し板7にスクレーパ効果を持たせることができる。また、押し板7を押動させた際に、この押し板7が荷台側板2bに当接する部位において、この押し板7に接する積荷に加わる側圧をその押し板7の斜面に沿って逃がすことができる。この結果、押し板7の積荷に対する押動抵抗を低減させて、積荷の排出(荷降ろし)をスムーズに行うことができる。さらに、押し板が鉛直状もしくは一部鉛直状のものに比べて、押し板の下方における傾斜開始点から荷台に垂直に引いた垂線の荷押し面側の側面視三角部分に相当する積荷の積載量を増やすことができるという効果もある。
【0029】
本実施形態においては、スライド板4と押し板との協働により荷降ろしを行うものについて説明したが、本実施形態のような傾斜配置の押し板は、スライド板を用いずに、押し板のみで積荷を押動するようにした装置に対しても所望の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る貨物運搬車両の全体縦断概要図である。
【図2】図2は、スライド板と押し板との関係を示す図1のA−A線断面図(a)およびそのB部拡大図(b)である。
【図3】図3は、押し板支持フレームの平面図(a)および側面図(b)である。
【図4】図4は、図3のC−C線断面図である。
【図5】図5(a)(b)(c)は、積荷の荷降ろし態様説明図である。
【符号の説明】
1 貨物運搬車両(トラック)
2 荷台
4 スライド板
4b,4c 側部片
7 押し板
8 押し板支持フレーム
8c 側柱
8d 下部支持部材
9,10 係止部材
9a,10a 押し棒
13 ブレーキパッド
14 ガイドローラ
15 ラッチ機構
16 支持部材
17 ラッチ歯
20 ラッチ爪
21 ラッチ操作手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷台上に車両の後方へ向けて移動される荷押し用の押し板を有し、この押し板により荷台上の積荷を押動して荷降ろしを行う貨物運搬車両の荷降ろし装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、バラ物等の貨物を積載して運搬する車両(トラック)において、荷台上の貨物の荷降ろし方法としては、所謂ダンプ方式によって荷台を傾斜させて排出する方法が一般的に採用されている。このほかに、例えばチップ材など積載容積の大きなバラ物貨物を取り扱う長尺荷台の車両のように、前記ダンプ方式を採用することが困難な車両においては、車両を専用のプラットフォーム上に載せて、そのプラットフォームごと傾斜させて貨物を荷降ろしする方法が採用されている。
【0003】
また、他の荷降ろし方法として、例えば特許第3062568号公報に開示されているように、荷台上に前後動可能なスライド板を設けるとともに、このスライド板上に隔壁板を設け、この隔壁板を荷台上でキャビン側から後端側へ向けて移動させて徐々に積荷を荷降ろしするようにしたものがある。この荷降ろし方法では、前記隔壁板を左右の荷台側板に係止可能に構成して、係止時にはスライド板のみを移動させ非係止時には隔壁板とスライド板をともに移動させ、スライド板の車両後方への移動時に隔壁板をともに移動させて積荷を押出し、隔壁板を係止状態にした後にスライド板を後退させるようにして、順次積荷を押し出して排出(荷降ろし)するようにされている。
【0004】
ところで、前記公報に記載の荷降ろし装置においては、押し板(隔壁板)の荷押し面が鉛直面に形成されているために、スライド板に近接する位置にある積荷(バラ物)に対し上方の積荷からの重量がかかり、この負荷状態で押し板の鉛直状の押し面によって積荷が押動されることになり、積荷が押し板の下端縁とスライド板の上面との間に挟まって積荷の押し出し操作がスムーズに行えないという問題点があった。
【0005】
そこで、このような問題点に対処するために、特開2002−114290号公報においては、押し板の下半部を、上部が荷排出口から遠ざかるように傾斜させた形状のものが提案されている。このように押し板に傾斜面を形成することで、スライド板に近接する位置にある積荷に対して所要のすくい角を確保することができ、鉛直状の押し面のものに比べて積荷の押動操作をスムーズに行うことが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開2002−114290号公報に記載されたもののように、押し板の下半部のみを傾斜させた構造では、その押し板の傾斜面と鉛直面との境界部において下方から押し上げられた積荷の動きが止められることになって、積荷のすくい動作がスムーズに行えないという問題点がある。また、この従来構造では、押し板下方のスライド板を作動させる際に、この押し板が荷台側壁に当接する部位において、この押し板の鉛直面に接する積荷に加わる側圧を効果的に逃がすことができず、スライド板および押し板の押動操作がスムーズに行えないという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、押し板にて積荷を押動する際に、特に押し板下部の積荷をスムーズに押動して、積荷の排出をより容易に行うことのできる貨物運搬車両の荷降ろし装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、本発明による貨物運搬車両の荷降ろし装置は、
荷台上に車両の後方へ向けて移動される荷押し用の押し板を有する貨物運搬車両の荷降ろし装置において、
前記押し板の荷押し面を平板状に形成するとともに、この押し板を、上部が積荷押動方向に対して後方へ傾斜するように配置することを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、押し板の荷押し面が平板状に形成され、かつその上部が積荷押動方向に対して後方へ傾斜するように配置されているので、押し板による積荷の押動時にその押し板にスクレーパ効果を持たせることができ、この押し板の押動方向前面にある積荷に対する押動抵抗を低減させて、積荷の排出(荷降ろし)を容易に、かつ確実に行うことができる。また、押し板に押動力を付与する際に、押し板が荷台側壁に当接する部位において、この押し板に接する積荷に加わる側圧を効果的に逃がすことができ、これによっても積荷に対する押動抵抗を低減させることができる。さらに、押し板が鉛直状のものに比べて、積荷の積載量を増やすことができるという効果もある。
【0010】
本発明において、前記押し板は、荷台上に車両の前後方向に往復動可能に設けられるスライド板上に配されるのが好ましい。このような構成においては、押し板が傾斜配置されていることによって、積荷を積載した際に、押し板が積荷から受ける荷押し面に垂直方向の反力による鉛直分力がスライド板に付与されることになり、これによって押し板のスライド板に対する摩擦力が高められ、スライド板を押動操作した際にそのスライド板と押し板との協動動作がより確実に行え、積荷の押動操作がスムーズに行えることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による貨物運搬車両の荷降ろし装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1には、本発明の一実施形態に係る貨物運搬車両の全体縦断概要図が示され、図2には、スライド板と押し板との関係を示す図1のA−A線断面図(a)およびそのB部拡大図(b)が示されている。また、図3には、押し板支持フレームの平面図(a)および側面図(b)が示され、図4には、図3のC−C線断面図が示されている。
【0013】
本実施形態の運搬車両(以下「トラック」という。)1は、主にバラ物の貨物を運搬する長尺の荷台2を備えるロングボディ型のもので、この荷台2の両側板2a,2bが高くされて、その上部には開閉構造の覆い天板3が付設されて構成されている。
【0014】
前記荷台2上に配された横根太の上面には摺動部2cが設けられるとともに、この摺動部2c上には車両の前後方向に往復動可能なスライド板4が設けられ、このスライド板4を往復動させる駆動手段としての油圧シリンダ5がそのスライド板4の前端部と車両本体との間に配されている。ここで、前記スライド板4は、平板状の底板部4aと、この底板部4aの両側部に立設される側部片4b,4cよりなり、底板部4aの下面が前記横根太に設けられた摺動部2cに対向するとともに、側部片4b,4cの背面が荷台2の両側板2a,2bの内側面にそれぞれ対向するように配されている。なお、前記側部片4b,4cはその上面が荷台2の内側下方へ向けてテーパ面に形成されている。
【0015】
前記スライド板4の上面には、トラック1のキャビン6側から後端側に向かって積荷を押し出して荷降ろしする押し板7が受支されている。この押し板7は、荷台2の両側板2a,2bの内幅にほぼ合致する幅寸法で、かつその側板2a,2bの高さ寸法に相応した高さ寸法を有する隔壁板構造で、押し板支持フレーム8に支持されて前記スライド板4上に自立するように配されている。なお、この押し板7は、前記スライド板4の側部片4b,4cに対応する部分等がその側部片4b,4c等の形状に合わせて切り欠かれ、押し板7とスライド板4との相対移動時に両者が干渉しないように、かつ両者間の隙間からバラ物が漏れ出ないようにされている。
【0016】
次に、図2〜図4を参照しつつ前記押し板7を支持する押し板支持フレーム8の詳細構造について説明する。ここで、「前」および「後」とは車両の前後方向に対応するものとする。
【0017】
前記押し板支持フレーム8は、矩形状に枠組みされた後部フレーム8aと、この後部フレーム8aの上端両側部に接合されて前方へ向けて延びるコ字状の上部フレーム8bと、この上部フレーム8bの前端両側部と前記後部フレーム8aの下端両側部とをそれぞれ連結するように傾斜配置される左右の側柱8c,8cと、前記後部フレーム8aの下端両側部であってその両側縁よりやや内側位置に接合されて前方へ向けて延びる2本の下部支持部材8d,8dと、各部材間に配される補強部材等を備える構造とされている。このようなフレーム構造において、傾斜配置された左右の側柱8c,8c間に平板状の押し板7が支持されている。すなわち、この押し板7は、その押動方向に対して上部が反押動方向へ向けて傾斜配置されて積荷に対して所要のすくい角を確保するようにされている。なお、図2(a)において、符号7aにて示されるのは、押し板7の中央部に設けられた点検用扉である。
【0018】
前記押し板支持フレーム8の下部支持部材8d,8dには、前後左右に計4個の係止部材(係止手段)9,9;10,10が設けられている。これら係止部材9,10は、前記スライド板4が荷台後端部へ向けて移動される際に押し板7をそのスライド板4に係止する役目をするものであって、圧縮コイルばね11;12,12のばね力によって押し棒9a,9a;10a,10aをスライド板4の内側面に向けて付勢するように構成されるとともに、これら押し棒9a,9a;10a,10aの先端部に取着されるブレーキパッド13がスライド板4の側部片4b,4cに押し付けられるように構成されている。
【0019】
また、前記下部支持部材8d,8dには、前側の係止部材10,10より前端寄りの位置に、前記押し板7の傾き防止機構としてのガイドローラ14,14が取り付けられている。このガイドローラ14,14は、下部支持部材8d,8dの側面に外側へ向けて取着され、スライド板4の内側面に接して転動することにより、押し板支持フレーム8の移動時に押し板7の荷押し面が押動方向に対して常に略直交する方向を向くようにその押し板7の平行度を保持する役目をする。
【0020】
一方、前記押し板支持フレーム8における側柱8c,8cの上端部の左右両端部には、ラッチ機構15の可動部が取り付けられている。このラッチ機構15は、荷台両側板2a,2bの上端部の内側に全長にわたって固着される支持部材16の上面に配設されるラッチ歯17と、前記押し板支持フレーム8の側柱8cの上端部両肩部上に軸受18で支承される支持軸19の外端に取り付いて前記ラッチ歯17と係合・離脱可能にされたラッチ爪20と、このラッチ爪20に係止力を付勢するとともに後退時に反転できるようにするラッチ操作手段21とで構成されている。
【0021】
ここで、前記ラッチ操作手段21は、押し板7の背面部に取り付けられるモータシリンダ22と、このモータシリンダ22の出力ロッド上端に連結されるスプリング式の緩衝器23を備え、この緩衝器23のロッド先端部が接続ロッド等を介してラッチ爪20に連結されることで、前記緩衝器23によって、押し板7の移動時にラッチ爪20がラッチ歯17を乗り越えるのを許容するとともに、逆動するのを阻止して所要の係合力が得られるようにされている。こうして、スライド板4を介して押し板7が車両後端側へ向けて所定ピッチだけ押動されると、ラッチ爪20がラッチ歯17を所定個数乗り越えてその戻り方向への移動が阻止されることにより、押し板7がその押動位置に保持される。
【0022】
次に、図5を参照しつつ、本実施形態のトラック1における積荷の荷降ろし態様について説明する。
【0023】
荷台2上に積載されたバラ物貨物の荷降ろしを行うには、荷台2後部の扉を開いた後、図5(a)に示されるように、油圧シリンダ5を作動させて荷台2の摺動部2c上に位置するスライド板4を所定ストローク後方へ移動させる。すると、そのスライド板4に対し係止部材9,10により係止された状態にある押し板支持フレーム8(押し板7)はそのスライド板4とともに移動する。このとき、スライド板4の移動によって荷台2の内部に積み込まれているバラ荷Xは、荷台2後端から後方に押出されたスライド板4上に載って押出される。
【0024】
このスライド板4が1ストローク分移動すると、押し板フレーム8および押し板7は、その上端の肩部に配されているラッチ爪20が荷台側板2a,2bの上部内側に沿って設けられているラッチ歯17の上を複数ピッチに亙り乗り越えて移動する。この際、ラッチ爪20は、緩衝器23内のスプリングによる緩衝作用によってラッチ歯17を乗り越えると速やかに引き下げられ、その乗り越えたラッチ歯17の後側に爪先が係合する。
【0025】
次いで、図5(b)に示されるように、油圧シリンダ5が元の状態に引き戻されると、押し板7は、ラッチ爪20が荷台側板2a,2bの上部内側に配列されているラッチ歯17に係止されるので、移動した位置にとどまり、スライド板4のみが1ストローク分元の位置に復帰する。なお、このスライド板4の復帰時においては、ラッチ爪20とラッチ歯17との係止力によって、押し棒9a,10a先端部のブレーキパッド13とスライド板4の側部片4b,4cとの間には滑りが生じて押し板7が共に移動することはない。こうして、スライド板4が荷台2の後端から突き出した上に位置するバラ荷Xは支えを失って荷台後端から荷受している個所(例えばピット内)に落下排出される。
【0026】
次に、再び油圧シリンダ5を1ストローク分押出すと、スライド板4が再び後方へ向けて移動する。これに伴い前述と同様にして、ラッチ爪20がラッチ歯17を複数ピッチ乗り越えて移動し、この移動したスライド板4はその移動1ストローク分荷台2の後端から突き出される。この後、前述のようにスライド板4を引き戻すと、押し板7が移動位置で停止され、突き出された分のバラ荷がスライド板4の復帰とともに荷受個所に落下排出される。
【0027】
以後この動作を繰り返すことにより、図5(c)で示されるように、実質的に押し板7が後方へ移動して行き、荷台2内部に積載されているバラ荷Xが荷台後方から押出されて排出されることになる。こうして、最終的に図5(c)で鎖線Yによって示されるように、押し板7が最後端位置まで移動するとすべてのバラ荷Xが荷降ろしされる。
【0028】
本実施形態の押し板支持フレーム8においては、押し板7が、その押動方向に対して上部が反押動方向へ向けて傾斜配置されている、言い換えれば積荷に対して所要のすくい角を確保するようにされているので、積荷の押動時に押し板7にスクレーパ効果を持たせることができる。また、押し板7を押動させた際に、この押し板7が荷台側板2bに当接する部位において、この押し板7に接する積荷に加わる側圧をその押し板7の斜面に沿って逃がすことができる。この結果、押し板7の積荷に対する押動抵抗を低減させて、積荷の排出(荷降ろし)をスムーズに行うことができる。さらに、押し板が鉛直状もしくは一部鉛直状のものに比べて、押し板の下方における傾斜開始点から荷台に垂直に引いた垂線の荷押し面側の側面視三角部分に相当する積荷の積載量を増やすことができるという効果もある。
【0029】
本実施形態においては、スライド板4と押し板との協働により荷降ろしを行うものについて説明したが、本実施形態のような傾斜配置の押し板は、スライド板を用いずに、押し板のみで積荷を押動するようにした装置に対しても所望の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る貨物運搬車両の全体縦断概要図である。
【図2】図2は、スライド板と押し板との関係を示す図1のA−A線断面図(a)およびそのB部拡大図(b)である。
【図3】図3は、押し板支持フレームの平面図(a)および側面図(b)である。
【図4】図4は、図3のC−C線断面図である。
【図5】図5(a)(b)(c)は、積荷の荷降ろし態様説明図である。
【符号の説明】
1 貨物運搬車両(トラック)
2 荷台
4 スライド板
4b,4c 側部片
7 押し板
8 押し板支持フレーム
8c 側柱
8d 下部支持部材
9,10 係止部材
9a,10a 押し棒
13 ブレーキパッド
14 ガイドローラ
15 ラッチ機構
16 支持部材
17 ラッチ歯
20 ラッチ爪
21 ラッチ操作手段
Claims (2)
- 荷台上に車両の後方へ向けて移動される荷押し用の押し板を有する貨物運搬車両の荷降ろし装置において、
前記押し板の荷押し面を平板状に形成するとともに、この押し板を、上部が積荷押動方向に対して後方へ傾斜するように配置することを特徴とする貨物運搬車両の荷降ろし装置。 - 前記押し板は、荷台上に車両の前後方向に往復動可能に設けられるスライド板上に配される請求項1に記載の貨物運搬車両の荷降ろし装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002171878A JP2004017694A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | 貨物運搬車両の荷降ろし装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002171878A JP2004017694A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | 貨物運搬車両の荷降ろし装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004017694A true JP2004017694A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31171623
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002171878A Withdrawn JP2004017694A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | 貨物運搬車両の荷降ろし装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004017694A (ja) |
-
2002
- 2002-06-12 JP JP2002171878A patent/JP2004017694A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050906 |