JP2004018341A - ガラス母材の延伸方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度の外径制御を実現し、信頼性の高い光ファイバ母材を提供する
【解決手段】ヒータ6を具備した炉体内にガラス母材1を挿通し、前記ガラス母材を前記ヒータに対して相対的に移動しながら引っ張り、所望の外径のガラス母材を形成するようにしたガラス母材の延伸方法において、前記ガラス母材の延伸終了端側のテーパ部がヒータに到達した後、ヒータ温度を、定常部延伸時よりも所定の値だけ、降下させるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ヒータ6を具備した炉体内にガラス母材1を挿通し、前記ガラス母材を前記ヒータに対して相対的に移動しながら引っ張り、所望の外径のガラス母材を形成するようにしたガラス母材の延伸方法において、前記ガラス母材の延伸終了端側のテーパ部がヒータに到達した後、ヒータ温度を、定常部延伸時よりも所定の値だけ、降下させるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガラス母材の延伸方法およびこれに用いられる延伸装置に係り、特にガラス母材の外径制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ用ガラス母材を所望の外径に延伸する方法としては、一般に、抵抗加熱炉などの加熱手段を用いて、ガラス母材の一方の端部から順次加熱軟化させて引っ張り応力等を加えるとともに、縮径されたガラス母材の外径を測定し、得られた測定値が目標値と一致するように、ガラス母材に引っ張り応力を加えるべく、前記ガラス母材の上端及び下端を把持する上側および下側チャックの移動速度を制御するという方法がとられている。
【0003】
このような延伸工程において、延伸最終段階では、例えば図6(a)に示すように、ヒータ6の中心部がガラス母材1のテーパ部分1cに位置し、ガラス軟化点はガラス母材1のテーパ部分1cに位置している。従ってこのテーパ部分1cが適切な温度に昇温せしめられ良好に延伸が行われる。
そしてさらに延伸が進み、例えば図6(b)に示すように、ヒータ6の中心部がダミーロッド2との境界近傍にくると、延伸外径の変動が大きくなるという問題があった。これは、ダミーロッド2はガラス母材1のテーパ部分1cに比べて小径であり、熱容量が小さいこと、加えてガラス母材1のテーパ部分1cから放出された熱がこの小径部に到達するため、ダミーロッドが早くも軟化点に到達し、その結果ガラス母材1ではなくダミーロッドの端部が伸び始め、延伸部に十分な延伸張力をかけることができないためであると考えられる。
また、延伸終了端近傍では延伸前の出発母材であるガラス母材の体積が小さくなっているため、母材がより加熱されやすい状態になっており、延伸炉のヒータ温度は同じでも母材の温度が開始時に比べて高くなることにより、母材自体も垂れを起こす場合がある。これも終了端で太くなる原因となっている。
このように通常の延伸方法では、外径を制御しているにもかかわらず、延伸終了端側で外径が急増し、この部分が外径変動で異常部となるため、延伸歩留りを低下させるという問題があった。
【0004】
そこでこの問題を解決すべく、延伸最終段階における支持部の伸びを抑え、延伸外径の変動を低減すべく、ガラス母材の上端部にガラス微粒子からなる断熱層を設け、この断熱層によって上端部への熱伝達を防止するようにした大径光ファイバ母材の延伸方法も提案されている(特開平11−157864号)
【0005】
また、ガラス母材の細径部及びガラス母材保持用のダミーロッド部に対する延伸炉の発熱体からの加熱を耐熱性遮蔽用冶具で遮蔽するようにした光ファイバ用ガラス母材の製造方法も提案されている(特許第292536号)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前者の方法では、ガラス母材にガラス微粒子を付けるという副次的作業が必要となり、母材の準備に手間がかかること、またガラス微粒子の付着した母材を用いようとするとハンドリングに困難が伴うという問題があった。
【0007】
後者の方法では、設備構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
このように、いずれの方法も母材の準備、あるいは設備構成が複雑になっており、大量生産を行う上では障害となるという問題がある。
【0009】
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、高精度の外径制御を実現し、信頼性の高い光ファイバ母材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の延伸方法では、ヒータを装備した炉体内にガラス母材を投入し、前記ガラス母材を前記ヒータに対して相対的に移動しながら引っ張り、所望の外径のガラス母材を形成するようにしたガラス母材の延伸方法において、前記ガラス母材の延伸終了端側のテーパ部がヒータに到達した後、ヒータ温度を、定常部延伸時よりも所定の値だけ、降下するようにしたことを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、延伸終了時点近傍で、加熱温度を下げることで、延伸終了端部付近での母材にかかる熱量を低減し、母材の垂れやダミーロッドの引き伸びを抑制することができる。従って、製造条件のみでの対策であるため、ガラス母材に特殊な加工をしたり設備の改造を行ったりすることなく、製造が容易である。
【0012】
また望ましくは、前記ヒータ温度は、前記ガラス母材の延伸終了端側のテーパ部がヒータの上端に達した後、定常部延伸時よりも所定の値だけ降下せしめられ、それ以外の区間よりも低い温度下で延伸を行うようにしているため、ダミーロッドなどの支持部の小径部が軟化しないようにし、端部近傍でも十分に延伸張力がガラス母材に印加されるようにすることが可能となる。
【0013】
また望ましくは、前記ヒータの上端部に、テーパ部と定常部との境界面が到達したとき、ヒータ温度の降下を開始するようにしたことを特徴とする。このように延伸温度を下げる区間を規定することにより、良好な延伸外径を維持することができる。延伸温度を下げる期間がこれよりも短いと効果がなく、長過ぎるともともと外径が良好であった部分にまで影響が及び逆に外径が細くなってしまうという問題が発生する。
【0014】
さらに、ヒータ温度は延伸終了部が到達した時点の温度より20から100℃程度低くなるようにしている。下げ幅が20℃以下であると効果がなく、また下げ幅が100℃を越えると外径安定部よりも細径化してしまうという問題がある。
【0015】
このようにして外径精度の良好な光ファイバ母材を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、図1に示すように、延伸装置のヒータ温度を延伸開始時には2000℃とし、ガラス母材の延伸終了端側のテーパ部がヒータの上端に達した地点Bで設定温度を50℃下げて、地点Aで1950℃となるようにし、支持部である図2に示すダミーロッド2の小径部が軟化しないようにし、端部近傍でも十分に延伸張力がガラス母材1に印加されるようにしている。
【0017】
ここで用いられる延伸装置は、図2に示すように、両端にダミーロッド2,3を接続したガラス母材1と、このガラス母材をダミーロッド2,3を介して把持する上側駆動部4及び下側駆動部5と、この上側駆動部4及び下側駆動部5で把持された延伸前ガラス母材を加熱するヒータ6と、このガラス母材1の延伸部1Eの外径を測定する外径測定器7と、外径測定器7で得られたガラス母材1の延伸部1Eの外径の測定値と、前記外径の目標値とに基づいて、延伸条件をフィードバック制御する制御ユニット8とを含む。ここでは図示しないが、この延伸装置は、カーボン製のヒータ6を有する炉体と、この炉体内に装着されたカーボン製の炉心管とを装備しており、ヒータ6によってガラス母材10を加熱延伸し、所望径のガラス母材を形成するものである。
【0018】
炉心管の内部にガラス母材1を設置し、このガラス母材1をその両端に接続されているダミーロッド2、3を介して、下側駆動部5の下降速度が上側駆動部4の下降速度よりも大きくなるように、下側駆動部5および上側駆動部4を駆動して下降させ、延伸を行うように構成されている。
さらに延伸炉の炉体は、炉体内に不活性ガスを導入できるように不活性ガス導入部が形成されており、炉体内を不活性ガス雰囲気にすることにより、炉体内のカーボン部品の酸化を防止し得るように構成されている。
【0019】
この延伸工程は次のように実行される。まず、上部および下部にダミーロッドを有するガラス母材を延伸炉に装着し、ヒータを昇温させる。
【0020】
この後、ガラス母材の上側駆動部4を一定速度で下降させながら、下側駆動部5をそれより高い速度で下降させて、ガラス母材を延伸する。このとき下側駆動部の下降速度を、外径測定器7による測定出力に基づいて制御ユニット8で調整することにより、延伸後のガラス母材の外径が制御される。
【0021】
延伸終了時点近傍で、加熱温度を下げることで、延伸終了端付近でガラス母材にかかる熱を低減することにより、延伸終了時点近傍でテーパ形状をなして細くなっているガラス母材にかかる熱量を低減することができ、ガラス母材の垂れやダミーロッドの引き伸びを抑制することが可能となる。従って、ガラス母材に特殊な加工をしたり設備の改造を行ったりすることなく、高精度の外径制御が可能となる。
【0022】
【実施例】
まず、外径80mmのガラス母材を用意する。
前記実施の形態で説明した延伸装置に、この母材を装着した後、炉内温度を常温から2000℃に昇温する。
【0023】
そして目的温度に到達後ガラス母材の延伸を開始した。このとき、ガラス母材引取り速度を40m/分に設定し、延伸途中の外径を測定して、あらかじめ設定しておいた設定外径との差を投入する母材の送り速度(上部チャック速度)Vaにフィードバックして外径制御を行った。
【0024】
そして徐々に延伸が進み、ヒータへの投入長が350mm、延伸前ガラス母材の残り長さが50mmとなった時点で、ヒータ温度の設定を1950℃に変更し、そのままガラス母材が全て延伸されるまで延伸を行った。
【0025】
ここでは、図3に要部拡大図を示すように、ガラス母材1のテーパ部の下端Bがヒータ6の上端6uに到達したとき、温度降下を開始し、ガラス母材1のテーパ部の上端Aがヒータ6の上端6uに到達したとき、1950℃となっているようにヒータ温度を調整する。
この結果、図4に示したように外径は30±0.2mmと良好であった。ここで縦軸は外径、横軸は延伸長を示す。
【0026】
(比較例)
この例では、前記実施例と同様、図2に示した延伸装置を用いて、延伸を実施し、一定の炉温度で最後まで延伸を行った。その結果、延伸後の外径は図5に示すように延伸開始側から80%までは外径は30±0.2mmと良好であったが、その後延伸径が太径化してしまい、延伸終了端では外径32mmとなってしまった。
【0027】
前記実施例と比較例との比較から、延伸終了時点近傍で加熱温度を下げることで、延伸終了端付近でガラス母材にかかる熱を低減することにより、容易に外径変動のない延伸を行うことが可能となる。
【0028】
前記実施例では、ガラス母材1のテーパ部の下端Bがヒータ6の上端6uに到達したとき、温度降下を開始するようにしたが、ガラス母材1のテーパ部の下端Bがヒータ6の下端6dに到達したとき、温度降下を開始するようにしてもよい。
【0029】
前記実施例では、制御ユニットの制御方式としてはPIDを用いても良い。
【0030】
なお、母材を加熱するヒータとしては通常電気ヒータが用いられるが、誘導加熱される加熱媒体を用いるようにしてもよい。またヒータに対してガラス母材を移動させるようにしているが、ヒータを移動させるようにしてもよいことはいうまでもない。
また降下させる温度幅については、適宜変更可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、延伸終了端近傍でガラス母材にかかる熱を低減することにより、極めて容易にガラス母材の垂れやダミーロッドなどの支持部の引き伸びを抑制し、高精度の外径制御の可能な延伸を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の延伸制御方式を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の延伸装置を示す図である。
【図3】本発明の実施例の方法の要部説明図である。
【図4】本発明の実施例の方法で延伸したガラス母材の外径変動を示す図である
【図5】比較例の方法で延伸したガラス母材の外径変動を示す図である。
【図6】従来例の延伸を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス母材
2 ダミーロッド
3 ダミーロッド
4 上側駆動部
5 下側駆動部
6 ヒータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガラス母材の延伸方法およびこれに用いられる延伸装置に係り、特にガラス母材の外径制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ用ガラス母材を所望の外径に延伸する方法としては、一般に、抵抗加熱炉などの加熱手段を用いて、ガラス母材の一方の端部から順次加熱軟化させて引っ張り応力等を加えるとともに、縮径されたガラス母材の外径を測定し、得られた測定値が目標値と一致するように、ガラス母材に引っ張り応力を加えるべく、前記ガラス母材の上端及び下端を把持する上側および下側チャックの移動速度を制御するという方法がとられている。
【0003】
このような延伸工程において、延伸最終段階では、例えば図6(a)に示すように、ヒータ6の中心部がガラス母材1のテーパ部分1cに位置し、ガラス軟化点はガラス母材1のテーパ部分1cに位置している。従ってこのテーパ部分1cが適切な温度に昇温せしめられ良好に延伸が行われる。
そしてさらに延伸が進み、例えば図6(b)に示すように、ヒータ6の中心部がダミーロッド2との境界近傍にくると、延伸外径の変動が大きくなるという問題があった。これは、ダミーロッド2はガラス母材1のテーパ部分1cに比べて小径であり、熱容量が小さいこと、加えてガラス母材1のテーパ部分1cから放出された熱がこの小径部に到達するため、ダミーロッドが早くも軟化点に到達し、その結果ガラス母材1ではなくダミーロッドの端部が伸び始め、延伸部に十分な延伸張力をかけることができないためであると考えられる。
また、延伸終了端近傍では延伸前の出発母材であるガラス母材の体積が小さくなっているため、母材がより加熱されやすい状態になっており、延伸炉のヒータ温度は同じでも母材の温度が開始時に比べて高くなることにより、母材自体も垂れを起こす場合がある。これも終了端で太くなる原因となっている。
このように通常の延伸方法では、外径を制御しているにもかかわらず、延伸終了端側で外径が急増し、この部分が外径変動で異常部となるため、延伸歩留りを低下させるという問題があった。
【0004】
そこでこの問題を解決すべく、延伸最終段階における支持部の伸びを抑え、延伸外径の変動を低減すべく、ガラス母材の上端部にガラス微粒子からなる断熱層を設け、この断熱層によって上端部への熱伝達を防止するようにした大径光ファイバ母材の延伸方法も提案されている(特開平11−157864号)
【0005】
また、ガラス母材の細径部及びガラス母材保持用のダミーロッド部に対する延伸炉の発熱体からの加熱を耐熱性遮蔽用冶具で遮蔽するようにした光ファイバ用ガラス母材の製造方法も提案されている(特許第292536号)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前者の方法では、ガラス母材にガラス微粒子を付けるという副次的作業が必要となり、母材の準備に手間がかかること、またガラス微粒子の付着した母材を用いようとするとハンドリングに困難が伴うという問題があった。
【0007】
後者の方法では、設備構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
このように、いずれの方法も母材の準備、あるいは設備構成が複雑になっており、大量生産を行う上では障害となるという問題がある。
【0009】
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、高精度の外径制御を実現し、信頼性の高い光ファイバ母材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の延伸方法では、ヒータを装備した炉体内にガラス母材を投入し、前記ガラス母材を前記ヒータに対して相対的に移動しながら引っ張り、所望の外径のガラス母材を形成するようにしたガラス母材の延伸方法において、前記ガラス母材の延伸終了端側のテーパ部がヒータに到達した後、ヒータ温度を、定常部延伸時よりも所定の値だけ、降下するようにしたことを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、延伸終了時点近傍で、加熱温度を下げることで、延伸終了端部付近での母材にかかる熱量を低減し、母材の垂れやダミーロッドの引き伸びを抑制することができる。従って、製造条件のみでの対策であるため、ガラス母材に特殊な加工をしたり設備の改造を行ったりすることなく、製造が容易である。
【0012】
また望ましくは、前記ヒータ温度は、前記ガラス母材の延伸終了端側のテーパ部がヒータの上端に達した後、定常部延伸時よりも所定の値だけ降下せしめられ、それ以外の区間よりも低い温度下で延伸を行うようにしているため、ダミーロッドなどの支持部の小径部が軟化しないようにし、端部近傍でも十分に延伸張力がガラス母材に印加されるようにすることが可能となる。
【0013】
また望ましくは、前記ヒータの上端部に、テーパ部と定常部との境界面が到達したとき、ヒータ温度の降下を開始するようにしたことを特徴とする。このように延伸温度を下げる区間を規定することにより、良好な延伸外径を維持することができる。延伸温度を下げる期間がこれよりも短いと効果がなく、長過ぎるともともと外径が良好であった部分にまで影響が及び逆に外径が細くなってしまうという問題が発生する。
【0014】
さらに、ヒータ温度は延伸終了部が到達した時点の温度より20から100℃程度低くなるようにしている。下げ幅が20℃以下であると効果がなく、また下げ幅が100℃を越えると外径安定部よりも細径化してしまうという問題がある。
【0015】
このようにして外径精度の良好な光ファイバ母材を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、図1に示すように、延伸装置のヒータ温度を延伸開始時には2000℃とし、ガラス母材の延伸終了端側のテーパ部がヒータの上端に達した地点Bで設定温度を50℃下げて、地点Aで1950℃となるようにし、支持部である図2に示すダミーロッド2の小径部が軟化しないようにし、端部近傍でも十分に延伸張力がガラス母材1に印加されるようにしている。
【0017】
ここで用いられる延伸装置は、図2に示すように、両端にダミーロッド2,3を接続したガラス母材1と、このガラス母材をダミーロッド2,3を介して把持する上側駆動部4及び下側駆動部5と、この上側駆動部4及び下側駆動部5で把持された延伸前ガラス母材を加熱するヒータ6と、このガラス母材1の延伸部1Eの外径を測定する外径測定器7と、外径測定器7で得られたガラス母材1の延伸部1Eの外径の測定値と、前記外径の目標値とに基づいて、延伸条件をフィードバック制御する制御ユニット8とを含む。ここでは図示しないが、この延伸装置は、カーボン製のヒータ6を有する炉体と、この炉体内に装着されたカーボン製の炉心管とを装備しており、ヒータ6によってガラス母材10を加熱延伸し、所望径のガラス母材を形成するものである。
【0018】
炉心管の内部にガラス母材1を設置し、このガラス母材1をその両端に接続されているダミーロッド2、3を介して、下側駆動部5の下降速度が上側駆動部4の下降速度よりも大きくなるように、下側駆動部5および上側駆動部4を駆動して下降させ、延伸を行うように構成されている。
さらに延伸炉の炉体は、炉体内に不活性ガスを導入できるように不活性ガス導入部が形成されており、炉体内を不活性ガス雰囲気にすることにより、炉体内のカーボン部品の酸化を防止し得るように構成されている。
【0019】
この延伸工程は次のように実行される。まず、上部および下部にダミーロッドを有するガラス母材を延伸炉に装着し、ヒータを昇温させる。
【0020】
この後、ガラス母材の上側駆動部4を一定速度で下降させながら、下側駆動部5をそれより高い速度で下降させて、ガラス母材を延伸する。このとき下側駆動部の下降速度を、外径測定器7による測定出力に基づいて制御ユニット8で調整することにより、延伸後のガラス母材の外径が制御される。
【0021】
延伸終了時点近傍で、加熱温度を下げることで、延伸終了端付近でガラス母材にかかる熱を低減することにより、延伸終了時点近傍でテーパ形状をなして細くなっているガラス母材にかかる熱量を低減することができ、ガラス母材の垂れやダミーロッドの引き伸びを抑制することが可能となる。従って、ガラス母材に特殊な加工をしたり設備の改造を行ったりすることなく、高精度の外径制御が可能となる。
【0022】
【実施例】
まず、外径80mmのガラス母材を用意する。
前記実施の形態で説明した延伸装置に、この母材を装着した後、炉内温度を常温から2000℃に昇温する。
【0023】
そして目的温度に到達後ガラス母材の延伸を開始した。このとき、ガラス母材引取り速度を40m/分に設定し、延伸途中の外径を測定して、あらかじめ設定しておいた設定外径との差を投入する母材の送り速度(上部チャック速度)Vaにフィードバックして外径制御を行った。
【0024】
そして徐々に延伸が進み、ヒータへの投入長が350mm、延伸前ガラス母材の残り長さが50mmとなった時点で、ヒータ温度の設定を1950℃に変更し、そのままガラス母材が全て延伸されるまで延伸を行った。
【0025】
ここでは、図3に要部拡大図を示すように、ガラス母材1のテーパ部の下端Bがヒータ6の上端6uに到達したとき、温度降下を開始し、ガラス母材1のテーパ部の上端Aがヒータ6の上端6uに到達したとき、1950℃となっているようにヒータ温度を調整する。
この結果、図4に示したように外径は30±0.2mmと良好であった。ここで縦軸は外径、横軸は延伸長を示す。
【0026】
(比較例)
この例では、前記実施例と同様、図2に示した延伸装置を用いて、延伸を実施し、一定の炉温度で最後まで延伸を行った。その結果、延伸後の外径は図5に示すように延伸開始側から80%までは外径は30±0.2mmと良好であったが、その後延伸径が太径化してしまい、延伸終了端では外径32mmとなってしまった。
【0027】
前記実施例と比較例との比較から、延伸終了時点近傍で加熱温度を下げることで、延伸終了端付近でガラス母材にかかる熱を低減することにより、容易に外径変動のない延伸を行うことが可能となる。
【0028】
前記実施例では、ガラス母材1のテーパ部の下端Bがヒータ6の上端6uに到達したとき、温度降下を開始するようにしたが、ガラス母材1のテーパ部の下端Bがヒータ6の下端6dに到達したとき、温度降下を開始するようにしてもよい。
【0029】
前記実施例では、制御ユニットの制御方式としてはPIDを用いても良い。
【0030】
なお、母材を加熱するヒータとしては通常電気ヒータが用いられるが、誘導加熱される加熱媒体を用いるようにしてもよい。またヒータに対してガラス母材を移動させるようにしているが、ヒータを移動させるようにしてもよいことはいうまでもない。
また降下させる温度幅については、適宜変更可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、延伸終了端近傍でガラス母材にかかる熱を低減することにより、極めて容易にガラス母材の垂れやダミーロッドなどの支持部の引き伸びを抑制し、高精度の外径制御の可能な延伸を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の延伸制御方式を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の延伸装置を示す図である。
【図3】本発明の実施例の方法の要部説明図である。
【図4】本発明の実施例の方法で延伸したガラス母材の外径変動を示す図である
【図5】比較例の方法で延伸したガラス母材の外径変動を示す図である。
【図6】従来例の延伸を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス母材
2 ダミーロッド
3 ダミーロッド
4 上側駆動部
5 下側駆動部
6 ヒータ
Claims (4)
- ヒータを具備した炉体内に、外径がほぼ一定の定常部とその両端で外径が小さくなるように形成されたテーパ部とを有するガラス母材を挿通し、前記ガラス母材を前記ヒータに対して相対的に移動しながら引っ張り、所望の外径のガラス母材を形成するようにしたガラス母材の延伸方法において、
前記ガラス母材の延伸終了端側の前記テーパ部がヒータに到達した後、前記定常部延伸時よりも所定の値だけ、ヒータ温度を降下させるようにしたことを特徴とするガラス母材の延伸方法。 - 前記ヒータ温度は、
前記テーパ部の端部が前記ヒータの上端部に達した時点で、前記定常部よりも低い温度となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の延伸方法。 - 前記テーパ部と前記定常部との境界面が、前記ヒータの上端部に到達したとき、ヒータ温度の降下を開始するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の延伸方法。
- 延伸終了時の前記ヒータ温度は、前記境界部が前記ヒータ上端に到達した時点の温度より20℃から100℃程度低くなるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のガラス母材の延伸方法。
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005289759A (ja) * | 2004-04-01 | 2005-10-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ガラス体の延伸方法及び装置 |
| JP2022116706A (ja) * | 2021-01-29 | 2022-08-10 | 信越化学工業株式会社 | ガラス母材の延伸方法 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178375A patent/JP2004018341A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2022116706A (ja) * | 2021-01-29 | 2022-08-10 | 信越化学工業株式会社 | ガラス母材の延伸方法 |
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