JP2004018552A - 改質土原料組成物及び改質土 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粘土に蕎麦殼又は/及び籾殻を練り込み混合して原料組成物とし、原料組成物を高温焼成して顆粒状の改質土を得る。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植木鉢、プランター、花壇、苗床、畑等の基本用土及び配合用土として有用な改質土と、その原料組成物に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
従来、ガーデニング用土として粒状の鹿沼土や赤玉土が汎用されているが、これらは使用中に次第に砕けて細かくなるため、使用した土壌の通気性が経時的に低下し、ある程度の期間を経ると根詰まりを生じ、植物の生育が鈍ると共に根腐れによる枯死を招き易い上、一旦細かくなったものは再利用しにくいといった難点があった。また、近年では、様々な化学成分、肥料成分、腐葉土等を調合した配合土も多種市販されているが、通気性、排水性、保水性、価格、再利用性、対環境性等で充分に満足できるものではなく、いずれも用土としての汎用性に乏しい。
【0003】
本発明は、上述の情況に鑑み、ガーデニング等の基本用土としたり、他の土と混ぜ合わせて用いることにより、様々な植物の生育に好結果を与え、しかも安価で入手容易な原材料を利用できる上に製造容易であり、省資源及び対環境の面でも好適な改質土と、その原料組成物を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る改質土原料組成物は、粘土に蕎麦殼又は/及び籾殻が練り込み混合されてなるものとしている。このような改質土原料組成物は、これを適当な大きさ及び形状に成形したものを焼成して改質土にするが、一方の原料成分である蕎麦殼や籾殻は、現状では殆どが廃棄されているものであるから、安価に入手できる。また、他方の粘土は、国内で沖積粘土層や湖沼河川の堆積粘土層等として無尽蔵に近く存在するから、資源枯渇といった問題もなく安価に入手できる上、元来が天然土壌成分であるために使用によって環境を害する懸念もない。
【0005】
しかして、上記の蕎麦殼と籾殻は、両者を併用しても差し支えないが、大きさ及び性状に違いがあるため、原料組成物製造時の混合適性と改質土とする場合の特性より、単独使用では粘土に対する適正配合範囲が異なる。そこで、請求項2の発明に係る改質土原料組成物は、粘土に蕎麦殼が見掛け容積700〜1800ml/Kgの割合で練り込み混合されてなる構成とし、また請求項3の発明に係る改質土原料組成物は、粘土に籾殼が見掛け容積1500〜2200ml/Kgの割合で練り込み混合されてなる構成としている。
【0006】
請求項4の発明に係る改質土は、前記請求項1〜3のいずれかに記載の改質土原料組成物の高温焼成物からなるものとしている。また、請求項5の発明は、この改質土が顆粒状の前記高温焼成物からなるものとしている。すなわち、原料組成物中の蕎麦殼や籾殻は高温焼成によって殆ど焼失するが、焼成塊中には殻の形骸である層状の空所が無数に存在することから、該焼成塊は僅かな力で崩壊して顆粒状となる。しかして、この顆粒状の改質土は、微視的に多孔質で軽量であるが、細粒化しにくい上、流動性が小さく、且つ臭気成分等に対する吸着性にも優れるという特性を備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の改質土原料組成物は、既述のように粘土に蕎麦殼又は/及び籾殻が練り込み混合されたものであり、その高温焼成物が本発明の改質土となる。しかして、この高温焼成物では原料組成物の粘土に混合されていた蕎麦殼や籾殻は殆ど焼失しているが、その焼失によって焼成塊中に殻の形骸である層状の空所が無数に生じることから、該焼成塊は軽石状を呈して僅かな力を加えるだけで簡単に崩壊し、崩壊物はガーデニング用土等として利用し易い顆粒状となる。
【0008】
そして、この顆粒状の改質土は、充填状態において粒子間に生じる空隙が適切な形態と大きさになるため、優れた通気性及び排水性と適度な保水性を示す上、焼成物であることから、粒子が壊れにくく、細粒化による根詰まりひいては根腐れが生じにくくなると共に、高い耐病害性及び防腐性を発揮し、もって植物に極めて良好な生育条件を与える。また、この改質土にあっては、上記のように粒子が壊れにくく、長期間使用しても細粒化がさほど進行しないため、性状的に変わらぬ用土として繰り返し再利用可能であり、しかも流動性が小さいことから、雨水やジョウロによる散水を受けても流れにくいという利点がある。
【0009】
更に、このような改質土は、原材料が無害な物質からなることに加え、焼成を経て無菌・無臭であるため、殺菌や消臭等の後処理が不要であり、これら後処理に伴う有害物質の混入や環境汚染を回避できると共に、微視的にも多孔状で吸着性に優れるから、施肥のために例えば油粕や鶏糞、牛糞等を混ぜ込んだ場合に、その悪臭が著しく低減するという効果があり、加えて顆粒状の粒子には陶器破片のような鋭利さがないから、手で直接に扱っても傷を受ける懸念はなく、且つ軽量であることから運搬等の取り扱いが容易で搬送コストも安くて済む。
【0010】
一方、本発明の改質土原料組成物に使用する蕎麦殼及び籾殻は、蕎麦及び米麦の栽培に伴って大量に発生しているにも拘らず、極一部が有効利用されているだけで、殆どが廃棄されている現状であるから、安価に入手できると共に、その資源化は廃棄物のリサイクルとして省資源及び対環境の面でも大きく貢献することになる。また、該原料組成物に使用する粘土も、国内で沖積粘土層や湖沼河川の堆積粘土層等として無尽蔵に近く存在するから、資源枯渇といった問題もなく安価に入手できる上、元来が天然土壌成分であるために使用によって環境を害する懸念もない。
【0011】
改質土原料組成物を製造するには、粘土と蕎麦殼又は/及び籾殻とを適当な混合機あるいは混練具を用いて均一に練り合わせて混合し、この混合物を例えば煉瓦状、板状、球状等の適当な形態及び大きさに成形すればよい。なお、上記混合においては、混練を容易にするために、使用する粘土の性状に応じて適量の水を加えてもよい。また、成形には所要形状の成形型や成形枠を利用できる。しかして、成形物は、通常、放置による自然乾燥あるいは適当な乾燥手段で乾燥させるが、混入された蕎麦殼や籾殻の繋ぎ機能によって乾燥時のひび割れを生じにくく、もって焼成前段階での取り扱い性が良好となる。
【0012】
上記の蕎麦殼と籾殻は、その一方を単独で用いてもよいし両者を併用してもよいが、大きさ及び性状に違いがあるため、原料組成物製造時の混合適性と改質土とする場合の特性より、各々単独使用の場合には粘土に対する適正配合範囲が異なる。すなわち、蕎麦殼の単独使用では、粘土に蕎麦殼を見掛け容積700〜1800ml/Kgの割合で練り込み混合するのがよい。また、籾殻の単独使用では、蕎麦殼よりも多めがよく、粘土に籾殼を見掛け容積1500〜2200ml/Kgの割合で練り込み混合するのがよい。しかして、蕎麦殼及び籾殻共に、配合量が少な過ぎては高温焼成後の焼成塊が硬くなって崩壊しにくく、逆に配合量が多過ぎては粘土との均一混合及び成形が困難になる。
【0013】
原料の粘土としては、陶器に用いられる陶土のような高級粘土に限らず、各地の田畑や地層中に存在するものを特に制約なく使用できる。また、蕎麦殼や籾殻についても、腐敗や変質がない限り、産地や品種の制約なく使用できる。ただし、蕎麦殼と籾殻の比較では、最終的に得られる改質土の粒子は籾殻使用の方が細かくなるため、蕎麦殼の方がより好適である。なお、木屑の場合、原木の段階で防腐剤や防虫剤が使用され、また合板では接着剤が使用されているため、有害で好ましくない上、粘土に混ぜ込んで焼成・粉砕したものは改質土としての性能に劣るものとなる。
【0014】
原料組成物の焼成温度は、800〜1200℃程度がよく、低過ぎては蕎麦殼や籾殻に由来する有機物の残留が多くなり、得られる改質土としての性能が低下する一方、高過ぎては焼成物が硬くなり、焼成塊の崩壊が困難になると共に改質土としての性能も低下する。なお、焼成には、陶磁器や瓦等の製造に用いられている種々の窯業釜、炭焼き釜、燃焼炉等を利用できる。
【0015】
上記焼成を経て釜等から取り出された焼成塊は、既述のように内部に殻の形骸である層状の空所が無数に存在する軽石状のものとなり、僅かな力を加えるだけで簡単に崩壊し、さらさらしたパン粉のような顆粒状に転化し、そのまま本発明の改質土として用いることができる。しかして、この改質土においては、原料組成物中の蕎麦殼や籾殻の燃焼残分としての炭素、カルシウム、鉄等の成分を含んでいてもよく、これら成分の在留は植物の生育に好結果をもたらす。
【0016】
本発明の改質土は、ガーデニング用土等の基本用土や他の土と混ぜ合わせる配合用土として有用であるが、これに肥料成分等を予め混合した形態としてもよい。また、この改質土を生け花の花瓶の底に入れておけば、水が腐りにくくなり、生け花が長持ちするという結果が得られており、特に菊の生け花では出根が認められている。その他、この改質土は、既述のように吸着性に優れるため、ネットに入れた形態で脱臭剤として利用したり、水槽等の濁りを除去する清澄化剤として利用することもできる。
【0017】
【実施例】
実施例1
兵庫県加西市産の粘土(加西粘土社製)1Kgと、見掛け容積1000mlの蕎麦殼とを、水400mlを徐々に加えつつ練り合わせて均一に混合し、その全量を型枠によって厚板状に成形し、この成形物を屋外で3日間自然乾燥させたのち、瓦製造用のトンネル窯内で約1000℃にて48時間焼成し、釜から取り出した軽石状の焼成物を軽く圧したところ、簡単に崩壊して粒度0.1〜5mmのさらさらしたパン粉のような顆粒状の改質土が得られた。
【0018】
実施例2
蕎麦殼に代えて見掛け容積2000mlの米籾殻を用いた以外は、実施例1と同様にして粘土との混合、成形、乾燥、焼成を行い、焼成物を同様に圧したところ、簡単に崩壊して粒度0.1〜3mmの顆粒状の改質土が得られた。
【0019】
〔挿し木試験〕
実施例1及び実施例2で得られた改質土、市販の鹿沼土、市販の挿し木用土を各々八号植木鉢に入れ、それぞれに菊茎を挿し木して平成13年7月23日から9月27日までの間、屋外で毎日適量の水を与えたのち、挿し木を取り出して根付き状況を調べた。その結果、実施例1,2の改質土を用いたものは、いずれも多数の毛細根を発して確実に根付いており、その毛細根の密度と長さが鹿沼土及び挿し木用土を用いたものよりも格段に勝っていた。また、使用後の土を観察したところ、鹿沼土と挿し木用土は共に細かくなっていたが、実施例1,2の改質土は殆ど細粒化しておらず、そのまま支障なく再利用可能であった。
【0020】
〔厚肉植物の生育試験〕
厚肉植物であるストレプトカーパスを1年以上植えていた八号植木鉢の土に、実施例1で得られた改質土を2割の比率で混ぜ合わせて再生土とし、同植木鉢に径2〜3cmの固形油粕を数個入れた上に該再生土を八分目程度に入れ、ストレプトカーパスを10本挿し芽した。そして、適当に水やりして3週間後に観察したところ、10本が全て根付いて葉の状態も良好であった。
【0021】
〔脱臭試験〕
広口の透明プラスチック容器(容量約1000ml)の底部に市販のピザ用チーズ200gを入れ、その上に実施例1で得られた改質土250gをプラスチック製ネットに入れたものを置き、容器の口を開放したまま、室内で平成13年7月20日より3か月間放置したところ、チーズは腐敗していたが、容器口では無臭であった。しかるに、前記ネットを取り出して改質土をほぐすと、強い悪臭を生じた。また、この改質土を水道水にて水洗し、更に水道水に一昼夜浸漬したのち、水を切って乾燥させると完全に無臭になった。
【0022】
〔脱臭及び流動性試験〕
花壇に鶏糞800ml分を敷いた上を実施例1の改質土600mlで覆う一方、同様に敷いた鶏糞上を川砂600mlで覆ったところ、共に鶏糞の悪臭は直ちに消失した。しかるに、降雨のあとでは、川砂の方は流れて鶏糞が露呈し、ハエがたかって悪臭を発していたのに対し、改質土の方は元のままで悪臭がなくハエもいなかった。
【0023】
〔水の防腐及び清澄化試験〕
容量200mlのガラスコップに実施例1の改質土を1/2の深さまで入れ、水道水を一杯になるまで入れたものと、同改質土を入れずに水道水のみを一杯になるまで入れたものとを、それぞれ放置して観察したところ、後者の水道水のみの方は4日目から白く濁り始めたの対し、改質土を入れた方は2週間後でも清澄であった。また、2個のガラスコップに濁った池の水200mlを入れ、その一方には実施例1の改質土30mlを加えたところ、改質土を加えなかった方は濁ったままであったが、改質土を加えた方は4時間程度で徐々に澄み始め、1日後から2週間以上も透明な状態を保った。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ガーデニング用土等に使用する改質土の原料組成物として、粘土と蕎麦殼又は籾殻という安価で入手容易な原材料を利用でき、省資源及び対環境の面でも貢献し得る上、焼成するだけで簡単にガーデニング用土等に利用し易い顆粒状の改質土に転化し、もって製造容易であると共に、軽量で取り扱い性に優れ、且つ無害なものが提供される。
【0025】
請求項2及び請求項3の発明によれば、前記原料組成物において、蕎麦殼又は籾殻の配合量が特定範囲であることから、焼成後の焼成塊を容易に顆粒状に崩壊させることができると共に、粘土と蕎麦殼又は籾殻とを容易に均一混合できるという利点がある。
【0026】
請求項4の発明によれば、ガーデニング用土等に使用する改質土として、前記の原料組成物の高温焼成物からなるため、優れた通気性及び排水性と適度な保水性、高い耐病害性及び防腐性を備える上、粒子が壊れにくく、細粒化による根詰まりひいては根腐れを防止でき、もって植物に極めて良好な生育条件を付与でき、また無害、無菌、無臭であり、殺菌や消臭等の後処理を必要とせず、これら後処理に伴う有害物質の混入や環境汚染を回避できると共に、悪臭を持つ肥料を混ぜ込んだ場合の臭気を著しく低減でき、しかも使用後のものを性状的に変わらぬ用土として繰り返し再利用可能であり、また軽量で取り扱いが容易で搬送コストを低減できるものが提供される。
【0027】
請求項5の発明によれば、前記改質土として、顆粒状でガーデニング用土等により好適なものが提供される。
Claims (5)
- 粘土に蕎麦殼又は/及び籾殻が練り込み混合されてなる改質土原料組成物。
- 粘土に蕎麦殼が見掛け容積700〜1800ml/Kgの割合で練り込み混合されてなる改質土原料組成物。
- 粘土に籾殼が見掛け容積1500〜2200ml/Kgの割合で練り込み混合されてなる改質土原料組成物。
- 前記請求項1〜3のいずれかに記載の改質土原料組成物の高温焼成物からなる改質土。
- 顆粒状の前記高温焼成物からなる請求項4記載の改質土。
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| JP2010275343A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Kanto Kanzai:Kk | 土壌改質濾材、この土壌改質濾材の製造方法及びこの土壌改質濾材を用いた土壌改質方法 |
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2002
- 2002-06-12 JP JP2002171465A patent/JP4838966B2/ja not_active Expired - Lifetime
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