JP2004018562A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性、透明性を有し、滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、下記式▲1▼〜▲6▼を同時に満足することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
20≦Tg≦60 …▲1▼
200≦Tm≦260 …▲2▼
0.050≦ΔP≦0.150 …▲3▼
1.0≦YMD+YTD≦7.0 …▲4▼
200≦EMD+ETD≦500 …▲5▼
0.015≦Ra≦0.100 …▲6▼
(式中、Tgはガラス転移温度、Tmは融点、ΔPは面配向度、YMDは長手方向のヤング率(GPa)、YTDは幅方向のヤング率(GPa)、EMDは長手方向の引張破断伸度(%)、ETDは横方向の引張破断伸度(%)、Raは表面の中心線平均粗さ(μm))
【選択図】 なし
【解決手段】ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、下記式▲1▼〜▲6▼を同時に満足することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
20≦Tg≦60 …▲1▼
200≦Tm≦260 …▲2▼
0.050≦ΔP≦0.150 …▲3▼
1.0≦YMD+YTD≦7.0 …▲4▼
200≦EMD+ETD≦500 …▲5▼
0.015≦Ra≦0.100 …▲6▼
(式中、Tgはガラス転移温度、Tmは融点、ΔPは面配向度、YMDは長手方向のヤング率(GPa)、YTDは幅方向のヤング率(GPa)、EMDは長手方向の引張破断伸度(%)、ETDは横方向の引張破断伸度(%)、Raは表面の中心線平均粗さ(μm))
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、機械的特性、寸法安定性等の物理的特性、並びに耐薬品性等の化学的特性が優れていることから、磁気記録材料、工業材料、など幅広い分野において使用されている。しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィルムは柔軟性に欠けるため、一定形状に成形した後、外力に対する変形追従性を有することができず、用途が限定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明の要旨は、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、下記式▲1▼〜▲6▼を同時に満足することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
20≦Tg≦60 …▲1▼
200≦Tm≦260 …▲2▼
0.050≦ΔP≦0.150 …▲3▼
1.0≦YMD+YTD≦7.0 …▲4▼
200≦EMD+ETD≦500 …▲5▼
0.015≦Ra≦0.100 …▲6▼
(上記式中、TgはDSC法で測定したガラス転移温度(℃)、TmはDSC法で測定した融点(℃)、ΔPはフィルムの面配向度、YMDはフィルム長手方向のヤング率(GPa)、YTDはフィルム幅方向のヤング率(GPa)、EMDはフィルム長手方向の引っ張り破断伸度(%)、ETDはフィルム横方向の引っ張り破断伸度(%)、Raはフィルム表面の中心線平均粗さ(μm)を表す)
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムとは、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコールを主たる成分とするポリエステルフィルムである。ここで言う主たる成分とは、全構成成分中、80重量%以上が上記成分で占められることを意味する。また、構成成分については、例えば、ポリエステルフィルムをアルカリで分解し、クロマトグラフィーにより分析することができる。
ジカルボン酸成分は、50モル%以上がテレフタル酸であることが好ましいが、他のジカルボン酸成分が共重合されたものであってもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、具体的には、例えば、イソフタル酸、オルトフタル酸、フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルカルボン酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられるが、これらの中でもイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選択される1種以上が好適である。
【0007】
なお、本発明において、ジカルボン酸成分は、原料の段階では、例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエステル等のエステル形成誘導体を含むものとする。
脂肪族または脂環式のジオールとしては、50モル%以上がエチレングリコールであることが好ましいが、他の脂肪族または脂環式のジオール成分が共重合されたものであってもよい。エチレングリコール以外の脂肪族および/または脂環式ジオール成分としては、具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる1種以上が好適である。
【0008】
なお、本発明においては、脂肪族または脂環式ジオール成分は、原料の段階ではエステル形成性の誘導体をも含むものである。
エチレングリコール以外の脂肪族および脂環式ジオール成分は、全ジオール成分の通常30モル%以下、好ましくは5〜30モル%、さらに好ましくは10〜20モル%の範囲である。エチレングリコール以外の脂肪族または脂環式のジオール成分を共重合することにより、柔軟性や透明性が向上する場合があるが、共重合量の量によっては、得られる共重合ポリエステルフィルムの機械的特性が劣る場合がある。
【0009】
本発明のポリエステルフィルム中には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、さらに、例えば、4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、ヘキサントリカルボン酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリオール、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセロール等の3官能以上の多官能成分が共重合されていてもよい。
【0010】
本発明において、ポリエステルフィルムは、ポリアルキレンエーテルグリコールを構成成分として含有する必要があり、その数平均分子量は300〜4000であり、400〜3000が好ましく、500〜2000がさらに好ましい。数平均分子量が300未満では、フィルムの耐熱性が劣ったり、低分子量物が析出したりする。一方、数平均分子量が4000を超えると、フィルムの透明性が劣る。
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックまたはランダム共重合体などが挙げられるが、これらの中でも、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。
【0011】
ポリアルキレンエーテルグリコールは、数平均分子量の異なるものを複数併用することもできる。複数併用する場合は、均一に混合して測定した値が前記範囲であればよい。
ここで、ポレアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等の一般的な方法により測定することができる。
ポリアルキレンエーテルグリコールは、共重合ポリエステルフィルム中に5〜35重量%、さらには10〜30重量%含まれていることが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールの含有量が5重量%未満では、フィルムの柔軟性が劣る傾向がある。一方、35重量%を超えると、柔軟性に優れるものの、フィルムの透明性が損なわれる場合がある。
【0012】
本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂は、基本的には、ジカルボン酸成分、ジオール成分、ポリアルキレンエーテルグリコールとによるポリエステル樹脂の慣用の製造法、すなわち、直接重合法、またはエステル交換法などにより回分式、または連続式に製造される。
ここで、ポリアルキレンエーテルグリコールおよび任意で使用する共重合成分は、重縮合反応過程の任意の段階で添加することができる。
さらに、本発明のポリエステルは、予め、ジカルボン酸、および脂肪族および/または脂環式ジオールからなる低重合度のオリゴマーを製造し、当該オリゴマーとポリアルキレンエーテルグリコールとを重縮合することにより得ることもできる。
【0013】
重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながらもしくは水冷後、カッターで切断されてペレット状とされる。さらに、この重縮合後のペレットを加熱処理して固相重縮合させることにより、さらに高重合度化させるとともに、反応副生物のアセトアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減化することもできる。
なお、前記製造方法においてエステル化反応は、必要に応じて、例えば、三酸化アンチモン、アンチモン、チタン、マグネシウム、カルシウム等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル化触媒の存在下でなされ、エステル交換反応は、必要に応じて、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、亜鉛等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル交換触媒の存在下でなされる。
【0014】
また、重縮合反応は、例えば、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸およびこれらのエステルや有機酸塩等の燐化合物の存在下、および、例えば、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等の金属化合物、或いは、アンチモン、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、コバルト等の有機酸塩や有機金属化合物等の重縮合触媒の存在下でなされる。これらの重縮合触媒の中でも、テトラブトキシチタネート、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムから選択される1種以上が好適に使用される。
さらには、重縮合過程での消泡を促進するため、シリコーンオイル等の消泡剤を添加するのが好ましい。
【0015】
本発明におけるポリエステルフィルムの極限粘度は0.4〜1.5dl/gであることが好ましく、0.5〜1.2dl/gがさらに好ましく、0.6〜1.0dl/gが特に好ましい。極限粘度が0.4dl/g未満では、フィルムの強度が低下する傾向がある。一方、極限粘度が1.5dl/gを超えると、フィルムの製造が困難となる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムのガラス転移温度(Tg)は、20〜60℃、好ましくは25〜50℃、さらに好ましくは25〜40℃の範囲である。ガラス転移温度が20℃未満では、耐熱寸法安定性が悪化して、フィルムの搬送、局所タルミが発生、保管時にチップの融着の発生が起こり好ましくない。一方、ガラス転移温度が60℃を越えると、柔軟性に劣るために好ましくない。
また、フィルムの融点(Tm)は、良好な耐熱性および機械特性を得るために、200〜260℃とする必要があり、好ましくは205〜255℃、さらに好ましくは210〜250℃の範囲である。
【0016】
本発明のポリエステルフィルムのフィルムヘーズは、25μmの厚みに換算した値でのヘーズが通常20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。ヘーズが前記範囲内にある場合、包装容器やラベル材等に用いたときに、透明性が良好であると共に、意匠性にも優れる傾向となる。
本発明のポリエステルフィルムは、耐ブロッキング性、易滑性等を付与するために、不活性微粒子を含有していることが好ましく、その含有量は、フィルムに対して通常0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲であることが好ましい。粒子含有量が0.01重量%未満では、透明性に優れるが、易滑性、フィルムの取り扱い性が劣ることがある。一方、粒子添加量が1.0重量%を超えると、易滑性に優れるが、透明性の悪化や粒子が凝集して粗大突起を形成する場合がある。
【0017】
本発明で用いる不活性微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、シュウ酸カルシウム、架橋高分子粒子などの有機粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものでない。
不活性微粒子の平均粒径は、通常0.1〜5.0μm、好ましくは0.2〜4.0μm、さらに好ましくは0.3〜3.0μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満では、透明性に優れるが、易滑性、フィルムの取り扱い性が劣る傾向がある。一方、平均粒径が5.0μmを超えると、易滑性に優れるが、透明性、ツブ状欠陥が発生しやすくなる傾向がある。
【0018】
本発明のフィルムを構成する粒子を含有するポリエステルの製造に際して、粒子はポリエステルの合成反応中に添加してもポリエステルに直接添加してもよい。合成反応中に添加する場合は、粒子をエチレングリコール等に分散させたスラリーとして、ポリエステル合成の任意の段階で添加する方法が好ましい。一方、ポリエステルに直接添加する場合は、乾燥した粒子として、または水あるいは沸点が200℃以下の有機溶媒中に分散したスラリーとして、2軸混練り押出機を用いて共重合ポリエステルに添加混合する方法が好ましい。なお、添加する粒子は、必要に応じ、事前に解砕、分散、分級、濾過等の処理を施しておいてもよい。
【0019】
本発明においては、上記したような方法により表面を粗面化したフィルムを得るが、易滑性、作業性、巻き取り性、耐ブロッキング性を高度に満足させるために、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.015〜0.100μmの範囲であることが必要であり、好ましくは0.020〜0.080μm、さらに好ましくは0.030〜0.070μmである。かかる範囲となるよう適宜、条件を選択することが望ましい。
【0020】
本発明のポリエステルフィルムの面配向度(ΔP)は0.050〜0.150、好ましくは0.060〜0.130、さらに0.070〜120の範囲であることにより、柔軟性とフィルム取り扱い性が良好となる。
本発明のポリエステルフィルムの長手方向と幅方向のヤング率の和(YMD+YTD)が1.0〜7.0GPa、好ましくは1.5〜6.5GPa、さらに好ましくは2.0〜6.0GPaの範囲である。ヤング率が1.0GPa未満では、フィルムが柔軟化しすぎて、フィルム製膜時のワインディング性、取り扱い加工適正が劣るので好ましくない。一方、ヤング率が7.0GPaを超えると、柔軟性が損なわれるので好ましくない。
【0021】
本発明のポリエステルフィルムの長手方向と横方向の引っ張り破断伸度の和(EMD+ETD)が200〜500%、好ましくは250〜450%、さらに好ましくは300〜400%の範囲である。引っ張り破断伸度が200%未満では、柔軟性に劣り好ましくない。一方、引っ張り破断伸度が500%を越えると、柔軟し過ぎて製膜時にシワ、伸び等により巻き取り作業、フィルム取り扱い性が悪くなるので好ましくない。
本発明のポリエステルフィルムの接着性、帯電防止、易滑性を付与するために、塗布層を設けてもよい。該塗布層を構成する成分としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の樹脂およびこれらの樹脂の共重合体などを挙げることができる。かかる樹脂の一種または二種以上の樹脂を同時に含有してもよい。
【0022】
上述の塗布液をフィルムに塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いることができる。塗布層は、フィルム製造工程内で設けてもよいし、フィルム製造後に塗布してもよい。特に塗布厚みの均一性や、生産効率の点で、フィルム製造工程内で塗布する方法が好ましい。
【0023】
フィルム製造工程内で塗布する方法としては、未延伸シートに塗布液を塗布し、逐次あるいは同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸フィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法などがある。
塗布層の厚みは、通常0.005〜1.0μmの範囲であり、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲である。塗布厚みが1.0μmを超えると、フィルム製造時の連続性が悪化することがある。一方、塗布厚みが0.005未満の場合には、塗布ヌケや塗布ムラが生じやすくなる傾向がある。
かかる塗布層は、フィルムの片面だけに設けてもよいが、両面に設けることが好ましい。また、片面にのみ塗布した場合、その反対面には、本発明における塗布層以外の塗布層を必要に応じて形成し、本発明のフィルムに他の特性を付与することもできる。
【0024】
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。処理効率やコスト、処理の簡便さからコロナ放電処理を行うことが好ましい。また、本発明のフィルムにおける塗布層の接着性、塗布性などを改良するために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施すこともできる。
次に本発明のフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
【0025】
ポリエステル層を構成する原料チップを必要に応じて乾燥した後、押出機を用いて200〜300℃の温度で溶融させ、押し出した後、キャスティングドラム上に急冷固化して未延伸シートを得る。ポリエステルチップの乾燥には、ホッパードライヤー、パドルドライヤー、真空乾燥機などを用いることができるが、好ましくはTEX等のベント付きの押出機を用いて乾燥なしで行うことが好ましい。押し出しに際しては、Tダイ法が好適である。また、キャスティングに際しては、いわゆる静電印加密着法および/あるいは液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0026】
本発明においては、このようにして得られたシートを二軸方向に延伸してフィルム化する延伸条件について述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦20〜100℃、さらに好ましくは30〜80℃の温度範囲で、まず一方向にロール若しくはテンター方式の延伸機により2〜6倍、好ましくは2.5〜4.5倍に延伸する。次に、一段目と直交する方向に好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは40〜85℃の温度範囲で3.2〜6倍、好ましくは3.5〜4.5倍に延伸を行い、二軸に配向したフィルムを得る。なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方法も用いることができるが、その場合も、最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能である。
【0027】
かくして得られたフィルムには、150〜210℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
また、本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびそれらの無水マレイン酸変性物、アイオモマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂等の他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー、ポリエステル樹脂に共重合されないポリアルキレンエーテルグリコール等を含有してもよく、さらにヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、チオエーテル系、等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系等の光安定剤、無機系および有機系の結晶核剤、分子量調整剤、耐加水分解剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、着色剤、分散助剤等の添加剤やガラス繊維、カーボンファイバー、マイカ、チタン酸カリファイバー等の強化剤を含有してもよい。
これらの他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー、添加剤、強化剤を含有させるには、共重合ポリエステルの重縮合過程で添加することによってもよいが、共重合ポリエステルのフィルム過程で添加することによってもよい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法は下記のとおりである。実施例および比較例中、「部」とあるは「重量部」を示す。
【0029】
(1)ガラス転移温度[Tg(℃)]、融点[Tm(℃)]
TA Instruments製差動熱量計(DSC−2920型)を用いて測定した。DSC条件は以下のとおりである。すなわち、試料10mgを窒素気流下で280℃、5分間溶融保持し、ついで液体窒素で急冷した。得られたサンプルを10℃/min.の速度で昇温する過程でガラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読取りこの温度をガラス転移温度(Tg)とし、結晶融解に基づく吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。
【0030】
(2)ポリマーの極限粘度(dl/g)
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン(50/50(重量比))の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
【0031】
(3)粒子の平均粒径(μm)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率50%の直径(粒径)とした。
【0032】
(4)フィルムの面配向度(ΔP)
アタゴ光学社製アッベ屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値(nγ)、それに直角方向の屈折率(nβ)およびフィルムの厚さ方向の屈折率(nα)を測定し、次式より面配向度(ΔP)を算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
【0033】
(5)フィルムのヤング率(GPa)
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)300mm、幅20mmの試料フィルムを、10%/min.の歪み速度で引っ張り、引っ張り応力−歪み曲線の初期の直線部分を用いて次式によって計算した。
E=Δσ/Δε
(上記式中、Eはヤング率(GPa)、Δσは直線上の2点間の元の平均断面積による応力差(GPa)、Δεは上記2点間の歪み差/初期長さ(−)を表す)
【0034】
(6)フィルムの引っ張り破断伸度(%)
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料フィルムを、200mm/分の速度で引っ張り、引っ張り応力
−歪み曲線より次式より求めた。
LB=(L−L0)×100/L0
(上記式中、LBは引っ張り破断伸度(%)、Lは破断時のフィルム長さ(mm)、L0は元のフィルム長さ(mm)を表す)
【0035】
(7)フィルム表面粗さ(μm)
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとした。(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F型)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次式で与えられた値を(μm)で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫0 1|f(x)|dx
【0036】
(8)フィルムの滑り性
平滑なガラス板上に、幅15mm、長さ150mmに切り出したフィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板をのせ、2枚のフィルム接圧を2g/cm2として、20mm/分でフィルム同士を滑らせて摩擦力を測定し、5mm滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数として求めた。なお、測定は、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で行った。
【0037】
(9)フィルムヘーズ
JIS−K7136に準じ、日本電色工業製分球式濁度計(NDH−2000型)によりフィルムの濁度を測定した。
【0038】
実施例1
テレフタル酸、エチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)を下記表1に記載の構成比となるように、また触媒および助触媒として、テトラブトキシチタネートを0.009部、エチルアシッドフォスフェートを0.025部、酢酸コバルトを0.050部、さらに平均粒径2.4μmの非晶質微細シリカ粒子1部をエチレングリコールスラリーとして反応器にとり、270℃、400Paでの直接重合法によりポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、重合槽よりストランド状に抜き出し、これを冷却後、ペレタイザーでカットすることによりペレット形状で回収した。
かくして得られたポリエステル樹脂ペレットの極限粘度は0.79であった。このペレットを風乾して、ベント付きの2軸スクリューの押出機に供給して、250℃、−100kPaのベント減圧下で溶融混練りし、スリット状ダイより20℃の回転冷却ロール上にシート状に押し出し、静電印加冷却法を使用して回転冷却ロールにより急冷して無定形シートを得、次いで、当該無定形シートを縦方向に50℃で3.5倍、横方向に70℃で3.5倍延伸した。得られたフィルムを200℃で3秒間熱処理し、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0039】
実施例2、3
表1記載の組成比とする以外は、実施例1と同様にして厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0040】
比較例1、2
表1記載の組成比とする以外は、実施例1と同様にして厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例3
実施例1において、数平均分子量が250のポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いること以外は、実施例1と同様にして、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0041】
比較例4
実施例1において、数平均分子量が4500のポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いること以外は、実施例1と同様にして、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例5〜8
実施例1において、非晶質微細シリカ粒子の粒径および添加量を変更すること以外は、実施例1と同様にして、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0042】
比較例9〜10
実施例1において、縦方向および横方向の延伸倍率および弛緩率を変える以外は、実施例1と同様にして、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
以上、実施例および比較例で得られたフィルムの内容および特性をまとめて下表1〜3に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
本発明の要件を満たす実施例1〜3のフィルムは、柔軟性に優れるとともに機械的強度、透明性、取り扱い性に優れるものであった。これらに対し、比較例1〜12のフィルムは本発明の要件を満たしていないため、フィルムの柔軟性、透明性、取り扱い性に劣るものであった。
【0047】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、柔軟性、透明性、取り扱い性に優れたものであり、その工業的価値は高い。
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、機械的特性、寸法安定性等の物理的特性、並びに耐薬品性等の化学的特性が優れていることから、磁気記録材料、工業材料、など幅広い分野において使用されている。しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィルムは柔軟性に欠けるため、一定形状に成形した後、外力に対する変形追従性を有することができず、用途が限定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明の要旨は、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、下記式▲1▼〜▲6▼を同時に満足することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
20≦Tg≦60 …▲1▼
200≦Tm≦260 …▲2▼
0.050≦ΔP≦0.150 …▲3▼
1.0≦YMD+YTD≦7.0 …▲4▼
200≦EMD+ETD≦500 …▲5▼
0.015≦Ra≦0.100 …▲6▼
(上記式中、TgはDSC法で測定したガラス転移温度(℃)、TmはDSC法で測定した融点(℃)、ΔPはフィルムの面配向度、YMDはフィルム長手方向のヤング率(GPa)、YTDはフィルム幅方向のヤング率(GPa)、EMDはフィルム長手方向の引っ張り破断伸度(%)、ETDはフィルム横方向の引っ張り破断伸度(%)、Raはフィルム表面の中心線平均粗さ(μm)を表す)
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムとは、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコールを主たる成分とするポリエステルフィルムである。ここで言う主たる成分とは、全構成成分中、80重量%以上が上記成分で占められることを意味する。また、構成成分については、例えば、ポリエステルフィルムをアルカリで分解し、クロマトグラフィーにより分析することができる。
ジカルボン酸成分は、50モル%以上がテレフタル酸であることが好ましいが、他のジカルボン酸成分が共重合されたものであってもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、具体的には、例えば、イソフタル酸、オルトフタル酸、フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルカルボン酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられるが、これらの中でもイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選択される1種以上が好適である。
【0007】
なお、本発明において、ジカルボン酸成分は、原料の段階では、例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエステル等のエステル形成誘導体を含むものとする。
脂肪族または脂環式のジオールとしては、50モル%以上がエチレングリコールであることが好ましいが、他の脂肪族または脂環式のジオール成分が共重合されたものであってもよい。エチレングリコール以外の脂肪族および/または脂環式ジオール成分としては、具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる1種以上が好適である。
【0008】
なお、本発明においては、脂肪族または脂環式ジオール成分は、原料の段階ではエステル形成性の誘導体をも含むものである。
エチレングリコール以外の脂肪族および脂環式ジオール成分は、全ジオール成分の通常30モル%以下、好ましくは5〜30モル%、さらに好ましくは10〜20モル%の範囲である。エチレングリコール以外の脂肪族または脂環式のジオール成分を共重合することにより、柔軟性や透明性が向上する場合があるが、共重合量の量によっては、得られる共重合ポリエステルフィルムの機械的特性が劣る場合がある。
【0009】
本発明のポリエステルフィルム中には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、さらに、例えば、4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、ヘキサントリカルボン酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリオール、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセロール等の3官能以上の多官能成分が共重合されていてもよい。
【0010】
本発明において、ポリエステルフィルムは、ポリアルキレンエーテルグリコールを構成成分として含有する必要があり、その数平均分子量は300〜4000であり、400〜3000が好ましく、500〜2000がさらに好ましい。数平均分子量が300未満では、フィルムの耐熱性が劣ったり、低分子量物が析出したりする。一方、数平均分子量が4000を超えると、フィルムの透明性が劣る。
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックまたはランダム共重合体などが挙げられるが、これらの中でも、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。
【0011】
ポリアルキレンエーテルグリコールは、数平均分子量の異なるものを複数併用することもできる。複数併用する場合は、均一に混合して測定した値が前記範囲であればよい。
ここで、ポレアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等の一般的な方法により測定することができる。
ポリアルキレンエーテルグリコールは、共重合ポリエステルフィルム中に5〜35重量%、さらには10〜30重量%含まれていることが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールの含有量が5重量%未満では、フィルムの柔軟性が劣る傾向がある。一方、35重量%を超えると、柔軟性に優れるものの、フィルムの透明性が損なわれる場合がある。
【0012】
本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂は、基本的には、ジカルボン酸成分、ジオール成分、ポリアルキレンエーテルグリコールとによるポリエステル樹脂の慣用の製造法、すなわち、直接重合法、またはエステル交換法などにより回分式、または連続式に製造される。
ここで、ポリアルキレンエーテルグリコールおよび任意で使用する共重合成分は、重縮合反応過程の任意の段階で添加することができる。
さらに、本発明のポリエステルは、予め、ジカルボン酸、および脂肪族および/または脂環式ジオールからなる低重合度のオリゴマーを製造し、当該オリゴマーとポリアルキレンエーテルグリコールとを重縮合することにより得ることもできる。
【0013】
重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながらもしくは水冷後、カッターで切断されてペレット状とされる。さらに、この重縮合後のペレットを加熱処理して固相重縮合させることにより、さらに高重合度化させるとともに、反応副生物のアセトアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減化することもできる。
なお、前記製造方法においてエステル化反応は、必要に応じて、例えば、三酸化アンチモン、アンチモン、チタン、マグネシウム、カルシウム等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル化触媒の存在下でなされ、エステル交換反応は、必要に応じて、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、亜鉛等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル交換触媒の存在下でなされる。
【0014】
また、重縮合反応は、例えば、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸およびこれらのエステルや有機酸塩等の燐化合物の存在下、および、例えば、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等の金属化合物、或いは、アンチモン、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、コバルト等の有機酸塩や有機金属化合物等の重縮合触媒の存在下でなされる。これらの重縮合触媒の中でも、テトラブトキシチタネート、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムから選択される1種以上が好適に使用される。
さらには、重縮合過程での消泡を促進するため、シリコーンオイル等の消泡剤を添加するのが好ましい。
【0015】
本発明におけるポリエステルフィルムの極限粘度は0.4〜1.5dl/gであることが好ましく、0.5〜1.2dl/gがさらに好ましく、0.6〜1.0dl/gが特に好ましい。極限粘度が0.4dl/g未満では、フィルムの強度が低下する傾向がある。一方、極限粘度が1.5dl/gを超えると、フィルムの製造が困難となる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムのガラス転移温度(Tg)は、20〜60℃、好ましくは25〜50℃、さらに好ましくは25〜40℃の範囲である。ガラス転移温度が20℃未満では、耐熱寸法安定性が悪化して、フィルムの搬送、局所タルミが発生、保管時にチップの融着の発生が起こり好ましくない。一方、ガラス転移温度が60℃を越えると、柔軟性に劣るために好ましくない。
また、フィルムの融点(Tm)は、良好な耐熱性および機械特性を得るために、200〜260℃とする必要があり、好ましくは205〜255℃、さらに好ましくは210〜250℃の範囲である。
【0016】
本発明のポリエステルフィルムのフィルムヘーズは、25μmの厚みに換算した値でのヘーズが通常20%以下、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。ヘーズが前記範囲内にある場合、包装容器やラベル材等に用いたときに、透明性が良好であると共に、意匠性にも優れる傾向となる。
本発明のポリエステルフィルムは、耐ブロッキング性、易滑性等を付与するために、不活性微粒子を含有していることが好ましく、その含有量は、フィルムに対して通常0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲であることが好ましい。粒子含有量が0.01重量%未満では、透明性に優れるが、易滑性、フィルムの取り扱い性が劣ることがある。一方、粒子添加量が1.0重量%を超えると、易滑性に優れるが、透明性の悪化や粒子が凝集して粗大突起を形成する場合がある。
【0017】
本発明で用いる不活性微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、シュウ酸カルシウム、架橋高分子粒子などの有機粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものでない。
不活性微粒子の平均粒径は、通常0.1〜5.0μm、好ましくは0.2〜4.0μm、さらに好ましくは0.3〜3.0μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満では、透明性に優れるが、易滑性、フィルムの取り扱い性が劣る傾向がある。一方、平均粒径が5.0μmを超えると、易滑性に優れるが、透明性、ツブ状欠陥が発生しやすくなる傾向がある。
【0018】
本発明のフィルムを構成する粒子を含有するポリエステルの製造に際して、粒子はポリエステルの合成反応中に添加してもポリエステルに直接添加してもよい。合成反応中に添加する場合は、粒子をエチレングリコール等に分散させたスラリーとして、ポリエステル合成の任意の段階で添加する方法が好ましい。一方、ポリエステルに直接添加する場合は、乾燥した粒子として、または水あるいは沸点が200℃以下の有機溶媒中に分散したスラリーとして、2軸混練り押出機を用いて共重合ポリエステルに添加混合する方法が好ましい。なお、添加する粒子は、必要に応じ、事前に解砕、分散、分級、濾過等の処理を施しておいてもよい。
【0019】
本発明においては、上記したような方法により表面を粗面化したフィルムを得るが、易滑性、作業性、巻き取り性、耐ブロッキング性を高度に満足させるために、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.015〜0.100μmの範囲であることが必要であり、好ましくは0.020〜0.080μm、さらに好ましくは0.030〜0.070μmである。かかる範囲となるよう適宜、条件を選択することが望ましい。
【0020】
本発明のポリエステルフィルムの面配向度(ΔP)は0.050〜0.150、好ましくは0.060〜0.130、さらに0.070〜120の範囲であることにより、柔軟性とフィルム取り扱い性が良好となる。
本発明のポリエステルフィルムの長手方向と幅方向のヤング率の和(YMD+YTD)が1.0〜7.0GPa、好ましくは1.5〜6.5GPa、さらに好ましくは2.0〜6.0GPaの範囲である。ヤング率が1.0GPa未満では、フィルムが柔軟化しすぎて、フィルム製膜時のワインディング性、取り扱い加工適正が劣るので好ましくない。一方、ヤング率が7.0GPaを超えると、柔軟性が損なわれるので好ましくない。
【0021】
本発明のポリエステルフィルムの長手方向と横方向の引っ張り破断伸度の和(EMD+ETD)が200〜500%、好ましくは250〜450%、さらに好ましくは300〜400%の範囲である。引っ張り破断伸度が200%未満では、柔軟性に劣り好ましくない。一方、引っ張り破断伸度が500%を越えると、柔軟し過ぎて製膜時にシワ、伸び等により巻き取り作業、フィルム取り扱い性が悪くなるので好ましくない。
本発明のポリエステルフィルムの接着性、帯電防止、易滑性を付与するために、塗布層を設けてもよい。該塗布層を構成する成分としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の樹脂およびこれらの樹脂の共重合体などを挙げることができる。かかる樹脂の一種または二種以上の樹脂を同時に含有してもよい。
【0022】
上述の塗布液をフィルムに塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いることができる。塗布層は、フィルム製造工程内で設けてもよいし、フィルム製造後に塗布してもよい。特に塗布厚みの均一性や、生産効率の点で、フィルム製造工程内で塗布する方法が好ましい。
【0023】
フィルム製造工程内で塗布する方法としては、未延伸シートに塗布液を塗布し、逐次あるいは同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸フィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法などがある。
塗布層の厚みは、通常0.005〜1.0μmの範囲であり、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲である。塗布厚みが1.0μmを超えると、フィルム製造時の連続性が悪化することがある。一方、塗布厚みが0.005未満の場合には、塗布ヌケや塗布ムラが生じやすくなる傾向がある。
かかる塗布層は、フィルムの片面だけに設けてもよいが、両面に設けることが好ましい。また、片面にのみ塗布した場合、その反対面には、本発明における塗布層以外の塗布層を必要に応じて形成し、本発明のフィルムに他の特性を付与することもできる。
【0024】
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。処理効率やコスト、処理の簡便さからコロナ放電処理を行うことが好ましい。また、本発明のフィルムにおける塗布層の接着性、塗布性などを改良するために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施すこともできる。
次に本発明のフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
【0025】
ポリエステル層を構成する原料チップを必要に応じて乾燥した後、押出機を用いて200〜300℃の温度で溶融させ、押し出した後、キャスティングドラム上に急冷固化して未延伸シートを得る。ポリエステルチップの乾燥には、ホッパードライヤー、パドルドライヤー、真空乾燥機などを用いることができるが、好ましくはTEX等のベント付きの押出機を用いて乾燥なしで行うことが好ましい。押し出しに際しては、Tダイ法が好適である。また、キャスティングに際しては、いわゆる静電印加密着法および/あるいは液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0026】
本発明においては、このようにして得られたシートを二軸方向に延伸してフィルム化する延伸条件について述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦20〜100℃、さらに好ましくは30〜80℃の温度範囲で、まず一方向にロール若しくはテンター方式の延伸機により2〜6倍、好ましくは2.5〜4.5倍に延伸する。次に、一段目と直交する方向に好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは40〜85℃の温度範囲で3.2〜6倍、好ましくは3.5〜4.5倍に延伸を行い、二軸に配向したフィルムを得る。なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方法も用いることができるが、その場合も、最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能である。
【0027】
かくして得られたフィルムには、150〜210℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
また、本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびそれらの無水マレイン酸変性物、アイオモマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂等の他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー、ポリエステル樹脂に共重合されないポリアルキレンエーテルグリコール等を含有してもよく、さらにヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、チオエーテル系、等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系等の光安定剤、無機系および有機系の結晶核剤、分子量調整剤、耐加水分解剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、着色剤、分散助剤等の添加剤やガラス繊維、カーボンファイバー、マイカ、チタン酸カリファイバー等の強化剤を含有してもよい。
これらの他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー、添加剤、強化剤を含有させるには、共重合ポリエステルの重縮合過程で添加することによってもよいが、共重合ポリエステルのフィルム過程で添加することによってもよい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法は下記のとおりである。実施例および比較例中、「部」とあるは「重量部」を示す。
【0029】
(1)ガラス転移温度[Tg(℃)]、融点[Tm(℃)]
TA Instruments製差動熱量計(DSC−2920型)を用いて測定した。DSC条件は以下のとおりである。すなわち、試料10mgを窒素気流下で280℃、5分間溶融保持し、ついで液体窒素で急冷した。得られたサンプルを10℃/min.の速度で昇温する過程でガラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読取りこの温度をガラス転移温度(Tg)とし、結晶融解に基づく吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。
【0030】
(2)ポリマーの極限粘度(dl/g)
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン(50/50(重量比))の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
【0031】
(3)粒子の平均粒径(μm)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率50%の直径(粒径)とした。
【0032】
(4)フィルムの面配向度(ΔP)
アタゴ光学社製アッベ屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値(nγ)、それに直角方向の屈折率(nβ)およびフィルムの厚さ方向の屈折率(nα)を測定し、次式より面配向度(ΔP)を算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
【0033】
(5)フィルムのヤング率(GPa)
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)300mm、幅20mmの試料フィルムを、10%/min.の歪み速度で引っ張り、引っ張り応力−歪み曲線の初期の直線部分を用いて次式によって計算した。
E=Δσ/Δε
(上記式中、Eはヤング率(GPa)、Δσは直線上の2点間の元の平均断面積による応力差(GPa)、Δεは上記2点間の歪み差/初期長さ(−)を表す)
【0034】
(6)フィルムの引っ張り破断伸度(%)
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料フィルムを、200mm/分の速度で引っ張り、引っ張り応力
−歪み曲線より次式より求めた。
LB=(L−L0)×100/L0
(上記式中、LBは引っ張り破断伸度(%)、Lは破断時のフィルム長さ(mm)、L0は元のフィルム長さ(mm)を表す)
【0035】
(7)フィルム表面粗さ(μm)
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとした。(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F型)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次式で与えられた値を(μm)で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫0 1|f(x)|dx
【0036】
(8)フィルムの滑り性
平滑なガラス板上に、幅15mm、長さ150mmに切り出したフィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板をのせ、2枚のフィルム接圧を2g/cm2として、20mm/分でフィルム同士を滑らせて摩擦力を測定し、5mm滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数として求めた。なお、測定は、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で行った。
【0037】
(9)フィルムヘーズ
JIS−K7136に準じ、日本電色工業製分球式濁度計(NDH−2000型)によりフィルムの濁度を測定した。
【0038】
実施例1
テレフタル酸、エチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)を下記表1に記載の構成比となるように、また触媒および助触媒として、テトラブトキシチタネートを0.009部、エチルアシッドフォスフェートを0.025部、酢酸コバルトを0.050部、さらに平均粒径2.4μmの非晶質微細シリカ粒子1部をエチレングリコールスラリーとして反応器にとり、270℃、400Paでの直接重合法によりポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂は、重合槽よりストランド状に抜き出し、これを冷却後、ペレタイザーでカットすることによりペレット形状で回収した。
かくして得られたポリエステル樹脂ペレットの極限粘度は0.79であった。このペレットを風乾して、ベント付きの2軸スクリューの押出機に供給して、250℃、−100kPaのベント減圧下で溶融混練りし、スリット状ダイより20℃の回転冷却ロール上にシート状に押し出し、静電印加冷却法を使用して回転冷却ロールにより急冷して無定形シートを得、次いで、当該無定形シートを縦方向に50℃で3.5倍、横方向に70℃で3.5倍延伸した。得られたフィルムを200℃で3秒間熱処理し、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0039】
実施例2、3
表1記載の組成比とする以外は、実施例1と同様にして厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0040】
比較例1、2
表1記載の組成比とする以外は、実施例1と同様にして厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例3
実施例1において、数平均分子量が250のポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いること以外は、実施例1と同様にして、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0041】
比較例4
実施例1において、数平均分子量が4500のポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いること以外は、実施例1と同様にして、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例5〜8
実施例1において、非晶質微細シリカ粒子の粒径および添加量を変更すること以外は、実施例1と同様にして、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0042】
比較例9〜10
実施例1において、縦方向および横方向の延伸倍率および弛緩率を変える以外は、実施例1と同様にして、厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
以上、実施例および比較例で得られたフィルムの内容および特性をまとめて下表1〜3に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
本発明の要件を満たす実施例1〜3のフィルムは、柔軟性に優れるとともに機械的強度、透明性、取り扱い性に優れるものであった。これらに対し、比較例1〜12のフィルムは本発明の要件を満たしていないため、フィルムの柔軟性、透明性、取り扱い性に劣るものであった。
【0047】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、柔軟性、透明性、取り扱い性に優れたものであり、その工業的価値は高い。
Claims (2)
- ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、下記式▲1▼〜▲6▼を同時に満足することを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
20≦Tg≦60 …▲1▼
200≦Tm≦260 …▲2▼
0.050≦ΔP≦0.150 …▲3▼
1.0≦YMD+YTD≦7.0 …▲4▼
200≦EMD+ETD≦500 …▲5▼
0.015≦Ra≦0.100 …▲6▼
(上記式中、TgはDSC法で測定したガラス転移温度(℃)、TmはDSC法で測定した融点(℃)、ΔPはフィルムの面配向度、YMDはフィルム長手方向のヤング率(GPa)、YTDはフィルム幅方向のヤング率(GPa)、EMDはフィルム長手方向の引っ張り破断伸度(%)、ETDはフィルム横方向の引っ張り破断伸度(%)、Raはフィルム表面の中心線平均粗さ(μm)を表す) - 平均粒径が0.1〜5.0μmの不活性微粒子を0.01〜1.0重量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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| JP2002171742A JP2004018562A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
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|---|---|---|---|---|
| US9062175B2 (en) | 2010-09-22 | 2015-06-23 | Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Llc | Acetylene black semiconducting shield material with improved processing |
-
2002
- 2002-06-12 JP JP2002171742A patent/JP2004018562A/ja active Pending
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