JP2004019663A - タービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タービンは、径向きブレードを有し、かつ、軸(12)に対して回転するためにハウジング(1)に支持されているタービンホイール(11)を備えている。環状入口通路(4)は、タービンホイール(11)に向かって径方向の内側に延び、上記入口通路(4)は、対向する第1および第2の環状壁(5、6)によって画定されている。環状に配列されたベーン(10)は、入口通路(4)を横切って延びている。各ベーン(10)は、タービンホイールブレードに隣接して延びる後縁(10a)を有し、上記各ベーン(10)の後縁(10a)は、後縁(10a)の両端で定義される部分の少なくとも一部が、直線から偏倚している。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はタービンに関し、特に、内燃機関用のターボチャージャでの使用に適するタイプのタービンに関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
公知のターボチャージャにおいては、タービンステージは、内部にタービンホイールが装着されているタービン室と、このタービン室の周りに配設された環状入口通路と、入口通路の周りに配設された入口と、タービン室から延びる出口通路とを備える。通路とタービン室は連通しており、入口室に注入されて一定の気圧に保たれた排気ガスが、タービン室を介して、入口通路から出口通路に流れるようになっている。半径方向に延びるブレードを有するタービンホイールは、タービン室内に装着されており、ガスによって回転させられるようになっている。
【0003】
さらに、ノズルベーンと呼ばれるベーンを入口通路内に設けることによって、入口通路を流れたガスを、タービンホイールの回転方向に曲げるようにして、タービンの性能を調整する方法も広く知られている。
【0004】
タービンは固定形状型(fixed geometry type)あるいは可変形状型(variable geometry type)のどちらであってもよい。可変形状型タービンは、入口通路の寸法が可変であるため、質量流量範囲(range of mass flow)を超えるガスの流速を最適化することができるという点が固定形状型タービンと異なり、その結果、タービンの出力を、さまざまなエンジンの要請に適合するように変化させることができる。
【0005】
最も一般的なタイプの可変形状型のタービンにおいては、各ベーンは、入口通路を横切って延びるベーン自体の軸に対して回転可能となっている(一般に羽根の長さの略中間点に位置を合わせされている)。また、ベーンの動作機構が、各ベーンに連結して設けられており、ベーンの各々を一斉に回転させるように変動させるようになっている。そして、各ベーンの後縁(すなわち最もタービンホイールに近接している縁部)を、隣接するベーンに近づけたり、隣接するベーンから離したりすることによって、タービンホイールへのガスの進入角と同様に、入射ガスの有効断面積領域を変化させる。このような配置は、一般的に、揺動ベーン可変形状タービン(swing vane variable geometry turbine)と呼ばれる。
【0006】
さらに別の一般的なタイプの可変形状タービンでは、入口通路の1つの壁が、通常ノズルリングと呼ばれる可動の壁部材によって形成されており、入口通路の対向壁に対するその位置が、入口通路の幅を制御するために調節される。
【0007】
例えば、タービンを流れるガスの体積が減少すると、入口通路幅も狭められて、ガスの流速を維持し、タービンの出力を最適化するようになっている。ある場合には、ノズルベーンは、所定の位置に固定される一方、可動のノズルリング内のスロット中を延びるようになっており、別の場合には、ベーンが、可動ノズルリングから入口通路の対向壁に設けられたスロット内に向かって延びるようになっている。
【0008】
可動ノズルリングを有する可変形状タービンにおいては、ベーンを少なくとも部分的に入口通路から引っ込めるために、ノズルリングを入口通路の通常の最大幅を越えて引っ込めるノズルリングの「過度な開き(over−opening)」を提供できることが知られ、これによって、最大の入口通路流域とガス流量が増大する。このシステムの変形としては、ノズルリングから離れているノズルベーンの端部に切り取られた部分を設けたものが知られている。これは、ノズルリングの後縁の長さおよびノズルベーンの幅のある部分の高さ(ベーンの高さとは、ノズルリングから延びているベーンの距離である)を減少させる。その結果、各ベーンの端部には縮小された部分があり、この部分は、ノズルリングが入口通路の領域を増大するように過度に開いた状態になったときに、入口通路内へ移動するようになっている。
【0009】
タービンがどのような形状であろうと、ノズルベーンは、それらがタービンホイールとともに回転しないという意味で、静止した状態になっている。このことは、ノズルリングに起因する静的な圧力場と、回転するホイールブレードとの相互作用によって引き起こされる公知の問題を導きだす。すなわち、この相互作用の周期的な特性は、ある回転速度で、一つまたは一つ以上の振動モードにおけるブレードの共振周波数に対応することになり、ブレードにおける振動を引き起こす。タービンブレード上の上記振動による圧力は、ブレードに大きな損害を与える可能性がある。
【0010】
【本発明の目的】
本発明の目的は、上記の問題を取り除いたりまたは緩和したりすることである。
【0011】
本発明によれば、径向きブレードを有し、かつ、軸に対して回転するためハウジングに支持されているタービンホイールと、タービンホイールに向かって径方向の内方に延びる環状入口通路と、上記入口通路を横切って延びている環状に配列されたベーンとを備え、上記入口通路は対向する第1および第2の環状壁の間で画定されており、かつ、各ベーンは、上記タービンホイールのブレードに隣接して延びている後縁を有するタービンにおいて、上記各ベーンの後縁が、その後縁の両端の間で定義される後縁の長さの少なくとも一部分にわたって、直線から偏倚しているタービンが提供される。
【0012】
上記偏倚は、後縁に形成された不連続部の形式で設けられても良く、あるいは、後縁に形成された湾曲の形式で設けられても良く、上記偏倚は、ベーンによって生成された圧力場をかき乱し、特に、タービンブレードに損害をもたらす可能性がある振動を低減することになる。
【0013】
本発明の好ましい特徴は、以下の記載から容易に理解されることになるだろう。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、内燃機関(図示せず)からのガスが送られる渦巻き室または入口室2を画定するタービンハウジング1を備える公知の可変形状タービンの一部の概略断面図が示されている。ガスは、入口室2から軸方向の出口通路3へと、環状入口通路4を経由して流れるようになっている。上記環状入口通路4は、片側が、ノズルリング5の径方向の表面によって画定され、他方の側が、ハウジング1の反対側の壁に形成されている環状凹部7の開口部を覆っている環状シュラウド板6によって画定されている。ノズルリング5は、タービンハウジング1に設けられた環状空洞部8内に摺動可能に据え付けられており、シールリング9により空洞部8をシールしている。ノズルリング5は、入口通路4を横切るようにノズルリング5の表面から伸びる周方向に配列されたノズルベーン10を支持している。各ベーン10は、ノズルリング5から遠い端部が切り取られ、後縁10aおよび幅が縮小され部分10bが画定されている。図示はされていないが、断面において、ベーンは、典型的には、後縁10aに向かって細くなるエアフォイル・プロフィールを有するだろう。
【0015】
使用中、入口室2から出口通路3に流れるガスは、軸12に対して回転するタービンホイール11上を通り、そのことによってコンプレッサホイール(図示せず)を運転するターボチャージャシャフト13にトルクを与える。タービンホイール11の速度は、環状入口通路4を通り抜けるガスの速度に依存する。ベーン10は、タービンホイールの回転方向へガスを回転させるためにある角度に折り曲げられている。ガス流量を一定にするために、入口通路4の幅の関数となっているガス速度を、ノズルリング5の軸方向の位置を制御することによって(すなわち、ノズルリング5を、矢印14によって示される方向に前後に動かすことによって)調整することができるようになっている。ノズルリング5の動作を、どのような適切な作動手段によって制御しても構わない。例えば、ノズルリング5を軸方向に伸びるピン(図示せず)に据え付けても良く、この場合、上記ピンの位置は、空気圧で作動する作動装置(図示せず)に接続されたあぶみ部材(stirrup member)(図示せす)によって制御されるようになっている。上記作動装置のシステムは、様々な従来形式のものを採用することが可能であるので、特定の作動装置機構を例示せず、詳細に記述しない。
【0016】
図laに、入口通路4の幅が最小になる閉位置におけるノズルリングを示す。この位置では、ノズルベーン10の一端が、凹部7内のハウジング1と接触しており、各ベーンの縮小された幅部分10bは、凹部7内に完全に収容された状態になっている。
【0017】
図1bおよび1cは、それぞれ、完全に開いているノズルリングと、「過剰に開いた状態になっている(over open)」ノズルリングを示す。図1bに示される位置では、ノズルリング5が空洞部8内にある程度引き込まれ、ノズルリング5の表面がハウジングの壁と同じ高さになり、入口通路4が最大幅になっている。最も効率をよくするためには、各ベーンの後縁10aの長さを、入口通路4を横切って伸びる長さにすれば充分であり、このとき入口通路は、完全に開いた状態になっている。このとき、この位置では、各ベーンの縮減された幅部分10bのみが凹部7内に収容されるようになっている。
【0018】
ノズルリング5を空胴部8へさらに引き込むことによって、この特別な設計の可変形状タービンの吸い込み容量(swallowing capacity)を、増加させることができるけれども、このとき、各ベーンの縮小された幅部分10bは少なくとも部分的に凹部7内から引っ込められて、入口通路4内に位置するようになる。これにより、増加したガスの流れを受け入れる入口通路4を通過するガスの流れを妨げるベーンのトータルの領域が減少することになる。流れが最大になる位置が、図1cに示されている。
【0019】
この明細書の導入部で言及したように、ベーン付きターボチャージャにおいて直面する公知の問題の一つは、タービンホイールブレード11の先端で生成された圧力波が、ベーン10の後縁を越えて進み、それらがベーン10によって発生する静的圧力場と相互作用して、ブレード11内で共振振動を引き起こし、圧力損害およびブレード損傷を引き起こすことである。
【0020】
図2aから2cは、図1aから1cに対応するものであるが、本発明によるブレード外形の変形を示している。特に、1つの不連続部が、各ベーンの後縁10aの直線輪郭部の間にノッチ14の形式で設けられている。
【0021】
上記ノッチ14は、圧力場をかき乱して広げるため、タービンブレードは、ウェーク(wake)を通りすぎたとき、より弱い圧力ゆらぎを受けて、ブレードの励振が低減される。これは、タービンブレードの圧力損傷の低減に有効である。入口通路幅の範囲にわたって、どのようなモードの振動も、存在することができるので(励振は、通路幅に加えて、ガスの質量流量、温度および圧力などのいくつかのパラメータに依存する)、ノッチ14は、可能な限り広範囲の走行条件を満足するように配置される。図2aおよび2bに示されているように、ノッチは最小の入口通路幅と最大の入口通路幅の間で、入口通路4内に位置するように配置されている。図2cに示す過度な開き位置では、ノッチは、ハウジング1内の空洞部8に収容されているが、この場合には、各ベーンの切り取られた部分10bが、入口通路4に露出した状態になっているので、各ベーンの切り取られた部分10bが、圧力場をかき乱して、タービンホイールブレード11上の圧力を低減するいくらかの効果を有するようになっている。
【0022】
図3を参照すると、ハウジング壁18と19の間で環状入口通路17を画定しているハウジング内に、軸16に対して回転可能なタービンホイール15を備える従来の揺動ベーンタービンに施された同様な修正を示している。上記実施形態と同様に、排気ガスは、タービンホイールを動かすために、径方向の内方に入口通路17中を流れる。環状に配列されたベーン20は、入口通路17内に据え付けられており、ベーン20のそれぞれは、入口壁18および19を通って突出している不可欠な軸21を有する。クランク22が、軸21の一方の端部に設けられており、一般には、ピン23を介して作動装置(図示せず)に連結されており、それぞれの軸21に対するベーン20の回転を制御する。この種の可変形状タービンでは、入口通路17の領域は、各軸21に対してベーン20を回転させることにより変化させられ、各ベーンの後縁21aを、隣接しているベーンに近づけることにより、流れ通路17を狭くすることができる。本発明によれば、不連続部は、各ベーンの後縁21aの両端の間に設けられ、タービンホイール15が回転することによって発生する圧力場をかき乱し、それによってタービンブレードに対する振動と損傷を低減する。上記実施形態と同様に、この実施形態の不連続部は、後縁21a内に形成されたノッチ24の形式で設けられている。
【0023】
図4は、入口ベーンを備える一般的な固定形状ターボチャージャへの本発明の応用例を示す。再度述べるが、タービンは、入口通路27を画定するハウジング内にある軸26に対して回転可能なタービンホイール25を備える。固定ベーン28は入口通路27を横切って伸び、本発明に従って、それらの後縁28a内には、ノッチ29が設けられている。
【0024】
上記この発明の各実施形態では、圧力場をかき乱すように設けられる不連続部を、連続した後縁に設けられたノッチの形式で形成した。ノッチの正確な配置、外形および寸法(つまりその幅と深さ)は、ウェーク(wake)のかき乱しに大きな効果を有し、当業者は、いかなる個別の応用においても、ノッチのこれらの特徴を最適化することができるであろう。したがって、ノッチ位置、形状および寸法は、図示したものからは著しく変化するかもしれない。同様に、ある応用例において、1つ以上の不連続部(たとえば1つ以上のノッチであり、これらのノッチは、後縁内で異なる寸法/形状を取る可能性がある)を設けることが有益である。
【0025】
端部にノッチを形成する方法の代わりに、各ベーンの後縁の輪郭を、その長さにおける少なくとも一部分が直線から偏倚するように形成して、同じ効果を達成しても良い。例えば、タービンホイールの回転に関する周方向(長さに沿って各ベーンの勾配を変化させればより効果的)、半径方向、あるいは、その両方の組み合わせの方向へ、後縁を湾曲させても良い。そのような湾曲は、各ベーンの後縁の全長に沿うか、その長さの1部分のみか、または、いくつかの部分に沿って備えても良い。更に、そのような湾曲した縁は、上述したノッチ等の他の不連続部と組み合わせても良い。本発明は、タービンホイールブレードによって掃出される領域に隣接した領域に、配列されたベーンが組み込まれているいかなるタービンにも適用可能であり、本発明は、上述の特定の構造および形状に制限されるものではない。本発明の他の可能な変形は、適切に熟練した人には、容易に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1a、1bおよび1cは、公知の可変形状タービンの一部の概略断面図である。
【図2】図2a、2bおよび2cは、本発明の一実施形態に基づいて修正された図1aから1cのタービンを示す図である。
【図3】本発明の一実施態様に基づいて修正された第2の公知の可変形状タービン構造の一部の概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施態様に基づいて修正された固定形状タービンの一部の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
4 入口通路
5 ノズルリング
7 凹部
8 空洞部
10 ベーン
10a 後縁
11 タービンホイール
12 軸
Claims (13)
- 径向きブレードを有し、かつ、軸に対して回転するためにハウジングに支持されているタービンホイールと、
上記タービンホイールの方に向かって径方向の内側に延びる環状入口通路と、
上記入口通路を横切って延びる環状に配列されたベーンとを備え、
上記入口通路は、対向する第1および第2の環状壁によって画定され、かつ、各ベーンは、上記タービンホイールのブレードに隣接して延びる後縁を有するタービンにおいて、
上記各ベーンの後縁は、その後縁の両端の間で定義される後縁の長さの少なくとも一部分にわたって、直線から偏倚していることを特徴とするタービン。 - 請求項1に記載のタービンにおいて、各ベーンの上記後縁は、上記後縁の両端の間に不連続部を備えることを特徴とするタービン。
- 請求項2に記載のタービンにおいて、上記不連続部の両側における各ベーンの後縁の部分は、少なくとも略同一直線上にあることを特徴とするタービン。
- 請求項3に記載のタービンにおいて、上記直線は、上記タービンホイールブレードの先端によって画定される線に略平行であることを特徴とするタービン。
- 請求項1または2に記載のタービンにおいて、各ベーンの後縁は、後縁の長さの少なくとも一部分において、上記タービンホイールの回転軸に対して周方向および径方向のうちの少なくとも一方向に沿って湾曲していることを特徴とするタービン。
- 請求項2に記載のタービンにおいて、各ベーンの上記後縁に、複数の不連続部を備えることを特徴とするタービン。
- 請求項2または6に記載のタービンにおいて、不連続部または各不連続部は、後縁に形成されたノッチであることを特徴とするタービン。
- 請求項1乃至7のいずれか1つに記載のタービンにおいて、上記入口通路の形状は、変動可能であることを特徴とするタービン。
- 請求項8に記載のタービンにおいて、上記第1の壁は、移動可能な壁部材によって形成され、この移動可能な壁部材は、入口通路の幅を変化させるために、対向している壁に対して移動可能であることを特徴とするタービン。
- 請求項9に記載のタービンにおいて、上記ベーンは、上記移動可能な壁部材によって支持され、上記対向している壁は、ベーンの端部を収容する一つまたは複数の凹部を備えることを特徴とするタービン。
- 請求項9に記載のタービンにおいて、上記移動可能な壁部材には、上記対向している壁から延びる上記ベーンを収容するための溝が形成されていることを特徴とするタービン。
- 請求項8に記載のタービンにおいて、各ベーンは、上記入口通路を横切って延びる各軸に回転可能に据え付けられると共に、作動装置に連結されており、上記作動装置は、上記ベーンを上記入口通路内の上記軸に対して旋回するように移動させることを特徴とするタービン。
- 請求項1乃至12のいずれか1つに記載のタービンを備えることを特徴とするターボチャージャー。
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