JP2004031815A - 蓋体およびこれを用いた光デバイス収納用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光を透過させるための開口部を有する金属枠体3aと、開口部内に設置される第1の領域Xおよびこの第1の領域Xの金属枠体3aの上面側または下面側に設置される第2の領域Yから成る透光性の窓体3bとで構成された略平板状の蓋体3であって、窓体3bは、第2の領域Yの周囲が開口部から外周側に張り出しているとともに、軟化点が300℃を超えるガラス材で形成されており、かつ20〜300℃における金属枠体3aの熱膨張係数の差を0.4〜1.0×10−6/℃としてあり、金属枠体3aと窓体3bの第1の領域とは、両者を軟化点を超えて加熱した後冷却して収縮させた焼嵌により直接接合されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属枠体および透光性の窓体から成る蓋体、およびこれを用いた外部からの機械的衝撃あるいは水分の浸入から光デバイスを保護するための光デバイス収納用パッケージに関し、特にCCD・CMOS等の撮像素子、光スイッチ・ミラーデバイス等のMEMS、CD・DVD用のLD・PD等のレーザ部品の蓋体およびこれを用いた光デバイス収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動体通信機器は軽薄短小化が急激に進展し、これに伴って搭載される光デバイスを気密に封止する光デバイス収納用パッケージも軽薄短小化が進んでいる。
【0003】
このような光デバイス収納用パッケージは、一般に酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体等の電気絶縁材料から成り、光デバイスを搭載するための凹部を有する絶縁基体と、絶縁基体の上面に半田やろう材等により接合され、光を透過するための開口部を有する枠体および開口部内に設置された透光性の窓体から成る略平板状の蓋体とから構成されている。なお、枠体の材料としては、光デバイス収納用パッケージの軽薄短小化に併せ、薄型加工が可能な鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属が用いられており、窓体としてはホウ珪酸ガラスが用いられ、低融点ガラスあるいは半田等の接合材により接合されている。
【0004】
しかしながら、このような光デバイス収納用パッケージでは、熱膨張係数の異なる枠体と窓体とを、弾性率が高く歪み等の応力を緩和しにくい低融点ガラスあるいは半田等の接合材により接合しているために、光デバイスが作動する際に発生する熱によって枠体と窓体との間に大きな応力が発生するとともにこの応力が接合材に作用して接合材と被着体との界面剥離が発生し、その結果、容器の気密封止が破れ、内部に収容する光デバイスを長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることができないという欠点を有していた。
【0005】
他方、枠体と窓体との接合を、弾性率の低い樹脂接着剤により行なう方法が提案されている。この提案によれば、例えば熱硬化性のエポキシ系樹脂をスクリーン印刷法やディスペンサ法を用いて枠体と窓体との接合部分に塗布し、枠体と窓体との接合部分を重ね合わせ加圧・加熱して枠体と窓体とを接合することにより、光デバイスが作動する際に発生する熱によって熱膨張係数の異なる枠体と窓体との間に大きな応力が発生したとしても、弾性率の低い樹脂接着剤が応力を緩和して接合材と被着体との界面に剥離が生じることを有効に防止できるというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような樹脂接着剤による接合では樹脂の3次元網目構造の隙間からの水分の浸入が避けられず、容器の気密信頼性が低下してしまうという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、熱応力あるいは外部からの機械的衝撃による接合破壊を有効に防止でき、かつ気密信頼性の高い封止を可能とする蓋体およびこれを用いた光デバイス収納用パッケージを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の蓋体は、光を透過させるための開口部を有する金属枠体と、開口部内に設置される第1の領域およびこの第1の領域の上面側または下面側の前記開口部外に設置される第2の領域から成る透光性の窓体とで構成された略平板状の蓋体であって、窓体は、第2の領域の周囲が開口部より外周側に張り出しているとともに、軟化点が300℃を超えるガラス材で形成されており、かつ20〜300℃における金属枠体との熱膨張係数の差を0.4〜1.0×10−6/℃としてあり、金属枠体と窓体の第1の領域とは、両者を軟化点を超えて加熱した後冷却して収縮させた焼嵌により直接接合されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の蓋体は、上記構成において、第2の領域の厚みが0.1〜0.8mmであり、開口部の外周側への張り出し幅が0.2〜1.0mmであることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の光デバイス収納用パッケージは、上面に光デバイスを搭載するための凹部およびこの凹部を取り囲む鉄系合金から成るシールリングを有する絶縁基体と、上記構成の蓋体とから成り、シールリングに蓋体を接合することによって凹部に光デバイスを気密に封止することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の蓋体によれば、金属枠体と窓体の第1の領域とが両者を軟化点を超えて加熱した後冷却して収縮させた焼嵌により直接接合されていることから、金属枠体と窓体とを接合した後に、窓体は金属枠体から常に圧縮方向の力が加えられることから両者の接合が非常に強固なものとなり、その結果、熱応力あるいは外部からの機械的衝撃に対して枠体と窓体との接合破壊が起こり難く、気密信頼性の良好な封止を可能とする蓋体とすることができる。また、窓体は第2の領域の周囲が開口部より外周側に張り出していることから、この張り出し部をパッケージの内部側あるいは外部側に設けることにより、容器の気密封止の際の加熱によって生じる容器内部の気圧増加による容器内部から外部にかけての圧力や、あるいはこの容器を用いた光デバイスがその使用環境において外部から容器内部にかけての圧力を受けた場合においても、窓体の第2の領域の張り出し部が金属枠体に引っ掛かることとなり、金属枠体と窓体との接合をより強固なものとすることができる。
【0012】
また、窓体の第2の領域の厚みを0.1〜0.8mm、開口部の外周側への張り出し幅を0.2〜1.0mmとしたことから、蓋体の厚みを極端に厚くすることなく、金属枠体と窓体との接合強度を増加させることができる。
【0013】
本発明の光デバイス収納用パッケージによれば、上面に光デバイスを搭載するための凹部およびこの凹部を取り囲む鉄系合金から成るシールリングを有する絶縁基体と、上記の蓋体とから成りることから、金属枠体の窓体との接合が強度で気密信頼性に優れた光デバイス収納用パッケージとすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の蓋体およびこれを用いた光デバイス収納用パッケージを添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の蓋体の実施の形態の一例を示す断面図であり、3aは金属枠体、3bは窓体であり、これらで本発明の蓋体3が構成される。なお、蓋体3は光を透過させるための開口部を有する金属枠体3aと、開口部内に設置される第1の領域Xおよびこの第1の領域Xの金属枠体3aの開口部外の上面側または下面側に設置される第2の領域Yから成る透光性の窓体3bで構成されており、その形状は略平板状である。なお、図1には、第2の領域Yを第1の領域の上面側に設置した例を示している。
【0015】
金属枠体3aは、その外形寸法が3〜50mm、開口部の寸法が1〜30mm、厚みが0.2〜5mmであり、その開口部に透光性の窓体3bが設置され、これを用いて光デバイス装置を製作した場合、光デバイスを容器内部に気密に封止する作用を成すとともに外部からの衝撃により光デバイスが破壊されることを防止する機能を有する。
【0016】
このような金属枠体3aは、鉄・アルミニウム・銅・タングステン・鉄−ニッケル合金・鉄−コバルト合金・鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料により形成されている。なお、金属枠体3aは、例えば鉄−ニッケル合金から成る場合であれば、鉄−ニッケル合金のインゴット(塊)を圧延し板状にしたものを、所定の突起形状に対応して製作したプレス金型により圧縮プレス成形するとともに、従来周知の打抜き加工法により所定の寸法に形成される。または、ケミカルエッチングにより形成および所定の外形寸法および開口部寸法への成形も可能である。
【0017】
また、金属枠体3aの開口部には、透光性の窓体3bが設置されている。窓体3bは、光デバイスが受発光する光を損失が少なく効率良く透過する機能を有し、ホウ珪酸ガラス等の光学ガラスにより形成されている。このような窓体3bは、窓体3bと成る母材を、一般に用いられる切断・研磨方法を用いて、所定の形状にすることにより製作される。
【0018】
そして、本発明の蓋体3においては、窓体3bが金属枠体3aの開口部内に設置される第1の領域Xおよびこの第1の領域Xの上面側または下面側の開口部外に設置される第2の領域Yから成り、窓体3bは第2の領域Yの周囲が開口部から外周側に張り出しているとともに、軟化点が300℃を超えるガラス材で形成されており、かつ20〜300℃における金属枠体3aとの熱膨張係数の差を0.4〜1.0×10−6/℃としてあり、金属枠体3aと窓体3bの第1の領域Xとは、両者を軟化点を超えて加熱した後冷却して収縮させた焼嵌により直接接合されている。また、本発明の蓋体3においては、このことが重要である。
【0019】
本発明の蓋体3によれば、金属枠体3aと窓体3bの第1の領域Xとが両者を軟化点を超えて加熱した後冷却して収縮させた焼嵌により直接接合されていることから、金属枠体3aと窓体3bとを接合した後に、窓体3bは金属枠体3aから常に圧縮方向の力が加えられることから両者の接合が非常に強固なものとなり、その結果、熱応力あるいは外部からの機械的衝撃に対して金属枠体3aと窓体3bとの接合破壊が起こり難く、これを用いて光デバイスを製作した場合、気密信頼性の良好な封止を可能とする蓋体3とすることができる。
【0020】
また、第2の領域Yの周囲が開口部から外周側に張り出していることから、この張り出し部を容器の内部側あるいは外部側に設けることにより、容器の気密封止の際の加熱によって生じる容器内部の気圧増加による容器内部から外部にかけての圧力や、あるいはこの容器を用いた光デバイスがその使用環境において外部から容器内部にかけての圧力を受けた場合においても、第2の領域Yの張り出し部が金属枠体3aに引っ掛かることとなり、金属枠体3aと窓体3bとの接合をより強固なものとすることができる。
【0021】
なお、窓体3bの軟化点が300℃以下の場合、光デバイスの動作環境において窓体3bが軟化し、窓体3bの脱落あるいは変形による光学特性劣化が起こりやすくなる傾向がある。従って、窓体3bの軟化点は300℃以上とすることが好ましい。
【0022】
また、金属枠体3aと窓体3bの20〜300℃範囲での熱膨張係数の差が0.4×10−6/℃未満の場合、金属枠体3aと窓体3bとの熱膨張係数の差が小さく金属枠体3aからの圧縮方向の力が弱くなり金属枠体3aと窓体3bとの接合強度が低下し、窓体3aが脱落しやすくなる傾向がある。さらに、金属枠体3aと窓体3bの20〜300℃範囲での熱膨張係数の差が1.0×10−6/℃を超える場合、金属枠体3aと窓体3bとの熱膨張係数の差が大きく、金属枠体3aからの圧縮方向の力が過剰に強くなり窓体3bが金属枠体3aの圧縮応力に耐えきれず破壊しやすくなる傾向がある。従って、金属枠体3aと窓体3bの20〜300℃範囲での熱膨張係数の差は0.4〜1.0×10−6/℃の範囲とすることが重要である。
【0023】
さらに、窓体3bの第2の領域Yは、厚みを0.1〜0.8mm、開口部の外側への張り出し幅を0.2〜1.0mmとすることが好ましく、この範囲とすることにより蓋体3の厚みを極端に厚くすることなく、金属枠体3aと窓体3bとの接合強度を増加させることができる。
【0024】
なお、開口部から外周側への張り出し幅が0.2mm未満の場合、窓体3bの金属枠体3aへの張り出し幅が小さいものとなり、金属枠体3aと窓体3bとの接合強度の増加が得られなくなる傾向があり、1.0mmを超える場合、窓体3bと金属枠体3aとの熱膨張差による金属枠体3aの平面方向におけるずり応力が大きくなり窓体3bに界面剥がれが発生し、これが温度サイクル試験等の熱衝撃により成長し気密封止が保たれなくなる傾向がある。
【0025】
また、第2の領域の厚みが0.1mm未満の場合、窓体3bが金属枠体3aに張り出し部分の強度が低下し破壊し易くなり、金属枠体3aと窓体3bとの接合強度の増加が得られなくなる傾向があり、1.0mmを超える場合、窓体3bと金属枠体3aとの熱膨張差による金属枠体3aの平面方向におけるずり応力が大きくなり窓体3bに界面剥がれが発生し、これが温度サイクル試験等の熱衝撃により成長し気密が保たれなくなる傾向がある。従って、窓体3bの第2の領域Yは、厚みが0.1〜0.8mm、開口部の外周側への張り出し幅が0.2〜1.0mmであることが好ましい。
【0026】
なお、このような焼嵌は、表面を温度が600〜800℃程度の加熱により酸化させた金属枠体3aに、金属枠体3aの開口寸法に対して第1領域Xの外周寸法が2〜10%小さく、第1領域Xと第2領域Yとの合計厚みが金属枠体3aに対して10〜30%厚い寸法に加工した窓体3bを設置し、両者の軟化点を超える温度、例えば700〜1000℃の温度に加熱して窓体3を一旦軟化させ、金属枠体3aの開口部に窓体3bの第1の領域を配置した後、冷却固化することにより接合される。この際、金属枠体3aと窓体3bとは、位置合わせ治具を用いて所定の位置に互いを位置決めし、接合することが好ましい。また、加熱雰囲気は金属枠体3aの過剰な酸化を防止するため、還元雰囲気が好ましく、リフロー炉等の連続炉で処理することが好ましい。
【0027】
また、金属枠体3aと窓体3bを接合して蓋体3を製作した後、窓体3bの表面を鏡面研磨し、窓体3bの材料本来の屈折率が得られるように加工を行なってもよい。
【0028】
かくして本発明の蓋体によれば、熱応力あるいは外部からの機械的衝撃による接合破壊を有効に防止でき、かつこれを光デバイスに用いた場合に気密信頼性の高い封止を可能とする蓋体とすることができる。
【0029】
次に、本発明の蓋体3を用いた光デバイス収納用パッケージをを図2に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図2は本発明の光デバイス収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図であり、1は絶縁基体、2はシールリング、3は蓋体であり、主にこれらで本発明の光デバイス収納用パッケージが構成される。
【0031】
絶縁基体1は、その凹部1a底面の略中央部に光デバイス7を搭載するための搭載部が設けてあり、この搭載部には光デバイス7がガラス・樹脂・ろう材等から成る接着剤を介して接着固定される。
【0032】
このような絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体やムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体等の電気絶縁材料から成り、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して泥漿物を作り、この泥漿物を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のシート成形法を採用しシート状にしてセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得、しかる後、それらセラミックグリーンシートに適当な打抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、約1600℃の高温で焼成することによって製作される。
【0033】
また、絶縁基体1には、搭載部周辺から下面にかけて複数の配線導体層6が被着形成されており、この配線導体層6の搭載部の周辺部には光デバイス7の各電極がボンディングワイヤ8を介して電気的に接続され、また、絶縁基体1の下面に導出された部位には外部電気回路(図示せず)が半田等の接続部材を介して電気的に接続される。
【0034】
配線導体層6は、光デバイス7の各電極を外部電気回路に電気的に接続する際の導電路として作用し、例えばタングステン・モリブデン・マンガン等の高融点金属粉末に適当な有機溶剤・溶媒・可塑剤等を添加混合して得た金属ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用して絶縁基体1となるセラミックグリーンシートにあらかじめ印刷塗布しておき、これをセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって絶縁基体1の搭載部周辺から下面にかけて所定パターンに被着形成される。
【0035】
なお、配線導体層6はその表面にニッケル・金等の良導電性で耐蝕性およびろう材との濡れ性が良好な金属をめっき法により1〜20μmの厚みに被着させておくと、配線導体層6の酸化腐蝕を有効に防止することができるとともに配線導体層6とボンディングワイヤ8との接続および配線導体層6と外部電気回路の配線導体との半田付けを強固となすことができる。従って、配線導体層6の酸化腐蝕を防止し、配線導体層6とボンディングワイヤ8との接続および配線導体層6と外部電気回路の配線導体との半田付けを強固となすためには、配線導体層6の表面にニッケル・金等をめっき法により1〜20μmの厚みに被着させておくことが好ましい。
【0036】
また、絶縁基体1の上面には、鉄系合金から成るシールリング2が、銀ろう等のろう材を介して接合されている。シールリング2は、蓋体3を絶縁基体1に接合する機能を有し、鉄・アルミニウム・銅・タングステン・鉄−ニッケル合金・鉄−コバルト合金・鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料により形成されている。このようなシールリング2は、例えば鉄−ニッケル合金から成る場合であれば、鉄−ニッケル合金のインゴット(塊)を圧延し板状にしたものを、所定の突起形状に対応して製作したプレス金型により圧縮プレス成形するとともに、従来周知の打抜き加工法により所定の寸法に形成される。または、ケミカルエッチングにより形成および所定の外寸への成形も可能である。
【0037】
また、シールリング2の上面には、金属枠体3aと窓体3bとから成る本発明の蓋体3が、シーム溶接法や銀ろう等のろう材を用いて接合されることにより、本発明の光デバイス収容用パッケージとなる。
【0038】
本発明の光デバイス収容用パッケージによれば、上面に光デバイスを搭載するための凹部およびこの凹部を取り囲む鉄系合金から成るシールリングを有する絶縁基体と、上記の蓋体とから成りることから、金属枠体の窓体との接合が強度で気密信頼性に優れた光デバイス収納用パッケージとすることができる。
【0039】
かくして、本発明の光デバイス収納用パッケージによれば、絶縁基体1の凹部1a底面に光デバイス7をガラス・樹脂・ろう材等の接着剤を介して接着固定するとともに光デバイス7の各電極を配線導体層6にボンディングワイヤ8を介して電気的に接続し、しかる後、絶縁基体1の上面に凹部1aを覆うように蓋体3を被せ、シールリング2と蓋体3とをシーム溶接法により接合させ、絶縁基体1と蓋体3とから成る容器の内部に光デバイス7を気密に封止することによって最終製品としての光デバイスと成る。
以上により、本発明の蓋体およびこれを用いた半導体素子収納用パッケージが得られる。
【0040】
【実施例】
(実施例1)
金属枠体に20〜300℃の温度範囲での熱膨張係数が4.8×10−6/℃のFe−Ni−Co合金を用い、窓体に熱膨張係数が3.6×10−6〜4.8×10−6/℃の範囲のホウ珪酸ガラスを用いて蓋体の試料を製作して評価した。
試料は、まず表面を600℃の温度で酸化させた金属枠体に、金属枠体の開口寸法に対して外周寸法が5%小さく、厚みが10%厚い寸法に加工した窓体を用い、両者を800℃の温度に加熱して窓体を一旦軟化させるとともに膨張させ、金属枠体の開口部に窓体を挿入し、しかる後、冷却固化することにより製作した。試料は、焼嵌め後の目視検査およびHeリークテストを行ない評価した。結果を、表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1から、金属枠体の熱膨張係数と蓋体の熱膨張係数との差が1.1×10−6/℃(試料No.1)では、窓体が割れてしまった。また、Heリークテストにおいても、Heのリークが確認された。さらに、金属枠体の熱膨張係数と窓体の熱膨張係数との差が0.3×10−6/℃(試料No.5)では、窓体が金属枠体から外れるとともに、Heリークテストにおいても、Heのリークが確認された。
【0043】
これに対して、本発明の請求範囲内の金属枠体の熱膨張係数と窓体の熱膨張係数との差が0.4〜1.2×10−6/℃(試料No.2〜4)では、外観上問題は見られず、またHeリークテストでも1×10−8Pa・mm3/s以下と良好な結果が得られた。従って、金属枠体と窓体の20〜300℃範囲での熱膨張係数の差は0.4〜1.0×10−6/℃の範囲とすることが好ましいことがわかった。
【0044】
(実施例2)
次に、金属枠体3aにFe−Ni−Co合金を用い、窓体にホウ珪酸ガラスを用いて、窓体が金属枠体に図1の断面図のように覆い被さるように固着し、金属枠体上に張り出す幅が0.1〜1.1mm、厚みが0.05〜1.0mmとなるように、蓋体の試料を製作して評価した。なお、実施例2では、窓体の熱膨張係数が4.2×10−6/℃、金属枠体と窓体との熱膨張係数差が0.6×10−6/℃の試料を用いた。
試料は、まず表面を600℃の温度で酸化させた枠体に、枠体の開口寸法に対して外周寸法が5%小さく、厚みが10%厚い寸法に加工した窓体を用い、両者を800℃の温度に加熱して窓体を一旦軟化させるとともに膨張させ、枠体の開口部に窓体を挿入し、冷却固化し、しかる後、研磨により枠体に第2の領域の厚みを変えることにより製作した。試料は、焼嵌め後と熱衝撃試験後の目視検査およびせん断強度試験を行ない評価した。結果を、表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
表2から、窓体の第2領域の張り出し幅が0.1mm(試料No.6〜8)では、せん断強度が25N程度で強度のアップに繋がらなかった。また、第2領域の張り出し幅が1.1mm(試料No.24〜28)では、窓体との界面剥がれの発生がみられた。さらに、窓体の第2領域の張り出し幅が0.2mm、0.5mm、1.0mmの試料(試料No.9〜23)では、第2領域の厚みが0.05mm(試料No.9,14,19)では、せん断強度が25N程度で強度のアップに繋がらなかった。また、第2領域の厚みが0.9mm(試料No.13,18,23)では、窓体との界面剥がれの発生がみられた。
【0047】
これに対して、本発明の請求範囲内の枠体に覆い被さる幅が0.2〜1.0mm、厚みが0.1〜0.8mでは、外観上問題は見られず、またHeリークテストでも1×10−8Pa・mm3/s以下と良好な結果が得られ、せん断強度試験においても20%以上の強度向上が得られた。従って、窓体の第2の領域は、厚みが0.1〜0.8mm、開口部の金属枠体の端部側への張り出し幅が0.2〜1.0mmであることが好ましいことがわかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の蓋体によれば、金属枠体と窓体の第1の領域とが両者を軟化点を超えて加熱した後冷却して収縮させた焼嵌により直接接合されていることから、金属枠体と窓体とを接合した後に、窓体は金属枠体から常に圧縮方向の力が加えられることから両者の接合が非常に強固なものとなり、その結果、熱応力あるいは外部からの機械的衝撃に対して枠体と窓体との接合破壊が起こり難く、気密信頼性の良好な封止を可能とする蓋体とすることができる。また、窓体の第2の領域の周囲が開口部から外周側に張り出していることから、この張り出し部をパッケージの内部側あるいは外部側に設けることにより、容器の気密封止の際の加熱によって生じる容器内部の気圧増加による容器内部から外部にかけての圧力や、あるいはこの容器を用いた光デバイスがその使用環境において外部から容器内部にかけての圧力を受けた場合においても、窓体の第2の領域の張り出し部が金属枠体に引っ掛かることとなり、金属枠体と窓体との接合をより強固なものとすることができる。
【0049】
また、窓体の第2の領域の厚みを0.1〜0.8mm、開口部から外周側への張り出し幅を0.2〜1.0mmとしたことから、蓋体の厚みを極端に厚くすることなく、金属枠体と窓体との接合強度を増加させることができる。
【0050】
本発明の光デバイス収納用パッケージによれば、上面に光デバイスを搭載するための凹部およびこの凹部を取り囲む鉄系合金から成るシールリングを有する絶縁基体と、上記の蓋体とから成りることから、金属枠体の窓体との接合が強度で気密信頼性に優れた光デバイス収納用パッケージとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋体の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の光デバイス収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁基体
1a・・・・・・凹部
2・・・・・・シールリング
3・・・・・・蓋体
3a・・・・・金属枠体
3b・・・・・窓体
6・・・・・・配線導体層
7・・・・・・光デバイス
X・・・・・・窓体の第1の領域
Y・・・・・・窓体の第2の領域
Claims (3)
- 光を透過させるための開口部を有する金属枠体と、前記開口部内に設置される第1の領域および該第1の領域の上面側または下面側の前記開口部外に設置される第2の領域から成る透光性の窓体とで構成された略平板状の蓋体であって、前記窓体は、前記第2の領域の周囲が前記開口部より外周側に張り出しているとともに、軟化点が300℃を超えるガラス材で形成されており、かつ20〜300℃における前記金属枠体との熱膨張係数の差を0.4〜1.0×10−6/℃としてあり、前記金属枠体と前記窓体の前記第1の領域とは、両者を前記軟化点を超えて加熱した後冷却して収縮させた焼嵌により直接接合されていることを特徴とする蓋体。
- 前記第2の領域は厚みが0.1〜0.8mmであり、前記開口部の外周側への張り出し幅が0.2〜1.0mmであることを特徴とする請求項1記載の蓋体。
- 上面に光デバイスを搭載するための凹部および該凹部を取り囲む鉄系合金から成るシールリングを有する絶縁基体と、請求項1または請求項2記載の蓋体とを具備し、前記シールリングに前記凹部を覆うように前記蓋体を接合することによって前記凹部に前記光デバイスを気密に封止することを特徴とする光デバイス収納用パッケージ。
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|---|---|---|---|
| JP2002188456A JP2004031815A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 蓋体およびこれを用いた光デバイス収納用パッケージ |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US9225882B2 (en) | 2013-02-28 | 2015-12-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Electronic component packaging that can suppress noise and electronic apparatus |
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-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188456A patent/JP2004031815A/ja active Pending
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