JP2004041981A - 有機性排水の処理方法およびそのシステム - Google Patents

有機性排水の処理方法およびそのシステム Download PDF

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Katsuji Yoshimi
吉見 勝治
Naoki Ogawa
小川 尚樹
Hirotsugu Nagayasu
長安 弘貢
Masatoshi Tamai
玉井 正俊
Kenichi Katayama
片山 憲一
Ken Matsuo
松尾  建
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Abstract

【課題】高負荷でも安定した処理性能を維持できるように、微生物濃度を上げることが可能な有機性排水の処理方法を提供する。
【解決手段】活性汚泥法による有機性排水の処理方法であって、有機性排水を、平均粒径4〜20mm、比重1.01〜1.10のポリウレタン製攪拌促進材とともに曝気しながら攪拌処理する、生物学的処理工程と、該生物学的処理工程を経た処理水から、微生物を含む汚泥成分を沈降によって分離する、汚泥分離工程と、を含む有機性排水の処理方法、並びに、ポリウレタン製攪拌促進材を含む槽内に有機性排水が供給されるとともに、槽内に攪拌手段を備える、活性汚泥曝気槽と、沈澱槽と、汚泥返送ラインと、を含む有機性排水の処理システム。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水や産業排水などの有機性排水の処理方法に関し、さらに詳しくは、排水の種類によらず効果的な生物学的処理を可能にする有機性排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機性排水の処理において、除去するものとしては有機物(BOD,COD)、窒素化合物、リン化合物などが挙げられる。従来、有機性排水については、衛生処理、水質保全を主目的として、先ず、BOD成分について微生物による活性汚泥処理(活性汚泥法)が行われ、例えば硝化脱窒素処理では同時に窒素化合物についても処理を行う。次いで、BOD成分や窒素化合物が除去された排水は、高度処理等により、COD成分、リン化合物あるいは色度等が除去される。
【0003】
これまで、生物(活性汚泥)による有機性排水処理では、有機物の負荷が上昇すると、汚泥が膨化(バルキング)あるいは解体することにより、微生物を含む汚泥成分と処理水との固液分離が困難になり処理が破綻するという問題があった。そのため、処理に用いる微生物の処理能力から、有機物の負荷は0.4kg−BOD/kg−MLSS/d程度で運転するのが一般的であった。多量の排水処理を行う場合には、微生物の絶対量を増加させて、その分処理槽の容量を大きくしなければならないのが生物処理法の欠点となっていた。ここで、0.4kg−BOD/kg−MLSS/dとは、活性汚泥1kg当たりに処理させるBODの量を示した数値であり、この場合には、1日に活性汚泥1kgあたり0.4kgのBODを供給するということである。
【0004】
汚泥の膨化(バルキング)には、幾つかの種類がある。一般に汚泥が膨化する現象をバルキングというが、処理物が過負荷であることによるバルキングの他、糸状菌が増加して汚泥が浮いてしまう現象もバルキングといい、後者を糸状性バルキングといい、ネット状に汚泥が浮いてしまうような状態になる。
従来、糸状性バルキングの防止方法として、例えば、活性汚泥曝気槽のバルキング防止のために、沈降性の粒状固形担体(比重1.5〜7、径5〜100μm程度のもの)とカチオン系またはノニオン系高分子凝集剤を添加する、粒状固形担体の添加方法が知られている。しかしながら、このような粒径が小さな担体を添加した場合、担体の一部が添加時にSSとして処理水に流出するため、処理水の悪化を招いてしまう。また、それを防止するために高分子凝集剤を添加する態様では、ランニングコストの上昇につながり、実用性が乏しい。
【0005】
また、活性汚泥の改良方法として、活性汚泥曝気槽中に平均粒径1〜4mmの浮上性の合成樹脂製粒状体を曝気槽全量に対し10〜40%(体積Vol)添加することによりバルキングを防止する方法が知られている。しかしながら、この方法では、浮上性の合成樹脂を用いているため、表面の撹拌効果しか期待できず、また強度の問題から酸素溶解効率の高い機械式撹拌装置を使用することが難しい。
そして、上記二つの方法は、主に糸状性バルキングを対象にしており、糸状性菌を伴わない過負荷によるバルキングや汚泥解体については、未だ十分な研究がなされていなかった。
【0006】
一方、排水の生物学的処理方法においては、通常、排水中の微生物はフロック(微生物の固まり、100ミクロン程度)を作って、ある程度バラバラの状態で存在している。そこで、曝気槽中における微生物の濃度を増大させて処理能力を向上させるべく、曝気槽中に付着担体を添加するという方法が知られている。とこらが、担体を多量に投入しても微生物の付着量には限界があり、排水の処理能力向上には十分でない。また、微生物の付着性に優れた担体を用いるとしても、曝気槽内での攪拌や曝気等の他の条件にも好適な材料を選定することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題点に鑑み、高負荷でも安定した処理性能を維持できるように、微生物濃度を上げることが可能であり、かつ、汚泥の沈降性が向上して後段での汚泥分離が容易な排水処理法を開発すべく、鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、活性汚泥曝気槽と沈殿槽との組み合わせからなるシステムにおいて、曝気槽に特定の攪拌促進材を添加することによって、かかる問題点が一気に解決されることを見出した。
本発明は、かかる見地より完成されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、活性汚泥法による有機性排水の処理方法であって、有機性排水を、平均粒径4〜20mm、比重1.01〜1.10のポリウレタン製攪拌促進材とともに曝気しながら攪拌処理する、生物学的処理工程と、該生物学的処理工程を経た処理水から、微生物を含む汚泥成分を沈降によって分離する、汚泥分離工程と、を含む有機性排水の処理方法を提供するものである。本発明では、さらに加えて、前記汚泥分離工程にて分離された汚泥成分を、前記生物学的処理工程に返送して、有機性排水とともに供給する、汚泥返送工程、を含む態様が好適である。
前記生物学的処理工程においては、攪拌促進材を通常5〜30容量%の範囲で添加することが好ましい。前記攪拌促進材としては、例えば、直径5〜10mm好ましくは直径6〜8mm、長さ5〜12mm好ましくは長さ7〜9mmの筒状体を用いることができる。これら攪拌促進材は、生物学的処理工程において繰り返し用いられることが好ましく、例えば後段の汚泥分離工程に送られる処理水中に含まれないように、スクリーン等で流下しないようにするのがよい。
【0009】
また、本発明は、ポリウレタン製攪拌促進材を含む槽内に有機性排水が供給されるとともに、槽内に攪拌手段を備える、活性汚泥曝気槽と、該活性汚泥曝気槽から送られる処理水を貯えて、微生物を含む汚泥成分を沈降によって分離する、沈澱槽と、該沈殿槽において分離された該汚泥成分を、前記活性汚泥曝気槽に返送する、汚泥返送ラインと、を含む有機性排水の処理システムを提供するものである。ここで前記攪拌手段としては、具体的には、槽内の排水に空気を供給する水中エアレーターもしくは散気管などを用いることができる。また攪拌手段としては、攪拌工程のみを行う機械式攪拌器装置を備え、別途、空気供給手段として散気管もしくは水中エアレーターを備える態様も可能である。
また、活性汚泥曝気槽には、後段の沈澱槽に送られる処理水中に攪拌促進材が含まれないように、攪拌促進材を通さない大きさの網目状あるいは格子状等のスクリーンが設置されていることが好ましい。
【0010】
本発明の処理対象である有機性排水としては、例えば下水や産業排水などが挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る有機性排水の処理方法について、添付図面を参照しながらその具体的な実施形態を詳細に説明する。
図1および図2に、本発明の有機性排水の処理システムの一例を模式的に示す。本実施の形態のシステムでは、活性汚泥曝気槽1、沈澱槽6および汚泥返送ライン10を備えている。
【0012】
活性汚泥曝気槽1は、槽内にポリウレタン製攪拌促進材5を含み、原水である有機性排水が供給される。槽内には、図1では攪拌手段として散気管2が曝気ブロア3と接続して備えられており、図2では攪拌手段として水中エアレーター8が曝気ブロア3と接続して備えられている。ここで、当該散気管2および水中エアレーター8は、共に槽内の排水に空気を供給する空気供給手段としての役割も担っている。本発明で用いるポリウレタン製攪拌促進材5は、水中エアレーターなどの機械式攪拌器による回転作用を受けても、剪断したり破壊したりすることがなく、攪拌による作用を直接効果的に有機性排水に伝播することが可能であり、攪拌効果を促進することができる。
【0013】
なお、本発明では、図1および図2には図示していない機械式攪拌器を槽内に設けてもよい。この場合には、回旋翼等を有する機械式攪拌器が主に攪拌の役割を担い、散気管2および水中エアレーター8は、主に空気供給手段としての役割を担うこととなる。
【0014】
前記ポリウレタン製攪拌促進材5としては、平均粒径4〜20mm、比重1.01〜1.10のものが用いられる。具体的には例えば、直径5〜10mm好ましくは直径6〜8mm、長さ5〜12mm好ましくは長さ7〜9mmの筒状体を用いることが好適である。この攪拌促進材5は、活性汚泥曝気槽1内において通常5〜30容量%の範囲で添加されていることが好ましい。
【0015】
曝気槽1には、後段の沈澱槽6に送られる処理水中に攪拌促進材5が含まれないように、攪拌促進材5を通さない程度の大きさの網目状あるいは格子状のスクリーン4が設置されている。このスクリーンとして具体的には、3mm以上の粒子が透過しないバースクリーン等が用いられる。
【0016】
活性汚泥曝気槽1においては、有機性排水をポリウレタン製攪拌促進材とともに曝気しながら攪拌処理する。槽内では、底部付近に設けられた散気管2もしくは水中エアレーター8から空気を供給しながら、好気的な条件下で有機性排水を微生物によって処理する。この生物学的処理工程で排水中の有機物は微生物により資化、分解されて、一部は微生物菌体となり、汚泥を形成する。
【0017】
次いで、曝気槽1からの汚泥を含んだ処理水は、後段の沈殿槽6に送られる。沈澱槽6では、活性汚泥曝気槽1からの処理水を静置して、微生物を含む汚泥成分を沈降させて、上澄み液と汚泥を分離する。上澄み液は、そのまま放流される場合もあるが、さらなる高度処理を経てから放流される場合もある。
【0018】
本発明の処理方法では、高負荷の有機性排水処理を行っても、この沈殿槽6における汚泥分離工程では、上澄み液と汚泥成分との分離が良好に行われる。この沈殿槽6で固液分離された汚泥成分は、汚泥返送ポンプ7を経て汚泥返送ライン10によって活性汚泥曝気槽1に返送される。
【0019】
図3および図4には、本発明に用いる攪拌促進材5を用いた場合、および、攪拌促進材5を用いなかった場合、それぞれを比較した実験結果を示す。
試験条件は、有機性排水である原水のBOD値が1600mg/リットル、曝気槽容量50リットルであった。攪拌促進材を10容量%添加した場合(◆)のBOD容積負荷は1〜10kg/m/dであり、添加しなかった場合(□)のBOD容積負荷は1〜6kg/m/dであった。
この結果から明らかなように、30分静置した後の汚泥沈降性(SV30)は、攪拌促進材を添加することによって極めて良好になる(図3参照)。また、BOD容積負荷との関係から、本発明の攪拌促進材を添加すれば有機性排水量が多くなってもSVI(ml/g−MLSS)が150以下であり、運転可能であることがわかる(図4参照)。
【0020】
本発明の処理方法および処理システムは種々の設備に適宜用いることができ、何ら限定されるものではないが、例えば、一槽式硝化脱窒処理槽(単一槽)に好適に用いることができる。
【0021】
一般に生物脱窒法では、曝気で作った好気雰囲気下、排水に含まれているアンモニア性窒素を硝化菌の作用により、亜硝酸性窒素または硝酸性窒素に酸化する硝化反応と、かかる亜硝酸性窒素または硝酸性窒素を脱窒菌の作用により、嫌気雰囲気下窒素ガスに還元する脱窒反応によって行われる。この生物脱窒法の重要な役割を担っているのは硝化菌と脱窒菌であるが、二槽式装置ではこれらの菌が機能するために、好気雰囲気下の硝化反応と、嫌気雰囲気下の脱窒反応とは、硝化槽と脱窒槽において別々に行われる。
【0022】
これに対し、単一槽タイプの装置で処理を行う場合においては、曝気槽1にて、高い活性汚泥濃度・容積負荷に設定した、BOD成分を含んだ有機性排水を間欠投入すること、曝気空気量を過不足ないように制御すること等により、アンモニア性窒素の硝化を亜硝酸性窒素までで止めると共に、単一の反応槽で硝化反応と脱窒反応とを同時に行い、反応効率を高める。
【0023】
本方法では、被処理排水を間欠投入するにより、有機性排水の投入時には、排水の高い酸素消費活性を利用することにより槽内を比較的嫌気状態にして脱窒反応が卓越する時間帯を確保し、投入停止時には、槽内を比較的好気状態に維持し硝化反応が卓越する時間帯を確保する。また、溶存酸素濃度を必要以上に高くしない様にするために、曝気空気量を過不足ないように制御することで、曝気を行いつつ嫌気環境をつくり、高い脱窒機能を維持する。このような単一槽は、プロセスを簡易化でき、かつ、pH調整用アルカリの薬品の使用量を少なくできるという利点がある。
そして、上記単一槽からの流出液は、単一槽に接続している沈殿槽6に導入され、沈降等の汚泥分離手段により固液分離し、上澄み液を取出し、汚泥成分を単一槽に返送する。単一槽において高負荷で処理を行う場合、活性汚泥濃度を高く維持する必要があり、本発明の処理方法が好適に用いられる。
【0024】
本発明の処理方法においては、沈殿槽6の後段において、必要に応じて高度処理を実施することができる。
高度処理では、凝集沈殿・活性炭吸着・オゾン処理などにより、生物処理で残留した有機物(COD成分)や色度(着色成分)、リンなどの除去を行う。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る処理方法によれば、高負荷でも安定した処理性能を維持できるように、微生物濃度を上げることが可能な排水処理法を提供できる。これにより、装置を小型化することやシステムの運転コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機性排水の処理システムの一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明に係る有機性排水の処理システムの他の一例を模式的に示す図である。
【図3】攪拌促進材による、汚泥の沈降性に与える影響を示すグラフである。
【図4】攪拌促進材による、BOD容積負荷に与える影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 曝気槽
2 散気管
3 曝気ブロア
4 スクリーン
5 攪拌促進材
6 沈殿槽
7 汚泥返送ポンプ
8 水中エアレーター
10 汚泥返送ライン

Claims (7)

  1. 活性汚泥法による有機性排水の処理方法であって、
    有機性排水を、平均粒径4〜20mm、比重1.01〜1.10のポリウレタン製攪拌促進材とともに曝気しながら攪拌処理する、生物学的処理工程と、
    該生物学的処理工程を経た処理水から、微生物を含む汚泥成分を沈降によって分離する、汚泥分離工程と、
    を含む有機性排水の処理方法。
  2. さらに加えて、前記汚泥分離工程にて分離された汚泥成分を、前記生物学的処理工程に返送して、有機性排水とともに供給する、汚泥返送工程、を含むことを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  3. 前記生物学的処理工程において、攪拌促進材を5〜30容量%添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の処理方法。
  4. 前記攪拌促進材として、直径5〜10mm、長さ5〜12mmの筒状体を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機性排水の処理方法。
  5. ポリウレタン製攪拌促進材を含む槽内に有機性排水が供給されるとともに、槽内に攪拌手段を備える、活性汚泥曝気槽と、
    該活性汚泥曝気槽から送られる処理水を貯えて、微生物を含む汚泥成分を沈降によって分離する、沈澱槽と、
    該沈殿槽において分離された該汚泥成分を、前記活性汚泥曝気槽に返送する、汚泥返送ラインと、
    を含むことを特徴とする有機性排水の処理システム。
  6. 前記攪拌手段が、槽内の排水に空気を供給する水中エアレーターもしくは散気管であることを特徴とする請求項5記載の有機性排水の処理システム。
  7. 前記攪拌手段が、槽内に設けられる機械式攪拌器であるとともに、空気供給手段として水中エアレーターもしくは散気管を備えることを特徴とする請求項4記載の有機性排水の処理システム。
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