JP2004042500A - 積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プール - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量にして高い剛性を示し且つ局部的圧縮力にも耐え得る、プールの側壁又は底面用に好適な積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プールを提供する。
【解決手段】個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体(好ましくは、発泡倍率が3〜20倍であり、内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜4.0であり、圧縮弾性率が6MPa以上)の両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる(好ましくは少なくとも片面にスリットが設けられている)芯材の少なくとも片面に、FRP層が積層されている積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プール。
【選択図】 図1
【解決手段】個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体(好ましくは、発泡倍率が3〜20倍であり、内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜4.0であり、圧縮弾性率が6MPa以上)の両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる(好ましくは少なくとも片面にスリットが設けられている)芯材の少なくとも片面に、FRP層が積層されている積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プール。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プールに関し、詳しくは、プールの側壁又は底面用に好適に敷設される積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、軽量性、断熱性及び柔軟性に優れているため、各種断熱材、緩衝材若しくは浮揚材等に幅広く用いられている。
【0003】
しかし、従来のポリオレフィン系樹脂発泡体は、建物の屋上断熱材、床材、自動車の床下地材、プールの側壁や底面材等或る種の使用分野において、ポリスチレン系樹脂発泡体と比較して、発泡体の圧縮弾性率、曲げ剛性が小さい事等が問題視されている。
こうした問題点を改善する試みとして、例えば、特開平9−150431号公報に、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフイン系樹脂シートを加熱発泡させる際に生じる面内の二次元方向の発泡圧力を抑制し得る強度を有するシートが少なくとも片面に積層された複合発泡体が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記ポリオレフィン系樹脂シートに積層される、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡圧力を抑制し得る強度を有するシートは、通常、その連続生産性の点で比較的柔軟にして厚みの薄いシート材が使用され、局所的な圧縮応力を受けると、応力分散が十分に行われずシート材が潰れたり破損したりすることがあった。このため、例えば、上記複合発泡体をプールの側壁又は底面に用いる場合など高い剛性を要求される場合には必ずしも充分な性能が得られるものではなかった。
【0005】
一方、特開平9−317224号公報には、プール底面に緩衝材が敷設され、この緩衝材の上にタイル調シートが貼付され、このタイル調シートはタイル柄部と目地部からなり、このタイル柄部と目地部は別色となされ、この目地部深さが0.1〜1mmとなされ、前記タイル柄部の表面には凹凸が形成された水泳プールが開示されている。
【0006】
しかしながら、上記水泳プールにおいては、その底面における剛性及び緩衝性は満足できるとしても、施工に手間がかかり、工期に時間を要したり品質のばらつきが大きくなり易いなどの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記従来の問題点を解決すべく検討の結果、高剛性の発泡体と繊維強化プラスチックス層(以下、「FRP層」という)が積層されることを要点とした積層発泡体を見いだし本発明を完成するに至ったものである。
即ち本発明の目的は、軽量にして高い剛性を示し且つ局部的圧縮力にも耐え得る、特にプールの側壁又は底面用に好適な積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の積層発泡体は、個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材の少なくとも片面に、FRP層が積層されていることを特徴とする。
請求項2記載の積層発泡体は、請求項1記載の積層発泡体であって、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が3〜20倍であり、内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜4.0であり、圧縮弾性率が6MPa以上であることを特徴とする。
請求項3記載の積層発泡体は、請求項1又は2記載の積層発泡体であって、芯材の少なくとも片面にスリットが設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の積層発泡体の製造方法は、請求項1〜3の何れか1項記載の積層発泡体の製造方法であって、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、前記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層された発泡性複合シートを、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させて芯材を得る工程と、得られた芯材の少なくとも片面に、FRP層を積層する工程とを含むことを特徴とする。
請求項5記載の水泳用プールは、側壁又は底面に請求項1〜3の何れか1項記載の積層発泡体が敷設されたことを特徴とする。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材(以下、単に「面材」ともいう)が積層されてなる芯材が用いられる。
【0010】
上記芯材は、例えば、ポリオレフィン系樹脂に熱分解型発泡剤を加えて混練した発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物をシート状に賦形して得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、上記面材が積層された発泡性複合シートを、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させて得られるものである。
【0011】
こうして得られた芯材は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に積層された面材が、発泡時の面内方向の発泡力を抑制するものであるので、面内の二次元方向には極めて僅かしか発泡膨張せず、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの厚み方向にのみ発泡し、結果として、得られた発泡体を構成する気泡は、上記厚み方向にその長軸を配向した紡錘形状となり、あたかも同方向に直立して横に整列したラグビーボールのように配列し、厚み方向に層状に積層した構造となる。
【0012】
本発明において、上記面内方向とは、ポリオレフィン系樹脂発泡体の長手方向及び幅方向で規定される二次元の方向をいい、厚み方向と直交する方向をいうものとする。
【0013】
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクチックもしくはシンジオタクチックホモポリプロピレン、ブロックプロピレン共重合体、ランダムプロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいが、2種以上が組み合わされて併用されてもよい。
【0014】
上記ポリオレフィン系樹脂には、30重量%以下の範囲で、他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリスチレン等の相溶性を有する熱可塑性樹脂、エラストマー等が混合されて用いられてもよい。
【0015】
上記ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、余り大き過ぎても、又、反対に小さ過ぎても発泡安定性を低下させるものであるので、好ましくは、JIS K7210に準拠して測定された値で、0.1〜20g/10分である。
【0016】
上記ポリオレフィン系樹脂は、必要に応じて架橋されたものであってもよい。架橋の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、電子線等の電離性放射線を照射する電子線架橋法、有機過酸化物等を用いた化学架橋法、又は、シラン変性樹脂を用いたシラン架橋法等が挙げられる。
【0017】
上記ポリオレフィン系樹脂の架橋の度合いは、余り高過ぎると、発泡倍率が低下すると共に、熱成形性が低下し、余り低過ぎると、熱安定性が低下し、且つ、発泡時のセル(気泡壁)が破泡し、均一な気泡が得られなくなることがあるので、架橋の指標となるゲル分率は、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは15〜25重量%である。
【0018】
尚、本発明において、上記ゲル分率とは、ポリオレフィン系樹脂発泡体を、120℃のキシレン中に24時間浸漬した後の残渣重量のキシレン浸漬前のポリオレフィン系樹脂発泡体重量に対する百分率(重量)である。
【0019】
上記熱分解型発泡剤としては、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの溶融温度以上の分解温度を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド等の有機系熱分解型発泡剤が挙げられる。中でも、分解ピーク温度や分解速度の調整が容易であり、ガス発生量が多く、衛生性にも優れたアゾジカルボンアミドが好適に用いられる。
【0020】
上記熱分解型発泡剤の添加量は、得られる積層複合体の用途に応じた発泡倍率に応じて決められるが、余り少ないと、十分な発泡倍率が得られず、余り多いと破泡が多くなり均一な気泡が形成され難いので、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部である。
【0021】
上記ポリオレフィン系樹脂の架橋手段として、例えば、電子線架橋法ならば、ジビニルベンゼン等の架橋助剤が用いられてもよい。
上記電子線照射量は、好ましくは1〜20Mrad、より好ましくは3〜10Mradである。
【0022】
又、シラン架橋法ならば、シラン変性樹脂に加えてジブチル錫ジラウレート、オクタン酸バリウム等の架橋触媒が用いられてもよい。
上記架橋触媒の添加量は、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部、更に好ましくは0.01〜0.1重量部である。
【0023】
又、化学架橋法に用いられる架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド等が挙げられる。中でもターシャリーブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドが好適に用いられる。
上記架橋剤の添加量は、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部、更に好ましくは1〜3重量部である。
【0024】
上記熱分解型発泡剤を添加した発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物から発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを調製する手段は、上記熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を所望の厚さのシート状に熱成形すればよく、その熱成形手段としては、例えば、Tダイやインフレーションダイを用いる押出成形法、プレス成形法、カレンダー成形法、ブロー成形法等が挙げられる。中でも、押出成形法は生産性の観点から好適に用いられる。
【0025】
本発明において、芯材の主要部材であるポリオレフィン系樹脂発泡体は、個々の気泡が厚み方向に配向されているものであって、前記するように発泡体を構成する気泡は、上記厚み方向にその長軸を配向した紡錘形状となり、あたかも同方向に直立して横に整列したラグビーボールのように配列し、厚み方向に層状に積層した構造となり、その厚み方向の圧縮力に対して高い弾性率を示すものである。
【0026】
上記気泡が横に整列した気泡の層が、厚み方向に多段に積層された構造である場合、上記厚み方向の中心部の密度が表面部の密度よりも小さいものであることが好ましい。
【0027】
本発明において用いられる面材としては、上記のように、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制し得るものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維を織成してなるガラスクロス類、ガラス繊維を抄造もしくはバインダーで結着してなるガラスマット類、上記ガラス繊維同様にカーボン繊維が処理されたカーボンクロス類もしくはカーボンマット類、その他、天然繊維、合成繊維等からなる織布類、ニードルパンチングマット等の不織布類、寒冷紗等の編織布類、MFシート等の紙類、亜鉛メッキ鋼板、鉄亜鉛アルミニウム合金板、ステンレス鋼板等の薄い鉄系金属板、アルミニウム板、チタン合金板、銅板等の薄い非鉄系金属板等が挙げられる。
【0028】
上記面材の厚みは、特に限定されるものではないが、巻回等の手段によりコンパクトに収納することによって、連続して本発明の積層複合体を長尺に製造し得るものであるという観点から好ましくは金属板等にあっては、1mm以下、より好ましくは0.3mm以下である。
柔軟性のある金属板以外の上記する面材類は上記厚みを超えるものであってもよい。
【0029】
上記面材を発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに積層する手段は、特に限定されるものではなく、例えば、公知のラミネーター等が用いられる。
【0030】
上記加熱発泡手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱風等の加熱媒体を用いもしくは赤外線ヒーター等の直接加熱装置を用いたトンネル型加熱炉内を出口側に引取装置を設けて移送させながら発泡させる方法、上記引取装置に替えて無端ベルト移送装置を用いる発泡方法、これらのトンネル型加熱炉が縦型であるもの、又は横型であるもの等の連続式発泡方式、熱風恒温槽等のバッチ式発泡方式、上記熱風等の熱媒もしくは熱源に替えて、オイルバス、メタルバス、ソルトバス等を用いる発泡方式等が挙げられる。
【0031】
このようにして得られた芯材は、上述のように、ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成する気泡が、厚み方向にその長軸を配向した紡錘形状に横に整列し、更に、厚み方向に層状に積層した構造となる(図1参照)。
従って、面内方向に抑制された分だけ形成されるセルが厚み方向に長軸を有する形状となり、それによって圧縮弾性率が高められている。加えて、上記面材が積層されているため、該面材自体の補強効果によっても芯材の弾性率が高められている。
上記発泡セルの厚み方向への長軸の配向分率は、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上である。
【0032】
上記発泡セルの厚み方向への長軸の配向度合、即ち、長軸と短軸の比は、発泡倍率及び発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融粘度により制御することができる。
即ち、発泡倍率を大きくとることにより、面内方向への膨張が抑制されているので、厚み方向への発泡が増加し、得られる発泡セルの長軸と短軸の比は大きくなる。
【0033】
上記溶融粘度が8000ポイズ未満では、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融粘度が低小に過ぎるため、発泡時にセルの樹脂膜が破裂して紡錘形のセルが美麗に整列せず、良好な弾性率を発現するセル構造をとり得ず、上記溶融粘度が25000ポイズを超えると、発泡が抑制され、得られる発泡セルの長軸と短軸の比が小さく、所望の圧縮弾性率や曲げ剛性が得られないので、好ましい発泡条件としては、例えば、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融粘度8000〜25000ポイズの範囲において、発泡倍率が5倍以上となる発泡剤配合が挙げられる。
【0034】
前記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率は、余り低いと、前述するように十分な発泡セルの長軸と短軸の比が得られず、所望の弾性率が得られないばかりか、軽量性が失われ、コスト高にもなり、又、20倍を超すと、発泡セルの長軸と短軸の比は十分おおきいもになるが、個々のセル壁が薄くなって、十分な圧縮弾性率を発現し得ないものとなるので、好ましくは、発泡倍率は3〜20倍である。
【0035】
内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値は、好ましくは、1.1〜4.0である。
上記アスペクト比とは、発泡体のz方向、即ち、発泡体の厚み方向の発泡セルの直径をDzとし、発泡体の巾及び長さ方向、即ち、発泡体の面内方向の発泡セルの直径をDxyとしたときのDz/Dxyをいい、Dz/Dxyが1.1に満たない場合には、所望の圧縮弾性率が得られ難くなることがあり、Dz/Dxyが4.0を越える場合は、ポリオレフィン系樹脂発泡体に過度な変形を生じさせるので製造が困難になることがある。
【0036】
又、圧縮弾性率は、余り小さいと僅かな負荷で座屈を生じるため、好ましくは6MPa以上である。
【0037】
本発明において、上記芯材が少なくとも片面にスリット(切り込み溝)を有するものであると(図2参照)、以下に詳説するFRP層を積層する際に芯材が適度の柔軟性を発揮し気泡の巻き込みなどを防止出来る点で好ましい。この場合スリットの形状としては、特に限定されないが、深さは芯材の厚みの1/4〜3/4程度が好ましく、スリットの溝幅は0.2〜5mm程度が好ましい。また、スリットの溝の断面形状は、例えば凹形状、V字形状又はU字形状のもの等特に限定されない。芯材の表面における上記スリットの配置及び間隔は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、スリットが芯材表面の縦横方向に格子状に配置され、格子間隔が10〜100mm程度であることが好ましい。上記スリットは芯材の片面に設けられていてもよく両面に設けられたものであってもよい。
【0038】
スリットの作製方法としては、特に限定されず、例えば、芯材の成形ラインの途中に複数枚数のスリット刃を配設しインラインで作製する方法や、成形後切断され枚葉化された芯材を複数枚数のスリット刃が配設されたスリッターに送り込んで作製する方法などが挙げられる。
上記スリット刃としては、例えば、鋸刃やナイフなど適宜の刃物を用いることができる。
【0039】
スリットを芯材表面の縦横方向に格子状に配置する場合は、例えば、上記スリッターに芯材を送り込んでスリットを作製した後、芯材を90度回転させて再度スリッターに送り込み作製する方法や、上記スリッターを2台用い直角方向に配設して作製する方法などが挙げられる。
【0040】
本発明においては、上記芯材の少なくとも片面にFRP層が積層される。
上記FRPとは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂がガラス繊維などの繊維で補強され硬化されて得られる所謂繊維強化プラスチックスである。
【0041】
上記FRPに用いられる樹脂としては、従来公知のものが使用可能であり特に限定されないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が好適である。
上記FRPに用いられる繊維としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等が好適である。
【0042】
上記において、芯材にFRP層を積層・一体化する手段としては、特に限定されず、例えば、ハンドレアップ法と呼ばれる方式や、接着剤による方法が挙げられる。
上記ハンドレアップ法としては、例えば、ガラス繊維などの繊維からなるマット材等を芯材に積層し、常温硬化型の不飽和ポリエステル樹脂を、ロール等を用いて上記マット材等に含浸させ硬化させることで積層・一体化する方法である。
【0043】
一方、接着剤による方法としては、例えば、一般にSMC(シートモールドコンパウンド)と呼ばれるFRP材料を用いてプレス成形等によりあらかじめ板状に成形されたFRPを上記芯材に接着剤を介して接着固定することで積層する方法である。
【0044】
上記において用いられる接着剤としては、特に限定されず、例えば、ユリア樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤,フェノール樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ポリウレタン系接着剤等の硬化型接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン接着剤、アクリルエマルジョン接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、酢酸ビニル樹脂マスチック接着剤、ドープセメント、モノマーセメント、塩化ビニル樹脂接着剤、クロロプレンゴム接着剤、合成ゴムラテックス系接着剤、天然ゴム系接着剤等のエマルジョン型接着剤、溶剤型接着剤もしくは粘性固形型接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、各種熱可塑性ゴム系接着剤、ウレタンホットメルト接着剤等のホットメルト型接着剤等が挙げられる。
【0045】
上記積層発泡体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、上記面材が積層された発泡性複合シートを、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させて芯材を作製し、必要に応じて表面にスリットを作製した後、得られた芯材の片面又は両面に、上記FRP層を積層する方法が好適である。
【0046】
本発明の水泳用プールは、上記積層発泡体が、例えば、プールの側壁や底面などに敷設されたものである。
【0047】
(作用)
本発明の積層複合体は、個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフイン系樹脂発泡体の表裏両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材の少なくとも片面に、FRP層が積層されているので、芯材の軽量性と高い圧縮弾性率に加えて、芯材に積層されたFRP層の働きにより、曲げ応力などに対する高い剛性を得ることができる。
【0048】
上記において、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が3〜20倍であり、内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜4.0であり、圧縮弾性率が6MPa以上であると、上記効果は更に確実なものとなる。
【0049】
また、上記芯材が少なくとも片面にスリットが設けられているものであると、FRP層を積層する際に芯材が適度の柔軟性を発揮し気泡の巻き込みなどを防止出来るとともに、FRPに含まれる熱硬化性樹脂などの材料が、スリットの隙間に浸入し硬化した場合には、スリット部分の強度の低下を防止することができ、上記効果は更に確実なものとなる。
【0050】
本発明の積層複合体の製造方法は、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、特定の面材が積層された発泡性複合シートが、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱発泡されて芯材が得られる工程においては、個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体を安定して製造することができるとともに、FRP層が積層される工程においては、必要とされる強度に応じて適宜FRP層の材料や積層条件を調整することができるので、種々の品質を有する積層複合体を容易に製造することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜5)
[芯材の作製]
熱分解性発泡剤としてアゾジカルボンアミドを含有する発泡性ポリプロピレン系樹脂シートの両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材としてポリエチレンテレフタレート製不織布(東洋紡績社製、商品名「スパンボンド エクーレ 6301A」)を積層・一体化した発泡性複合シートを、加熱ゾーンを有する連続発泡機にて230℃で8分間加熱して発泡させ、図1に示すような、ポリプロピレン系樹脂発泡体1の両面に面材2が積層された芯材3を得た。芯材3の厚みは15mmであった。
【0052】
[スリットの作製(図2参照)]
実施例1〜4について、表1に示すスリットを、芯材3の片面又は両面に所定ピッチで格子状に、刃の厚みが0.6mmのカッターナイフ(エヌティー社製「NTカッター」)を用いて作製した。
【0053】
[積層発泡体の作製(図1参照)]
成形型(図示せず)の上にFRP層41の材料として、目付450g/m2のチョップドストランドガラス繊維マット材(日本電気硝子社製 商品名「チョップドマット450SE」)を2枚重ねて配置し、常温硬化型の不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製、商品名「ユピカ4075PT」)に反応触媒として常温硬化用過酸化剤を1〜2部添加した不飽和ポリエステル樹脂組成物を上記マット材に含浸し常温硬化させ、その上に、目付600g/m2のチョップドストランドガラス繊維マット材(日本電気硝子社製 商品名「チョップドマット600SE」)を更に1枚重ね、その上から上記同様の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸させ、次いで、予め片面に上記不飽和ポリエステル樹脂を塗布した芯材3を、不飽和ポリエステル樹脂が塗布された面が、上記マット材に接するように重ね押圧した後常温硬化させてFRP層41を形成しつつ芯材3に積層・一体化した。
【0054】
次に、上記芯材3の上(FRP層41が積層されていない面)に、FRP層42の材料として上記同様の目付600g/m2のチョップドストランドガラス繊維マット材を2枚配置し、上記同様の不飽和ポリエステル樹脂組成物を上記マット材に含浸し常温硬化させ、芯材3の両面にFRP層41,42が積層・一体化された積層発泡体5を作製した。
【0055】
(比較例1〜2)
加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材2を使用せず表1に示すスリットが設けられた芯材(厚み15mm)を用いたこと以外は、上記実施例と同様にして積層発泡体を作製した。
【0056】
得られた積層発泡体について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
[評価方法]
1.アスペクト比の測定
ポリオレフィン系樹脂発泡体を厚み方向(z方向)にカットし、断面の中央部を光学顕微鏡で観察しながら15倍の拡大写真を撮った。次いで、写真に写った全ての気泡のDzとDxyをノギスで測定した後、気泡毎のDz/Dxyを算出し、気泡100個分のDz/Dxyの個数平均を算出して、アスペクト比Dz/Dxyの平均値とした。但し、実際のDzが0.05mm以下及び10mm以上の気泡は除外した。
2.発泡倍率の測定
JIS K6767に準じてポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率を測定した。
3.発泡体圧縮弾性率
JIS K7220に準拠してポリオレフィン系樹脂発泡体の圧縮弾性率を測定した。
4.発泡体密度
浮沈法により、ポリオレフィン系樹脂発泡体の密度測定を行った。
5.積層体曲げ弾性率
積層発泡体より試験片を切り出し、JIS A9511に従い、試験片の中央部に力を加えた時の歪みと応力を測定し曲げ弾性率を求めた。
6.耐局部圧縮試験
積層発泡体より試験片を切り出し、JIS A5914に従い、直径25mmの圧入棒の上端に錘りを静かに載せ、圧入棒と試験片の接触面に200N(20.4kgf)の荷重が加わるようにする。1000時間後の圧入棒の変位を2個のダイヤルゲージで測定し、平均値をもって局部圧縮量を求めた。
7.気泡巻き込み
積層発泡体のFRP層と芯材との間の気泡巻き込み状況について、積層発泡体の片側表面積に対する気泡巻き込み部の投影面積の面積率(%)を目視にて評価した。
【0057】
【表1】
表1より明らかなように、本発明における実施例においては、発泡体密度が低い水準であっても、発泡体圧縮弾性率、積層体曲げ弾性率及び局部圧縮力が優れていることが判明した。
【0058】
【発明の効果】
本発明の積層発泡体及びその製造方法においては、得られる積層発泡体が上述の如く高弾性率を有するため、軽量にして高い剛性を示し且つ局部的圧縮力にも耐え得る、特にプールの側壁又は底面用に好適な積層発泡体及びその製造方法を提供することができる。
【0059】
また、本発明の水泳用プールは側壁や底面に上記積層発泡体が敷設されるので、上記同様の優れた性能を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層発泡体の一例を示す模式断面図である。
【図2】(A)本発明における芯材の一例を示す模式上面図である。
(B)本発明における芯材の一例を示す模式横断面図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系樹脂発泡体(ポリプロピレン系樹脂発泡体)
2 面材
3 芯材
41,42 FRP層
5 積層発泡体
6 スリット
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プールに関し、詳しくは、プールの側壁又は底面用に好適に敷設される積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、軽量性、断熱性及び柔軟性に優れているため、各種断熱材、緩衝材若しくは浮揚材等に幅広く用いられている。
【0003】
しかし、従来のポリオレフィン系樹脂発泡体は、建物の屋上断熱材、床材、自動車の床下地材、プールの側壁や底面材等或る種の使用分野において、ポリスチレン系樹脂発泡体と比較して、発泡体の圧縮弾性率、曲げ剛性が小さい事等が問題視されている。
こうした問題点を改善する試みとして、例えば、特開平9−150431号公報に、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフイン系樹脂シートを加熱発泡させる際に生じる面内の二次元方向の発泡圧力を抑制し得る強度を有するシートが少なくとも片面に積層された複合発泡体が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記ポリオレフィン系樹脂シートに積層される、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡圧力を抑制し得る強度を有するシートは、通常、その連続生産性の点で比較的柔軟にして厚みの薄いシート材が使用され、局所的な圧縮応力を受けると、応力分散が十分に行われずシート材が潰れたり破損したりすることがあった。このため、例えば、上記複合発泡体をプールの側壁又は底面に用いる場合など高い剛性を要求される場合には必ずしも充分な性能が得られるものではなかった。
【0005】
一方、特開平9−317224号公報には、プール底面に緩衝材が敷設され、この緩衝材の上にタイル調シートが貼付され、このタイル調シートはタイル柄部と目地部からなり、このタイル柄部と目地部は別色となされ、この目地部深さが0.1〜1mmとなされ、前記タイル柄部の表面には凹凸が形成された水泳プールが開示されている。
【0006】
しかしながら、上記水泳プールにおいては、その底面における剛性及び緩衝性は満足できるとしても、施工に手間がかかり、工期に時間を要したり品質のばらつきが大きくなり易いなどの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記従来の問題点を解決すべく検討の結果、高剛性の発泡体と繊維強化プラスチックス層(以下、「FRP層」という)が積層されることを要点とした積層発泡体を見いだし本発明を完成するに至ったものである。
即ち本発明の目的は、軽量にして高い剛性を示し且つ局部的圧縮力にも耐え得る、特にプールの側壁又は底面用に好適な積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の積層発泡体は、個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材の少なくとも片面に、FRP層が積層されていることを特徴とする。
請求項2記載の積層発泡体は、請求項1記載の積層発泡体であって、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が3〜20倍であり、内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜4.0であり、圧縮弾性率が6MPa以上であることを特徴とする。
請求項3記載の積層発泡体は、請求項1又は2記載の積層発泡体であって、芯材の少なくとも片面にスリットが設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の積層発泡体の製造方法は、請求項1〜3の何れか1項記載の積層発泡体の製造方法であって、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、前記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層された発泡性複合シートを、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させて芯材を得る工程と、得られた芯材の少なくとも片面に、FRP層を積層する工程とを含むことを特徴とする。
請求項5記載の水泳用プールは、側壁又は底面に請求項1〜3の何れか1項記載の積層発泡体が敷設されたことを特徴とする。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材(以下、単に「面材」ともいう)が積層されてなる芯材が用いられる。
【0010】
上記芯材は、例えば、ポリオレフィン系樹脂に熱分解型発泡剤を加えて混練した発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物をシート状に賦形して得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、上記面材が積層された発泡性複合シートを、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させて得られるものである。
【0011】
こうして得られた芯材は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に積層された面材が、発泡時の面内方向の発泡力を抑制するものであるので、面内の二次元方向には極めて僅かしか発泡膨張せず、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの厚み方向にのみ発泡し、結果として、得られた発泡体を構成する気泡は、上記厚み方向にその長軸を配向した紡錘形状となり、あたかも同方向に直立して横に整列したラグビーボールのように配列し、厚み方向に層状に積層した構造となる。
【0012】
本発明において、上記面内方向とは、ポリオレフィン系樹脂発泡体の長手方向及び幅方向で規定される二次元の方向をいい、厚み方向と直交する方向をいうものとする。
【0013】
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクチックもしくはシンジオタクチックホモポリプロピレン、ブロックプロピレン共重合体、ランダムプロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいが、2種以上が組み合わされて併用されてもよい。
【0014】
上記ポリオレフィン系樹脂には、30重量%以下の範囲で、他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリスチレン等の相溶性を有する熱可塑性樹脂、エラストマー等が混合されて用いられてもよい。
【0015】
上記ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、余り大き過ぎても、又、反対に小さ過ぎても発泡安定性を低下させるものであるので、好ましくは、JIS K7210に準拠して測定された値で、0.1〜20g/10分である。
【0016】
上記ポリオレフィン系樹脂は、必要に応じて架橋されたものであってもよい。架橋の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、電子線等の電離性放射線を照射する電子線架橋法、有機過酸化物等を用いた化学架橋法、又は、シラン変性樹脂を用いたシラン架橋法等が挙げられる。
【0017】
上記ポリオレフィン系樹脂の架橋の度合いは、余り高過ぎると、発泡倍率が低下すると共に、熱成形性が低下し、余り低過ぎると、熱安定性が低下し、且つ、発泡時のセル(気泡壁)が破泡し、均一な気泡が得られなくなることがあるので、架橋の指標となるゲル分率は、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは15〜25重量%である。
【0018】
尚、本発明において、上記ゲル分率とは、ポリオレフィン系樹脂発泡体を、120℃のキシレン中に24時間浸漬した後の残渣重量のキシレン浸漬前のポリオレフィン系樹脂発泡体重量に対する百分率(重量)である。
【0019】
上記熱分解型発泡剤としては、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの溶融温度以上の分解温度を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド等の有機系熱分解型発泡剤が挙げられる。中でも、分解ピーク温度や分解速度の調整が容易であり、ガス発生量が多く、衛生性にも優れたアゾジカルボンアミドが好適に用いられる。
【0020】
上記熱分解型発泡剤の添加量は、得られる積層複合体の用途に応じた発泡倍率に応じて決められるが、余り少ないと、十分な発泡倍率が得られず、余り多いと破泡が多くなり均一な気泡が形成され難いので、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部である。
【0021】
上記ポリオレフィン系樹脂の架橋手段として、例えば、電子線架橋法ならば、ジビニルベンゼン等の架橋助剤が用いられてもよい。
上記電子線照射量は、好ましくは1〜20Mrad、より好ましくは3〜10Mradである。
【0022】
又、シラン架橋法ならば、シラン変性樹脂に加えてジブチル錫ジラウレート、オクタン酸バリウム等の架橋触媒が用いられてもよい。
上記架橋触媒の添加量は、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部、更に好ましくは0.01〜0.1重量部である。
【0023】
又、化学架橋法に用いられる架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド等が挙げられる。中でもターシャリーブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドが好適に用いられる。
上記架橋剤の添加量は、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部、更に好ましくは1〜3重量部である。
【0024】
上記熱分解型発泡剤を添加した発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物から発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを調製する手段は、上記熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を所望の厚さのシート状に熱成形すればよく、その熱成形手段としては、例えば、Tダイやインフレーションダイを用いる押出成形法、プレス成形法、カレンダー成形法、ブロー成形法等が挙げられる。中でも、押出成形法は生産性の観点から好適に用いられる。
【0025】
本発明において、芯材の主要部材であるポリオレフィン系樹脂発泡体は、個々の気泡が厚み方向に配向されているものであって、前記するように発泡体を構成する気泡は、上記厚み方向にその長軸を配向した紡錘形状となり、あたかも同方向に直立して横に整列したラグビーボールのように配列し、厚み方向に層状に積層した構造となり、その厚み方向の圧縮力に対して高い弾性率を示すものである。
【0026】
上記気泡が横に整列した気泡の層が、厚み方向に多段に積層された構造である場合、上記厚み方向の中心部の密度が表面部の密度よりも小さいものであることが好ましい。
【0027】
本発明において用いられる面材としては、上記のように、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制し得るものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維を織成してなるガラスクロス類、ガラス繊維を抄造もしくはバインダーで結着してなるガラスマット類、上記ガラス繊維同様にカーボン繊維が処理されたカーボンクロス類もしくはカーボンマット類、その他、天然繊維、合成繊維等からなる織布類、ニードルパンチングマット等の不織布類、寒冷紗等の編織布類、MFシート等の紙類、亜鉛メッキ鋼板、鉄亜鉛アルミニウム合金板、ステンレス鋼板等の薄い鉄系金属板、アルミニウム板、チタン合金板、銅板等の薄い非鉄系金属板等が挙げられる。
【0028】
上記面材の厚みは、特に限定されるものではないが、巻回等の手段によりコンパクトに収納することによって、連続して本発明の積層複合体を長尺に製造し得るものであるという観点から好ましくは金属板等にあっては、1mm以下、より好ましくは0.3mm以下である。
柔軟性のある金属板以外の上記する面材類は上記厚みを超えるものであってもよい。
【0029】
上記面材を発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに積層する手段は、特に限定されるものではなく、例えば、公知のラミネーター等が用いられる。
【0030】
上記加熱発泡手段としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱風等の加熱媒体を用いもしくは赤外線ヒーター等の直接加熱装置を用いたトンネル型加熱炉内を出口側に引取装置を設けて移送させながら発泡させる方法、上記引取装置に替えて無端ベルト移送装置を用いる発泡方法、これらのトンネル型加熱炉が縦型であるもの、又は横型であるもの等の連続式発泡方式、熱風恒温槽等のバッチ式発泡方式、上記熱風等の熱媒もしくは熱源に替えて、オイルバス、メタルバス、ソルトバス等を用いる発泡方式等が挙げられる。
【0031】
このようにして得られた芯材は、上述のように、ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成する気泡が、厚み方向にその長軸を配向した紡錘形状に横に整列し、更に、厚み方向に層状に積層した構造となる(図1参照)。
従って、面内方向に抑制された分だけ形成されるセルが厚み方向に長軸を有する形状となり、それによって圧縮弾性率が高められている。加えて、上記面材が積層されているため、該面材自体の補強効果によっても芯材の弾性率が高められている。
上記発泡セルの厚み方向への長軸の配向分率は、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上である。
【0032】
上記発泡セルの厚み方向への長軸の配向度合、即ち、長軸と短軸の比は、発泡倍率及び発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融粘度により制御することができる。
即ち、発泡倍率を大きくとることにより、面内方向への膨張が抑制されているので、厚み方向への発泡が増加し、得られる発泡セルの長軸と短軸の比は大きくなる。
【0033】
上記溶融粘度が8000ポイズ未満では、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融粘度が低小に過ぎるため、発泡時にセルの樹脂膜が破裂して紡錘形のセルが美麗に整列せず、良好な弾性率を発現するセル構造をとり得ず、上記溶融粘度が25000ポイズを超えると、発泡が抑制され、得られる発泡セルの長軸と短軸の比が小さく、所望の圧縮弾性率や曲げ剛性が得られないので、好ましい発泡条件としては、例えば、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物の溶融粘度8000〜25000ポイズの範囲において、発泡倍率が5倍以上となる発泡剤配合が挙げられる。
【0034】
前記ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率は、余り低いと、前述するように十分な発泡セルの長軸と短軸の比が得られず、所望の弾性率が得られないばかりか、軽量性が失われ、コスト高にもなり、又、20倍を超すと、発泡セルの長軸と短軸の比は十分おおきいもになるが、個々のセル壁が薄くなって、十分な圧縮弾性率を発現し得ないものとなるので、好ましくは、発泡倍率は3〜20倍である。
【0035】
内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値は、好ましくは、1.1〜4.0である。
上記アスペクト比とは、発泡体のz方向、即ち、発泡体の厚み方向の発泡セルの直径をDzとし、発泡体の巾及び長さ方向、即ち、発泡体の面内方向の発泡セルの直径をDxyとしたときのDz/Dxyをいい、Dz/Dxyが1.1に満たない場合には、所望の圧縮弾性率が得られ難くなることがあり、Dz/Dxyが4.0を越える場合は、ポリオレフィン系樹脂発泡体に過度な変形を生じさせるので製造が困難になることがある。
【0036】
又、圧縮弾性率は、余り小さいと僅かな負荷で座屈を生じるため、好ましくは6MPa以上である。
【0037】
本発明において、上記芯材が少なくとも片面にスリット(切り込み溝)を有するものであると(図2参照)、以下に詳説するFRP層を積層する際に芯材が適度の柔軟性を発揮し気泡の巻き込みなどを防止出来る点で好ましい。この場合スリットの形状としては、特に限定されないが、深さは芯材の厚みの1/4〜3/4程度が好ましく、スリットの溝幅は0.2〜5mm程度が好ましい。また、スリットの溝の断面形状は、例えば凹形状、V字形状又はU字形状のもの等特に限定されない。芯材の表面における上記スリットの配置及び間隔は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、スリットが芯材表面の縦横方向に格子状に配置され、格子間隔が10〜100mm程度であることが好ましい。上記スリットは芯材の片面に設けられていてもよく両面に設けられたものであってもよい。
【0038】
スリットの作製方法としては、特に限定されず、例えば、芯材の成形ラインの途中に複数枚数のスリット刃を配設しインラインで作製する方法や、成形後切断され枚葉化された芯材を複数枚数のスリット刃が配設されたスリッターに送り込んで作製する方法などが挙げられる。
上記スリット刃としては、例えば、鋸刃やナイフなど適宜の刃物を用いることができる。
【0039】
スリットを芯材表面の縦横方向に格子状に配置する場合は、例えば、上記スリッターに芯材を送り込んでスリットを作製した後、芯材を90度回転させて再度スリッターに送り込み作製する方法や、上記スリッターを2台用い直角方向に配設して作製する方法などが挙げられる。
【0040】
本発明においては、上記芯材の少なくとも片面にFRP層が積層される。
上記FRPとは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂がガラス繊維などの繊維で補強され硬化されて得られる所謂繊維強化プラスチックスである。
【0041】
上記FRPに用いられる樹脂としては、従来公知のものが使用可能であり特に限定されないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が好適である。
上記FRPに用いられる繊維としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等が好適である。
【0042】
上記において、芯材にFRP層を積層・一体化する手段としては、特に限定されず、例えば、ハンドレアップ法と呼ばれる方式や、接着剤による方法が挙げられる。
上記ハンドレアップ法としては、例えば、ガラス繊維などの繊維からなるマット材等を芯材に積層し、常温硬化型の不飽和ポリエステル樹脂を、ロール等を用いて上記マット材等に含浸させ硬化させることで積層・一体化する方法である。
【0043】
一方、接着剤による方法としては、例えば、一般にSMC(シートモールドコンパウンド)と呼ばれるFRP材料を用いてプレス成形等によりあらかじめ板状に成形されたFRPを上記芯材に接着剤を介して接着固定することで積層する方法である。
【0044】
上記において用いられる接着剤としては、特に限定されず、例えば、ユリア樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤,フェノール樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ポリウレタン系接着剤等の硬化型接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン接着剤、アクリルエマルジョン接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、酢酸ビニル樹脂マスチック接着剤、ドープセメント、モノマーセメント、塩化ビニル樹脂接着剤、クロロプレンゴム接着剤、合成ゴムラテックス系接着剤、天然ゴム系接着剤等のエマルジョン型接着剤、溶剤型接着剤もしくは粘性固形型接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、各種熱可塑性ゴム系接着剤、ウレタンホットメルト接着剤等のホットメルト型接着剤等が挙げられる。
【0045】
上記積層発泡体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、上記面材が積層された発泡性複合シートを、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させて芯材を作製し、必要に応じて表面にスリットを作製した後、得られた芯材の片面又は両面に、上記FRP層を積層する方法が好適である。
【0046】
本発明の水泳用プールは、上記積層発泡体が、例えば、プールの側壁や底面などに敷設されたものである。
【0047】
(作用)
本発明の積層複合体は、個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフイン系樹脂発泡体の表裏両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材の少なくとも片面に、FRP層が積層されているので、芯材の軽量性と高い圧縮弾性率に加えて、芯材に積層されたFRP層の働きにより、曲げ応力などに対する高い剛性を得ることができる。
【0048】
上記において、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が3〜20倍であり、内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜4.0であり、圧縮弾性率が6MPa以上であると、上記効果は更に確実なものとなる。
【0049】
また、上記芯材が少なくとも片面にスリットが設けられているものであると、FRP層を積層する際に芯材が適度の柔軟性を発揮し気泡の巻き込みなどを防止出来るとともに、FRPに含まれる熱硬化性樹脂などの材料が、スリットの隙間に浸入し硬化した場合には、スリット部分の強度の低下を防止することができ、上記効果は更に確実なものとなる。
【0050】
本発明の積層複合体の製造方法は、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、特定の面材が積層された発泡性複合シートが、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱発泡されて芯材が得られる工程においては、個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体を安定して製造することができるとともに、FRP層が積層される工程においては、必要とされる強度に応じて適宜FRP層の材料や積層条件を調整することができるので、種々の品質を有する積層複合体を容易に製造することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜5)
[芯材の作製]
熱分解性発泡剤としてアゾジカルボンアミドを含有する発泡性ポリプロピレン系樹脂シートの両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材としてポリエチレンテレフタレート製不織布(東洋紡績社製、商品名「スパンボンド エクーレ 6301A」)を積層・一体化した発泡性複合シートを、加熱ゾーンを有する連続発泡機にて230℃で8分間加熱して発泡させ、図1に示すような、ポリプロピレン系樹脂発泡体1の両面に面材2が積層された芯材3を得た。芯材3の厚みは15mmであった。
【0052】
[スリットの作製(図2参照)]
実施例1〜4について、表1に示すスリットを、芯材3の片面又は両面に所定ピッチで格子状に、刃の厚みが0.6mmのカッターナイフ(エヌティー社製「NTカッター」)を用いて作製した。
【0053】
[積層発泡体の作製(図1参照)]
成形型(図示せず)の上にFRP層41の材料として、目付450g/m2のチョップドストランドガラス繊維マット材(日本電気硝子社製 商品名「チョップドマット450SE」)を2枚重ねて配置し、常温硬化型の不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製、商品名「ユピカ4075PT」)に反応触媒として常温硬化用過酸化剤を1〜2部添加した不飽和ポリエステル樹脂組成物を上記マット材に含浸し常温硬化させ、その上に、目付600g/m2のチョップドストランドガラス繊維マット材(日本電気硝子社製 商品名「チョップドマット600SE」)を更に1枚重ね、その上から上記同様の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸させ、次いで、予め片面に上記不飽和ポリエステル樹脂を塗布した芯材3を、不飽和ポリエステル樹脂が塗布された面が、上記マット材に接するように重ね押圧した後常温硬化させてFRP層41を形成しつつ芯材3に積層・一体化した。
【0054】
次に、上記芯材3の上(FRP層41が積層されていない面)に、FRP層42の材料として上記同様の目付600g/m2のチョップドストランドガラス繊維マット材を2枚配置し、上記同様の不飽和ポリエステル樹脂組成物を上記マット材に含浸し常温硬化させ、芯材3の両面にFRP層41,42が積層・一体化された積層発泡体5を作製した。
【0055】
(比較例1〜2)
加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材2を使用せず表1に示すスリットが設けられた芯材(厚み15mm)を用いたこと以外は、上記実施例と同様にして積層発泡体を作製した。
【0056】
得られた積層発泡体について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
[評価方法]
1.アスペクト比の測定
ポリオレフィン系樹脂発泡体を厚み方向(z方向)にカットし、断面の中央部を光学顕微鏡で観察しながら15倍の拡大写真を撮った。次いで、写真に写った全ての気泡のDzとDxyをノギスで測定した後、気泡毎のDz/Dxyを算出し、気泡100個分のDz/Dxyの個数平均を算出して、アスペクト比Dz/Dxyの平均値とした。但し、実際のDzが0.05mm以下及び10mm以上の気泡は除外した。
2.発泡倍率の測定
JIS K6767に準じてポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率を測定した。
3.発泡体圧縮弾性率
JIS K7220に準拠してポリオレフィン系樹脂発泡体の圧縮弾性率を測定した。
4.発泡体密度
浮沈法により、ポリオレフィン系樹脂発泡体の密度測定を行った。
5.積層体曲げ弾性率
積層発泡体より試験片を切り出し、JIS A9511に従い、試験片の中央部に力を加えた時の歪みと応力を測定し曲げ弾性率を求めた。
6.耐局部圧縮試験
積層発泡体より試験片を切り出し、JIS A5914に従い、直径25mmの圧入棒の上端に錘りを静かに載せ、圧入棒と試験片の接触面に200N(20.4kgf)の荷重が加わるようにする。1000時間後の圧入棒の変位を2個のダイヤルゲージで測定し、平均値をもって局部圧縮量を求めた。
7.気泡巻き込み
積層発泡体のFRP層と芯材との間の気泡巻き込み状況について、積層発泡体の片側表面積に対する気泡巻き込み部の投影面積の面積率(%)を目視にて評価した。
【0057】
【表1】
表1より明らかなように、本発明における実施例においては、発泡体密度が低い水準であっても、発泡体圧縮弾性率、積層体曲げ弾性率及び局部圧縮力が優れていることが判明した。
【0058】
【発明の効果】
本発明の積層発泡体及びその製造方法においては、得られる積層発泡体が上述の如く高弾性率を有するため、軽量にして高い剛性を示し且つ局部的圧縮力にも耐え得る、特にプールの側壁又は底面用に好適な積層発泡体及びその製造方法を提供することができる。
【0059】
また、本発明の水泳用プールは側壁や底面に上記積層発泡体が敷設されるので、上記同様の優れた性能を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層発泡体の一例を示す模式断面図である。
【図2】(A)本発明における芯材の一例を示す模式上面図である。
(B)本発明における芯材の一例を示す模式横断面図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系樹脂発泡体(ポリプロピレン系樹脂発泡体)
2 面材
3 芯材
41,42 FRP層
5 積層発泡体
6 スリット
Claims (5)
- 個々の気泡が厚み方向に配向されているポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に、加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる芯材の少なくとも片面に、繊維強化プラスチックス層が積層されていることを特徴とする積層発泡体。
- ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が3〜20倍であり、内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜4.0であり、圧縮弾性率が6MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の積層発泡体。
- 芯材の少なくとも片面にスリットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層発泡体。
- 熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、前記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層された発泡性複合シートを、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡させて芯材を得る工程と、得られた芯材の少なくとも片面に、繊維強化プラスチックス層を積層する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の積層発泡体の製造方法。
- 側壁又は底面に請求項1〜3の何れか1項記載の積層発泡体が敷設されたことを特徴とする水泳用プール。
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|---|---|---|---|
| JP2002204546A JP2004042500A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プール |
Applications Claiming Priority (1)
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004042500A true JP2004042500A (ja) | 2004-02-12 |
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| JP2002204546A Withdrawn JP2004042500A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 積層発泡体及びその製造方法並びにそれを用いた水泳用プール |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004042500A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006054335A1 (ja) * | 2004-11-16 | 2006-05-26 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | 暖房床 |
| JP2008230223A (ja) * | 2007-02-19 | 2008-10-02 | Kobe Steel Ltd | 発泡樹脂積層板の製造方法 |
| JP2009090522A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Kobe Steel Ltd | 複合板および複合成形体 |
| EP4339397A1 (de) | 2022-09-09 | 2024-03-20 | Depotec GmbH | Schwimmbecken mit einem hebbaren boden |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002204546A patent/JP2004042500A/ja not_active Withdrawn
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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