JP2004042811A - 車両用空調装置 - Google Patents

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三島 章男
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Abstract

【課題】膨張弁の冷凍サイクルへの接続に弾性材を介して構成させることで、冷媒通過音の低減を可能とした車両用空調装置を実現する。
【解決手段】圧縮機17、凝縮器18、膨張弁16および空気通路を形成する空調ケース11内に配設され吸入空気を冷却する蒸発器15を順に冷媒配管で接続された冷凍サイクルを備える車両用空調装置において、膨張弁16は、弾性変形可能な材質からなるホース部21a、22aを有する接続配管21、22を介して凝縮器18と蒸発器15との間に接続した。これにより、冷媒通過音の低減が図れる。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された冷凍サイクルを備える車両用空調装置に関するものであり、特に、膨張弁から発する冷媒通過音の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用空調装置として、例えば特開2002−29251号公報に開示したものが知られている。この公報では、空気を車室内に導く空調ケースと、空調ケース内に収納され空気を冷却する蒸発器と、この蒸発器に接続され、かつ空調ケースの一端面の外側に設置され高圧冷媒を減圧する膨張弁と、この膨張弁の一端面に接続される冷媒出入口配管とを備えた車両用空調装置において、膨張弁には、膨張弁および冷媒出入口配管の一部を包含するように半割れ形状を有するとともに、膨張弁および冷媒出入口配管の一部の外形形状と嵌め合うための凹部が形成されている断熱ケースが装着されるように配設している。
【0003】
従って、半割れ状の断熱ケースにより膨張弁を包含させることで、膨張弁から発する冷媒通過音の車室内への防音と膨張弁本体の断熱とを図ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報を含めてこの種の車両用空調装置によれば、冷媒通過音を発する膨張弁の冷凍サイクルへの構成が、金属材、例えばアルミニウムからなるチューブ材を介して蒸発器に接続されているため、稀に膨張弁自体が冷媒通過音によって共振し、チューブ材を介して蒸発器に振動が伝達され、かつ蒸発器によって伝達された振動が増幅されることがあるため、上述のような断熱ケースによる冷媒通過音の遮蔽による防音のみでは物足りないという問題がある。
【0005】
さらに、この膨張弁自体を防振するために、上述の断熱ケースの他に、比重の大きい防振パッキン(例えば、硫酸バリウムパッキンやブチルゴムなど)などを膨張弁の外郭に巻き付ける方式もあるが、凹凸形状の膨張弁の外郭に隙間なく確実に巻き付けるための組付け時間を有する問題もある。
【0006】
また、例えば、ワンボックス車両の前席上方の天井面に設置されるリヤークーラーにおいては、従来の車両前方のインストルメントパネルの中央部下方に空調ユニットが設置された場合に比べて、空調ユニットと乗員の耳部との距離が短くなっているため、前方に設置されたときには気にならなかった冷媒通過音が天井面に設置されることで気になる問題もある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みたものであり、膨張弁の冷凍サイクルへの接続に弾性材を介して構成させることで、冷媒通過音の低減を可能とした車両用空調装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項3に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両に搭載され冷媒を圧縮する圧縮機(17)、この圧縮機(17)より吐出された高圧冷媒を凝縮する凝縮器(18)、高圧冷媒を減圧する膨張弁(16)および空気通路を形成する空調ケース(11)内に配設され吸入空気を冷却する蒸発器(15)を順に冷媒配管で接続された冷凍サイクルを備える車両用空調装置において、
膨張弁(16)は、弾性変形可能な材質からなるホース部(21a、22a)を有する接続配管(21、22)を介して凝縮器(18)と蒸発器(15)との間に接続したことを特徴としている。
【0009】
請求項1の発明によれば、例えばゴム材などの弾性変形可能な材質からなるホース部(21a、22a)有する接続配管(21、22)で接続したことにより、膨張弁(16)自体が冷媒通過音によって共振した振動がホース部(21a、22a)によって減衰されることで、蒸発器(15)への振動の伝達が防止でき、かつ蒸発器(15)における冷媒通過音の増幅も低減できる。従って、膨張弁(16)から発する冷媒通過音の低減が図れる。
【0010】
また、膨張弁(16)自体を防振するために、比重の大きい防振パッキン(例えば、硫酸バリウムパッキンやブチルゴムなど)などを膨張弁(16)の外郭に巻き付ける従来の方式と比較すると、膨張弁(16)の外郭に隙間なく確実に巻き付けるための組付け時間が不要とすることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、接続配管(21、22)は、ホース部(21a、22a)の両端に金属材からなる接続部(21b、22b)を有することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、具体的には、両端の接続部(21b、22b)の間にホース部(21a、22a)を有する接続配管(21、22)とすることにより、膨張弁(16)からの振動がホース部(21a、22a)により減衰されるため、蒸発器(15)への振動の伝達が防止でき、かつ蒸発器(15)における冷媒通過音の増幅も低下できる。従って、膨張弁(16)から発する冷媒通過音の低減ができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、膨張弁(16)は、空調ケース(11)内に配設され、かつ蒸発器(15)に隣接するように接続させたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、例えば、ワンボックス車両の前席上方の天井部に設置されるリヤークーラーにおいては、従来のフロントクーラーでは気にならなかった冷媒通過音が空調ケース(11)と乗員の耳部との距離が近づいたために苦情となる問題がある。そこで、本発明では、弾性変形可能な材質からなる接続配管(21、22)によって防振させた膨張弁(16)が空調ケース(11)内に配設されることにより、従来の防音、防振よりも冷媒通過音が低減できる。従って、上記リヤークーラーに好適である。
【0015】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態の車両用空調装置を図1ないし図4に基づいて説明する。本実施形態の車両用空調装置は、図1に示すように、ワンボックス車両の前席上方の天井面に空調ユニット10が設置されるリヤークーラーに適用したものであり、空調ユニット10内に配設された膨張弁から発する冷媒通過音の低減に関するものである。この空調ユニット10は車両前方のインストルメントパネルの下方に収容されるフロント用空調ユニット(図示せず)の冷凍サイクルにおいて、後述する蒸発器および膨張弁などがフロント側と並列に設けられたもので、後席側を冷房するための空調ユニットである。
【0017】
図2に示すように、本空調ユニット10は、吸込口12および吹出口13を有し、空気通路を形成する空調ケース11、吸込口12から吸い込んだ車室内空気を送風する送風手段14、吸入空気を冷却する蒸発器15、および冷媒を蒸発器15に供給する膨張弁16から構成されている。
【0018】
送風手段14は、軸流ファン14aと電動モータ14bとを組み合わせたものである。そして、蒸発器15および膨張弁16は冷凍サイクルの構成要素であって、冷媒を圧縮する圧縮機17、圧縮機17より吐出された高圧冷媒を凝縮する凝縮器18、受液器19およびこれらの構成要素を接続する冷媒配管20から構成された周知のものである。なお、圧縮機17、凝縮器18および受液器19はエンジンルーム内に配置されている。
【0019】
圧縮機17は電磁クラッチ(図示せず)を介してエンジン(図示せず)の回転動力が伝達されることにより、回転駆動し冷凍サイクルを作動させて蒸発器15を冷却手段として機能させる。
【0020】
蒸発器15は、図3に示すように、一端に冷媒入口配管15aと、冷媒出口配管15bとが設けられ、冷媒入口配管15aが膨張弁16に、冷媒出口配管15bが圧縮機17に通ずるように接続されている。
【0021】
本実施形態の膨張弁16は、受液器19を通ってきた高温高圧の液冷媒を減圧、膨張させるとともに、蒸発器15の出口側の冷媒温度を検出して適度な過熱度を保つように蒸発器15に供給する冷媒流量を調節する温度式膨張弁であって、膨張弁の一端が後述する接続配管21を介して蒸発器15の冷媒入口配管15a側に設けられ、他端が後述する接続配管22を介して受液器19、凝縮器18に通ずる冷媒配管20に接続されるとともに感温部16aが冷媒出口配管15bに設けられている。
【0022】
ここで、膨張弁16の両端に設けられる接続配管21、22は、本発明の要部であって、膨張弁16から発する冷媒通過音を低減させるものである。具体的には、図4に示すように、接続配管21、22を弾性変形可能な材質(例えば、ゴム材、EPDMなど)からなるホース部21a、22aと、そのホース部21a、22aの両端に金属材(例えば、アルミニウム)からなる金属ジョイントを有する接続部21b、22bとから構成させた冷媒配管である。
【0023】
従って、膨張弁16の前後に、この接続配管21、22を介して冷凍サイクルを構成させることにより、車両用空調装置が作動すると膨張弁16から発する冷媒通過音によって、膨張弁16自体が共振して発する振動が接続部21b、22bまでは伝達されるが、ホース部21a、22aにおいて減衰されることで、蒸発器15側および受液器19側に通ずる冷媒配管20側への振動の伝達が防止できる。
【0024】
以上の構成による一実施形態の車両用空調装置によれば、例えば、ゴム材などの弾性変形可能な材質からなるホース部21a、22aを有する接続配管21、22を介して冷凍サイクルを構成したことにより、膨張弁16から発する冷媒通過音によって共振した振動がホース部21a、22aによって減衰されることで、蒸発器15への振動の伝達が防止でき、かつ蒸発器15における冷媒通過音の増幅も低減できる。従って、膨張弁16から発する冷媒通過音の低減が図れる。
【0025】
また、膨張弁16自体を防振するために、比重の大きい防振パッキン(例えば、硫酸バリウムパッキンやブチルゴムなど)などを膨張弁16の外郭に巻き付ける従来の方式と比較すると、膨張弁16の外郭に隙間なく確実に巻き付けるための組付け時間が不要とすることができる。
【0026】
また、ワンボックス車両の前席上方の天井部に設置されるリヤークーラーにおいては、従来のフロントクーラーでは気にならなかった冷媒通過音が空調ケース11と乗員の耳部との距離が近づいたために苦情となる問題がある。そこで、本発明では、弾性変形可能な材質からなる接続配管21、22によって防振させた膨張弁16が空調ケース11内に配設されることにより、従来の防音、防振よりも冷媒通過音が低減できる。従って、上記リヤークーラーに好適である。
【0027】
なお、上述の冷媒通過音は、比較的、外気温度や内気温度が高負荷環境条件下に暫く車両を放置しておいた後に、圧縮機17を起動させると膨張弁16の開度が大となっているため、液冷媒が多量に蒸発器15に送り込まれると瞬時の間に膨張弁16から発生するものであり、このときの共振およびその共振による振動の蒸発器16への伝達による振動の増幅により気になる異音となるもので、接続配管21、22により防振させることで冷媒通過音の低減の効果が大である。
【0028】
(他の実施形態)
以上の一実施形態では、ワンボックス車両の前席上方の天井面に空調ユニット10が設置されるリヤークーラーに本発明を適用させたが、車両前方のインストルメントパネルの中央部下方に空調ユニットを設置するフロント用空調ユニットにおいても、接続配管21、22を収容するスペースを確保することで適用できることは勿論である。
【0029】
また、以上の実施形態では、膨張弁16の方式を温度式膨張弁のタイプでもって構成させたが、これに限らず、ボックス式の膨張弁においても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における空調ユニット10の車両への装着形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態における蒸発器15、膨張弁16および接続配管21、22の構成を示す部分図である。
【図4】本発明の一実施形態における接続配管21、22の構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
11…空調ケース
15…蒸発器
16…膨張弁
17…圧縮機
18…凝縮器
21、22…接続配管
21a、22a…ホース部
21b、22b…接続部

Claims (3)

  1. 車両に搭載され冷媒を圧縮する圧縮機(17)、前記圧縮機(17)より吐出された高圧冷媒を凝縮する凝縮器(18)、高圧冷媒を減圧する膨張弁(16)および空気通路を形成する空調ケース(11)内に配設され吸入空気を冷却する蒸発器(15)を順に冷媒配管で接続された冷凍サイクルを備える車両用空調装置において、
    前記膨張弁(16)は、弾性変形可能な材質からなるホース部(21a、22a)を有する接続配管(21、22)を介して前記凝縮器(18)と前記蒸発器(15)との間に接続したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記接続配管(21、22)は、前記ホース部(21a、22a)の両端に金属材からなる接続部(21b、22b)を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記膨張弁(16)は、前記空調ケース(11)内に配設され、かつ前記蒸発器(15)に隣接するように接続させたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
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