JP2004058616A - 液体吐出装置に用いられる制御装置、及び、制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期充填量が異なる複数種の液体カートリッジが選択的に交換装着されても、その消費率あるいは残存率に関する情報を、その交換装着された液体カートリッジの初期充填量を基準とした正確な情報に管理することができる液体吐出装置の制御装置、及び制御方法を提供する。
【解決手段】初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御に用いられる制御装置及び制御方法であって、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする。
【選択図】 図15
【解決手段】初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御に用いられる制御装置及び制御方法であって、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする。
【選択図】 図15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出装置の制御装置、及び、制御方法に関する。特に、複数種類の液体カートリッジに着脱交換可能な液体吐出装置の制御装置、及び、制御方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
液体吐出装置の代表的なものとして、インクを吐出するインクジェット式の印刷装置が良く知られているが、その一形態として、頻繁に印刷作業を行うヘビー・ユーザー向けの大容量インクカートリッジや、あまり印刷作業を行わないライト・ユーザー向けの小容量インクカートリッジ等の各種容量の異なるインクカートリッジを消耗品として用意して、これらの容量のなる複数種のインクカートリッジを選択的に着脱交換可能にした印刷装置がある。各インクカートリッジにはそれぞれ所定量のインクが初期充填されて収容されており、印刷装置は、装着されたインクカートリッジからインクの供給を受けて、印刷動作を実行する。
【0003】
このような印刷装置にあっては、印刷中にインクカートリッジに収容されたインクがなくなって印刷処理が中断することを回避する必要があるため、印刷装置本体に設けられた制御部で、インクの消費量又は残存量を管理するようにしている。つまり、当該制御部は装着されたインクカートリッジからインクの初期充填量の情報を取得するとともに印刷時に消費したインクの消費量を計測して、そのインクの消費率あるいは残存率等のインク量を示す情報を出力し、インク量の情報を表示部にて表示可能となしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来にあっては、最も大容量のインクカートリッジを基準にして、消費率あるいは残存率を示す情報を算出して出力するようにしていたため、小容量のインクカートリッジが装着された場合には、例え未使用の新品のインクカートリッジであっても、表示部にて表示されるインク量の情報は、残存率100%あるいは消費率0%とは表示されなかった。即ち、初期充填量が例えば基準とされる最大容量のインクカートリッジの半分に設定されたインクカートリッジであると、未使用であるにも拘わらず、その交換後に表示されるインク量の情報は、残存率あるいは消費率が50%と表示されてしまうものであった。このため、小容量のインクカートリッジを装着したユーザーが不快感を覚えてしまうといった課題があった。
【0005】
本発明は、かかる例示としての課題に着目してなされたものであり、その目的は、初期充填量が異なる各種の液体カートリッジに交換装着されても、その消費率あるいは残存率の情報を、その交換装着された液体カートリッジの初期充填量を基準とした正確な情報に管理することができる液体吐出装置の制御装置、及び、制御方法を提供することにある。
【0006】
本発明の上記以外の目的、及び、その特徴とするところは、添付図面を参照しつつ本明細書の記載によって明らかとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための主たる本発明は、初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御に用いられる制御装置において、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置である。
【0008】
また、他の主たる本発明は、初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御方法において、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御方法である。
【0009】
さらに、他の主たる本発明は 、初期充填量の大小異なる複数種の記録材カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された記録材カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した記録材消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と記録材消費量とに基づいて記録材の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた記録装置の制御に用いられる制御装置において、該情報出力手段は、未使用の記録材カートリッジが装着された場合には、該記録材カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
=== 開示の概要 ===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御に用いられる制御装置において、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置。
【0011】
かかる制御装置によれば、液体吐出装置に交換装着される液体カートリッジとして、初期充填量が大小異なる複数種のものが選択的に交換可能に用意されていても、装着された液体カートリッジからその初期充填量の判別情報を取得して当該初期充填量を判別し、この初期充填量と検知した液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力するから、初期充填量が大小異なる各種の液体カートリッジのいずれのものが選択的に装着されても、その装着された液体カートリッジの初期充填量を基準にして、液体の消費率あるいは残存率の情報を正確に出力することが可能となる。このため、例えば最大容量のインクカートリッジに対して、その初期充填量が半分の小容量のインクカートリッジを未使用の新品状態で装着しても、従来のようにインク残存量が50%と表示されてしまうことがなく、インク残存量の報知に関して使用者に不快感を与えてしまうことを防止することができるようになる。
【0012】
さらに、かかる制御装置において、前記複数種の液体カートリッジには各々の種別に応じた前記初期充填量の判別情報を記憶する記憶媒体が取り付けられており、前記情報出力手段は、検知した液体消費量と前記記憶媒体から取得した初期充填量の判別情報とを用いて、前記消費率あるいは残存率を示す情報を出力することこととしてもよい。
かかる制御装置によれば、液体カートリッジに記憶媒体を設けて、当該記憶媒体に初期充填量の判別情報だけでなく、個々の液体カートリッジのID情報や、液体の消費量や残存量の情報等のID情報以外の情報も付帯させて記憶させておくことが容易にできるようになり、もって液体カートリッジを使用途中で一時的に取り外した場合でも、個々の液体カートリッジの液体消費や残存率を示す情報を絶えず正確に出力して表示することが可能になる。
【0013】
さらに、かかる制御装置において、前記情報出力手段は前記液体消費量を、吐出する液体で形成すべきドットの数を計測することにより検知するとともに、前記初期充填量の判別情報に基づいて初期充填量を吐出可能ドット総数として取得し、該検知したドットの数と該吐出可能ドット総数とから前記消費率あるいは残存率を示す情報を算出して出力することとしても良い。
かかる制御装置によれば、液体消費量を、吐出する液体で形成すべきドットの数を計測することによって簡易にしかも正確に検知することができるとともに、初期充填量の判別情報に基づいて当該初期充填量を、予め充填される液体量にて吐出することが可能な、吐出可能ドット総数として取得するから、液体消費量や液体残存量、および液体の消費率・残存率等を示す情報の算出・生成をドット数によって簡易に行えるようになるばかりか、これらの情報の管理も容易になる。
【0014】
さらに、かかる制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの種別に対応した吐出可能ドット総数が予め記憶されていることとしても良い。
かかる制御装置によれば、各種の液体カートリッジにおける液体の初期充填量の判別情報が、当該各種液体カートリッジに予め充填される液体の初期充填量にて吐出可能なドット総数として液体カートリッジの記憶媒体に直接記憶されているから、液体消費量や液体残存量、および液体の消費率・残存率等を示す情報の算出・生成、並びにこれらの情報の管理がさらに容易行えるようになる。
【0015】
さらに、かかる制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報が予め記憶されているとともに、前記情報出力手段には該型番に対応する吐出可能ドット総数が記憶されていることとしても良い。
かかる制御装置によっても、上記と同様の作用効果を得ることがことが可能となる。
【0016】
さらに、かかる制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数が記憶されているとともに、前記情報出力手段には全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数が記憶されており、該情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した該液体量補正係数と該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得することとしても良い。
かかる制御装置によっても上記と同様の作用効果を得ることがことが可能となる。
【0017】
さらに、かかる制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報が予め記憶されているとともに、前記情報出力手段には、全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数と各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数が記憶されており、該情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した型番に応じた該液体量補正係数と、該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得することとしても良い。
かかる制御装置によっても、上記と同様の作用効果を得ることがことが可能となる。
【0018】
さらに、かかる制御装置において、前記液体吐出装置がプリンターであり、前記液体カートリッジがインクカートリッジであることとなし得る。
かかる制御装置によれば、インクジェットプリンタにおける、インク消費量・残存量の管理を簡易にしかも正確に行えるようになる。
【0019】
また、本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項も明らかとなる。
初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御方法において、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御方法。
【0020】
かかる制御方法によれば、液体吐出装置に交換装着される液体カートリッジとして初期充填量が大小異なる複数種のものが用意されていても、装着された液体カートリッジの初期充填量を判別して、この初期充填量と検知した液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力するから、初期充填量が大小異なる各種の液体カートリッジのいずれのものが選択的に装着されても、その装着された液体カートリッジの初期充填量を基準にして、液体の消費率あるいは残存率の情報を正確に出力することが可能となる。
【0021】
さらに、本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項も明らかとなる。
初期充填量の大小異なる複数種の記録材カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された記録材カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した記録材消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と記録材消費量とに基づいて記録材の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた記録装置の制御に用いられる制御装置において、 該情報出力手段は、未使用の記録材カートリッジが装着された場合には、該記録材カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置である。
【0022】
かかる制御装置によれば、記録装置に交換装着される記録材カートリッジとして、初期充填量が大小異なる複数種のものが選択的に交換可能に用意されていても、装着された記録材カートリッジからその初期充填量の判別情報を取得して当該初期充填量を判別し、この初期充填量と検知した記録材消費量とに基づいて記録材の消費率あるいは残存率を示す情報を出力するから、初期充填量が大小異なる各種の記録材カートリッジのいずれのものが選択的に装着されても、その装着された記録材カートリッジの初期充填量を基準にして、記録材の消費率あるいは残存率の情報を正確に出力することが可能となる。このため、例えば最大容量の記録材カートリッジに対して、その初期充填量が半分の小容量の記録材カートリッジを未使用の新品状態で装着しても、記録材残存量が50%と表示されてしまうことがなく、記録材残存量の報知に関して使用者に不快感を与えてしまうことを防止することができるようになる。
【0023】
=== 発明の実施の形態 ===
以下に、本発明に係る制御装置が組み込まれた液体吐出装置の実施の形態の一例として、インクジェットプリンタを用いた印刷装置を代表例に挙げて詳述する。
【0024】
=== 印刷装置の概要 ===
まず、インクジェットプリンタを用いた印刷装置の概要について、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示した斜視図である。
図1には、印刷装置の一例として、カラーインクジェットプリンタ(以下、プリンタという)2と、ホストコンピュータ100とを接続したコンピュータシステム1を示した。この印刷装置としてのコンピュータシステム1は、コンピュータ本体103、ディスプレイ104、マウス101aやキーボード101b等の入力装置101及び読取装置102を備えたホストコンピュータ100と、プリンタ2とで構成されている。
【0025】
プリンタ2は、カラー画像の出力が可能なプリンタであり、吐出する液体として例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色インクを用い、この色インクを、印刷用紙を始めとする被印刷体上に吐出してドットを形成することにより画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。なお、色インクとして、上記4色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、ダークイエロー(暗いイエロー、DY)を用いてもよい。
【0026】
図1に示すように、プリンタ2は、背面に給紙部130が備えられ、この給紙部から供給された印刷用紙等の被印刷体を前面から排出する構造であり、プリンタ2の前面には操作パネル110、排紙部120が備えられており、内部には使用者への報知手段をなすブザーが備えられている。
操作パネル110には、各種操作ボタン111、使用者に各種情報を報知するための表示ランプ112及び表示ディスプレイ113が設けられている。また、排紙部120には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー121が備えられ、給紙部130には、カット紙(図示しない)を保持する給紙ホルダ131が備えられている。
【0027】
図2はプリンタ内部の主要機構部を示す概略斜視図であり、図3はプリンタ内部の主要機構部の概略正面図である。また、図4はプリンタの制御回路の回路構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プリンタ2は、印刷機構部本体たるプリンタ本体11と、その幅方向(図中の左右方向)に往復動可能なキャリッジ12とを備えている。プリンタ本体11は、印刷用紙Pを搬送する紙送り機構と、キャリッジ12を動作させるためのキャリッジ機構を備えている。紙送り機構は、紙送りモータ15、紙送りローラ16及び図示しない他のローラを備えている。この紙送りモータ15の駆動により紙送りローラ16や図示しない他のローラが回転し、印刷用紙Pの搬送が行われる。
【0028】
キャリッジ機構は、紙送りローラ16の軸と平行に架設されたガイド部材20、キャリッジモータ21、一対のプーリ22間に張設されたタイミングベルト23を備えている。このキャリッジ機構により、タイミングベルト23に係合したキャリッジ12は、ガイド部材20に沿って印刷用紙Pの幅方向に移動可能となっている。
キャリッジ12には、印刷用紙Pにインク滴を吐出する吐出ヘッドとしての記録ヘッド30が設けられているとともに、例えばブラック、シアン、マゼンタ、イエロのそれぞれの色のインクが収容されたインクカートリッジ(以下、「カートリッジ」ともいう。)31、32、33、34が取り外し可能な状態で装着されている。キャリッジ12は、複数のカートリッジが着脱可能なカートリッジ装着部80(図5(b)参照)を有している。記録ヘッド30は、カートリッジ装着部80に装着されたカートリッジ31〜34から、インクの供給を受ける。
【0029】
更に、各カートリッジ31〜34には、それぞれの前面側に、アンテナ36、37、38、39、及び、各種の情報を書き込み可能な記憶媒体としての素子41、42、43、44を有する記憶ユニットが設けられている。素子41、42、43、44は、各種の情報が書き込み可能であって、かつ、書き込まれた情報を記憶可能なものである。また、これらの素子41、42、43、44は、不揮発性メモリ(EEPROM)を有しており、アンテナ36、37、38、39にそれぞれ接続している。これらのカートリッジ31〜34は、カートリッジ装着部80に対して着脱可能であり、インクが消費された場合、有効期限が過ぎた場合、他の色のカートリッジに変更したい場合等に、ユーザによって適宜交換される。なお、カートリッジ31〜34及び記憶ユニットの詳細については後述する。
【0030】
記録ヘッド30は、フラットケーブル13を介して、後述する制御回路50のヘッド駆動回路63に接続され、吐出されるインク滴の大きさなどが制御される。
【0031】
紙送りモータ15及び紙送りローラ16の間には、プラテン17が配置されている。このプラテン17の一端部(ここは非印刷領域になる)には、貫通孔17aが設けられている。この貫通孔17aの下方には、インク吸収材18が配置されており、このインク吸収材18は、プラテン17と平行に配置されている廃インクタンク19内に納められている。更に、プラテン17の他端部の側方には、公知のワイピング部材24と公知のキャッピング手段25とが設けられている。このキャッピング手段25は、吸引ポンプ26を介してインク吸収材18に接続されている。
【0032】
図3に示すように、上記プラテン17の貫通孔17aの上方には、送受信部45が設けられており、その送受信部45の中央には、書き込み部材としてのアンテナ60が設けられている。このアンテナ60は、記録ヘッド30のインク吐出口(図示しない)がプラテン17の貫通孔17aの上方の位置(以下、フラッシング位置という)に位置したときに、カートリッジ32のアンテナ37に対向し、アンテナ37と非接触状態にて送受信を行うように構成されている。また、この送受信部45のアンテナ60は、図示しないケーブル等を介して、後述する制御回路50に接続されている。
【0033】
=== 制御回路50の内部構造 ===
次に図4を参照してプリンタ2の制御回路50の内部構成について説明する。図4は本実施の形態に係るプリンタ2の制御回路50の内部構成を示したブロック図である。なお、同図中において、不揮発性メモリ41〜44の外側に仮想線で示したカートリッジ31〜34と、ヘッド30(K,C,M,Y)に隣接させて示したカートリッジ31〜34とは同一のものであり、ブロック図を描画する上での便宜上、重複して示したものである。
【0034】
図4に示すように、本発明の情報出力手段の機能を備えた制御回路50の内部には、表示手段としてのディスプレイ104を備えたホストコンピュータ100から供給された信号を受信するバッファメモリ51と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ2全体の動作を制御するシステムコントローラ(CPU)54と、プログラムを格納したリードオンリメモリ(ROM)55及びワーキングデータ等を一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)56とを備えている。システムコントローラ54には、さらに、キャリッジモータ21を駆動する主走査駆動回路61と、紙送りモータ15を駆動する副走査駆動回路62と、各色のインクを吐出する記録ヘッド30(K,C,M,Y)を駆動するヘッド駆動回路63と、インクの消費量を算出するための吐出履歴管理部74と、使用者への報知手段としての前記表示ランプ112,表示ディスプレイ113,ブザー70を制御する報知手段制御回路72、インクカートリッジに設けられた記憶ユニットとの送受信を制御する送受信回路501とが接続されている。
【0035】
吐出履歴管理部74には、記録ヘッド30(K,C,M,Y)の駆動信号に基づいて各インクカートリッジ31〜34のインクの消費量を算出する演算部76と、算出されたインク消費量を記憶するためのEEPROM58とが設けられている。例えば、キャリッジ12に搭載されたブラックインク吐出用の記録ヘッド30(K)の駆動によって、印刷や当該記録ヘッド30(K)のクリーニング等が行われてインクが消費される際には、吐出するインクで形成すべきドットの数を計測することで当該インク消費量を検知し、この消費量と初期充填量とから求められるインク残存量をEEPROM58のブラックインク用の領域Kに記憶するようになっている。
【0036】
ここで、吐出するインクで形成すべきドットは大・中・小等各種サイズのものになるが、その最小サイズのドットを消費量検知のためのドット数カウントの最小基準単位となして、大・中サイズのドットは小ドットの数に換算してドット数を計測するようになっている。なお、このドット数のカウントについては後述する“印刷動作におけるインク消費量測定処理”の欄にて更に詳しく説明する。
【0037】
また、キャリッジ12に搭載されたシアンインク吐出用の記録ヘッド30(C)、マゼンダインク吐出用の記録ヘッド30(M) 、及びイエローインク吐出用の記録ヘッド30(Y)から吐出されるインクの消費量も、同様にして、各々EEPROM58の各色インク用領域C,M,Yに、個別に、インクの残存量を記憶していくようになっている。これらの記憶は、プリンタの主電源をオフにした場合にも損なわれることがない。
【0038】
ホストコンピュータ100から転送された印刷データは、一旦、バッファメモリ51に蓄えられる。プリンタ2内では、システムコントローラ54が、バッファメモリ51から印刷データの中から必要な情報を読み取り、これに基づいて、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63に対して制御信号を送る。
【0039】
イメージバッファ52には、バッファメモリ51で受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動回路63は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて記録ヘッド30(K,C,M,Y)に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0040】
また、システムコントローラ54には、アンテナ60が送受信回路501を介して接続され、このアンテナ60及び各インクカートリッジに設けられたアンテナ36〜39を介して、各不揮発性メモリ41〜44に対してインクの属性データ等の入出力が行われる。
【0041】
===インクカートリッジおよびカートリッジ搭載部の構成===
このように構成されたインクジェットプリンタにおいて、インクカートリッジ31〜34の基本的な構造は共通する。そこで、図5および図6を参照して、黒用のインクカートリッジ31を例にとって、インクカートリッジの構造、およびこのカートリッジをプリンタ本体 に装着するための構造を説明する。
図5は、インクカートリッジおよびプリンタ本体 のカートリッジ装着部の概略構造を示す斜視図である。図6は、このインクカートリッジの内部構造、キャリッジ40上のカートリッジ装着部の内部構造、およびカートリッジ装着部にカートリッジを装着する様子を示す断面図である。
【0042】
図5において、インクカートリッジ31は、内部にインクを収容するインク収容部311を構成する合成樹脂製のカートリッジ本体312と、このカートリッジ本体312の前面枠部313に設けられた記憶ユニットとを備えている。この記憶ユニットは、インクカートリッジ31をプリンタ本体11のカートリッジ装着部80に装着したときに、プリンタ本体11との間で各種のデータを授受する。
【0043】
これに対して、カートリッジ装着部80には、インクカートリッジ31を装着する空間の底部87に針81が上向きに配置されている。この針81の周りは、インクカートリッジ31に形成されているインク供給部314を受け入れる凹部83になっている。この凹部83の内壁には、カートリッジガイド82が3箇所に形成されている。
【0044】
次に、カートリッジ装着部80に対してインクカートリッジ31を装着する手順を説明する。まず、カートリッジ装着部80にインクカートリッジ31を配置する。カートリッジ装着部80の後壁部88には、支持軸91を介して固定レバー92が取り付けられており、この固定レバー92をインクカートリッジ31に被さるように倒すと、インクカートリッジ31が下方に押されてインク供給部314が凹部83に嵌るとともに、針81がインク供給部314に突き刺さってインクの供給が可能になる。
【0045】
さらに、固定レバー92を倒すと、固定レバー92の先端に形成した係止部93がカートリッジ装着部80に形成した係合具89に係合し、インクカートリッジ31が固定される。
インクカートリッジ31の構造は、基本的には他のインクカートリッジでも同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
===記憶ユニットの構成===
次に、図7を参照して記憶ユニットの構成について、データの送受信構成を含めて説明する。図7(a)は、記憶ユニットの構成を示す平面透視図である。図7(b)は記憶ユニット及び送受信部45の内部構成を説明するためのブロック図である。
【0047】
記憶ユニットと送受信部45のアンテナ60とが所定の位置関係、例えば、相互距離が10mm以内、にあれば、互いに非接触状態にて、情報を送受信可能となっている。この記憶ユニットは、全体としてごく小型かつ薄型で、片面に粘着性を持たせてシールとして対象物に貼着させることもできる。メモリタグなどと呼ばれ、多種市販されているものである。なお、インクカートリッジ31以外のインクカートリッジの記憶ユニットも同様の構成であるので説明は省略する。
【0048】
記憶ユニットは、記憶媒体である素子41としての非接触ICチップと、金属皮膜をエッチングして形成された共振用コンデンサ71、及び、アンテナ36としての平面状コイルとがプラスチックフィルム上に実装され、透明なカバーシートにより被覆されている。
【0049】
送受信部45は、アンテナ60としてのコイルと、プリンタ本体11のシステムコントローラ(CPU)54に接続される送受信回路501とを有しており、プリンタ本体11の電源ユニットから、電力の供給を受ける。
【0050】
記憶ユニットの素子41は、整流器411、信号解析部RF(Radio Frequency)413、制御部415、メモリセル417を有している。メモリセル417は、NAND型フラッシュROMなど電気的に読み書き可能な不揮発性のメモリであり、書き込まれた情報を記憶しておくこと、及び、記憶した情報を外部から読み取ることが可能なものである。
【0051】
記憶ユニットのアンテナ36と、送受信部45のアンテナ60とは、互いに通信し合い、メモリセル417に保存されたID情報などの読み取りやメモリセル417への書込みを行う。また、送受信部45の送受信回路501で発生された高周波信号は、アンテナ60を介して高周波磁界として誘起される。この高周波磁界は、記憶ユニットのアンテナ36を介して吸収され、整流器411で整流されてICチップ41内の各回路を駆動する直流電力源となる。
【0052】
素子41のメモリセル417には、素子のシリアル番号など、記憶素子ごとに固有の情報、すなわちID情報が記憶されている。このID情報データは、記憶素子の工場製造時において、書込み処理されることとすればよい。このID情報をプリンタ10本体側の送受信部45で読み取ることによって、個々の素子41、42、43、44を識別することが可能になる。
【0053】
また、メモリセル417には、インクカートリッジに予め充填されているインクの初期充填量や消費量又は残存量等を示す、若しくはこれらに関する情報を書込むことができる。かかる情報をプリンタ本体11側で読み取り、インクの消費率あるいは残存率を報知したり、残存量が僅かになったときにユーザに対して警告を出すことなども可能である。
【0054】
また、メモリセル417には、インクカートリッジに対して消費量又は残存量を示す情報の書き込みタイミングを決定するための情報を書き込むことも可能である。インクカートリッジに対して消費量又は残存量を示す情報の書き込みタイミングを決定するための情報として、本実施の形態では、素子41が取り付けられるインクカートリッジ31に予め充填されるインクの初期充填量の判別情報を用いる。これにより、プリンタ本体11は、素子41から初期充填量の判別情報を取得して、例えば、初期充填量の1%を閾値に設定し、インクカートリッジ31のインクの吐出量の積算値がこの閾値に達した際に、消費量又は残存量を示す情報を素子41に書き込むよう構成することが可能となる。
【0055】
また、インクカートリッジに対して消費量又は残存量を示す情報の書き込みタイミングを決定するための情報として、素子41が取り付けられるインクカートリッジ31に予め充填されるインクの初期充填量に応じた閾値を示す閾値情報を用いてもよい。閾値情報は、例えば、インクの容量の1%等とすればよい。この場合には、プリンタ本体11は、素子41からこの閾値情報を読み込み、インクカートリッジ31のインクの吐出量の積算値が、この閾値に達した際に、消費量又は残存量を示す情報を素子41に書き込むよう構成することが可能となる。
【0056】
ここで、本実施形態では、上記インクの初期充填量の判別情報としては、当該初期充填量にて充填されたインクによって吐出することが可能な、吐出可能ドット総数(最小基準単位に換算したドット総数)が用いられている。即ち、当該吐出可能ドット総数がそのまま初期充填量の判別情報としてインクカートリッジの素子41に記憶されている。
【0057】
また、素子41のメモリセル417には、このような情報以外に、カートリッジを識別するための色データや、当該素子41が添付されるインクカートリッジの製造情報や、有効期限に関する情報などが含まれていてもよい。これらの情報をプリンタ本体11側で読み取り、現在日時との比較処理などを実行することによって、インクカートリッジの有効期限終了が近づいたときに、ユーザに対して警告を出すことなども可能である。
【0058】
===インクジェットプリンタの動作===
次に、上記のプリンタの動作について図8〜図10を参照しつつ説明する。 インクカートリッジ31〜34がキャリッジ12に装着されると、まずキャリッジ12は、フラッシング位置に向けて移動させられる。そして、カートリッジ31〜34に設けられた素子41〜44から、アンテナ36〜39及び送受信部45のアンテナ60を介して、各素子に記憶されたID情報がプリンタ本体11に読み取られる。まず、このID情報の読み取り処理について、図8を参照して説明する。
【0059】
<<< ID情報読み取り処理 >>>
図8は、送受信部45が、素子41〜44に記憶されたID情報を読み取る際の、キャリッジ12(及びインクカートリッジ31〜34)の動作シーケンスを示す図である。
【0060】
本実施形態の送受信部45に設けられたアンテナ60は、インクカートリッジ31〜34(及びそれぞれに設けられた素子41〜44)の素子配設面ほぼ2つ分に対向する大きさであり、アンテナ60が、ある素子とそれに隣接する素子とのちょうど中央に位置するようにキャリッジ12を停止させた場合は、それら両方の素子とデータ送受信することが可能である。送受信部45は、図の向かって左端、すなわち素子41から右端の素子44に向かって、順次ID情報の読み取りや書込み動作を行う。
【0061】
まず、送受信部45がいずれの素子41〜44にもアクセスしていない非アクセス状態(s100)では、キャリッジ12は、送受信部45が設けられている左側非印刷領域よりも遠く右方に位置しており、いずれのインクカートリッジの素子にもアクセスすることはできない。
【0062】
次に、インクカートリッジ31アクセス状態(s101)では、キャリッジ12が左側非印刷領域まで移動して、左端のインクカートリッジ31のみと送受信部45とがデータ送受信可能な位置に停止する。すなわち、送受信部45のアンテナ60の右端付近が、素子41の中央付近に対向するような位置であって、この位置では、送受信部45は、インクカートリッジ32の素子42とは遠すぎてデータ送受信することができないような位置である。この停止位置にて、まず素子41に記録されたID情報を読み取る。
【0063】
次に、キャリッジ12をインクカートリッジ1つ分左方に移動した所にて停止させ、インクカートリッジ32の素子42のID情報読み取りを実行する(s102)。この停止位置では、素子41ともアクセス可能なので、データの混信を防ぐために、素子42に対して送受信部45から送信するID情報読み取りコマンドに、既に読み取った素子41のID情報を随伴させる。この素子41のID情報を用いて、素子41及び42の側で識別を行うことにより、間違いなく素子42からのID情報を読み取ることができる。
【0064】
以降同様に、インクカートリッジ33、34の素子43、44の読み取り動作を順次行う(s103、s104)。素子44のID情報を読み取った(s104)後で、キャリッジ12を右側非印刷領域などの位置に戻し、本ID情報読み取り処理を終了する。
【0065】
以上で各素子41〜44のID情報を全て取得したので、プリンタ本体11側では、その配列を把握することができる。すなわち、最も左側には、素子41から読み取ったID情報に相当するインクカートリッジ31が配置されており、その右側に隣接する位置には素子42から読み取ったID情報に相当するインクカートリッジ32が配置されているといった様に、全インクカートリッジ31〜34のキャリッジ12内における配列順番が記憶されたことになる。
【0066】
<<< ID情報以外の情報の読み取り処理 >>>
次に、上記各ステップで把握されたID情報とインクカートリッジ31〜34の配列順番との関係に関する情報を利用することによって、素子41〜44に記録されているID情報以外の情報を読み取る動作について説明する。図9は、素子41〜44に記録されたID情報以外の情報を読み取る際の、キャリッジ12(及びインクカートリッジ31〜34)の動作シーケンスを示す図である。
【0067】
まず、送受信部45がいずれの素子41〜44にもアクセスしていない非アクセス状態(s200)では、キャリッジ12は、送受信部45が設けられている左側非印刷領域よりも遠く右方に位置しており、いずれのインクカートリッジ31〜34の素子41〜44ともアクセスすることはできない。
【0068】
次に、インクカートリッジ31及び32へのアクセス状態(s201)では、キャリッジ12が左側非印刷領域まで移動し、左端のインクカートリッジ31とそれに隣接するインクカートリッジ32とに対して、送受信部45がデータ送受信可能な位置に停止する。すなわち、送受信部45のアンテナ60の中央付近が、素子41と素子42の間付近に対向するような位置であって、この位置では、送受信部45は、インクカートリッジ31及び32の両方の素子41、42とデータ送受信することが可能である。
【0069】
この停止位置にて、素子41及び42に対し、それぞれデータ読み取りコマンドを送信する。その際、素子41に対しては、既に読み取られた素子41のID情報を随伴させる。このコマンドを受信した素子41は、随伴されたID情報が確かに素子41自身のID情報であることを確認した上で、要求されたID情報以外の情報を送受信部45に送り返す。素子42に対する読み取り処理も同様に行われる。
【0070】
次に、キャリッジ12をインクカートリッジ2つ分左方に移動した所にて停止させ、インクカートリッジ33及び34の素子43、44に対し、データ読み取りを実行する(s202)。この停止位置では、上記素子41、42に対する読み取り処理と同様に、素子43、44のID情報を用いてそれぞれの素子43、44を確実に識別しつつ、それぞれのID情報以外の情報を読み取る。
【0071】
このように、一度に2つの素子に対してアクセスできる位置にキャリッジ12を停止させつつ、ID情報以外の情報を読み取ることによって、キャリッジ12の移動・位置決め動作が2回で済む。素子1つ分ずつ移動・位置決めしつつ素子に記憶された情報を1つずつ読み取ることも可能であるが、本実施形態はそれよりも少ない移動・位置決め動作で済むので、読み取り処理全体にかかる時間を短縮することができ、より好ましい。
【0072】
以上の処理によって、インクカートリッジ毎の、カートリッジ装着部80に装着された時点での消費量(以下、「初期消費量」ともいう。)、インク色情報、有効期限情報、初期充填量の判別情報等の各種情報がプリンタ本体11に読み取られ、EEPROM58若しくはRAM56等に記憶される。ここで、初期充填量の判別情報は吐出可能ドット総数として与えられ、消費量の情報もドット数で与えられて、EEPROM58に記憶され、かつ吐出可能ドット総数から消費量ドット数を減算して得られる残存量ドット数もEEPROM58に記憶される。
以上の処理が終わると、キャリッジ12は、キャッピング手段25が設けられている位置に移動して、キャッピングされた状態で待機される。
【0073】
<<< 印刷処理の概要 >>>
印刷処理は、使用者によりホストコンピュータ100から入力された印刷指令に基づいて実行される。図11は、本実施形態におけるコンピュータシステムによる印刷処理の概要を示すフローチャートである。
ホストコンピュータ100から、使用者により印刷すべき画像データが指定されて印刷情報と共に印刷指令が入力されると(S100)、ホストコンピュータ100内のプリンタドライバ90aにより、印刷情報が読み取られる。印刷情報には、例えば、使用者によって指定された、光沢紙や普通紙などの印刷用紙の種類、高精細モードやはやいモードなどの印刷モード等が含まれている。これら印刷用紙の種類及び印刷モード等は、例えば図14に示すような印刷プロパティとしてディスプレー94の画面に表示され、マウス101aやキーボード101b等の入力装置101により任意に選択指定されることにより、印刷する画像における主走査及び副走査方向の解像度や、バンド送り方式や各種インターレース方式などの印刷方式が決定される。たとえば、使用者により普通紙が指定され、印刷モードとして、はやいモードが指定されると、バンド送り方式にて、主走査及び副走査方向の解像度はいずれも360dpiの解像度の画像が印刷される。また、たとえば、光沢紙が指定され、高精細モードが指定されると、所定のインターレース方式にて、主走査方向が1440dpi、副走査方向が720dpiの解像度の画像が印刷されることになる。
【0074】
ここでは印刷情報として、印刷用紙の種類として光沢紙が指定され、印刷モードとして高精細モードが指定された例について説明する。
入力された印刷情報により印刷する解像度の情報を取得すると(S101)、指定された画像データがプリンタドライバ90aに与えられ、この画像データを印刷する際に使用するインクの消費量をドット数で予測する予測処理が実行される(S102)。この予測処理については後述する。
【0075】
予測処理により、各色のインク消費量のドット数が予測されると、プリンタ2のEEPROM58に記憶されている各色毎のインク残存量ドット数を取得し(S103)、このインク残存量と予測したインク消費量とをドット数で比較し(S104)、残存量が多い場合には通常の印刷動作を実行する。すなわち、指定された画像データ(読み取った画像信号)がプリンタドライバ90aに与えられ、プリンタドライバ90aが備えるラスタライザでR(赤),G(緑),B(青)の3 原色に分解され、それぞれの色毎にラスタ変換されたRGBビットマップデータを得る。得られたRGBビットマップデータは、解像度がプリンタにて出力する解像度、主走査方向1440dpi、副走査方向720dpiの解像度に対応するように変換される。例えば、画像データが、主走査方向、副走査方向ともに360dpiの解像度で読み取られたビットマップデータの場合には、主走査方向及び副走査方向の各データ間を補完するデータを生成する解像度変換が実行される。解像度変換されたRGBビットマップデータは、印刷色に対応させるために色補正モジュールにて色補正処理が施され、K(ブラック),C(シアン),M(マゼンタ),およびY(イエロー)の印刷用のCMYKビットマップデータに変換される。さらに、CMYKビットマップデータを濃淡インク振分けテーブルによってCおよびMについてはC,cおよびM,mに振分けた上でハーフトーンモジュールにて、ディザ法や誤差拡散法等のハーフトーン処理を実行する。これにより色毎にビットマップ上の配置等が決定され、それぞれ2値のビットマップデータが作成される(S105)。
【0076】
この2値のビットマップデータは、制御信号と共にプリンタ2に送出される。プリンタ2では、2値のビットマップデータがバッファメモリ51に記憶され、システムコントローラ54の処理により、指定された印刷方式に対応すべくラスタライズ処理、ラスターロウ変換処理されてイメージバッファに展開される(S106,S107)。システムコントローラ54は、ホストコンピュータ100の制御信号に基づいて、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62,及び、ヘッド駆動回路63を制御してイメージバッファのデータに基づいて各色用記録ヘッドに所定の種類のドットを吐出させる(S108)。このとき、システムコントローラ54は、ヘッド駆動回路63のヘッド駆動信号に基づいて、吐出したインクの消費量の情報をドット数で測定する。インクの測定方法については後述する。
【0077】
一方、プリンタ2のEEPROM58に記憶されている各色毎のインク残存量ドット数と予測したインク消費量ドット数とを比較した結果、残存量の方が少ない場合には、その事象、及び、印刷の中止を促すか、又は印刷方式の変更を促すメッセージ等の表示を、プリンタ2の表示ディスプレイ113に表示したり、プリンタ2の表示ランプ112、ブザー70等により、使用者に報知する。または、ホストコンピュータ100のディスプレイ104に、図14に示すような印刷プロパティ画面にして表示する(S109,S110)。この報知に対し、使用者から印刷方式が指定され印刷処理を継続する旨の指令が入力されると、指定された印刷方式に基づいて印刷処理が実行される(S105〜S108)。
【0078】
<<< 印刷に使用するインク消費量予測処理 >>>
図12は、本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク消費量予測処理を示すフローチャートである。
インクの消費量を予測する予測処理では、インク消費量を予測するための予測用ビットマップデータを用いる。
予測処理では、まず指定された画像データをプリンタドライバ90aのラスタライザでR(赤),G(緑),B(青)の3原色に分解しRGBビットマップデータを得る(S200)。
【0079】
次に、取得したRGBビットマップデータの解像度と、前記印刷処理にて取得した印刷画像解像度とを比較する(S201)。ここで、予測用のビットマップデータは、印刷して得られる画像の解像度(以下、印刷画像解像度という)より低い解像度とするため、指定された印刷すべき画像の解像度(以下、元データ解像度という)が、印刷画像解像度より高い場合にはデータを間引くなどの処理を施して低解像度化する(S202)。
【0080】
上述したように本実施形態では、元データ解像度が主走査方向、副走査方向ともに360dpiであるため、データの低解像度化は行わないが、さらに低解像度のデータを生成しても良い。
【0081】
低解像度のRGBビットマップデータは、上述した方法により色補正モジュールにて色補正処理が施されて、印刷用のCMYKビットマップデータに変換される(S203)。さらに、濃淡インク振分けされた上でハーフトーンモジュールにて、ディザ法や誤差拡散法等のハーフトーン処理を実行する(S204)。これにより、主走査方向、副走査方向ともに360dpiの解像度を有し、色毎に2 値のビットマップデータが作成される。
【0082】
このビットマップデータでは、ビットマップの配置によって形成されるドットのサイズが大ドット、中ドット、小ドットの3種類のサイズを有するドットで表されている。
【0083】
そして、プリンタドライバ90aの処理により、各色のビットマップデータに存在する大ドット、中ドット、小ドットの数がカウントされ、各ドットのサイズに応じて最小基準単位に換算したドット数に変換されて累積加算されて、メモリに記憶される(S205)。即ち、例えば小ドットを形成するために使用するインクの重量値が100ng、中ドットを形成するために使用するインクの重量値が200ng、大ドットを形成するために使用するインクの重量値が300ngである場合には、大ドットについては3が、中ドットについては2が、小ドットについては1がそれぞれ乗ぜられることで、カウントした各サイズのドットの数が各色毎に最小基準単位のドット数に換算されて累積加算され、その積算値が360dpiの解像度に対応するインク消費量として算出されてメモリに記憶される。
【0084】
この360dpiの解像度に対応するインク消費量には、後述する変換係数αが乗算されて、印刷画像解像度、即ち主走査方向1440dpi、副走査方向720dpiの解像度に相当するインク消費量に変換されてインク消費量の予測値が算出される(S206)。
【0085】
変換係数αは、低い解像度のデータに基づいて求めたインクの消費量と、この求めたインクの消費量を印刷画像解像度に対応した消費量に変換するための係数であり、複数の元データ解像度と、プリンタ2にて印刷可能な印刷画像解像度と対応づけられており、ホストコンピュータ100のメモリに各々の解像度と対応づけられた複数の変換係数αが記憶されている。
【0086】
この変換係数αは、同一の画像に対し、元データ解像度となり得る解像度、および印刷画像解像度となり得る解像度との異なる解像度にて印刷した際に、単位面積あたりに吐出されるインク量(以下、インク密度とする)の比を示したものであり、次式にて表される。
【0087】
<<<印刷動作におけるインク消費量測定処理>>>
図13は、本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク消費量の測定処理を示すフローチャートである。
逐次に行われる印刷動作において消費されたインク消費量の測定処理は、プリンタ2の吐出履歴管理部74の演算部76にて、上述したようにヘッド駆動回路63のヘッド駆動信号に基づいて実行され、吐出するインクで形成すべきドットの数が各インクの色毎にカウントされ(S302)、そのカウント値が、演算部76に備えられたメモリ76aのアドレス(b)に記憶されるようになっている(S303)。
【0088】
本実施形態のプリンタ2は、上述したように画像データに基づいて、大ドット、中ドット、小ドットの3種類のドットサイズを有しているので、いずれのドットであるかにより、印刷した1ドットに対して消費されるインクの重量は異なる。すなわち、各サイズのドットの重量をそれぞれ、小ドットを形成するために使用するインクの重量値が100ng、中ドットを形成するために使用するインクの重量値が200ng、大ドットを形成するために使用するインクの重量値が300ngとしてあるので、小ドット1つ分をドット数カウント計測のための最小基準単位となして、小ドット1つにつき1をカウントし、中ドット1つにつき2をカウントし、大ドット1つにつき3をカウントして累積カウント値を計測していき、このドットの数の累積カウント値を暫定的なインクの消費量の情報として代替し、メモリ76aのアドレス(b)に記憶する。
【0089】
そして、EEPROM58に記憶された各色インク毎における印刷処理実行前のインク残存量を示すドット数(=吐出可能ドット総数−初期消費量のドット数)が、印刷処理の実行(S301)後に、吐出履歴管理部74の演算部76により読み取られ(S304)、演算部76内のメモリのアドレス(a)に記憶される(S305)。演算部76は、アドレス(a)に記憶された値からアドレス(b)に記憶された値を減算する(S306)。減算により得られた値を印刷後のインク残存量を示すドット数として、所定の記憶装置に随時参照可能な状態に記憶する。例えば、EEPROM58 の各色毎に分けられたの領域の一部に書き戻しておけば、プリンタの主電源切断後も、この値は保存される(S307 )。
【0090】
<<< フラッシング及び消費量・残存量書き込み処理 >>>
システムコントローラ54は、キャリッジ12がガイド部材20に沿って所定回数往復した後、キャリッジ12を、左側非印刷領域に位置するフラッシング位置まで移動させ、そこで、キャリッジ機構に信号を与えて、記録ヘッド30からインクを所定量吐出させ、いわゆるフラッシング動作を行わせる。このフラッシング動作は、記録ヘッド30が有するインク吐出ノズルの目詰まり等を防止ずること等を目的としてなされる動作である。
【0091】
同時に、システムコントローラ54は、EEPROM58のデータから最もインク消費量が多いカートリッジを選択する。このときまでに、各カートリッジ31〜34に収容されているインクの消費量、すなわち、インク吐出量を示す消費量ドット数の積算結果としての積算値が、例えば図10に示すようにそれぞれ4、6、3、1であった場合には、最も消費量の多いカートリッジ32が選択される。
【0092】
そして、アンテナ37とアンテナ60とが信号を送受信可能な位置関係にない場合には、システムコントローラ54は、キャリッジ12をガイド部材20に沿って移動させ、アンテナ60、アンテナ37を介して、カートリッジ32の素子(不揮発性メモリ)42に、この時のインクの消費量のドット数に初期消費量ドット数を加算した値を、最新のインク消費量を示す初期消費量ドット数として書き込んで更新する。また、EEPROM58に記憶された初期消費量のドット数を、この時のインクの消費量に当該初期消費量のドット数を加算した値に更新する。このとき、システムコントローラ54は、図10において「1回目のフラッシング後」として示されているように、EEPROM58に記憶されている、カートリッジ32についての消費量のドット数データをリセットする。すなわち、カートリッジ32についての積算値をリセットする。
【0093】
このような動作を終えると、システムコントローラ54は、再びキャリッジ機構に信号を与えて、印刷の続きを行う。そして、この印刷中におけるインクの消費量は、EEPROM58に蓄積される。
【0094】
なお、このインクの消費量のドット数には、前回のフラッシング動作で使用したインクの量のドット数も含まれている。そして、キャリッジ12が所定回数往復した後、再びキャリッジ12をフラッシング位置まで移動させ、フラッシング動作を行わせる。例えば、図10に「2回目のフラッシング前」として記載しているように、このときまでに各インクの消費量のドット数が9、6、5、3となっている場合には、最も消費量が多かったカートリッジ31をシステムコントローラ54が選択する。
【0095】
そして、アンテナ36とアンテナ60とが信号を送受信可能な位置関係にない場合には、システムコントローラ54は、キャリッジ12をガイド部材20に沿って移動させ、アンテナ60、36を介して素子(不揮発性メモリ)41に、この時のインク消費量のドット数に初期消費量ドット数を加算した値を、消費量を示す情報として書き込む。また、EEPROM58に記憶された初期消費量ドット数を、この時のインクの消費量のドット数に初期消費量ドット数を加算した値に更新する。また、EEPROM58に記憶されている、カートリッジ31についての消費量をリセットする。なお、1回目のフラッシング動作から2回目のフラッシング動作前までに消費した各カートリッジ31〜34のインク消費量のドット数は、5、6、2、2である。
【0096】
以上のように、インクジェットプリンタは、カートリッジ装着部80とともに移動しながらインクを吐出する記録ヘッド30を有し、記録ヘッド30から定期的にインクを吐出するフラッシング動作を実行し、書き込み部材たるアンテナ60は、フラッシング動作と関連付けて、選択されたカートリッジに備えられた素子に消費量を示す情報を書き込む。詳しくは、印刷中に、吐出履歴管理部は、各カートリッジ31〜34に収容されたインクの消費量のドット数を積算し、EEPROM58に格納する。そして、システムコントローラ54は、印刷中のキャリッジが所定回数往復する度に、フラッシング動作を行わせ、最もインク消費量が多いと判断したカートリッジ31〜34の素子41〜44にそのインクの消費量を示す情報(ドット数)を書き込む。
【0097】
そして、その書き込んだ素子41〜44のそれぞれが設けられているカートリッジ31〜34の、EEPROM58に記憶されているインクの消費量のドット数をリセットする。
【0098】
なお、印刷が複数枚にわたるときには、各頁の印刷が終了する毎にも、キャリッジ12をフラッシング位置に移動させて、各インクカートリッジのインクの消費量の多い順で、素子41〜44に情報を書き込むとともに、EEPROM58に記憶されているインクの消費量のドット数をリセットする。
【0099】
また、各素子41〜44に対して書き込みを行う際には、再度のID読み取り動作を実行することなく、素子に向けてデータ書き込みコマンドが送信される。その際、各素子41〜44に対しては、既に読み取られた各素子のID情報を随伴させる。このコマンドを受信した素子は、随伴されたID情報が確かに素子自身のID情報であることを確認した上で、要求されたID情報以外の情報を送受信部45に送り返す。
【0100】
書き込み部材たるアンテナ60は、読み取ったID情報によって各素子を識別しつつ、カートリッジ装着部80に装着されたインクカートリッジに備えられた各素子に情報を書き込むから、誤って他の素子に情報を書き込んでしまうことを防止しつつ、迅速に書き込みを実行することが可能となる。
【0101】
また、素子への書き込みは、キャリッジ12が停止した状態で行ってもよいし、キャリッジ12が移動している状態で行ってもよい。
また、短時間に情報を書き込むという観点から、素子に消費量を示す情報を書き込む際には、複数の情報のうち、消費量又は残存量を示す情報のみを書き込むことが好ましい。
【0102】
<<< インク量情報の出力処理 >>>
図15は、本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク量情報の出力処理を示すフローチャートであり、プリンター2の電源が投入されると当該フローチャートに示す制御内容が繰り返し行われることになる。
【0103】
即ち、電源が投入されると、装着されている各インクカートリッジ31〜34の不揮発性メモリ41〜44と通信して前述したID情報の読み取り処理とID情報以外の情報読み取り処理とが行なわれて、各インクカートリッジ31〜34のID情報、並びにインクの初期充填量の判別情報,インク消費量情報,インク残量情報等のID情報以外の情報が取得されると共に(S401)、EEPROM58に記憶されている各カートリッジのID情報とこのID情報以外の情報とが取得され(S402)、カートリッジ31〜34から取得した情報とEEPROMに記憶されている情報とが一致しているか否かが判断される(S403)。そして、各カートリッジの個別毎の情報の内容が一致していれば、カートリッジの交換は行われていないと判断して、EEPROM58からこれに記憶された各カートリッジの初期充填量の情報を示す吐出可能ドット総数を取得するとともに(S405)、インク残存量ドット数を取得し(S406)、これら初期充填量を示す情報の吐出可能ドット総数とインク残存量ドット数とからインク残存率を示す情報が下式より算出される(S407)。
【0104】
インク残存率=(インク残存量のドット数/吐出可能ドット総数)×100
そして、インク残存率を示す情報が算出されると、このインク残存率を示す情報は報知手段制御回路72とホストコンピュータ90とに出力される(S408)。
【0105】
なお、本実施形態では、既述したように、上記インク残存量ドット数は、初期充填量の情報を示す吐出可能ドット総数からインクの初期消費量ドット数を減算して算出されて、予めEEPROM58に記憶されており、この初期消費量ドット数は、印刷及びフラッシング動作が行われる度に、その新たに消費されたインク消費量がドット数で検出されて逐次に加算更新され、また、各カートリッジの不揮発性メモリ41〜44に対しても初期消費量ドット数と残存量ドット数とが逐次更新記録されていくようになっている。
【0106】
一方、上記S403での判断で、各カートリッジの不揮発性メモリ41〜44に記憶された情報とEEPROM58に記憶された情報との内容が一致しておらず、それらの間のID情報に相違があった場合には、ID情報に相違があるカートリッジは交換装着されたものと判定して、当該交換されたカートリッジから読みとったID情報、並びにID情報以外の情報とをEEPROMに更新して記録した後(S404)、上述のS405に進んで、以降、同一の制御が行われる。
【0107】
ここで、上記交換されたカートリッジが未使用の新品であれば、インクの初期消費量の情報を示すドット数は0になっているとともに、インクの残存量の情報を示すドット数は初期充填量の情報を示す吐出可能ドット総数と同じ値になっている。また、交換されたカートリッジが使いかけのもので、一時的に取り外されたものであれば、インクの初期消費量の情報を示すドット数と、インクの残存量の情報を示すドット数とは、共にその外された時点で記録されていた値になっている。
【0108】
一方、インクの残存率を示す情報を取得した報知手段制御回路72は、当該残存率を示す情報に基づいて、報知手段の表示ディスプレイ113にインクの残存率を%表示する。同じく、インクの残存率を示す情報を取得したホストコンピュータ90は、プリンタドライバー90aによって、ディスプレー94上に例えば図14に示すように表示される印刷プロパティ画面中のインク残量項目に、当該残存率を示す情報を反映させて、各色の残存率を%表示する。この図示例では、黒は75%、シアンは50%、マゼンダは32%、イエローは63%となっている。
【0109】
従って、以上のような本実施形態のインクジェットプリンタ2では、交換装着されるインクカートリッジが未使用の新品であれば、その容量、つまり初期充填量の大小に拘わらず、吐出可能ドット総数とインクの残存量ドット数とは同じになっているから、これらから算出されるインクの残存率を示す情報は全て同一となり、使用者に対してインクカートリッジ装着直後の残存率を、初期充填量を基準にして100%と正確に報知することができる。このため、例えば最大容量のインクカートリッジに対して、その初期充填量が半分の小容量のインクカートリッジを未使用の新品状態で装着しても、従来のようにインク残存量が50%と表示されてしまうことがなく、もって、インク残存量の報知に関して、使用者に不快感を与えてしまうようなことがなくなる。
【0110】
また、インクカートリッジに記憶媒体の素子を設けて、当該素子に初期充填量の判別情報だけでなく、個々のインクカートリッジのID情報や、既知のインク消費量の情報,インク残存量の情報等のID情報以外の情報も付帯させて記憶させることにより、インクカートリッジを使用途中で一時的に取り外して後に再装着した場合でも、個々のインクカートリッジのインク残存率を示す情報を正確に出力して表示できるようになる。さらには、当該インクカートリッジを異なるインクジェットプリンタに装着して使用した場合でも、その内部のインクの消費率あるいは残存率を示す情報を正確に出力することが可能となる。
【0111】
さらに、初期充填量の判別情報として、予め充填されるインク量にて吐出することが可能な、最小基準単位のドット総数を用いるとともに、インク消費量を示す情報やインク残存量を示す情報もドット数を用いることで、これらインク消費量やインク残存量、およびインクの消費率,残存率等を示す情報の算出・生成が簡易に行えるようになるばかりか、これらの情報の管理も容易になる。
【0112】
ここで、本発明に係る液体吐出装置の制御装置をインクジェットプリンタに適用した本実施形態にあっては、例えば以下の様に変形が可能である。
上記の実施形態では、インクカートリッジの初期充填量を示す情報とインクの消費量を示す情報とから、インクの残存量を示す情報を算出して、当該インクの残存率を示す情報を生成するようにしているが、インクの消費率を生成するようにすることも可能である。
【0113】
上記の実施形態では、液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として吐出可能ドット総数を用いて記憶させているが、これに代えて、各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報を予め記憶させるとともに、情報出力手段には該型番に対応する吐出可能ドット総数を記憶させる構成としても良い。このような構成としても上記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0114】
上記の実施形態では、液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として吐出可能ドット総数を用いて記憶させているが、これに代えて、初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数が記憶されているとともに、前記情報出力手段には全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数を記憶させ、情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した該液体量補正係数と該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得する構成としても良い。このような構成としても上記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0115】
上記の実施形態では、液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として吐出可能ドット総数を用いて記憶させているが、これに代えて、液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報を予め記憶させ、情報出力手段には、全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数と各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数を記憶させ、該情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した型番に応じた該液体量補正係数と、該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得する構成としても良い。このような構成としても上記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0116】
以上の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法、プログラム、記憶媒体、コンピュータシステム、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、記録装置等の開示が含まれていることは言うまでもない。
【0117】
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べるような実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0118】
上記の実施形態においては、プリンタ2が、ホストコンピュータ100と接続されてコンピュータシステムを印刷装置とした構成を例に説明したが、これに限られるものではない。例えば、プリンタ2が、指定された画像データを印刷データとなるCMYKビットマップデータに変換可能であり、かつ、インク消費量を予測可能な構成であれば、プリンタ単体であっても構わない。この場合には、プリンタ2が、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0119】
上記の実施形態では、素子として、非接触ICチップを用いたが、情報を記憶可能なものであればこのような構成に限定されるものではなく、例えば、アンテナ等と一体化されたものであってもよい。
【0120】
インクカートリッジは、インクが収容可能な構成であり、かつ、印刷装置本体に対して着脱可能なものであればよく、例えば、インク収容部の他に、インク吐出ヘッド等を更に有するものであってもよい。
【0121】
素子をインクカートリッジに取り付ける位置は、インクカートリッジの前面に限らず、任意の位置であってよく、その取り付け方法も、接着、圧入等種々の方法であってよい。
【0122】
インクの吐出量をインクカートリッジ毎に積算する吐出履歴管理部は、CPU及びこれに読み込まれたプログラムに限らず、積算専用の電子回路によって実現することも可能である。
【0123】
素子への情報の書き込みは、非接触状態にて行うことが好ましいが、接触状態にて行ってもよい。
【0124】
書き込み部材たるプリンタ本体側アンテナの位置は、各実施の形態に示した位置(左側非印刷領域)に限らず、例えば、右側非印刷領域であってもよい。
【0125】
吐出履歴管理部の積算結果に基づく選択は、CPU及びこれに読み込まれたプログラムに限らず、かかる選択を行うための専用の電子回路によって実現することも可能である。
【0126】
吐出履歴管理部の積算結果に基づく選択は、一つのインクカートリッジの選択に限らず、複数のインクカートリッジの選択であってもよい。例えば、積算値の最も大きいもの、及び、次に大きいものを選択してもよい。
【0127】
素子に消費量を示す情報を書き込む代わりに、残存量を示す情報を書き込んでもよい。また、消費量又は残存量を示す情報を書き込む構成であればよく、書き込まれる情報は、消費量又は残存量自体である必要はなく、例えば、何%使用されたかという情報等、消費量又は残存量が直接的又は間接的に把握できる情報であればよい。
【0128】
素子に消費量又は残存量を書き込んだ際には、RAM内の、選択されたインクカートリッジに対する積算値をリセットすることが好ましいが、リセットせずに、積算値から所定値を減じてもよく、又は、積算値を所定値で除してもよい。
【0129】
前述の実施形態に係るインクジェットプリンタと、コンピュータ本体、必要に応じて、CRT等の表示装置、マウスやキーボード等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、CD−ROMドライブ装置等を備えたコンピュータシステムも実現可能であり、このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【0130】
また、前述の実施形態に係るインクジェットプリンタに、コンピュータ本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能又は機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンタが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を有する構成としてもよい。
【0131】
また、上記各実施の形態では、印刷装置としてインクジェットプリンタを用いたが、例えば、インクジェット方式を用いた複写機、ファクシミリ、捺染機等に適用しても良い。
【0132】
本明細書及び添付図面により様々な発明構成要素が開示されているが、印刷装置については、インクカートリッジが着脱可能であること、及び、装着した状態で当該インクカートリッジの初期充填量の判別情報が取得可能であることが必須構成要素であり、インクカートリッジについては、記憶媒体が備えられているか否かは問わない。即ち、例えばインクカートリッジに初期充填量の判別情報を示す突起や凹部等を検出可能に形成しておいて、装着状態において当該突起や凹部を検出することで、初期充填量の判別情報を取得するようにしても良い。これらの必須構成要素に、他の構成要素を、それぞれ任意に組み合わせて、又は、単独で付加することによって様々な発明が成立することは勿論である。
【0133】
===その他の実施の形態===
<液体吐出装置について>
前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などに、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、液体消費量や残存量の管理の容易化、管理精度の向上を図ることができる。
【0134】
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出する場合においても、液体消費量や残存量の管理の容易化、管理精度の向上を図ることができる。
【0135】
<液体について>
また、前述の実施形態においては、プリンタをインクジェットプリンタとし、液体のインクを記録材として用いる例を示したが、本発明の制御装置はこのような液体のインクに限ることなく、例えばレーザビームプリンタにて記録剤として用いられているトナーにも適用することが可能である。そして、当該トナーの場合にあっても、初期充填量が大小異なる各種の記録材カートリッジのいずれのものをレーザービームプリンターに選択的に装着しても、その装着した記録材カートリッジの初期充填量を基準にして、記録材の消費率あるいは残存率の情報を正確に出力することが可能となり、記録材残存量の報知に関して使用者に不快感を与えてしまうことを防止することができるようになる。
【0136】
【発明の効果】
本発明によれば、初期充填量が異なる各種の液体カートリッジが選択的に交換装着されても、その消費率あるいは残存率に関する情報を、その交換装着されたカートリッジの初期充填量を基準として正確に管理することができる、液体吐出装置の制御装置、及び、制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の一例におけるインクジェットプリンタの概略斜視図。
【図2】実施の形態の一例におけるプリンタ内部の主要機構部を示す概略斜視図である。
【図3】実施の形態の一例におけプリンタ内部の主要機構部の概略正面図である。
【図4】実施の形態の一例におけるプリンタの制御回路の回路構成を示したブロック図である。
【図5】インクカートリッジおよびプリンタ本体11のカートリッジ装着部の概略構造を示す斜視図。
【図6】インクカートリッジの内部構造、キャリッジ40上のカートリッジ装着部の内部構造、およびカートリッジ装着部にカートリッジを装着する様子を示す断面図である。
【図7】記憶ユニットの構成を説明するための図である。
【図8】送受信部45が、素子41〜44に記憶されたID情報を読み取る際の、キャリッジ12(及びインクカートリッジ31〜34)の動作シーケンスを示す図である。
【図9】素子41〜44に記録されたID情報以外の情報を読み取る際の、キャリッジ12(及びインクカートリッジ31〜34)の動作シーケンスを示す図である。
【図10】RAM内部における情報の変化を説明するための、一実施形態に係る説明図。
【図11】一実施形態におけるコンピュータシステムによる印刷処理の概要を示すフローチャートである。
【図12】一実施形態におけるコンピュータシステムによるインク消費量予測処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク消費量の測定処理を示すフローチャートである。
【図14】ホストコンピュータに接続されたモニター画面に表示されたプリンタドライバのユーザーインターフェースを示す説明図である。
【図15】本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク量情報の出力処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
P 印刷用紙
1 コンピュータシステム(印刷装置)
2 インクジェットプリンタ
11 プリンタ本体
12 キャリッジ
15 紙送りモータ
16 紙送りローラ
17 プラテン
17a 貫通孔
18 インク吸収材
19 廃インクタンク
20 ガイド部材
21 キャリッジモータ
22 プーリ
23 タイミングベルト
24 ワイピング部材
25 キャッピング手段
26 吸引ポンプ
30 記録ヘッド
31、32、33、34 カートリッジ
36、37、38、39 アンテナ
41、42、43、44 情報記録媒体としての不揮発性メモリ
45 送受信部
46、47、48、49、60 書き込み部材としてのアンテナ
50 制御回路
51 バッファメモリ
52 イメージバッファ
55 リードオンリメモリ(ROM)
56 ランダムアクセスメモリ(RAM)
55 コンピュータ
56 表示部
57 キーボード
60 アンテナ
71 共振用コンデンサ
80 カートリッジ装着部
81 針
82 カートリッジガイド
83 凹部
87 底部
88 後壁部
89 係合具
91 支持軸
92 固定レバー
93 係止部
100 ホストコンピュータ
101 入力装置
101a マウス
101b キーボード
102 読みとり装置
103 コンピュータ本体
104 モニター
110 操作パネル
111 操作ボタン
112 表示ランプ
113 表示ディスプレイ
120 排紙部
121 排紙トレー
130 給紙部
131 給紙ホルダ
311 インク収容部
312 カートリッジ本体
313 前面枠部
314 インク供給部
411 整流器
413 信号解析部RF(Radio Frequency)
415 制御部
417 メモリセル
501 送受信回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出装置の制御装置、及び、制御方法に関する。特に、複数種類の液体カートリッジに着脱交換可能な液体吐出装置の制御装置、及び、制御方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
液体吐出装置の代表的なものとして、インクを吐出するインクジェット式の印刷装置が良く知られているが、その一形態として、頻繁に印刷作業を行うヘビー・ユーザー向けの大容量インクカートリッジや、あまり印刷作業を行わないライト・ユーザー向けの小容量インクカートリッジ等の各種容量の異なるインクカートリッジを消耗品として用意して、これらの容量のなる複数種のインクカートリッジを選択的に着脱交換可能にした印刷装置がある。各インクカートリッジにはそれぞれ所定量のインクが初期充填されて収容されており、印刷装置は、装着されたインクカートリッジからインクの供給を受けて、印刷動作を実行する。
【0003】
このような印刷装置にあっては、印刷中にインクカートリッジに収容されたインクがなくなって印刷処理が中断することを回避する必要があるため、印刷装置本体に設けられた制御部で、インクの消費量又は残存量を管理するようにしている。つまり、当該制御部は装着されたインクカートリッジからインクの初期充填量の情報を取得するとともに印刷時に消費したインクの消費量を計測して、そのインクの消費率あるいは残存率等のインク量を示す情報を出力し、インク量の情報を表示部にて表示可能となしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来にあっては、最も大容量のインクカートリッジを基準にして、消費率あるいは残存率を示す情報を算出して出力するようにしていたため、小容量のインクカートリッジが装着された場合には、例え未使用の新品のインクカートリッジであっても、表示部にて表示されるインク量の情報は、残存率100%あるいは消費率0%とは表示されなかった。即ち、初期充填量が例えば基準とされる最大容量のインクカートリッジの半分に設定されたインクカートリッジであると、未使用であるにも拘わらず、その交換後に表示されるインク量の情報は、残存率あるいは消費率が50%と表示されてしまうものであった。このため、小容量のインクカートリッジを装着したユーザーが不快感を覚えてしまうといった課題があった。
【0005】
本発明は、かかる例示としての課題に着目してなされたものであり、その目的は、初期充填量が異なる各種の液体カートリッジに交換装着されても、その消費率あるいは残存率の情報を、その交換装着された液体カートリッジの初期充填量を基準とした正確な情報に管理することができる液体吐出装置の制御装置、及び、制御方法を提供することにある。
【0006】
本発明の上記以外の目的、及び、その特徴とするところは、添付図面を参照しつつ本明細書の記載によって明らかとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための主たる本発明は、初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御に用いられる制御装置において、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置である。
【0008】
また、他の主たる本発明は、初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御方法において、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御方法である。
【0009】
さらに、他の主たる本発明は 、初期充填量の大小異なる複数種の記録材カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された記録材カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した記録材消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と記録材消費量とに基づいて記録材の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた記録装置の制御に用いられる制御装置において、該情報出力手段は、未使用の記録材カートリッジが装着された場合には、該記録材カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
=== 開示の概要 ===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御に用いられる制御装置において、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置。
【0011】
かかる制御装置によれば、液体吐出装置に交換装着される液体カートリッジとして、初期充填量が大小異なる複数種のものが選択的に交換可能に用意されていても、装着された液体カートリッジからその初期充填量の判別情報を取得して当該初期充填量を判別し、この初期充填量と検知した液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力するから、初期充填量が大小異なる各種の液体カートリッジのいずれのものが選択的に装着されても、その装着された液体カートリッジの初期充填量を基準にして、液体の消費率あるいは残存率の情報を正確に出力することが可能となる。このため、例えば最大容量のインクカートリッジに対して、その初期充填量が半分の小容量のインクカートリッジを未使用の新品状態で装着しても、従来のようにインク残存量が50%と表示されてしまうことがなく、インク残存量の報知に関して使用者に不快感を与えてしまうことを防止することができるようになる。
【0012】
さらに、かかる制御装置において、前記複数種の液体カートリッジには各々の種別に応じた前記初期充填量の判別情報を記憶する記憶媒体が取り付けられており、前記情報出力手段は、検知した液体消費量と前記記憶媒体から取得した初期充填量の判別情報とを用いて、前記消費率あるいは残存率を示す情報を出力することこととしてもよい。
かかる制御装置によれば、液体カートリッジに記憶媒体を設けて、当該記憶媒体に初期充填量の判別情報だけでなく、個々の液体カートリッジのID情報や、液体の消費量や残存量の情報等のID情報以外の情報も付帯させて記憶させておくことが容易にできるようになり、もって液体カートリッジを使用途中で一時的に取り外した場合でも、個々の液体カートリッジの液体消費や残存率を示す情報を絶えず正確に出力して表示することが可能になる。
【0013】
さらに、かかる制御装置において、前記情報出力手段は前記液体消費量を、吐出する液体で形成すべきドットの数を計測することにより検知するとともに、前記初期充填量の判別情報に基づいて初期充填量を吐出可能ドット総数として取得し、該検知したドットの数と該吐出可能ドット総数とから前記消費率あるいは残存率を示す情報を算出して出力することとしても良い。
かかる制御装置によれば、液体消費量を、吐出する液体で形成すべきドットの数を計測することによって簡易にしかも正確に検知することができるとともに、初期充填量の判別情報に基づいて当該初期充填量を、予め充填される液体量にて吐出することが可能な、吐出可能ドット総数として取得するから、液体消費量や液体残存量、および液体の消費率・残存率等を示す情報の算出・生成をドット数によって簡易に行えるようになるばかりか、これらの情報の管理も容易になる。
【0014】
さらに、かかる制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの種別に対応した吐出可能ドット総数が予め記憶されていることとしても良い。
かかる制御装置によれば、各種の液体カートリッジにおける液体の初期充填量の判別情報が、当該各種液体カートリッジに予め充填される液体の初期充填量にて吐出可能なドット総数として液体カートリッジの記憶媒体に直接記憶されているから、液体消費量や液体残存量、および液体の消費率・残存率等を示す情報の算出・生成、並びにこれらの情報の管理がさらに容易行えるようになる。
【0015】
さらに、かかる制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報が予め記憶されているとともに、前記情報出力手段には該型番に対応する吐出可能ドット総数が記憶されていることとしても良い。
かかる制御装置によっても、上記と同様の作用効果を得ることがことが可能となる。
【0016】
さらに、かかる制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数が記憶されているとともに、前記情報出力手段には全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数が記憶されており、該情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した該液体量補正係数と該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得することとしても良い。
かかる制御装置によっても上記と同様の作用効果を得ることがことが可能となる。
【0017】
さらに、かかる制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報が予め記憶されているとともに、前記情報出力手段には、全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数と各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数が記憶されており、該情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した型番に応じた該液体量補正係数と、該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得することとしても良い。
かかる制御装置によっても、上記と同様の作用効果を得ることがことが可能となる。
【0018】
さらに、かかる制御装置において、前記液体吐出装置がプリンターであり、前記液体カートリッジがインクカートリッジであることとなし得る。
かかる制御装置によれば、インクジェットプリンタにおける、インク消費量・残存量の管理を簡易にしかも正確に行えるようになる。
【0019】
また、本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項も明らかとなる。
初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御方法において、該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御方法。
【0020】
かかる制御方法によれば、液体吐出装置に交換装着される液体カートリッジとして初期充填量が大小異なる複数種のものが用意されていても、装着された液体カートリッジの初期充填量を判別して、この初期充填量と検知した液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力するから、初期充填量が大小異なる各種の液体カートリッジのいずれのものが選択的に装着されても、その装着された液体カートリッジの初期充填量を基準にして、液体の消費率あるいは残存率の情報を正確に出力することが可能となる。
【0021】
さらに、本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項も明らかとなる。
初期充填量の大小異なる複数種の記録材カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された記録材カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した記録材消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と記録材消費量とに基づいて記録材の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた記録装置の制御に用いられる制御装置において、 該情報出力手段は、未使用の記録材カートリッジが装着された場合には、該記録材カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置である。
【0022】
かかる制御装置によれば、記録装置に交換装着される記録材カートリッジとして、初期充填量が大小異なる複数種のものが選択的に交換可能に用意されていても、装着された記録材カートリッジからその初期充填量の判別情報を取得して当該初期充填量を判別し、この初期充填量と検知した記録材消費量とに基づいて記録材の消費率あるいは残存率を示す情報を出力するから、初期充填量が大小異なる各種の記録材カートリッジのいずれのものが選択的に装着されても、その装着された記録材カートリッジの初期充填量を基準にして、記録材の消費率あるいは残存率の情報を正確に出力することが可能となる。このため、例えば最大容量の記録材カートリッジに対して、その初期充填量が半分の小容量の記録材カートリッジを未使用の新品状態で装着しても、記録材残存量が50%と表示されてしまうことがなく、記録材残存量の報知に関して使用者に不快感を与えてしまうことを防止することができるようになる。
【0023】
=== 発明の実施の形態 ===
以下に、本発明に係る制御装置が組み込まれた液体吐出装置の実施の形態の一例として、インクジェットプリンタを用いた印刷装置を代表例に挙げて詳述する。
【0024】
=== 印刷装置の概要 ===
まず、インクジェットプリンタを用いた印刷装置の概要について、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示した斜視図である。
図1には、印刷装置の一例として、カラーインクジェットプリンタ(以下、プリンタという)2と、ホストコンピュータ100とを接続したコンピュータシステム1を示した。この印刷装置としてのコンピュータシステム1は、コンピュータ本体103、ディスプレイ104、マウス101aやキーボード101b等の入力装置101及び読取装置102を備えたホストコンピュータ100と、プリンタ2とで構成されている。
【0025】
プリンタ2は、カラー画像の出力が可能なプリンタであり、吐出する液体として例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色インクを用い、この色インクを、印刷用紙を始めとする被印刷体上に吐出してドットを形成することにより画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。なお、色インクとして、上記4色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、ダークイエロー(暗いイエロー、DY)を用いてもよい。
【0026】
図1に示すように、プリンタ2は、背面に給紙部130が備えられ、この給紙部から供給された印刷用紙等の被印刷体を前面から排出する構造であり、プリンタ2の前面には操作パネル110、排紙部120が備えられており、内部には使用者への報知手段をなすブザーが備えられている。
操作パネル110には、各種操作ボタン111、使用者に各種情報を報知するための表示ランプ112及び表示ディスプレイ113が設けられている。また、排紙部120には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー121が備えられ、給紙部130には、カット紙(図示しない)を保持する給紙ホルダ131が備えられている。
【0027】
図2はプリンタ内部の主要機構部を示す概略斜視図であり、図3はプリンタ内部の主要機構部の概略正面図である。また、図4はプリンタの制御回路の回路構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プリンタ2は、印刷機構部本体たるプリンタ本体11と、その幅方向(図中の左右方向)に往復動可能なキャリッジ12とを備えている。プリンタ本体11は、印刷用紙Pを搬送する紙送り機構と、キャリッジ12を動作させるためのキャリッジ機構を備えている。紙送り機構は、紙送りモータ15、紙送りローラ16及び図示しない他のローラを備えている。この紙送りモータ15の駆動により紙送りローラ16や図示しない他のローラが回転し、印刷用紙Pの搬送が行われる。
【0028】
キャリッジ機構は、紙送りローラ16の軸と平行に架設されたガイド部材20、キャリッジモータ21、一対のプーリ22間に張設されたタイミングベルト23を備えている。このキャリッジ機構により、タイミングベルト23に係合したキャリッジ12は、ガイド部材20に沿って印刷用紙Pの幅方向に移動可能となっている。
キャリッジ12には、印刷用紙Pにインク滴を吐出する吐出ヘッドとしての記録ヘッド30が設けられているとともに、例えばブラック、シアン、マゼンタ、イエロのそれぞれの色のインクが収容されたインクカートリッジ(以下、「カートリッジ」ともいう。)31、32、33、34が取り外し可能な状態で装着されている。キャリッジ12は、複数のカートリッジが着脱可能なカートリッジ装着部80(図5(b)参照)を有している。記録ヘッド30は、カートリッジ装着部80に装着されたカートリッジ31〜34から、インクの供給を受ける。
【0029】
更に、各カートリッジ31〜34には、それぞれの前面側に、アンテナ36、37、38、39、及び、各種の情報を書き込み可能な記憶媒体としての素子41、42、43、44を有する記憶ユニットが設けられている。素子41、42、43、44は、各種の情報が書き込み可能であって、かつ、書き込まれた情報を記憶可能なものである。また、これらの素子41、42、43、44は、不揮発性メモリ(EEPROM)を有しており、アンテナ36、37、38、39にそれぞれ接続している。これらのカートリッジ31〜34は、カートリッジ装着部80に対して着脱可能であり、インクが消費された場合、有効期限が過ぎた場合、他の色のカートリッジに変更したい場合等に、ユーザによって適宜交換される。なお、カートリッジ31〜34及び記憶ユニットの詳細については後述する。
【0030】
記録ヘッド30は、フラットケーブル13を介して、後述する制御回路50のヘッド駆動回路63に接続され、吐出されるインク滴の大きさなどが制御される。
【0031】
紙送りモータ15及び紙送りローラ16の間には、プラテン17が配置されている。このプラテン17の一端部(ここは非印刷領域になる)には、貫通孔17aが設けられている。この貫通孔17aの下方には、インク吸収材18が配置されており、このインク吸収材18は、プラテン17と平行に配置されている廃インクタンク19内に納められている。更に、プラテン17の他端部の側方には、公知のワイピング部材24と公知のキャッピング手段25とが設けられている。このキャッピング手段25は、吸引ポンプ26を介してインク吸収材18に接続されている。
【0032】
図3に示すように、上記プラテン17の貫通孔17aの上方には、送受信部45が設けられており、その送受信部45の中央には、書き込み部材としてのアンテナ60が設けられている。このアンテナ60は、記録ヘッド30のインク吐出口(図示しない)がプラテン17の貫通孔17aの上方の位置(以下、フラッシング位置という)に位置したときに、カートリッジ32のアンテナ37に対向し、アンテナ37と非接触状態にて送受信を行うように構成されている。また、この送受信部45のアンテナ60は、図示しないケーブル等を介して、後述する制御回路50に接続されている。
【0033】
=== 制御回路50の内部構造 ===
次に図4を参照してプリンタ2の制御回路50の内部構成について説明する。図4は本実施の形態に係るプリンタ2の制御回路50の内部構成を示したブロック図である。なお、同図中において、不揮発性メモリ41〜44の外側に仮想線で示したカートリッジ31〜34と、ヘッド30(K,C,M,Y)に隣接させて示したカートリッジ31〜34とは同一のものであり、ブロック図を描画する上での便宜上、重複して示したものである。
【0034】
図4に示すように、本発明の情報出力手段の機能を備えた制御回路50の内部には、表示手段としてのディスプレイ104を備えたホストコンピュータ100から供給された信号を受信するバッファメモリ51と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ2全体の動作を制御するシステムコントローラ(CPU)54と、プログラムを格納したリードオンリメモリ(ROM)55及びワーキングデータ等を一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)56とを備えている。システムコントローラ54には、さらに、キャリッジモータ21を駆動する主走査駆動回路61と、紙送りモータ15を駆動する副走査駆動回路62と、各色のインクを吐出する記録ヘッド30(K,C,M,Y)を駆動するヘッド駆動回路63と、インクの消費量を算出するための吐出履歴管理部74と、使用者への報知手段としての前記表示ランプ112,表示ディスプレイ113,ブザー70を制御する報知手段制御回路72、インクカートリッジに設けられた記憶ユニットとの送受信を制御する送受信回路501とが接続されている。
【0035】
吐出履歴管理部74には、記録ヘッド30(K,C,M,Y)の駆動信号に基づいて各インクカートリッジ31〜34のインクの消費量を算出する演算部76と、算出されたインク消費量を記憶するためのEEPROM58とが設けられている。例えば、キャリッジ12に搭載されたブラックインク吐出用の記録ヘッド30(K)の駆動によって、印刷や当該記録ヘッド30(K)のクリーニング等が行われてインクが消費される際には、吐出するインクで形成すべきドットの数を計測することで当該インク消費量を検知し、この消費量と初期充填量とから求められるインク残存量をEEPROM58のブラックインク用の領域Kに記憶するようになっている。
【0036】
ここで、吐出するインクで形成すべきドットは大・中・小等各種サイズのものになるが、その最小サイズのドットを消費量検知のためのドット数カウントの最小基準単位となして、大・中サイズのドットは小ドットの数に換算してドット数を計測するようになっている。なお、このドット数のカウントについては後述する“印刷動作におけるインク消費量測定処理”の欄にて更に詳しく説明する。
【0037】
また、キャリッジ12に搭載されたシアンインク吐出用の記録ヘッド30(C)、マゼンダインク吐出用の記録ヘッド30(M) 、及びイエローインク吐出用の記録ヘッド30(Y)から吐出されるインクの消費量も、同様にして、各々EEPROM58の各色インク用領域C,M,Yに、個別に、インクの残存量を記憶していくようになっている。これらの記憶は、プリンタの主電源をオフにした場合にも損なわれることがない。
【0038】
ホストコンピュータ100から転送された印刷データは、一旦、バッファメモリ51に蓄えられる。プリンタ2内では、システムコントローラ54が、バッファメモリ51から印刷データの中から必要な情報を読み取り、これに基づいて、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62、ヘッド駆動回路63に対して制御信号を送る。
【0039】
イメージバッファ52には、バッファメモリ51で受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動回路63は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて記録ヘッド30(K,C,M,Y)に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0040】
また、システムコントローラ54には、アンテナ60が送受信回路501を介して接続され、このアンテナ60及び各インクカートリッジに設けられたアンテナ36〜39を介して、各不揮発性メモリ41〜44に対してインクの属性データ等の入出力が行われる。
【0041】
===インクカートリッジおよびカートリッジ搭載部の構成===
このように構成されたインクジェットプリンタにおいて、インクカートリッジ31〜34の基本的な構造は共通する。そこで、図5および図6を参照して、黒用のインクカートリッジ31を例にとって、インクカートリッジの構造、およびこのカートリッジをプリンタ本体 に装着するための構造を説明する。
図5は、インクカートリッジおよびプリンタ本体 のカートリッジ装着部の概略構造を示す斜視図である。図6は、このインクカートリッジの内部構造、キャリッジ40上のカートリッジ装着部の内部構造、およびカートリッジ装着部にカートリッジを装着する様子を示す断面図である。
【0042】
図5において、インクカートリッジ31は、内部にインクを収容するインク収容部311を構成する合成樹脂製のカートリッジ本体312と、このカートリッジ本体312の前面枠部313に設けられた記憶ユニットとを備えている。この記憶ユニットは、インクカートリッジ31をプリンタ本体11のカートリッジ装着部80に装着したときに、プリンタ本体11との間で各種のデータを授受する。
【0043】
これに対して、カートリッジ装着部80には、インクカートリッジ31を装着する空間の底部87に針81が上向きに配置されている。この針81の周りは、インクカートリッジ31に形成されているインク供給部314を受け入れる凹部83になっている。この凹部83の内壁には、カートリッジガイド82が3箇所に形成されている。
【0044】
次に、カートリッジ装着部80に対してインクカートリッジ31を装着する手順を説明する。まず、カートリッジ装着部80にインクカートリッジ31を配置する。カートリッジ装着部80の後壁部88には、支持軸91を介して固定レバー92が取り付けられており、この固定レバー92をインクカートリッジ31に被さるように倒すと、インクカートリッジ31が下方に押されてインク供給部314が凹部83に嵌るとともに、針81がインク供給部314に突き刺さってインクの供給が可能になる。
【0045】
さらに、固定レバー92を倒すと、固定レバー92の先端に形成した係止部93がカートリッジ装着部80に形成した係合具89に係合し、インクカートリッジ31が固定される。
インクカートリッジ31の構造は、基本的には他のインクカートリッジでも同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
===記憶ユニットの構成===
次に、図7を参照して記憶ユニットの構成について、データの送受信構成を含めて説明する。図7(a)は、記憶ユニットの構成を示す平面透視図である。図7(b)は記憶ユニット及び送受信部45の内部構成を説明するためのブロック図である。
【0047】
記憶ユニットと送受信部45のアンテナ60とが所定の位置関係、例えば、相互距離が10mm以内、にあれば、互いに非接触状態にて、情報を送受信可能となっている。この記憶ユニットは、全体としてごく小型かつ薄型で、片面に粘着性を持たせてシールとして対象物に貼着させることもできる。メモリタグなどと呼ばれ、多種市販されているものである。なお、インクカートリッジ31以外のインクカートリッジの記憶ユニットも同様の構成であるので説明は省略する。
【0048】
記憶ユニットは、記憶媒体である素子41としての非接触ICチップと、金属皮膜をエッチングして形成された共振用コンデンサ71、及び、アンテナ36としての平面状コイルとがプラスチックフィルム上に実装され、透明なカバーシートにより被覆されている。
【0049】
送受信部45は、アンテナ60としてのコイルと、プリンタ本体11のシステムコントローラ(CPU)54に接続される送受信回路501とを有しており、プリンタ本体11の電源ユニットから、電力の供給を受ける。
【0050】
記憶ユニットの素子41は、整流器411、信号解析部RF(Radio Frequency)413、制御部415、メモリセル417を有している。メモリセル417は、NAND型フラッシュROMなど電気的に読み書き可能な不揮発性のメモリであり、書き込まれた情報を記憶しておくこと、及び、記憶した情報を外部から読み取ることが可能なものである。
【0051】
記憶ユニットのアンテナ36と、送受信部45のアンテナ60とは、互いに通信し合い、メモリセル417に保存されたID情報などの読み取りやメモリセル417への書込みを行う。また、送受信部45の送受信回路501で発生された高周波信号は、アンテナ60を介して高周波磁界として誘起される。この高周波磁界は、記憶ユニットのアンテナ36を介して吸収され、整流器411で整流されてICチップ41内の各回路を駆動する直流電力源となる。
【0052】
素子41のメモリセル417には、素子のシリアル番号など、記憶素子ごとに固有の情報、すなわちID情報が記憶されている。このID情報データは、記憶素子の工場製造時において、書込み処理されることとすればよい。このID情報をプリンタ10本体側の送受信部45で読み取ることによって、個々の素子41、42、43、44を識別することが可能になる。
【0053】
また、メモリセル417には、インクカートリッジに予め充填されているインクの初期充填量や消費量又は残存量等を示す、若しくはこれらに関する情報を書込むことができる。かかる情報をプリンタ本体11側で読み取り、インクの消費率あるいは残存率を報知したり、残存量が僅かになったときにユーザに対して警告を出すことなども可能である。
【0054】
また、メモリセル417には、インクカートリッジに対して消費量又は残存量を示す情報の書き込みタイミングを決定するための情報を書き込むことも可能である。インクカートリッジに対して消費量又は残存量を示す情報の書き込みタイミングを決定するための情報として、本実施の形態では、素子41が取り付けられるインクカートリッジ31に予め充填されるインクの初期充填量の判別情報を用いる。これにより、プリンタ本体11は、素子41から初期充填量の判別情報を取得して、例えば、初期充填量の1%を閾値に設定し、インクカートリッジ31のインクの吐出量の積算値がこの閾値に達した際に、消費量又は残存量を示す情報を素子41に書き込むよう構成することが可能となる。
【0055】
また、インクカートリッジに対して消費量又は残存量を示す情報の書き込みタイミングを決定するための情報として、素子41が取り付けられるインクカートリッジ31に予め充填されるインクの初期充填量に応じた閾値を示す閾値情報を用いてもよい。閾値情報は、例えば、インクの容量の1%等とすればよい。この場合には、プリンタ本体11は、素子41からこの閾値情報を読み込み、インクカートリッジ31のインクの吐出量の積算値が、この閾値に達した際に、消費量又は残存量を示す情報を素子41に書き込むよう構成することが可能となる。
【0056】
ここで、本実施形態では、上記インクの初期充填量の判別情報としては、当該初期充填量にて充填されたインクによって吐出することが可能な、吐出可能ドット総数(最小基準単位に換算したドット総数)が用いられている。即ち、当該吐出可能ドット総数がそのまま初期充填量の判別情報としてインクカートリッジの素子41に記憶されている。
【0057】
また、素子41のメモリセル417には、このような情報以外に、カートリッジを識別するための色データや、当該素子41が添付されるインクカートリッジの製造情報や、有効期限に関する情報などが含まれていてもよい。これらの情報をプリンタ本体11側で読み取り、現在日時との比較処理などを実行することによって、インクカートリッジの有効期限終了が近づいたときに、ユーザに対して警告を出すことなども可能である。
【0058】
===インクジェットプリンタの動作===
次に、上記のプリンタの動作について図8〜図10を参照しつつ説明する。 インクカートリッジ31〜34がキャリッジ12に装着されると、まずキャリッジ12は、フラッシング位置に向けて移動させられる。そして、カートリッジ31〜34に設けられた素子41〜44から、アンテナ36〜39及び送受信部45のアンテナ60を介して、各素子に記憶されたID情報がプリンタ本体11に読み取られる。まず、このID情報の読み取り処理について、図8を参照して説明する。
【0059】
<<< ID情報読み取り処理 >>>
図8は、送受信部45が、素子41〜44に記憶されたID情報を読み取る際の、キャリッジ12(及びインクカートリッジ31〜34)の動作シーケンスを示す図である。
【0060】
本実施形態の送受信部45に設けられたアンテナ60は、インクカートリッジ31〜34(及びそれぞれに設けられた素子41〜44)の素子配設面ほぼ2つ分に対向する大きさであり、アンテナ60が、ある素子とそれに隣接する素子とのちょうど中央に位置するようにキャリッジ12を停止させた場合は、それら両方の素子とデータ送受信することが可能である。送受信部45は、図の向かって左端、すなわち素子41から右端の素子44に向かって、順次ID情報の読み取りや書込み動作を行う。
【0061】
まず、送受信部45がいずれの素子41〜44にもアクセスしていない非アクセス状態(s100)では、キャリッジ12は、送受信部45が設けられている左側非印刷領域よりも遠く右方に位置しており、いずれのインクカートリッジの素子にもアクセスすることはできない。
【0062】
次に、インクカートリッジ31アクセス状態(s101)では、キャリッジ12が左側非印刷領域まで移動して、左端のインクカートリッジ31のみと送受信部45とがデータ送受信可能な位置に停止する。すなわち、送受信部45のアンテナ60の右端付近が、素子41の中央付近に対向するような位置であって、この位置では、送受信部45は、インクカートリッジ32の素子42とは遠すぎてデータ送受信することができないような位置である。この停止位置にて、まず素子41に記録されたID情報を読み取る。
【0063】
次に、キャリッジ12をインクカートリッジ1つ分左方に移動した所にて停止させ、インクカートリッジ32の素子42のID情報読み取りを実行する(s102)。この停止位置では、素子41ともアクセス可能なので、データの混信を防ぐために、素子42に対して送受信部45から送信するID情報読み取りコマンドに、既に読み取った素子41のID情報を随伴させる。この素子41のID情報を用いて、素子41及び42の側で識別を行うことにより、間違いなく素子42からのID情報を読み取ることができる。
【0064】
以降同様に、インクカートリッジ33、34の素子43、44の読み取り動作を順次行う(s103、s104)。素子44のID情報を読み取った(s104)後で、キャリッジ12を右側非印刷領域などの位置に戻し、本ID情報読み取り処理を終了する。
【0065】
以上で各素子41〜44のID情報を全て取得したので、プリンタ本体11側では、その配列を把握することができる。すなわち、最も左側には、素子41から読み取ったID情報に相当するインクカートリッジ31が配置されており、その右側に隣接する位置には素子42から読み取ったID情報に相当するインクカートリッジ32が配置されているといった様に、全インクカートリッジ31〜34のキャリッジ12内における配列順番が記憶されたことになる。
【0066】
<<< ID情報以外の情報の読み取り処理 >>>
次に、上記各ステップで把握されたID情報とインクカートリッジ31〜34の配列順番との関係に関する情報を利用することによって、素子41〜44に記録されているID情報以外の情報を読み取る動作について説明する。図9は、素子41〜44に記録されたID情報以外の情報を読み取る際の、キャリッジ12(及びインクカートリッジ31〜34)の動作シーケンスを示す図である。
【0067】
まず、送受信部45がいずれの素子41〜44にもアクセスしていない非アクセス状態(s200)では、キャリッジ12は、送受信部45が設けられている左側非印刷領域よりも遠く右方に位置しており、いずれのインクカートリッジ31〜34の素子41〜44ともアクセスすることはできない。
【0068】
次に、インクカートリッジ31及び32へのアクセス状態(s201)では、キャリッジ12が左側非印刷領域まで移動し、左端のインクカートリッジ31とそれに隣接するインクカートリッジ32とに対して、送受信部45がデータ送受信可能な位置に停止する。すなわち、送受信部45のアンテナ60の中央付近が、素子41と素子42の間付近に対向するような位置であって、この位置では、送受信部45は、インクカートリッジ31及び32の両方の素子41、42とデータ送受信することが可能である。
【0069】
この停止位置にて、素子41及び42に対し、それぞれデータ読み取りコマンドを送信する。その際、素子41に対しては、既に読み取られた素子41のID情報を随伴させる。このコマンドを受信した素子41は、随伴されたID情報が確かに素子41自身のID情報であることを確認した上で、要求されたID情報以外の情報を送受信部45に送り返す。素子42に対する読み取り処理も同様に行われる。
【0070】
次に、キャリッジ12をインクカートリッジ2つ分左方に移動した所にて停止させ、インクカートリッジ33及び34の素子43、44に対し、データ読み取りを実行する(s202)。この停止位置では、上記素子41、42に対する読み取り処理と同様に、素子43、44のID情報を用いてそれぞれの素子43、44を確実に識別しつつ、それぞれのID情報以外の情報を読み取る。
【0071】
このように、一度に2つの素子に対してアクセスできる位置にキャリッジ12を停止させつつ、ID情報以外の情報を読み取ることによって、キャリッジ12の移動・位置決め動作が2回で済む。素子1つ分ずつ移動・位置決めしつつ素子に記憶された情報を1つずつ読み取ることも可能であるが、本実施形態はそれよりも少ない移動・位置決め動作で済むので、読み取り処理全体にかかる時間を短縮することができ、より好ましい。
【0072】
以上の処理によって、インクカートリッジ毎の、カートリッジ装着部80に装着された時点での消費量(以下、「初期消費量」ともいう。)、インク色情報、有効期限情報、初期充填量の判別情報等の各種情報がプリンタ本体11に読み取られ、EEPROM58若しくはRAM56等に記憶される。ここで、初期充填量の判別情報は吐出可能ドット総数として与えられ、消費量の情報もドット数で与えられて、EEPROM58に記憶され、かつ吐出可能ドット総数から消費量ドット数を減算して得られる残存量ドット数もEEPROM58に記憶される。
以上の処理が終わると、キャリッジ12は、キャッピング手段25が設けられている位置に移動して、キャッピングされた状態で待機される。
【0073】
<<< 印刷処理の概要 >>>
印刷処理は、使用者によりホストコンピュータ100から入力された印刷指令に基づいて実行される。図11は、本実施形態におけるコンピュータシステムによる印刷処理の概要を示すフローチャートである。
ホストコンピュータ100から、使用者により印刷すべき画像データが指定されて印刷情報と共に印刷指令が入力されると(S100)、ホストコンピュータ100内のプリンタドライバ90aにより、印刷情報が読み取られる。印刷情報には、例えば、使用者によって指定された、光沢紙や普通紙などの印刷用紙の種類、高精細モードやはやいモードなどの印刷モード等が含まれている。これら印刷用紙の種類及び印刷モード等は、例えば図14に示すような印刷プロパティとしてディスプレー94の画面に表示され、マウス101aやキーボード101b等の入力装置101により任意に選択指定されることにより、印刷する画像における主走査及び副走査方向の解像度や、バンド送り方式や各種インターレース方式などの印刷方式が決定される。たとえば、使用者により普通紙が指定され、印刷モードとして、はやいモードが指定されると、バンド送り方式にて、主走査及び副走査方向の解像度はいずれも360dpiの解像度の画像が印刷される。また、たとえば、光沢紙が指定され、高精細モードが指定されると、所定のインターレース方式にて、主走査方向が1440dpi、副走査方向が720dpiの解像度の画像が印刷されることになる。
【0074】
ここでは印刷情報として、印刷用紙の種類として光沢紙が指定され、印刷モードとして高精細モードが指定された例について説明する。
入力された印刷情報により印刷する解像度の情報を取得すると(S101)、指定された画像データがプリンタドライバ90aに与えられ、この画像データを印刷する際に使用するインクの消費量をドット数で予測する予測処理が実行される(S102)。この予測処理については後述する。
【0075】
予測処理により、各色のインク消費量のドット数が予測されると、プリンタ2のEEPROM58に記憶されている各色毎のインク残存量ドット数を取得し(S103)、このインク残存量と予測したインク消費量とをドット数で比較し(S104)、残存量が多い場合には通常の印刷動作を実行する。すなわち、指定された画像データ(読み取った画像信号)がプリンタドライバ90aに与えられ、プリンタドライバ90aが備えるラスタライザでR(赤),G(緑),B(青)の3 原色に分解され、それぞれの色毎にラスタ変換されたRGBビットマップデータを得る。得られたRGBビットマップデータは、解像度がプリンタにて出力する解像度、主走査方向1440dpi、副走査方向720dpiの解像度に対応するように変換される。例えば、画像データが、主走査方向、副走査方向ともに360dpiの解像度で読み取られたビットマップデータの場合には、主走査方向及び副走査方向の各データ間を補完するデータを生成する解像度変換が実行される。解像度変換されたRGBビットマップデータは、印刷色に対応させるために色補正モジュールにて色補正処理が施され、K(ブラック),C(シアン),M(マゼンタ),およびY(イエロー)の印刷用のCMYKビットマップデータに変換される。さらに、CMYKビットマップデータを濃淡インク振分けテーブルによってCおよびMについてはC,cおよびM,mに振分けた上でハーフトーンモジュールにて、ディザ法や誤差拡散法等のハーフトーン処理を実行する。これにより色毎にビットマップ上の配置等が決定され、それぞれ2値のビットマップデータが作成される(S105)。
【0076】
この2値のビットマップデータは、制御信号と共にプリンタ2に送出される。プリンタ2では、2値のビットマップデータがバッファメモリ51に記憶され、システムコントローラ54の処理により、指定された印刷方式に対応すべくラスタライズ処理、ラスターロウ変換処理されてイメージバッファに展開される(S106,S107)。システムコントローラ54は、ホストコンピュータ100の制御信号に基づいて、主走査駆動回路61、副走査駆動回路62,及び、ヘッド駆動回路63を制御してイメージバッファのデータに基づいて各色用記録ヘッドに所定の種類のドットを吐出させる(S108)。このとき、システムコントローラ54は、ヘッド駆動回路63のヘッド駆動信号に基づいて、吐出したインクの消費量の情報をドット数で測定する。インクの測定方法については後述する。
【0077】
一方、プリンタ2のEEPROM58に記憶されている各色毎のインク残存量ドット数と予測したインク消費量ドット数とを比較した結果、残存量の方が少ない場合には、その事象、及び、印刷の中止を促すか、又は印刷方式の変更を促すメッセージ等の表示を、プリンタ2の表示ディスプレイ113に表示したり、プリンタ2の表示ランプ112、ブザー70等により、使用者に報知する。または、ホストコンピュータ100のディスプレイ104に、図14に示すような印刷プロパティ画面にして表示する(S109,S110)。この報知に対し、使用者から印刷方式が指定され印刷処理を継続する旨の指令が入力されると、指定された印刷方式に基づいて印刷処理が実行される(S105〜S108)。
【0078】
<<< 印刷に使用するインク消費量予測処理 >>>
図12は、本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク消費量予測処理を示すフローチャートである。
インクの消費量を予測する予測処理では、インク消費量を予測するための予測用ビットマップデータを用いる。
予測処理では、まず指定された画像データをプリンタドライバ90aのラスタライザでR(赤),G(緑),B(青)の3原色に分解しRGBビットマップデータを得る(S200)。
【0079】
次に、取得したRGBビットマップデータの解像度と、前記印刷処理にて取得した印刷画像解像度とを比較する(S201)。ここで、予測用のビットマップデータは、印刷して得られる画像の解像度(以下、印刷画像解像度という)より低い解像度とするため、指定された印刷すべき画像の解像度(以下、元データ解像度という)が、印刷画像解像度より高い場合にはデータを間引くなどの処理を施して低解像度化する(S202)。
【0080】
上述したように本実施形態では、元データ解像度が主走査方向、副走査方向ともに360dpiであるため、データの低解像度化は行わないが、さらに低解像度のデータを生成しても良い。
【0081】
低解像度のRGBビットマップデータは、上述した方法により色補正モジュールにて色補正処理が施されて、印刷用のCMYKビットマップデータに変換される(S203)。さらに、濃淡インク振分けされた上でハーフトーンモジュールにて、ディザ法や誤差拡散法等のハーフトーン処理を実行する(S204)。これにより、主走査方向、副走査方向ともに360dpiの解像度を有し、色毎に2 値のビットマップデータが作成される。
【0082】
このビットマップデータでは、ビットマップの配置によって形成されるドットのサイズが大ドット、中ドット、小ドットの3種類のサイズを有するドットで表されている。
【0083】
そして、プリンタドライバ90aの処理により、各色のビットマップデータに存在する大ドット、中ドット、小ドットの数がカウントされ、各ドットのサイズに応じて最小基準単位に換算したドット数に変換されて累積加算されて、メモリに記憶される(S205)。即ち、例えば小ドットを形成するために使用するインクの重量値が100ng、中ドットを形成するために使用するインクの重量値が200ng、大ドットを形成するために使用するインクの重量値が300ngである場合には、大ドットについては3が、中ドットについては2が、小ドットについては1がそれぞれ乗ぜられることで、カウントした各サイズのドットの数が各色毎に最小基準単位のドット数に換算されて累積加算され、その積算値が360dpiの解像度に対応するインク消費量として算出されてメモリに記憶される。
【0084】
この360dpiの解像度に対応するインク消費量には、後述する変換係数αが乗算されて、印刷画像解像度、即ち主走査方向1440dpi、副走査方向720dpiの解像度に相当するインク消費量に変換されてインク消費量の予測値が算出される(S206)。
【0085】
変換係数αは、低い解像度のデータに基づいて求めたインクの消費量と、この求めたインクの消費量を印刷画像解像度に対応した消費量に変換するための係数であり、複数の元データ解像度と、プリンタ2にて印刷可能な印刷画像解像度と対応づけられており、ホストコンピュータ100のメモリに各々の解像度と対応づけられた複数の変換係数αが記憶されている。
【0086】
この変換係数αは、同一の画像に対し、元データ解像度となり得る解像度、および印刷画像解像度となり得る解像度との異なる解像度にて印刷した際に、単位面積あたりに吐出されるインク量(以下、インク密度とする)の比を示したものであり、次式にて表される。
【0087】
<<<印刷動作におけるインク消費量測定処理>>>
図13は、本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク消費量の測定処理を示すフローチャートである。
逐次に行われる印刷動作において消費されたインク消費量の測定処理は、プリンタ2の吐出履歴管理部74の演算部76にて、上述したようにヘッド駆動回路63のヘッド駆動信号に基づいて実行され、吐出するインクで形成すべきドットの数が各インクの色毎にカウントされ(S302)、そのカウント値が、演算部76に備えられたメモリ76aのアドレス(b)に記憶されるようになっている(S303)。
【0088】
本実施形態のプリンタ2は、上述したように画像データに基づいて、大ドット、中ドット、小ドットの3種類のドットサイズを有しているので、いずれのドットであるかにより、印刷した1ドットに対して消費されるインクの重量は異なる。すなわち、各サイズのドットの重量をそれぞれ、小ドットを形成するために使用するインクの重量値が100ng、中ドットを形成するために使用するインクの重量値が200ng、大ドットを形成するために使用するインクの重量値が300ngとしてあるので、小ドット1つ分をドット数カウント計測のための最小基準単位となして、小ドット1つにつき1をカウントし、中ドット1つにつき2をカウントし、大ドット1つにつき3をカウントして累積カウント値を計測していき、このドットの数の累積カウント値を暫定的なインクの消費量の情報として代替し、メモリ76aのアドレス(b)に記憶する。
【0089】
そして、EEPROM58に記憶された各色インク毎における印刷処理実行前のインク残存量を示すドット数(=吐出可能ドット総数−初期消費量のドット数)が、印刷処理の実行(S301)後に、吐出履歴管理部74の演算部76により読み取られ(S304)、演算部76内のメモリのアドレス(a)に記憶される(S305)。演算部76は、アドレス(a)に記憶された値からアドレス(b)に記憶された値を減算する(S306)。減算により得られた値を印刷後のインク残存量を示すドット数として、所定の記憶装置に随時参照可能な状態に記憶する。例えば、EEPROM58 の各色毎に分けられたの領域の一部に書き戻しておけば、プリンタの主電源切断後も、この値は保存される(S307 )。
【0090】
<<< フラッシング及び消費量・残存量書き込み処理 >>>
システムコントローラ54は、キャリッジ12がガイド部材20に沿って所定回数往復した後、キャリッジ12を、左側非印刷領域に位置するフラッシング位置まで移動させ、そこで、キャリッジ機構に信号を与えて、記録ヘッド30からインクを所定量吐出させ、いわゆるフラッシング動作を行わせる。このフラッシング動作は、記録ヘッド30が有するインク吐出ノズルの目詰まり等を防止ずること等を目的としてなされる動作である。
【0091】
同時に、システムコントローラ54は、EEPROM58のデータから最もインク消費量が多いカートリッジを選択する。このときまでに、各カートリッジ31〜34に収容されているインクの消費量、すなわち、インク吐出量を示す消費量ドット数の積算結果としての積算値が、例えば図10に示すようにそれぞれ4、6、3、1であった場合には、最も消費量の多いカートリッジ32が選択される。
【0092】
そして、アンテナ37とアンテナ60とが信号を送受信可能な位置関係にない場合には、システムコントローラ54は、キャリッジ12をガイド部材20に沿って移動させ、アンテナ60、アンテナ37を介して、カートリッジ32の素子(不揮発性メモリ)42に、この時のインクの消費量のドット数に初期消費量ドット数を加算した値を、最新のインク消費量を示す初期消費量ドット数として書き込んで更新する。また、EEPROM58に記憶された初期消費量のドット数を、この時のインクの消費量に当該初期消費量のドット数を加算した値に更新する。このとき、システムコントローラ54は、図10において「1回目のフラッシング後」として示されているように、EEPROM58に記憶されている、カートリッジ32についての消費量のドット数データをリセットする。すなわち、カートリッジ32についての積算値をリセットする。
【0093】
このような動作を終えると、システムコントローラ54は、再びキャリッジ機構に信号を与えて、印刷の続きを行う。そして、この印刷中におけるインクの消費量は、EEPROM58に蓄積される。
【0094】
なお、このインクの消費量のドット数には、前回のフラッシング動作で使用したインクの量のドット数も含まれている。そして、キャリッジ12が所定回数往復した後、再びキャリッジ12をフラッシング位置まで移動させ、フラッシング動作を行わせる。例えば、図10に「2回目のフラッシング前」として記載しているように、このときまでに各インクの消費量のドット数が9、6、5、3となっている場合には、最も消費量が多かったカートリッジ31をシステムコントローラ54が選択する。
【0095】
そして、アンテナ36とアンテナ60とが信号を送受信可能な位置関係にない場合には、システムコントローラ54は、キャリッジ12をガイド部材20に沿って移動させ、アンテナ60、36を介して素子(不揮発性メモリ)41に、この時のインク消費量のドット数に初期消費量ドット数を加算した値を、消費量を示す情報として書き込む。また、EEPROM58に記憶された初期消費量ドット数を、この時のインクの消費量のドット数に初期消費量ドット数を加算した値に更新する。また、EEPROM58に記憶されている、カートリッジ31についての消費量をリセットする。なお、1回目のフラッシング動作から2回目のフラッシング動作前までに消費した各カートリッジ31〜34のインク消費量のドット数は、5、6、2、2である。
【0096】
以上のように、インクジェットプリンタは、カートリッジ装着部80とともに移動しながらインクを吐出する記録ヘッド30を有し、記録ヘッド30から定期的にインクを吐出するフラッシング動作を実行し、書き込み部材たるアンテナ60は、フラッシング動作と関連付けて、選択されたカートリッジに備えられた素子に消費量を示す情報を書き込む。詳しくは、印刷中に、吐出履歴管理部は、各カートリッジ31〜34に収容されたインクの消費量のドット数を積算し、EEPROM58に格納する。そして、システムコントローラ54は、印刷中のキャリッジが所定回数往復する度に、フラッシング動作を行わせ、最もインク消費量が多いと判断したカートリッジ31〜34の素子41〜44にそのインクの消費量を示す情報(ドット数)を書き込む。
【0097】
そして、その書き込んだ素子41〜44のそれぞれが設けられているカートリッジ31〜34の、EEPROM58に記憶されているインクの消費量のドット数をリセットする。
【0098】
なお、印刷が複数枚にわたるときには、各頁の印刷が終了する毎にも、キャリッジ12をフラッシング位置に移動させて、各インクカートリッジのインクの消費量の多い順で、素子41〜44に情報を書き込むとともに、EEPROM58に記憶されているインクの消費量のドット数をリセットする。
【0099】
また、各素子41〜44に対して書き込みを行う際には、再度のID読み取り動作を実行することなく、素子に向けてデータ書き込みコマンドが送信される。その際、各素子41〜44に対しては、既に読み取られた各素子のID情報を随伴させる。このコマンドを受信した素子は、随伴されたID情報が確かに素子自身のID情報であることを確認した上で、要求されたID情報以外の情報を送受信部45に送り返す。
【0100】
書き込み部材たるアンテナ60は、読み取ったID情報によって各素子を識別しつつ、カートリッジ装着部80に装着されたインクカートリッジに備えられた各素子に情報を書き込むから、誤って他の素子に情報を書き込んでしまうことを防止しつつ、迅速に書き込みを実行することが可能となる。
【0101】
また、素子への書き込みは、キャリッジ12が停止した状態で行ってもよいし、キャリッジ12が移動している状態で行ってもよい。
また、短時間に情報を書き込むという観点から、素子に消費量を示す情報を書き込む際には、複数の情報のうち、消費量又は残存量を示す情報のみを書き込むことが好ましい。
【0102】
<<< インク量情報の出力処理 >>>
図15は、本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク量情報の出力処理を示すフローチャートであり、プリンター2の電源が投入されると当該フローチャートに示す制御内容が繰り返し行われることになる。
【0103】
即ち、電源が投入されると、装着されている各インクカートリッジ31〜34の不揮発性メモリ41〜44と通信して前述したID情報の読み取り処理とID情報以外の情報読み取り処理とが行なわれて、各インクカートリッジ31〜34のID情報、並びにインクの初期充填量の判別情報,インク消費量情報,インク残量情報等のID情報以外の情報が取得されると共に(S401)、EEPROM58に記憶されている各カートリッジのID情報とこのID情報以外の情報とが取得され(S402)、カートリッジ31〜34から取得した情報とEEPROMに記憶されている情報とが一致しているか否かが判断される(S403)。そして、各カートリッジの個別毎の情報の内容が一致していれば、カートリッジの交換は行われていないと判断して、EEPROM58からこれに記憶された各カートリッジの初期充填量の情報を示す吐出可能ドット総数を取得するとともに(S405)、インク残存量ドット数を取得し(S406)、これら初期充填量を示す情報の吐出可能ドット総数とインク残存量ドット数とからインク残存率を示す情報が下式より算出される(S407)。
【0104】
インク残存率=(インク残存量のドット数/吐出可能ドット総数)×100
そして、インク残存率を示す情報が算出されると、このインク残存率を示す情報は報知手段制御回路72とホストコンピュータ90とに出力される(S408)。
【0105】
なお、本実施形態では、既述したように、上記インク残存量ドット数は、初期充填量の情報を示す吐出可能ドット総数からインクの初期消費量ドット数を減算して算出されて、予めEEPROM58に記憶されており、この初期消費量ドット数は、印刷及びフラッシング動作が行われる度に、その新たに消費されたインク消費量がドット数で検出されて逐次に加算更新され、また、各カートリッジの不揮発性メモリ41〜44に対しても初期消費量ドット数と残存量ドット数とが逐次更新記録されていくようになっている。
【0106】
一方、上記S403での判断で、各カートリッジの不揮発性メモリ41〜44に記憶された情報とEEPROM58に記憶された情報との内容が一致しておらず、それらの間のID情報に相違があった場合には、ID情報に相違があるカートリッジは交換装着されたものと判定して、当該交換されたカートリッジから読みとったID情報、並びにID情報以外の情報とをEEPROMに更新して記録した後(S404)、上述のS405に進んで、以降、同一の制御が行われる。
【0107】
ここで、上記交換されたカートリッジが未使用の新品であれば、インクの初期消費量の情報を示すドット数は0になっているとともに、インクの残存量の情報を示すドット数は初期充填量の情報を示す吐出可能ドット総数と同じ値になっている。また、交換されたカートリッジが使いかけのもので、一時的に取り外されたものであれば、インクの初期消費量の情報を示すドット数と、インクの残存量の情報を示すドット数とは、共にその外された時点で記録されていた値になっている。
【0108】
一方、インクの残存率を示す情報を取得した報知手段制御回路72は、当該残存率を示す情報に基づいて、報知手段の表示ディスプレイ113にインクの残存率を%表示する。同じく、インクの残存率を示す情報を取得したホストコンピュータ90は、プリンタドライバー90aによって、ディスプレー94上に例えば図14に示すように表示される印刷プロパティ画面中のインク残量項目に、当該残存率を示す情報を反映させて、各色の残存率を%表示する。この図示例では、黒は75%、シアンは50%、マゼンダは32%、イエローは63%となっている。
【0109】
従って、以上のような本実施形態のインクジェットプリンタ2では、交換装着されるインクカートリッジが未使用の新品であれば、その容量、つまり初期充填量の大小に拘わらず、吐出可能ドット総数とインクの残存量ドット数とは同じになっているから、これらから算出されるインクの残存率を示す情報は全て同一となり、使用者に対してインクカートリッジ装着直後の残存率を、初期充填量を基準にして100%と正確に報知することができる。このため、例えば最大容量のインクカートリッジに対して、その初期充填量が半分の小容量のインクカートリッジを未使用の新品状態で装着しても、従来のようにインク残存量が50%と表示されてしまうことがなく、もって、インク残存量の報知に関して、使用者に不快感を与えてしまうようなことがなくなる。
【0110】
また、インクカートリッジに記憶媒体の素子を設けて、当該素子に初期充填量の判別情報だけでなく、個々のインクカートリッジのID情報や、既知のインク消費量の情報,インク残存量の情報等のID情報以外の情報も付帯させて記憶させることにより、インクカートリッジを使用途中で一時的に取り外して後に再装着した場合でも、個々のインクカートリッジのインク残存率を示す情報を正確に出力して表示できるようになる。さらには、当該インクカートリッジを異なるインクジェットプリンタに装着して使用した場合でも、その内部のインクの消費率あるいは残存率を示す情報を正確に出力することが可能となる。
【0111】
さらに、初期充填量の判別情報として、予め充填されるインク量にて吐出することが可能な、最小基準単位のドット総数を用いるとともに、インク消費量を示す情報やインク残存量を示す情報もドット数を用いることで、これらインク消費量やインク残存量、およびインクの消費率,残存率等を示す情報の算出・生成が簡易に行えるようになるばかりか、これらの情報の管理も容易になる。
【0112】
ここで、本発明に係る液体吐出装置の制御装置をインクジェットプリンタに適用した本実施形態にあっては、例えば以下の様に変形が可能である。
上記の実施形態では、インクカートリッジの初期充填量を示す情報とインクの消費量を示す情報とから、インクの残存量を示す情報を算出して、当該インクの残存率を示す情報を生成するようにしているが、インクの消費率を生成するようにすることも可能である。
【0113】
上記の実施形態では、液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として吐出可能ドット総数を用いて記憶させているが、これに代えて、各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報を予め記憶させるとともに、情報出力手段には該型番に対応する吐出可能ドット総数を記憶させる構成としても良い。このような構成としても上記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0114】
上記の実施形態では、液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として吐出可能ドット総数を用いて記憶させているが、これに代えて、初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数が記憶されているとともに、前記情報出力手段には全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数を記憶させ、情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した該液体量補正係数と該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得する構成としても良い。このような構成としても上記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0115】
上記の実施形態では、液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として吐出可能ドット総数を用いて記憶させているが、これに代えて、液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報を予め記憶させ、情報出力手段には、全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数と各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数を記憶させ、該情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した型番に応じた該液体量補正係数と、該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得する構成としても良い。このような構成としても上記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0116】
以上の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法、プログラム、記憶媒体、コンピュータシステム、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、記録装置等の開示が含まれていることは言うまでもない。
【0117】
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べるような実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0118】
上記の実施形態においては、プリンタ2が、ホストコンピュータ100と接続されてコンピュータシステムを印刷装置とした構成を例に説明したが、これに限られるものではない。例えば、プリンタ2が、指定された画像データを印刷データとなるCMYKビットマップデータに変換可能であり、かつ、インク消費量を予測可能な構成であれば、プリンタ単体であっても構わない。この場合には、プリンタ2が、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0119】
上記の実施形態では、素子として、非接触ICチップを用いたが、情報を記憶可能なものであればこのような構成に限定されるものではなく、例えば、アンテナ等と一体化されたものであってもよい。
【0120】
インクカートリッジは、インクが収容可能な構成であり、かつ、印刷装置本体に対して着脱可能なものであればよく、例えば、インク収容部の他に、インク吐出ヘッド等を更に有するものであってもよい。
【0121】
素子をインクカートリッジに取り付ける位置は、インクカートリッジの前面に限らず、任意の位置であってよく、その取り付け方法も、接着、圧入等種々の方法であってよい。
【0122】
インクの吐出量をインクカートリッジ毎に積算する吐出履歴管理部は、CPU及びこれに読み込まれたプログラムに限らず、積算専用の電子回路によって実現することも可能である。
【0123】
素子への情報の書き込みは、非接触状態にて行うことが好ましいが、接触状態にて行ってもよい。
【0124】
書き込み部材たるプリンタ本体側アンテナの位置は、各実施の形態に示した位置(左側非印刷領域)に限らず、例えば、右側非印刷領域であってもよい。
【0125】
吐出履歴管理部の積算結果に基づく選択は、CPU及びこれに読み込まれたプログラムに限らず、かかる選択を行うための専用の電子回路によって実現することも可能である。
【0126】
吐出履歴管理部の積算結果に基づく選択は、一つのインクカートリッジの選択に限らず、複数のインクカートリッジの選択であってもよい。例えば、積算値の最も大きいもの、及び、次に大きいものを選択してもよい。
【0127】
素子に消費量を示す情報を書き込む代わりに、残存量を示す情報を書き込んでもよい。また、消費量又は残存量を示す情報を書き込む構成であればよく、書き込まれる情報は、消費量又は残存量自体である必要はなく、例えば、何%使用されたかという情報等、消費量又は残存量が直接的又は間接的に把握できる情報であればよい。
【0128】
素子に消費量又は残存量を書き込んだ際には、RAM内の、選択されたインクカートリッジに対する積算値をリセットすることが好ましいが、リセットせずに、積算値から所定値を減じてもよく、又は、積算値を所定値で除してもよい。
【0129】
前述の実施形態に係るインクジェットプリンタと、コンピュータ本体、必要に応じて、CRT等の表示装置、マウスやキーボード等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、CD−ROMドライブ装置等を備えたコンピュータシステムも実現可能であり、このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【0130】
また、前述の実施形態に係るインクジェットプリンタに、コンピュータ本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能又は機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンタが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を有する構成としてもよい。
【0131】
また、上記各実施の形態では、印刷装置としてインクジェットプリンタを用いたが、例えば、インクジェット方式を用いた複写機、ファクシミリ、捺染機等に適用しても良い。
【0132】
本明細書及び添付図面により様々な発明構成要素が開示されているが、印刷装置については、インクカートリッジが着脱可能であること、及び、装着した状態で当該インクカートリッジの初期充填量の判別情報が取得可能であることが必須構成要素であり、インクカートリッジについては、記憶媒体が備えられているか否かは問わない。即ち、例えばインクカートリッジに初期充填量の判別情報を示す突起や凹部等を検出可能に形成しておいて、装着状態において当該突起や凹部を検出することで、初期充填量の判別情報を取得するようにしても良い。これらの必須構成要素に、他の構成要素を、それぞれ任意に組み合わせて、又は、単独で付加することによって様々な発明が成立することは勿論である。
【0133】
===その他の実施の形態===
<液体吐出装置について>
前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などに、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、液体消費量や残存量の管理の容易化、管理精度の向上を図ることができる。
【0134】
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出する場合においても、液体消費量や残存量の管理の容易化、管理精度の向上を図ることができる。
【0135】
<液体について>
また、前述の実施形態においては、プリンタをインクジェットプリンタとし、液体のインクを記録材として用いる例を示したが、本発明の制御装置はこのような液体のインクに限ることなく、例えばレーザビームプリンタにて記録剤として用いられているトナーにも適用することが可能である。そして、当該トナーの場合にあっても、初期充填量が大小異なる各種の記録材カートリッジのいずれのものをレーザービームプリンターに選択的に装着しても、その装着した記録材カートリッジの初期充填量を基準にして、記録材の消費率あるいは残存率の情報を正確に出力することが可能となり、記録材残存量の報知に関して使用者に不快感を与えてしまうことを防止することができるようになる。
【0136】
【発明の効果】
本発明によれば、初期充填量が異なる各種の液体カートリッジが選択的に交換装着されても、その消費率あるいは残存率に関する情報を、その交換装着されたカートリッジの初期充填量を基準として正確に管理することができる、液体吐出装置の制御装置、及び、制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の一例におけるインクジェットプリンタの概略斜視図。
【図2】実施の形態の一例におけるプリンタ内部の主要機構部を示す概略斜視図である。
【図3】実施の形態の一例におけプリンタ内部の主要機構部の概略正面図である。
【図4】実施の形態の一例におけるプリンタの制御回路の回路構成を示したブロック図である。
【図5】インクカートリッジおよびプリンタ本体11のカートリッジ装着部の概略構造を示す斜視図。
【図6】インクカートリッジの内部構造、キャリッジ40上のカートリッジ装着部の内部構造、およびカートリッジ装着部にカートリッジを装着する様子を示す断面図である。
【図7】記憶ユニットの構成を説明するための図である。
【図8】送受信部45が、素子41〜44に記憶されたID情報を読み取る際の、キャリッジ12(及びインクカートリッジ31〜34)の動作シーケンスを示す図である。
【図9】素子41〜44に記録されたID情報以外の情報を読み取る際の、キャリッジ12(及びインクカートリッジ31〜34)の動作シーケンスを示す図である。
【図10】RAM内部における情報の変化を説明するための、一実施形態に係る説明図。
【図11】一実施形態におけるコンピュータシステムによる印刷処理の概要を示すフローチャートである。
【図12】一実施形態におけるコンピュータシステムによるインク消費量予測処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク消費量の測定処理を示すフローチャートである。
【図14】ホストコンピュータに接続されたモニター画面に表示されたプリンタドライバのユーザーインターフェースを示す説明図である。
【図15】本実施形態におけるコンピュータシステムによるインク量情報の出力処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
P 印刷用紙
1 コンピュータシステム(印刷装置)
2 インクジェットプリンタ
11 プリンタ本体
12 キャリッジ
15 紙送りモータ
16 紙送りローラ
17 プラテン
17a 貫通孔
18 インク吸収材
19 廃インクタンク
20 ガイド部材
21 キャリッジモータ
22 プーリ
23 タイミングベルト
24 ワイピング部材
25 キャッピング手段
26 吸引ポンプ
30 記録ヘッド
31、32、33、34 カートリッジ
36、37、38、39 アンテナ
41、42、43、44 情報記録媒体としての不揮発性メモリ
45 送受信部
46、47、48、49、60 書き込み部材としてのアンテナ
50 制御回路
51 バッファメモリ
52 イメージバッファ
55 リードオンリメモリ(ROM)
56 ランダムアクセスメモリ(RAM)
55 コンピュータ
56 表示部
57 キーボード
60 アンテナ
71 共振用コンデンサ
80 カートリッジ装着部
81 針
82 カートリッジガイド
83 凹部
87 底部
88 後壁部
89 係合具
91 支持軸
92 固定レバー
93 係止部
100 ホストコンピュータ
101 入力装置
101a マウス
101b キーボード
102 読みとり装置
103 コンピュータ本体
104 モニター
110 操作パネル
111 操作ボタン
112 表示ランプ
113 表示ディスプレイ
120 排紙部
121 排紙トレー
130 給紙部
131 給紙ホルダ
311 インク収容部
312 カートリッジ本体
313 前面枠部
314 インク供給部
411 整流器
413 信号解析部RF(Radio Frequency)
415 制御部
417 メモリセル
501 送受信回路
Claims (10)
- 初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御に用いられる制御装置において、
該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置。 - 前記請求項1に記載の制御装置において、前記複数種の液体カートリッジには各々の種別に応じた前記初期充填量の判別情報を記憶する記憶媒体が取り付けられており、前記情報出力手段は、検知した液体消費量と前記記憶媒体から取得した初期充填量の判別情報とを用いて、前記消費率あるいは残存率を示す情報を出力すること特徴とする制御装置。
- 前記請求項2記載の制御装置において、前記情報出力手段は前記液体消費量を、吐出する液体で形成すべきドットの数を計測することにより検知するとともに、前記初期充填量の判別情報に基づいて初期充填量を吐出可能ドット総数として取得し、該検知したドットの数と該吐出可能ドット総数とから前記消費率あるいは残存率を示す情報を算出して出力することを特徴とする制御装置。
- 前記請求項3に記載の制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの種別に対応した吐出可能ドット総数が予め記憶されていることを特徴とする制御装置。
- 前記請求項3に記載の制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報が予め記憶されているとともに、前記情報出力手段には該型番に対応する吐出可能ドット総数が記憶されていることを特徴とする制御装置。
- 前記請求項3記載の制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数が記憶されているとともに、前記情報出力手段には全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数が記憶されており、該情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した該液体量補正係数と該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得することを特徴とする制御装置。
- 前記請求項3に記載の制御装置において、前記液体カートリッジの記憶媒体には、前記初期充填量の判別情報として各種液体カートリッジの型番を特定するための型番情報が予め記憶されているとともに、前記情報出力手段には、全種の液体カートリッジに対して共通して使用する吐出可能基準ドット総数と各種液体カートリッジの初期充填量に応じた液体量補正係数が記憶されており、該情報出力手段は装着された液体カートリッジから取得した型番に応じた該液体量補正係数と、該吐出可能基準ドット総数とを用いて装着された液体カートリッジの吐出可能ドット総数を取得することを特徴とする制御装置。
- 前記請求項1〜7いずれかに記載の制御装置において、前記液体吐出装置がプリンターであり、前記液体カートリッジがインクカートリッジであることを特徴とする制御装置。
- 初期充填量の大小異なる複数種の液体カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された液体カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した液体消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と液体消費量とに基づいて液体の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた液体吐出装置の制御方法において、
該情報出力手段は、未使用の液体カートリッジが装着された場合には、該液体カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御方法。 - 初期充填量の大小異なる複数種の記録材カートリッジを選択的に交換装着可能で、装着された記録材カートリッジに応じた初期充填量の判別情報を取得するとともに消費した記録材消費量を検知して、該初期充填量の判別情報と記録材消費量とに基づいて記録材の消費率あるいは残存率を示す情報を出力する情報出力手段を備えた記録装置の制御に用いられる制御装置において、該情報出力手段は、未使用の記録材カートリッジが装着された場合には、該記録材カートリッジの初期充填量の大小に拘わらず、同一の消費率あるいは残存率を示す情報を出力することを特徴とする制御装置。
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| JP2002223951A JP2004058616A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 液体吐出装置に用いられる制御装置、及び、制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2004058616A true JP2004058616A (ja) | 2004-02-26 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-07-31 JP JP2002223951A patent/JP2004058616A/ja active Pending
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