JP2004058619A - ガスバリア性積層体 - Google Patents

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Yoshinori Hayakawa
早川 義則
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Abstract

【目的】透明性で強靱であり、且つ、内容物に浸透性の高いアルコールを高温高湿度下で保存してもデラミネーションすることがなく、長時間内容物を保護することが可能な積層体を提供する。この積層体から成る袋はアルコールを含む衛生用品や医薬品などの包装用途使用することができる。その形態は、袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディングパックなど様々である。更に、透明性があるので、内容物を外から確認でき、金属異物検査も可能である。
【構成】少なくとも片面に無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層を含み、内容物側にシーラント層を有し、外側に水蒸気を遮断するフィルム層を有する積層体であって、且つ、前記水蒸気を遮断するフィルム層の水蒸気透過度が100g/m・d以下であることを特徴とするガスバリア性積層体。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェットティッシュなどのアルコールを含有する衛生用品、医療品等の包装に好適なガスバリア性に優れた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウェットティッシュなどのアルコールを含有する包装体は、内容物の保護性を付与するため、アルミニウム箔をバリア層とする、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルム/アルミニウム箔/シーラントフィルム構成の積層体が使用されていた。
ところが、アルミニウム箔をバリア層にもつ積層フィルムは、包装体使用後の廃棄処理時に環境保全上の問題が指摘されていているため、解決が求められていた。
【0003】
近年、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等のプラチックフィルム基材の表面に酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機薄膜を形成したガスバリア性フィルムが多く提案されている。かかるガスバリア性フィルムをアルミニウム箔の代わりにガスバリア層とした積層体とし、この積層体を、衛生用品、医薬品等のアルコールや水分を含有する包装材料として用いる提案がされている。
アルコールは、浸透性が高く、例えば特開平10−315375の様に、無機薄膜層と透明プラスチック層の密着を強固にして、無機薄膜層と透明プラスチックのデラミネーションを防ぐことが提案されている。
【0004】
また、内容物としてアルコールを充填した包装体は、積層体のデラミネーションを生じやすく、ポリエステル系樹脂を基材フィルムとした積層体では、特開平6−182949,特開平7−108653,特開平10−264329などの様に基材フィルムまたはシーラントフィルムの密着力を向上させデラミネーションを防ぐ提案がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
無機薄膜層を持つプラスチックフィルムのアルコール透過性は乏しく、内容物から透過してきたアルコールは、最も内容物に近い層から無機薄膜層までの間に溜まる。その結果、各層間の接着剤はアルコールに浸され接着力が低下し、デラミネーション(剥離)する問題が生じてしまう。
特に高温高湿度下では顕著であり、従来の方法では、対応できない場合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記実情に鑑み、無機薄膜層を有するプラスチックフィルムのガスバリア性積層体について鋭意検討を行った。その結果、水蒸気遮断する層を無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層と積層することにより、かかる問題点が解決できることを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明の目的は、ガスバリア性の優れた積層体を提供するものであり、その要旨は、少なくとも片面に無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層を含み、内容物側にシーラント層を有し、外側に水蒸気を遮断するフィルム層を有する積層体であって、且つ、前記水蒸気を遮断するフィルム層の水蒸気透過度が100g/m・d以下であることを特徴とするガスバリア性積層体に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のガスバリア性積層体は、少なくとも片面に無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層を含み、内容物側にシーラント層を有し、外側に水蒸気を遮断するフィルム層を有する積層体である。
【0008】
水蒸気を遮断するフィルム層としては、水蒸気透過度が100g/m・d以下のものを用いるのが良く、好ましくは60g/m・d以下のものを用いるのが良い。水蒸気を遮断するフィルム層の水蒸気透過度が100g/m・dより大きいとデラミネーションを防止できないので好ましくない。水蒸気を遮断するフィルム層は、水蒸気透過度が100g/m・d以下であれば、材質、膜厚等は特に限定されるものではない。本発明における水蒸気透過度はJIS K7129の「プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法」に準じて測定できる。
【0009】
水蒸気を遮断するフィルム層としては、例えばポリエステル系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体系フィルム、アイオノマー系フィルム、ポリメチルペンテン系フィルム、ポリメチルメタアクリレート系フィルム、ポリエチレンビニルアルコール共重合体系フィルム、ポリ塩化ビニリデン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を積層したプラスチックフィルム、アクリル酸化合物を積層したプラスチックフィルム、無機金属薄膜を蒸着したプラスチックフィルム、珪素化合物を積層したプラスチックフィルム、アルミニウム箔などが用いられる。本発明の効果を奏するものであれば特に限定されるものではないが、好ましくはポリエステル系フィルム、ポリプロピレン系フィルムが用いられる。
【0010】
これらのフィルムは、単体はもちろん、これらのフィルムを含む積層体でも良く、共押出やラミネートによる積層フィルムも適している。また、延伸が可能な素材のフィルムでは、未延伸フィルムはもちろん、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムが好適に用いられる。厚みは5μm以上が好ましい。5μmより薄いと強度に不足があるので好ましくない。又、厚みは150μm以下が好ましい。150μmを越えると腰が強く、包装体として適さないので好ましくない。
【0011】
無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層のプラスチックフィルムは、ポリエステル系フィルムとポリアミド系フィルムが好ましいが、本発明の効果をそこなわない限り、他のプラスチックフィルムも好適に用いることができる。
ポリエステル系フィルムとしては、その原料は特に制限はないが、通常、いわゆるPET、PEN、あるいはこれらを主成分とする共重合ポリエステル原料を用いたものが使用される。また、該フィルムは、通常、延伸倍率が4〜20倍程度の二軸延伸フィルムが望ましい。また、該フィルムの厚さの下限は、通常5μm以上であり、好ましくは9μm以上である。5μmより薄いと強度に不足があるので好ましくない。又、上限は50μm以下であり、好ましくは25μm以下である。50μmを越えると加工に適さないので好ましくない。
【0012】
ポリアミド系フィルムとしては、その原料は特に制限はないが、通常、ナイロン6、ナイロン66、メタキシレンアジパミドなどの公知の原料を用いたものが使用される。また、該フィルムは、通常、延伸倍率が4〜15倍程度の二軸延伸フィルムが望ましい。また、該フィルムの厚さの下限は、通常10μm以上であり、好ましくは15μm以上である。10μmより薄いと強度に不足があるので好ましくない。又、上限は50μm以下であり、好ましくは25μm以下である。50μmを越えると腰が強く加工に適さないので好ましくない。
【0013】
ここでの無機薄膜層は、ポリアミド系フィルム又はポリエステル系フィルムなどのプラスチックフィルムの表面の片面又は両面に形成する。無機薄膜層の材質としては金属、金属酸化物、金属窒化物等であり、具体的には、珪素、アルミニウム、マグネシウム、スズ、またはこれらの酸化物等が挙げられる。これらは1種類または2種類以上の混合物として使用することができる。薄膜層を形成する方法としては真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法等がある。また、薄膜層の厚さの下限は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上である。1nmより薄いと十分なガスバリヤ性が得られないので好ましくない。又、上限は300nm以下、好ましくは30nm以下である。300nmより厚いと、基材フィルムの透明性が損なわれるので好ましくない。
【0014】
上記の無機薄膜層の強固な密着性を得るため、フィルム上にアンカーコート層を設け、その上に薄膜層を形成する方法を採用してもよい。アンカーコート層としては、溶剤性及び/又は水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等を単独又は2種以上併せて使用できる。
【0015】
上記、無機薄膜層を形成したプラスチックフィルムは、水蒸気遮断フィルム層として使用しても良い。
【0016】
シーラント層は、ヒートシール可能ないわゆるシーラントフィルムから構成される。シーラントフィルムとしては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンー(メタ)アクリル酸共重合体、エチレンー(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・αーオレフィン共重合体、アモルファスポリエステル等からなるフィルムが使用される。シーラントフィルムの厚さの下限は、通常10μm以上、好ましくは15μm以上である。又、上限は150μm以下、好ましくは120μm以下である。シーラント層が薄い場合は接着強度が劣る傾向があり、一方、厚すぎる場合は包装用途に適さなくなる傾向があるので、上述の範囲から選択するのが好ましい。
【0017】
本発明のガスバリア性積層体は、上述した水蒸気を遮断するフィルム層、無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層、シーラント層を含む少なくとも3層から構成される。そして、水蒸気を遮断するフィルム層/無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層の構成を含み、最内層にシーラント層を有することを要件とするので、最も基本的な層構成は、「水蒸気遮断フィルム層/(無機薄膜層側)無機薄膜蒸着プラスチックフィルム層/シーラント層」である。
ここで、水蒸気透過度が100g/m・d以下の水蒸気を遮断するフィルム層を、無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層の外側に積層しないと、外部からの水分の浸透を防ぎきれず、無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層に隣接した内容物側のフィルムの間で接着力の低下を招くため好ましくない。
【0018】
本発明の積層体の製造方法としては、一般的な方法であるドライラミネート及び押出ラミネート、これらの組合わせ等の方法が採用されるが、これに限定されるものではない。なお、前記積層体の構成の例示においては記載を省略しているが、各層を実際に積層する場合は、各層間に接着剤を塗布してヒートシールすることが一般的であるので、本願発明の積層体には接着層等を含んでいてもよい。即ち、本願発明の積層体における「水蒸気遮断フィルム層/無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層/シーラント層」の構成は、「水蒸気遮断フィルム層/接着層/無機薄膜層蒸着プラスチックフィルム層/接着剤層/シーラント層」のような構成を当然包含する。
【0019】
なお、製品の商品性を高めるため、どれかの層に印刷層を設けることもできる。本発明の積層体の製造例として、例えば、ドライラミネート法のケースとして、水蒸気を遮断するフィルム層として二軸延伸ポリプロピレンフィルムの印刷面に接着剤を塗布し、乾燥後、無機薄膜蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムの蒸着面と張り合わせ、更に、無機薄膜蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムの無機薄膜側と反対側に接着剤を塗布し、乾燥後、シーラントフィルム張り合わせことで、二軸延伸ポリプロピレンフィルム層/印刷層/接着剤層/(無機薄膜層側)無機薄膜蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム層/接着剤層/シーラント層
の構成の本発明の積層体が得られる。
更に、本発明のラミネートフィルムは、シーラント層同士を内側にして、端部を熱溶着させて製袋し、内容物を充填して使用することができる。この袋では、シーラント層が最内層としての構成となる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の内容および効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。なお、以下の例において、フィルムの評価及び測定は、次の各方法によって行ったものである。フィルムの層構成と評価結果を表―1に示した。
【0021】
〈水蒸気透過度〉
JIS K7129の「プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法」に準じて測定した。
【0022】
フィルムI:厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学工業(株)製、サンオリエントFOA)
フィルムII:厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱化学興人パックス(株)製、ダイアホイルH100C12)
【0023】
フィルムIII:厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱化学興人パックス(株)製、ダイアホイルH100C12)の片面に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製コロネートL)と飽和ポリエステル(東洋紡績社製バイロン300)を1:1の割合で混合した樹脂をグラビアコートし、乾燥後0.1μmの樹脂層を形成した。ついで、真空蒸着装置に供給し、5×10−3Paの真空化で10Kwの電子ビーム加熱方式により、純度99.9%の一酸化珪素を加熱蒸着させて、樹脂層上に厚さ20nmの珪素酸化物薄膜層を形成し、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムを作製した。
【0024】
フィルムIV:厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(三菱化学興人パックス(株)製、ボニールSN)
シーラント:厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ(株)製 RXC−11)
【0025】
実施例1
フィルムI/(無機薄膜層側)フィルムIII/シーラントの構成で、接着剤に東洋モートン(株)製 AD−502/CAT−10Lを用い、ドライラミネート法で積層フィルムを作製した。次いで、このフィルムを2つ折りにして、端部を180℃で1秒間ヒートシールして、横取りにて四方シール袋(サイズ150mm×150mm)を作製した。得られた袋に濃度70%のエタノール50mlを充填し、40℃×90%RHの環境下にて1週間保存し、保存後のラミネートフィルムの状態を調べた。結果を表−1に示す。
実施例2、比較例1〜2
実施例1において、層構成を表−1のように変更した以外は実施例1と同様にして積層体を作製し、このフィルムを2つ折りにして、端部を180℃で1秒間ヒートシールして、横取りにて四方シール袋(サイズ150mm×150mm)を作製した。得られた袋に濃度70%のエタノール50mlを充填し、40℃×90%RHの環境下にて1週間保存し、保存後のラミネートフィルムの状態を調べた。結果を表−1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2004058619
【0027】
【発明の効果】
本発明の積層体は、透明性で強靱であり、且つ、内容物に浸透性の高いアルコールを高温高湿度下で保存してもデラミネーションすることがなく、長時間内容物を保護することが可能である。かかる袋はアルコールを含む衛生用品や医薬品などの包装用途使用することができる。その形態は、袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディングパックなど様々である。更に、透明性があるので、内容物を外から確認でき、金属異物検査も可能である。

Claims (6)

  1. 少なくとも片面に無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層を含み、内容物側にシーラント層を有し、外側に水蒸気を遮断するフィルム層を有する積層体であって、且つ、前記水蒸気を遮断するフィルム層の水蒸気透過度が100g/m・d以下であることを特徴とするガスバリア性積層体。
  2. プラスチックフィルムがポリアミド又はポリエステルである請求項1のガスバリア性積層体
  3. 水蒸気を遮断するフィルム層の水蒸気透過度が60g/m・d以下である請求項1または2のガスバリヤ性積層体
  4. 無機薄膜層が酸化珪素又は酸化アルミニウムである請求項1ないし3いずれかのガスバリヤ性積層体
  5. 請求項1ないし4いずれかのガスバリア性積層体を使用したアルコール含有内容物用包装材
  6. 請求項1ないし5いずれかのガスバリア性積層体端部のシーラント層同士を熱溶着させて製袋して成る袋
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118849583A (zh) * 2019-12-06 2024-10-29 凸版印刷株式会社 阻气膜

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