JP2004061966A - 反射体及び反射型液晶表示装置並びに反射体の製造方法 - Google Patents

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吉井 克昌
Tatsumaro Yamashita
山下 龍麿
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Abstract

【課題】所望の反射特性を得ることができ、しかも干渉パターンが発現するおそれがなく、更に製造プロセスを簡略化することが可能な反射体を提供する。
【解決手段】基体の一面28bに、略四面体形状であって複数の不均等な大きさの凸部31…が相互に隣接して形成されるとともに、凸部31…を含む一面28b上に高反射性層が形成されてなることを特徴とする反射体を採用する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射体及び反射型液晶表示装置並びに反射体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射型液晶表示装置は、太陽光、照明光等の外光のみを光源として利用する液晶表示装置であり、低消費電力が要求される携帯情報端末等に多く用いられている。また、別の例である半透過型液晶表示装置は、外光が十分得られない環境においてはバックライトを点灯させて透過モードで動作し、外光が十分得られる場合にはバックライトを点灯させない反射モードで動作するものであり、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の携帯電子機器に多く用いられている。
【0003】
反射型液晶表示装置には、明るい表示性能を有することが要求される。この表示性能を実現するには、外部より入射した光が、反射型液晶表示装置内部で反射され、再び、外部に出射される光に散乱性能を制御することが重要である。このため反射型液晶表示装置では、液晶表示装置表示面に対して、あらゆる角度からの入射光を表示方向(観察者側)に反射させる機能を持たせるために、液晶表示装置内部あるいは外部に設ける反射板に散乱性能を持たせる方式、あるいは、液晶表示装置内部に散乱層を形成し、光が散乱層を透過するときに散乱する前方散乱方式などで反射型液晶表示装置を構成している。
【0004】
図19は、液晶パネル内部に散乱性能を持たせた反射板を設けた従来の反射型液晶表示装置の一例を示す側面断面図である。この反射型液晶表示装置は、光の入射方向から見て、順次、光透過性の対向基板101、液晶層110、及び光反射性の素子基板102を備え、素子基板102には、対向基板101を透過した光Qを反射し、かつ散乱する反射型の散乱帯が設けられている。散乱帯は、表面に凹凸122aを有する高反射率金属膜122とこれの下層の絶縁層128からなる反射板130からなり、この反射板130の1画素あたりの領域が指向性の強い反射特性を有する領域Bと拡散性の強い反射特性を有する領域Aの2つの領域に分けられ、各領域には平均傾斜角度が互いに異なる凹凸面が形成されている。
尚、この反射型液晶表示装置は、高反率金属膜122の厚みを薄くするか、あるいは透過用細孔を形成することで、半透過型としても使用可能である。
【0005】
図20は、この反射型液晶表示装置に備えられた反射板の反射特性を示す図であり、図20の曲線(A)は、図19における領域Bの反射特性のプロファイルであり、図20の曲線(B)は図19における領域Aの反射特性のプロファイルであり、図20の曲線(C)は1画素全体の反射特性のプロファイルである。この反射特性は、白色光源を反射板面に対して法線方向に固定し、反射光強度を測定するための検出器を回転させ、反射光の出射角度の依存性を測定したものである。
曲線(A)、(B)は、それぞれ入射光Lの正反射角度を中心とするガウス分布形状のプロファイルを示し、各曲線の分布幅は、領域A、Bの反射特性をそれぞれ反映したものとなっている。即ち、反射特性(B)のプロファイルの半値幅が、反射特性(A)のプロファイルの半値幅よりも幅広になっている。
1画素の最終的な反射特性のプロファイルを示す曲線(C)は、曲線(A)、(B)と同様に入射光の正反射方向を中心とするガウス分布形状を示し、そのプロファイルの半値幅は1画素全体の平均的なものとなる。
このように、反射板130の1画素あたりの領域を、指向性の強い反射特性を有する領域Bと拡散性の強い反射特性を有する領域Aの2つに分けることで、反射輝度特性を制御することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図19に示す従来の反射型液晶表示装置では、反射面にランダムな凹凸を有する反射板130を用いており、このような反射体130を製造するには、サンドブラスト、エッチング、フォトリソグラフィ手法、エンボス加工等により凹凸を形成する手段が取られている。
しかし、この製造方法により得られた反射体においては、ランダム性の凹凸面からの反射光が受光角方向にに対し対称なガウス分布型になるため、法線方向の表示が暗く、所望の反射特性を得るのが困難であったり、反射特性のプロファイルがガウス分布形状となるために干渉パターンが発現するという問題があった。上記の問題を解決すべく、凹凸形状をある程度制御して形成すると、多数のフォトマスクや加工ツールが必要となり、また製造プロセスが長くなるといった問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、所望の反射特性を得ることができ、しかも干渉パターンが発現するおそれがなく、更に製造プロセスを簡略化することが可能な反射体及び反射体の製造方法並びにこの反射体を備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
【0009】
本発明の反射体は、基体の一面に、略四面体形状であって複数の不均等な大きさの凸部が相互に隣接して形成されるとともに、該凸部を含む前記一面上に高反射性層が形成されてなることを特徴とする。
【0010】
係る反射体によれば、不均等な大きさの複数の凸部が相互に隣接配置されるので、反射光において干渉パターンが発生することがなく、この反射体を液晶表示装置に用いた場合には液晶表示装置の表示の視認性を向上できる。
【0011】
また本発明の反射体は、先に記載の反射体であり、前記凸部は、前記基体の一面に、断面視略V字形状でかつ同一方向に延びる複数の第1ストライプ溝が連続して設けられるとともに、断面視略V字形状でかつ第1のストライプ溝と交差する方向に延びる複数の第2ストライプ溝が連続して設けられることにより形成されたものであることを特徴とする。
また、前記第1,第2ストライプ溝のピッチが溝毎にランダムに異なっていることが好ましい。
また、第1,第2ストライプ溝は、直交していることが好ましいが、所定の角度で交差していても良い。
【0012】
係る反射体によれば、第1、第2ストライプ溝を設けることにより凸部を形成するので、凸部の形状を四面体形状とすることができる。即ち、第1、第2ストライプ溝を構成する斜面が、凸部を構成することになる。
従って、第1,第2ストライプ溝のピッチが溝毎にランダムに異なっている場合は、各溝を構成する斜面の幅が溝毎にランダムに異なることになり、これにより隣接する凸部の大きさを不均等なものにすることができ、反射光における干渉パターンの発生を防止できる。
【0013】
また本発明の反射体においては、前記第1,第2ストライプ溝の少なくとも一部の断面形状が対称V字形状であることが好ましい。
また本発明の反射体においては、前記第1,第2ストライプ溝の少なくとも一部の断面形状が非対称V字形状であることが好ましい。
【0014】
係る反射体によれば、第1、第2ストライプ溝の断面視形状を対称あるいは非対称V字形状とすることで、反射光における干渉パターンの発生を防止できる。特に、一部のストライプ溝の断面視形状を非対称V字形状とした場合は、各溝を構成する一対の斜面の傾きが異なることになり、これにより隣接する凸部の大きさを不均等なものにすることができ、反射光を散乱させて反射光における干渉パターンの発生を防止できる。
またこの反射体を組み込んだ液晶表示装置の反射特性が、最も頻度の高い観察視野方向に反射輝度が明るくできる点で最も好ましい。
【0015】
また本発明の反射体においては、前記第1,第2ストライプ溝の断面視V字形状を構成する一対の斜面のうち、一方又は両方の斜面が凹曲面であることが好ましい。
また本発明の反射体においては、前記第1,第2ストライプ溝の断面視V字形状を構成する一対の斜面のうち、一方または両方の斜面が凸曲面であることが好ましい。
【0016】
係る反射体によれば、第1、第2ストライプ溝の断面視V字形状を構成する一対の斜面のうち、一方または両方の斜面を凹曲面または凸曲面とすることで、凸部の一部の面を凹曲面または凸曲面とすることができ、これにより反射光を散乱させて反射光における干渉パターンの発生を防止できる。
【0017】
次に本発明の液晶表示装置は、先のいずれかに記載の反射体を具備してなることを特徴とする。
係る液晶表示装置によれば、上記の反射体を備えているので、反射光において干渉パターンが発生することがなく、液晶表示装置の表示の視認性を向上できる。
【0018】
次に本発明の反射体の製造方法は、先端がV字状の切削工具により母型の型面を切削加工して、断面視略V字形状でかつ同一方向に延びる複数の第1ストライプ溝を連続して形成するとともに、断面視略V字形状でかつ第1のストライプ溝と交差する方向に延びる複数の第2ストライプ溝を連続して形成して母型を作製する工程と、前記母型の型面上に電鋳によって金属を付着後、該金属を離型することより前記母型の型面の形状に対応する形状の型面を備えた電鋳型を作製する工程と、感光性樹脂基材の表面に前記電鋳型の型面を押しつけて転写することにより、前記感光性樹脂基材の表面に前記母型の型面と同一形状の成形面を形成する工程と、前記感光性樹脂基材の成形面に高反射性層を成膜する工程とを備えることを特徴とする。
尚、感光性樹脂を電鋳型の型面に射出成形して、感光性樹脂基材の表面に前記電鋳型の型面を転写することにより、前記感光性樹脂基材の表面に前記母型の型面と同一形状の成形面を形成してもよい。
【0019】
係る反射体の製造方法によれば、先端がV字状の切削工具により母型の型面を切削加工して第1、第2ストライプ溝を連続して形成するので、この型面に基づいて反射体を形成した場合に、反射体の表面に、略四面体形状の複数の凸部を相互に隣接させて形成することができ、反射光における干渉パターンの発生のない反射体を製造できる。
【0020】
また本発明の反射体の製造方法は、先に記載の反射体の製造方法であり、前記第1または第2ストライプ溝を形成する際の前記切削工具の送りピッチがランダムなピッチに設定されていることを特徴とする。
【0021】
係る反射体の製造方法によれば、第1または第2ストライプ溝を形成する際の前記切削工具の送りピッチがランダムなピッチに設定されているので、この型面に基づいて反射体を形成した場合に、反射体の表面に、略四面体形状であって不均等な大きさの複数の凸部を相互に隣接配置して形成することができ、反射光における干渉パターンの発生のない反射体を製造できる。
【0022】
また本発明の反射体の製造方法においては、前記切削工具の先端形状が対称V字形状または非対称V字形状であることが好ましい。
【0023】
係る反射体の製造方法によれば、反射体の表面に、略四面体形状であって不均等な大きさの複数の凸部を相互に隣接配置して形成することができ、反射光における干渉パターンの発生のない反射体を製造できる。
【0024】
また本発明の反射体の製造方法においては、前記切削工具の先端V字形状を構成する一対の斜面のうち、一方又は両方の斜面が凹曲面または凸曲面であることが好ましい。
【0025】
係る反射体の製造方法によれば、反射体の表面に、略四面体形状であって不均等な大きさの複数の凸部を相互に隣接配置して形成することができ、反射光における干渉パターンの発生のない反射体を製造できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1には、本発明の第1の実施形態の液晶表示装置の斜視図を示し、図2には図1のA−A線に対応する断面模式図を示し、図3には、図1の液晶表示装置に用いられる反射体の要部の部分斜視図を示し、図4には反射体の要部の部分平面図を示す。
【0027】
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶表示装置1は、液晶セル20と、液晶セル20の観察者側に配されたフロントライト10と、液晶セル20のフロントライト10側とは反対側に外付けされた本発明に係る反射体30とから概略構成されている。
【0028】
液晶セル20は、液晶層23を挟持して対向する第1の基板(一方の基板)21と第2の基板(他方の基板)22をシール材24で接合一体化して概略構成されている。
第1の基板21および第2の基板22は、ガラス基板などの透明基板からなり、これらの液晶層23側(内面側)には、それぞれ表示回路26,27が設けられている。
表示回路26,27は、図示されていないが、液晶層23を駆動するための透明導電膜等からなる電極層や、液晶層23の配向を制御するための配向膜等を含むものである。またカラー表示を行う場合には、カラーフィルタを含む構成であってもよい。
【0029】
図2に示すように、フロントライト10は、液晶セル20の第2の基板(他方の基板)22の外面側(観察者側)に配置されており、このフロントライト10は特に限定されず、透光性を有する任意形状の面状発光体を用いることができる。本実施形態において、フロントライト10は、例えばアクリル樹脂などからなる透明な導光板12の側端面12aに、冷陰極管などからなる光源13が設けられた構成を有しており、導光板12の下面(液晶セル20側の面)は光が出射される平滑な出射面12bとなっている。また導光板12の出射面12bと反対側の面(導光板12の上面)は、導光板12内部を伝搬する光の方向を変えるためのくさび状の溝が、所定のピッチでストライプ状に複数形成されたプリズム面12cとなっている。
【0030】
図2に示すように、反射体30は、透明のセパレータ31を介して液晶セル20の第1の基板(一方の基板)21の外面側に配置されており、この反射体30は、図2及び図3に示すように反射基板(基体)28と、この反射基板28上に積層された平坦化層29とから構成されている。反射基板28の表面には高反射性層28aが形成されており、平坦化層29はこの高反射性層28aに接して積層されている。
【0031】
図3及び図4には反射体30を構成する反射基板(基体)28の一部を示す。図3及び図4に示すように、この反射基板28の一面28aには、略四面体形状であって複数の不均等な大きさの凸部31が相互に隣接して形成されている。
また、各凸部31…を構成する4つの斜面の内、Y方向の反対方向に向く斜面が主反射面32…とされている。
【0032】
また、反射基板28の一面28bには、断面視略V字形状でかつ図中Y方向に延びる複数の第1ストライプ溝41…(41a〜41c)と、断面視略V字形状でかつ図中X方向に延びる複数の第2ストライプ溝51…(51a〜51d)とが形成されている。第1ストライプ溝41…は相互に隣接して形成され、また第2ストライプ溝51…も同様に相互に隣接して形成されている。これにより、反射基板28には、第1,第2ストライプ溝41…、51…を区画する斜面のみが形成され、反射基板28の基板面に平行な面は存在しない状態になっている。
また、図3及び図4では、第1、第2ストライプ溝41…、51…が相互に直交しているが、所定の角度をもって交差していても良い。
【0033】
各凸部31は、第1、第2ストライプ溝41…、51…によって形成されている。即ち、例えば反射基板28のほぼ中央にある凸部31aを例に説明すると、この凸部31aを構成する4つの斜面のうちの一対の斜面31a、31aは、第1ストライプ溝41a及び41bを構成する斜面により形成され、もう一対の斜面31a、31aは、第2ストライプ溝51b及び51cを構成する斜面により形成される。
また、第1,第2ストライプ溝41,51は、その断面形状が対称V字形状とされている。即ち、一つのストライプ溝を構成する一対の斜面の傾斜角度が同一とされている。
更に、図3及び図4に示す各ストライプ溝41,51の深さは、基板面を基準として同一の深さであるが、溝の深さを溝毎に適宜変更しても良い。
【0034】
第1,第2ストライプ溝41…,51…のピッチは、溝毎にランダムに異なっていることが好ましい。ここで、ストライプ溝41…,51…のピッチとは、隣接する溝同士の最深部間の距離をいう。図3及び図4に示すように、第1ストライプ溝41…のピッチは、P11、P12、P13,P14で示されており、第2ストライプ溝51…のピッチは、P21、P22、P23,P24、P25で示されている。
ここで、第1ストライプ溝41…のピッチについては、P11>P12>P13>P14の関係にある。また、第2ストライプ溝51…のピッチについては、P25>P23>P24=P22=P21の関係にある。
【0035】
尚、上記の第1,第2ストライプ溝41…,51…のピッチは、凸部31の大きさを規定するものでもある。即ち、先程の凸部31aを例にすると、この凸部は、X方向にP12,Y方向にP23の大きさの四面体となる。従って、第1,第2ストライプ溝41…,51…のピッチを上述のようにランダムに変えることにより、反射基板28上に、複数の不均等な大きさの凸部31を形成することが可能になる。
【0036】
第1ストライプ溝41…のピッチP11、P12、P13、P14は、1〜30μmの範囲が好ましく、また第2ストライプ溝51…のピッチP21、P22、P23、P24、P25も同様に、1〜30μmの範囲が好ましい。この範囲であれば、反射光において干渉パターンが発現するおそれがない。
【0037】
本実施形態では、反射基板28に対し、凸部31…を含む一面28b上に高反射性層28aを形成することにより、反射体30が形成される。
高反射性層28aを構成する金属材料としては、Al、Agなどの反射率の高い金属が用いられる。
高反射性層28aの膜厚は80nm以上200nm以下の範囲であることが好ましい。膜厚が80nm未満だと、高反射性層28aによる光の反射率が過小となって反射モード時の表示が暗くなるので好ましくなく、膜厚が200nmを超えると必要以上の膜付けコストがかかることや、ストライプ溝41,51による起伏が小さくなってしまうので好ましくない。
尚、本発明では、高反射性層28aを薄膜(80nm以下)とすることで、半透過型液晶表示装置にすることができるが、より明るい表示を得るには、膜厚80〜200nmの高反射性層28aに所定の開口率で微小開口部を設けることができる。この場合、開口率が1画素面積に対して15〜30%、好ましくは15〜25%となる。
【0038】
この反射体30には、同一方向に傾斜する主反射面32…が備えられており、この主反射面32を含む反射体30を、図2及び図3、図4に示すXY方向の対応関係を保つように液晶表示装置1に組み込むことで、入射した入射光Qを図2中R方向に反射させることができ、反射光の方向を観察者の視線方向αに接近させることができる。
【0039】
更に、不均等な大きさの複数の凸部31…が相互に隣接して配置されるので、反射光において干渉パターンが発生することがなく、この反射体31を液晶表示装置1に用いた場合には液晶表示装置1の表示の視認性を向上できる。
【0040】
次に、本発明に係る反射体30の製造方法について図5〜図13を参照して説明する。
この反射体30の製造方法は、切削工具により母型の型面を切削加工することにより第1、第2ストライプ溝を形成して母型を作製する工程と、母型の型面上に電鋳によって金属を付着後、該金属を離型する工程と、感光性樹脂基材の表面に電鋳型を押しつけて転写する工程と、前記感光性樹脂基材の成形面に高反射性層を成膜する工程とから概略構成されている。
【0041】
まず、母型を製造する工程について詳細に説明する。図5及び図6に示すように、先端部がV字状の切削工具61を用意する。
切削工具61は、図5及び図6に示すように、その先端部形状が、工具の移動方向から見たときに対称V字形状となっており、即ち一対の切削面62、63が最先端64で接合した構成になっている。
また、各切削面62,63の傾斜角度は、図6に示すように、切削工具61の最先端64から垂直方向に延ばした線と各切削面62,63とのなす角θ、θで表すことができ、θ、θはともに0°を超えて30°以下の範囲が好ましい。また、本実施形態ではθ、θが同一の角度だが、θ、θを異なる角度にしてもよい。本実施形態ではθ、θが同一であるため、対称V字形状のストライプ溝41を形成できる。
【0042】
この切削工具61を母型71の型面72に押し当てながら、図5中矢印で示す移動方向に沿って移動させることにより切削加工を行い、第1ストライプ溝を形成する。切削工具61の移動方向は、まず、図5中Y方向の反対方向に向けて母型71を切削しつつ移動させ、次に所定の送りピッチの分だけ図中X方向に移動させ、次に図中Y方向に向けて母型71を切削しつつ移動させ、次に再び所定の送りピッチの分だけ図中X方向に移動させる。このサイクルを繰り返し行いながら、母型71の型面72のほぼ全面を切削加工する。
【0043】
図7には、切削工具61による切削加工の様子を示している。図7に示すように、切削工具61を図中X方向に沿ってP11、P12、P13,P14の送りピッチで順次移動させながら切削加工を行うことで、第1ストライプ溝41…が形成される。尚、送りピッチP11、P12、P13、P14は、1〜30μmの範囲でランダムに変更することが好ましい。この範囲でランダムに変更すれば、反射光において干渉パターンが発現するおそれがない。
【0044】
こうして形成された第1ストライプ溝41…は、図8に示すように、溝の深さが各溝間においてほぼ同一であり、しかも断面形状が切削工具61の先端部形状に対応した対称V字形状になっており、図中Y方向に延びて形成されている。また、各第1ストライプ溝41…は、相互に隣接して形成されており、切削した部分には母型71の基準面に平行な面が存在しない状態になっている。
【0045】
次に、図9〜図13に示すように、第1ストライプ溝41…の形成後の母型71に対して、同じ切削工具61を用いて第2ストライプ溝51…の形成を行う。即ち、切削工具61を母型71の型面72に押し当てながら、図9中矢印で示す移動方向に沿って移動させることにより切削加工を行い、第2ストライプ溝を形成する。切削工具61の移動方向は、まず、図9中X方向に向けて母型71を切削しつつ移動させ、次に所定の送りピッチの分だけ図中Y方向に移動させ、次に図中X方向の反対方向に向けて母型71を切削しつつ移動させ、次に再び所定の送りピッチの分だけ図中X方向に移動させる。このサイクルを繰り返し行いながら、母型71の型面72のほぼ全面を切削加工する。
【0046】
図10〜12には、切削工具61による切削加工の様子を示している。図12に示すように、切削工具61を図中Y方向に沿ってP21、P22、P23、P24、P25の送りピッチで順次移動させながら切削加工を行うことで、第2ストライプ溝51…が形成される。尚、送りピッチP21、P22、P23、P24、P25は、1〜30μmの範囲でランダムに変更することが好ましい。この範囲でランダムに変更すれば、反射光において干渉パターンが発現するおそれがない。
【0047】
このようにして、母型71に切削加工を施して第1、第2ストライプ溝41…,51…を形成することにより、母型71の型面に略四面体形状であって複数の不均等な大きさの凸部が相互に隣接して形成される。
【0048】
次に、上記母型の型面上にNi等の金属を電鋳処理によって必要な厚さ分だけ形成した後、離型すると、上記母型の型面の凸部形状と凹凸が逆の凹凸形状を有する型面を備えた電鋳型が得られる。
【0049】
ついで、基材上に、スピンコート法などによりアクリル系レジストなどの感光性樹脂液を塗布した後、プリベークして感光性樹脂層を形成し、上記電鋳型の型面を上記感光性樹脂層の表面に押しつけた後、離型し、該感光性樹脂層の表面に上記電鋳型の型面の凹凸形状と凹凸が逆の凹凸形状を形成すると、母型71の型面と同一形状の凸部が形成された図3、図4に示すような反射基板28が得られる。
ついで、この反射基板28の表面に、Al等の金属材料をスパッタリング、真空蒸着などの成膜法により上記の厚み範囲の高反射性層28aを成膜すると、この高反射性層28aも反射基板2の形状に対応した形状を有するものとなり、更に平坦層29を積層することで反射体30が得られる。
【0050】
上記の反射体30の製造方法によれば、先端がV字状の切削工具61により母型71の型面72を切削加工して第1、第2ストライプ溝41…、51…を連続して形成するので、この型面72に基づいて反射体30を形成した場合に、反射体30の表面に、略四面体形状の複数の凸部31を相互に隣接させて形成することができ、反射光における干渉パターンの発生のない反射体30を製造できる。
【0051】
また、第1または第2ストライプ溝41…、51…を形成する際の切削工具61の送りピッチがランダムに設定されているので、母型71に基づいて反射体30を形成した場合に、反射体30の表面に、略四面体形状であって不均等な大きさの複数の凸部31を相互に隣接配置して形成することができ、反射光における干渉パターンの発生のない反射体30を製造できる。
【0052】
以上、本発明の第1の実施形態について説明したが、本発明に係る反射体は、切削工具の変更により、その正四面体形状の凸部を様々な形に変更することが可能である。そこで、以下に第2〜第6の実施形態により、反射体の変形例について説明する。
【0053】
(第2の実施形態)
図14Aには、第2の実施形態の反射体の凸部の斜視図を示し、図14Bには図14Aに示す凸部の平面図を示す。
また、図14Cに図14BのM1−M1線に対応する断面図を示し、図14Dに図14BのN1−N1線に対応する断面図を示す。また、図14C及び図14Dには、本実施形態の凸部231を形成する際に用いる切削工具の先端部の形状を同時に示す。
【0054】
図14A及び図14Bに示すように、この例の凸部231は、主反射面232と、この主反射面232の反対側に位置する斜面233と、反射面232及び斜面233を挟む一対の別の斜面234、235から構成されている。
また、この凸部231は、図中Y方向に延びる第1ストライプ溝241…と、図中X方向に延びる第2ストライプ溝251…によって区画されて形成されている。即ち、凸部231を構成する4つの斜面のうちの一対の別の斜面234、235が、第1ストライプ溝241を構成する斜面により形成され、主反射面232及び斜面233が、第2ストライプ溝251を構成する斜面により形成される。
【0055】
また、第1ストライプ溝241はその断面形状が対称V字形状とされ、一方、第2ストライプ溝251は、その断面形状が非対称V字形状とされている。
更に、図14A及び図14Bに示す各ストライプ溝241,251の深さは、基板面を基準として同一の深さであるが、溝の深さを溝毎に適宜変更しても良い。
【0056】
次に図14Cに示すように、非対称V字形状の第2ストライプ溝251を構成する主反射面232の傾斜角度は、斜面233の傾斜角度よりも基準面Sに対して小さく設定されている。また、図14Dに示すように、対称V字形状の第1ストライプ溝241を構成する一対の別の斜面234,235の傾斜角度は、基準面Sに対して同一に設定されている。これにより、凸部231の頂部236が斜面233寄りに位置している。これにより主反射面232の面積が、他の斜面233,234,235よりも広くなっている。
【0057】
また、図14Cには、第2ストライプ溝251を形成するために使用する切削工具の先端部を併せて示す。
図14Cに示すように、第2ストライプ溝251を形成するための切削工具261は、その先端部形状が、工具の移動方向(X方向)から見たときに非対称V字形状となっており、一対の切削面261a、261bが最先端261cで接合した構成になっている。そして図14Cに示すように、切削面261aにより斜面233が形成され、切削面261bにより主反射面232が形成される関係になっている。
【0058】
また、各切削面261a、261bの傾斜角度は、図14Cに示すように、切削工具261の最先端261cから垂直方向に延ばした線と各切削面261a、261bとのなす角θ、θで表すことができ、θ、θの関係はθ>θとなっている。θは0°を超えて60°以下の範囲に設定されるのが好ましく、θは70°以上90°以下の範囲に設定されるのが好ましい。
これにより、主反射面232の基準面Sに対する傾斜角度が(90−θ)°となり、斜面233の基準面Sに対する傾斜角度が(90−θ)°となる。θ>θの関係から、主反射面232の傾斜角度は、斜面233の傾斜角度よりも基準面Sに対して小さくなる。
【0059】
また、図14Dには、第1ストライプ溝241を形成するために使用する切削工具の先端部を示す。
図14Dに示すように、第1ストライプ溝241を形成するための切削工具262は、その先端部形状が、工具の移動方向(Y方向)から見たときに対称V字形状となっており、一対の切削面262a、262bが最先端262cで接合した構成になっている。そして図14Dに示すように、切削面262aにより斜面234が形成され、切削面262bにより斜面235が形成される関係になっている。
【0060】
また、各切削面262a、262bの傾斜角度は、図14Dに示すように、切削工具262の最先端262cから垂直方向に延ばした線と各切削面262a、262bとのなす角θ、θで表すことができ、θ、θは同じ角度に設定されている。また、θ、θは50°以上90°以下の範囲に設定されるのが好ましい。
これにより、斜面234の基準面Sに対する傾斜角度が(90−θ)°となり、斜面235の基準面Sに対する傾斜角度が(90−θ)°となる。θ、θが同一であることから、斜面234,235の傾斜角度が基準面Sに対して同一となる。
【0061】
本実施形態の反射体によれば、第1の実施形態と同様な効果が得られると同時に、下記の効果も得られる。
即ち、本実施形態の反射体によれば、主反射面232の面積が、他の斜面233,234,235よりも広くなるので、反射光量を高くすることができ、反射光の輝度を向上できる。
【0062】
(第3の実施形態)
図15Aには、第3の実施形態の反射体の凸部の斜視図を示し、図15Bには図15Aに示す凸部の平面図を示す。
また、図15Cに図15BのM2−M2線に対応する断面図を示し、図15Dに図15BのN2−N2線に対応する断面図を示す。また、図15C及び図15Dには、本実施形態の凸部を形成する際に用いる切削工具の先端部の形状を同時に示す。
【0063】
図15A及び図15Bに示すように、この例の凸部331は、主反射面332と、この主反射面332の反対側に位置する斜面333と、主反射面332及び斜面333を挟む一対の別の斜面334、335から構成されている。また、主反射面332は凹曲面とされ、他の斜面333,334,335はいずれも平面とされている。
また、この凸部331は、図中Y方向に延びる第1ストライプ溝341…と、図中X方向に延びる第2ストライプ溝351…によって区画されて形成されている。即ち、凸部331を構成する4つの斜面のうちの一対の別の斜面334、335は、第1ストライプ溝341を構成する斜面により形成され、主反射面332及び斜面333は、第2ストライプ溝351を構成する斜面により形成される。
【0064】
また、第1ストライプ溝341はその断面形状が対称V字形状とされ、一方、第2ストライプ溝351は、その断面形状が非対称V字形状とされている。
更に、図15A及び図15Bに示す各ストライプ溝341,351の深さは、基板面を基準として同一の深さであるが、溝の深さを溝毎に適宜変更しても良い。
【0065】
次に図15Cに示すように、主反射面332は、曲率半径10μm以上1mm以下の凹曲面とされている。また、主反射面332の傾斜角度は、凹曲面の中点に接する接線Kの傾きで表され、その傾斜角度は本実施形態では基準面Sに対する斜面333の傾斜角度とほぼ同一に設定されている。また、図15Dに示すように、第1ストライプ溝341を構成する一対の別の斜面334,335の傾斜角度は、基準面Sに対して同一に設定されている。これにより、凸部331の頂部336が、凸部331のほぼ中央に位置することになる。
【0066】
また、図15Cには、第2ストライプ溝351を形成するために使用する切削工具の先端部を併せて示す。
図15Cに示すように、第2ストライプ溝351を形成するための切削工具361は、その先端部形状が、工具の移動方向(X方向)から見たときに非対称V字形状となっており、一対の切削面361a、361bが最先端361cで接合した構成になっている。
そして図15Cに示すように、切削面361aにより斜面333が形成され、切削面361bにより主反射面332が形成される関係になっている。
【0067】
切削面361aは平面とされ、その傾斜角度は、図15Cに示すように、切削工具361の最先端361cから垂直方向に延ばした線と切削面361aとのなす角θで表すことができ、このθは50°以上90°以下の範囲に設定されるのが好ましい。
また、切削面361bは凸曲面とされ、その傾斜角度及び曲率半径は、主反射面332の傾斜角度並びに曲率半径に対応したものとなっている。
【0068】
また、図15Dには、第1ストライプ溝341を形成するために使用する切削工具の先端部を示す。
図15Dに示すように、第1ストライプ溝341を形成するための切削工具362は、第2の実施形態の切削工具262とほぼ同一形状のものであり、その先端部形状は工具の移動方向(Y方向)から見たときに対称V字形状であり、一対の切削面362a、362bが最先端362cで接合した構成になっている。
そして図14Dに示すように、切削面362aにより斜面334が形成され、切削面362bにより斜面335が形成される関係になっている。
また、各切削面362a、362bの傾斜角度は、第2の実施形態の切削工具262とほぼ同一であるので、説明は省略する。
【0069】
本実施形態の反射体によれば、第1の実施形態と同様な効果が得られると同時に、下記の効果も得られる。
即ち、本実施形態の反射体によれば、主反射面332が傾斜した凹曲面となっており、反射基板の基準面Sの法線方向に対して非対称な曲線形状になっているので、観察者の視線方向に向けて、反射光を効率よく反射させることができ、反射光の輝度を向上できる。
【0070】
(第4の実施形態)
図16Aには、第4の実施形態の反射体の凸部の斜視図を示し、図16Bには図16Aに示す凸部の平面図を示す。
また、図16Cに図16BのM3−M3線に対応する断面図を示し、図16Dに図16BのN3−N3線に対応する断面図を示す。また、図16C及び図16Dには、本実施形態の凸部431を形成する際に用いる切削工具の先端部の形状を同時に示す。
【0071】
図16A及び図16Bに示すように、この例の凸部431は、平面状の主反射面433と、この主反射面433の反対側に位置する平面状の斜面432と、主反射面433及び斜面432を挟むいずれも凸曲面状の一対の別の斜面434、435から構成され、かつ主反射面432の領域が大とされている。
また、この凸部431は、図中Y方向に延びる第1ストライプ溝441…と、図中X方向に延びる第2ストライプ溝451…によって区画されて形成されている。即ち、凸部431を構成する4つの斜面のうちの一対の別の斜面434、435は、第1ストライプ溝441を構成する斜面により形成され、主反射面433及び斜面432は、第2ストライプ溝451を構成する斜面により形成される。
【0072】
また、第1ストライプ溝441はその断面形状が対称V字形状とされており、第2ストライプ溝451はその断面形状が非対称V字形状とされている。
更に、図16A及び図16Bに示す各ストライプ溝441,451の深さは、基板面を基準として同一の深さであるが、溝の深さを溝毎に適宜変更しても良い。
【0073】
次に図16Cに示すように、主反射面433の傾斜角度は、斜面432の傾斜角度より大きく設定されており、曲率半径10μm以上1mm以下の凸曲面とされている。また、各斜面434,435の傾斜角度は、図16Dに示すように凸曲面の中点に接する接線L1、L2の傾きで表され、基準面Sに対して50°以上90°以下の範囲に設定されている。
【0074】
また、図16Cには、第2ストライプ溝451を形成するために使用する切削工具の先端部を示す。
図16Cに示すように、第2ストライプ溝451を形成するための切削工具461は、その先端部形状が、工具の移動方向(X方向)から見たときに非対称V字形状となっており、一対の切削面461a、461bが最先端461cで接合した構成になっている。
そして図16Cに示すように、切削面461bにより斜面432が形成され、切削面461aにより主反射面433が形成される関係になっている。
【0075】
また、各切削面461a、461bの傾斜角度は、図16Cに示すように、切削工具461の最先端461cから垂直方向に延ばした線と各切削面461a、461bとのなす角θで表すことができ、θは70°以上90°以下の範囲に設定されるのが好ましい。
これにより、主反射面433及び斜面432の基準面Sに対する傾斜角度が(90−θ)°となる。
【0076】
また、図16Dには、第1ストライプ溝441を形成するために使用する切削工具の先端部を示す。
図16Dに示すように、第1ストライプ溝441を形成するための切削工具462は、その先端部形状が、工具の移動方向(Y方向)から見たときに対称V字形状となっており、一対の凹曲面状の切削面462a、462bが最先端462cで接合した構成になっている。
そして図16Dに示すように、切削面462aにより凸曲面状の斜面434が形成され、切削面242bにより凸曲面状の斜面435が形成される関係になっている。
また、切削面462a、462bの傾斜角度及び曲率半径は、凸部431の一対の斜面434、435の傾斜角度並びに曲率半径に対応したものとなっている。
【0077】
本実施形態の反射体によれば、第1の実施形態とほぼ同様な効果が得られる。
【0078】
(第5の実施形態)
図17Aには、第5の実施形態の反射体の凸部の斜視図を示し、図17Bには図17Aに示す凸部の平面図を示す。
また、図17Cに図17BのM4−M4線に対応する断面図を示し、図17Dに図17BのN4−N4線に対応する断面図を示す。また、図17C及び図17Dには、本実施形態の凸部531を形成する際に用いる切削工具の先端部の形状を同時に示す。
【0079】
図17A及び図17Bに示すように、この例の凸部531は、主反射面532と、この主反射面532の反対側に位置する斜面533と、主反射面532及び斜面533を挟む一対の別の斜面534、535から構成されている。
また、この凸部531は、図中Y方向に延びる第1ストライプ溝541…と、図中X方向に延びる第2ストライプ溝551…によって区画されて形成されている。即ち、凸部531を構成する4つの斜面のうちの一対の別の斜面534、535は、第1ストライプ溝541を構成する斜面により形成され、主反射面532及び斜面533は、第2ストライプ溝551を構成する斜面により形成される。
【0080】
また、第1ストライプ溝541はその断面形状が対称V字形状とされ、一方、第2ストライプ溝551は、その断面形状が非対称V字形状とされている。
更に、図17A及び図17Bに示す各ストライプ溝541,551の深さは、基板面を基準として同一の深さであるが、溝の深さを溝毎に適宜変更しても良い。
【0081】
次に図17Cに示すように、非対称V字形状の第2ストライプ溝551を構成する斜面533は、基準面Sに対してほぼ垂直に形成されている。また、第2ストライプ溝551を構成する主反射面532の傾斜角度は、斜面533の傾斜角度よりも基準面Sに対して小さく設定されている。
また、図17Dに示すように、対称V字形状の第1ストライプ溝541を構成する一対の別の斜面534,535の傾斜角度は、基準面Sに対して同一に設定されている。これにより、凸部531の頂部536が、斜面533寄りに位置することになる。従って主反射面532の面積が、他の斜面533,534,535よりも広くなる。
【0082】
また、図17Cには、第2ストライプ溝551を形成するために使用する切削工具の先端部を示す。
図17Cに示すように、第2ストライプ溝551を形成するための切削工具561は、その先端部形状が、工具の移動方向(X方向)から見たときに非対称V字形状となっており、一対の切削面561a、561bが最先端561cで接合した構成になっている。
そして図17Cに示すように、切削面561aにより斜面533が形成され、切削面561bにより主反射面532が形成される関係になっている。
【0083】
また図17Cに示すように、切削面561aの傾斜角度は、基準面Sに対してほぼ垂直に設定されている。一方、切削面561bの傾斜角度は、切削面561bとのなす角θで表すことができ、このθは0°を超えて70°以上90°以下の範囲に設定されている。
これにより、主反射面532の基準面Sに対する傾斜角度が(90−θ)°となり、主反射面532の基準面Sに対する傾斜角度が、斜面233の基準面Sに対する角度90°よりも小さくなる。
【0084】
また、図17Dには、第1ストライプ溝541を形成するために使用する切削工具の先端部を示す。
図17Dに示すように、第1ストライプ溝541を形成するための切削工具562は、第2の実施形態の切削工具262とほぼ同一形状のものであり、その先端部形状は工具の移動方向(Y方向)から見たときに対称V字形状であり、一対の切削面562a、562bが最先端562cで接合した構成になっている。
そして図17Dに示すように、切削面562aにより斜面534が形成され、切削面562bにより斜面535が形成される関係になっている。
また、各切削面562a、562bの傾斜角度は、第2の実施形態の切削工具262とほぼ同一であるので、説明は省略する。
【0085】
本実施形態の反射体によれば、第1の実施形態と同様な効果が得られると同時に、下記の効果も得られる。
即ち、本実施形態の反射体によれば、主反射面532の面積が、他の斜面533,534,535よりも広くなるので、反射光量を高くすることができ、反射光の輝度を向上できる。
【0086】
(第6の実施形態)
図18Aには、第6の実施形態の反射体の凸部の別の例の斜視図を示し、図18Bには図18Aに示す凸部の平面図を示す。
また、図18Cに図18BのM5−M5線に対応する断面図を示し、図18Dに図18BのN5−N5線に対応する断面図を示す。また、図18C及び図18Dには、本実施形態の凸部631を形成する際に用いる切削工具の先端部の形状を同時に示す。
【0087】
図18A及び図18Bに示すように、この例の凸部631は、凹曲面状の主反射面632と、この主反射面632の反対側に位置する平面状の斜面633と、反射面632及び斜面633を挟む一対のいずれも平面状の別の斜面634、635から構成されている。
また、この凸部631は、図中Y方向に延びる第1ストライプ溝641…と、図中X方向に延びる第2ストライプ溝651…によって区画されて形成されている。即ち、凸部631を構成する4つの斜面のうちの一対の別の斜面634、635は、第1ストライプ溝641を構成する斜面により形成され、主反射面632及び斜面633は、第2ストライプ溝651を構成する斜面により形成される。
【0088】
また、第1ストライプ溝641はその断面形状が対称V字形状とされ、一方、第2ストライプ溝651は、その断面形状が非対称V字形状とされている。
更に、図18A及び図18Bに示す各ストライプ溝641,651の深さは、基板面を基準として同一の深さであるが、溝の深さを溝毎に適宜変更しても良い。
【0089】
次に図18Cに示すように、非対称V字形状の第2ストライプ溝651を構成する斜面633は、基準面Sに対してほぼ垂直に形成されている。また、第2ストライプ溝651を構成する主反射面632は、曲率半径10μm以上1mm以下の凹曲面とされ、さらにこの主反射面632の傾斜角度は、図18Cに示すように凹曲面の中点に接する接線Kの傾きで表され、その傾斜角度は基準面Sに対する斜面633の傾斜角度より小さく設定されている。
また、図18Dに示すように、対称V字形状の第1ストライプ溝641を構成する一対の別の斜面634,635の傾斜角度は、基準面Sに対して同一に設定されている。これにより、凸部631の頂部636が、斜面633寄りに位置することになる。従って主反射面632の面積が、他の斜面633,634,635よりも広くなる。
【0090】
また、図18Cには、第2ストライプ溝651を形成するために使用する切削工具の先端部を併せて示す。
図18Cに示すように、第2ストライプ溝651を形成するための切削工具661は、その先端部形状が、工具の移動方向(X方向)から見たときに非対称V字形状となっており、一対の切削面661a、661bが最先端661cで接合した構成になっている。
そして図18Cに示すように、切削面661aにより斜面633が形成され、切削面661bにより主反射面632が形成される関係になっている。
【0091】
また図18Cに示すように、切削面661aの傾斜角度は、基準面Sに対してほぼ垂直に設定されている。一方、切削面661bは凸曲面とされ、その傾斜角度及び曲率半径は、主反射面632の傾斜角度並びに曲率半径に対応したものとなっている。
【0092】
また、図18Dには、第1ストライプ溝641を形成するために使用する切削工具の先端部を併せて示す。
図18Dに示すように、第1ストライプ溝641を形成するための切削工具662は、第2の実施形態の切削工具262とほぼ同一形状のものであり、その先端部形状は工具の移動方向(Y方向)から見たときに対称V字形状であり、一対の切削面662a、662bが最先端662cで接合した構成になっている。
そして図18Dに示すように、切削面662aにより斜面634が形成され、切削面662bにより斜面635が形成される関係になっている。
また、各切削面662a、662bの傾斜角度は、第2の実施形態の切削工具662とほぼ同一であるので、説明は省略する。
【0093】
本実施形態の反射体によれば、第1の実施形態と同様な効果が得られると同時に、下記の効果も得られる。
即ち、本実施形態の反射体によれば、主反射面632の面積が、他の斜面633,634,635よりも広くなっているので、反射光量を高くすることができ、反射光の輝度を向上できる。
また、主反射面632が傾斜した凹曲面となっており、反射基板の基準面Sの法線方向に対して非対称な曲線形状になっているので、観察者の視線方向に向けて、反射光を効率よく反射させることができ、反射光の輝度を向上できる。
【0094】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば第1の実施形態の液晶表示装置では、反射体を外付けにした例を示したが、反射体を液晶セル内に内蔵させても良い。
また、上記の各実施形態では、複数の第1ストライプ溝を1種類の切削工具で形成したが、本発明はこれに限らず、第1ストライプ溝を複数の種類の切削工具により形成しても良い。第2ストライプ溝についても同様である。
【0095】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の反射体によれば、不均等な大きさの複数の凸部が相互に隣接配置されるので、反射光において干渉パターンが発生することがなく、この反射体を液晶表示装置に用いた場合には液晶表示装置の表示の視認性を向上できる。
【0096】
また、本発明の液晶表示装置によれば、上記の反射体を備えているので、反射光において干渉パターンが発生することがなく、液晶表示装置の表示の視認性を向上できる。
【0097】
更に、本発明の反射体の製造方法によれば、先端がV字状の切削工具により母型の型面を切削加工して第1、第2ストライプ溝を連続して形成するので、この型面に基づいて反射体を形成した場合に、反射体の表面に、略四面体形状の複数の凸部を相互に隣接させて形成することができ、反射光における干渉パターンの発生のない反射体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の液晶表示装置の斜視図。
【図2】図1のA−A線に対応する断面模式図。
【図3】図1の液晶表示装置に用いられる反射体の部分斜視図。
【図4】図3に示す反射体の部分平面図。
【図5】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図6】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図7】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図8】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図9】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図10】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図11】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図12】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図13】図3に示す反射体の製造方法を説明するための工程図。
【図14】Aは本発明の第2の実施形態の反射体の要部を示す斜視図、BはAに示す反射体の部分平面図、CはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図、DはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図。
【図15】Aは本発明の第3の実施形態の反射体の要部を示す斜視図、BはAに示す反射体の部分平面図、CはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図、DはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図。
【図16】Aは本発明の第4の実施形態の反射体の要部を示す斜視図、BはAに示す反射体の部分平面図、CはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図、DはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図。
【図17】Aは本発明の第5の実施形態の反射体の要部を示す斜視図、BはAに示す反射体の部分平面図、CはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図、DはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図。
【図18】Aは本発明の第6の実施形態の反射体の要部を示す斜視図、BはAに示す反射体の部分平面図、CはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図、DはA及びBに示す反射体の製造方法を示す工程図。
【図19】従来の反射型液晶表示装置の例を示す側面断面図。
【図20】従来の反射型液晶表示装置に備えられた反射板の反射特性を示す図。
【符号の説明】
1 液晶表示装置
28 反射基板(基体)
28a 高反射性層
28b 一面
30 反射体
31 凸部
41 第1ストライプ溝
51 第2ストライプ溝
61 切削工具
71 母型
72 型面

Claims (14)

  1. 基体の一面に、略四面体形状であって複数の不均等な大きさの凸部が相互に隣接して形成されるとともに、該凸部を含む前記一面上に高反射性層が形成されてなることを特徴とする反射体。
  2. 前記凸部は、前記基体の一面に、断面視略V字形状でかつ同一方向に延びる複数の第1ストライプ溝が連続して設けられるとともに、断面視略V字形状でかつ第1のストライプ溝と交差する方向に延びる複数の第2ストライプ溝が連続して設けられることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の反射体。
  3. 前記第1,第2ストライプ溝のピッチが溝毎にランダムに異なっていることを特徴とする請求項2に記載の反射体。
  4. 前記第1,第2ストライプ溝の少なくとも一部の断面形状が対称V字形状であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の反射体。
  5. 前記第1,第2ストライプ溝の少なくとも一部の断面形状が非対称V字形状であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の反射体。
  6. 前記第1,第2ストライプ溝の断面視V字形状を構成する一対の斜面のうち、一方又は両方の斜面が凹曲面であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の反射体。
  7. 前記第1,第2ストライプ溝の断面視V字形状を構成する一対の斜面のうち、一方または両方の斜面が凸曲面であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の反射体。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の反射体を具備してなることを特徴とする液晶表示装置。
  9. 先端がV字状の切削工具により母型の型面を切削加工して、断面視略V字形状でかつ同一方向に延びる複数の第1ストライプ溝を連続して形成するとともに、断面視略V字形状でかつ第1のストライプ溝と交差する方向に延びる複数の第2ストライプ溝を連続して形成して母型を作製する工程と、
    前記母型の型面上に電鋳によって金属を付着後、該金属を離型することより前記母型の型面の形状に対応する形状の型面を備えた電鋳型を作製する工程と、
    感光性樹脂基材の表面に前記電鋳型の型面を押しつけて転写することにより、前記感光性樹脂基材の表面に前記母型の型面と同一形状の成形面を形成する工程と、
    前記感光性樹脂基材の成形面に高反射性層を成膜する工程とを備えることを特徴とする反射体の製造方法。
  10. 感光性樹脂を前記電鋳型の型面に射出成形して、感光性樹脂基材の表面に前記電鋳型の型面を転写することにより、前記感光性樹脂基材の表面に前記母型の型面と同一形状の成形面を形成することを特徴とする請求項9に記載の反射体の製造方法。
  11. 前記第1または第2ストライプ溝を形成する際の前記切削工具の送りピッチがランダムなピッチに設定されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の反射体の製造方法。
  12. 前記切削工具の先端形状が対称V字形状または非対称V字形状であることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の反射体の製造方法。
  13. 前記切削工具の先端V字形状を構成する一対の斜面のうち、一方又は両方の斜面が凹曲面であることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の反射体の製造方法。
  14. 前記切削工具の先端V字形状を構成する一対の斜面のうち、一方または両方の斜面が凸曲面であることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の反射体の製造方法。
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