JP2004065734A - モバイルオージオメータ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、患者がわざわざ聴力検査装置の備わった病院等に出向くことなく、携帯電話等の移動体電話から希望する時に何処からでも聴力検査を受けることができるモバイルオージオメータを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるモバイルオージオメータは、携帯電話あるいはパーソナルコンピュータなどのモバイル機器に携帯電話ネットワークおよびインターネット・ネットワークを介して聴力検査サービス提供装置から聴力検査プログラムをダウンロードして、モバイル機器から聴力検査が受けられるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明によるモバイルオージオメータは、携帯電話あるいはパーソナルコンピュータなどのモバイル機器に携帯電話ネットワークおよびインターネット・ネットワークを介して聴力検査サービス提供装置から聴力検査プログラムをダウンロードして、モバイル機器から聴力検査が受けられるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、聴力検査システムに関し、特に携帯電話機およびPHSなどの移動体電話機およびパーソナルコンピュータなど移動可能な情報通信機器(本明細書においてはこれらを総称して「モバイル機器」という。)と聴力検査サービス提供装置とをネットワークを介して接続してなるモバイルオージオメータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、患者のヘッドホンのワイヤが診断装置へ物理的に接続されていない聴力検査サービス提供装置としては、図4に示すものがある(例えば、特表平6−501625号公報参照)。この聴力検査サービス提供装置は、制御ユニット20とリモートユニット30を有し、制御ユニット20は制御コンソール21,聴力計22,プリンタ23,発信器24及び受信機25よりなり、また、リモートユニット30はヘッドホン31,発信器32,受信機33及びハンドパッド34からなっている。
【0003】
患者の検査を行うには、制御ユニット20の発信器24から信号をリモートユニット30のヘッドホン31へ送る。患者は、信号を聴くとハンドパッド34上のボタン35若しくは36のうちの適当な一方を押して応答する。これによりリモートユニット30の発信器32が適当な応答信号を制御ユニット20へ送る。受信機25は、リモートユニット30からの信号を受信し、復調された応答信号を制御コンソール21へ送る。制御コンソール21は、到来した応答信号に応じて聴力計22上に検査結果を表示するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
高齢になり身体・感覚器官の機能が低下することは誰もが今後直面する問題であり、現在突入しつつある超高齢化社会は国民全員がハンディキャップを持つ可能性がある社会であると言っても過言ではない。一般に20歳以降から聴力の低下が始まるが、明瞭な聴取のためには2kHz以上の高周波成分が必要であり、50歳を過ぎると加齢にともなう純音聴力の低下が2kHz以上で際だってくる。聴力低下は徐々に進行しており、本人の自覚がないうちに聴こえない生活に慣れてしまうことも多く、聴力低下の発見が遅れることになる。
聴取において何らかの不自由さを感じたならば補聴器の装用を検討すべきであるが、補聴器の装用が遅れたり、あまり普及していないのが実情である。もし聴力低下が確認され補聴器の装用を開始する場合、以前の健聴時の聞えと異なるために音の再学習が必要となる。再学習は聴力低下が軽度な段階ほど効果は高く、聴力低下および難聴者の早期発見は重要な課題である。そこで、聴力の低下を早期に発見するためには定期的な検査が必要であり、一般的には加齢にともない聴力が低下するために発見後も定期的な検査を続けていくべきである。そのため、検査器が各家庭へ普及し検査機会が増えることが望ましい。従来のオージオメータ(聴力検査サービス提供装置に該当)にあっては、聴力検査を受ける患者は、オージオメータの備えられた病院等に出向いて検査を受けなければならない。特に聴力低下の顕著な高齢者の場合、補聴器使用のために定期的な聴力検査が必要であるにもかかわらず、病院等に出向くことが大変なため放置されるケースが多く見受けられ不自由な生活を強いられる結果となっていた。
【0005】
定期的な検査では、寿命も長くなり年々増えていく高齢者・高齢者予備軍の集団全員に精密な聴力検査を行ったのでは非能率的である。高齢者が全員補聴器を必要とするわけではなく、能率的かつ経済的に真に検査する必要がある被検者のみを選別できさえすればよい。そして、必要な人にはさらに精密な聴力検査を行うことになる。そこで、手軽で簡便に短時間で聴力低下を選別できる検査器が必要である。
このような選別を目的とした検査方法の絶対的条件として、検査が恒常的であること、検査に普遍性があることが挙げられる。つまり、誰が何時検査をしても同じ結果が得られることである。また、希望的条件として、熟練を要さず、素人でも扱え、検査が簡便・短時間で行え、自分自身で選別して聴力検査ができることが挙げられる。つまり、現在ほとんどの家庭に普及している体温計のように誰もが簡便に検査できることが理想的である。
【0006】
本発明は、このような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、患者がわざわざオージオメータ(聴力検査サービス提供装置に該当)の備わった病院等に出向くことなく、携帯電話機等の移動体電話機から希望する時に何処からでも、気軽に、聴力の検査を受けることができるモバイルオージオメータを提供することを目的とし、具体的には、インターネット上に設置した聴力検査サービス提供装置から聴力検査プログラムをモバイル機器にダウンロードしモバイル機器を聴力検査器として使用する、または、モバイル機器に聴力検査プログラムを内蔵することでモバイル機器を聴力検査器として使用することを目的とする。
また、本発明は聴力の定期的検査の自動化、検査結果の保管・管理を容易にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のモバイルオージオメータは、モバイル機器を携帯電話ネットワークおよびインターネットネットワークを介して聴力検査サービス提供装置に接続してなるモバイルオージオメータにおいて、モバイル機器に聴力検査プログラムを備えさせてなることを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査サービス提供装置から聴力検査プログラムをモバイル機器にダウンロードすることによりモバイル機器に聴力検査機能を備えさせてなることを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査プログラムがモバイル機器に内臓されることによりモバイル機器に聴力検査機能を備えさせてなることを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査サービス提供装置は、サーバーコンピュータおよび聴力カルテ・データベースから構成されることを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査プログラムは、インストラクションのためのインストラクション・サブプログラムおよび聴力検査のための聴力検査・サブプログラムからなり、該聴力検査プログラムを聴力検査サービス提供装置において作成することを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、モバイル機器にはイヤフォンおよびスピーカを備えたことを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、モバイル機器周辺の環境騒音を収集し、聴力検査の適・不適を判断するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査サービス提供装置からモバイル機器に定期的に聴力検査要求を発信するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査の結果を自動的に聴力検査サービス提供装置の聴力カルテ・データベースに反映させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態を図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、モバイルオージオメータの第一の実施形態を示したもので、1はモバイル機器である携帯電話機である。2は聴力検査サービス提供装置であり、サーバーコンピュータ3および該サーバーコンピュータ3に接続された聴力カルテ・データベース5を備え、インターネットネットワークに接続されている。また、携帯電話機1は、スピーカ6、マイクロフォン7およびイヤフォン8を備えている。
聴力検査を受けようとする患者、すなわち被験者10は、携帯電話機1から携帯電話ネットワークを介してインターネットに接続し、インターネットに接続された聴力検査サービス提供装置2から聴力検査・サブプログラムをモバイル機器にダウンロードして聴力検査を受ける。
【0009】
図1において、▲1▼は騒音計測の流れを、▲2▼はアニメーション・文字ガイド・音声を用いたアバタによるインストラクションの流れを、▲3▼は検査音の呈示といった聴力検査の流れを、▲4▼は被験者応答の流れを示している。
なお、インストラクション用の音源2は検査時のマスキング音の再生に用いても良い。
聴力検査サービス提供装置2で生成された聴力検査プログラムが携帯電話ネットワークおよびインターネット・ネットワークを介して携帯電話機1にダウンロードされる。聴力検査プログラムは検査方法をアニメーション・音声・文字ガイドを用いたアバタでインストラクションするインストラクション・サブプログラム、および検査音の呈示および反応を測定する聴力検査・サブプログラムから構成され、検査方法のインストラクションおよび聴力検査が携帯電話機1上で実行される。
一方、インストラクションおよび聴力検査に対する被験者10からの応答▲4▼は、携帯電話機1の操作キー入力部(キーパッド)から入力される。
【0010】
オージオメータと現在の携帯電話機に使用されているモバイルオーディオLSIとの主な構成を比較してみると、正弦波発生器→FM音源(音源1)、外部信号源・マスキング雑音発生器→ADPCM音源(音源2)、減衰器→デジタルボリューム、応答表示器→ディスプレイ、応答器→キーパッド、自動記録・コンピュータ制御オージオメータ→iアプリ・Java(登録商標)アプリ、と対応しており、オージオメータの骨伝導に関する装備および部品の性能を除けば必要な機能が揃っていることになる。
【0011】
図2は、Java(登録商標)プログラムとモバイルオーディオLSIを用いた聴力検査のプログラムの一例を示している。検査音のiメロディ形式ファイルは、呈示可能最大音圧レベルから最小音圧レベルまで5dB刻みに作成され、125Hzから8000Hzまでの各オクターブ周波数ごとにフォルダにまとめられる。検査においては、検査音周波数ごとに該当するフォルダが選択され、検査プログラムに従い呈示すべき音圧レベルのファイルが切り替えられ呈示される。
【0012】
検査音の呈示スイッチおよび自動検査用被検者応答システムとしては、携帯電話機のキーパッドが利用できる。手動検査の場合は、検者がキーパッドを用いて検査音を設定・選択する。自動検査の場合は、キーパッドからの被検者の応答に従い、聴力検査機能によって検査音のレベルが選択される。検査結果のデータは、一時スクラッチパッドのメモリに保存され、検査終了後に検査結果がオージオグラム等として画面表示される。検査結果はネットワーク上のサーバーコンピュータにアップされ保存される。
【0013】
聴力検査は次の要領で行われる。
(1)聴力検査を受けようとする患者、すなわち被験者10が聴力検査を受けようとする場合には、まず、自分の携帯電話機1から聴力検査サービス提供装置2にアクセスし、聴力検査プログラムをダウンロードする。
(2)携帯電話機1で聴力検査プログラムが実行されると、アニメーション・音声・文字ガイドを用いたアバタによる検査方法のインストラクションが行われる。たとえば、「耳垢は除去されていますか?外耳炎や湿疹はないですか?」「15分前から過大な騒音は聞いていませんか?」「補聴器を外していますか?」等とインストラクションする。これらを見聞きした被験者10は、確認として操作キー[0]を押して応答する。
【0014】
(3)次に、検査機器・検査環境の準備として、まず、騒音レベルの検査のため、聴力検査プログラムは、アバタによって「環境騒音を計測します。次の指示があるまで、そのまま10秒間静かにお待ち下さい。」とインストラクションする。 同時に、携帯電話機1のマイクロフォン7を通して収集された環境騒音は騒音計測▲1▼でモニタされる。もし検査環境が満たされていないときは、静かな場所に移動するか、深夜などの静かな時間帯に検査を行うなど必要な対処を行い、それでも聴力検査に不適当な環境であれば、検査不可の応答をアバタを介して呈示する。聴力検査に適した環境であれば、被験者10の姿勢の確認のため、「椅子などにゆったりと腰掛けて楽な姿勢を取って下さい。」とアバタでインストラクションする。被験者10は、確認として操作キー[0]を押す。
【0015】
(4)次に、アバタで、検査手順の説明、たとえば、「検査音がかすかに聞こえ始めたならば直ちに操作キー[0]を押して下さい。検査音が聞こえている間は操作キーを押し続けて下さい。聞こえる音が非常に小さくても応答して下さい。」「検査音が聞こえなくなったときには、直ちに操作キー[0]から手を放して下さい。」「最初に右耳を検査して下さい。右耳検査終了のアナウンスの後、左耳を検査して下さい。検査音は1000Hz、2000Hz、4000Hz、8000Hzと周波数があがり、その後1000Hz、500Hz、250Hz、125Hzと周波数が下がります。」「検査中に何らかの事情により検査続行に支障が生じた場合は操作キー[1]を押して中断して下さい。検査を再開する場合は中断後、操作キー[3]を押してください。」とインストラクションする。被験者10は、確認として操作キー[0]を押す。
【0016】
(5)次に、アバタで、受話器の装着のための情報、たとえば、「両耳にイヤフォンを付けて下さい。」「検査中はイヤフォンには触れないで下さい。」とインストラクションする。被験者10は、確認として操作キー[0]を押す。
(6)次に、予備検査のため、アバタで、「それでは予備検査を始めます。検査音が聞こえている間は操作キー[0]を押し続けて下さい。それでは検査を始めます。準備がよろしければ操作キー[0]を押して下さい。中断したい場合は操作キー[1]を押して下さい。中止したい場合は操作キー[7]を押して下さい。」とインストラクションするので、被験者10は、確認として操作キー[0]を押す。
その後、聴力検査・サブプログラムによって、音源1を使用し、1000Hz、40dBの検査音を再生する。必要ならば、音源2を使用し、対耳にマスキングノイズを呈示する。被験者10から応答が得られた場合は、10〜20dBステップで応答がなくなるまで下げていく。応答が得られない場合は、10〜20dBステップで応答があるまで上げる。その後、応答がなくなるまで下げていく。次いで、5dBステップで検査音のレベルを上げていき、応答が初めて得られるレベルを求める。聞こえるという応答が初めて得られたレベル、また、それよりも5dB上のレベルで、検査音の呈示と休止を1〜2回繰り返し、音の呈示パターンと応答パターンとが同じか確認する。次に、アバタで、「予備検査が無事完了しました。」と予備検査完了をインストラクションするかあるいは必要に応じて「予備検査の結果、検査方法を正しく理解していないようです。もう一度説明を行いますので良く聞いてください。」とインストラクションする。
予備検査は、本検査のために被験者の大まかな聴力を押さえることと、検査方法に慣れてもらう目的で行われる。
【0017】
(7)次に、本検査に入るが、本検査は、JIS規格の聴力検査法に準拠して閾値を求めるために純音聴力検査が、日常生活における実際の聞こえを検査するために閾値上聴力検査が行われる。閾値上聴力検査は物理的音の強さの変化に伴う主観的音の大きさの変化が正常耳に比べて異常に大きい現象(補充現象)を測定するために必要な検査である。
本検査は聴力検査・サブプログラムによって行われる。本検査を純音聴力検査を例にして説明すると次のとおりである。
まず、検査音の周波数を1000Hzに設定する。予備検査の応答レベルよりも20dB下げたレベルから5dBずつ段階的にレベルを上げていく。必要ならば、対耳にマスキングノイズを呈示する。被験者は聞こえたならば、応答として操作キー[0]を押す。得られた応答レベルよりも5〜10dB上げて明確に検査音を再確認させる。再度10〜20dBレベルを下げて、上記方法で同様な結果が得られるか再度求める。被験者は聞こえたならば、応答として操作キー[0]を押す。3回の試行で2回同一レベルで応答が得られたらその値を1000Hzの聴力レベルとする。3回の測定値に15dB以上異なる値が得られたときは、説明を繰り返した後、再度本検査の手順を繰り返す。その際、アバタで、「検査の結果、検査方法を正しく理解していないようです。もう一度説明を行いますので良く聞いてください。」とインストラクションする。周波数を変えて、本検査手順を繰り返す。一側の耳の検査が終了したら、同様な手順で反対側の耳を検査する。その際、「右耳の検査が終了しました。次に左耳の検査を行います。よろしければ操作キー[0]を押して下さい」とインストラクションする。
【0018】
測定された各周波数の聴力レベルはその都度メモリに保存され、すべての検査が終了したならば規定の方法で表示されたオージオグラムが携帯電話機1の画面に表示される。同時に、「検査が終了しました。検査結果をご報告します。」とインストラクションし、画面に検査結果を表示する。
(8)同様に閾値上聴力検査も行われる。
【0019】
(9)検査結果は、自動的に聴力検査サービス提供装置2の聴力カルテ・データベース5に書き込まれ、オージオグラム、および被験者の聴力を示すラウドネス曲線が作成され、聴力の程度と聴力型が判定されて検査結果として保存される。(10)また、聴力検査サービス提供装置2から携帯電話ネットワークおよびインターネット・ネットワークを介して定期的に検査要求を発信するようになっている。
【0020】
語音聴力検査は、以下の語音聴取閾値検査および語音弁別検査からなる。
語音聴取閾値検査は、語音によって閾値を測定するもので、特に聴き取りやすい語音を用いて「50%正答率」が得られるレベル(dB)を測定する。語音聴取閾値レベルの測定結果は純音による平均聴力レベルにほぼ近い値となる。
語音弁別検査とは、語音を十分に理解できる閾値上のレベルで聴かせた場合、どれだけ正確に聴き分けられるかを検査するものであり、語音弁別検査の結果は社会生活における不自由度を推定して社会適応度や補償の指標としたり、補聴器適合検査において装着の可能性、装着耳の選択、補聴効果の判定、また人工内耳でも装着後の効果の評価に重要な役割をするなど、特に感音難聴の聴力の評価に重要である。
【0021】
語音弁別検査は、音源において検査語音(57−Sまたは67−S)を再生し、被検者の応答を得る。必要に応じて対側耳にマスキングノイズを再生する。検査を始める前に、アバタを用いて適切なインストラクションを行う。インストラクションは、「どちらの耳から検査を始めるか、検査用語音のタイプ、返答の仕方(Key Padの操作キー で回答する)、検査用語音がたとえ小さくともどちらからきこえても返答すること、検査用語音がきこえたらその都度すぐに返答すること、もしきこえ方が不確実であってもきこえたとおり返答すること、もしさらに疑問があれば遠慮なく質問すること、検査中に気持ちが悪くなったらいつでも検査を中止してよいこと」などについて行う。
【0022】
語音聴取閾値検査方法を以下に示す。
語表として、57−S、または、67−Sが用いられる。例えば、67語表は、数字リストは1行6語ずつで7行から構成されている。
その最初の1行目は予備検査として利用する。「音が聴こえている間は操作キー「0」を押し続けてください」とインストラクションする。次に、第1行目の第1語音を閾値上十分な音の強さ、たとえば被検者の平均純音聴力レベルよりも40dB(または20dB)強いレベルで聴かせ、次の語音から順次音の強さを1語につき下降法で10dB(または5dB)ずつ弱めながら聴かせてゆくと、途中で聴き取れなくなる。被検者は聴き取れなくなったならば操作キー「0」を放し応答を止める。第1行目の予備検査ではこのきこえる音のレベルときこえない音のレベルの境を求める。
【0023】
次の第2行目から本検査に入る。第2行目からは今求めた境のレベルの強さが第3語音か第4語音にくるように第1語音のレベルをプログラムで自動的に調節して検査を行う。以下第7行目までの6行について同じように行うが、このようにして検査された各行の縦の列の音の強さは同じでなければならない。
第2行目からの6行6列の合計36個の応答は、縦の各列ごとに正答率を100分率でプログラムにより自動的に採点され、スピーチオージオグラムとして画面に表示される。
【0024】
語音弁別検査方法を以下に示す。
語表として、57−S、または、67−Sが用いられる。
測定は語音が十分にきこえるレベルからはじめ、リストおよび聴取レベルを10〜20dB変えていき聴こえの応答を操作キーを用いて入力させる。それぞれのレベルごとに語音弁別スコア(明瞭度、%)がプログラムにより自動的に採点され、スピーチオージオグラム上に語音明瞭度曲線が表示される。
【0025】
不快レベルの測定はオージオメータを用いて気導聴力検査を行う要領で行う。アバタによって「不快に感じる大きさになったときに応答して下さい」とインストラクションする。検査音(純音)を5dBステップで約3秒毎に大きくしてあたえ、不快に感じる大きさになったときに応答させる。患者が応答したら即座に音を小さくする。同じ操作を2回行って後の方の測定値を結果とする。記載はオージオグラム上に記載する。
検査周波数は125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzおよび8000Hzで行う。純音ではなく、狭帯域雑音を用いてもよい。
【0026】
快適レベルの測定は、不快レベルと同様に、オージオメータを用いて気導聴力検査を行う要領で行う。「音の大きさがちょうど良くて聴きやすいと感じたときに応答して下さい」とインストラクションする。検査音(たとえば1000Hzの純音)を患者の閾値のレベルから5dBステップで約5秒毎に大きくして与え、音の大きさがちょうど良くて聴きやすいと感じたときに応答させる。「やや大きすぎると感じたときに応答を止めて下さい」とインストラクションする。さらに5dBずつ5秒間隔で音を強くしてやや大きすぎると感じたときに応答をやめさせる。応答がやんだ後に、「ちょうど良くて聴きやすいと感じたときに応答して下さい」とインストラクションし、さらに5dB音を強くし、ついで、5dBステップで5秒間隔で音を弱くして、ちょうど良くて聴きやすいと感じたときに応答をさせる(測定値a)。「やや小さすぎると感じたときに応答を止めて下さい」とインストラクションする。さらに音を弱くし、やや小さすぎると感じたときに応答をやめさせる。応答がやんだ後に、「ちょうど良くて聴きやすいと感じたところで応答して下さい」とインストラクションし、さらに5dB音を弱くしたあと、ふたたび5dBステップで5秒間隔で音を強くして、ちょうど良くて聴きやすいと感じたところで応答をさせる(測定値b)。測定値aと測定値bとの平均値を快適レベルとする。1回目の検査が信頼できない場合には、同一の手順を繰り返して2回目の結果を採用する。必要な場合は125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzおよび8000Hzでの検査を追加する。
【0027】
(実施の形態2)
図3は、モバイルオージオメータの第二の実施形態を示したもので、聴力検査プログラムがすでにモバイル機器に内蔵されている点が第一の実施の形態と構成上相違しているが、他は同じ構成である。すなわち、図3に示すように聴力検査プログラムが携帯電話機1においてメーカー拡張ライブラリ、もしくはモバイルオーディオLSI中の回路として内蔵されている。
なお、聴力検査の要領は、第一の実施の形態と同様である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、
(1)サーバーから検査プログラムがモバイル機器にダウンロードされインストラクション機能であるインストラクション・サブプログラムおよび聴力検査機能である聴力検査・サブプログラムがJava(登録商標)などの上で実行されることから、携帯電話機端末には聴力検査用の特別な装置、機能を必要としない。また、検査方法が改良された場合でもサーバー上のプログラムデータベースを書き換えるだけで対応することができる。
検査音の再生として、もし従来の固定電話機や携帯電話機の音声通話を利用して聴力検査器を実現する場合には通話網のノイズの影響を受けるが、本提案のように携帯電話機に内蔵された着メロに使われる音源などを用いることにより低ノイズで安定な検査音を再生することができる。また、小型・携帯型であるために移動することができ、容易に検査場所を変更することができる。そのため、身近なところに低騒音な環境を探し出すことができれば、簡易な聴力検査のための検査室として使用することも可能性である。
(2)本発明によるオージオメータは聴力検査専用器ではないために、普段は電話機として所有・携帯しており、必要とあれば検査器に変身させえる手軽さがある。そのため、いざ使用したい時に見つからないということは少ない。
(3)携帯電話機を利用することで安価にオージオメータを構築することができれば個人で気軽に入手することができるようになり、体温計のように家庭へ普及していく可能性がある。その結果、選別的検査の機会が増えて、聴力低下、難聴者の早期発見につながる。
(4)検査結果はインターネットを経由してサーバーに保管されるため、継続的な検査結果を蓄積していくのに適しており、高齢者の聴力特性をデータベース化するのが容易である。そして、蓄積された過去の聴力検査結果を利用することで検査時間の短縮を図ることができる。
(5)定期検査のための検査請求がサーバーコンピュータからモバイル機器へ自動的に請求され、検査結果が自動的にサーバーコンピュータ上の被験者データベースの聴力カルテデータベース蓄積される。したがって、忘れずに定期的に診断を受けることができる。また、聴力検査サービス提供装置の聴力カルテ・データベースによって、難聴アセスメント、疲労度検査が行える利点がある。(6)超高齢化社会に向けて平均的な聴力特性も年々変化していく。また、様々な個人の聴力特性へのパーソナルフィッティングも今後の重要な課題である。このような高齢化社会における製品の設計および開発には、詳細でかつ膨大な聴力特性のデータベースが必要となる。これに対して、本発明は、インターネットを利用してネット上に高齢者聴力特性のデータベースを構築し継続的に検査結果を蓄積していくのに適している。
(7)聴力検査を受けようとする高齢者等の利用者が聴力検査サービス提供装置を備えた病院あるいは補聴器販売店までわざわざ赴くこと無く、何時でも何処でも聴力検査を受けることができる。
(8)携帯電話機等のモバイル機器に装備されているマイクロフォンを利用して騒音をモニタすることにより、適切な検査場所を見いだすことができ、低騒音環境ならば特別な検査場所を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモバイルオージオメータの第一の実施の形態の全体を示した槻略図である。
【図2】Java(登録商標)プログラムとモバイルオーディオLSIを用いた聴力検査のプログラムの一例を示した説明図である。
【図3】本発明によるモバイルオージオメータの第二の実施の形態の全体を示した図である。
【図4】従来の聴力検査装置を示した図である。
【符号の説明】
1 モバイル機器である携帯電話機
2 聴力検査サービス提供装置
3 サーバーコンピュータ
5 聴力カルテ・データベース
6 スピーカ
7 マイクロフォン
10 被験者
▲1▼ 騒音計測の流れ
▲2▼ アニメーション・文字ガイド・音声を用いたアバタによるインスト ラクション機能の流れ
▲3▼ 検査音の呈示といった聴力検査機能の流れ
▲4▼ 被験者応答の流れ
【発明の属する技術分野】
本発明は、聴力検査システムに関し、特に携帯電話機およびPHSなどの移動体電話機およびパーソナルコンピュータなど移動可能な情報通信機器(本明細書においてはこれらを総称して「モバイル機器」という。)と聴力検査サービス提供装置とをネットワークを介して接続してなるモバイルオージオメータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、患者のヘッドホンのワイヤが診断装置へ物理的に接続されていない聴力検査サービス提供装置としては、図4に示すものがある(例えば、特表平6−501625号公報参照)。この聴力検査サービス提供装置は、制御ユニット20とリモートユニット30を有し、制御ユニット20は制御コンソール21,聴力計22,プリンタ23,発信器24及び受信機25よりなり、また、リモートユニット30はヘッドホン31,発信器32,受信機33及びハンドパッド34からなっている。
【0003】
患者の検査を行うには、制御ユニット20の発信器24から信号をリモートユニット30のヘッドホン31へ送る。患者は、信号を聴くとハンドパッド34上のボタン35若しくは36のうちの適当な一方を押して応答する。これによりリモートユニット30の発信器32が適当な応答信号を制御ユニット20へ送る。受信機25は、リモートユニット30からの信号を受信し、復調された応答信号を制御コンソール21へ送る。制御コンソール21は、到来した応答信号に応じて聴力計22上に検査結果を表示するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
高齢になり身体・感覚器官の機能が低下することは誰もが今後直面する問題であり、現在突入しつつある超高齢化社会は国民全員がハンディキャップを持つ可能性がある社会であると言っても過言ではない。一般に20歳以降から聴力の低下が始まるが、明瞭な聴取のためには2kHz以上の高周波成分が必要であり、50歳を過ぎると加齢にともなう純音聴力の低下が2kHz以上で際だってくる。聴力低下は徐々に進行しており、本人の自覚がないうちに聴こえない生活に慣れてしまうことも多く、聴力低下の発見が遅れることになる。
聴取において何らかの不自由さを感じたならば補聴器の装用を検討すべきであるが、補聴器の装用が遅れたり、あまり普及していないのが実情である。もし聴力低下が確認され補聴器の装用を開始する場合、以前の健聴時の聞えと異なるために音の再学習が必要となる。再学習は聴力低下が軽度な段階ほど効果は高く、聴力低下および難聴者の早期発見は重要な課題である。そこで、聴力の低下を早期に発見するためには定期的な検査が必要であり、一般的には加齢にともない聴力が低下するために発見後も定期的な検査を続けていくべきである。そのため、検査器が各家庭へ普及し検査機会が増えることが望ましい。従来のオージオメータ(聴力検査サービス提供装置に該当)にあっては、聴力検査を受ける患者は、オージオメータの備えられた病院等に出向いて検査を受けなければならない。特に聴力低下の顕著な高齢者の場合、補聴器使用のために定期的な聴力検査が必要であるにもかかわらず、病院等に出向くことが大変なため放置されるケースが多く見受けられ不自由な生活を強いられる結果となっていた。
【0005】
定期的な検査では、寿命も長くなり年々増えていく高齢者・高齢者予備軍の集団全員に精密な聴力検査を行ったのでは非能率的である。高齢者が全員補聴器を必要とするわけではなく、能率的かつ経済的に真に検査する必要がある被検者のみを選別できさえすればよい。そして、必要な人にはさらに精密な聴力検査を行うことになる。そこで、手軽で簡便に短時間で聴力低下を選別できる検査器が必要である。
このような選別を目的とした検査方法の絶対的条件として、検査が恒常的であること、検査に普遍性があることが挙げられる。つまり、誰が何時検査をしても同じ結果が得られることである。また、希望的条件として、熟練を要さず、素人でも扱え、検査が簡便・短時間で行え、自分自身で選別して聴力検査ができることが挙げられる。つまり、現在ほとんどの家庭に普及している体温計のように誰もが簡便に検査できることが理想的である。
【0006】
本発明は、このような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、患者がわざわざオージオメータ(聴力検査サービス提供装置に該当)の備わった病院等に出向くことなく、携帯電話機等の移動体電話機から希望する時に何処からでも、気軽に、聴力の検査を受けることができるモバイルオージオメータを提供することを目的とし、具体的には、インターネット上に設置した聴力検査サービス提供装置から聴力検査プログラムをモバイル機器にダウンロードしモバイル機器を聴力検査器として使用する、または、モバイル機器に聴力検査プログラムを内蔵することでモバイル機器を聴力検査器として使用することを目的とする。
また、本発明は聴力の定期的検査の自動化、検査結果の保管・管理を容易にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のモバイルオージオメータは、モバイル機器を携帯電話ネットワークおよびインターネットネットワークを介して聴力検査サービス提供装置に接続してなるモバイルオージオメータにおいて、モバイル機器に聴力検査プログラムを備えさせてなることを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査サービス提供装置から聴力検査プログラムをモバイル機器にダウンロードすることによりモバイル機器に聴力検査機能を備えさせてなることを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査プログラムがモバイル機器に内臓されることによりモバイル機器に聴力検査機能を備えさせてなることを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査サービス提供装置は、サーバーコンピュータおよび聴力カルテ・データベースから構成されることを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査プログラムは、インストラクションのためのインストラクション・サブプログラムおよび聴力検査のための聴力検査・サブプログラムからなり、該聴力検査プログラムを聴力検査サービス提供装置において作成することを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、モバイル機器にはイヤフォンおよびスピーカを備えたことを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、モバイル機器周辺の環境騒音を収集し、聴力検査の適・不適を判断するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査サービス提供装置からモバイル機器に定期的に聴力検査要求を発信するようにしたことを特徴とする。
また、本発明のモバイルオージオメータは、聴力検査の結果を自動的に聴力検査サービス提供装置の聴力カルテ・データベースに反映させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態を図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、モバイルオージオメータの第一の実施形態を示したもので、1はモバイル機器である携帯電話機である。2は聴力検査サービス提供装置であり、サーバーコンピュータ3および該サーバーコンピュータ3に接続された聴力カルテ・データベース5を備え、インターネットネットワークに接続されている。また、携帯電話機1は、スピーカ6、マイクロフォン7およびイヤフォン8を備えている。
聴力検査を受けようとする患者、すなわち被験者10は、携帯電話機1から携帯電話ネットワークを介してインターネットに接続し、インターネットに接続された聴力検査サービス提供装置2から聴力検査・サブプログラムをモバイル機器にダウンロードして聴力検査を受ける。
【0009】
図1において、▲1▼は騒音計測の流れを、▲2▼はアニメーション・文字ガイド・音声を用いたアバタによるインストラクションの流れを、▲3▼は検査音の呈示といった聴力検査の流れを、▲4▼は被験者応答の流れを示している。
なお、インストラクション用の音源2は検査時のマスキング音の再生に用いても良い。
聴力検査サービス提供装置2で生成された聴力検査プログラムが携帯電話ネットワークおよびインターネット・ネットワークを介して携帯電話機1にダウンロードされる。聴力検査プログラムは検査方法をアニメーション・音声・文字ガイドを用いたアバタでインストラクションするインストラクション・サブプログラム、および検査音の呈示および反応を測定する聴力検査・サブプログラムから構成され、検査方法のインストラクションおよび聴力検査が携帯電話機1上で実行される。
一方、インストラクションおよび聴力検査に対する被験者10からの応答▲4▼は、携帯電話機1の操作キー入力部(キーパッド)から入力される。
【0010】
オージオメータと現在の携帯電話機に使用されているモバイルオーディオLSIとの主な構成を比較してみると、正弦波発生器→FM音源(音源1)、外部信号源・マスキング雑音発生器→ADPCM音源(音源2)、減衰器→デジタルボリューム、応答表示器→ディスプレイ、応答器→キーパッド、自動記録・コンピュータ制御オージオメータ→iアプリ・Java(登録商標)アプリ、と対応しており、オージオメータの骨伝導に関する装備および部品の性能を除けば必要な機能が揃っていることになる。
【0011】
図2は、Java(登録商標)プログラムとモバイルオーディオLSIを用いた聴力検査のプログラムの一例を示している。検査音のiメロディ形式ファイルは、呈示可能最大音圧レベルから最小音圧レベルまで5dB刻みに作成され、125Hzから8000Hzまでの各オクターブ周波数ごとにフォルダにまとめられる。検査においては、検査音周波数ごとに該当するフォルダが選択され、検査プログラムに従い呈示すべき音圧レベルのファイルが切り替えられ呈示される。
【0012】
検査音の呈示スイッチおよび自動検査用被検者応答システムとしては、携帯電話機のキーパッドが利用できる。手動検査の場合は、検者がキーパッドを用いて検査音を設定・選択する。自動検査の場合は、キーパッドからの被検者の応答に従い、聴力検査機能によって検査音のレベルが選択される。検査結果のデータは、一時スクラッチパッドのメモリに保存され、検査終了後に検査結果がオージオグラム等として画面表示される。検査結果はネットワーク上のサーバーコンピュータにアップされ保存される。
【0013】
聴力検査は次の要領で行われる。
(1)聴力検査を受けようとする患者、すなわち被験者10が聴力検査を受けようとする場合には、まず、自分の携帯電話機1から聴力検査サービス提供装置2にアクセスし、聴力検査プログラムをダウンロードする。
(2)携帯電話機1で聴力検査プログラムが実行されると、アニメーション・音声・文字ガイドを用いたアバタによる検査方法のインストラクションが行われる。たとえば、「耳垢は除去されていますか?外耳炎や湿疹はないですか?」「15分前から過大な騒音は聞いていませんか?」「補聴器を外していますか?」等とインストラクションする。これらを見聞きした被験者10は、確認として操作キー[0]を押して応答する。
【0014】
(3)次に、検査機器・検査環境の準備として、まず、騒音レベルの検査のため、聴力検査プログラムは、アバタによって「環境騒音を計測します。次の指示があるまで、そのまま10秒間静かにお待ち下さい。」とインストラクションする。 同時に、携帯電話機1のマイクロフォン7を通して収集された環境騒音は騒音計測▲1▼でモニタされる。もし検査環境が満たされていないときは、静かな場所に移動するか、深夜などの静かな時間帯に検査を行うなど必要な対処を行い、それでも聴力検査に不適当な環境であれば、検査不可の応答をアバタを介して呈示する。聴力検査に適した環境であれば、被験者10の姿勢の確認のため、「椅子などにゆったりと腰掛けて楽な姿勢を取って下さい。」とアバタでインストラクションする。被験者10は、確認として操作キー[0]を押す。
【0015】
(4)次に、アバタで、検査手順の説明、たとえば、「検査音がかすかに聞こえ始めたならば直ちに操作キー[0]を押して下さい。検査音が聞こえている間は操作キーを押し続けて下さい。聞こえる音が非常に小さくても応答して下さい。」「検査音が聞こえなくなったときには、直ちに操作キー[0]から手を放して下さい。」「最初に右耳を検査して下さい。右耳検査終了のアナウンスの後、左耳を検査して下さい。検査音は1000Hz、2000Hz、4000Hz、8000Hzと周波数があがり、その後1000Hz、500Hz、250Hz、125Hzと周波数が下がります。」「検査中に何らかの事情により検査続行に支障が生じた場合は操作キー[1]を押して中断して下さい。検査を再開する場合は中断後、操作キー[3]を押してください。」とインストラクションする。被験者10は、確認として操作キー[0]を押す。
【0016】
(5)次に、アバタで、受話器の装着のための情報、たとえば、「両耳にイヤフォンを付けて下さい。」「検査中はイヤフォンには触れないで下さい。」とインストラクションする。被験者10は、確認として操作キー[0]を押す。
(6)次に、予備検査のため、アバタで、「それでは予備検査を始めます。検査音が聞こえている間は操作キー[0]を押し続けて下さい。それでは検査を始めます。準備がよろしければ操作キー[0]を押して下さい。中断したい場合は操作キー[1]を押して下さい。中止したい場合は操作キー[7]を押して下さい。」とインストラクションするので、被験者10は、確認として操作キー[0]を押す。
その後、聴力検査・サブプログラムによって、音源1を使用し、1000Hz、40dBの検査音を再生する。必要ならば、音源2を使用し、対耳にマスキングノイズを呈示する。被験者10から応答が得られた場合は、10〜20dBステップで応答がなくなるまで下げていく。応答が得られない場合は、10〜20dBステップで応答があるまで上げる。その後、応答がなくなるまで下げていく。次いで、5dBステップで検査音のレベルを上げていき、応答が初めて得られるレベルを求める。聞こえるという応答が初めて得られたレベル、また、それよりも5dB上のレベルで、検査音の呈示と休止を1〜2回繰り返し、音の呈示パターンと応答パターンとが同じか確認する。次に、アバタで、「予備検査が無事完了しました。」と予備検査完了をインストラクションするかあるいは必要に応じて「予備検査の結果、検査方法を正しく理解していないようです。もう一度説明を行いますので良く聞いてください。」とインストラクションする。
予備検査は、本検査のために被験者の大まかな聴力を押さえることと、検査方法に慣れてもらう目的で行われる。
【0017】
(7)次に、本検査に入るが、本検査は、JIS規格の聴力検査法に準拠して閾値を求めるために純音聴力検査が、日常生活における実際の聞こえを検査するために閾値上聴力検査が行われる。閾値上聴力検査は物理的音の強さの変化に伴う主観的音の大きさの変化が正常耳に比べて異常に大きい現象(補充現象)を測定するために必要な検査である。
本検査は聴力検査・サブプログラムによって行われる。本検査を純音聴力検査を例にして説明すると次のとおりである。
まず、検査音の周波数を1000Hzに設定する。予備検査の応答レベルよりも20dB下げたレベルから5dBずつ段階的にレベルを上げていく。必要ならば、対耳にマスキングノイズを呈示する。被験者は聞こえたならば、応答として操作キー[0]を押す。得られた応答レベルよりも5〜10dB上げて明確に検査音を再確認させる。再度10〜20dBレベルを下げて、上記方法で同様な結果が得られるか再度求める。被験者は聞こえたならば、応答として操作キー[0]を押す。3回の試行で2回同一レベルで応答が得られたらその値を1000Hzの聴力レベルとする。3回の測定値に15dB以上異なる値が得られたときは、説明を繰り返した後、再度本検査の手順を繰り返す。その際、アバタで、「検査の結果、検査方法を正しく理解していないようです。もう一度説明を行いますので良く聞いてください。」とインストラクションする。周波数を変えて、本検査手順を繰り返す。一側の耳の検査が終了したら、同様な手順で反対側の耳を検査する。その際、「右耳の検査が終了しました。次に左耳の検査を行います。よろしければ操作キー[0]を押して下さい」とインストラクションする。
【0018】
測定された各周波数の聴力レベルはその都度メモリに保存され、すべての検査が終了したならば規定の方法で表示されたオージオグラムが携帯電話機1の画面に表示される。同時に、「検査が終了しました。検査結果をご報告します。」とインストラクションし、画面に検査結果を表示する。
(8)同様に閾値上聴力検査も行われる。
【0019】
(9)検査結果は、自動的に聴力検査サービス提供装置2の聴力カルテ・データベース5に書き込まれ、オージオグラム、および被験者の聴力を示すラウドネス曲線が作成され、聴力の程度と聴力型が判定されて検査結果として保存される。(10)また、聴力検査サービス提供装置2から携帯電話ネットワークおよびインターネット・ネットワークを介して定期的に検査要求を発信するようになっている。
【0020】
語音聴力検査は、以下の語音聴取閾値検査および語音弁別検査からなる。
語音聴取閾値検査は、語音によって閾値を測定するもので、特に聴き取りやすい語音を用いて「50%正答率」が得られるレベル(dB)を測定する。語音聴取閾値レベルの測定結果は純音による平均聴力レベルにほぼ近い値となる。
語音弁別検査とは、語音を十分に理解できる閾値上のレベルで聴かせた場合、どれだけ正確に聴き分けられるかを検査するものであり、語音弁別検査の結果は社会生活における不自由度を推定して社会適応度や補償の指標としたり、補聴器適合検査において装着の可能性、装着耳の選択、補聴効果の判定、また人工内耳でも装着後の効果の評価に重要な役割をするなど、特に感音難聴の聴力の評価に重要である。
【0021】
語音弁別検査は、音源において検査語音(57−Sまたは67−S)を再生し、被検者の応答を得る。必要に応じて対側耳にマスキングノイズを再生する。検査を始める前に、アバタを用いて適切なインストラクションを行う。インストラクションは、「どちらの耳から検査を始めるか、検査用語音のタイプ、返答の仕方(Key Padの操作キー で回答する)、検査用語音がたとえ小さくともどちらからきこえても返答すること、検査用語音がきこえたらその都度すぐに返答すること、もしきこえ方が不確実であってもきこえたとおり返答すること、もしさらに疑問があれば遠慮なく質問すること、検査中に気持ちが悪くなったらいつでも検査を中止してよいこと」などについて行う。
【0022】
語音聴取閾値検査方法を以下に示す。
語表として、57−S、または、67−Sが用いられる。例えば、67語表は、数字リストは1行6語ずつで7行から構成されている。
その最初の1行目は予備検査として利用する。「音が聴こえている間は操作キー「0」を押し続けてください」とインストラクションする。次に、第1行目の第1語音を閾値上十分な音の強さ、たとえば被検者の平均純音聴力レベルよりも40dB(または20dB)強いレベルで聴かせ、次の語音から順次音の強さを1語につき下降法で10dB(または5dB)ずつ弱めながら聴かせてゆくと、途中で聴き取れなくなる。被検者は聴き取れなくなったならば操作キー「0」を放し応答を止める。第1行目の予備検査ではこのきこえる音のレベルときこえない音のレベルの境を求める。
【0023】
次の第2行目から本検査に入る。第2行目からは今求めた境のレベルの強さが第3語音か第4語音にくるように第1語音のレベルをプログラムで自動的に調節して検査を行う。以下第7行目までの6行について同じように行うが、このようにして検査された各行の縦の列の音の強さは同じでなければならない。
第2行目からの6行6列の合計36個の応答は、縦の各列ごとに正答率を100分率でプログラムにより自動的に採点され、スピーチオージオグラムとして画面に表示される。
【0024】
語音弁別検査方法を以下に示す。
語表として、57−S、または、67−Sが用いられる。
測定は語音が十分にきこえるレベルからはじめ、リストおよび聴取レベルを10〜20dB変えていき聴こえの応答を操作キーを用いて入力させる。それぞれのレベルごとに語音弁別スコア(明瞭度、%)がプログラムにより自動的に採点され、スピーチオージオグラム上に語音明瞭度曲線が表示される。
【0025】
不快レベルの測定はオージオメータを用いて気導聴力検査を行う要領で行う。アバタによって「不快に感じる大きさになったときに応答して下さい」とインストラクションする。検査音(純音)を5dBステップで約3秒毎に大きくしてあたえ、不快に感じる大きさになったときに応答させる。患者が応答したら即座に音を小さくする。同じ操作を2回行って後の方の測定値を結果とする。記載はオージオグラム上に記載する。
検査周波数は125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzおよび8000Hzで行う。純音ではなく、狭帯域雑音を用いてもよい。
【0026】
快適レベルの測定は、不快レベルと同様に、オージオメータを用いて気導聴力検査を行う要領で行う。「音の大きさがちょうど良くて聴きやすいと感じたときに応答して下さい」とインストラクションする。検査音(たとえば1000Hzの純音)を患者の閾値のレベルから5dBステップで約5秒毎に大きくして与え、音の大きさがちょうど良くて聴きやすいと感じたときに応答させる。「やや大きすぎると感じたときに応答を止めて下さい」とインストラクションする。さらに5dBずつ5秒間隔で音を強くしてやや大きすぎると感じたときに応答をやめさせる。応答がやんだ後に、「ちょうど良くて聴きやすいと感じたときに応答して下さい」とインストラクションし、さらに5dB音を強くし、ついで、5dBステップで5秒間隔で音を弱くして、ちょうど良くて聴きやすいと感じたときに応答をさせる(測定値a)。「やや小さすぎると感じたときに応答を止めて下さい」とインストラクションする。さらに音を弱くし、やや小さすぎると感じたときに応答をやめさせる。応答がやんだ後に、「ちょうど良くて聴きやすいと感じたところで応答して下さい」とインストラクションし、さらに5dB音を弱くしたあと、ふたたび5dBステップで5秒間隔で音を強くして、ちょうど良くて聴きやすいと感じたところで応答をさせる(測定値b)。測定値aと測定値bとの平均値を快適レベルとする。1回目の検査が信頼できない場合には、同一の手順を繰り返して2回目の結果を採用する。必要な場合は125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzおよび8000Hzでの検査を追加する。
【0027】
(実施の形態2)
図3は、モバイルオージオメータの第二の実施形態を示したもので、聴力検査プログラムがすでにモバイル機器に内蔵されている点が第一の実施の形態と構成上相違しているが、他は同じ構成である。すなわち、図3に示すように聴力検査プログラムが携帯電話機1においてメーカー拡張ライブラリ、もしくはモバイルオーディオLSI中の回路として内蔵されている。
なお、聴力検査の要領は、第一の実施の形態と同様である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、
(1)サーバーから検査プログラムがモバイル機器にダウンロードされインストラクション機能であるインストラクション・サブプログラムおよび聴力検査機能である聴力検査・サブプログラムがJava(登録商標)などの上で実行されることから、携帯電話機端末には聴力検査用の特別な装置、機能を必要としない。また、検査方法が改良された場合でもサーバー上のプログラムデータベースを書き換えるだけで対応することができる。
検査音の再生として、もし従来の固定電話機や携帯電話機の音声通話を利用して聴力検査器を実現する場合には通話網のノイズの影響を受けるが、本提案のように携帯電話機に内蔵された着メロに使われる音源などを用いることにより低ノイズで安定な検査音を再生することができる。また、小型・携帯型であるために移動することができ、容易に検査場所を変更することができる。そのため、身近なところに低騒音な環境を探し出すことができれば、簡易な聴力検査のための検査室として使用することも可能性である。
(2)本発明によるオージオメータは聴力検査専用器ではないために、普段は電話機として所有・携帯しており、必要とあれば検査器に変身させえる手軽さがある。そのため、いざ使用したい時に見つからないということは少ない。
(3)携帯電話機を利用することで安価にオージオメータを構築することができれば個人で気軽に入手することができるようになり、体温計のように家庭へ普及していく可能性がある。その結果、選別的検査の機会が増えて、聴力低下、難聴者の早期発見につながる。
(4)検査結果はインターネットを経由してサーバーに保管されるため、継続的な検査結果を蓄積していくのに適しており、高齢者の聴力特性をデータベース化するのが容易である。そして、蓄積された過去の聴力検査結果を利用することで検査時間の短縮を図ることができる。
(5)定期検査のための検査請求がサーバーコンピュータからモバイル機器へ自動的に請求され、検査結果が自動的にサーバーコンピュータ上の被験者データベースの聴力カルテデータベース蓄積される。したがって、忘れずに定期的に診断を受けることができる。また、聴力検査サービス提供装置の聴力カルテ・データベースによって、難聴アセスメント、疲労度検査が行える利点がある。(6)超高齢化社会に向けて平均的な聴力特性も年々変化していく。また、様々な個人の聴力特性へのパーソナルフィッティングも今後の重要な課題である。このような高齢化社会における製品の設計および開発には、詳細でかつ膨大な聴力特性のデータベースが必要となる。これに対して、本発明は、インターネットを利用してネット上に高齢者聴力特性のデータベースを構築し継続的に検査結果を蓄積していくのに適している。
(7)聴力検査を受けようとする高齢者等の利用者が聴力検査サービス提供装置を備えた病院あるいは補聴器販売店までわざわざ赴くこと無く、何時でも何処でも聴力検査を受けることができる。
(8)携帯電話機等のモバイル機器に装備されているマイクロフォンを利用して騒音をモニタすることにより、適切な検査場所を見いだすことができ、低騒音環境ならば特別な検査場所を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモバイルオージオメータの第一の実施の形態の全体を示した槻略図である。
【図2】Java(登録商標)プログラムとモバイルオーディオLSIを用いた聴力検査のプログラムの一例を示した説明図である。
【図3】本発明によるモバイルオージオメータの第二の実施の形態の全体を示した図である。
【図4】従来の聴力検査装置を示した図である。
【符号の説明】
1 モバイル機器である携帯電話機
2 聴力検査サービス提供装置
3 サーバーコンピュータ
5 聴力カルテ・データベース
6 スピーカ
7 マイクロフォン
10 被験者
▲1▼ 騒音計測の流れ
▲2▼ アニメーション・文字ガイド・音声を用いたアバタによるインスト ラクション機能の流れ
▲3▼ 検査音の呈示といった聴力検査機能の流れ
▲4▼ 被験者応答の流れ
Claims (9)
- モバイル機器を携帯電話ネットワークおよびインターネットネットワークを介して聴力検査サービス提供装置に接続してなるモバイルオージオメータおいて、モバイル機器に聴力検査プログラムを備えさせてなることを特徴とするモバイルオージオメータ。
- 聴力検査サービス提供装置から聴力検査プログラムをモバイル機器にダウンロードすることによりモバイル機器に聴力検査機能を備えさせてなることを特徴とする請求項1記載のモバイルオージオメータ。
- 聴力検査プログラムがモバイル機器に内臓されることによりモバイル機器に聴力検査機能を備えさせてなることを特徴とする請求項1記載のモバイルオージオメータ。
- 聴力検査サービス提供装置は、サーバーコンピュータおよび聴力カルテ・データベースから構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のモバイルオージオメータ。
- 聴力検査プログラムは、インストラクションのためのインストラクション・サブプログラムおよび聴力検査のための聴力検査・サブプログラムからなり、該聴力検査プログラムを聴力検査サービス提供装置において作成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のモバイルオージオメータ。
- モバイル機器にはイヤフォンおよびスピーカを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のモバイルオージオメータ。
- モバイル機器周辺の環境騒音を収集し、聴力検査の適・不適を判断するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のモバイルオージオメータ。
- 聴力検査サービス提供装置からモバイル機器に定期的に聴力検査要求を発信するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のモバイルオージオメータ。
- 聴力検査の結果を自動的に聴力検査サービス提供装置の聴力カルテ・データベースに反映させるようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のモバイルオージオメータ。
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