JP2004100217A - 伸縮風管 - Google Patents
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Abstract
【課題】伸縮風管を用いた換気を行うにあたり、伸縮風管が収縮しているときでも、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮させることができる伸縮風管を提供する。
【解決手段】伸縮風管1は、可とう性を有する伸縮可能な風管本体2を有している。風管本体2には、適宜の間隔をおいて複数のリング部材5が取り付けられて、風管本体2の開口形状を保形している。風管本体2の後端部には、送風機を備える集塵機6が取り付けられており、風管本体2内に吸引力を生じさせて、トンネル内の塵埃などを空気とともに吸引して除去する。風管本体2の内部には、複数の内管3が配設されている。風管本体2が収縮したときには、内管3同士が近接または接触して、風管本体2内の圧力損失の低減を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】伸縮風管1は、可とう性を有する伸縮可能な風管本体2を有している。風管本体2には、適宜の間隔をおいて複数のリング部材5が取り付けられて、風管本体2の開口形状を保形している。風管本体2の後端部には、送風機を備える集塵機6が取り付けられており、風管本体2内に吸引力を生じさせて、トンネル内の塵埃などを空気とともに吸引して除去する。風管本体2の内部には、複数の内管3が配設されている。風管本体2が収縮したときには、内管3同士が近接または接触して、風管本体2内の圧力損失の低減を図る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばトンネルに設置される換気装置に用いられる伸縮風管に関する。
【0002】
【従来の技術】
大規模な地下構造物の構築工事や山岳トンネルの掘削工事などを行う際には、掘削作業に伴い大量の粉塵が生じる。このような粉塵がトンネル内に残存していると、塵肺など作業者の健康を害する恐れがあるので、特に、切羽面近傍の作業領域(以下「切羽作業領域」という)における粉塵をトンネルの外部に排出するための換気装置が知られている。このような換気装置おいては、トンネルの掘削の進行等に合わせて、粉塵を含む空気の導入位置を変えることが容易となるように、可とう性を有する伸縮可能な伸縮風管が用いられている。そして、たとえば風管の後端部に送風機を設け、伸縮風管の前端部から後端部に向けて空気を流すことにより、前端部から粉塵を含む空気を導入して、切羽作業領域等における粉塵除去を目的とする換気を行っている。
【0003】
このような伸縮風管においては、送風機や集塵機等が設けられる伸縮風管の後端部と、実際の吸引を行う前端部との距離に応じて、伸縮風管の伸縮度合いを変えている。具体的には、粉塵を除去する切羽作業領域が集塵機等の設置場所に近い場合には、伸縮風管を収縮させて使用している。逆に、切羽作業領域が集塵機等の設置場所から遠い場合には、伸縮風管を伸長させて使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の伸縮風管は、可とう性を有するものであるため、その伸縮具合によって内部の圧力損失の大小が変わるものであった。具体的には、伸縮風管を伸長させて使用する場合には、圧力損失は比較的小さいので、伸縮風管に空気を流して換気を行った際に、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮させた換気が可能となる。
【0005】
ところが、伸縮風管を収縮させて使用する場合には、伸縮風管内における圧力損失が大きくなってしまう。このため、伸縮風管内に空気を流して換気を行ったとしても、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮できない状態での換気を余儀なくされてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、伸縮風管を用いた換気を行うにあたり、伸縮風管が収縮しているときでも、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮させることができる伸縮風管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係る伸縮風管は、可とう性を有する伸縮可能な風管本体を有し、風管本体を介して風管本体の一端から空気を導入する伸縮風管において、風管本体の内部に、非変形性の内管が風管本体の伸縮方向に離間して複数配設されているものである。
【0008】
本発明に係る伸縮風管においては、風管本体の内部に非変形性の内管が風管本体の伸縮方向に離間して設けられている。このため、風管本体が収縮した際には、これらの内管が連続する状態が形成され、風管本体内の圧力損失を低減することができる。したがって、空気を流した際の換気能力を十分に発揮させることができる。
【0009】
また、風管本体の開口形状を保形する複数の保形部材が、風管本体の伸縮方向に離間して伸縮風管に取り付けられている態様とするのが好適である。
【0010】
このような保形部材を設けることにより、伸縮風管の後端部から空気を吸引した場合でも、伸縮風管が開口形状を保形することができる。このため、風管本体の後端部から空気を吸引するようにしても、伸縮風管が塞がれて閉口されることがないようにすることができるので、送風機を伸縮風管の後端側に配置することができる。
【0011】
さらに、複数の内管が等間隔で配置されている態様とするのが好適である。
【0012】
このように、複数の内管が等間隔で配置されていることにより、風管本体を伸縮させる際に、その収縮割合を均等にすることができる。そのため、風管本体を伸縮させる際の移動をスムーズなものとすることができる。
【0013】
また、内管が金属製または樹脂製である態様とすることができる。非変形性の内管としては、金属製または樹脂製のものを好適に用いることができる。このうち、金属製のものは一般に剛性が高い点で優れており、樹脂製のものは一般に軽量である点で優れている。
【0014】
さらに、風管本体が、複数の短尺風管が接続されて形成されており、短尺風管の端部に、内管を形成する分割内管が設けられており、短尺風管同士を接続するとともに、内管同士を接続することによって、風管本体および内管が形成されている態様とすることができる。
【0015】
このように、短尺風管を接続して風管本体を形成し、短尺風管の短部に内管を設けることにより、風管本体の設置を容易なものとすることができる。また、工事現場等の状況に応じて、風管本体の全体の長さを調整する場合でも、その調整を容易に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明に係る伸縮風管を示す図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態を示す側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態を示す側面図である。図2は、本発明に係る伸縮風管における風管本体をはずした状態の拡大図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態を示す拡大側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態を示す拡大側面図である。図3は、伸縮風管の拡大図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態の拡大側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態の拡大側面図である。なお、図3では、その両端部に配置されている内管が風管本体から露出するようにして描いているが、実際には、風管本体の内部に収容されている。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る伸縮風管1は、風管本体2を備えている。風管本体2は、たとえばビニル製であり、可とう性を有し、伸縮可能なものである。風管本体2の伸縮によって、伸縮風管1の全長が伸縮するようになっている。
【0019】
風管本体2の内部には、図2にも示すように、非変形性である中空の内管3が複数設けられている。内管3はたとえば金属製または樹脂製であり、短尺の筒状をなしており、風管本体2内に空気が流れても変形しない強度を有している。この内管3は、風管本体2の延在方向に沿って等間隔に離間して配置されている。このため、風管本体2が伸長し、または収縮したいずれの場合にも、隣り合う内管3,3の間における風管本体2の部分の長さは、複数の内管3,3…の間でほぼ均等に配分される。また、風管本体2の伸縮方向に沿った内管3の幅は、風管本体2を完全に伸長させたときにおける隣接する内管3,3間の距離の3分の1程度である。したがって、風管本体2を完全に収縮させて、隣接する内管3,3がすべて接触するものとすると、そのときの風管本体2の長さは、風管本体2が完全に伸長したときの長さの4分の1程度となる。
【0020】
風管本体2を完全に伸長させたときに隣接する内管3,3間の幅に対する内管3の幅は、風管本体2の材質や全体的な長さ等によって適宜設定することができるが、たとえば1/2〜1/5程度とするのが好適である。1/2よりも長いと、収縮可能となる長さが短くなってしまい、1/5よりも短いと、風管本体2が収縮したときの圧力損失の低減が少なくなってしまうからである。ただし、この範囲に限定されるものではなく、種々の長さに設定することもできる。
【0021】
風管本体2の先端部には、ベルマウス4が取り付けられている。トンネルT内における切羽Kの近傍における切羽作業領域などから発生した粉塵は、空気とともにベルマウス4を介して風管本体2の内部に導入される。さらに、風管本体2には、図3にも示すように、本発明の保形部材である金属製または樹脂製のリング部材5,5…が複数取り付けられている。これらの複数のリング部材5,5…は、風管本体2の伸縮方向(延在方向)に一定の間隔をおいて離間して取り付けられている。リング部材5は、非変形性(硬性)を有し、図示しない粘着テープによって表面側から風管本体2の表面に固定されている。こうして、風管本体2がつぶれてその通路が塞がれることがないように、それらの開口形状を保形し、開口形状を保っている。また、粘着テープにより、リング部材5および風管本体2の劣化を防止している。
【0022】
風管本体2の後端部には、集塵機6が取り付けられている。集塵機6は、図示しない送風機を備えており、この送風機を駆動させることにより、吸引力を発生し、風管本体2内に空気を風管本体2の前端部から後端部側に流すようになっている。そして、ベルマウス4を介して切羽作業領域の近傍で発生した塵埃が空気とともに吸引され、風管本体2を介して集塵機6に送られる。集塵機6は、送られてきた塵埃を集塵する。この集塵機6は、車両7に搭載されており、車両7を移動させることによって、集塵機6を移動させることができる。この集塵機6と伸縮風管1によって、トンネル内の換気装置が構成される。
【0023】
また、風管本体2の上方には、伸縮駆動装置8が設けられている。伸縮駆動装置8は、トンネルTの斜め上方位置に設けられた第1レール9および第1レール9の下方に設けられた第2レールを備えている。第1レール9には、リング支持部材11およびローラ部材12が設けられている。リング支持部材11には、図3に示すように、リング部材5が吊設されている。また、リング支持部材11には、図示しない回転防止機構が設けられており、リング支持部材11およびリング部材5の鉛直軸方回りの回転を防止している。リング支持部材11にはリング部材5がすべてに設けられており、リング部材5には、リング支持部材11に吊設されたものとリング支持部材11には吊設されていないものとがある。リング支持部材11に吊設されたリング部材5の数は、リング部材5の数全体の約半数である。このように、リング支持部材11によって約半数のリング部材5の回転を防止することにより、風管本体2のよじれなどを防止することができる。
【0024】
リング支持部材11は、ある程度の数が並んで設けられるが、所定間隔で風管本体2の延在方向に離間して配置され、それらの間に適宜の間隔ごとにローラ部材12が設けられる。ローラ部材12は図示しない駆動装置によって駆動され、第2レール10上に載置されたローラを有しており、ローラが第2レール10の上を走行することにより、風管本体2を全体的に伸縮させることができる。これらのローラ部材12が所定の間隔を空けて等間隔で配置されていることから、風管本体2を収縮させる際に、全体的に均等に収縮するようになる。また、ローラ部材12の一部には、内管3が取り付けられている。このため、風管本体2が収縮した際、複数の内管3は、それらの間隔が互いに等間隔を維持するようにして移動する。
【0025】
以上の構成を有する本発明に係る伸縮風管1の動作について説明する。
【0026】
トンネルTの掘削作業を行う際には、切羽Kの近傍における切羽作業領域で大量の粉塵等が発生する。この粉塵等を集塵機6に設けられた送風機により、伸縮風管1を介して吸気圧をかけて吸引し除塵して換気を行う。いま、トンネルTの掘削が進んで、切羽Kが車両7から遠い位置にあるときには、図1(a)に示すように、伸縮風管1における風管本体2を伸長させた状態で使用する。
【0027】
ここで、風管本体2は、複数のリング部材5によって保形されているので、負圧による閉口が防止され、開口形状を維持することができる。また、風管本体2が伸長した状態にあるときには、風管本体2はその表面が緊張した状態にあるので、集塵機6の送風機によって空気を吸引する際に、圧力損失を小さなものとすることができる。
【0028】
続いて、トンネルTの掘削が進行して、伸縮風管1の先端部が切羽作業領域から遠くなると、車両7を切羽Kの方向に移動させる。そして、なるべく車両7の移動を少なくするために、車両7を切羽Kに近づけ、図1(b)に示すように、伸縮風管1を収縮させた状態で換気を行う。そして、トンネルTの掘削が進むにつれて、伸縮風管1を徐々に伸長させて、車両7を移動させることなく換気を行うようにする。ここで、風管本体2が収縮した状態にあるときには、風管本体2はたるんだ状態にあるので、仮に内管3がない場合には、風管本体2内の圧力損失が非常に大きくなってしまい、換気効率が低いものとなってしまう。
【0029】
この点、本実施形態に係る風管本体2内には、複数の内管3,3…が設けらており、図2(b)、図3(b)に示すように、風管本体2が収縮しているときには、隣接する内管3,3の端部が近接または接触する。内管3は、非変形性を有し筒状をなしていることから、隣接する内管3,3同士が近接または接触することにより、集塵機6の送風機による吸引力で吸引される空気は、内管3内を通過する。このため、圧力損失の低減を防止することができるので、換気効率を良好なものとすることができる。
【0030】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、図4に示すように、風管本体2内に内管3を挿入して伸縮風管1を形成していたが、たとえば図5に示す態様とすることもできる。図5では、伸縮風管を複数の短尺風管21で形成するものであり、隣接する短尺風管21,21の接続部分のみを示している。短尺風管21,21の両端部には、それぞれ分割内管22,22が取り付けられている。分割内管22は、上記実施形態に示した内管3をその長手方向中央部で切断した形状をなしており、2つの分割内管22,22を接続することにより、上記実施形態における内管3と同一形状の管が形成される。また、短尺風管21,21の間にはファスナー部材23が配設されている。このように、短尺風管21の内端部に一体的に分割内管22を取り付け、短尺風管21を連続して接続することによって、伸縮風管を形成することもできる。
【0031】
また、上記実施形態では、風管本体2の内部に内管3を挿入する態様としているが、たとえば風管本体として短尺の風管を連続して接続させたものを用い、短尺風管の接続部に内管を配設する態様とすることもできる。この場合、内管と短尺風管の接続部分をシール材などでシールすることが必要となるが、伸縮風管を現場で組み立てる点を考慮すると、この態様の方が上記実施形態で示した態様よりも組み立てが容易となる。
【0032】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、伸縮風管を用いた換気を行うにあたり、伸縮風管が収縮しているときでも、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮させることができる伸縮風管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る伸縮風管を示す図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態を示す側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態を示す側面図である。
【図2】本発明に係る伸縮風管における風管本体をはずした状態の拡大図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態を示す拡大側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態を示す拡大側面図である。
【図3】伸縮風管の拡大図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態の拡大側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態の拡大側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る風管本体に内管を挿入する状態を示す側面図である。
【図5】端部に内管が取り付けられた短尺風管の端部を接続する状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1…伸縮風管、2…風管本体、3…内管、4…ベルマウス、5…リング部材、6…集塵機、7…車両、8…伸縮駆動装置、9…第1レール、10…第2レール、11…リング支持部材、12…ローラ部材、21…短尺風管、22…分割内管、23…ファスナー部材、K…切羽、T…トンネル。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばトンネルに設置される換気装置に用いられる伸縮風管に関する。
【0002】
【従来の技術】
大規模な地下構造物の構築工事や山岳トンネルの掘削工事などを行う際には、掘削作業に伴い大量の粉塵が生じる。このような粉塵がトンネル内に残存していると、塵肺など作業者の健康を害する恐れがあるので、特に、切羽面近傍の作業領域(以下「切羽作業領域」という)における粉塵をトンネルの外部に排出するための換気装置が知られている。このような換気装置おいては、トンネルの掘削の進行等に合わせて、粉塵を含む空気の導入位置を変えることが容易となるように、可とう性を有する伸縮可能な伸縮風管が用いられている。そして、たとえば風管の後端部に送風機を設け、伸縮風管の前端部から後端部に向けて空気を流すことにより、前端部から粉塵を含む空気を導入して、切羽作業領域等における粉塵除去を目的とする換気を行っている。
【0003】
このような伸縮風管においては、送風機や集塵機等が設けられる伸縮風管の後端部と、実際の吸引を行う前端部との距離に応じて、伸縮風管の伸縮度合いを変えている。具体的には、粉塵を除去する切羽作業領域が集塵機等の設置場所に近い場合には、伸縮風管を収縮させて使用している。逆に、切羽作業領域が集塵機等の設置場所から遠い場合には、伸縮風管を伸長させて使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の伸縮風管は、可とう性を有するものであるため、その伸縮具合によって内部の圧力損失の大小が変わるものであった。具体的には、伸縮風管を伸長させて使用する場合には、圧力損失は比較的小さいので、伸縮風管に空気を流して換気を行った際に、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮させた換気が可能となる。
【0005】
ところが、伸縮風管を収縮させて使用する場合には、伸縮風管内における圧力損失が大きくなってしまう。このため、伸縮風管内に空気を流して換気を行ったとしても、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮できない状態での換気を余儀なくされてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、伸縮風管を用いた換気を行うにあたり、伸縮風管が収縮しているときでも、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮させることができる伸縮風管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係る伸縮風管は、可とう性を有する伸縮可能な風管本体を有し、風管本体を介して風管本体の一端から空気を導入する伸縮風管において、風管本体の内部に、非変形性の内管が風管本体の伸縮方向に離間して複数配設されているものである。
【0008】
本発明に係る伸縮風管においては、風管本体の内部に非変形性の内管が風管本体の伸縮方向に離間して設けられている。このため、風管本体が収縮した際には、これらの内管が連続する状態が形成され、風管本体内の圧力損失を低減することができる。したがって、空気を流した際の換気能力を十分に発揮させることができる。
【0009】
また、風管本体の開口形状を保形する複数の保形部材が、風管本体の伸縮方向に離間して伸縮風管に取り付けられている態様とするのが好適である。
【0010】
このような保形部材を設けることにより、伸縮風管の後端部から空気を吸引した場合でも、伸縮風管が開口形状を保形することができる。このため、風管本体の後端部から空気を吸引するようにしても、伸縮風管が塞がれて閉口されることがないようにすることができるので、送風機を伸縮風管の後端側に配置することができる。
【0011】
さらに、複数の内管が等間隔で配置されている態様とするのが好適である。
【0012】
このように、複数の内管が等間隔で配置されていることにより、風管本体を伸縮させる際に、その収縮割合を均等にすることができる。そのため、風管本体を伸縮させる際の移動をスムーズなものとすることができる。
【0013】
また、内管が金属製または樹脂製である態様とすることができる。非変形性の内管としては、金属製または樹脂製のものを好適に用いることができる。このうち、金属製のものは一般に剛性が高い点で優れており、樹脂製のものは一般に軽量である点で優れている。
【0014】
さらに、風管本体が、複数の短尺風管が接続されて形成されており、短尺風管の端部に、内管を形成する分割内管が設けられており、短尺風管同士を接続するとともに、内管同士を接続することによって、風管本体および内管が形成されている態様とすることができる。
【0015】
このように、短尺風管を接続して風管本体を形成し、短尺風管の短部に内管を設けることにより、風管本体の設置を容易なものとすることができる。また、工事現場等の状況に応じて、風管本体の全体の長さを調整する場合でも、その調整を容易に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明に係る伸縮風管を示す図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態を示す側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態を示す側面図である。図2は、本発明に係る伸縮風管における風管本体をはずした状態の拡大図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態を示す拡大側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態を示す拡大側面図である。図3は、伸縮風管の拡大図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態の拡大側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態の拡大側面図である。なお、図3では、その両端部に配置されている内管が風管本体から露出するようにして描いているが、実際には、風管本体の内部に収容されている。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る伸縮風管1は、風管本体2を備えている。風管本体2は、たとえばビニル製であり、可とう性を有し、伸縮可能なものである。風管本体2の伸縮によって、伸縮風管1の全長が伸縮するようになっている。
【0019】
風管本体2の内部には、図2にも示すように、非変形性である中空の内管3が複数設けられている。内管3はたとえば金属製または樹脂製であり、短尺の筒状をなしており、風管本体2内に空気が流れても変形しない強度を有している。この内管3は、風管本体2の延在方向に沿って等間隔に離間して配置されている。このため、風管本体2が伸長し、または収縮したいずれの場合にも、隣り合う内管3,3の間における風管本体2の部分の長さは、複数の内管3,3…の間でほぼ均等に配分される。また、風管本体2の伸縮方向に沿った内管3の幅は、風管本体2を完全に伸長させたときにおける隣接する内管3,3間の距離の3分の1程度である。したがって、風管本体2を完全に収縮させて、隣接する内管3,3がすべて接触するものとすると、そのときの風管本体2の長さは、風管本体2が完全に伸長したときの長さの4分の1程度となる。
【0020】
風管本体2を完全に伸長させたときに隣接する内管3,3間の幅に対する内管3の幅は、風管本体2の材質や全体的な長さ等によって適宜設定することができるが、たとえば1/2〜1/5程度とするのが好適である。1/2よりも長いと、収縮可能となる長さが短くなってしまい、1/5よりも短いと、風管本体2が収縮したときの圧力損失の低減が少なくなってしまうからである。ただし、この範囲に限定されるものではなく、種々の長さに設定することもできる。
【0021】
風管本体2の先端部には、ベルマウス4が取り付けられている。トンネルT内における切羽Kの近傍における切羽作業領域などから発生した粉塵は、空気とともにベルマウス4を介して風管本体2の内部に導入される。さらに、風管本体2には、図3にも示すように、本発明の保形部材である金属製または樹脂製のリング部材5,5…が複数取り付けられている。これらの複数のリング部材5,5…は、風管本体2の伸縮方向(延在方向)に一定の間隔をおいて離間して取り付けられている。リング部材5は、非変形性(硬性)を有し、図示しない粘着テープによって表面側から風管本体2の表面に固定されている。こうして、風管本体2がつぶれてその通路が塞がれることがないように、それらの開口形状を保形し、開口形状を保っている。また、粘着テープにより、リング部材5および風管本体2の劣化を防止している。
【0022】
風管本体2の後端部には、集塵機6が取り付けられている。集塵機6は、図示しない送風機を備えており、この送風機を駆動させることにより、吸引力を発生し、風管本体2内に空気を風管本体2の前端部から後端部側に流すようになっている。そして、ベルマウス4を介して切羽作業領域の近傍で発生した塵埃が空気とともに吸引され、風管本体2を介して集塵機6に送られる。集塵機6は、送られてきた塵埃を集塵する。この集塵機6は、車両7に搭載されており、車両7を移動させることによって、集塵機6を移動させることができる。この集塵機6と伸縮風管1によって、トンネル内の換気装置が構成される。
【0023】
また、風管本体2の上方には、伸縮駆動装置8が設けられている。伸縮駆動装置8は、トンネルTの斜め上方位置に設けられた第1レール9および第1レール9の下方に設けられた第2レールを備えている。第1レール9には、リング支持部材11およびローラ部材12が設けられている。リング支持部材11には、図3に示すように、リング部材5が吊設されている。また、リング支持部材11には、図示しない回転防止機構が設けられており、リング支持部材11およびリング部材5の鉛直軸方回りの回転を防止している。リング支持部材11にはリング部材5がすべてに設けられており、リング部材5には、リング支持部材11に吊設されたものとリング支持部材11には吊設されていないものとがある。リング支持部材11に吊設されたリング部材5の数は、リング部材5の数全体の約半数である。このように、リング支持部材11によって約半数のリング部材5の回転を防止することにより、風管本体2のよじれなどを防止することができる。
【0024】
リング支持部材11は、ある程度の数が並んで設けられるが、所定間隔で風管本体2の延在方向に離間して配置され、それらの間に適宜の間隔ごとにローラ部材12が設けられる。ローラ部材12は図示しない駆動装置によって駆動され、第2レール10上に載置されたローラを有しており、ローラが第2レール10の上を走行することにより、風管本体2を全体的に伸縮させることができる。これらのローラ部材12が所定の間隔を空けて等間隔で配置されていることから、風管本体2を収縮させる際に、全体的に均等に収縮するようになる。また、ローラ部材12の一部には、内管3が取り付けられている。このため、風管本体2が収縮した際、複数の内管3は、それらの間隔が互いに等間隔を維持するようにして移動する。
【0025】
以上の構成を有する本発明に係る伸縮風管1の動作について説明する。
【0026】
トンネルTの掘削作業を行う際には、切羽Kの近傍における切羽作業領域で大量の粉塵等が発生する。この粉塵等を集塵機6に設けられた送風機により、伸縮風管1を介して吸気圧をかけて吸引し除塵して換気を行う。いま、トンネルTの掘削が進んで、切羽Kが車両7から遠い位置にあるときには、図1(a)に示すように、伸縮風管1における風管本体2を伸長させた状態で使用する。
【0027】
ここで、風管本体2は、複数のリング部材5によって保形されているので、負圧による閉口が防止され、開口形状を維持することができる。また、風管本体2が伸長した状態にあるときには、風管本体2はその表面が緊張した状態にあるので、集塵機6の送風機によって空気を吸引する際に、圧力損失を小さなものとすることができる。
【0028】
続いて、トンネルTの掘削が進行して、伸縮風管1の先端部が切羽作業領域から遠くなると、車両7を切羽Kの方向に移動させる。そして、なるべく車両7の移動を少なくするために、車両7を切羽Kに近づけ、図1(b)に示すように、伸縮風管1を収縮させた状態で換気を行う。そして、トンネルTの掘削が進むにつれて、伸縮風管1を徐々に伸長させて、車両7を移動させることなく換気を行うようにする。ここで、風管本体2が収縮した状態にあるときには、風管本体2はたるんだ状態にあるので、仮に内管3がない場合には、風管本体2内の圧力損失が非常に大きくなってしまい、換気効率が低いものとなってしまう。
【0029】
この点、本実施形態に係る風管本体2内には、複数の内管3,3…が設けらており、図2(b)、図3(b)に示すように、風管本体2が収縮しているときには、隣接する内管3,3の端部が近接または接触する。内管3は、非変形性を有し筒状をなしていることから、隣接する内管3,3同士が近接または接触することにより、集塵機6の送風機による吸引力で吸引される空気は、内管3内を通過する。このため、圧力損失の低減を防止することができるので、換気効率を良好なものとすることができる。
【0030】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、図4に示すように、風管本体2内に内管3を挿入して伸縮風管1を形成していたが、たとえば図5に示す態様とすることもできる。図5では、伸縮風管を複数の短尺風管21で形成するものであり、隣接する短尺風管21,21の接続部分のみを示している。短尺風管21,21の両端部には、それぞれ分割内管22,22が取り付けられている。分割内管22は、上記実施形態に示した内管3をその長手方向中央部で切断した形状をなしており、2つの分割内管22,22を接続することにより、上記実施形態における内管3と同一形状の管が形成される。また、短尺風管21,21の間にはファスナー部材23が配設されている。このように、短尺風管21の内端部に一体的に分割内管22を取り付け、短尺風管21を連続して接続することによって、伸縮風管を形成することもできる。
【0031】
また、上記実施形態では、風管本体2の内部に内管3を挿入する態様としているが、たとえば風管本体として短尺の風管を連続して接続させたものを用い、短尺風管の接続部に内管を配設する態様とすることもできる。この場合、内管と短尺風管の接続部分をシール材などでシールすることが必要となるが、伸縮風管を現場で組み立てる点を考慮すると、この態様の方が上記実施形態で示した態様よりも組み立てが容易となる。
【0032】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、伸縮風管を用いた換気を行うにあたり、伸縮風管が収縮しているときでも、流した空気の流量に応じた換気能力を十分に発揮させることができる伸縮風管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る伸縮風管を示す図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態を示す側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態を示す側面図である。
【図2】本発明に係る伸縮風管における風管本体をはずした状態の拡大図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態を示す拡大側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態を示す拡大側面図である。
【図3】伸縮風管の拡大図であり、(a)は伸縮風管が伸長した状態の拡大側面図、(b)は伸縮風管が収縮した状態の拡大側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る風管本体に内管を挿入する状態を示す側面図である。
【図5】端部に内管が取り付けられた短尺風管の端部を接続する状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1…伸縮風管、2…風管本体、3…内管、4…ベルマウス、5…リング部材、6…集塵機、7…車両、8…伸縮駆動装置、9…第1レール、10…第2レール、11…リング支持部材、12…ローラ部材、21…短尺風管、22…分割内管、23…ファスナー部材、K…切羽、T…トンネル。
Claims (5)
- 可とう性を有する伸縮可能な風管本体を有し、前記風管本体を介して前記風管本体の一端から空気を導入する伸縮風管において、
前記風管本体の内部に、非変形性の内管が前記風管本体の伸縮方向に離間して複数配設されていることを特徴とする伸縮風管。 - 前記風管本体の開口形状を保形する複数の保形部材が、前記風管本体の伸縮方向に離間して前記伸縮風管に取り付けられている請求項1に記載の伸縮風管。
- 前記複数の内管が等間隔で配置されている請求項1または請求項2に記載の伸縮風管。
- 前記内管が、金属製または樹脂製である請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の伸縮風管。
- 前記風管本体が、複数の短尺風管が接続されて形成されており、
前記短尺風管の端部に、前記内管を形成する分割内管が設けられており、
前記短尺風管同士を接続するとともに、前記内管同士を接続することによって、前記風管本体および前記内管が形成されている請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の伸縮風管。
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