JP2004103104A - 薄膜磁性体記憶装置 - Google Patents
薄膜磁性体記憶装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004103104A JP2004103104A JP2002263112A JP2002263112A JP2004103104A JP 2004103104 A JP2004103104 A JP 2004103104A JP 2002263112 A JP2002263112 A JP 2002263112A JP 2002263112 A JP2002263112 A JP 2002263112A JP 2004103104 A JP2004103104 A JP 2004103104A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- data
- memory cell
- voltage
- magnetic field
- read
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000010409 thin film Substances 0.000 title claims abstract description 33
- 239000000696 magnetic material Substances 0.000 title abstract description 5
- 230000015654 memory Effects 0.000 claims abstract description 369
- 230000005291 magnetic effect Effects 0.000 claims abstract description 166
- 230000005415 magnetization Effects 0.000 claims description 53
- 230000004044 response Effects 0.000 claims description 36
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 claims description 17
- 230000008859 change Effects 0.000 claims description 16
- 230000004913 activation Effects 0.000 claims description 15
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 claims description 11
- 230000008878 coupling Effects 0.000 claims description 7
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 claims description 7
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 claims description 7
- 230000003321 amplification Effects 0.000 claims 1
- 238000003199 nucleic acid amplification method Methods 0.000 claims 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 abstract description 10
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 abstract 1
- 230000005641 tunneling Effects 0.000 description 49
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 46
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 15
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 15
- 239000010408 film Substances 0.000 description 10
- 238000013500 data storage Methods 0.000 description 7
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 7
- 238000007430 reference method Methods 0.000 description 7
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 5
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 3
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 3
- 230000009471 action Effects 0.000 description 2
- 230000004888 barrier function Effects 0.000 description 2
- 230000005294 ferromagnetic effect Effects 0.000 description 2
- 230000005669 field effect Effects 0.000 description 2
- 230000003213 activating effect Effects 0.000 description 1
- 230000006399 behavior Effects 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 230000000295 complement effect Effects 0.000 description 1
- 230000006378 damage Effects 0.000 description 1
- 239000012212 insulator Substances 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 229910044991 metal oxide Inorganic materials 0.000 description 1
- 150000004706 metal oxides Chemical class 0.000 description 1
- 230000003071 parasitic effect Effects 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11C—STATIC STORES
- G11C11/00—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
- G11C11/02—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
- G11C11/14—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using thin-film elements
- G11C11/15—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using thin-film elements using multiple magnetic layers
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11C—STATIC STORES
- G11C11/00—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
- G11C11/02—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
- G11C11/16—Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect
- G11C11/165—Auxiliary circuits
- G11C11/1673—Reading or sensing circuits or methods
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)
- Hall/Mr Elements (AREA)
- Semiconductor Memories (AREA)
Abstract
【課題】選択メモリセルに対するアクセスのみでデータ読出動作を実行する薄膜磁性体記憶装置において、データ読出動作を高速化させる。
【解決手段】1回のデータ読出動作内に、選択メモリセルへの所定のデータ書込磁界の印加前後のそれぞれの記憶データのデータ読出を実行し、それぞれのデータ読出に対応する電圧レベルの比較に応じてデータ読出を実行する。また、データ書込磁界印加前後でのデータ読出動作をリードモディファイライトを用いて実行する。これにより、データ読出経路を構成する各回路における製造ばらつきに起因するオフセット等の影響を回避して、データ読出動作を高精度化するとともに高速なデータ読出動作を実行できる。
【選択図】 図2
【解決手段】1回のデータ読出動作内に、選択メモリセルへの所定のデータ書込磁界の印加前後のそれぞれの記憶データのデータ読出を実行し、それぞれのデータ読出に対応する電圧レベルの比較に応じてデータ読出を実行する。また、データ書込磁界印加前後でのデータ読出動作をリードモディファイライトを用いて実行する。これにより、データ読出経路を構成する各回路における製造ばらつきに起因するオフセット等の影響を回避して、データ読出動作を高精度化するとともに高速なデータ読出動作を実行できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜磁性体記憶装置に関し、より特定的には、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有するメモリセルを備えたランダムアクセスメモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
低消費電力で不揮発的なデータの記憶が可能な記憶装置として、MRAM(Magnetic Random Access Memory)デバイスが注目されている。MRAMデバイスは、半導体集積回路に形成された複数の薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を行ない、薄膜磁性体の各々に対してランダムアクセスが可能な記憶装置である。
【0003】
特に、近年では磁気トンネル接合を利用した薄膜磁性体をメモリセルとして用いることによって、MRAMデバイスの性能が飛躍的に進歩することが発表されている。(非特許文献1参照)
図21は、トンネル接合部を有するメモリセル(以下、単に「MTJメモリセル」とも称する)の構成を示す概略図である。
【0004】
図21を参照して、MTJメモリセルは、磁気的に書込まれた記憶データのデータレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、アクセストランジスタATRとを含む。アクセストランジスタATRは、ビット線BLおよびソース線SLの間に、トンネル磁気抵抗素子TMRと直列に接続される。代表的には、アクセストランジスタATRとして、半導体基板上に形成された電界効果型トランジスタが適用される。
【0005】
MTJメモリセルに対しては、データ書込時に異なった方向のデータ書込電流をそれぞれ流すためのビット線BLおよびライトデジット線WDLと、データ読出を指示するためのワード線WLとが設けられる。データ読出時においては、アクセストランジスタATRのターンオンに応答して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定電圧Vssに設定されたビット線BLと、ソース線SLとの間に電気的に結合される。
【0006】
図22は、MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【0007】
図22を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部かの印加磁界に応じた方向に磁化される強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対(反平行)方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって、磁気トンネル接合が形成される。
【0008】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLの磁化方向と自由磁化層VLの磁化方向とが平行である場合に最小値Rminとなり、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に最大値Rmaxとなる。
【0009】
データ書込時においては、ワード線WLが非活性化されて、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを磁化するためのデータ書込電流(±Iw)は、ビット線BLおよびライトデジット線WDLのそれぞれにおいて、書込データのレベルに応じた方向に流される。
【0010】
図23は、データ書込におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【0011】
図23を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:HardAxis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびライトデジット線WDLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0012】
MTJメモリセルにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベル(“1”および“0”)に応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。MTJメモリセルは、自由磁化層VLの2通りの磁化方向と対応させて、1ビットのデータ(“1”および“0”)を記憶することができる。
【0013】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図中に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0014】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値を下げることができる。
【0015】
図23に示した例のようにデータ書込時の動作点を設計した場合には、データ書込対象であるMTJメモリセルにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはライトデジット線WDLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0016】
MTJメモリセルの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えるためには、ライトデジット線WDLとビット線BLとの両方に所定レベル以上のデータ書込電流を流す必要がある。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLは、磁化容易軸(EA)に沿ったデータ書込磁界の向きに応じて、固定磁化層FLと平行もしくは、反対(反平行)方向に磁化される。トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちMTJメモリセルの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。
【0017】
図24は、MTJメモリセルからのデータ読出を説明する概念図である。
図24を参照して、データ読出時においては、アクセストランジスタATRは、ワード線WLの活性化に応答してターンオンする。また、ビット線BLは、固定電圧Vssに設定される。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定電圧Vssでプルダウンされた状態でビット線BLと電気的に結合される。
【0018】
この状態で、ビット線BLを所定電圧でプルアップすれば、ビット線BLおよびトンネル磁気抵抗素子TMRを含む電流経路を、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗に応じた、すなわちMTJメモリセルの記憶データのレベルに応じたメモリセル電流Icellが通過する。たとえば、このメモリセル電流Icellを所定の基準電流と比較することにより、MTJメモリセルから記憶データを読出すことができる。
【0019】
このようにトンネル磁気抵抗素子TMRは、印加されるデータ書込磁界によって書換可能な磁化方向に応じてその電気抵抗が変化するので、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗Rmax/Rminと、記憶データのレベル(“1”/ “0”)とをそれぞれ対応付けることによって、不揮発的なデータ記憶を実行することができる。
【0020】
図25は、上記のアクセストランジスタATRを用いたMTJメモリセルの構造図である。
【0021】
図25を参照して、半導体主基板SUB上に形成されたアクセストランジスタATRは、n型領域であるソース/ドレイン領域310および320と、ゲート領域とを有する。アクセストランジスタATRのゲートとなるワード線WLはp型のゲート領域の上層に形成される。ライトデジット線WDLはソース/ドレイン領域310の上層側に配置される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、ライトデジット線WDLの上層側に配置される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、コンタクトホールに形成される金属膜を介してアクセストランジスタATRのソース/ドレイン領域320と電気的に結合される。ビット線BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合されてトンネル磁気抵抗素子TMRの上層側に設けられている。
【0022】
また、データ記憶に用いられるMTJメモリセルとして、このアクセストランジスタATRの代わりにダイオード素子をアクセス素子としたメモリセルも挙げることができる。
【0023】
図26は、ダイオード素子をアクセス素子として用いたMTJメモリセルの構成を示す概略図である。
【0024】
図26を参照して、ダイオードをアクセス素子として用いたメモリセルはトンネル磁気抵抗素子TMRとアクセスダイオードDYとを備える。アクセスダイオードDYは、トンネル磁気抵抗素子TMRからソース線SLに向かう方向を順方向として両者の間に結合される。ビット線BLは、ソース線SLと交差する方向に設けられ、トンネル磁気抵抗素子TMRと結合される。メモリセルに対するデータ書込は、ソース線SLおよびビット線BLにデータ書込電流を流すことによって行なわれる。データ書込電流の方向はアクセストランジスタを用いたメモリセルの場合と同様に書込データのデータレベルに応じて設定される。
【0025】
一方、データ読出時においては、選択されたメモリセルに対応するソース線SLは、低電圧(たとえば接地電圧GND)状態に設定される。このとき、ビット線BLを高電圧(たとえば電源電圧Vcc)状態にプリチャージしておくことによって、アクセスダイオードDYが順バイアスされて導通し、メモリセル電流Icellがトンネル磁気抵抗素子TMRを通過する。このようにしてアクセスダイオードを用いたMTJメモリセルにおいてもデータ読出およびデータ書込を実行することができる。
【0026】
図27は、上記のアクセスダイオードDYを用いたMTJメモリセルの構造図である。
【0027】
図27を参照して、アクセスダイオードDYはソース線SLの上層に形成される。また、トンネル磁気抵抗素子TMRは、アクセスダイオードDYの上層に形成され、ビット線BLと電気的に結合される。なお、アクセスダイオードDYは、トンネル磁気抵抗素子TMRからソース線SLを順方向としてp型領域およびn型領域が形成される。これに伴い、このアクセスダイオードDYを用いたMTJメモリセルは、上記のアクセストランジスタATRを用いたMTJメモリセルよりもレイアウト面積が小さいという利点がある。
【0028】
このように、MRAMデバイスでは、種々のMTJメモリセルを用いてデータ記憶を実行することができる。
【0029】
一方、一般的にはデータ記憶を実行するためのMTJメモリセルとは別に、メモリセル電流Icellと比較される基準電流を生成するためのリファレンスセルが設けられる。リファレンスセルによって生成される基準電流は、MTJメモリセルの2種類の電気抵抗RmaxおよびRminにそれぞれ対応する2種類のメモリセル電流Icellの中間値となるように設計する必要がある。基本的には、これらのリファレンスセルについても、MTJメモリセルと同様のトンネル磁気抵抗素子TMRを含むように設計される。
【0030】
トンネル磁気抵抗素子TMRの通過電流は、トンネル膜として用いられる絶縁膜の膜厚に大きな影響を受ける。このため、MTJメモリセルおよびリファレンスセルの間でトンネル膜厚実績に差異が生じれば、基準電流が所望のレベルに設定されなくなってしまう。また、トンネル膜厚は、薄く設計されるため低い電圧レベルたとえば0.5V程度の電圧以下しか膜圧に対して印可することができない。しかし、上記のアクセスダイオードDYを用いたリファレンスセルは、当該0.5Vではビルトポンテシャル電圧領域で動作するため、少しの電圧のばらつきに応答して通過電流が大きく変動する可能性がある。このような理由から、リファレンスセルを用いて生成される基準電流のレベルを正確に設定することは困難であり、基準電流のばらつきによってデータ読出精度が低下するおそれがある。
【0031】
特に、一般的なMTJメモリセルにおいては、記憶データレベルに応じて生じる抵抗差ΔRはそれほど大きくはならない。代表的には、電気抵抗Rminは、Rmaxの数十%程度に留まっている。このため、記憶データレベルに応じたメモリセル電流Icellの変化もそれほど大きくなく、マイクロアンペア(μA:10−6A)オーダに留まる。したがって、MTJメモリセルおよびリファレンスにおける、トンネル膜厚製造工程を高精度化する必要がある。
【0032】
しかし、製造プロセスにおけるトンネル膜厚精度を厳格化すれば、製造歩留の低下等による製造コストの上昇が懸念される。このような背景から、MRAMデバイスにおいて、MTJメモリセルでの上述した抵抗差ΔRに基いたデータ読出を、製造工程の厳格化を招くことなく、高精度に実行するための構成が求められる。
【0033】
このような問題点を解決するために、リファレンスセルを用いることなく選択メモリセルに対するアクセスのみでデータ読出を実行する、いわゆる「セルフリファレンス方式」のデータ読出を実行するMRAMデバイスの構成が、米国特許第6,317,376B1号に開示されている。
【0034】
当該米国特許に開示された従来のセルフリファレンス読出では、1回のデータ読出動作は、連続的に実行される、(1)選択メモリセルからの記憶データ読出、(2)当該選択メモリセルへの“0”データの強制書込後のデータ読出、(3)当該選択メモリセルへの“1”データの強制書込後のデータ読出、(4)上記(1)〜(3)の読出結果に基づいた読出データ生成、および(5)当該選択メモリセルへの読出データ再書込(リストア)によって構成されている。このようなデータ読出動作によれば、選択メモリセルに対するアクセスのみでデータ読出を実行することができるため、リファレンスセルの製造ばらつきに左右されず高精度のデータ読出を実行できる。
【0035】
【特許文献1】
米国特許第6,317,376B1号公報
【0036】
【非特許文献1】
ロイ・ショイアーライン(Roy Scheuerline)他6名、“各セルにFETスイッチおよび磁気トンネル接合を用いた、10ns読出・書込の不揮発メモリアレイ(A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell)”,(米国),2000年米国電気電子学会国際固体回路会議・技術論文集TA7.2(2000 IEEE ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.2),p.128−129。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のセルフリファレンス読出では、1回のデータ読出動作において強制的なデータ書込およびデータ読出を繰返して実行する必要があるためデータ読出開始から読出完了まで長期間を要し、データ読出動作の高速化が妨げられるという問題点があった。この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであってこの発明の目的は、セルフリファレンス方式に基づいた高速および高精度のデータ読出を実行する薄膜磁性体記憶装置の構成を提供することである。
【0038】
また、この発明の別の目的は、種々のMTJメモリセルを用いたセルフリファレンス方式に基づくデータ読出を実行する薄膜磁性体記憶装置の構成を提供することである。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明のある局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、データ線と、電流供給回路と、データ書込回路と、データ読出回路とを含む。複数のメモリセルは、各々が、磁化方向に応じた電気抵抗を有する。データ線は、データ読出時に、複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルを介して固定電圧と電気的に結合される。電流供給回路は、少なくともデータ読出時にデータ線を所定電圧と結合して選択メモリセルにデータ読出電流を供給する。データ書込回路は、選択メモリセルに対してデータ書込磁界を印可する。データ読出回路は、1回のデータ読出動作内において少なくとも1回実行されるデータ書込磁界の印加前後での選択メモリセルの記憶データに応じた読出データを生成する。データ読出回路は、電圧保持部と、電圧比較部とを含む。電圧保持部は、データ書込磁界の印加前の選択メモリセルのデータ読出によって与えられるデータ線の電圧を内部ノードに保持する。電圧比較部は、所定のデータ書込磁界の印加後の選択メモリセルのデータ読出によって与えられるデータ線の電圧と、内部ノードとの電圧との比較に応じて読出データを生成する。また、データ書込磁界の印加前のデータ読出、データ書込磁界の印加およびデータ書込磁界の印加後のデータ読出は連続的に実行される。
【0040】
本発明の別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、複数のソース線と、複数のビット線と、電圧供給回路と、データ書込回路と、データ読出回路とを含む。複数のメモリセルは、各々が、磁化方向に応じた電気抵抗を有する磁気抵抗素子を有する行列状に配置される。複数のソース線は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる。複数のビット線は、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる。各メモリセルは、アクセス素子を介さずに対応するソース線とビット線との間に配置される。データ線は、データ読出時に、複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルに対応するビット線と電気的に結合される。電圧供給回路は、データ読出時に選択メモリセルに対応するソース線を所定電圧と結合するとともに他のソース線を所定電圧と異なる固定電圧と結合する。データ書込回路は、選択メモリセルに対してデータ書込磁界を印可する。データ読出回路は、1回のデータ読出動作内において少なくとも1回実行されるデータ書込磁界の印加前後での選択メモリセルの記憶データに応じた読出データを生成する。また、データ読出回路は、電圧保持部と、電圧比較部とを含む。電圧保持部は、データ書込磁界の印加前の選択メモリセルのデータ読出によって与えられるデータ線の電圧を内部ノードに保持する。電圧比較部は、所定のデータ書込磁界の印加後の選択メモリセルのデータ読出によって与えられるデータ線の電圧と、内部ノードとの電圧との比較に応じて読出データを生成する。
【0041】
本発明のさらに別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、複数のソース線と、複数のビット線と、データ線と、電圧供給回路と、バイアス磁界印加部と、データ読出回路とを含む。複数のメモリセルは、各々が、磁気的に書込まれた記憶データに応じた方向に磁化容易軸に沿って磁化されて、磁化方向に応じた電気抵抗を有する磁気抵抗素子を有する行列状に配置される。複数のソース線は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる。複数のビット線は、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる。各メモリセルは、アクセス素子を介さずに対応するソース線とビット線との間に配置される。データ線は、データ読出時に、複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルに対応するビット線と電気的に結合される。電圧供給回路は、データ読出時に選択メモリセルに対応するソース線を所定電圧と結合するとともに他のソース線を所定電圧と異なる固定電圧と結合する。バイアス磁界印加部は、選択メモリセルに対して、磁化困難軸に沿ったバイアス磁界を印加する。データ読出回路は、データ読出時に、バイアス磁界の印加前後のそれぞれにおけるデータ線の電圧に基づいて、選択メモリセルの記憶データに応じた読出データを生成する。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付しその説明は繰返さない。
【0043】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【0044】
図1を参照して、実施の形態に従うMRAMデバイス1は、外部からの制御信号CMDおよびアドレス信号ADDに応答してランダムアクセスを行ない、入力データDINの書込および読出データDOUTの読出を実行する。
【0045】
MRAMデバイス1は、制御信号CMDに応答してMRAMデバイス1の全体動作を制御するコントロール回路5と、行列状に配置されたMTJメモリセルMCを含むメモリアレイ10とを備える。
【0046】
ここで、メモリアレイ10に行列状に配置された複数のトンネル磁気抵抗素子TMRの行および列を、メモリセル行およびメモリセル列ともそれぞれ称する。
【0047】
トンネル磁気抵抗素子TMRの構成およびデータ記憶原理は、図21〜図25で説明したのと同様であるので詳細な説明は繰り返さない。各トンネル磁気抵抗素子TMRは、「H」レベル(“1”)および「L」レベル(“0”)の一方を記憶データとして記憶し、記憶データのレベルに応じて電気抵抗が変化する。
【0048】
図1においては、代表的に示される1個のMTJメモリセルMCと、これに対応するワード線WL、ライトデジット線WDLおよびビット線BLの配置が示される。ワード線WLおよびライトデジット線WDLは、行方向に沿って配置される。ビット線BLおよびソース線SLは、列方向に沿って配置される。
【0049】
データ書込時には、選択メモリセルに対応するメモリセル行(以下、選択行とも称する)のライトデジット線WDLと、選択メモリセルに対応するメモリセル列(以下、選択列とも称する)のビット線BLとに対して、行方向および列方向のデータ書込電流がそれぞれ流される。また、データ読出時においては、選択メモリセルに対応するワード線WLが活性化されて、データ読出電流が選択メモリセルおよびビット線BLを通過する。
【0050】
メモリアレイ10における、MTJメモリセルおよび上述した信号線群の配置については後ほど詳細に説明する。なお、以下においては、信号、信号線およびデータ等の2値的な高電圧状態(電源電圧Vcc)および低電圧状態(固定電圧Vss/接地電圧GND)を、それぞれ「H」レベルおよび「L」レベルとも称する。
【0051】
MRAMデバイス1は、さらに、アドレス信号によって示されるロウアドレスRAをデコードして、メモリアレイ10における行選択を実行するための行選択回路20と、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAをデコードして、メモリアレイ10における列選択を実行するための列デコーダ25と、読出/書込制御回路30および35とを備える。
【0052】
読出/書込制御回路30および35は、データ書込時においてビット線BLにデータ書込電流を流すための回路、データ読出時においてビット線BLにデータ読出電流を流すための回路、およびデータ読出時に読出データDOUTを生成するための回路等を総称したものである。また、各ライトデジット線WDLは、メモリアレイ10を挟んで行選択回路20と反対側の領域において、固定電圧Vssと結合される。
【0053】
図2は、メモリアレイ10に対してデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の実施の形態1に従う構成を示す回路図である。
【0054】
図2を参照して、メモリアレイ10には、MTJメモリセルMCが行列状に配置される。ここでは、メモリアレイ10において、2行4列の行列状に配置されたメモリセルMCが一例として示されている。既に説明したように、メモリセル行にそれぞれ対応してワード線WLおよびライトデジット線WDLが配置され、メモリセル列にそれぞれ対応して、ビット線BLおよびソース線SLが配置される。MTJメモリセルMCの各々は、図21で説明したのと同様の構成を有し、対応するビット線BLおよびソース線SLの間に直列に接続される、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタATRを含む。
【0055】
トンネル磁気抵抗素子TMRは、既に説明したように、磁化方向に応じた電気抵抗を有する。すなわち、データ読出前においては、各MTJメモリセルにおいて、トンネル磁気抵抗素子TMRは、「H」レベル(“1”)および「L」レベル(“0”)のいずれかのデータを記憶するために、所定の方向に沿って磁化されて、その電気抵抗はRmaxおよびRminのいずれかに設定される。
【0056】
各ソース線SLは、固定電圧Vss(代表的には、接地電圧GND)と結合される。これにより、各アクセストランジスタATRのソース電圧は、固定電圧Vssに固定される。この結果、対応するワード線WLが「H」レベルに活性化される選択行において、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定電圧Vss(接地電圧GND)にプルダウンされた状態で、ビット線BLと接続される。
【0057】
次に、メモリアレイ10における行選択を実行するための行選択回路20および21の回路構成について説明する。
【0058】
行選択回路20および21は、メモリセル行ごとに配置された、ワード線ドライバ80およびライトデジット線ドライバ85を有する。図示しないが、各ワード線ドライバ80は、電源電圧Vcc2および固定電圧Vssの供給を受け、各ライトデジット線ドライバ85は、電源電圧Vcc1および固定電圧Vssの供給を受ける。なお、電源電圧Vcc1は、電源電圧Vcc2よりも高い、すなわち、|(Vcc1−Vss)|>|(Vcc2−Vss)|である。
【0059】
各ワード線ドライバ80は、各ワード線WLの一端側に設けられ、メモリセル行のデコード結果を示すロウデコード信号Rd(1)〜Rd(4),…の対応する1つに基づいて、対応するワード線WLの活性化を制御する。具体的には、ワード線WLは、ワード線ドライバ80によって、活性化時には電源電圧Vcc2(「H」レベル)と接続され、非活性化時には固定電圧Vssと接続される。
【0060】
各ライトデジット線ドライバ85は、各ライトデジット線WDLの一端側に設けられ、メモリセル行のデコード結果を示すロウデコード信号Rd(1)〜Rd(4),…の対応する1つに基づいて、対応するライトデジット線WDLの活性化を制御する。また、各ライトデジット線ドライバ85は、後述するデータ読出動作内において、コントロール回路5によって生成される制御信号RWE(1)〜(4),…の対応する1つに基づいて、対応するライトデジット線WDLを所定タイミングにおいて活性化する。具体的には、ライトデジット線WDLは、ライトデジット線ドライバ85によって、活性化時には電源電圧Vcc1(「H」レベル)と接続され、非活性化時には固定電圧Vssと接続される。なお、以下においては、ロウデコード信号Rd(1)〜Rd(4),…を総称して、単にロウデコード信号Rdとも称する。また、制御信号RWE(1)〜(4),…を総称して、単に制御信号RWEとも称する。
【0061】
ロウデコード信号Rdは、図示しないデコード回路によって得られ、対応するメモリセル行が選択された場合に、「H」レベル(電源電圧Vcc2)に設定され、それ以外では、ロウデコード信号Rdは「L」レベル(固定電圧Vss)に設定される。少なくとも、1回のデータ書込動作内において、各メモリセル行のロウデコード信号Rdは、図示しないラッチ回路によって保持される。
【0062】
さらに、各メモリセル行に対応して、データ書込時を含むデータ読出時以外において、ワード線WLの他端側を固定電圧Vssと結合するためのトランジスタスイッチ90が配置される。トランジスタスイッチ90は、データ読出時に活性化(「H」レベル)される制御信号REの反転信号/REをゲートに受けて、ワード線WLと固定電圧Vssとの間に電気的に結合される。図2の構成例においては、トランジスタスイッチ90は、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタで構成される。なお、本明細書においては、MOSトランジスタは、電界効果型トランジスタの代表例として示されるものとする。なお、本明細書においては、「/」の記号は、反転、否定、相補等を示すものとする。以下においても同様である。
【0063】
また、ライトデジット線WDLの他端側は、固定電圧Vssと接続されている。したがって、データ書込時において、活性化されたライトデジット線WDLには、ライトデジット線ドライバ85から固定電圧Vssへ向かう方向にデータ書込電流Ipが流される。
【0064】
一方、データ読出時においては、トランジスタスイッチ90によって、各ワード線WLは固定電圧Vssから切離される。さらに、ワード線ドライバ80は、対応するメモリセル行のロウデコード信号Rdに応じて、対応するワード線WLを活性化する。これに応答して、選択行に対応するアクセストランジスタATRがターンオンして、ビット線BLおよびソース線SLの間に、磁気トンネル接合部MTJが電気的に結合される。このようにして、メモリアレイ10における行選択動作が実行される。
【0065】
同様の構成は、各メモリセル行のワード線WLおよびライトデジット線WDLに対応して同様に設けられる。なお、図2に示されるように、ワード線ドライバ80およびライトデジット線ドライバ85は、各メモリセル行ごとに、千鳥状に配置される。すなわち、ワード線ドライバ80およびライトデジット線ドライバ85は、ワード線WLおよびライトデジット線WDLの一端側、およびワード線WLおよびライトデジット線WDLの他端側に、1行ごとに交互配置される。これにより、行選択回路20,21を小面積で効率的に配置できる。
【0066】
読出/書込制御回路30は、さらに、ライトドライバ制御回路180を含む。ライトドライバ制御回路180は、コントロール回路5からの動作指示に応答して動作する。ライトドライバ制御回路180は、動作時に、データ入力端子4bおよび入力バッファ195を介して伝達された入力データDIN、および列デコーダ25からの列選択結果に応じて、メモリセル列ごとに書込制御信号WDTa,WDTbを設定する。さらに、ライトドライバ制御回路180は、1回のデータ読出動作期間内において、後述するデータ読出回路からの読出データRDTを受けて書込制御信号WDTa,WDTbを設定する。
【0067】
読出/書込制御回路30は、さらに、メモリセル列ごとに配置されたライトドライバWDVbを含む。同様に、読出/書込制御回路35は、メモリセル列ごとに設けられたライトドライバWDVaを含む。各メモリセル列において、ライトドライバWDVaは、対応する書込制御信号WDTaに応じて、対応するビット線BLの一端側を、電源電圧Vcc1および固定電圧Vssのいずれかで駆動する。同様に、ライトドライバWDVbは、対応する書込制御信号WDTbに応じて、対応するビット線BLの他端側を、電源電圧Vcc1および固定電圧Vssのいずれかで駆動する。
【0068】
データ書込時において、選択列に対応する書込制御信号WDTaおよびWDTbは、書込データのレベルに応じて、「H」レベルおよび「L」レベルの一方ずつに設定される。たとえば、「H」レベル(“1”)のデータを書込む場合には、ライトドライバWDVaからWDVbへ向かう方向にデータ書込電流+Iwを流すために、書込制御信号WDTaが「H」レベルに設定され、WDTbが「L」レベルに設定される。反対に、「L」レベル(“0”)のデータを書込む場合には、ライトドライバWDVbからWDVaへ向かう方向にデータ書込電流−Iwを流すために、書込制御信号WDTbが「H」レベルに設定され、WDTaは「L」レベルに設定される。以下においては、異なる方向のデータ書込電流+Iwおよび−Iwを総称して、データ書込電流±Iwとも表記する。
【0069】
非選択列においては、書込制御信号WDTaおよびWDTbの各々は、「L」レベルに設定される。
【0070】
したがって、対応するライトデジット線WDLおよびビット線BLの両方にデータ書込電流Ipおよび±Iwがそれぞれ流されるトンネル磁気抵抗素子TMRにおいて、データ書込電流±Iwの方向に応じた書込データが磁気的に書込まれる。同様の構成は、各メモリセル列のビット線BLに対応して同様に設けられる。
【0071】
次に、メモリアレイ10からのデータ読出動作を実行する回路群について説明する。
【0072】
読出/書込制御回路30は、さらに、選択メモリセルの電気抵抗に応じた電圧を伝達するためのデータ線DIOと、データ線DIOおよび各ビット線BLの間に設けられた読出選択ゲートRCSGとを含む。読出選択ゲートRCSGのゲートには、対応するメモリセル列の選択状態を示すリードコラム選択線RCSLが結合される。各リードコラム選択線RCSLは、対応するメモリセル列が選択された場合に「H」レベルに活性化される。同様の構成は、各メモリセル列に対応して設けられる。すなわち、データ線DIOはメモリアレイ10上のビット線BLによって共有される。
【0073】
このような構成とすることにより、選択メモリセルは、データ読出時において、選択列のビット線BLおよび対応する読出選択ゲートRCSGを介してデータ線DIOと電気的に結合される。
【0074】
読出/書込制御回路30は、さらに、データ読出回路100と、トランジスタ105とを含む。
【0075】
データ読出回路100は、センスアンプ(電圧増幅器)120と、電圧保持キャパシタ130と、帰還スイッチ140と、センスアンプ(電圧増幅器)146と、ラッチ回路148とを含む。
【0076】
電圧保持キャパシタ130は、ノードN3(センスアンプ120の入力ノードの他方に相当)の電圧レベルを保持するために、ノードN3と固定電圧Vssの間に接続される。センスアンプ120は、ノードN1およびN3の電圧を増幅してノードN2(センスアンプ120の出力ノードに相当)に出力する。帰還スイッチ140は、ノードN2とノードN3との間に設けられる。帰還スイッチ140は、制御信号SWPの反転信号である制御信号/SWPに応答してオンする。
【0077】
センスアンプ146は、予め定められた基準電圧VcpとノードN3の電圧差を増幅して出力する。ラッチ回路148は、データ読出動作時にセンスアンプ146の出力をラッチして読出データRDTとして出力する。ラッチ回路148から読出された読出データRDTは、出力バッファ190を介してデータ出力端子4aからの読出データDOUTとして出力される。このように、複数段のセンスアンプ120,146によって、ノードN1およびN3間の電圧差を増幅するので、十分な動作マージンを確保することができる。また、第2段のセンスアンプ146に入力される基準電圧Vcpのレベル調整によって感度を変更できるので、製造時の素子特性ばらつきに起因する感度の変化を補正することができる。
【0078】
トランジスタ105は、NチャンネルMOSトランジスタで構成され、データ読出時に活性化(「H」レベル)される制御信号RADの反転信号である制御信号/RADをゲートに受ける。すなわち、トランジスタ105は、データ読出を実行するとき以外においては、ターンオンされる。
【0079】
したがって、データ読出前において、トランジスタ105のターンオンによって、データ線DIOは、プリチャージ電圧Vpcと結合される。この段階では、データ線DIOは、各メモリセル列における読出選択ゲートRCSGがターンオフによってビット線BLおよびメモリセルMCとは切り離されているため、プリチャージ電圧Vpcに充電される。
【0080】
データ読出が開始されると、選択行のワード線WLおよび選択列のリードコラム選択線RCSLが「H」レベルに活性化されて、データ線DIOは、選択メモリセルを介して固定電圧Vss(接地電圧GND)へプルダウンされる。これに伴い、プリチャージ電圧Vpcによって選択メモリセルを通過するデータ読出電流Isが供給され、データ線DIOには、選択メモリセルの電気抵抗に応じた電圧が生じることになる。
【0081】
次に、データ読出回路100の動作を図3を用いて詳細に説明する。
図3は、図2に示したデータ読出回路の主要部分の構成を示す回路図である。
【0082】
図3を参照して、センスアンプ120は、電源電圧Vcc2とノードN2およびN4との間にそれぞれ接続されたPチャネルMOSトランジスタ122および124と、ノードN2およびN4と固定電圧Vssの間にそれぞれ接続されたNチャネルMOSトランジスタ126および128とを備える。トランジスタ122および124の各ゲートはノードN4と接続され、トランジスタ126のゲートはノードN3と接続され、トランジスタ128のゲートはノードN1と接続されている。すなわち、トランジスタ122〜128は、ノードN1,N3を入力ノードとし、ノードN2を出力ノードとする「差動増幅アンプ」として動作する。
【0083】
電圧保持キャパシタ130および帰還スイッチ140、センスアンプ146およびラッチ回路148の配置は、図2で説明したので詳細な説明は繰り返さない。
【0084】
データ読出動作前においては、ノードN1にはプリチャージ電圧が供給されている。また、帰還スイッチ140は、オンしておりノードN2とノードN3はショートしている。
【0085】
この状態からデータ読出動作が開始されて、データ線DIOは、選択メモリセルを介して固定電圧Vss(接地電圧GND)にプルダウンされる。これにより、データ線DIOの電圧は、選択メモリセルの通過電流、すなわち選択メモリセルの電気抵抗に応じてプリチャージ電圧Vpcより低下する。データ読出時におけるデータ線DIOの電圧は、選択メモリセルのインピーダンス(電気抵抗)の関係によって決定される。
【0086】
1回のデータ読出動作が開始されてからの前半期間すなわち後述する初期データ読出動作においては、制御信号/SWPは「H」レベルに活性化されている。したがって、帰還スイッチ140がターンオンするので、ノードN2およびノードN3はショートされたままである。この結果、バーチャルショート効果によりノードN1とノードN2およびN3は、センスアンプ120による負帰還動作によって、仮想的にショートされた状態となり、同電圧レベルに設定される。この状態におけるノードN3の電圧は、電圧保持キャパシタ130によって保持される。
【0087】
厳密には、センスアンプ120を構成する回路素子の素子特性ばらつきによって、ノードN1およびN3が同電圧に設定されないケースも生じ得るが、このようなばらつきも含めて、ノードN3の電圧がノードN1の電圧に応じて平衡状態に設定されるので、このようなセンスアンプのオフセット調整も併せて行なっていることになる。
【0088】
その後、1回のデータ読出動作が開始されてからの後半期間すなわち後述する所定データ読出動作においては、ノードN2とノードN3とは電気的に切り離される。この状態で、ノードN3は開放状態となり、現在の電圧状態が電圧保持キャパシタ130によって保持される。次に再度の読出の際にメモリセルの抵抗値が変化するとノードN0の電圧が変化するとともにノードN1の電圧も変化する。この変化に応じてノードN2が変化する。ノードN3の電圧は電圧保持キャパシタ130によって所定の電圧状態に保持されているためノードN1とノードN3には電圧差が生じる。これに伴いセンスアンプ120はこの電圧差を増幅しノードN2に出力する。
【0089】
図4は、実施の形態1に従うメモリアレイに対する1回のデータ読出動作を説明するフローチャートである。
【0090】
図4を参照して、実施の形態1に従う構成においては、1回のデータ読出動作が開始されると(ステップS1)、まず初期データ読出動作として、選択メモリセルの磁化方向がデータ読出動作前と同様である状態、すなわち、選択メモリセルが本来読出されるべき記憶データを保持した状態においてデータ読出を実行する。初期データ読出動作時におけるデータ線DIOの電圧(以下、単に「データ線電圧」とも称する)は、ノードN3に伝達され保持される(ステップS2)。
【0091】
次に、所定書込動作として、選択メモリセルへ所定レベル(たとえば“0”)のデータが書込まれる。すなわち、選択メモリセルは、所定レベルのデータを書込むためのデータ書込磁界の印加を受ける(ステップS3)。さらに、選択メモリセルへ当該所定レベル(“0”)のデータが書込まれた状態での、選択メモリセル群を対象とするデータ読出が所定データ読出動作として実行される。このときのデータ線電圧は、ノードN1へ伝達される(ステップS4)。
【0092】
所定データ読出動作において、先行する所定書込動作における強制的な書込データレベルが選択メモリセルの記憶データと一致しているときは、データ線電圧は初期データ読出時と同レベルとなる。一方、先行する所定書込動作で選択メモリセルの記憶データと異なるレベルのデータを強制的に書込んだときには、後続の所定データ読出動作において、データ線電圧は初期データ読出時と比較して、上昇あるいは下降する。
【0093】
初期データ読出動作から所定データ読出動作までが終了した時点で、ノードN1およびN3には、所定データ読出動作および初期データ読出動作のそれぞれにおけるデータ線電圧が保持される。この状態で、ノードN1およびN3の電圧比較に基づいて、選択メモリセルからの記憶データを示す読出データRDTを確定する(ステップS5)。データ線電圧は、上記の2つの読出動作間でのデータ線電圧の比較を行なうことによって、選択メモリセルの記憶データを抽出して検知することができる。
【0094】
次に、ステップS5で確定された読出データRDTが、所定書込動作で書込まれたデータ(“0”)と同一であるかどうかが判定される(ステップS6)。選択メモリセルの記憶データと確定された読出データRDTとが不一致である場合には、読出データRDTの確定後において、選択メモリセルに対して、読出データRDTの再書込が実行される(ステップS7)。これにより、読出動作シーケンス内で所定のデータ書込を受けた選択メモリセルについて、その記憶データを再現して、データ読出前の状態を再現することができる。一方、選択メモリセルの記憶データと確定された読出データRDTとが同一である場合には、次のデータ再書込動作(ステップS7)をスキップして、1回のデータ読出動作を終了する(ステップS8)。両者のレベルが同一である場合には、データ再書込動作の実行前において、選択メモリセルの記憶データが、後続のステップS6で再書込しようとするデータ(読出データRDT)と既に同じレベルであるため、データ再書込動作を実行する必要がない。この結果、不要な再書込動作を省略して、データ読出動作時の消費電流を削減することが可能となる。なお、当該判定動作をライトドライバ制御回路180で実行することが可能である。
【0095】
図5は、本発明の実施の形態1に従うデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【0096】
図5を参照して、本発明の実施の形態に従う1回のデータ読出動作は、たとえばクロック信号CLKに同期して実行させることができる。
【0097】
ここで、データ読出動作を説明する前にデータ書込動作について説明する。
クロック信号CLKの活性化エッジである時刻t00において、チップセレクト信号CSおよびライトコマンドWTが取込まれると、データ書込動作が実行される。データ書込動作においては、選択行のデジット線WDLが活性化されるとともに選択列のビット線BLには書込データに対応するデータ書込電流が供給される。たとえばデータ(“1”)に対応するデータ書込電流−Iwが供給されるとすると選択メモリセルに対してデータ(“1”)が書き込まれる。
【0098】
次に、当該データ(“1”)が書き込まれた選択メモリセルのデータ読出について説明する。
【0099】
すなわち、クロック信号CLKの活性化エッジである時刻t0において、チップセレクト信号CSおよびリードコマンドRDが取込まれると、初期データ読出動作が実行される。初期データ読出動作においては、選択行のワード線WLが活性化状態であるとともに、選択列のビット線BLにはデータ読出電流Isが供給される。データ読出電流Isによってデータ線DIOに生じた電圧、すなわち、選択メモリセルが本来の記憶データを保持する状態でのデータ線電圧は、ノードN1に伝達される。ここで、制御信号SWPは「L」レベルその反転信号である制御信号/SWPは「H」レベルであるため帰還スイッチ140はオンしている。したがって、バーチャルショート効果により、記憶データ(“1”)に対応するデータ線電圧がノードN3に伝達され保持される。
【0100】
次にクロック信号CLKの1サイクル内の時刻t1から、所定書込動作が実行される。ここでは、クロック信号CLKの1サイクル内すなわちデータ読出と同一サイクル内にデータ書込を連続的に実行するいわゆるリードモディファイライトが実行される。具体的には制御信号RWEに応答してライトデジット線ドライバ85が活性化されて選択行のライトデジット線WDLにデータ書込電流Ipが流され、選択列のビット線BLにはデータ書込電流+Iwが流されて、選択メモリセルに対して、所定レベルのデータ(“0”)が強制的に書込まれる。
【0101】
さらに、次のクロック活性化エッジである時刻t2からは所定データ読出動作が実行される。具体的には選択行のワード線WLが活性化された状態で、選択列のビット線BLに対してデータ読出電流Isが供給される。データ読出電流Isによってデータ線DIOに生じた電圧、すなわち、選択メモリセルが“0”データを保持する状態でのデータ線電圧がノードN1に伝達される。
【0102】
所定データ読出動作の実行によって、ノードN1およびN3において、選択メモリセルが記憶データ“0”およびデータ“1”を保持する状態にそれぞれ対応するデータ線電圧となり、これに伴いノードN1およびN3の電圧差に基づいて時刻t3において読出データRDTを生成することができる。
【0103】
さらに、時刻t3以降に読出データRDTに応じた読出データDOUTがデータ出力端子4aから出力される。また、これと並列して、選択メモリセルに対するデータ再書込動作が実行される。すなわち、制御信号RWEに応答してライトデジット線ドライバ85が活性化されて選択行のライトデジット線WDLにデータ書込電流Ipが流され、選択列のビット線BLには、読出データRDTのレベルに応じて、データ書込電流+Iwまたは−Iwが流される。ここでは、データ(“1”)に対応してデータ書込電流−Iwが流される。これにより、選択メモリセルに対して、読出データRDTと同一レベルのデータが書込まれて、選択メモリセルは、データ読出動作前と同様の状態に復帰する。
【0104】
上記の例においては、選択メモリセルの記憶データが(“1”)として説明したがデータ(“0”)である場合にも同様に適用できる。すなわち、所定書込動作と同じレベルの記憶データが選択メモリセルに記憶されていた場合、電圧差は生じず、そのままの電圧が出力される。2段目のセンスアンプ146においては既知のデータとの比較に応じて読出データRDTを生成するため電圧差が生じない場合にはデータ(“0”)を出力する。
【0105】
上記の例においては所定書込動作において選択メモリセルに書込むデータレベルはデータ(“0”)として説明したがデータ(“1”)を書き込んで所定データ読出動作を実行することも同様に可能である。
【0106】
また、データ再書込時に上述したように、所定データと同一のデータが選択メモリセルから読み出された場合にはデータ再書込動作を実行しないようにすることも可能である。この結果不要な再書込動作を省略して、データ読出動作時の消費電流を削減することが可能となる。
【0107】
さらに、選択メモリセルに対する1回のデータ読出動作において、リファレンスセルを用いることなく、選択メモリセル群に対するアクセスのみでデータ読出を実行することができる。すなわち、同一のメモリセル、同一のビット線、同一のデータ線および同一のセンスアンプ等が含まれる同一のデータ読出経路によって実行される電圧比較に基づいて、いわゆるセルフリファレンス方式でデータ読出が実行される。
【0108】
この結果、データ読出経路を構成する各回路における製造ばらつきに起因するオフセット等の影響を回避して、データ読出動作を高精度化できる。すなわち、選択メモリセルからのデータ読出を、リファレンスセル等の他のメモリセルや、これに付随するデータ読出回路系との比較に基づいて実行するよりも、製造ばらつき等の影響を排除して、高精度のデータ読出を実行することが可能となる。また、リファレンスセルが不要であるので、各MTJメモリセルにデータ記憶を実行させて、全てのMTJメモリセルを有効ビットとして用いることができる。
【0109】
また、本構成のごとくリードとライトを同一の1クロックサイクル内において連続的に実行する方式であるいわゆるリードモディファイライトを採用することにより1回のデータ読出動作をさらに高速化することができる。
【0110】
また、ワード線WLは、一回のデータ読出動作において活性化状態(「H」レベル)を維持するため充放電に伴う消費電力を低減することができる。
【0111】
(実施の形態1の変形例)
本実施の形態1の変形例においては、メモリアレイを構成するメモリセルMCをアクセストランジスタATRを取除いた1TMR型のMTJメモリセルMC#に置換した場合のデータ読出動作について説明する。
【0112】
図6は、本発明の実施の形態1の変形例に従うメモリアレイに対してデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の構成を示す回路図である。
【0113】
図6を参照して、本実施の形態1の変形例に従う当該回路群は、本実施の形態1の回路群と比較して、メモリアレイ10をメモリアレイ10#にした点と、行選択回路20および21を行選択回路20#および21#に置換した点とか異なる。その他の点は、図2の実施の形態1で示した回路群と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0114】
メモリアレイ10#は、メモリアレイ10と比較して行列状に配置されたメモリセルMCをメモリセルMC#に置換した点が異なる。
【0115】
図7は、アクセストランジスタATRを取り除いた1TMR型のMTJメモリセルMC#を示す回路図である。
【0116】
図7を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、ビット線BLとソース線SLとの間に配置される。すなわち、図7のMTJメモリセルMC#は、図21のMTJメモリセルと比較して、アクセストランジスタATRおよびワード線WLを取り除いてトンネル磁気抵抗素子TMRとソース線SLとを直接電気的に結合した点が異なる。
【0117】
図8は、図7で示したMTJメモリセルMC#の構造図である。
図8を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、ソース線SLとビット線BLとの間に形成される。また、ライトデジット線WDLは、ソース線SLの下層にソース線SLと平行に配置される。
【0118】
行選択回路20#および21#は、行選択回路20および21と比較してメモリセル行毎に配置されたワード線ドライバ80の代わりにソース線ドライバ80#を有する。図示しないが各ソース線ドライバ80#は、電源電圧Vcc2および固定電圧Vssの供給を受ける。各ソース線ドライバ80#は、各ソース線SLの一端側に設けられ、メモリセル行のデコード結果を示すロウデコード信号Rd(1)〜Rd(4),・・・の対応する1つに基づいて、対応するソース線SLの活性化を制御する。具体的には、ソース線SLは、ソース線ドライバ80#によって、活性化時には電源電圧Vcc2(「H」レベル)と接続され、非活性化時には固定電圧Vssと接続される。その他の点は、図2の行選択回路20および21と同様の構成であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0119】
図9は、データ読出時において選択セルを流れるデータ読出電流Isの概念図である。
【0120】
図9を参照して、データ読出時において、選択メモリセルに対応するソース線ドライバが活性化された場合、非選択メモリセルに対応するソース線ドライバは非活性化されている。したがって、選択メモリセルは、電源電圧Vcc2と電気的に結合され、非選択メモリセルは固定電圧Vssと電気的に結合される。これに伴い、選択メモリセルを介してビット線を共有する選択列の非選択メモリセルに対して電流経路が形成されることとなる。すなわち、選択列のビット線と接続されたメモリセル群全体の合成抵抗に応じた値のデータ読出電流Isが流れることとなる。この結果、データ線DIOには当該合成抵抗に応じた電圧が生じることになる。
【0121】
図10は、本発明の実施の形態1の変形例に従う1回のデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【0122】
図10を参照して、本発明の実施の形態に従う1回のデータ読出動作は、たとえばクロック信号CLKに同期して実行させることができる。
【0123】
ここで、データ読出動作を説明する前にデータ書込動作について説明する。
クロック信号CLKの活性化エッジである時刻t00において、チップセレクト信号CSおよびライトコマンドWTが取込まれると、データ書込動作が実行される。データ書込動作においては、選択行のライトデジット線WDLが活性化されるとともに選択列のビット線BLには書込データに対応するデータ書込電流が供給される。たとえばデータ(“1”)に対応するデータ書込電流−Iwが供給されるとすると選択メモリセルに対してデータ(“1”)が書き込まれる。
【0124】
次に、当該データ(“1”)が書き込まれた選択メモリセルの1回のデータ読出動作について説明する。
【0125】
すなわち、クロック信号CLKの活性化エッジである時刻t0において、チップセレクト信号CSおよびリードコマンドRDが取込まれると、初期データ読出動作が実行される。初期データ読出動作においては、選択行のソース線SLが活性化されることにより選択メモリセルを介して選択列のビット線BLにデータ読出電流Isが供給される。データ読出電流Isによってデータ線DIOに生じた電圧、すなわち、選択メモリセルが本来の記憶データを保持する状態でのデータ線電圧は、ノードN1に伝達される。ここでは、記憶データ(“1”)を選択メモリセルが有する場合において、選択列に対応する選択メモリセルおよび非選択メモリセルの合成抵抗に対応するデータ線電圧がノードN1に伝達される。また、このとき制御信号SWP(「L」レベル)に従う制御信号/SWPは、「H」レベルであるため上述したようにバーチャルショート効果によりノードN3にデータ線電圧に対応する電圧レベルが保持される。
【0126】
次にクロック信号CLKの1サイクル内の時刻t1から、所定書込動作が実行される。ここでは、クロック信号CLKの1サイクル内すなわちデータ読出とデータ書込を連続的に実行するいわゆるリードモディファイライトが実行される。具体的には制御信号RWEに応答してライトデジット線ドライバ85が活性化されて選択行のライトデジット線WDLにデータ書込電流Ipが流され、選択列のビット線BLにはデータ書込電流+Iwが流されて、選択メモリセルに対して、所定レベルのデータ(“0”)が強制的に書込まれる。
【0127】
さらに、次のクロック活性化エッジである時刻t2からは所定データ読出動作が実行される。具体的には選択行のソース線SLが活性化された状態で、選択列のビット線BLに対して選択メモリセルを介してデータ読出電流Isが供給される。データ読出電流Isによってデータ線DIOに生じた電圧、すなわち、選択メモリセルが“0”データを保持する状態において、選択列に対応する選択メモリセルおよび非選択メモリセルの合成抵抗に対応するデータ線電圧が、ノードN1に伝達される。
【0128】
所定データ読出動作の実行によって、ノードN1およびN3において、選択メモリセルが記憶するデータ“0”およびデータ“1”を保持する状態にそれぞれ対応するデータ線電圧が保持される。したがって、ノードN1およびN3の電圧差に基づいて時刻t3において読出データRDTを生成することができる。
【0129】
さらに、時刻t3以降において読出データRDTに応じた読出データDOUTがデータ出力端子4aから出力される。また、これと並列して、選択メモリセルに対するデータ再書込動作が実行される。すなわち、制御信号RWEに応答してライトデジット線ドライバ85が活性化されて選択行のライトデジット線WDLにデータ書込電流Ipが流され、選択列のビット線BLには、読出データRDTのレベルに応じて、データ書込電流+Iwまたは−Iwが流される。ここでは、データ(“1”)に対応してデータ書込電流−Iwが流される。これにより、選択メモリセルに対して、読出データRDTと同一レベルのデータが書込まれて、選択メモリセルは、データ読出動作前と同様の状態に復帰する。
【0130】
本実施の形態1の変形例の如くアクセストランジスタを除くメモリセルMC#を用いた構成においても実施の形態1と同様のセルフリファレンス読出を実行することができる。これに伴い、アクセストランジスタを半導体基板に設けるために必要としていたメモリセル1個のレイアウト面積を縮小することができ、小面積で大容量のメモリアレイを設計することができる。
【0131】
また、データ読出動作期間内において、1クロックサイクル内に読出動作および書込動作を連続的に実行するいわゆるリードモディファイライトを実行することにより高速なセルフリファレンス方式によるデータ読出を実行することが可能となる。
【0132】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においては強制的なデータ書込およびデータ読出を繰返してデータ読出動作を実行するセルフリファレンス読出の方式について説明してきたが、本実施の形態2においては選択メモリセルの記憶データを破壊することなくセルフリファレンス読出を実行する構成について説明する。
【0133】
まず、本実施の形態2のデータ読出の原理について最初に説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に用いるメモリセルMCaの回路図である。
【0134】
図11を参照して、ダイオードを用いたMTJメモリセルMCaは、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセスダイオードDYを備える。MTJメモリセルMCaは、ワード線をリード用のソース線SLとライトデジット線WDLとに分割して配置した点が、図26に示したMTJメモリセルの構成と異なる。ビット線BLは、ライトデジット線WDLおよびソース線SLと交差する方向に配置され、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合される。アクセスダイオードDYは、トンネル磁気抵抗素子TMRからソース線SLに向かう方向を順方向として両者の間に結合される。ライトデジット線WDLは、他の配線と接続されることなくトンネル磁気抵抗素子TMRと近接して設けられる。
【0135】
MTJメモリセルMCaにおいては、データ書込時においてソース線SLに電流を流す必要がない。上述した図26で示されたMTJメモリセルにおいては、ソース線SLおよびビット線BLに電流をそれぞれ供給する必要があるため電源電圧相当の高電圧がトンネル磁気抵抗素子TMRに印加される可能性がある。このためトンネル磁気抵抗素子TMRが破壊されてしまうことがあるが本構成においては、ソース線SLに電流は流れないためトンネル磁気抵抗素子TMRに高電圧が印可されることはなく、図26に示されたMTJメモリセルMCと比較して、データ書込動作の安定化を図ることができる。
【0136】
図12は、MTJメモリセルMCaの構造図である。図12を参照して、MTJメモリセルMCaは、独立した配線として配置されるライトデジット線WDLをさらに備える点で図27に示したMTJメモリセルの構造と異なる。その他の部分の構造は、図27で説明した構造と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
【0137】
以下の説明で明らかになるように、本願発明においては、選択メモリセルに対してバイアス磁界を印加することによって、セルフリファレンス方式のデータ読出を高速化することを目的とする。
【0138】
図13は、MTJメモリセルに対して磁界を印加するための電流および、MTJメモリセルの電気抵抗の関係(ヒステリシス特性)を示す概念図である。
【0139】
図13を参照して、横軸には、ビット線を流れるビット線電流I(BL)が示され、縦軸にはMTJメモリセルの電気抵抗Rcellが示される。ビット線電流I(BL)によって生じる磁界は、図11に示した自由磁化層VLにおいて、磁化容易軸方向(EA)に沿った方向を有する。一方、ライトデジット線WDLを流れるデジット線電流I(WDL)によって生じる磁界は、自由磁化層VLにおいて、磁化困難軸方向(HA)に沿った方向を有する。
【0140】
したがって、ビット線電流I(BL)が、自由磁化層VLの磁化方向を反転させるためのしきい値を超えると、自由磁化層VLの磁化方向が反転されて、メモリセル抵抗Rcellが変化する。図2においては、プラス方向のビット線電流I(BL)がしきい値を超えて流された場合にはメモリセル抵抗Rcellが最大値Rmaxとなり、マイナス方向のビット線電流I(BL)がしきい値を超えて流された場合には、メモリセル抵抗Rcellが最小値Rminとなる。このようなビット線電流I(BL)のしきい値は、ライトデジット線WDLを流れる電流I(WDL)によって異なる。
【0141】
まず、ライトデジット線WDLを流れるデジット線電流I(WDL)=0である場合におけるメモリセル抵抗Rcellのヒステリシス特性が、図13中に点線で示される。この場合における、ビット線電流I(BL)のプラス方向およびマイナス方向のしきい値を、それぞれIt0および−It0とする。
【0142】
これに対して、ライトデジット線WDLに電流が流される場合には、ビット線電流I(BL)のしきい値が低下する。図13には、デジット線電流I(WDL)=Ipである場合のメモリセル抵抗Rcellのヒステリシス特性が実線で示される。デジット線電流I(WDL)によって生じる磁化困難軸方向の磁界の影響によって、ビット線電流I(BL)のプラス方向およびマイナス方向のしきい値は、それぞれIt1(It1<It0)および−It1(−It1>−It0)に変化する。このヒステリシス特性は、データ書込動作時におけるメモリセル抵抗Rcellの挙動を示している。したがって、データ書込動作時におけるビット線電流I(BL)、すなわちデータ書込電流+Iwおよび−Iwは、It1<+Iw<It0および−It0<−Iw<−It1の範囲に設定されている。
【0143】
一方、データ読出動作時におけるビット線電流I(BL)、すなわちデータ読出電流Isは、選択メモリセルや寄生容量等をRC負荷として接続されたデータ線DIOの充電電流として流れるので、データ書込時におけるビット線電流I(BL)、すなわちデータ書込電流±Iwと比較すると、2〜3桁小さいレベルとなるのが一般的である。したがって、図13中では、データ読出電流Is≒0とみなすことができる。
【0144】
データ読出前の状態においては、図13中における(a)または(c)の状態、すなわち選択メモリセルが電気抵抗RminまたはRmaxのいずれかを有するように、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層の磁化方向が設定されている。
【0145】
図14は、図13に示した各状態におけるトンネル磁気抵抗素子の磁化方向を説明する概念図である。
【0146】
図14(a)は、図13(a)における状態の磁化方向を示している。この状態においては、自由磁化層VLの磁化方向と、固定磁化層FLの磁化方向とは平行であるので、メモリセル抵抗Rcellは、最小値Rminに設定される。
【0147】
図14(c)は、図13(c)における状態の磁化方向を示している。この状態においては、自由磁化層VLの磁化方向と、固定磁化層FLの磁化方向とは反平行(逆方向)であるので、メモリセル抵抗Rcellは、最大値Rmaxに設定される。
【0148】
この状態から、ライトデジット線WDLに対して所定電流(たとえばデータ書込電流Ip)を流すと、自由磁化層VLの磁化方向は、反転される状態には至らないものの、ある程度回転されて、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗Rcellが変化する。
【0149】
たとえば、図14(b)に示されるように、図14(a)の磁化状態から、デジット線電流I(WDL)による磁化困難軸(HA)方向の所定バイアス磁界がさらに印加された場合には、自由磁化層VLの磁化方向は、いくらか回転して、固定磁化層FLの磁化方向と所定の角度を成すようになる。これにより、図14(b)に対応する磁化状態では、メモリセル抵抗Rcellは、最小値RminからRm0に上昇する。
【0150】
同様に、図14(c)の磁化状態から、同様の所定バイアス磁界がさらに印加された場合には、自由磁化層VLの磁化方向はいくらか回転して、固定磁化層FLの磁化方向と所定の角度を成すようになる。これにより、図14(d)に対応する磁化状態では、メモリセル抵抗Rcellは、最大値RmaxからRm1に下降する。
【0151】
このように、磁化困難軸(HA)方向のバイアス磁界を印加することによって、最大値Rmaxに対応するデータを記憶するMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellが低下する一方で、最小値Rminに対応するデータを記憶するMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellは上昇する。
【0152】
図15は、所定バイアス磁界を印加することによってMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellの抵抗値が変化する概念図である。
【0153】
図15を参照して、上記において説明したように所定バイアス磁界を印加することにより最大値Rmaxから抵抗値が変化する。具体的には磁化困難軸(HA)方向のバイアス磁界を印加することによって、最大値Rmaxに対応するデータを記憶するMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellは、最大値Rmaxの値からRm1に下降する。一方、最小値Rminに対応するデータを記憶するMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellは、上述したように最小値Rminの値からRm0に上昇する。
【0154】
このように、ある記憶データが書込まれたMTJメモリセルに対して、磁化困難軸方向のバイアス磁界を印加すれば、記憶データに応じた極性の電気抵抗の変化をメモリセル抵抗Rcellに生じさせることができる。すなわち、バイアス磁界の印加に応答して生じるメモリセル抵抗Rcellの変化は、記憶データレベルに応じて、異なる極性を有する。本実施の形態2においては、このようなMTJメモリセルの磁化特性を利用して、データ読出を実行する。
【0155】
図16は、本発明の実施の形態2に従うデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の構成図である。
【0156】
図16を参照して、本発明の実施の形態2に従う回路群は、図2のメモリアレイ10の代わりにメモリアレイ10aに置換した点が異なる。図示しないがメモリアレイ10aにおいては、図11で示したメモリセルMCaが行列状に配置されている。図16においては、一例として1つのメモリセルMCaが示されている。
【0157】
メモリアレイ10aにおいて、メモリセル行に対応してソース線SLおよびライトデジット線WDLが配置される。また、メモリセル列に対応してビット線BLが配置される。MTJメモリセルMCaの各々は、対応するビット線BLおよびソース線SLの間に直列接続されるトンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセスダイオードDYを含む。
【0158】
次に、メモリアレイ10における行選択を実行するための行選択回路20aおよび21aの回路構成について説明する。
【0159】
行選択回路20aは、ライトデジット線WDLと固定電圧Vssとを電気的に結合する。
【0160】
行選択回路21aは、ロウアドレスRAおよびデータ書込を指示するための制御信号WEおよびデータ読出を指示するための制御信号REに応答して行選択を実行する選択制御回路22と、各行毎に配置されるソース線ドライバWDrおよびライトデジット線ドライバDDrとを含む。
【0161】
選択制御回路は、データ書込時に選択線WRSLを活性化(「L」レベル)する。また、データ読出時に選択線DRSLを活性化(「L」レベル)する。
【0162】
ソース線ドライバWDrは、トランジスタ43および44を含む。トランジスタ43および44は、電源電圧Vccとソース線SLとの間に直列に接続され、それぞれのゲートは選択線WRSLの選択信号および基準信号Vref1の入力を受ける。この基準信号Vref1によりソース線SLがフル振幅しないように調整される。なお、一例として、トランジスタ43は、PチャンネルMOSトランジスタとする。また、トランジスタ44は、NチャンネルMOSトランジスタとする。
【0163】
ライトデジット線ドライバDDrは、トランジスタ42を含む。トランジスタ42は、電源電圧Vccとライトデジット線WDLとの間に配置され、そのゲートは選択線DRSLの選択信号の入力を受ける。
【0164】
列デコーダ25は、コラムアドレスCAおよび制御信号WEに応答して選択的に列選択線CSLWを活性化(「H」レベル)させる。また、コラムアドレスCAおよび制御信号REに応答して選択的に列選択線CSLRを活性化(「H」レベル)させる。
【0165】
次に、読出/書込制御回路30aおよび35aの構成について説明する。
読出/書込制御回路35aは、メモリセル列毎に設けられビット線BLの一端側の接続を制御する列選択ゲートCSGWaと、ライトドライバ40とを含む。列選択ゲートCSGWaは、列選択線CSLWの活性化に応答してライトドライバ40とビット線BLとを電気的に結合する。ライトドライバ40は、入力データDINの反転信号である入力データ/DINに応じて、対応するビット線の一端側を図示しない電源電圧Vcc1および固定電圧Vssのいずれかで駆動する。
【0166】
また、読出/書込制御回路30aは、列選択ゲートCSGWbと、ライトドライバ41とを含む。列選択ゲートCSGWbは、列選択線CSLWの活性化に応答してライトドライバ41とビット線BLとを電気的に結合する。ライトドライバ41は、入力データDINに応じて、対応するビット線の多端側を図示しない電源電圧Vcc1および固定電圧Vssのいずれかで駆動する。
【0167】
また、読出/書込制御回路30aは、データ読出に用いられるための列選択ゲートCSGRと、センスアンプSAと、増幅器70とを含む。
【0168】
列選択ゲートCSGRは、メモリセル列毎に設けられ列選択線CSLRの活性化に応答してビット線BLとノードNN0とを電気的に結合する。
【0169】
センスアンプSAは、ビット線BLを通過するデータ読出電流の電流変動を電圧変動に変換してノードSAOから出力する。
【0170】
センスアンプSAは、トランジスタ60〜63を含む。トランジスタ60および61は、出力ノードSAOと電源電圧Vccとの間に互いに直列に電気的に結合され、それぞれのゲートはデータ読出時に活性化されるセンスアンプイネーブル信号SAEの反転信号であるセンスアンプイネーブル信号/SAEおよび基準信号VrefPの入力を受ける。基準信号VrefPの電圧レベルに応答してセンスアンプSAの出力ノードSAOに生成される電圧レベルを調整することができる。また、トランジスタ62は、ノードSAOと固定電圧Vssとの間に配置され、そのゲートはノードNN0と接続される。また、トランジスタ63は、ノードNN0と固定電圧Vssとの間に配置され、そのゲートは基準信号Vref2の入力を受ける。この基準信号Vref2に応答してトランジスタ63を通過する電流量が調整され、センスアンプSAの応答速度を調整することができる。
【0171】
なお、一例としてトランジスタ60および61は、PチャンネルMOSトランジスタとする。また、トランジスタ62および63は、NチャンネルMOSトランジスタとする。
【0172】
増幅器70は、センスアンプSAで生成されたデータを増幅して読出データDOUTとして出力する。増幅器70は、プリチャージ回路PRCとクロスラッチ回路CRLと、キャパシタ65および66とを含む。
【0173】
クロスラッチ回路CRLは、トランジスタ71〜76を含む。トランジスタ71は、電源電圧VccとノードNN1との間に配置され、そのゲートはデータ読出動作時に活性化される制御信号PAEの反転信号である制御信号/PAEの入力を受ける。また、トランジスタ72は、ノードNN1とノードNN2との間に配置される。また、トランジスタ74は、ノードNN2とノードNN4との間に配置される。トランジスタ72および74のゲートは、ノードNN3と電気的に結合される。トランジスタ73は、ノードNN1とノードNN3との間に配置される。また、トランジスタ75は、ノードNN3とノードNN4との間に配置される。トランジスタ73および75は、ノードNN2と電気的に結合される。トランジスタ76は、ノードNN4と固定電圧Vssとの間に配置され、そのゲートは制御信号PAEの入力を受ける。なお、一例としてトランジスタ71〜73は、PチャンネルMOSトランジスタとする。また、トランジスタ74〜76は、NチャンネルMOSトランジスタとする。
【0174】
キャパシタ66は、ノードNN3とノードSAOとの間に配置される。また、キャパシタ65は、ノードNN2と固定電圧Vssとの間に配置される。したがって、キャパシタ65は、ノードNN2の電圧状態を保持する。
【0175】
プリチャージ回路PRCは、互いに直列に接続された複数のトランジスタPRGを有し、各々制御信号PAEQに応答して、電源電圧VPA(=1/2Vcc)と接続してプリチャージするとともにノードNN2とノードNN3とをイコライズする。
【0176】
図17は、実施の形態2のデータ書込動作のタイミングチャート図である。
時刻t1において、選択制御回路22は、ロウアドレスRAおよび制御信号WEに応答して選択線DRSLを活性化(「L」レベル)させる。これに伴い、時刻t2においてトランジスタ42がオンし、ライトデジット線WDLにデータ書込電流I(WDL)が供給される。
【0177】
また、列デコーダ25は、コラムアドレスCAおよび制御信号WEに応答して列選択線CSLWを活性化(「H」レベル)させる。これに伴い列選択ゲートCSGWaおよびCSGWbがオンする。これに伴い、ライトドライバ40および41とビット線BLとが電気的に結合される。また、このときの入力データDINおよび/DINは、「H」レベルおよび「L」レベルであるため、時刻t2においてライトドライバ41は電源電圧Vcc1によりビット線BLを駆動する。一方、ライトドライバ40は、ビット線BLの多端側を固定電圧Vssと接続する。これにより、データ書込電流I(BL)が供給される。
【0178】
このデータ書込電流I(BL)およびI(WDL)により選択メモリセルの入力データDINに対応する記憶データを書き込むことができる。
【0179】
本実施の形態2のデータ読出動作について以下において説明する。
1回のデータ読出動作は、選択メモリセルへバイアス磁界が印加されない前半期間と、選択メモリセルへバイアス磁界が印加される後半期間とから構成される。当該後半期間において、選択列のライトデジット線ドライバDDrは、データ書込時と同様に動作して、対応するライトデジット線WDLを活性化する。すなわち、選択行のライトデジット線WDLへ供給される電流によってバイアス磁界が発生される。
【0180】
バイアス磁界の印加前、すなわち対応するライトデジット線WDLに電流が流されていない状態(I(WDL)=0)では、ノードNN0は、選択メモリセルの記憶データに応じた電圧へ落ち着く。
【0181】
次に、バイアス磁界の印加後、すなわち選択行に対応するライトデジット線WDLにバイアス電流を流した状態(I(WDL)=Ip)では、選択メモリセルに対して磁化困難軸方向に沿った所定のバイアス磁界が作用する。既に説明したように、このようなバイアス磁界を作用させることによって、選択メモリセルのメモリセル抵抗Rcellは、バイアス磁界印加前と比較して、記憶データレベルに応じた極性で変化する。これにより、ノードNN0の電圧は、バイアス磁界印加前よりも上昇あるいは下降する。
【0182】
具体的には、選択メモリセルに電気抵抗Rminに対応する記憶データ(たとえば“0”)が記憶されている場合には、バイアス磁界印加前よりもバイアス磁界印加後の方が、ノードNN0の電圧は高くなる。これは、デジット線電流I(WDL)によるバイアス磁界の作用によってメモリセル抵抗Rcellが大きくなるのに応じて、トンネル磁気抵抗素子TMRを流れる電流が減少するためである。これに対して、選択メモリセルに電気抵抗Rmaxに対応する記憶データ(たとえば“1”)が記憶されている場合には、バイアス磁界印加前よりもバイアス磁界印加後の方が、ノードNN0の電圧は低くなる。これは、デジット線電流I(WDL)によるバイアス磁界の作用によってメモリセル抵抗Rcellが小さくなるのに応じて、トンネル磁気抵抗素子TMRを流れる電流が増加するためである。
【0183】
図18は、実施の形態2のデータ読出動作のタイミングチャート図である。
データ読出動作前において、増幅器70のプリチャージ回路PRCは、制御信号PAEQに応答してノードNN2およびNN3をともに電圧VPAレベル(1/2Vcc)にプリチャージしている。したがって、ノードNN2およびノードNN3は同じ電圧レベルに設定されている。
【0184】
データ読出時である時刻t1において、選択制御回路22は、ロウアドレスRAおよび制御信号REの入力に応答して選択線WRSLを活性化(「L」レベル)させる。これに伴い、ソース線ドライバWDrが活性化され、ソース線SLを駆動する。また、同様の時刻に列デコーダ25は、コラムアドレスCAおよび制御信号REの入力に応答して列選択線CSLRを活性化(「H」レベル)させる。これに伴い、列選択ゲートCSGRがオンしノードNN0とビット線BLとが電気的に結合される。また、センスアンプイネーブル信号/SAEも活性化(「L」レベル)され、センスアンプが動作状態となる。
【0185】
これに伴い、ソース線SLから選択メモリセルを介してセンスアンプSAに電流経路が形成される。これに伴いセンスアンプSAにおいて、センスアンプSAの通過電流が変換されて所定の電圧レベルの電圧信号がノードSAOに生成される。このとき、制御信号PAEQは、「H」レベルであるためノードNN2とノードNN3は電源電圧VPAレベルに設定されている。したがって、ノードNN3から常に一定レベル(電源電圧VPA)の出力信号DOUTが出力されている。
【0186】
次に、時刻t2において、選択制御回路22は、選択線DRSLを活性化(「L」レベル)させる。これに伴い、ライトデジット線ドライバDDrは、活性化し、選択行のソース線SLは、活性化(「H」レベル)されたままの状態で、選択行のライトデジット線WDLに対して、データ書込電流Ipと同等のバイアス電流が徐々に流される。すなわち、選択メモリセルに対してバイアス磁界が徐々に印加される。これに応じて、選択列のビット線BLの電圧は、選択メモリセルの記憶データに応じた極性で変化する(上昇あるいは下降)。また、同様の時刻にプリチャージ回路PRCは、制御信号PAEQを「L」レベルに設定する。これに伴い、ノードNN2とノードNN3の電気的な結合が切離される。
【0187】
ここで、センスアンプSAの出力を受ける増幅器70について考える。
バイアス磁界印加により、センスアンプSAを通過する電流がメモリセル抵抗Rcellの変化により変動する。これに伴い、ノードSAOの電圧レベルが変動し、キャパシタ66によってノードNN3に伝達される。したがって、ノードNN2およびNN3の間には、選択メモリセルの記憶データに応じた極性の電圧差が発生する。
【0188】
この電圧差が十分に生じた時刻t3において、制御信号PAEを活性化(「H」レベル)させる。これに伴い、クロスラッチ回路CRLは、当該ノードNN2およびノードNN3に生じた電圧差を増幅し、ノードNN3から読出データDOUTを出力する。
【0189】
なお、ライトデジット線WDLを流れるバイアス電流(データ書込電流Ip)によって選択メモリセルに印加されたバイアス磁界によっては、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向は反転されない。したがって、時刻t4のデータ読出終了時であるバイアス磁界を消滅させた時点において、選択メモリセルの磁化方向は、データ読出動作前と同一の状態に復帰する。
【0190】
このように、本発明の実施の形態2に従うデータ読出動作は、非破壊読出であるので、従来のセルフリファレンス読出のようなデータ再書込動作は不要である。
【0191】
さらに、本実施の形態2に従うデータ読出動作は、1回のデータ読出動作内において、強制的なデータ書込およびデータ読出、ならびに、選択メモリセルの記憶データ破壊に伴う再書込が不要であることから、セルフリファレンス読出を高速に実行することができる。
【0192】
さらに、本実施の形態2に従うメモリセルMCaを用いることによりデータ書込時に用いられるライトデジット線WDLを流れる電流をバイアス磁界を発生させるためのバイアス電流として用いることにより、データ読出時にバイアス電流を供給するための回路を新たに配置することなく回路構成を簡略化することができる。
【0193】
なお、上記の実施の形態2で説明したデータ書込動作およびデータ読出動作については、図7および図8で示したメモリセルMC#に対しても同様に適用可能である。
【0194】
(実施の形態2の変形例)
図19は、本発明の実施の形態2の変形例に従うデータ読出動作および書込動作を実行する回路群の構成図である。
【0195】
図19を参照して、本発明の実施の形態2の当該回路群は、実施の形態2の当該回路群と比較して、読出/書込制御回路30aを読出/書込制御回路30#aに置換した点が異なる。
【0196】
読出/書込制御回路30#aは、読出/書込制御回路30aと比較して、増幅器70を増幅器70#に置換した点が異なる。その他の点は図16の読出/書込制御回路と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0197】
増幅器70#は、入力信号の変化の度合いを増幅する微分回路DIFと、プリチャージ回路PRCと、キャパシタ65,66とを含む。
【0198】
微分回路DIFは、オペアンプ50と、抵抗51と、トランジスタ52とを含む。オペアンプ50は、制御信号PAEに応答して活性化し、ノードNN6およびNN7からの入力信号に応じてノードNN5に出力信号を生成する。抵抗51は、ノードNN5とノードNN7との間に設けられる。PチャンネルMOSトランジスタ52は、電源電圧VccとノードNN5との間に配置され、制御信号PAEの入力を受ける。したがって、制御信号PAEが「L」レベルである場合には、電源電圧VccとノードNN5とが電気的に結合されているためノードNN5から常に一定レベルのデータ信号DOUTが出力される。キャパシタ65は、ノードNN7と固定電圧Vssとの間に配置される。これに伴い、キャパシタ65は、ノードNN7の電圧状態を保持する。また、キャパシタ66は、ノードSAOとノードNN6との間に配置される。
【0199】
プリチャージ回路PRCは、互いに直列に接続された複数のトランジスタPRGを有し、各々制御信号PAEQに応答して、電源電圧VPA(=1/2Vcc)と接続してプリチャージするとともにノードNN6とノードNN7とをイコライズする。
【0200】
図20は、実施の形態2の変形例のデータ読出動作のタイミングチャート図である。
【0201】
データ読出動作が開始された時刻t1から時刻t2までの期間については、本実施の形態2のデータ読出動作と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0202】
時刻t2において、選択制御回路22は、選択線DRSLを活性化(「L」レベル)させる。これに伴い、ライトデジット線ドライバDDrは、活性化し、選択行のソース線SLは、活性化(「H」レベル)されたままの状態で、選択行のライトデジット線WDLに対して、データ書込電流Ipと同等のバイアス電流が徐々に流される。すなわち、選択メモリセルに対してバイアス磁界が徐々に印加される。これに応じて、選択列のビット線BLの電圧は、選択メモリセルの記憶データに応じた極性で変化する(上昇あるいは下降)。また、同様の時刻に制御信号PAEQは、「L」レベルとなりプリチャージ回路PRCは、非活性化される。これに伴い、ノードNN2とノードNN3の電気的な結合が切離される。また、同様の時刻に制御信号PAEが活性化(「H」レベル)され、プリアンプが動作状態となる。
【0203】
ここで、センスアンプSAの出力を受ける増幅器70#について考える。
バイアス磁界印加により、センスアンプSAを通過する電流がメモリセル抵抗Rcellの変化により変動する。これに伴い、ノードSAOの電圧レベルが変動し、キャパシタ66によってノードNN6に伝達される。ノードNN6およびNN7の間には、選択メモリセルの記憶データに応じた極性の電圧差が発生する。これをオペアンプ50は増幅し、ノードNN5に読出データとして出力する。
【0204】
上記の実施の形態2のデータ読出動作においては、クロスラッチ回路CRLのノードNN2およびノードNN3にある程度の電圧差が発生した時点において、クロスラッチ回路CRLを活性化していたが、本実施の形態2の変形例においては、ノードNN6とノードNN7の電圧差が生じる前に微分回路DIFを活性化して、読出データを増幅する。
【0205】
すなわち、本実施の形態2の変形例においては、微分回路DIFを用いることにより、ノードNN6の電圧変動の度合いを増幅することができるためセンス感度がよく、オペアンプ50の活性化タイミングを早くすることができる。これにより、データ読出期間を短縮することができる。
【0206】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0207】
【発明の効果】
請求項1〜4記載の薄膜磁性体記憶装置は、データ書込磁界印加前の選択メモリセルのデータ線の電圧と、所定のデータ書込磁界印加後の選択メモリセルのデータ線の電圧との差に応じて読出データを生成する。このときの印加前のデータ読出、データ書込磁界の印加、印加後のデータ読出は連続的に実行される。これに伴い、すなわち、リファレンスセルを用いないセルフリファレンスセル方式によってデータ読出を実行する際に、連続的に読出、書込を実行するいわゆるリードモディファイライドを用いるため高速なデータ読出動作を実行できる。
【0208】
請求項5記載の薄膜磁性体記憶装置は、1回のデータ読出動作内において、ワード線の活性化を維持する。これに伴い、ワード線の充放電電流を削減することができる。
【0209】
請求項6記載の薄膜磁性体記憶装置は、1回のデータ読出動作内において、読出データを選択メモリセルに再書込するので、選択メモリセルの状態をデータ読出動作の状態に復帰させることができる。
【0210】
請求項7記載の薄膜磁性体記憶装置は、記憶データが読出データと同一のレベルである場合には、再書込動作を中止する。これに伴い、不要な再書込み動作を省略してデータ読出動作時の消費電流を削減することができる。
【0211】
請求項8記載の薄膜磁性体記憶装置は、アクセス素子のない磁気抵抗素子のみのメモリセルによりいわゆるセルフリファレンス読出動作を実行する。これによりメモリセルの構造が簡易であるためにメモリアレイ面積を縮小することが可能となる。
【0212】
請求項9,11および12記載の薄膜磁性体記憶装置は、アクセス素子のない磁気抵抗素子のみのメモリセル構成において、磁化困難軸に沿ったバイアス磁界の印加によって、選択メモリセルの電気抵抗を記憶データに応じた極性で変化することを利用して強制的なデータ書込およびデータ読出、および、選択メモリセルへの記憶データの再書込みを伴うことなく、選択メモリセルに対するアクセスのみを行なうセルフリファレンス方式のデータ読出を実行することができる。これにより、高速なデータ読出が可能となる。
【0213】
請求項10記載の薄膜磁性体記憶装置は、メモリセルの構成がダイオード素子を有する構成において、デジット線をさらに設けていわゆるセルフリファレンス方式のデータ読出を実行することができる。これにより、ダイオード素子を有するメモリセルのデータ書込時の動作安定性を確保しつつ、高速なデータ読出が可能となる。
【0214】
請求項13記載の薄膜磁性体記憶装置は、データ読出回路内の増幅器において、微分回路を用いることにより内部ノードの電圧変化を高速に増幅することができる。これに伴いデータ読出動作を高速に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】メモリアレイ10に対してデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の実施の形態1に従う構成を示す回路図である。
【図3】データ読出回路の主要部分の構成を示す回路図である。
【図4】実施の形態1に従うメモリアレイに対する1回のデータ読出動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に従うデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例に従うメモリアレイに対してデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の構成を示す回路図である。
【図7】アクセストランジスタATRを取り除いた1TMR型のMTJメモリセルMC#を示す回路図である。
【図8】MTJメモリセルMC#の構造図である。
【図9】データ読出時において選択セルを流れるデータ読出電流Isの概念図である。
【図10】本発明の実施の形態1の変形例に従う1回のデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【図11】本発明の実施の形態2に用いるメモリセルMCaの回路図である。
【図12】MTJメモリセルMCaの構造図である。
【図13】MTJメモリセルに対して磁界を印加するための電流および、MTJメモリセルの電気抵抗の関係を示す概念図である。
【図14】トンネル磁気抵抗素子の磁化方向を説明する概念図である。
【図15】所定バイアス磁界を印加することによってMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellの抵抗値が変化する概念図である。
【図16】本発明の実施の形態2に従うデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の構成図である。
【図17】実施の形態2のデータ書込動作のタイミングチャート図である。
【図18】実施の形態2のデータ読出動作のタイミングチャート図である。
【図19】本発明の実施の形態2の変形例に従うデータ読出動作および書込動作を実行する回路群の構成図である。
【図20】実施の形態2の変形例のデータ読出動作のタイミングチャート図である。
【図21】トンネル接合部を有するメモリセルの構成を示す概略図である。
【図22】MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【図23】データ書込におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【図24】MTJメモリセルからのデータ読出を説明する概念図である。
【図25】アクセストランジスタATRを用いたMTJメモリセルの構造図である。
【図26】ダイオード素子をアクセス素子として用いたMTJメモリセルの構成を示す概略図である。
【図27】アクセスダイオードDYを用いたMTJメモリセルの構造図である。
【符号の説明】
1 MRAMデバイス、5 コントロール回路、10 メモリアレイ、20,21 行選択回路、25 列デコーダ、30,35 読出/書込制御回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜磁性体記憶装置に関し、より特定的には、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有するメモリセルを備えたランダムアクセスメモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
低消費電力で不揮発的なデータの記憶が可能な記憶装置として、MRAM(Magnetic Random Access Memory)デバイスが注目されている。MRAMデバイスは、半導体集積回路に形成された複数の薄膜磁性体を用いて不揮発的なデータ記憶を行ない、薄膜磁性体の各々に対してランダムアクセスが可能な記憶装置である。
【0003】
特に、近年では磁気トンネル接合を利用した薄膜磁性体をメモリセルとして用いることによって、MRAMデバイスの性能が飛躍的に進歩することが発表されている。(非特許文献1参照)
図21は、トンネル接合部を有するメモリセル(以下、単に「MTJメモリセル」とも称する)の構成を示す概略図である。
【0004】
図21を参照して、MTJメモリセルは、磁気的に書込まれた記憶データのデータレベルに応じて電気抵抗が変化するトンネル磁気抵抗素子TMRと、アクセストランジスタATRとを含む。アクセストランジスタATRは、ビット線BLおよびソース線SLの間に、トンネル磁気抵抗素子TMRと直列に接続される。代表的には、アクセストランジスタATRとして、半導体基板上に形成された電界効果型トランジスタが適用される。
【0005】
MTJメモリセルに対しては、データ書込時に異なった方向のデータ書込電流をそれぞれ流すためのビット線BLおよびライトデジット線WDLと、データ読出を指示するためのワード線WLとが設けられる。データ読出時においては、アクセストランジスタATRのターンオンに応答して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定電圧Vssに設定されたビット線BLと、ソース線SLとの間に電気的に結合される。
【0006】
図22は、MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【0007】
図22を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定された一定の磁化方向を有する強磁性体層(以下、単に「固定磁化層」とも称する)FLと、外部かの印加磁界に応じた方向に磁化される強磁性体層(以下、単に「自由磁化層」とも称する)VLとを有する。固定磁化層FLおよび自由磁化層VLの間には、絶縁体膜で形成されるトンネルバリア(トンネル膜)TBが設けられる。自由磁化層VLは、書込まれる記憶データのレベルに応じて、固定磁化層FLと同一方向または固定磁化層FLと反対(反平行)方向に磁化される。これらの固定磁化層FL、トンネルバリアTBおよび自由磁化層VLによって、磁気トンネル接合が形成される。
【0008】
トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLおよび自由磁化層VLのそれぞれの磁化方向の相対関係に応じて変化する。具体的には、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗は、固定磁化層FLの磁化方向と自由磁化層VLの磁化方向とが平行である場合に最小値Rminとなり、両者の磁化方向が反対(反平行)方向である場合に最大値Rmaxとなる。
【0009】
データ書込時においては、ワード線WLが非活性化されて、アクセストランジスタATRはターンオフされる。この状態で、自由磁化層VLを磁化するためのデータ書込電流(±Iw)は、ビット線BLおよびライトデジット線WDLのそれぞれにおいて、書込データのレベルに応じた方向に流される。
【0010】
図23は、データ書込におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【0011】
図23を参照して、横軸H(EA)は、トンネル磁気抵抗素子TMR内の自由磁化層VLにおいて磁化容易軸(EA:Easy Axis)方向に印加される磁界を示す。一方、縦軸H(HA)は、自由磁化層VLにおいて磁化困難軸(HA:HardAxis)方向に作用する磁界を示す。磁界H(EA)およびH(HA)は、ビット線BLおよびライトデジット線WDLをそれぞれ流れる電流によって生じる2つの磁界の一方ずつにそれぞれ対応する。
【0012】
MTJメモリセルにおいては、固定磁化層FLの固定された磁化方向は、自由磁化層VLの磁化容易軸に沿っており、自由磁化層VLは、記憶データのレベル(“1”および“0”)に応じて、磁化容易軸方向に沿って、固定磁化層FLと平行あるいは反平行(反対)方向に磁化される。MTJメモリセルは、自由磁化層VLの2通りの磁化方向と対応させて、1ビットのデータ(“1”および“0”)を記憶することができる。
【0013】
自由磁化層VLの磁化方向は、印加される磁界H(EA)およびH(HA)の和が、図中に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ新たに書換えることができる。すなわち、印加されたデータ書込磁界がアステロイド特性線の内側の領域に相当する強度である場合には、自由磁化層VLの磁化方向は変化しない。
【0014】
アステロイド特性線に示されるように、自由磁化層VLに対して磁化困難軸方向の磁界を印加することによって、磁化容易軸に沿った磁化方向を変化させるのに必要な磁化しきい値を下げることができる。
【0015】
図23に示した例のようにデータ書込時の動作点を設計した場合には、データ書込対象であるMTJメモリセルにおいて、磁化容易軸方向のデータ書込磁界は、その強度がHWRとなるように設計される。すなわち、このデータ書込磁界HWRが得られるように、ビット線BLまたはライトデジット線WDLを流されるデータ書込電流の値が設計される。一般的に、データ書込磁界HWRは、磁化方向の切換えに必要なスイッチング磁界HSWと、マージン分ΔHとの和で示される。すなわち、HWR=HSW+ΔHで示される。
【0016】
MTJメモリセルの記憶データ、すなわちトンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向を書換えるためには、ライトデジット線WDLとビット線BLとの両方に所定レベル以上のデータ書込電流を流す必要がある。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層VLは、磁化容易軸(EA)に沿ったデータ書込磁界の向きに応じて、固定磁化層FLと平行もしくは、反対(反平行)方向に磁化される。トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦書込まれた磁化方向、すなわちMTJメモリセルの記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。
【0017】
図24は、MTJメモリセルからのデータ読出を説明する概念図である。
図24を参照して、データ読出時においては、アクセストランジスタATRは、ワード線WLの活性化に応答してターンオンする。また、ビット線BLは、固定電圧Vssに設定される。これにより、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定電圧Vssでプルダウンされた状態でビット線BLと電気的に結合される。
【0018】
この状態で、ビット線BLを所定電圧でプルアップすれば、ビット線BLおよびトンネル磁気抵抗素子TMRを含む電流経路を、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗に応じた、すなわちMTJメモリセルの記憶データのレベルに応じたメモリセル電流Icellが通過する。たとえば、このメモリセル電流Icellを所定の基準電流と比較することにより、MTJメモリセルから記憶データを読出すことができる。
【0019】
このようにトンネル磁気抵抗素子TMRは、印加されるデータ書込磁界によって書換可能な磁化方向に応じてその電気抵抗が変化するので、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗Rmax/Rminと、記憶データのレベル(“1”/ “0”)とをそれぞれ対応付けることによって、不揮発的なデータ記憶を実行することができる。
【0020】
図25は、上記のアクセストランジスタATRを用いたMTJメモリセルの構造図である。
【0021】
図25を参照して、半導体主基板SUB上に形成されたアクセストランジスタATRは、n型領域であるソース/ドレイン領域310および320と、ゲート領域とを有する。アクセストランジスタATRのゲートとなるワード線WLはp型のゲート領域の上層に形成される。ライトデジット線WDLはソース/ドレイン領域310の上層側に配置される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、ライトデジット線WDLの上層側に配置される。トンネル磁気抵抗素子TMRは、コンタクトホールに形成される金属膜を介してアクセストランジスタATRのソース/ドレイン領域320と電気的に結合される。ビット線BLは、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合されてトンネル磁気抵抗素子TMRの上層側に設けられている。
【0022】
また、データ記憶に用いられるMTJメモリセルとして、このアクセストランジスタATRの代わりにダイオード素子をアクセス素子としたメモリセルも挙げることができる。
【0023】
図26は、ダイオード素子をアクセス素子として用いたMTJメモリセルの構成を示す概略図である。
【0024】
図26を参照して、ダイオードをアクセス素子として用いたメモリセルはトンネル磁気抵抗素子TMRとアクセスダイオードDYとを備える。アクセスダイオードDYは、トンネル磁気抵抗素子TMRからソース線SLに向かう方向を順方向として両者の間に結合される。ビット線BLは、ソース線SLと交差する方向に設けられ、トンネル磁気抵抗素子TMRと結合される。メモリセルに対するデータ書込は、ソース線SLおよびビット線BLにデータ書込電流を流すことによって行なわれる。データ書込電流の方向はアクセストランジスタを用いたメモリセルの場合と同様に書込データのデータレベルに応じて設定される。
【0025】
一方、データ読出時においては、選択されたメモリセルに対応するソース線SLは、低電圧(たとえば接地電圧GND)状態に設定される。このとき、ビット線BLを高電圧(たとえば電源電圧Vcc)状態にプリチャージしておくことによって、アクセスダイオードDYが順バイアスされて導通し、メモリセル電流Icellがトンネル磁気抵抗素子TMRを通過する。このようにしてアクセスダイオードを用いたMTJメモリセルにおいてもデータ読出およびデータ書込を実行することができる。
【0026】
図27は、上記のアクセスダイオードDYを用いたMTJメモリセルの構造図である。
【0027】
図27を参照して、アクセスダイオードDYはソース線SLの上層に形成される。また、トンネル磁気抵抗素子TMRは、アクセスダイオードDYの上層に形成され、ビット線BLと電気的に結合される。なお、アクセスダイオードDYは、トンネル磁気抵抗素子TMRからソース線SLを順方向としてp型領域およびn型領域が形成される。これに伴い、このアクセスダイオードDYを用いたMTJメモリセルは、上記のアクセストランジスタATRを用いたMTJメモリセルよりもレイアウト面積が小さいという利点がある。
【0028】
このように、MRAMデバイスでは、種々のMTJメモリセルを用いてデータ記憶を実行することができる。
【0029】
一方、一般的にはデータ記憶を実行するためのMTJメモリセルとは別に、メモリセル電流Icellと比較される基準電流を生成するためのリファレンスセルが設けられる。リファレンスセルによって生成される基準電流は、MTJメモリセルの2種類の電気抵抗RmaxおよびRminにそれぞれ対応する2種類のメモリセル電流Icellの中間値となるように設計する必要がある。基本的には、これらのリファレンスセルについても、MTJメモリセルと同様のトンネル磁気抵抗素子TMRを含むように設計される。
【0030】
トンネル磁気抵抗素子TMRの通過電流は、トンネル膜として用いられる絶縁膜の膜厚に大きな影響を受ける。このため、MTJメモリセルおよびリファレンスセルの間でトンネル膜厚実績に差異が生じれば、基準電流が所望のレベルに設定されなくなってしまう。また、トンネル膜厚は、薄く設計されるため低い電圧レベルたとえば0.5V程度の電圧以下しか膜圧に対して印可することができない。しかし、上記のアクセスダイオードDYを用いたリファレンスセルは、当該0.5Vではビルトポンテシャル電圧領域で動作するため、少しの電圧のばらつきに応答して通過電流が大きく変動する可能性がある。このような理由から、リファレンスセルを用いて生成される基準電流のレベルを正確に設定することは困難であり、基準電流のばらつきによってデータ読出精度が低下するおそれがある。
【0031】
特に、一般的なMTJメモリセルにおいては、記憶データレベルに応じて生じる抵抗差ΔRはそれほど大きくはならない。代表的には、電気抵抗Rminは、Rmaxの数十%程度に留まっている。このため、記憶データレベルに応じたメモリセル電流Icellの変化もそれほど大きくなく、マイクロアンペア(μA:10−6A)オーダに留まる。したがって、MTJメモリセルおよびリファレンスにおける、トンネル膜厚製造工程を高精度化する必要がある。
【0032】
しかし、製造プロセスにおけるトンネル膜厚精度を厳格化すれば、製造歩留の低下等による製造コストの上昇が懸念される。このような背景から、MRAMデバイスにおいて、MTJメモリセルでの上述した抵抗差ΔRに基いたデータ読出を、製造工程の厳格化を招くことなく、高精度に実行するための構成が求められる。
【0033】
このような問題点を解決するために、リファレンスセルを用いることなく選択メモリセルに対するアクセスのみでデータ読出を実行する、いわゆる「セルフリファレンス方式」のデータ読出を実行するMRAMデバイスの構成が、米国特許第6,317,376B1号に開示されている。
【0034】
当該米国特許に開示された従来のセルフリファレンス読出では、1回のデータ読出動作は、連続的に実行される、(1)選択メモリセルからの記憶データ読出、(2)当該選択メモリセルへの“0”データの強制書込後のデータ読出、(3)当該選択メモリセルへの“1”データの強制書込後のデータ読出、(4)上記(1)〜(3)の読出結果に基づいた読出データ生成、および(5)当該選択メモリセルへの読出データ再書込(リストア)によって構成されている。このようなデータ読出動作によれば、選択メモリセルに対するアクセスのみでデータ読出を実行することができるため、リファレンスセルの製造ばらつきに左右されず高精度のデータ読出を実行できる。
【0035】
【特許文献1】
米国特許第6,317,376B1号公報
【0036】
【非特許文献1】
ロイ・ショイアーライン(Roy Scheuerline)他6名、“各セルにFETスイッチおよび磁気トンネル接合を用いた、10ns読出・書込の不揮発メモリアレイ(A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell)”,(米国),2000年米国電気電子学会国際固体回路会議・技術論文集TA7.2(2000 IEEE ISSCC Digest of Technical Papers, TA7.2),p.128−129。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のセルフリファレンス読出では、1回のデータ読出動作において強制的なデータ書込およびデータ読出を繰返して実行する必要があるためデータ読出開始から読出完了まで長期間を要し、データ読出動作の高速化が妨げられるという問題点があった。この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであってこの発明の目的は、セルフリファレンス方式に基づいた高速および高精度のデータ読出を実行する薄膜磁性体記憶装置の構成を提供することである。
【0038】
また、この発明の別の目的は、種々のMTJメモリセルを用いたセルフリファレンス方式に基づくデータ読出を実行する薄膜磁性体記憶装置の構成を提供することである。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明のある局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、データ線と、電流供給回路と、データ書込回路と、データ読出回路とを含む。複数のメモリセルは、各々が、磁化方向に応じた電気抵抗を有する。データ線は、データ読出時に、複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルを介して固定電圧と電気的に結合される。電流供給回路は、少なくともデータ読出時にデータ線を所定電圧と結合して選択メモリセルにデータ読出電流を供給する。データ書込回路は、選択メモリセルに対してデータ書込磁界を印可する。データ読出回路は、1回のデータ読出動作内において少なくとも1回実行されるデータ書込磁界の印加前後での選択メモリセルの記憶データに応じた読出データを生成する。データ読出回路は、電圧保持部と、電圧比較部とを含む。電圧保持部は、データ書込磁界の印加前の選択メモリセルのデータ読出によって与えられるデータ線の電圧を内部ノードに保持する。電圧比較部は、所定のデータ書込磁界の印加後の選択メモリセルのデータ読出によって与えられるデータ線の電圧と、内部ノードとの電圧との比較に応じて読出データを生成する。また、データ書込磁界の印加前のデータ読出、データ書込磁界の印加およびデータ書込磁界の印加後のデータ読出は連続的に実行される。
【0040】
本発明の別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、複数のソース線と、複数のビット線と、電圧供給回路と、データ書込回路と、データ読出回路とを含む。複数のメモリセルは、各々が、磁化方向に応じた電気抵抗を有する磁気抵抗素子を有する行列状に配置される。複数のソース線は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる。複数のビット線は、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる。各メモリセルは、アクセス素子を介さずに対応するソース線とビット線との間に配置される。データ線は、データ読出時に、複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルに対応するビット線と電気的に結合される。電圧供給回路は、データ読出時に選択メモリセルに対応するソース線を所定電圧と結合するとともに他のソース線を所定電圧と異なる固定電圧と結合する。データ書込回路は、選択メモリセルに対してデータ書込磁界を印可する。データ読出回路は、1回のデータ読出動作内において少なくとも1回実行されるデータ書込磁界の印加前後での選択メモリセルの記憶データに応じた読出データを生成する。また、データ読出回路は、電圧保持部と、電圧比較部とを含む。電圧保持部は、データ書込磁界の印加前の選択メモリセルのデータ読出によって与えられるデータ線の電圧を内部ノードに保持する。電圧比較部は、所定のデータ書込磁界の印加後の選択メモリセルのデータ読出によって与えられるデータ線の電圧と、内部ノードとの電圧との比較に応じて読出データを生成する。
【0041】
本発明のさらに別の局面に従う薄膜磁性体記憶装置は、複数のメモリセルと、複数のソース線と、複数のビット線と、データ線と、電圧供給回路と、バイアス磁界印加部と、データ読出回路とを含む。複数のメモリセルは、各々が、磁気的に書込まれた記憶データに応じた方向に磁化容易軸に沿って磁化されて、磁化方向に応じた電気抵抗を有する磁気抵抗素子を有する行列状に配置される。複数のソース線は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる。複数のビット線は、メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる。各メモリセルは、アクセス素子を介さずに対応するソース線とビット線との間に配置される。データ線は、データ読出時に、複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルに対応するビット線と電気的に結合される。電圧供給回路は、データ読出時に選択メモリセルに対応するソース線を所定電圧と結合するとともに他のソース線を所定電圧と異なる固定電圧と結合する。バイアス磁界印加部は、選択メモリセルに対して、磁化困難軸に沿ったバイアス磁界を印加する。データ読出回路は、データ読出時に、バイアス磁界の印加前後のそれぞれにおけるデータ線の電圧に基づいて、選択メモリセルの記憶データに応じた読出データを生成する。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付しその説明は繰返さない。
【0043】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【0044】
図1を参照して、実施の形態に従うMRAMデバイス1は、外部からの制御信号CMDおよびアドレス信号ADDに応答してランダムアクセスを行ない、入力データDINの書込および読出データDOUTの読出を実行する。
【0045】
MRAMデバイス1は、制御信号CMDに応答してMRAMデバイス1の全体動作を制御するコントロール回路5と、行列状に配置されたMTJメモリセルMCを含むメモリアレイ10とを備える。
【0046】
ここで、メモリアレイ10に行列状に配置された複数のトンネル磁気抵抗素子TMRの行および列を、メモリセル行およびメモリセル列ともそれぞれ称する。
【0047】
トンネル磁気抵抗素子TMRの構成およびデータ記憶原理は、図21〜図25で説明したのと同様であるので詳細な説明は繰り返さない。各トンネル磁気抵抗素子TMRは、「H」レベル(“1”)および「L」レベル(“0”)の一方を記憶データとして記憶し、記憶データのレベルに応じて電気抵抗が変化する。
【0048】
図1においては、代表的に示される1個のMTJメモリセルMCと、これに対応するワード線WL、ライトデジット線WDLおよびビット線BLの配置が示される。ワード線WLおよびライトデジット線WDLは、行方向に沿って配置される。ビット線BLおよびソース線SLは、列方向に沿って配置される。
【0049】
データ書込時には、選択メモリセルに対応するメモリセル行(以下、選択行とも称する)のライトデジット線WDLと、選択メモリセルに対応するメモリセル列(以下、選択列とも称する)のビット線BLとに対して、行方向および列方向のデータ書込電流がそれぞれ流される。また、データ読出時においては、選択メモリセルに対応するワード線WLが活性化されて、データ読出電流が選択メモリセルおよびビット線BLを通過する。
【0050】
メモリアレイ10における、MTJメモリセルおよび上述した信号線群の配置については後ほど詳細に説明する。なお、以下においては、信号、信号線およびデータ等の2値的な高電圧状態(電源電圧Vcc)および低電圧状態(固定電圧Vss/接地電圧GND)を、それぞれ「H」レベルおよび「L」レベルとも称する。
【0051】
MRAMデバイス1は、さらに、アドレス信号によって示されるロウアドレスRAをデコードして、メモリアレイ10における行選択を実行するための行選択回路20と、アドレス信号ADDによって示されるコラムアドレスCAをデコードして、メモリアレイ10における列選択を実行するための列デコーダ25と、読出/書込制御回路30および35とを備える。
【0052】
読出/書込制御回路30および35は、データ書込時においてビット線BLにデータ書込電流を流すための回路、データ読出時においてビット線BLにデータ読出電流を流すための回路、およびデータ読出時に読出データDOUTを生成するための回路等を総称したものである。また、各ライトデジット線WDLは、メモリアレイ10を挟んで行選択回路20と反対側の領域において、固定電圧Vssと結合される。
【0053】
図2は、メモリアレイ10に対してデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の実施の形態1に従う構成を示す回路図である。
【0054】
図2を参照して、メモリアレイ10には、MTJメモリセルMCが行列状に配置される。ここでは、メモリアレイ10において、2行4列の行列状に配置されたメモリセルMCが一例として示されている。既に説明したように、メモリセル行にそれぞれ対応してワード線WLおよびライトデジット線WDLが配置され、メモリセル列にそれぞれ対応して、ビット線BLおよびソース線SLが配置される。MTJメモリセルMCの各々は、図21で説明したのと同様の構成を有し、対応するビット線BLおよびソース線SLの間に直列に接続される、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタATRを含む。
【0055】
トンネル磁気抵抗素子TMRは、既に説明したように、磁化方向に応じた電気抵抗を有する。すなわち、データ読出前においては、各MTJメモリセルにおいて、トンネル磁気抵抗素子TMRは、「H」レベル(“1”)および「L」レベル(“0”)のいずれかのデータを記憶するために、所定の方向に沿って磁化されて、その電気抵抗はRmaxおよびRminのいずれかに設定される。
【0056】
各ソース線SLは、固定電圧Vss(代表的には、接地電圧GND)と結合される。これにより、各アクセストランジスタATRのソース電圧は、固定電圧Vssに固定される。この結果、対応するワード線WLが「H」レベルに活性化される選択行において、トンネル磁気抵抗素子TMRは、固定電圧Vss(接地電圧GND)にプルダウンされた状態で、ビット線BLと接続される。
【0057】
次に、メモリアレイ10における行選択を実行するための行選択回路20および21の回路構成について説明する。
【0058】
行選択回路20および21は、メモリセル行ごとに配置された、ワード線ドライバ80およびライトデジット線ドライバ85を有する。図示しないが、各ワード線ドライバ80は、電源電圧Vcc2および固定電圧Vssの供給を受け、各ライトデジット線ドライバ85は、電源電圧Vcc1および固定電圧Vssの供給を受ける。なお、電源電圧Vcc1は、電源電圧Vcc2よりも高い、すなわち、|(Vcc1−Vss)|>|(Vcc2−Vss)|である。
【0059】
各ワード線ドライバ80は、各ワード線WLの一端側に設けられ、メモリセル行のデコード結果を示すロウデコード信号Rd(1)〜Rd(4),…の対応する1つに基づいて、対応するワード線WLの活性化を制御する。具体的には、ワード線WLは、ワード線ドライバ80によって、活性化時には電源電圧Vcc2(「H」レベル)と接続され、非活性化時には固定電圧Vssと接続される。
【0060】
各ライトデジット線ドライバ85は、各ライトデジット線WDLの一端側に設けられ、メモリセル行のデコード結果を示すロウデコード信号Rd(1)〜Rd(4),…の対応する1つに基づいて、対応するライトデジット線WDLの活性化を制御する。また、各ライトデジット線ドライバ85は、後述するデータ読出動作内において、コントロール回路5によって生成される制御信号RWE(1)〜(4),…の対応する1つに基づいて、対応するライトデジット線WDLを所定タイミングにおいて活性化する。具体的には、ライトデジット線WDLは、ライトデジット線ドライバ85によって、活性化時には電源電圧Vcc1(「H」レベル)と接続され、非活性化時には固定電圧Vssと接続される。なお、以下においては、ロウデコード信号Rd(1)〜Rd(4),…を総称して、単にロウデコード信号Rdとも称する。また、制御信号RWE(1)〜(4),…を総称して、単に制御信号RWEとも称する。
【0061】
ロウデコード信号Rdは、図示しないデコード回路によって得られ、対応するメモリセル行が選択された場合に、「H」レベル(電源電圧Vcc2)に設定され、それ以外では、ロウデコード信号Rdは「L」レベル(固定電圧Vss)に設定される。少なくとも、1回のデータ書込動作内において、各メモリセル行のロウデコード信号Rdは、図示しないラッチ回路によって保持される。
【0062】
さらに、各メモリセル行に対応して、データ書込時を含むデータ読出時以外において、ワード線WLの他端側を固定電圧Vssと結合するためのトランジスタスイッチ90が配置される。トランジスタスイッチ90は、データ読出時に活性化(「H」レベル)される制御信号REの反転信号/REをゲートに受けて、ワード線WLと固定電圧Vssとの間に電気的に結合される。図2の構成例においては、トランジスタスイッチ90は、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタで構成される。なお、本明細書においては、MOSトランジスタは、電界効果型トランジスタの代表例として示されるものとする。なお、本明細書においては、「/」の記号は、反転、否定、相補等を示すものとする。以下においても同様である。
【0063】
また、ライトデジット線WDLの他端側は、固定電圧Vssと接続されている。したがって、データ書込時において、活性化されたライトデジット線WDLには、ライトデジット線ドライバ85から固定電圧Vssへ向かう方向にデータ書込電流Ipが流される。
【0064】
一方、データ読出時においては、トランジスタスイッチ90によって、各ワード線WLは固定電圧Vssから切離される。さらに、ワード線ドライバ80は、対応するメモリセル行のロウデコード信号Rdに応じて、対応するワード線WLを活性化する。これに応答して、選択行に対応するアクセストランジスタATRがターンオンして、ビット線BLおよびソース線SLの間に、磁気トンネル接合部MTJが電気的に結合される。このようにして、メモリアレイ10における行選択動作が実行される。
【0065】
同様の構成は、各メモリセル行のワード線WLおよびライトデジット線WDLに対応して同様に設けられる。なお、図2に示されるように、ワード線ドライバ80およびライトデジット線ドライバ85は、各メモリセル行ごとに、千鳥状に配置される。すなわち、ワード線ドライバ80およびライトデジット線ドライバ85は、ワード線WLおよびライトデジット線WDLの一端側、およびワード線WLおよびライトデジット線WDLの他端側に、1行ごとに交互配置される。これにより、行選択回路20,21を小面積で効率的に配置できる。
【0066】
読出/書込制御回路30は、さらに、ライトドライバ制御回路180を含む。ライトドライバ制御回路180は、コントロール回路5からの動作指示に応答して動作する。ライトドライバ制御回路180は、動作時に、データ入力端子4bおよび入力バッファ195を介して伝達された入力データDIN、および列デコーダ25からの列選択結果に応じて、メモリセル列ごとに書込制御信号WDTa,WDTbを設定する。さらに、ライトドライバ制御回路180は、1回のデータ読出動作期間内において、後述するデータ読出回路からの読出データRDTを受けて書込制御信号WDTa,WDTbを設定する。
【0067】
読出/書込制御回路30は、さらに、メモリセル列ごとに配置されたライトドライバWDVbを含む。同様に、読出/書込制御回路35は、メモリセル列ごとに設けられたライトドライバWDVaを含む。各メモリセル列において、ライトドライバWDVaは、対応する書込制御信号WDTaに応じて、対応するビット線BLの一端側を、電源電圧Vcc1および固定電圧Vssのいずれかで駆動する。同様に、ライトドライバWDVbは、対応する書込制御信号WDTbに応じて、対応するビット線BLの他端側を、電源電圧Vcc1および固定電圧Vssのいずれかで駆動する。
【0068】
データ書込時において、選択列に対応する書込制御信号WDTaおよびWDTbは、書込データのレベルに応じて、「H」レベルおよび「L」レベルの一方ずつに設定される。たとえば、「H」レベル(“1”)のデータを書込む場合には、ライトドライバWDVaからWDVbへ向かう方向にデータ書込電流+Iwを流すために、書込制御信号WDTaが「H」レベルに設定され、WDTbが「L」レベルに設定される。反対に、「L」レベル(“0”)のデータを書込む場合には、ライトドライバWDVbからWDVaへ向かう方向にデータ書込電流−Iwを流すために、書込制御信号WDTbが「H」レベルに設定され、WDTaは「L」レベルに設定される。以下においては、異なる方向のデータ書込電流+Iwおよび−Iwを総称して、データ書込電流±Iwとも表記する。
【0069】
非選択列においては、書込制御信号WDTaおよびWDTbの各々は、「L」レベルに設定される。
【0070】
したがって、対応するライトデジット線WDLおよびビット線BLの両方にデータ書込電流Ipおよび±Iwがそれぞれ流されるトンネル磁気抵抗素子TMRにおいて、データ書込電流±Iwの方向に応じた書込データが磁気的に書込まれる。同様の構成は、各メモリセル列のビット線BLに対応して同様に設けられる。
【0071】
次に、メモリアレイ10からのデータ読出動作を実行する回路群について説明する。
【0072】
読出/書込制御回路30は、さらに、選択メモリセルの電気抵抗に応じた電圧を伝達するためのデータ線DIOと、データ線DIOおよび各ビット線BLの間に設けられた読出選択ゲートRCSGとを含む。読出選択ゲートRCSGのゲートには、対応するメモリセル列の選択状態を示すリードコラム選択線RCSLが結合される。各リードコラム選択線RCSLは、対応するメモリセル列が選択された場合に「H」レベルに活性化される。同様の構成は、各メモリセル列に対応して設けられる。すなわち、データ線DIOはメモリアレイ10上のビット線BLによって共有される。
【0073】
このような構成とすることにより、選択メモリセルは、データ読出時において、選択列のビット線BLおよび対応する読出選択ゲートRCSGを介してデータ線DIOと電気的に結合される。
【0074】
読出/書込制御回路30は、さらに、データ読出回路100と、トランジスタ105とを含む。
【0075】
データ読出回路100は、センスアンプ(電圧増幅器)120と、電圧保持キャパシタ130と、帰還スイッチ140と、センスアンプ(電圧増幅器)146と、ラッチ回路148とを含む。
【0076】
電圧保持キャパシタ130は、ノードN3(センスアンプ120の入力ノードの他方に相当)の電圧レベルを保持するために、ノードN3と固定電圧Vssの間に接続される。センスアンプ120は、ノードN1およびN3の電圧を増幅してノードN2(センスアンプ120の出力ノードに相当)に出力する。帰還スイッチ140は、ノードN2とノードN3との間に設けられる。帰還スイッチ140は、制御信号SWPの反転信号である制御信号/SWPに応答してオンする。
【0077】
センスアンプ146は、予め定められた基準電圧VcpとノードN3の電圧差を増幅して出力する。ラッチ回路148は、データ読出動作時にセンスアンプ146の出力をラッチして読出データRDTとして出力する。ラッチ回路148から読出された読出データRDTは、出力バッファ190を介してデータ出力端子4aからの読出データDOUTとして出力される。このように、複数段のセンスアンプ120,146によって、ノードN1およびN3間の電圧差を増幅するので、十分な動作マージンを確保することができる。また、第2段のセンスアンプ146に入力される基準電圧Vcpのレベル調整によって感度を変更できるので、製造時の素子特性ばらつきに起因する感度の変化を補正することができる。
【0078】
トランジスタ105は、NチャンネルMOSトランジスタで構成され、データ読出時に活性化(「H」レベル)される制御信号RADの反転信号である制御信号/RADをゲートに受ける。すなわち、トランジスタ105は、データ読出を実行するとき以外においては、ターンオンされる。
【0079】
したがって、データ読出前において、トランジスタ105のターンオンによって、データ線DIOは、プリチャージ電圧Vpcと結合される。この段階では、データ線DIOは、各メモリセル列における読出選択ゲートRCSGがターンオフによってビット線BLおよびメモリセルMCとは切り離されているため、プリチャージ電圧Vpcに充電される。
【0080】
データ読出が開始されると、選択行のワード線WLおよび選択列のリードコラム選択線RCSLが「H」レベルに活性化されて、データ線DIOは、選択メモリセルを介して固定電圧Vss(接地電圧GND)へプルダウンされる。これに伴い、プリチャージ電圧Vpcによって選択メモリセルを通過するデータ読出電流Isが供給され、データ線DIOには、選択メモリセルの電気抵抗に応じた電圧が生じることになる。
【0081】
次に、データ読出回路100の動作を図3を用いて詳細に説明する。
図3は、図2に示したデータ読出回路の主要部分の構成を示す回路図である。
【0082】
図3を参照して、センスアンプ120は、電源電圧Vcc2とノードN2およびN4との間にそれぞれ接続されたPチャネルMOSトランジスタ122および124と、ノードN2およびN4と固定電圧Vssの間にそれぞれ接続されたNチャネルMOSトランジスタ126および128とを備える。トランジスタ122および124の各ゲートはノードN4と接続され、トランジスタ126のゲートはノードN3と接続され、トランジスタ128のゲートはノードN1と接続されている。すなわち、トランジスタ122〜128は、ノードN1,N3を入力ノードとし、ノードN2を出力ノードとする「差動増幅アンプ」として動作する。
【0083】
電圧保持キャパシタ130および帰還スイッチ140、センスアンプ146およびラッチ回路148の配置は、図2で説明したので詳細な説明は繰り返さない。
【0084】
データ読出動作前においては、ノードN1にはプリチャージ電圧が供給されている。また、帰還スイッチ140は、オンしておりノードN2とノードN3はショートしている。
【0085】
この状態からデータ読出動作が開始されて、データ線DIOは、選択メモリセルを介して固定電圧Vss(接地電圧GND)にプルダウンされる。これにより、データ線DIOの電圧は、選択メモリセルの通過電流、すなわち選択メモリセルの電気抵抗に応じてプリチャージ電圧Vpcより低下する。データ読出時におけるデータ線DIOの電圧は、選択メモリセルのインピーダンス(電気抵抗)の関係によって決定される。
【0086】
1回のデータ読出動作が開始されてからの前半期間すなわち後述する初期データ読出動作においては、制御信号/SWPは「H」レベルに活性化されている。したがって、帰還スイッチ140がターンオンするので、ノードN2およびノードN3はショートされたままである。この結果、バーチャルショート効果によりノードN1とノードN2およびN3は、センスアンプ120による負帰還動作によって、仮想的にショートされた状態となり、同電圧レベルに設定される。この状態におけるノードN3の電圧は、電圧保持キャパシタ130によって保持される。
【0087】
厳密には、センスアンプ120を構成する回路素子の素子特性ばらつきによって、ノードN1およびN3が同電圧に設定されないケースも生じ得るが、このようなばらつきも含めて、ノードN3の電圧がノードN1の電圧に応じて平衡状態に設定されるので、このようなセンスアンプのオフセット調整も併せて行なっていることになる。
【0088】
その後、1回のデータ読出動作が開始されてからの後半期間すなわち後述する所定データ読出動作においては、ノードN2とノードN3とは電気的に切り離される。この状態で、ノードN3は開放状態となり、現在の電圧状態が電圧保持キャパシタ130によって保持される。次に再度の読出の際にメモリセルの抵抗値が変化するとノードN0の電圧が変化するとともにノードN1の電圧も変化する。この変化に応じてノードN2が変化する。ノードN3の電圧は電圧保持キャパシタ130によって所定の電圧状態に保持されているためノードN1とノードN3には電圧差が生じる。これに伴いセンスアンプ120はこの電圧差を増幅しノードN2に出力する。
【0089】
図4は、実施の形態1に従うメモリアレイに対する1回のデータ読出動作を説明するフローチャートである。
【0090】
図4を参照して、実施の形態1に従う構成においては、1回のデータ読出動作が開始されると(ステップS1)、まず初期データ読出動作として、選択メモリセルの磁化方向がデータ読出動作前と同様である状態、すなわち、選択メモリセルが本来読出されるべき記憶データを保持した状態においてデータ読出を実行する。初期データ読出動作時におけるデータ線DIOの電圧(以下、単に「データ線電圧」とも称する)は、ノードN3に伝達され保持される(ステップS2)。
【0091】
次に、所定書込動作として、選択メモリセルへ所定レベル(たとえば“0”)のデータが書込まれる。すなわち、選択メモリセルは、所定レベルのデータを書込むためのデータ書込磁界の印加を受ける(ステップS3)。さらに、選択メモリセルへ当該所定レベル(“0”)のデータが書込まれた状態での、選択メモリセル群を対象とするデータ読出が所定データ読出動作として実行される。このときのデータ線電圧は、ノードN1へ伝達される(ステップS4)。
【0092】
所定データ読出動作において、先行する所定書込動作における強制的な書込データレベルが選択メモリセルの記憶データと一致しているときは、データ線電圧は初期データ読出時と同レベルとなる。一方、先行する所定書込動作で選択メモリセルの記憶データと異なるレベルのデータを強制的に書込んだときには、後続の所定データ読出動作において、データ線電圧は初期データ読出時と比較して、上昇あるいは下降する。
【0093】
初期データ読出動作から所定データ読出動作までが終了した時点で、ノードN1およびN3には、所定データ読出動作および初期データ読出動作のそれぞれにおけるデータ線電圧が保持される。この状態で、ノードN1およびN3の電圧比較に基づいて、選択メモリセルからの記憶データを示す読出データRDTを確定する(ステップS5)。データ線電圧は、上記の2つの読出動作間でのデータ線電圧の比較を行なうことによって、選択メモリセルの記憶データを抽出して検知することができる。
【0094】
次に、ステップS5で確定された読出データRDTが、所定書込動作で書込まれたデータ(“0”)と同一であるかどうかが判定される(ステップS6)。選択メモリセルの記憶データと確定された読出データRDTとが不一致である場合には、読出データRDTの確定後において、選択メモリセルに対して、読出データRDTの再書込が実行される(ステップS7)。これにより、読出動作シーケンス内で所定のデータ書込を受けた選択メモリセルについて、その記憶データを再現して、データ読出前の状態を再現することができる。一方、選択メモリセルの記憶データと確定された読出データRDTとが同一である場合には、次のデータ再書込動作(ステップS7)をスキップして、1回のデータ読出動作を終了する(ステップS8)。両者のレベルが同一である場合には、データ再書込動作の実行前において、選択メモリセルの記憶データが、後続のステップS6で再書込しようとするデータ(読出データRDT)と既に同じレベルであるため、データ再書込動作を実行する必要がない。この結果、不要な再書込動作を省略して、データ読出動作時の消費電流を削減することが可能となる。なお、当該判定動作をライトドライバ制御回路180で実行することが可能である。
【0095】
図5は、本発明の実施の形態1に従うデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【0096】
図5を参照して、本発明の実施の形態に従う1回のデータ読出動作は、たとえばクロック信号CLKに同期して実行させることができる。
【0097】
ここで、データ読出動作を説明する前にデータ書込動作について説明する。
クロック信号CLKの活性化エッジである時刻t00において、チップセレクト信号CSおよびライトコマンドWTが取込まれると、データ書込動作が実行される。データ書込動作においては、選択行のデジット線WDLが活性化されるとともに選択列のビット線BLには書込データに対応するデータ書込電流が供給される。たとえばデータ(“1”)に対応するデータ書込電流−Iwが供給されるとすると選択メモリセルに対してデータ(“1”)が書き込まれる。
【0098】
次に、当該データ(“1”)が書き込まれた選択メモリセルのデータ読出について説明する。
【0099】
すなわち、クロック信号CLKの活性化エッジである時刻t0において、チップセレクト信号CSおよびリードコマンドRDが取込まれると、初期データ読出動作が実行される。初期データ読出動作においては、選択行のワード線WLが活性化状態であるとともに、選択列のビット線BLにはデータ読出電流Isが供給される。データ読出電流Isによってデータ線DIOに生じた電圧、すなわち、選択メモリセルが本来の記憶データを保持する状態でのデータ線電圧は、ノードN1に伝達される。ここで、制御信号SWPは「L」レベルその反転信号である制御信号/SWPは「H」レベルであるため帰還スイッチ140はオンしている。したがって、バーチャルショート効果により、記憶データ(“1”)に対応するデータ線電圧がノードN3に伝達され保持される。
【0100】
次にクロック信号CLKの1サイクル内の時刻t1から、所定書込動作が実行される。ここでは、クロック信号CLKの1サイクル内すなわちデータ読出と同一サイクル内にデータ書込を連続的に実行するいわゆるリードモディファイライトが実行される。具体的には制御信号RWEに応答してライトデジット線ドライバ85が活性化されて選択行のライトデジット線WDLにデータ書込電流Ipが流され、選択列のビット線BLにはデータ書込電流+Iwが流されて、選択メモリセルに対して、所定レベルのデータ(“0”)が強制的に書込まれる。
【0101】
さらに、次のクロック活性化エッジである時刻t2からは所定データ読出動作が実行される。具体的には選択行のワード線WLが活性化された状態で、選択列のビット線BLに対してデータ読出電流Isが供給される。データ読出電流Isによってデータ線DIOに生じた電圧、すなわち、選択メモリセルが“0”データを保持する状態でのデータ線電圧がノードN1に伝達される。
【0102】
所定データ読出動作の実行によって、ノードN1およびN3において、選択メモリセルが記憶データ“0”およびデータ“1”を保持する状態にそれぞれ対応するデータ線電圧となり、これに伴いノードN1およびN3の電圧差に基づいて時刻t3において読出データRDTを生成することができる。
【0103】
さらに、時刻t3以降に読出データRDTに応じた読出データDOUTがデータ出力端子4aから出力される。また、これと並列して、選択メモリセルに対するデータ再書込動作が実行される。すなわち、制御信号RWEに応答してライトデジット線ドライバ85が活性化されて選択行のライトデジット線WDLにデータ書込電流Ipが流され、選択列のビット線BLには、読出データRDTのレベルに応じて、データ書込電流+Iwまたは−Iwが流される。ここでは、データ(“1”)に対応してデータ書込電流−Iwが流される。これにより、選択メモリセルに対して、読出データRDTと同一レベルのデータが書込まれて、選択メモリセルは、データ読出動作前と同様の状態に復帰する。
【0104】
上記の例においては、選択メモリセルの記憶データが(“1”)として説明したがデータ(“0”)である場合にも同様に適用できる。すなわち、所定書込動作と同じレベルの記憶データが選択メモリセルに記憶されていた場合、電圧差は生じず、そのままの電圧が出力される。2段目のセンスアンプ146においては既知のデータとの比較に応じて読出データRDTを生成するため電圧差が生じない場合にはデータ(“0”)を出力する。
【0105】
上記の例においては所定書込動作において選択メモリセルに書込むデータレベルはデータ(“0”)として説明したがデータ(“1”)を書き込んで所定データ読出動作を実行することも同様に可能である。
【0106】
また、データ再書込時に上述したように、所定データと同一のデータが選択メモリセルから読み出された場合にはデータ再書込動作を実行しないようにすることも可能である。この結果不要な再書込動作を省略して、データ読出動作時の消費電流を削減することが可能となる。
【0107】
さらに、選択メモリセルに対する1回のデータ読出動作において、リファレンスセルを用いることなく、選択メモリセル群に対するアクセスのみでデータ読出を実行することができる。すなわち、同一のメモリセル、同一のビット線、同一のデータ線および同一のセンスアンプ等が含まれる同一のデータ読出経路によって実行される電圧比較に基づいて、いわゆるセルフリファレンス方式でデータ読出が実行される。
【0108】
この結果、データ読出経路を構成する各回路における製造ばらつきに起因するオフセット等の影響を回避して、データ読出動作を高精度化できる。すなわち、選択メモリセルからのデータ読出を、リファレンスセル等の他のメモリセルや、これに付随するデータ読出回路系との比較に基づいて実行するよりも、製造ばらつき等の影響を排除して、高精度のデータ読出を実行することが可能となる。また、リファレンスセルが不要であるので、各MTJメモリセルにデータ記憶を実行させて、全てのMTJメモリセルを有効ビットとして用いることができる。
【0109】
また、本構成のごとくリードとライトを同一の1クロックサイクル内において連続的に実行する方式であるいわゆるリードモディファイライトを採用することにより1回のデータ読出動作をさらに高速化することができる。
【0110】
また、ワード線WLは、一回のデータ読出動作において活性化状態(「H」レベル)を維持するため充放電に伴う消費電力を低減することができる。
【0111】
(実施の形態1の変形例)
本実施の形態1の変形例においては、メモリアレイを構成するメモリセルMCをアクセストランジスタATRを取除いた1TMR型のMTJメモリセルMC#に置換した場合のデータ読出動作について説明する。
【0112】
図6は、本発明の実施の形態1の変形例に従うメモリアレイに対してデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の構成を示す回路図である。
【0113】
図6を参照して、本実施の形態1の変形例に従う当該回路群は、本実施の形態1の回路群と比較して、メモリアレイ10をメモリアレイ10#にした点と、行選択回路20および21を行選択回路20#および21#に置換した点とか異なる。その他の点は、図2の実施の形態1で示した回路群と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0114】
メモリアレイ10#は、メモリアレイ10と比較して行列状に配置されたメモリセルMCをメモリセルMC#に置換した点が異なる。
【0115】
図7は、アクセストランジスタATRを取り除いた1TMR型のMTJメモリセルMC#を示す回路図である。
【0116】
図7を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、ビット線BLとソース線SLとの間に配置される。すなわち、図7のMTJメモリセルMC#は、図21のMTJメモリセルと比較して、アクセストランジスタATRおよびワード線WLを取り除いてトンネル磁気抵抗素子TMRとソース線SLとを直接電気的に結合した点が異なる。
【0117】
図8は、図7で示したMTJメモリセルMC#の構造図である。
図8を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、ソース線SLとビット線BLとの間に形成される。また、ライトデジット線WDLは、ソース線SLの下層にソース線SLと平行に配置される。
【0118】
行選択回路20#および21#は、行選択回路20および21と比較してメモリセル行毎に配置されたワード線ドライバ80の代わりにソース線ドライバ80#を有する。図示しないが各ソース線ドライバ80#は、電源電圧Vcc2および固定電圧Vssの供給を受ける。各ソース線ドライバ80#は、各ソース線SLの一端側に設けられ、メモリセル行のデコード結果を示すロウデコード信号Rd(1)〜Rd(4),・・・の対応する1つに基づいて、対応するソース線SLの活性化を制御する。具体的には、ソース線SLは、ソース線ドライバ80#によって、活性化時には電源電圧Vcc2(「H」レベル)と接続され、非活性化時には固定電圧Vssと接続される。その他の点は、図2の行選択回路20および21と同様の構成であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0119】
図9は、データ読出時において選択セルを流れるデータ読出電流Isの概念図である。
【0120】
図9を参照して、データ読出時において、選択メモリセルに対応するソース線ドライバが活性化された場合、非選択メモリセルに対応するソース線ドライバは非活性化されている。したがって、選択メモリセルは、電源電圧Vcc2と電気的に結合され、非選択メモリセルは固定電圧Vssと電気的に結合される。これに伴い、選択メモリセルを介してビット線を共有する選択列の非選択メモリセルに対して電流経路が形成されることとなる。すなわち、選択列のビット線と接続されたメモリセル群全体の合成抵抗に応じた値のデータ読出電流Isが流れることとなる。この結果、データ線DIOには当該合成抵抗に応じた電圧が生じることになる。
【0121】
図10は、本発明の実施の形態1の変形例に従う1回のデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【0122】
図10を参照して、本発明の実施の形態に従う1回のデータ読出動作は、たとえばクロック信号CLKに同期して実行させることができる。
【0123】
ここで、データ読出動作を説明する前にデータ書込動作について説明する。
クロック信号CLKの活性化エッジである時刻t00において、チップセレクト信号CSおよびライトコマンドWTが取込まれると、データ書込動作が実行される。データ書込動作においては、選択行のライトデジット線WDLが活性化されるとともに選択列のビット線BLには書込データに対応するデータ書込電流が供給される。たとえばデータ(“1”)に対応するデータ書込電流−Iwが供給されるとすると選択メモリセルに対してデータ(“1”)が書き込まれる。
【0124】
次に、当該データ(“1”)が書き込まれた選択メモリセルの1回のデータ読出動作について説明する。
【0125】
すなわち、クロック信号CLKの活性化エッジである時刻t0において、チップセレクト信号CSおよびリードコマンドRDが取込まれると、初期データ読出動作が実行される。初期データ読出動作においては、選択行のソース線SLが活性化されることにより選択メモリセルを介して選択列のビット線BLにデータ読出電流Isが供給される。データ読出電流Isによってデータ線DIOに生じた電圧、すなわち、選択メモリセルが本来の記憶データを保持する状態でのデータ線電圧は、ノードN1に伝達される。ここでは、記憶データ(“1”)を選択メモリセルが有する場合において、選択列に対応する選択メモリセルおよび非選択メモリセルの合成抵抗に対応するデータ線電圧がノードN1に伝達される。また、このとき制御信号SWP(「L」レベル)に従う制御信号/SWPは、「H」レベルであるため上述したようにバーチャルショート効果によりノードN3にデータ線電圧に対応する電圧レベルが保持される。
【0126】
次にクロック信号CLKの1サイクル内の時刻t1から、所定書込動作が実行される。ここでは、クロック信号CLKの1サイクル内すなわちデータ読出とデータ書込を連続的に実行するいわゆるリードモディファイライトが実行される。具体的には制御信号RWEに応答してライトデジット線ドライバ85が活性化されて選択行のライトデジット線WDLにデータ書込電流Ipが流され、選択列のビット線BLにはデータ書込電流+Iwが流されて、選択メモリセルに対して、所定レベルのデータ(“0”)が強制的に書込まれる。
【0127】
さらに、次のクロック活性化エッジである時刻t2からは所定データ読出動作が実行される。具体的には選択行のソース線SLが活性化された状態で、選択列のビット線BLに対して選択メモリセルを介してデータ読出電流Isが供給される。データ読出電流Isによってデータ線DIOに生じた電圧、すなわち、選択メモリセルが“0”データを保持する状態において、選択列に対応する選択メモリセルおよび非選択メモリセルの合成抵抗に対応するデータ線電圧が、ノードN1に伝達される。
【0128】
所定データ読出動作の実行によって、ノードN1およびN3において、選択メモリセルが記憶するデータ“0”およびデータ“1”を保持する状態にそれぞれ対応するデータ線電圧が保持される。したがって、ノードN1およびN3の電圧差に基づいて時刻t3において読出データRDTを生成することができる。
【0129】
さらに、時刻t3以降において読出データRDTに応じた読出データDOUTがデータ出力端子4aから出力される。また、これと並列して、選択メモリセルに対するデータ再書込動作が実行される。すなわち、制御信号RWEに応答してライトデジット線ドライバ85が活性化されて選択行のライトデジット線WDLにデータ書込電流Ipが流され、選択列のビット線BLには、読出データRDTのレベルに応じて、データ書込電流+Iwまたは−Iwが流される。ここでは、データ(“1”)に対応してデータ書込電流−Iwが流される。これにより、選択メモリセルに対して、読出データRDTと同一レベルのデータが書込まれて、選択メモリセルは、データ読出動作前と同様の状態に復帰する。
【0130】
本実施の形態1の変形例の如くアクセストランジスタを除くメモリセルMC#を用いた構成においても実施の形態1と同様のセルフリファレンス読出を実行することができる。これに伴い、アクセストランジスタを半導体基板に設けるために必要としていたメモリセル1個のレイアウト面積を縮小することができ、小面積で大容量のメモリアレイを設計することができる。
【0131】
また、データ読出動作期間内において、1クロックサイクル内に読出動作および書込動作を連続的に実行するいわゆるリードモディファイライトを実行することにより高速なセルフリファレンス方式によるデータ読出を実行することが可能となる。
【0132】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においては強制的なデータ書込およびデータ読出を繰返してデータ読出動作を実行するセルフリファレンス読出の方式について説明してきたが、本実施の形態2においては選択メモリセルの記憶データを破壊することなくセルフリファレンス読出を実行する構成について説明する。
【0133】
まず、本実施の形態2のデータ読出の原理について最初に説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に用いるメモリセルMCaの回路図である。
【0134】
図11を参照して、ダイオードを用いたMTJメモリセルMCaは、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセスダイオードDYを備える。MTJメモリセルMCaは、ワード線をリード用のソース線SLとライトデジット線WDLとに分割して配置した点が、図26に示したMTJメモリセルの構成と異なる。ビット線BLは、ライトデジット線WDLおよびソース線SLと交差する方向に配置され、トンネル磁気抵抗素子TMRと電気的に結合される。アクセスダイオードDYは、トンネル磁気抵抗素子TMRからソース線SLに向かう方向を順方向として両者の間に結合される。ライトデジット線WDLは、他の配線と接続されることなくトンネル磁気抵抗素子TMRと近接して設けられる。
【0135】
MTJメモリセルMCaにおいては、データ書込時においてソース線SLに電流を流す必要がない。上述した図26で示されたMTJメモリセルにおいては、ソース線SLおよびビット線BLに電流をそれぞれ供給する必要があるため電源電圧相当の高電圧がトンネル磁気抵抗素子TMRに印加される可能性がある。このためトンネル磁気抵抗素子TMRが破壊されてしまうことがあるが本構成においては、ソース線SLに電流は流れないためトンネル磁気抵抗素子TMRに高電圧が印可されることはなく、図26に示されたMTJメモリセルMCと比較して、データ書込動作の安定化を図ることができる。
【0136】
図12は、MTJメモリセルMCaの構造図である。図12を参照して、MTJメモリセルMCaは、独立した配線として配置されるライトデジット線WDLをさらに備える点で図27に示したMTJメモリセルの構造と異なる。その他の部分の構造は、図27で説明した構造と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
【0137】
以下の説明で明らかになるように、本願発明においては、選択メモリセルに対してバイアス磁界を印加することによって、セルフリファレンス方式のデータ読出を高速化することを目的とする。
【0138】
図13は、MTJメモリセルに対して磁界を印加するための電流および、MTJメモリセルの電気抵抗の関係(ヒステリシス特性)を示す概念図である。
【0139】
図13を参照して、横軸には、ビット線を流れるビット線電流I(BL)が示され、縦軸にはMTJメモリセルの電気抵抗Rcellが示される。ビット線電流I(BL)によって生じる磁界は、図11に示した自由磁化層VLにおいて、磁化容易軸方向(EA)に沿った方向を有する。一方、ライトデジット線WDLを流れるデジット線電流I(WDL)によって生じる磁界は、自由磁化層VLにおいて、磁化困難軸方向(HA)に沿った方向を有する。
【0140】
したがって、ビット線電流I(BL)が、自由磁化層VLの磁化方向を反転させるためのしきい値を超えると、自由磁化層VLの磁化方向が反転されて、メモリセル抵抗Rcellが変化する。図2においては、プラス方向のビット線電流I(BL)がしきい値を超えて流された場合にはメモリセル抵抗Rcellが最大値Rmaxとなり、マイナス方向のビット線電流I(BL)がしきい値を超えて流された場合には、メモリセル抵抗Rcellが最小値Rminとなる。このようなビット線電流I(BL)のしきい値は、ライトデジット線WDLを流れる電流I(WDL)によって異なる。
【0141】
まず、ライトデジット線WDLを流れるデジット線電流I(WDL)=0である場合におけるメモリセル抵抗Rcellのヒステリシス特性が、図13中に点線で示される。この場合における、ビット線電流I(BL)のプラス方向およびマイナス方向のしきい値を、それぞれIt0および−It0とする。
【0142】
これに対して、ライトデジット線WDLに電流が流される場合には、ビット線電流I(BL)のしきい値が低下する。図13には、デジット線電流I(WDL)=Ipである場合のメモリセル抵抗Rcellのヒステリシス特性が実線で示される。デジット線電流I(WDL)によって生じる磁化困難軸方向の磁界の影響によって、ビット線電流I(BL)のプラス方向およびマイナス方向のしきい値は、それぞれIt1(It1<It0)および−It1(−It1>−It0)に変化する。このヒステリシス特性は、データ書込動作時におけるメモリセル抵抗Rcellの挙動を示している。したがって、データ書込動作時におけるビット線電流I(BL)、すなわちデータ書込電流+Iwおよび−Iwは、It1<+Iw<It0および−It0<−Iw<−It1の範囲に設定されている。
【0143】
一方、データ読出動作時におけるビット線電流I(BL)、すなわちデータ読出電流Isは、選択メモリセルや寄生容量等をRC負荷として接続されたデータ線DIOの充電電流として流れるので、データ書込時におけるビット線電流I(BL)、すなわちデータ書込電流±Iwと比較すると、2〜3桁小さいレベルとなるのが一般的である。したがって、図13中では、データ読出電流Is≒0とみなすことができる。
【0144】
データ読出前の状態においては、図13中における(a)または(c)の状態、すなわち選択メモリセルが電気抵抗RminまたはRmaxのいずれかを有するように、トンネル磁気抵抗素子TMR中の自由磁化層の磁化方向が設定されている。
【0145】
図14は、図13に示した各状態におけるトンネル磁気抵抗素子の磁化方向を説明する概念図である。
【0146】
図14(a)は、図13(a)における状態の磁化方向を示している。この状態においては、自由磁化層VLの磁化方向と、固定磁化層FLの磁化方向とは平行であるので、メモリセル抵抗Rcellは、最小値Rminに設定される。
【0147】
図14(c)は、図13(c)における状態の磁化方向を示している。この状態においては、自由磁化層VLの磁化方向と、固定磁化層FLの磁化方向とは反平行(逆方向)であるので、メモリセル抵抗Rcellは、最大値Rmaxに設定される。
【0148】
この状態から、ライトデジット線WDLに対して所定電流(たとえばデータ書込電流Ip)を流すと、自由磁化層VLの磁化方向は、反転される状態には至らないものの、ある程度回転されて、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗Rcellが変化する。
【0149】
たとえば、図14(b)に示されるように、図14(a)の磁化状態から、デジット線電流I(WDL)による磁化困難軸(HA)方向の所定バイアス磁界がさらに印加された場合には、自由磁化層VLの磁化方向は、いくらか回転して、固定磁化層FLの磁化方向と所定の角度を成すようになる。これにより、図14(b)に対応する磁化状態では、メモリセル抵抗Rcellは、最小値RminからRm0に上昇する。
【0150】
同様に、図14(c)の磁化状態から、同様の所定バイアス磁界がさらに印加された場合には、自由磁化層VLの磁化方向はいくらか回転して、固定磁化層FLの磁化方向と所定の角度を成すようになる。これにより、図14(d)に対応する磁化状態では、メモリセル抵抗Rcellは、最大値RmaxからRm1に下降する。
【0151】
このように、磁化困難軸(HA)方向のバイアス磁界を印加することによって、最大値Rmaxに対応するデータを記憶するMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellが低下する一方で、最小値Rminに対応するデータを記憶するMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellは上昇する。
【0152】
図15は、所定バイアス磁界を印加することによってMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellの抵抗値が変化する概念図である。
【0153】
図15を参照して、上記において説明したように所定バイアス磁界を印加することにより最大値Rmaxから抵抗値が変化する。具体的には磁化困難軸(HA)方向のバイアス磁界を印加することによって、最大値Rmaxに対応するデータを記憶するMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellは、最大値Rmaxの値からRm1に下降する。一方、最小値Rminに対応するデータを記憶するMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellは、上述したように最小値Rminの値からRm0に上昇する。
【0154】
このように、ある記憶データが書込まれたMTJメモリセルに対して、磁化困難軸方向のバイアス磁界を印加すれば、記憶データに応じた極性の電気抵抗の変化をメモリセル抵抗Rcellに生じさせることができる。すなわち、バイアス磁界の印加に応答して生じるメモリセル抵抗Rcellの変化は、記憶データレベルに応じて、異なる極性を有する。本実施の形態2においては、このようなMTJメモリセルの磁化特性を利用して、データ読出を実行する。
【0155】
図16は、本発明の実施の形態2に従うデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の構成図である。
【0156】
図16を参照して、本発明の実施の形態2に従う回路群は、図2のメモリアレイ10の代わりにメモリアレイ10aに置換した点が異なる。図示しないがメモリアレイ10aにおいては、図11で示したメモリセルMCaが行列状に配置されている。図16においては、一例として1つのメモリセルMCaが示されている。
【0157】
メモリアレイ10aにおいて、メモリセル行に対応してソース線SLおよびライトデジット線WDLが配置される。また、メモリセル列に対応してビット線BLが配置される。MTJメモリセルMCaの各々は、対応するビット線BLおよびソース線SLの間に直列接続されるトンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセスダイオードDYを含む。
【0158】
次に、メモリアレイ10における行選択を実行するための行選択回路20aおよび21aの回路構成について説明する。
【0159】
行選択回路20aは、ライトデジット線WDLと固定電圧Vssとを電気的に結合する。
【0160】
行選択回路21aは、ロウアドレスRAおよびデータ書込を指示するための制御信号WEおよびデータ読出を指示するための制御信号REに応答して行選択を実行する選択制御回路22と、各行毎に配置されるソース線ドライバWDrおよびライトデジット線ドライバDDrとを含む。
【0161】
選択制御回路は、データ書込時に選択線WRSLを活性化(「L」レベル)する。また、データ読出時に選択線DRSLを活性化(「L」レベル)する。
【0162】
ソース線ドライバWDrは、トランジスタ43および44を含む。トランジスタ43および44は、電源電圧Vccとソース線SLとの間に直列に接続され、それぞれのゲートは選択線WRSLの選択信号および基準信号Vref1の入力を受ける。この基準信号Vref1によりソース線SLがフル振幅しないように調整される。なお、一例として、トランジスタ43は、PチャンネルMOSトランジスタとする。また、トランジスタ44は、NチャンネルMOSトランジスタとする。
【0163】
ライトデジット線ドライバDDrは、トランジスタ42を含む。トランジスタ42は、電源電圧Vccとライトデジット線WDLとの間に配置され、そのゲートは選択線DRSLの選択信号の入力を受ける。
【0164】
列デコーダ25は、コラムアドレスCAおよび制御信号WEに応答して選択的に列選択線CSLWを活性化(「H」レベル)させる。また、コラムアドレスCAおよび制御信号REに応答して選択的に列選択線CSLRを活性化(「H」レベル)させる。
【0165】
次に、読出/書込制御回路30aおよび35aの構成について説明する。
読出/書込制御回路35aは、メモリセル列毎に設けられビット線BLの一端側の接続を制御する列選択ゲートCSGWaと、ライトドライバ40とを含む。列選択ゲートCSGWaは、列選択線CSLWの活性化に応答してライトドライバ40とビット線BLとを電気的に結合する。ライトドライバ40は、入力データDINの反転信号である入力データ/DINに応じて、対応するビット線の一端側を図示しない電源電圧Vcc1および固定電圧Vssのいずれかで駆動する。
【0166】
また、読出/書込制御回路30aは、列選択ゲートCSGWbと、ライトドライバ41とを含む。列選択ゲートCSGWbは、列選択線CSLWの活性化に応答してライトドライバ41とビット線BLとを電気的に結合する。ライトドライバ41は、入力データDINに応じて、対応するビット線の多端側を図示しない電源電圧Vcc1および固定電圧Vssのいずれかで駆動する。
【0167】
また、読出/書込制御回路30aは、データ読出に用いられるための列選択ゲートCSGRと、センスアンプSAと、増幅器70とを含む。
【0168】
列選択ゲートCSGRは、メモリセル列毎に設けられ列選択線CSLRの活性化に応答してビット線BLとノードNN0とを電気的に結合する。
【0169】
センスアンプSAは、ビット線BLを通過するデータ読出電流の電流変動を電圧変動に変換してノードSAOから出力する。
【0170】
センスアンプSAは、トランジスタ60〜63を含む。トランジスタ60および61は、出力ノードSAOと電源電圧Vccとの間に互いに直列に電気的に結合され、それぞれのゲートはデータ読出時に活性化されるセンスアンプイネーブル信号SAEの反転信号であるセンスアンプイネーブル信号/SAEおよび基準信号VrefPの入力を受ける。基準信号VrefPの電圧レベルに応答してセンスアンプSAの出力ノードSAOに生成される電圧レベルを調整することができる。また、トランジスタ62は、ノードSAOと固定電圧Vssとの間に配置され、そのゲートはノードNN0と接続される。また、トランジスタ63は、ノードNN0と固定電圧Vssとの間に配置され、そのゲートは基準信号Vref2の入力を受ける。この基準信号Vref2に応答してトランジスタ63を通過する電流量が調整され、センスアンプSAの応答速度を調整することができる。
【0171】
なお、一例としてトランジスタ60および61は、PチャンネルMOSトランジスタとする。また、トランジスタ62および63は、NチャンネルMOSトランジスタとする。
【0172】
増幅器70は、センスアンプSAで生成されたデータを増幅して読出データDOUTとして出力する。増幅器70は、プリチャージ回路PRCとクロスラッチ回路CRLと、キャパシタ65および66とを含む。
【0173】
クロスラッチ回路CRLは、トランジスタ71〜76を含む。トランジスタ71は、電源電圧VccとノードNN1との間に配置され、そのゲートはデータ読出動作時に活性化される制御信号PAEの反転信号である制御信号/PAEの入力を受ける。また、トランジスタ72は、ノードNN1とノードNN2との間に配置される。また、トランジスタ74は、ノードNN2とノードNN4との間に配置される。トランジスタ72および74のゲートは、ノードNN3と電気的に結合される。トランジスタ73は、ノードNN1とノードNN3との間に配置される。また、トランジスタ75は、ノードNN3とノードNN4との間に配置される。トランジスタ73および75は、ノードNN2と電気的に結合される。トランジスタ76は、ノードNN4と固定電圧Vssとの間に配置され、そのゲートは制御信号PAEの入力を受ける。なお、一例としてトランジスタ71〜73は、PチャンネルMOSトランジスタとする。また、トランジスタ74〜76は、NチャンネルMOSトランジスタとする。
【0174】
キャパシタ66は、ノードNN3とノードSAOとの間に配置される。また、キャパシタ65は、ノードNN2と固定電圧Vssとの間に配置される。したがって、キャパシタ65は、ノードNN2の電圧状態を保持する。
【0175】
プリチャージ回路PRCは、互いに直列に接続された複数のトランジスタPRGを有し、各々制御信号PAEQに応答して、電源電圧VPA(=1/2Vcc)と接続してプリチャージするとともにノードNN2とノードNN3とをイコライズする。
【0176】
図17は、実施の形態2のデータ書込動作のタイミングチャート図である。
時刻t1において、選択制御回路22は、ロウアドレスRAおよび制御信号WEに応答して選択線DRSLを活性化(「L」レベル)させる。これに伴い、時刻t2においてトランジスタ42がオンし、ライトデジット線WDLにデータ書込電流I(WDL)が供給される。
【0177】
また、列デコーダ25は、コラムアドレスCAおよび制御信号WEに応答して列選択線CSLWを活性化(「H」レベル)させる。これに伴い列選択ゲートCSGWaおよびCSGWbがオンする。これに伴い、ライトドライバ40および41とビット線BLとが電気的に結合される。また、このときの入力データDINおよび/DINは、「H」レベルおよび「L」レベルであるため、時刻t2においてライトドライバ41は電源電圧Vcc1によりビット線BLを駆動する。一方、ライトドライバ40は、ビット線BLの多端側を固定電圧Vssと接続する。これにより、データ書込電流I(BL)が供給される。
【0178】
このデータ書込電流I(BL)およびI(WDL)により選択メモリセルの入力データDINに対応する記憶データを書き込むことができる。
【0179】
本実施の形態2のデータ読出動作について以下において説明する。
1回のデータ読出動作は、選択メモリセルへバイアス磁界が印加されない前半期間と、選択メモリセルへバイアス磁界が印加される後半期間とから構成される。当該後半期間において、選択列のライトデジット線ドライバDDrは、データ書込時と同様に動作して、対応するライトデジット線WDLを活性化する。すなわち、選択行のライトデジット線WDLへ供給される電流によってバイアス磁界が発生される。
【0180】
バイアス磁界の印加前、すなわち対応するライトデジット線WDLに電流が流されていない状態(I(WDL)=0)では、ノードNN0は、選択メモリセルの記憶データに応じた電圧へ落ち着く。
【0181】
次に、バイアス磁界の印加後、すなわち選択行に対応するライトデジット線WDLにバイアス電流を流した状態(I(WDL)=Ip)では、選択メモリセルに対して磁化困難軸方向に沿った所定のバイアス磁界が作用する。既に説明したように、このようなバイアス磁界を作用させることによって、選択メモリセルのメモリセル抵抗Rcellは、バイアス磁界印加前と比較して、記憶データレベルに応じた極性で変化する。これにより、ノードNN0の電圧は、バイアス磁界印加前よりも上昇あるいは下降する。
【0182】
具体的には、選択メモリセルに電気抵抗Rminに対応する記憶データ(たとえば“0”)が記憶されている場合には、バイアス磁界印加前よりもバイアス磁界印加後の方が、ノードNN0の電圧は高くなる。これは、デジット線電流I(WDL)によるバイアス磁界の作用によってメモリセル抵抗Rcellが大きくなるのに応じて、トンネル磁気抵抗素子TMRを流れる電流が減少するためである。これに対して、選択メモリセルに電気抵抗Rmaxに対応する記憶データ(たとえば“1”)が記憶されている場合には、バイアス磁界印加前よりもバイアス磁界印加後の方が、ノードNN0の電圧は低くなる。これは、デジット線電流I(WDL)によるバイアス磁界の作用によってメモリセル抵抗Rcellが小さくなるのに応じて、トンネル磁気抵抗素子TMRを流れる電流が増加するためである。
【0183】
図18は、実施の形態2のデータ読出動作のタイミングチャート図である。
データ読出動作前において、増幅器70のプリチャージ回路PRCは、制御信号PAEQに応答してノードNN2およびNN3をともに電圧VPAレベル(1/2Vcc)にプリチャージしている。したがって、ノードNN2およびノードNN3は同じ電圧レベルに設定されている。
【0184】
データ読出時である時刻t1において、選択制御回路22は、ロウアドレスRAおよび制御信号REの入力に応答して選択線WRSLを活性化(「L」レベル)させる。これに伴い、ソース線ドライバWDrが活性化され、ソース線SLを駆動する。また、同様の時刻に列デコーダ25は、コラムアドレスCAおよび制御信号REの入力に応答して列選択線CSLRを活性化(「H」レベル)させる。これに伴い、列選択ゲートCSGRがオンしノードNN0とビット線BLとが電気的に結合される。また、センスアンプイネーブル信号/SAEも活性化(「L」レベル)され、センスアンプが動作状態となる。
【0185】
これに伴い、ソース線SLから選択メモリセルを介してセンスアンプSAに電流経路が形成される。これに伴いセンスアンプSAにおいて、センスアンプSAの通過電流が変換されて所定の電圧レベルの電圧信号がノードSAOに生成される。このとき、制御信号PAEQは、「H」レベルであるためノードNN2とノードNN3は電源電圧VPAレベルに設定されている。したがって、ノードNN3から常に一定レベル(電源電圧VPA)の出力信号DOUTが出力されている。
【0186】
次に、時刻t2において、選択制御回路22は、選択線DRSLを活性化(「L」レベル)させる。これに伴い、ライトデジット線ドライバDDrは、活性化し、選択行のソース線SLは、活性化(「H」レベル)されたままの状態で、選択行のライトデジット線WDLに対して、データ書込電流Ipと同等のバイアス電流が徐々に流される。すなわち、選択メモリセルに対してバイアス磁界が徐々に印加される。これに応じて、選択列のビット線BLの電圧は、選択メモリセルの記憶データに応じた極性で変化する(上昇あるいは下降)。また、同様の時刻にプリチャージ回路PRCは、制御信号PAEQを「L」レベルに設定する。これに伴い、ノードNN2とノードNN3の電気的な結合が切離される。
【0187】
ここで、センスアンプSAの出力を受ける増幅器70について考える。
バイアス磁界印加により、センスアンプSAを通過する電流がメモリセル抵抗Rcellの変化により変動する。これに伴い、ノードSAOの電圧レベルが変動し、キャパシタ66によってノードNN3に伝達される。したがって、ノードNN2およびNN3の間には、選択メモリセルの記憶データに応じた極性の電圧差が発生する。
【0188】
この電圧差が十分に生じた時刻t3において、制御信号PAEを活性化(「H」レベル)させる。これに伴い、クロスラッチ回路CRLは、当該ノードNN2およびノードNN3に生じた電圧差を増幅し、ノードNN3から読出データDOUTを出力する。
【0189】
なお、ライトデジット線WDLを流れるバイアス電流(データ書込電流Ip)によって選択メモリセルに印加されたバイアス磁界によっては、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向は反転されない。したがって、時刻t4のデータ読出終了時であるバイアス磁界を消滅させた時点において、選択メモリセルの磁化方向は、データ読出動作前と同一の状態に復帰する。
【0190】
このように、本発明の実施の形態2に従うデータ読出動作は、非破壊読出であるので、従来のセルフリファレンス読出のようなデータ再書込動作は不要である。
【0191】
さらに、本実施の形態2に従うデータ読出動作は、1回のデータ読出動作内において、強制的なデータ書込およびデータ読出、ならびに、選択メモリセルの記憶データ破壊に伴う再書込が不要であることから、セルフリファレンス読出を高速に実行することができる。
【0192】
さらに、本実施の形態2に従うメモリセルMCaを用いることによりデータ書込時に用いられるライトデジット線WDLを流れる電流をバイアス磁界を発生させるためのバイアス電流として用いることにより、データ読出時にバイアス電流を供給するための回路を新たに配置することなく回路構成を簡略化することができる。
【0193】
なお、上記の実施の形態2で説明したデータ書込動作およびデータ読出動作については、図7および図8で示したメモリセルMC#に対しても同様に適用可能である。
【0194】
(実施の形態2の変形例)
図19は、本発明の実施の形態2の変形例に従うデータ読出動作および書込動作を実行する回路群の構成図である。
【0195】
図19を参照して、本発明の実施の形態2の当該回路群は、実施の形態2の当該回路群と比較して、読出/書込制御回路30aを読出/書込制御回路30#aに置換した点が異なる。
【0196】
読出/書込制御回路30#aは、読出/書込制御回路30aと比較して、増幅器70を増幅器70#に置換した点が異なる。その他の点は図16の読出/書込制御回路と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0197】
増幅器70#は、入力信号の変化の度合いを増幅する微分回路DIFと、プリチャージ回路PRCと、キャパシタ65,66とを含む。
【0198】
微分回路DIFは、オペアンプ50と、抵抗51と、トランジスタ52とを含む。オペアンプ50は、制御信号PAEに応答して活性化し、ノードNN6およびNN7からの入力信号に応じてノードNN5に出力信号を生成する。抵抗51は、ノードNN5とノードNN7との間に設けられる。PチャンネルMOSトランジスタ52は、電源電圧VccとノードNN5との間に配置され、制御信号PAEの入力を受ける。したがって、制御信号PAEが「L」レベルである場合には、電源電圧VccとノードNN5とが電気的に結合されているためノードNN5から常に一定レベルのデータ信号DOUTが出力される。キャパシタ65は、ノードNN7と固定電圧Vssとの間に配置される。これに伴い、キャパシタ65は、ノードNN7の電圧状態を保持する。また、キャパシタ66は、ノードSAOとノードNN6との間に配置される。
【0199】
プリチャージ回路PRCは、互いに直列に接続された複数のトランジスタPRGを有し、各々制御信号PAEQに応答して、電源電圧VPA(=1/2Vcc)と接続してプリチャージするとともにノードNN6とノードNN7とをイコライズする。
【0200】
図20は、実施の形態2の変形例のデータ読出動作のタイミングチャート図である。
【0201】
データ読出動作が開始された時刻t1から時刻t2までの期間については、本実施の形態2のデータ読出動作と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0202】
時刻t2において、選択制御回路22は、選択線DRSLを活性化(「L」レベル)させる。これに伴い、ライトデジット線ドライバDDrは、活性化し、選択行のソース線SLは、活性化(「H」レベル)されたままの状態で、選択行のライトデジット線WDLに対して、データ書込電流Ipと同等のバイアス電流が徐々に流される。すなわち、選択メモリセルに対してバイアス磁界が徐々に印加される。これに応じて、選択列のビット線BLの電圧は、選択メモリセルの記憶データに応じた極性で変化する(上昇あるいは下降)。また、同様の時刻に制御信号PAEQは、「L」レベルとなりプリチャージ回路PRCは、非活性化される。これに伴い、ノードNN2とノードNN3の電気的な結合が切離される。また、同様の時刻に制御信号PAEが活性化(「H」レベル)され、プリアンプが動作状態となる。
【0203】
ここで、センスアンプSAの出力を受ける増幅器70#について考える。
バイアス磁界印加により、センスアンプSAを通過する電流がメモリセル抵抗Rcellの変化により変動する。これに伴い、ノードSAOの電圧レベルが変動し、キャパシタ66によってノードNN6に伝達される。ノードNN6およびNN7の間には、選択メモリセルの記憶データに応じた極性の電圧差が発生する。これをオペアンプ50は増幅し、ノードNN5に読出データとして出力する。
【0204】
上記の実施の形態2のデータ読出動作においては、クロスラッチ回路CRLのノードNN2およびノードNN3にある程度の電圧差が発生した時点において、クロスラッチ回路CRLを活性化していたが、本実施の形態2の変形例においては、ノードNN6とノードNN7の電圧差が生じる前に微分回路DIFを活性化して、読出データを増幅する。
【0205】
すなわち、本実施の形態2の変形例においては、微分回路DIFを用いることにより、ノードNN6の電圧変動の度合いを増幅することができるためセンス感度がよく、オペアンプ50の活性化タイミングを早くすることができる。これにより、データ読出期間を短縮することができる。
【0206】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0207】
【発明の効果】
請求項1〜4記載の薄膜磁性体記憶装置は、データ書込磁界印加前の選択メモリセルのデータ線の電圧と、所定のデータ書込磁界印加後の選択メモリセルのデータ線の電圧との差に応じて読出データを生成する。このときの印加前のデータ読出、データ書込磁界の印加、印加後のデータ読出は連続的に実行される。これに伴い、すなわち、リファレンスセルを用いないセルフリファレンスセル方式によってデータ読出を実行する際に、連続的に読出、書込を実行するいわゆるリードモディファイライドを用いるため高速なデータ読出動作を実行できる。
【0208】
請求項5記載の薄膜磁性体記憶装置は、1回のデータ読出動作内において、ワード線の活性化を維持する。これに伴い、ワード線の充放電電流を削減することができる。
【0209】
請求項6記載の薄膜磁性体記憶装置は、1回のデータ読出動作内において、読出データを選択メモリセルに再書込するので、選択メモリセルの状態をデータ読出動作の状態に復帰させることができる。
【0210】
請求項7記載の薄膜磁性体記憶装置は、記憶データが読出データと同一のレベルである場合には、再書込動作を中止する。これに伴い、不要な再書込み動作を省略してデータ読出動作時の消費電流を削減することができる。
【0211】
請求項8記載の薄膜磁性体記憶装置は、アクセス素子のない磁気抵抗素子のみのメモリセルによりいわゆるセルフリファレンス読出動作を実行する。これによりメモリセルの構造が簡易であるためにメモリアレイ面積を縮小することが可能となる。
【0212】
請求項9,11および12記載の薄膜磁性体記憶装置は、アクセス素子のない磁気抵抗素子のみのメモリセル構成において、磁化困難軸に沿ったバイアス磁界の印加によって、選択メモリセルの電気抵抗を記憶データに応じた極性で変化することを利用して強制的なデータ書込およびデータ読出、および、選択メモリセルへの記憶データの再書込みを伴うことなく、選択メモリセルに対するアクセスのみを行なうセルフリファレンス方式のデータ読出を実行することができる。これにより、高速なデータ読出が可能となる。
【0213】
請求項10記載の薄膜磁性体記憶装置は、メモリセルの構成がダイオード素子を有する構成において、デジット線をさらに設けていわゆるセルフリファレンス方式のデータ読出を実行することができる。これにより、ダイオード素子を有するメモリセルのデータ書込時の動作安定性を確保しつつ、高速なデータ読出が可能となる。
【0214】
請求項13記載の薄膜磁性体記憶装置は、データ読出回路内の増幅器において、微分回路を用いることにより内部ノードの電圧変化を高速に増幅することができる。これに伴いデータ読出動作を高速に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従うMRAMデバイス1の全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】メモリアレイ10に対してデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の実施の形態1に従う構成を示す回路図である。
【図3】データ読出回路の主要部分の構成を示す回路図である。
【図4】実施の形態1に従うメモリアレイに対する1回のデータ読出動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に従うデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例に従うメモリアレイに対してデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の構成を示す回路図である。
【図7】アクセストランジスタATRを取り除いた1TMR型のMTJメモリセルMC#を示す回路図である。
【図8】MTJメモリセルMC#の構造図である。
【図9】データ読出時において選択セルを流れるデータ読出電流Isの概念図である。
【図10】本発明の実施の形態1の変形例に従う1回のデータ読出動作を説明する動作波形図である。
【図11】本発明の実施の形態2に用いるメモリセルMCaの回路図である。
【図12】MTJメモリセルMCaの構造図である。
【図13】MTJメモリセルに対して磁界を印加するための電流および、MTJメモリセルの電気抵抗の関係を示す概念図である。
【図14】トンネル磁気抵抗素子の磁化方向を説明する概念図である。
【図15】所定バイアス磁界を印加することによってMTJメモリセルのメモリセル抵抗Rcellの抵抗値が変化する概念図である。
【図16】本発明の実施の形態2に従うデータ読出動作およびデータ書込動作を実行するための回路群の構成図である。
【図17】実施の形態2のデータ書込動作のタイミングチャート図である。
【図18】実施の形態2のデータ読出動作のタイミングチャート図である。
【図19】本発明の実施の形態2の変形例に従うデータ読出動作および書込動作を実行する回路群の構成図である。
【図20】実施の形態2の変形例のデータ読出動作のタイミングチャート図である。
【図21】トンネル接合部を有するメモリセルの構成を示す概略図である。
【図22】MTJメモリセルに対するデータ書込動作を説明する概念図である。
【図23】データ書込におけるデータ書込電流とトンネル磁気抵抗素子の磁化方向との関係を示す概念図である。
【図24】MTJメモリセルからのデータ読出を説明する概念図である。
【図25】アクセストランジスタATRを用いたMTJメモリセルの構造図である。
【図26】ダイオード素子をアクセス素子として用いたMTJメモリセルの構成を示す概略図である。
【図27】アクセスダイオードDYを用いたMTJメモリセルの構造図である。
【符号の説明】
1 MRAMデバイス、5 コントロール回路、10 メモリアレイ、20,21 行選択回路、25 列デコーダ、30,35 読出/書込制御回路。
Claims (13)
- 各々が、磁化方向に応じた電気抵抗を有する複数のメモリセルと、
データ読出時に、前記複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルを介して固定電圧と電気的に結合されるデータ線と、
少なくとも前記データ読出時に前記データ線を所定電圧と結合して選択メモリセルにデータ読出電流を供給するための電流供給回路と、
前記選択メモリセルに対してデータ書込磁界を印可するためのデータ書込回路と、
1回のデータ読出動作内において少なくとも1回実行される前記データ書込磁界の印加の前後のそれぞれにおける前記選択メモリセルの記憶データに基づいて読出データを生成するためのデータ読出回路とを備え、
前記データ読出回路は、
前記データ書込磁界の印加前における前記選択メモリセルのデータ読出によって与えられる前記データ線の電圧を内部ノードに保持するための電圧保持部と、所定の前記データ書込磁界の印加後の前記選択メモリセルのデータ読出によって与えられる前記データ線の電圧と、前記内部ノードとの電圧との比較に応じて前記読出データを生成する電圧比較部とを含み、
前記データ書込磁界の印加前のデータ読出、前記データ書込磁界の印加および前記データ書込磁界の印加後のデータ読出は連続的に実行される、薄膜磁性体記憶装置。 - 前記薄膜磁性体記憶装置は、クロック信号に同期して動作し、
前記1回のデータ読出動作内において、前記データ書込磁界の印加前のデータ読出および前記データ書込磁界の印加は1クロックサイクル期間中に連続的に実行される、請求項1記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 前記1回のデータ読出動作前の前記選択メモリセルの記憶データは第1の状態であり、
前記所定のデータ書込磁界の印加により前記選択メモリセルの前記記憶データは前記第1の状態および第2の状態のいずれか一方に設定される、請求項1記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 前記電圧比較部は、前記次に実行されるデータ読出によって与えられる前記データ線の電圧を基準として前記最初のデータ読出によって与えられる前記内部ノードとの電圧差に基づいて前記読出データを生成する、請求項1記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 前記複数のメモリセルは、行列状に配置され、
前記薄膜磁性体記憶装置は、
メモリセル行に対応して設けられた複数のワード線をさらに備え、
各前記メモリセルは、対応するワード線の活性化に応じて前記データ読出電流を通過させるスイッチ素子とをさらに有し、
前記選択メモリセルに対応するワード線は、前記1回のデータ読出動作内において活性化状態を維持する、請求項1記載の薄膜磁性体記憶装置。 - データ書込制御回路は、前記1回のデータ読出動作内において、生成された前記読出データと同一のレベルの前記記憶データを前記選択メモリセルに再書込する、請求項1記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 前記データ書込制御回路は、前記再書込の実行直前における前記選択メモリセルの記憶データと、前記生成された読出データのレベルとが同一である場合には、前記再書込を中止する、請求項6記載の薄膜磁性体記憶装置。
- 各々が、磁化方向に応じた電気抵抗を有する磁気抵抗素子を有する行列状に配置された複数のメモリセルと、
前記メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のソース線と、
前記メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のビット線とを備え、
各前記メモリセルは、アクセス素子を介さずに対応するソース線とビット線との間に配置され、
データ読出時に、前記複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルに対応するビット線と電気的に結合されるデータ線と、
前記データ読出時に前記選択メモリセルに対応するソース線を所定電圧と結合するとともに他のソース線を前記所定電圧と異なる固定電圧と結合するための電圧供給回路と、
前記選択メモリセルに対してデータ書込磁界を印可するためのデータ書込回路と、
1回のデータ読出動作内において少なくとも1回実行される前記データ書込磁界の印加前後での前記選択メモリセルの記憶データに応じた読出データを生成するためのデータ読出回路とをさらに備え、
前記データ読出回路は、
前記データ書込磁界の印加前の前記選択メモリセルのデータ読出によって与えられる前記データ線の電圧を内部ノードに保持するための電圧保持部と、
所定の前記データ書込磁界の印加後の前記選択メモリセルのデータ読出によって与えられる前記データ線の電圧と、前記内部ノードとの電圧との比較に応じて前記読出データを生成する電圧比較部とを含む、薄膜磁性体記憶装置。 - 各々が、磁気的に書込まれた記憶データに応じた方向に磁化容易軸に沿って磁化されて、磁化方向に応じた電気抵抗を有する磁気抵抗素子を有する行列状に配置された複数のメモリセルと、
前記メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のソース線と、
前記メモリセル列にそれぞれ対応して設けられる複数のビット線とを備え、
各前記メモリセルは、アクセス素子を介さずに対応するソース線とビット線との間に配置され、
データ読出時に、前記複数のメモリセルのうちのデータ読出対象に選択された選択メモリセルに対応するビット線と電気的に結合されるデータ線と、
前記データ読出時に前記選択メモリセルに対応するソース線を所定電圧と結合するとともに他のソース線を前記所定電圧と異なる固定電圧と結合するための電圧供給回路と、
前記選択メモリセルに対して、磁化困難軸に沿ったバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加部と、
前記データ読出時に、前記バイアス磁界の印加前後のそれぞれにおける前記データ線の電圧に基づいて、前記選択メモリセルの記憶データに応じた読出データを生成するデータ読出回路とをさらに備える、薄膜磁性体記憶装置。 - 各前記メモリセルは、前記対応するビット線およびソース線の間に前記磁気抵抗素子を介してダイオード素子をさらに有し、
前記薄膜磁性体記憶装置は、メモリセル行にそれぞれ対応して設けられる複数のデジット線をさらに備え、
各前記デジット線は、前記バイアス磁界印加部に相当する、請求項9記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 前記データ読出回路は、
前記バイアス磁界の印加前後のそれぞれにおける前記データ線の電流変化を電圧変化に変換するセンス回路と、
前記センス回路と出力ノードとの間に設けられ、前記バイアス磁界の印加前後での前記電圧変化を前記出力ノードへ伝達するための結合キャパシタと、
前記出力ノードへの前記電圧変化を増幅して前記読出データを出力する増幅部とを含む、請求項9または10記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 前記増幅部は、前記データ読出時において、前記バイアス磁界の印加前に内部ノードの電圧を前記出力ノードと同レベルに設定するための電圧伝達部と、
前記内部ノードの電圧を保持するための電圧保持部と、
前記内部ノードおよび前記出力ノードの電圧差を増幅して前記出力ノードに生成する電圧増幅器とを有する、請求項11記載の薄膜磁性体記憶装置。 - 前記増幅部は、前記データ読出時において、前記バイアス磁界の印加前に内部ノードの電圧を前記第1の内部ノードと同レベルに設定するための電圧伝達部と、
前記内部ノードの電圧を保持するための電圧保持部と、
前記内部ノードの電圧を基準として前記出力ノードへの電圧変化の度合いを増幅する微分回路とを含む、請求項11記載の薄膜磁性体記憶装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002263112A JP2004103104A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 薄膜磁性体記憶装置 |
| US10/383,570 US6842366B2 (en) | 2002-09-09 | 2003-03-10 | Thin film magnetic memory device executing self-reference type data read |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002263112A JP2004103104A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 薄膜磁性体記憶装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004103104A true JP2004103104A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=31986426
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002263112A Pending JP2004103104A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 薄膜磁性体記憶装置 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6842366B2 (ja) |
| JP (1) | JP2004103104A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9058884B2 (en) | 2012-03-21 | 2015-06-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Driving method of semiconductor storage device and semiconductor storage device |
| US9064590B2 (en) | 2012-03-02 | 2015-06-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Driving method of semiconductor storage device and semiconductor storage device |
Families Citing this family (59)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4632625B2 (ja) * | 2002-11-14 | 2011-02-16 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 薄膜磁性体記憶装置 |
| JP3884399B2 (ja) * | 2003-05-21 | 2007-02-21 | 株式会社東芝 | 磁気記憶装置 |
| US7027319B2 (en) * | 2003-06-19 | 2006-04-11 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Retrieving data stored in a magnetic integrated memory |
| JP2008533634A (ja) * | 2005-03-09 | 2008-08-21 | エヌエックスピー ビー ヴィ | 抵抗ヒステリシス素子を備えるメモリマトリックスの制御 |
| JP5356377B2 (ja) * | 2008-05-28 | 2013-12-04 | 株式会社日立製作所 | 磁気メモリセル及び磁気ランダムアクセスメモリ |
| JP2010055692A (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-11 | Toshiba Corp | 読み出し回路及び読み出し方法 |
| JP5173706B2 (ja) * | 2008-09-26 | 2013-04-03 | 株式会社東芝 | 不揮発性半導体記憶装置およびその読み出し方法 |
| US9171601B2 (en) * | 2009-07-08 | 2015-10-27 | Alexander Mikhailovich Shukh | Scalable magnetic memory cell with reduced write current |
| US8923041B2 (en) | 2012-04-11 | 2014-12-30 | Everspin Technologies, Inc. | Self-referenced sense amplifier for spin torque MRAM |
| US9496018B2 (en) * | 2015-04-01 | 2016-11-15 | International Business Machines Corporation | Nonvolatile memory interface for metadata shadowing |
| US10163479B2 (en) | 2015-08-14 | 2018-12-25 | Spin Transfer Technologies, Inc. | Method and apparatus for bipolar memory write-verify |
| US10782153B2 (en) * | 2016-03-08 | 2020-09-22 | Analog Devices Global | Multiturn sensor arrangement and readout |
| US10437723B2 (en) | 2016-09-27 | 2019-10-08 | Spin Memory, Inc. | Method of flushing the contents of a dynamic redundancy register to a secure storage area during a power down in a memory device |
| US10546625B2 (en) | 2016-09-27 | 2020-01-28 | Spin Memory, Inc. | Method of optimizing write voltage based on error buffer occupancy |
| US11119936B2 (en) | 2016-09-27 | 2021-09-14 | Spin Memory, Inc. | Error cache system with coarse and fine segments for power optimization |
| US10460781B2 (en) | 2016-09-27 | 2019-10-29 | Spin Memory, Inc. | Memory device with a dual Y-multiplexer structure for performing two simultaneous operations on the same row of a memory bank |
| US10818331B2 (en) | 2016-09-27 | 2020-10-27 | Spin Memory, Inc. | Multi-chip module for MRAM devices with levels of dynamic redundancy registers |
| US10366774B2 (en) | 2016-09-27 | 2019-07-30 | Spin Memory, Inc. | Device with dynamic redundancy registers |
| US11151042B2 (en) | 2016-09-27 | 2021-10-19 | Integrated Silicon Solution, (Cayman) Inc. | Error cache segmentation for power reduction |
| US11119910B2 (en) | 2016-09-27 | 2021-09-14 | Spin Memory, Inc. | Heuristics for selecting subsegments for entry in and entry out operations in an error cache system with coarse and fine grain segments |
| US10437491B2 (en) | 2016-09-27 | 2019-10-08 | Spin Memory, Inc. | Method of processing incomplete memory operations in a memory device during a power up sequence and a power down sequence using a dynamic redundancy register |
| US10446210B2 (en) | 2016-09-27 | 2019-10-15 | Spin Memory, Inc. | Memory instruction pipeline with a pre-read stage for a write operation for reducing power consumption in a memory device that uses dynamic redundancy registers |
| US10360964B2 (en) | 2016-09-27 | 2019-07-23 | Spin Memory, Inc. | Method of writing contents in memory during a power up sequence using a dynamic redundancy register in a memory device |
| CN108630266B (zh) * | 2017-03-24 | 2022-10-11 | 铠侠股份有限公司 | 存储设备及其控制方法 |
| US10481976B2 (en) | 2017-10-24 | 2019-11-19 | Spin Memory, Inc. | Forcing bits as bad to widen the window between the distributions of acceptable high and low resistive bits thereby lowering the margin and increasing the speed of the sense amplifiers |
| US10489245B2 (en) | 2017-10-24 | 2019-11-26 | Spin Memory, Inc. | Forcing stuck bits, waterfall bits, shunt bits and low TMR bits to short during testing and using on-the-fly bit failure detection and bit redundancy remapping techniques to correct them |
| US10529439B2 (en) | 2017-10-24 | 2020-01-07 | Spin Memory, Inc. | On-the-fly bit failure detection and bit redundancy remapping techniques to correct for fixed bit defects |
| US10656994B2 (en) | 2017-10-24 | 2020-05-19 | Spin Memory, Inc. | Over-voltage write operation of tunnel magnet-resistance (“TMR”) memory device and correcting failure bits therefrom by using on-the-fly bit failure detection and bit redundancy remapping techniques |
| US10395711B2 (en) | 2017-12-28 | 2019-08-27 | Spin Memory, Inc. | Perpendicular source and bit lines for an MRAM array |
| US10424726B2 (en) | 2017-12-28 | 2019-09-24 | Spin Memory, Inc. | Process for improving photoresist pillar adhesion during MRAM fabrication |
| US10891997B2 (en) | 2017-12-28 | 2021-01-12 | Spin Memory, Inc. | Memory array with horizontal source line and a virtual source line |
| US10360962B1 (en) | 2017-12-28 | 2019-07-23 | Spin Memory, Inc. | Memory array with individually trimmable sense amplifiers |
| US10395712B2 (en) | 2017-12-28 | 2019-08-27 | Spin Memory, Inc. | Memory array with horizontal source line and sacrificial bitline per virtual source |
| US10811594B2 (en) | 2017-12-28 | 2020-10-20 | Spin Memory, Inc. | Process for hard mask development for MRAM pillar formation using photolithography |
| US10886330B2 (en) | 2017-12-29 | 2021-01-05 | Spin Memory, Inc. | Memory device having overlapping magnetic tunnel junctions in compliance with a reference pitch |
| US10424723B2 (en) | 2017-12-29 | 2019-09-24 | Spin Memory, Inc. | Magnetic tunnel junction devices including an optimization layer |
| US10840436B2 (en) | 2017-12-29 | 2020-11-17 | Spin Memory, Inc. | Perpendicular magnetic anisotropy interface tunnel junction devices and methods of manufacture |
| US10784439B2 (en) | 2017-12-29 | 2020-09-22 | Spin Memory, Inc. | Precessional spin current magnetic tunnel junction devices and methods of manufacture |
| US10840439B2 (en) | 2017-12-29 | 2020-11-17 | Spin Memory, Inc. | Magnetic tunnel junction (MTJ) fabrication methods and systems |
| US10367139B2 (en) | 2017-12-29 | 2019-07-30 | Spin Memory, Inc. | Methods of manufacturing magnetic tunnel junction devices |
| US10546624B2 (en) | 2017-12-29 | 2020-01-28 | Spin Memory, Inc. | Multi-port random access memory |
| US10438995B2 (en) * | 2018-01-08 | 2019-10-08 | Spin Memory, Inc. | Devices including magnetic tunnel junctions integrated with selectors |
| US10438996B2 (en) | 2018-01-08 | 2019-10-08 | Spin Memory, Inc. | Methods of fabricating magnetic tunnel junctions integrated with selectors |
| US10446744B2 (en) | 2018-03-08 | 2019-10-15 | Spin Memory, Inc. | Magnetic tunnel junction wafer adaptor used in magnetic annealing furnace and method of using the same |
| US11107978B2 (en) | 2018-03-23 | 2021-08-31 | Spin Memory, Inc. | Methods of manufacturing three-dimensional arrays with MTJ devices including a free magnetic trench layer and a planar reference magnetic layer |
| US10784437B2 (en) | 2018-03-23 | 2020-09-22 | Spin Memory, Inc. | Three-dimensional arrays with MTJ devices including a free magnetic trench layer and a planar reference magnetic layer |
| US11107974B2 (en) | 2018-03-23 | 2021-08-31 | Spin Memory, Inc. | Magnetic tunnel junction devices including a free magnetic trench layer and a planar reference magnetic layer |
| US10734573B2 (en) | 2018-03-23 | 2020-08-04 | Spin Memory, Inc. | Three-dimensional arrays with magnetic tunnel junction devices including an annular discontinued free magnetic layer and a planar reference magnetic layer |
| US10411185B1 (en) | 2018-05-30 | 2019-09-10 | Spin Memory, Inc. | Process for creating a high density magnetic tunnel junction array test platform |
| US10593396B2 (en) | 2018-07-06 | 2020-03-17 | Spin Memory, Inc. | Multi-bit cell read-out techniques for MRAM cells with mixed pinned magnetization orientations |
| US10559338B2 (en) | 2018-07-06 | 2020-02-11 | Spin Memory, Inc. | Multi-bit cell read-out techniques |
| US10692569B2 (en) | 2018-07-06 | 2020-06-23 | Spin Memory, Inc. | Read-out techniques for multi-bit cells |
| US10600478B2 (en) | 2018-07-06 | 2020-03-24 | Spin Memory, Inc. | Multi-bit cell read-out techniques for MRAM cells with mixed pinned magnetization orientations |
| US10699761B2 (en) | 2018-09-18 | 2020-06-30 | Spin Memory, Inc. | Word line decoder memory architecture |
| US11621293B2 (en) | 2018-10-01 | 2023-04-04 | Integrated Silicon Solution, (Cayman) Inc. | Multi terminal device stack systems and methods |
| US10971680B2 (en) | 2018-10-01 | 2021-04-06 | Spin Memory, Inc. | Multi terminal device stack formation methods |
| US11107979B2 (en) | 2018-12-28 | 2021-08-31 | Spin Memory, Inc. | Patterned silicide structures and methods of manufacture |
| US11460521B2 (en) | 2019-03-18 | 2022-10-04 | Analog Devices International Unlimited Company | Multiturn sensor arrangement |
| TWI712040B (zh) | 2020-05-12 | 2020-12-01 | 力旺電子股份有限公司 | 具多階型記憶胞陣列之非揮發性記憶體及其相關讀取控制方法 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3127953B2 (ja) * | 1996-08-09 | 2001-01-29 | 日本電気株式会社 | 半導体記憶装置 |
| DE19853447A1 (de) | 1998-11-19 | 2000-05-25 | Siemens Ag | Magnetischer Speicher |
| US6055178A (en) * | 1998-12-18 | 2000-04-25 | Motorola, Inc. | Magnetic random access memory with a reference memory array |
| US6317376B1 (en) * | 2000-06-20 | 2001-11-13 | Hewlett-Packard Company | Reference signal generation for magnetic random access memory devices |
-
2002
- 2002-09-09 JP JP2002263112A patent/JP2004103104A/ja active Pending
-
2003
- 2003-03-10 US US10/383,570 patent/US6842366B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9064590B2 (en) | 2012-03-02 | 2015-06-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Driving method of semiconductor storage device and semiconductor storage device |
| US9058884B2 (en) | 2012-03-21 | 2015-06-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Driving method of semiconductor storage device and semiconductor storage device |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US6842366B2 (en) | 2005-01-11 |
| US20040047179A1 (en) | 2004-03-11 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6842366B2 (en) | Thin film magnetic memory device executing self-reference type data read | |
| US6903963B2 (en) | Thin-film magnetic memory device executing data writing with data write magnetic fields in two directions | |
| US7233537B2 (en) | Thin film magnetic memory device provided with a dummy cell for data read reference | |
| JP4208498B2 (ja) | 薄膜磁性体記憶装置 | |
| US7085174B2 (en) | Semiconductor memory device with current driver providing bi-directional current to data write line | |
| JP4052829B2 (ja) | 薄膜磁性体記憶装置 | |
| JP4046513B2 (ja) | 半導体集積回路 | |
| JP4071531B2 (ja) | 薄膜磁性体記憶装置 | |
| JP4084084B2 (ja) | 薄膜磁性体記憶装置 | |
| KR101068573B1 (ko) | 반도체 메모리 장치 | |
| US20040012995A1 (en) | Thim film magnetic memory device permitting high precision data read | |
| US20150318024A1 (en) | Non-volatile memory using bi-directional resistive elements | |
| JP2004086934A (ja) | 不揮発性記憶装置 | |
| JP4262969B2 (ja) | 薄膜磁性体記憶装置 | |
| JP2008084533A (ja) | 薄膜磁性体記憶装置 | |
| JP2004103202A (ja) | 薄膜磁性体記憶装置 | |
| JP4749454B2 (ja) | 薄膜磁性体記憶装置 | |
| JP2009301668A (ja) | 不揮発性半導体記憶装置の読出回路 | |
| JP2010061727A (ja) | 不揮発性半導体記憶装置 | |
| JP2009076137A (ja) | 不揮発性半導体記憶装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050811 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080710 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080805 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090224 |