JP2004103111A - 磁気転写装置のホルダー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接離移動する片側ホルダー5と他側ホルダー6との間に開閉される内部空間Aに、転写を受けるスレーブ媒体2とその片側または両側に転写情報を担持したマスター担体3,4を収容し、内部空間Aを減圧して両者を対峙密着させるホルダー10で、片側ホルダー5と他側ホルダー6とが接近し、そのスレーブ媒体2とマスター担体3,4間に密着力が作用する以前に、内部空間Aを密閉し、この密閉時の内部空間Aの容積を0.1cm3以上、100cm3以下とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報が担持されたマスター担体からスレーブ媒体へ磁気転写する磁気転写装置において、上記マスター担体とスレーブ媒体とを内部空間に収容し密着させるホルダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の対象とする磁気転写は、少なくとも表層に磁性層を有するサーボ信号等の転写パターンが凹凸形状あるいは埋め込み構造で形成されたマスター担体(パターンドマスター)を、磁気記録部を有するスレーブ媒体と密着させた状態で、転写用磁界を印加してマスター担体に担持した情報に対応する磁化パターンをスレーブ媒体に転写記録するものである。
【0003】
上記スレーブ媒体がハードディスクまたは高密度フレキシブルディスクのような円盤状媒体の場合には、このスレーブ媒体の片面または両面に円盤状のマスター担体を密着させた状態で、その片側または両側に電磁石装置、永久磁石装置による磁界印加装置を配設して転写用磁界を印加する。
【0004】
この磁気転写における転写品質を高めるためには、スレーブ媒体とマスター担体とをいかに均一に密着させることが重要な課題である。つまり密着不良があると、磁気転写が起こらない領域が生じ、磁気転写が起こらないとスレーブ媒体に転写された磁気情報に信号抜けが発生して信号品位が低下し、記録した信号がサーボ信号の場合にはトラッキング機能が十分に得られずに信頼性が低下するという問題がある。
【0005】
その際、上記のような磁気転写では、マスター担体およびスレーブ媒体を、接離移動する片側ホルダーと他側ホルダーとを備えるホルダーの内部空間に収容して対峙密着させることが、全面で均一な密着を得る点で良好である。
【0006】
そして、磁気転写時にホルダー内でマスター担体とスレーブ媒体とを重ねた状態で、エアシリンダーやサーボモータ等の機械的駆動手段によりホルダーを介してマスター担体とスレーブ媒体とを外部から加圧することによりマスター担体とスレーブ媒体とを押圧密着させていた(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかし、この機械的加圧では、マスター担体とスレーブ媒体間に残留したエアが気泡状に閉じ込められる場合があり、この気泡部分でマスター担体とスレーブ媒体間に隙間が生じて密着不良となり転写不良が発生することになる。また、加圧力を高めて上記気泡を強制的に排除しようとするとマスター担体やスレーブ媒体に過大な力が作用して損傷を与える場合があった。
【0008】
この対策として、ホルダー内部にスレーブ媒体およびマスター担体を収容する内部空間を密閉し、マスター担体とスレーブ媒体とを加圧してから内部空間を減圧する、もしくは内部空間を減圧してからマスター担体とスレーブ媒体とを加圧することにより、前記気泡の閉じ込めを解消することが提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−78337号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなホルダーの内部空間を減圧して気泡の閉じ込めを解消する際に、内部空間の容積が大きいと、内部空間を密閉してから減圧し、真空状態としてマスター担体とスレーブ媒体との密着性を確保するためには時間がかかり、タクト時間が長くなって生産性の低下を招くことになる。
【0011】
また、磁気転写を行ったスレーブ媒体を内部空間より取り出し、次のスレーブ媒体を供給するためにホルダーを開く際には、減圧状態の内部空間を大気開放することになり、この大気開放に伴って内部空間にエア通路を通してエアが流入する。その際、流入するエアに塵埃が含まれていると、この塵埃がマスター担体やスレーブ媒体に付着して転写不良の原因となるが、減圧用のエア通路は外部の真空源(真空ポンプ)へ接続するために、ホルダーの支持軸を回転可能に支承する固定部のシール部分を通して導出されるもので、このシール部分すなわち摺動部分で発生した塵埃物質がエア通路に介在し、上記大気開放時の導入エアとともに内部空間にまで流入して前述の転写不良を引き起こす問題があった。
【0012】
本発明はこのような問題に鑑みなされたもので、マスター担体とスレーブ媒体との間に気泡が残留するのを防止するためのホルダーの内部空間の減圧を効率よく行って転写品位を高めるようにした磁気転写装置のホルダーを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気転写装置のホルダーは、接離移動する片側ホルダーと他側ホルダーとの間に開閉される内部空間に、転写を受けるスレーブ媒体とその片側または両側に転写情報を担持したマスター担体を収容し、内部空間を減圧して両者を対峙密着させる磁気転写装置のホルダーにおいて、
前記マスター担体およびスレーブ媒体を収容した前記片側ホルダーと他側ホルダーとが接近し、そのスレーブ媒体とマスター担体間に密着力が作用する以前に、前記内部空間が密閉され、この密閉時の内部空間の容積が0.1cm3以上、100cm3以下であることを特徴とするものである。
【0014】
前記内部空間の密閉時におけるマスター担体とスレーブ媒体間の距離が、0.1mm以上、5mm以下であることが望ましい。
【0015】
前記ホルダーは前記内部空間減圧用のエア通路を備え、該エア通路は内部空間に開口した部位よりホルダーの支持軸外周のシール部位間を通して外部に導出され、前記エア通路の内部空間に開口した部位から前記シール部位に至るまでの該エア通路の容積を、前記内部空間の容積より大きくすることが好ましい。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、マスター担体およびスレーブ媒体を収容した片側ホルダーと他側ホルダーとが接近し、そのスレーブ媒体とマスター担体間に密着力が作用する以前に内部空間が密閉し、この密閉時の内部空間の容積を0.1cm3以上、100cm3以下としたことにより、マスター担体やスレーブ媒体に損傷を与えることなく確実にマスター担体をスレーブ媒体を密着させることができ、さらに内部空間の減圧時間を短縮できることによりタクトタイムが短くなり、処理効率の向上を図ることができる。
【0017】
また、内部空間減圧用のエア通路の内部空間に開口した部位から支持軸のシール部位に至るまでの容積を、内部空間の容積より大きくすると、ホルダーを開く際にエア通路より流入したエアにシール部位で発生した塵埃が内部空間へ流入するのを最小限にすることができ、マスター担体およびスレーブ媒体に付着する塵埃を低減して高品位な磁気転写が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は一実施形態にかかる磁気転写装置のホルダーの開状態を示す概略断面図、図2は内部空間が密閉された状態の同概略断面図、図3は密着状態の同概略断面図である。なお、この図は模式図であり各部の寸法は実際とは異なる比率で示している。
【0019】
図1に示す磁気転写装置のホルダー10は、両面同時磁気転写を行うものであり、接離移動可能な左側の片側ホルダー5と右側の他側ホルダー6とを備え、両者の接近に伴い外周のシール部7により密閉形成される内部空間Aに、スレーブ媒体2、両側のマスター担体3,4を配置して中心位置を合わせた状態でスレーブ媒体2とマスター担体3,4とを対峙密着させる。ここで対峙密着とは、転写パターン部の接触密着、ごく僅かな隙間を空けて対峙することの双方の何れかを指すものとする。
【0020】
片側ホルダー5および他側ホルダー6は背面中心部にそれぞれ支持軸5a,6aを備え、両支持軸5a,6aがそれぞれ固定部8,9に回転可能に支承されている。固定部8,9には軸受け8a,9a(ベアリング)が設置されるとともに、それぞれOリングによる3つのシール材8b,9bが間隔をもって設置されている。
【0021】
前記片側ホルダー5は、その押圧内面5bにスレーブ媒体2の片面にサーボ信号等の情報を転写する一方のマスター担体3を吸着する第1の真空系統11と、押圧内面5bの中心部にスレーブ媒体2を吸着する第2の真空系統12とを備える。前記他側ホルダー6は、その押圧内面6bにスレーブ媒体2の他面にサーボ信号等の情報を転写する他方のマスター担体4を吸着する第3の真空系統13と、内部空間Aを減圧する第4の真空系統14とを備える。
【0022】
上記第1〜第4の真空系統11〜14は、それぞれの支持軸5a,6aを通して片側ホルダー5および他側ホルダー6の外部に導出される。つまり、片側ホルダー5は円盤状でマスター担体3の外径より大きい円形状の押圧内面5bに、マスター担体3の大きさに対応する範囲に第1の真空系統11の吸引穴11aが開口され、この吸引穴11aに連通する第1エア通路11bが片側ホルダー5の円盤部分から支持軸5a内の外周側部分に設置されている。また、上記マスター担体3の内径より内周側の押圧内面5bに第2の真空系統12の吸引穴12aが開口され、この吸引穴12aに連通する第2エア通路12bが片側ホルダー5の円盤部分から支持軸5a内の中心部分に設置されている。第1エア通路11bおよび第2エア通路12bは、支持軸5aの周面の異なる位置に開口し、開口部分を分離するように固定部8に3つのシール材8bが設置され、このシール材8bの間の固定部8に連通穴11c,12cが形成され、各連通穴11c,12cに接続されたエアパイプ11d,12dを通して第1および第2の真空系統11,12が導出され、外部に設置された不図示の真空源(真空ポンプ)に接続され、吸引圧の導入によりマスター担体3の裏面およびスレーブ媒体2の中心部を内面5bに吸着により保持する。
【0023】
一方、前記他側ホルダー6も円盤状でマスター担体4の外径より大きい円形状の押圧内面6bに、マスター担体4の大きさに対応する範囲に第3の真空系統13の吸引穴13aが開口され、この吸引穴13aに連通する第3エア通路13bが他側ホルダー6の円盤部分から支持軸6a内の外周側部分に設置されている。また、上記マスター担体4の内径より内周側の押圧内面6bには凹部が形成され、この凹部の中心に第4の真空系統14の吸引穴14aが開口され、この吸引穴14aに連通する第4エア通路14bが他側ホルダー6の円盤部分から支持軸6a内の中心部分に設置されている。第3エア通路13bおよび第4エア通路14bは、支持軸6aの周面の異なる位置に開口し、開口部分を分離するように固定部9に3つのシール材9bが設置され、このシール材9bの間の固定部9に連通穴13c,14cが形成され、各連通穴13c,14cに接続されたエアパイプ13d,14dを通して第3および第4の真空系統13,14が導出され、外部に設置された不図示の真空源(真空ポンプ)に接続され、吸引圧の導入によりマスター担体4の裏面を吸着により保持するとともに内部空間Aを減圧して密着力を得ると同時に、密着面のエア抜きを行って密着性を高める。
【0024】
前記固定部8,9に設置するシール材8b,9bとしては、固定部8,9の内周または支持軸5a,6aの外周に装着するOリング、磁性流体シール、Oリングと磁性流体シールとを併用して構成してもよい。磁性流体シールは摺動において発塵性がなく、シール部分からの発塵が抑えられる。
【0025】
また、他側ホルダー6の外周に設置されたシール部7はリング状であり、他側ホルダー6の外周面に突設されたフランジ6cに装着されて、弾性部材7aを介して軸方向(接離方向)にその変形量だけ移動可能である。このシール部7の端面にはOリングによる端面シール材7bを備え、片側ホルダー5の内面5bに圧接して内部空間Aの開閉シールを行う。また、シール部7の内周面にはOリングによる周面シール材7cを備え、他側ホルダー6の外周面との間の摺動シールを行う。
【0026】
片側ホルダー5および他側ホルダー6は図示しない回転機構に連係されて磁気転写時に支持軸5a,6aを中心に一体に回転駆動される。なお、図示していないが、磁気転写装置はホルダー10を回転させつつ転写用磁界を印加する磁界印加装置を備える。
【0027】
また、前記片側ホルダー5および他側ホルダー6の少なくとも一方が軸方向(図で左右方向)に移動可能に支持され、両ホルダー5,6が互いに接離移動可能であり、図1に示すような分離状態からの接近移動に伴い、図2のように、シール部7の端面シール材7bが片側ホルダー5の内面5bに圧接して内部空間Aを閉じる。この密閉後に、内部空間Aを第4の真空系統14により減圧すると共に、他側ホルダー6を閉方向へ移動させる。これに伴い図3のように、スレーブ媒体2の両面にマスター担体3,4を所定の加圧力で密着させる。
【0028】
そして、前記図2のように、内部空間Aが密閉されたときの内部空間Aの容積は、0.1cm3以上、100cm3以下(好ましくは50cm3以下)であるように設定している。さらに、内部空間Aの密閉時のマスター担体3,4とスレーブ媒体2間の距離dは、0.1mm以上、5mm以下である。
【0029】
上記により、マスター担体3,4やスレーブ媒体2に損傷を与えることなく確実にマスター担体3,4とスレーブ媒体2を密着させることができ、さらに減圧時間が短いことにより、1枚のスレーブ媒体2への磁気転写に要するタクトタイムを短縮でき、処理効率の向上を図ることができる。
【0030】
つまり、上記容積が100cm3(距離dが5mm)より大きくなると、所定の真空度まで減圧するために要する時間が長くなり、処理能力の低下を招く。減圧時間を短くするために、排気速度を上げると、内部空間Aに強い気流が発生し、発塵の原因となる。また、距離dが5mmより大きくなると、減圧後の加圧時に、片側ホルダー5および/または他側ホルダー6の移動ストロークが大きくなるためにOリング等のシール材7cからの摺動に伴う発塵が多くなるとともに、ホルダー10を両側から挟んで転写用磁界を印加する磁界印加装置の設置間隔が大きくなり問題が生じる。
【0031】
一方、上記容積が0.1cm3(距離dが0.1mm)より狭いと、各部の機械的精度誤差の点で、内部空間Aが密閉される前にスレーブ媒体2とマスター担体4とが接触する可能性があり、圧力が過大に作用したり、エア抜きが良好に行えないなどの問題がある。つまり、加圧前の両ホルダー5,6の平行度は、その構造から0.05mm程度以下にすることは加工精度上困難であり、加圧前密閉時の上記距離dは0.1mm以上であることが必要である。
【0032】
また、内部空間減圧用のエア通路14bの内部空間Aに開口した部位つまり吸引穴14aから支持軸6aのシール材9b(シール部位)に至るまでの容積を、内部空間Aの容積より大きくすると、減圧状態にある内部空間Aを大気開放する際に、ホルダー10の回転に伴う摺動でシール部位で発生した塵埃が、エア通路14bより内部空間Aへ流入するのを防止することができ、マスター担体3,4およびスレーブ媒体2に付着する塵埃を低減して転写品位を高めている。
【0033】
なお、上記密着力の印加のために、第4の真空系統14に加えて、ホルダー10を外部から機械的に加圧する押圧手段を備える。この押圧手段は加圧シリンダを備え、その押圧ロッドの先端がホルダー10の支持軸5aまたは6aに所定の押圧荷重を印加するように構成すればよい。
【0034】
また、他側ホルダー6の内面にはマスター担体4の背面を吸着保持する緩衝材を備えてもよい。この緩衝材は均等に圧力を加えるためのもので、弾性特性を有する材料により円盤シート状に形成される。
【0035】
片側ホルダー5および他側ホルダー6に対するマスター担体3,4およびスレーブ媒体2の位置決めは、例えば、測定顕微鏡またはCCDカメラ等の位置観察手段を使用し、位置決めマーク等を基準としてマスター担体3,4またはスレーブ媒体2をXY方向へ微調整することにより行うか、位置決め部材をホルダー5,6に設置してマスター担体3,4またはスレーブ媒体2の内径を装着して行う。
【0036】
前記スレーブ媒体2は、両面または片面に磁気記録部(磁性層)が形成されたハードディスク、高密度フレキシブルディスクなどの円盤状磁気記録媒体が使用される。その磁気記録部は塗布型磁気記録層あるいは金属薄膜型磁気記録層で構成される。
【0037】
マスター担体3,4は円盤状ディスクに形成されている。このマスター担体3は、基板上に形成された微細凹凸パターンに磁性体が被覆されてなり、この面がスレーブ媒体2に密着される転写パターンが形成された転写情報担持面となる。これと反対側の面が両ホルダー5,6に吸着保持される。マスター担体3,4の基板としては、ニッケル、シリコン、石英板、ガラス、アルミニウム、合金、セラミックス、合成樹脂等を使用する。凹凸パターンの形成は、スタンパー法等によって行われる。磁性体の形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などにより成膜する。面内記録と垂直記録とで、ほぼ同様のマスター担体3,4が使用される。
【0038】
転写用磁界および必要に応じて初期磁界を印加する不図示の磁界印加装置は、面内記録の場合には、例えば、スレーブ媒体2の半径方向に延びるギャップを有するコアにコイルが巻き付けられたリング型ヘッド電磁石がホルダー10の両側に配設されてなり、両側で同じ方向にトラック方向と平行に発生させた転写用磁界を印加する。ホルダー10を回転させて、スレーブ媒体2とマスター担体3,4の全面に転写用磁界を印加する。磁界印加装置を回転移動させるように設けてもよい。磁界印加装置は、片側にのみ配設するようにしてもよく、永久磁石装置を両側または片側に配設してもよい。また、垂直記録の場合の磁界印加装置は、極性の異なる電磁石または永久磁石をホルダー10の両側に配置し、垂直方向に転写用磁界を発生させて印加する。部分的に磁界を印加するものでは、ホルダー10を移動させるか磁界を移動させて全面の磁気転写を行う。
【0039】
次に、磁気転写工程を説明する。上記磁気転写装置のホルダー10では、同じマスター担体3,4により複数のスレーブ媒体2に対する磁気転写を行うものであり、まず片側ホルダー5に第1の真空系統11によってマスター担体3を、他側ホルダー6に第3の真空系統13によってマスター担体4を、それぞれ位置を合わせて吸着保持させておく。
【0040】
この他側ホルダー6と片側ホルダー5とを離間した開状態で、予め面内方向または垂直方向の一方に初期磁化したスレーブ媒体2を中心位置を合わせてセットし第2の真空系統12によって吸着した後、他側ホルダー6を片側ホルダー5に接近移動させる。
【0041】
そして、図2のように、ホルダー10の内部空間Aを閉じた後に、第4の真空系統14により内部空間Aのエア排出を行って減圧し、所定の真空度とすると共に、さらに他側ホルダー6を接近移動させる。スレーブ媒体2にマスター担体4が接触し、真空度に応じて作用する外力(大気圧)による圧力および印加圧力で、片側ホルダー5に向けてスレーブ媒体2とマスター担体3,4とに均一かつ平行に密着力を加え、所定の密着圧力で密着させる。
【0042】
その後、ホルダー10の両側に磁界印加装置を接近させ、ホルダー10を回転させつつ磁界印加装置によって初期磁化とほぼ反対方向に転写用磁界を印加し、マスター担体3,4の転写パターンに応じた磁化パターンをスレーブ媒体2の磁気記録部に転写記録する。
【0043】
上記磁気転写時に印加された転写用磁界は、マスター担体3,4の転写パターンにおけるスレーブ媒体2と密着した磁性体による凸部パターンに吸い込まれ、面内記録の場合にはこの部分の初期磁化は反転せずその他の部分の初期磁化が反転し、垂直記録の場合にはこの部分の初期磁化が反転しその他の部分の初期磁化は反転しない結果、スレーブ媒体2にはマスター担体3,4の転写パターンに応じた磁化パターンが転写記録される。
【0044】
本実施形態によれば、第4の真空系統14により内部空間Aの減圧を行うについて、密閉時の内部空間Aの容積を0.1〜100cm3に狭く設定して減圧時間を短縮するとともに、大気開放時に支持軸6aのシール部位で発生した塵埃がエア通路14bより内部空間Aに流入しないようにしているため、均一密着の確保により、転写品質が良好で信頼性の高い磁気転写が、高い処理効率で行える。
【0045】
また、上記密閉時のマスター担体とスレーブ媒体間の距離dが0.1mm以上、5mm以下としたことにより、スレーブ媒体への傷の発生がなく、異物の付着も少い。この距離dと転写後のスレーブ媒体の表面性状との関係を求めた実験結果を、下記表1に示す。
【0046】
この実験は、上記距離dを0.02mm〜7mmに変更し、磁気転写後のスレーブ媒体の表面性状を、ハロゲンランプを用いて目視観察により検査したものである。各距離dにおいて1枚のスレーブ媒体を使用し、それぞれの条件で連続10回の磁気転写を行った後に、検査した。傷・異物の付着がなく良好なものが○、特に良好なものが◎、傷・異物の付着が許容以上の不良なものを×として評価している。
【0047】
表1の結果、距離dが0.05mm以下では、外周部に傷が確認された。また、距離dを大きくしていくと開閉ストロークが大きくなるのに伴い、徐々に異物の付着が増加し、距離dが6mm以上では、異物(塵埃)の付着が多く許容範囲を超えた。以上の結果より、距離dは0.1〜5mmの範囲で良好であった。特に、異物の付着および傷の発生が極めて少ない0.1mm以上、1mm以下の範囲が好ましい。
【0048】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態にかかる磁気転写装置のホルダーの開状態を示す概略断面図
【図2】図1の磁気転写装置のホルダーの内部空間の密閉状態を示す概略断面図
【図3】図1の磁気転写装置のホルダーの密着状態を示す概略断面図
【符号の説明】
10 ホルダー
2 スレーブ媒体
3,4 マスター担体
5 片側ホルダー
5a 支持軸
5b 内面
6 他側ホルダー
6a 支持軸
6b 内面
7 シール部
8,9 固定部
8b,9b シール材(シール部位)
11〜14 真空系統
11a〜14a 吸引穴
11b〜14b エア通路
11d〜14d エアパイプ
A 内部空間
Claims (3)
- 接離移動する片側ホルダーと他側ホルダーとの間に開閉される内部空間に、転写を受けるスレーブ媒体とその片側または両側に転写情報を担持したマスター担体を収容し、内部空間を減圧して両者を対峙密着させる磁気転写装置のホルダーにおいて、
前記マスター担体およびスレーブ媒体を収容した前記片側ホルダーと他側ホルダーとが接近し、そのスレーブ媒体とマスター担体間に密着力が作用する以前に、前記内部空間が密閉され、この密閉時の内部空間の容積が0.1cm3以上、100cm3以下であることを特徴とする磁気転写装置のホルダー。 - 前記内部空間の密閉時におけるマスター担体とスレーブ媒体間の距離が、0.1mm以上、5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気転写装置のホルダー。
- 前記ホルダーは前記内部空間減圧用のエア通路を備え、該エア通路は内部空間に開口した部位よりホルダーの支持軸外周のシール部位間を通して外部に導出され、前記エア通路の内部空間に開口した部位から前記シール部位に至るまでの該エア通路の容積が、前記内部空間の容積より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気転写装置のホルダー。
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|---|---|---|---|
| JP2002263749A JP2004103111A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 磁気転写装置のホルダー |
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| US8004781B2 (en) | 2007-12-14 | 2011-08-23 | Fujifilm Corporation | Magnetic transfer apparatus, magnetic transfer method and magnetic recording medium with magnetic information transferred thereto |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20070327 |
