JP2004103277A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】運転停止後、膜電極体11の表面や内部を確実に乾燥状態に制御できるようにする。
【解決手段】電解質膜111の両側に触媒層112、113が配置された膜電極体11と、膜電極体11を挟持するセパレータ12、13とを備え、膜電極体11とセパレータ12、13との間に、水素および酸素を流通させる通路14、15が形成された燃料電池システムにおいて、セパレータ12、13における膜電極体11と対向する面に、水分を吸着する吸水部材16を配置する。これによると、膜電極体11に近接して吸水部材16を配置しているため、燃料電池の運転を停止した際には、膜電極体11の表面や内部に存在する水分を確実に吸着することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】電解質膜111の両側に触媒層112、113が配置された膜電極体11と、膜電極体11を挟持するセパレータ12、13とを備え、膜電極体11とセパレータ12、13との間に、水素および酸素を流通させる通路14、15が形成された燃料電池システムにおいて、セパレータ12、13における膜電極体11と対向する面に、水分を吸着する吸水部材16を配置する。これによると、膜電極体11に近接して吸水部材16を配置しているため、燃料電池の運転を停止した際には、膜電極体11の表面や内部に存在する水分を確実に吸着することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素と酸素との電気化学反応により発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポータブル発電器等の移動体に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムの燃料電池は、水素と酸素との電気化学反応により発電を行うセルを複数枚積層して構成されている。また、このセルは、電解質膜の両側に触媒が配置された膜電極体と、膜電極体を挟持するセパレータとを備え、膜電極体とセパレータとの間に、水素および酸素を流通させる通路が形成されている。
【0003】
この燃料電池システムでは化学反応により水が必ず生成され、燃料電池による発電が安定して持続している運転状態では、生成水は化学反応熱により気体あるいは液体状態にて存在する。しかし、燃料電池による発電を停止すると、上記の生成水は膜電極体の表面や内部に滞留することになり、雰囲気温度が氷点下まで低下すると、膜電極体の表面や内部にて氷結してしまう。
【0004】
そして、電気化学反応場である膜電極体の触媒上で氷結した場合、燃料である水素や酸素を膜電極体に供給しても電気化学反応は起こらない。また、膜電極体の電解質膜内部で氷結した場合、触媒にて水素がプロトンと電子に分解されても、プロトンは電解質膜内を移動できないので、電気エネルギーを取り出すことができない。
【0005】
従って、氷点下雰囲気において、膜電極体の表面および内部にて氷結した水を何らかの方法で融解した後に水素や酸素を供給して電気エネルギーを取り出すことになる。ところが、燃料電池を車両用として用いる場合には、あらゆる環境下における始動性が重要であるが、膜電極体の表面や内部にて氷結した水を融解する時間の分だけ始動性が悪化する。
【0006】
そこで、融解にかかる時間を省いて低温起動性を向上させるために、運転停止後に燃料電池内部の水分を除去するようにしたシステムが提案されている。具体的には、水素あるいは酸素の供給ライン内に三方切替弁と水分吸着部を設け、この水分吸着部により運転停止後に燃料電池内部の水分を除去するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−208429号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたシステムにおいては、水分吸着部は水素や酸素の供給ラインを構成する配管内に設けられており、換言すると、水分吸着部は燃料電池の外部に設けられている。
【0009】
ここで、例えば車両用の燃料電池システムの場合、上記の配管の内径は1インチ(25.4mm)程度であり、一方、セル内部の通路の隙間すなわち膜電極体とセパレータとの隙間は数百μm程度である。そして、燃料電池内部に数百枚積層されたそれぞれのセルの内部に存在する水分を水分吸着部により除去するためには、セル内部の水分は、相対的に非常に狭いセル内部の空間を移動して、広い空間に設置された水分吸着部に到達しなければならない。従って、セル内部の水分を水分吸着部により確実に除去することは困難である。
【0010】
また、水分吸着部は、膜電極体の表面や内部に存在する水分を吸着する前に、配管内に存在する水分を先に吸着するので、凍結を防止すべき膜電極体の表面や内部を良好に乾燥させる効果は低減してしまうという問題があった。
【0011】
さらに、水分吸着部は水素や酸素の供給ラインに設けられているが、搭載スペースの限られた車両では、搭載が困難になることも予想される。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、運転停止後、膜電極体の表面や内部を効果的に乾燥状態に制御できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギーを発生するセル(1)を複数枚積層した燃料電池を有し、セル(1)は、電解質膜(111)の両側に触媒層(112、113)が配置された膜電極体(11)と、膜電極体(11)を挟持するセパレータ(12、13)とを備え、膜電極体(11)とセパレータ(12、13)との間に、水素および酸素を流通させる通路(14、15)が形成された燃料電池システムにおいて、セパレータ(12、13)における膜電極体(11)と対向する面に、水分を吸着する吸水部材(16)が配置されていることを特徴とする。
【0014】
これによると、膜電極体に近接して吸水部材を配置しているため、燃料電池の運転を停止した際には、膜電極体の表面や内部に存在する水分を確実に吸着して、膜電極体の表面や内部を効果的に乾燥状態に制御することができる。
【0015】
また、吸水部材はセル内に配置されるため、システムの大型化を回避することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明では、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギーを発生するセル(1)を複数枚積層した燃料電池を有し、セル(1)は、電解質膜(111)の両側に触媒層(114、115)が配置された膜電極体(11)と、膜電極体(11)を挟持するセパレータ(12、13)とを備え、膜電極体(11)とセパレータ(12、13)との間に、水素および酸素を流通させる通路(14、15)が形成された燃料電池システムにおいて、膜電極体(11)に、水分を吸着する吸水部材(114、115)が配置されていることを特徴とする。
【0017】
これによると、膜電極体に吸水部材を配置しているため、燃料電池の運転を停止した際には、膜電極体の表面や内部に存在する水分を確実に吸着して、膜電極体の表面や内部を効果的に乾燥状態に制御することができる。
【0018】
また、吸水部材はセル内に配置されるため、システムの大型化を回避することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、吸水部材(16、114、115)は、低温域では水分を吸着し、高温域では水分を脱離する特性を有することを特徴とする。
【0020】
これによると、燃料電池の運転開始によりセル内の温度が上昇すると、吸水部材に吸着されていた水分が脱離し、その脱離した水分により膜電極体を湿潤させることができる。
【0021】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1、図2に基づいて説明する。図1は燃料電池におけるセルの構成を示しており、この燃料電池を備える燃料電池システムは、燃料電池を電源として走行する電気自動車(燃料電池車両)に適用される。
【0023】
図1において、燃料電池は、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生するもので、本実施形態では燃料電池として固体高分子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となるセル1が複数個積層され、且つ電気的に直列接続されている。燃料電池では、水素および空気(酸素)が供給されることにより、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。
【0024】
(燃料極側)H2→2H++2e−
(空気極側)2H++1/2O2 +2e−→H2O
セル1は、電解質膜111の側面に燃料極触媒層112と空気極触媒層113とが配置された膜電極体(いわゆる、MEA)11、および、この膜電極体11を挟持する第1、第2セパレータ12、13を備えている。
【0025】
膜電極体11は、より詳細には、電解質膜111の表面に、導電体である炭素と電気化学反応を促進する白金等の触媒とを設け、さらにその上層に、導電体で且つ液体水分保持性能を有するカーボンクロスを設けたものである。
【0026】
第1セパレータ12と燃料極触媒層112は数百μmの隙間をもって対向配置されており、これにより、水素を流通させる水素通路14が、第1セパレータ12と燃料極触媒層112との間に形成されている。また、第2セパレータ13と空気極触媒層113も数百μmの隙間をもって対向配置されており、これにより、空気を流通させる空気通路15が、第2セパレータ13と空気極触媒層113との間に形成されている。
【0027】
また、各セパレータ12、13における触媒層112、113と対向する面には、水分を吸着する吸水部材16が担持されている。この吸水部材16の素材として、本例では微小粉末の親水性のゼオライトを用いている。図2は、このゼオライトの温度と水分吸着量との関係を示すもので、低温域では水分を吸着し、高温域では水分を脱離する特性を有する。
【0028】
このゼオライトとバインダーと呼ばれる接着剤とを混合した溶液に、セパレータ12、13を含漬したり、あるいは、上記の溶液をセパレータ12、13に吹き付けたりした後、焼成等の乾燥工程を1回ないし数回繰り返して吸水部材16の層を形成する。なお、乾燥工程における要求温度はバインダーの特性により決まる。
【0029】
セパレータ12、13は、乾燥工程の温度に耐え得ることと、吸水部材16を担持する面の表面粗さが重要になってくる。そこで、セパレータ12、13の材質として、耐熱性のSUS(SUS316等)を用いれば、バインダーの種類にかかわらず乾燥工程の温度に耐えることができる。また、通常、SUSは50Z程度の表面粗さであるが、ゼオライトの担持を良好にするために、担持面にエッチング処理を施しておくことが望ましい。
【0030】
一方、常温〜100℃程度の雰囲気温度で乾燥するバインダーを用いれば、セパレータ12、13をカーボン系の材料にて形成することができる。
【0031】
次に、上記構成の燃料電池の作動を説明する。
【0032】
セル1の温度が80℃程度に制御されている通常運転時には、図2の特性を有する吸水部材16はほとんど水分を吸着することはなく、乾燥状態にある。
【0033】
そして、この通常運転の後に運転を停止した場合、燃料電池は外気により自然冷却される。この冷却に伴って吸水部材16の温度が低下すると、吸水部材16が水分吸着性能を発揮するので雰囲気中の水分は吸水部材16に吸着される。
【0034】
ここで、吸水部材16は、膜電極体11に対向して配置されており、しかも膜電極体11の表面から数百μmだけ離れた極めて近い位置にあるため、膜電極体11の表面や内部に存在する水分が吸水部材16に確実に吸着され、セル1の温度が氷点下に達する時点では、膜電極体11の表面や内部を確実に乾燥状態にすることができる。従って、氷点下雰囲気における膜電極体11の表面や内部での氷結を防止することができ、氷点下雰囲気での燃料電池の始動性を向上することができる。
【0035】
また、燃料電池の運転開始によりセル1内の温度が上昇すると、吸水部材16に吸着されていた水分が脱離して吸水部材16が再生されると共に、その脱離した水分により膜電極体11を湿潤させることができる。
【0036】
また、吸水部材16はセル1内に配置されるため、システムの大型化を回避することができる。従って、搭載スペースの限られた車両用燃料電池システムに有効である。
【0037】
なお、本実施形態では、第1、第2セパレータ12、13のいずれにも吸水部材16を設けたが、第1、第2セパレータ12、13のいずれか一方のみに吸水部材16を設けるようにしてもよい。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態における吸水部材の位置を変更したものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図3に示すように、本実施形態の燃料極触媒層114と空気極触媒層115は、炭素、触媒、および吸水部材の素材(本例では、微小粉末のゼオライト)を混合したもので形成されており、従って、これらの触媒層114、115は吸水部材を兼ねるものである。
【0040】
なお、触媒層114、115は、次のようにして形成される。すなわち、炭素と触媒とゼオライトと液体状の電解質とを混合し、この液体状の電解質をバインダーとして利用して、その混合物を電解質膜111の表面に塗布している。
【0041】
本実施形態によれば、運転停止後のセル1内の温度低下に伴い、触媒層114、115のゼオライトに、膜電極体11の表面や内部に存在する水分が確実に吸着される。従って、氷点下雰囲気における膜電極体11の表面や内部での氷結を防止することができ、氷点下雰囲気での燃料電池の始動性を向上することができる。
【0042】
また、燃料電池の運転開始によりセル1内の温度が上昇すると、ゼオライトに吸着されていた水分が脱離し、その脱離した水分により膜電極体11を湿潤させることができる。
【0043】
また、触媒層114、115が吸水部材を兼ねるため、システムの大型化を回避することができる。従って、搭載スペースの限られた車両用燃料電池システムに有効である。
【0044】
なお、本実施形態では、燃料極触媒層114および空気極触媒層115のいずれにも吸水部材の素材を混合したが、燃料極触媒層114および空気極触媒層115のいずれか一方のみに吸水部材の素材を混合してもよい。
【0045】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、吸水部材の素材としてゼオライトを用いたが、シリカゲルを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料電池における要部の構成を示す図である。
【図2】図1の吸水部材16の温度と水分吸着量との関係を示す図である。
【図3】第2実施形態の燃料電池における要部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…セル、11…膜電極体、12、13…セパレータ、14、15…通路、
16…吸水部材、111…電解質膜、112、113…触媒層。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素と酸素との電気化学反応により発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポータブル発電器等の移動体に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムの燃料電池は、水素と酸素との電気化学反応により発電を行うセルを複数枚積層して構成されている。また、このセルは、電解質膜の両側に触媒が配置された膜電極体と、膜電極体を挟持するセパレータとを備え、膜電極体とセパレータとの間に、水素および酸素を流通させる通路が形成されている。
【0003】
この燃料電池システムでは化学反応により水が必ず生成され、燃料電池による発電が安定して持続している運転状態では、生成水は化学反応熱により気体あるいは液体状態にて存在する。しかし、燃料電池による発電を停止すると、上記の生成水は膜電極体の表面や内部に滞留することになり、雰囲気温度が氷点下まで低下すると、膜電極体の表面や内部にて氷結してしまう。
【0004】
そして、電気化学反応場である膜電極体の触媒上で氷結した場合、燃料である水素や酸素を膜電極体に供給しても電気化学反応は起こらない。また、膜電極体の電解質膜内部で氷結した場合、触媒にて水素がプロトンと電子に分解されても、プロトンは電解質膜内を移動できないので、電気エネルギーを取り出すことができない。
【0005】
従って、氷点下雰囲気において、膜電極体の表面および内部にて氷結した水を何らかの方法で融解した後に水素や酸素を供給して電気エネルギーを取り出すことになる。ところが、燃料電池を車両用として用いる場合には、あらゆる環境下における始動性が重要であるが、膜電極体の表面や内部にて氷結した水を融解する時間の分だけ始動性が悪化する。
【0006】
そこで、融解にかかる時間を省いて低温起動性を向上させるために、運転停止後に燃料電池内部の水分を除去するようにしたシステムが提案されている。具体的には、水素あるいは酸素の供給ライン内に三方切替弁と水分吸着部を設け、この水分吸着部により運転停止後に燃料電池内部の水分を除去するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−208429号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたシステムにおいては、水分吸着部は水素や酸素の供給ラインを構成する配管内に設けられており、換言すると、水分吸着部は燃料電池の外部に設けられている。
【0009】
ここで、例えば車両用の燃料電池システムの場合、上記の配管の内径は1インチ(25.4mm)程度であり、一方、セル内部の通路の隙間すなわち膜電極体とセパレータとの隙間は数百μm程度である。そして、燃料電池内部に数百枚積層されたそれぞれのセルの内部に存在する水分を水分吸着部により除去するためには、セル内部の水分は、相対的に非常に狭いセル内部の空間を移動して、広い空間に設置された水分吸着部に到達しなければならない。従って、セル内部の水分を水分吸着部により確実に除去することは困難である。
【0010】
また、水分吸着部は、膜電極体の表面や内部に存在する水分を吸着する前に、配管内に存在する水分を先に吸着するので、凍結を防止すべき膜電極体の表面や内部を良好に乾燥させる効果は低減してしまうという問題があった。
【0011】
さらに、水分吸着部は水素や酸素の供給ラインに設けられているが、搭載スペースの限られた車両では、搭載が困難になることも予想される。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、運転停止後、膜電極体の表面や内部を効果的に乾燥状態に制御できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギーを発生するセル(1)を複数枚積層した燃料電池を有し、セル(1)は、電解質膜(111)の両側に触媒層(112、113)が配置された膜電極体(11)と、膜電極体(11)を挟持するセパレータ(12、13)とを備え、膜電極体(11)とセパレータ(12、13)との間に、水素および酸素を流通させる通路(14、15)が形成された燃料電池システムにおいて、セパレータ(12、13)における膜電極体(11)と対向する面に、水分を吸着する吸水部材(16)が配置されていることを特徴とする。
【0014】
これによると、膜電極体に近接して吸水部材を配置しているため、燃料電池の運転を停止した際には、膜電極体の表面や内部に存在する水分を確実に吸着して、膜電極体の表面や内部を効果的に乾燥状態に制御することができる。
【0015】
また、吸水部材はセル内に配置されるため、システムの大型化を回避することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明では、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギーを発生するセル(1)を複数枚積層した燃料電池を有し、セル(1)は、電解質膜(111)の両側に触媒層(114、115)が配置された膜電極体(11)と、膜電極体(11)を挟持するセパレータ(12、13)とを備え、膜電極体(11)とセパレータ(12、13)との間に、水素および酸素を流通させる通路(14、15)が形成された燃料電池システムにおいて、膜電極体(11)に、水分を吸着する吸水部材(114、115)が配置されていることを特徴とする。
【0017】
これによると、膜電極体に吸水部材を配置しているため、燃料電池の運転を停止した際には、膜電極体の表面や内部に存在する水分を確実に吸着して、膜電極体の表面や内部を効果的に乾燥状態に制御することができる。
【0018】
また、吸水部材はセル内に配置されるため、システムの大型化を回避することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、吸水部材(16、114、115)は、低温域では水分を吸着し、高温域では水分を脱離する特性を有することを特徴とする。
【0020】
これによると、燃料電池の運転開始によりセル内の温度が上昇すると、吸水部材に吸着されていた水分が脱離し、その脱離した水分により膜電極体を湿潤させることができる。
【0021】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1、図2に基づいて説明する。図1は燃料電池におけるセルの構成を示しており、この燃料電池を備える燃料電池システムは、燃料電池を電源として走行する電気自動車(燃料電池車両)に適用される。
【0023】
図1において、燃料電池は、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生するもので、本実施形態では燃料電池として固体高分子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となるセル1が複数個積層され、且つ電気的に直列接続されている。燃料電池では、水素および空気(酸素)が供給されることにより、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。
【0024】
(燃料極側)H2→2H++2e−
(空気極側)2H++1/2O2 +2e−→H2O
セル1は、電解質膜111の側面に燃料極触媒層112と空気極触媒層113とが配置された膜電極体(いわゆる、MEA)11、および、この膜電極体11を挟持する第1、第2セパレータ12、13を備えている。
【0025】
膜電極体11は、より詳細には、電解質膜111の表面に、導電体である炭素と電気化学反応を促進する白金等の触媒とを設け、さらにその上層に、導電体で且つ液体水分保持性能を有するカーボンクロスを設けたものである。
【0026】
第1セパレータ12と燃料極触媒層112は数百μmの隙間をもって対向配置されており、これにより、水素を流通させる水素通路14が、第1セパレータ12と燃料極触媒層112との間に形成されている。また、第2セパレータ13と空気極触媒層113も数百μmの隙間をもって対向配置されており、これにより、空気を流通させる空気通路15が、第2セパレータ13と空気極触媒層113との間に形成されている。
【0027】
また、各セパレータ12、13における触媒層112、113と対向する面には、水分を吸着する吸水部材16が担持されている。この吸水部材16の素材として、本例では微小粉末の親水性のゼオライトを用いている。図2は、このゼオライトの温度と水分吸着量との関係を示すもので、低温域では水分を吸着し、高温域では水分を脱離する特性を有する。
【0028】
このゼオライトとバインダーと呼ばれる接着剤とを混合した溶液に、セパレータ12、13を含漬したり、あるいは、上記の溶液をセパレータ12、13に吹き付けたりした後、焼成等の乾燥工程を1回ないし数回繰り返して吸水部材16の層を形成する。なお、乾燥工程における要求温度はバインダーの特性により決まる。
【0029】
セパレータ12、13は、乾燥工程の温度に耐え得ることと、吸水部材16を担持する面の表面粗さが重要になってくる。そこで、セパレータ12、13の材質として、耐熱性のSUS(SUS316等)を用いれば、バインダーの種類にかかわらず乾燥工程の温度に耐えることができる。また、通常、SUSは50Z程度の表面粗さであるが、ゼオライトの担持を良好にするために、担持面にエッチング処理を施しておくことが望ましい。
【0030】
一方、常温〜100℃程度の雰囲気温度で乾燥するバインダーを用いれば、セパレータ12、13をカーボン系の材料にて形成することができる。
【0031】
次に、上記構成の燃料電池の作動を説明する。
【0032】
セル1の温度が80℃程度に制御されている通常運転時には、図2の特性を有する吸水部材16はほとんど水分を吸着することはなく、乾燥状態にある。
【0033】
そして、この通常運転の後に運転を停止した場合、燃料電池は外気により自然冷却される。この冷却に伴って吸水部材16の温度が低下すると、吸水部材16が水分吸着性能を発揮するので雰囲気中の水分は吸水部材16に吸着される。
【0034】
ここで、吸水部材16は、膜電極体11に対向して配置されており、しかも膜電極体11の表面から数百μmだけ離れた極めて近い位置にあるため、膜電極体11の表面や内部に存在する水分が吸水部材16に確実に吸着され、セル1の温度が氷点下に達する時点では、膜電極体11の表面や内部を確実に乾燥状態にすることができる。従って、氷点下雰囲気における膜電極体11の表面や内部での氷結を防止することができ、氷点下雰囲気での燃料電池の始動性を向上することができる。
【0035】
また、燃料電池の運転開始によりセル1内の温度が上昇すると、吸水部材16に吸着されていた水分が脱離して吸水部材16が再生されると共に、その脱離した水分により膜電極体11を湿潤させることができる。
【0036】
また、吸水部材16はセル1内に配置されるため、システムの大型化を回避することができる。従って、搭載スペースの限られた車両用燃料電池システムに有効である。
【0037】
なお、本実施形態では、第1、第2セパレータ12、13のいずれにも吸水部材16を設けたが、第1、第2セパレータ12、13のいずれか一方のみに吸水部材16を設けるようにしてもよい。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態における吸水部材の位置を変更したものである。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図3に示すように、本実施形態の燃料極触媒層114と空気極触媒層115は、炭素、触媒、および吸水部材の素材(本例では、微小粉末のゼオライト)を混合したもので形成されており、従って、これらの触媒層114、115は吸水部材を兼ねるものである。
【0040】
なお、触媒層114、115は、次のようにして形成される。すなわち、炭素と触媒とゼオライトと液体状の電解質とを混合し、この液体状の電解質をバインダーとして利用して、その混合物を電解質膜111の表面に塗布している。
【0041】
本実施形態によれば、運転停止後のセル1内の温度低下に伴い、触媒層114、115のゼオライトに、膜電極体11の表面や内部に存在する水分が確実に吸着される。従って、氷点下雰囲気における膜電極体11の表面や内部での氷結を防止することができ、氷点下雰囲気での燃料電池の始動性を向上することができる。
【0042】
また、燃料電池の運転開始によりセル1内の温度が上昇すると、ゼオライトに吸着されていた水分が脱離し、その脱離した水分により膜電極体11を湿潤させることができる。
【0043】
また、触媒層114、115が吸水部材を兼ねるため、システムの大型化を回避することができる。従って、搭載スペースの限られた車両用燃料電池システムに有効である。
【0044】
なお、本実施形態では、燃料極触媒層114および空気極触媒層115のいずれにも吸水部材の素材を混合したが、燃料極触媒層114および空気極触媒層115のいずれか一方のみに吸水部材の素材を混合してもよい。
【0045】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、吸水部材の素材としてゼオライトを用いたが、シリカゲルを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料電池における要部の構成を示す図である。
【図2】図1の吸水部材16の温度と水分吸着量との関係を示す図である。
【図3】第2実施形態の燃料電池における要部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…セル、11…膜電極体、12、13…セパレータ、14、15…通路、
16…吸水部材、111…電解質膜、112、113…触媒層。
Claims (3)
- 水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギーを発生するセル(1)を複数枚積層した燃料電池を有し、
前記セル(1)は、電解質膜(111)の両側に触媒層(112、113)が配置された膜電極体(11)と、前記膜電極体(11)を挟持するセパレータ(12、13)とを備え、
前記膜電極体(11)と前記セパレータ(12、13)との間に、前記水素および前記酸素を流通させる通路(14、15)が形成された燃料電池システムにおいて、
前記セパレータ(12、13)における前記膜電極体(11)と対向する面に、水分を吸着する吸水部材(16)が配置されていることを特徴とする燃料電池システム。 - 水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギーを発生するセル(1)を複数枚積層した燃料電池を有し、
前記セル(1)は、電解質膜(111)の両側に触媒層(114、115)が配置された膜電極体(11)と、前記膜電極体(11)を挟持するセパレータ(12、13)とを備え、
前記膜電極体(11)と前記セパレータ(12、13)との間に、前記水素および前記酸素を流通させる通路(14、15)が形成された燃料電池システムにおいて、
前記膜電極体(11)に、水分を吸着する吸水部材(114、115)が配置されていることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記吸水部材(16、114、115)は、低温域では水分を吸着し、高温域では水分を脱離する特性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002259834A patent/JP2004103277A/ja active Pending
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